JP2757027B2 - 生体吸収性医療用具の製造法 - Google Patents

生体吸収性医療用具の製造法

Info

Publication number
JP2757027B2
JP2757027B2 JP1183298A JP18329889A JP2757027B2 JP 2757027 B2 JP2757027 B2 JP 2757027B2 JP 1183298 A JP1183298 A JP 1183298A JP 18329889 A JP18329889 A JP 18329889A JP 2757027 B2 JP2757027 B2 JP 2757027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
polymer
solvent
medical device
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1183298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0347265A (ja
Inventor
達也 川合
貴志 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JEI EMU ESU KK
Original Assignee
JEI EMU ESU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JEI EMU ESU KK filed Critical JEI EMU ESU KK
Priority to JP1183298A priority Critical patent/JP2757027B2/ja
Publication of JPH0347265A publication Critical patent/JPH0347265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2757027B2 publication Critical patent/JP2757027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生体吸収性材料として知られている乳酸お
よび/またはグリコール酸を主たる構成単位とする脂肪
族ポリエステルからなる医療用具の製造法に関する。さ
らに詳しくは、溶液成形法を利用して上記の重合体から
生体内に埋入する医療用具を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕 ポリ乳酸,ポリグリコール酸あるいはこれらの共重合
体は、生体吸収性材料の1つとして知られており、縫合
糸やステープルなどの用途に使用されている。これらの
材料は熱可塑性であるので、一般に射出成形や押出成形
などの溶融成形法を利用して成形物を製造している。
ところで、高分子材料の成形法としては、溶融成形法
以外に溶液からの成形法も公知であり、繊維や膜の製造
に利用されている。溶液成形法としては、溶液を重合体
の非溶媒と接触させて凝固させる湿式法と、溶液から溶
媒を蒸発させて固化させる乾式法があるが、本発明は乾
式法に属するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
縫合糸やステープルは、同一の規格のものを大量に使
用するので溶融成形法が好適であるが、医療用具のなか
にはきわめて多くの規格を必要とするものもあり、溶融
成形法による生産が困難なものがある。例えば、特開昭
61−217170号に開示されている血管吻合用のスプリント
の場合、吻合しようとする血管の径に対応した径のもの
を用意する必要があるが、その径はさまざまである。こ
れを溶融成形法によって製造しようとすると、非常に多
くの金型を用意する必要があり、金型の製作費が莫大な
ものになってしまう。そし、各規格ごとの需要はあまり
多くはないので、製品1個あたりの製造コストがきわめ
て高くなり、実用的ではない。
そこで、本発明者らは溶液成形法による製造を試み
た。すなわち、上記の重合体を適当な溶媒に溶解し、こ
の溶液にシリコーン樹脂製の棒を浸漬して引き上げた後
に溶媒を蒸発させる操作を数回繰り返すことによって適
度な厚さの被膜を形成し、最後に50℃で24時間乾燥して
樹脂棒を抜いて、円筒状の血管吻合用スプリントを作製
した。得られた成形物は十分な剛性を有していたが、動
物実験に使用したところ生体と接触すると同時に急速に
軟化してしまい、血管を保持できないものになってしま
った。すなわち、溶媒の除去を体温よりも高い温度で行
っているにもかかわらず、生体と接触すると急速に軟化
してしまい、生体に適用したときに十分な剛性を維持で
きる成形物を得ることはできなかった。
本発明は、このような問題を解決せんがためになされ
たものであり、生体に適用しても一定期間は十分な剛性
を維持できる成形物を、溶液成形法によって製造できる
技術を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するためには、溶液成形により得ら
れた成形物を特定の温度範囲で熱処理すればよいことが
判明した。すなわち本発明は、乳酸および/またはグリ
コール酸を主たる構成単位とする重合体からなる生体吸
収性医療用具の製造法であって、該重合体を溶媒に溶解
した溶液を所望の形状に賦形し、溶媒を蒸発させると同
時またはその後に、60〜120℃の温度で熱処理を行うこ
とを特徴とする生体吸収性医療用具の製造法である。
〔作用〕
溶液からの成形により得られた成形物を60〜120℃で
熱処理すると、生体と接触しても軟化しないか軟化しに
くくなる。したがって、生体組織を一定期間保持したり
固定する目的に使用することができる。生体の体温が37
℃前後であることを考えると、50℃程度の熱処理では不
十分で、60℃以上の高い温度での熱処理が必要なこと
は、全く予期し得ないことである。
〔実施例〕
本発明において使用される重合体は、主たる構成単位
が乳酸および/またはグリコール酸からなるものであ
る。すなわち、ポリ乳酸,ポリグリコール酸および乳酸
−グリコール酸共重合体に対して適用される。これらの
中でも、乳酸とグリコール酸の共重合比がモル換算で1
0:90〜90:10のものは、熱処理しないときの軟化現象が
特に顕著に起こるので、好ましく適用される。
上記の重合体を溶解するための溶媒は、重合組成によ
って異なるが、乳酸単位が20モル%以上であれば、クロ
ロホルム,ベンゼン,ジオキサン,塩化メチレン,アセ
トニトリル,テトラヒドロフラン等を使用することがで
きる。また、グリコール酸単位が80モル%を超える場合
には、上記の溶媒の使用が困難になるが、ヘキサフルオ
ロイソプロピルアルコールおよびヘキサフルオロアセト
ンセスキヒドラートを使用することができる。上述した
ように、グリコール酸単位が多い重合体は特殊な溶媒に
しか溶解しないのに対して、乳酸単位の多いものは一般
に広く使用されている溶媒を使用できるので便利であ
る。
重合体を溶媒に溶解するときの濃度は、あまり濃いと
溶解が困難になったり溶液が粘稠になって取り扱いが困
難になる一方、あまり薄いと多量の溶液が必要となり溶
媒の蒸発にも時間がかかるので、5〜15重量%程度が好
ましい。
溶液から所望の形状の成形物を得るには、以下のよう
な方法がある。すなわち、円筒状またはこれに類似した
形状の成形物を製造する場合には、適当な径を有する円
柱状の型を溶液に浸漬して引き上げた後に、常圧下また
は減圧下で溶媒を蒸発させる操作を1回また複数回繰り
返して行い、所望の厚さになったところで最終的な乾燥
を行い、型から抜けばよい。また、板状の成形物を得る
ためには、溶液を平板の上に流延して溶媒を蒸発させれ
ばよい。このように、溶液成形法は円筒状の成形物や板
状の成形物を製造するのに適しており、特に径の異なる
さまざまの円筒状成形物が必要な用途に適している。
得られた成形物は、60〜120℃で熱処理を行う。60℃
未満では長時間熱処理を行っても急速に軟化してしま
い、120℃を超えると成形物が変形したり重合体が劣化
したりるするようになるので好ましくない。熱処理のた
めに適当な時間は、温度によって異なってくるが、温度
が高いほど短時間の処理でよい。具体的に数値をあげる
ならば、30分以上であれば十分であり、熱処理温度が高
いほどまた熱処理時間が長いほど軟化は起こりにくくな
る。
以下、具体的実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
実施例1 グリコール酸20モル%と乳酸80モル%からなる重合体
10gを100mlのクロロホルムに溶解して、重合体溶液を調
製した。この溶液に外径12mmのシリコーン樹脂製の棒を
浸漬して引き上げ、室温で3時間乾燥する操作を15回繰
り返して行い、最後に50℃で24時間乾燥して、棒の表面
に厚さ0.5mmの重合体被膜を形成させた。次に棒から重
合体被膜を抜いて、内径12mmの円筒状の成形物を得た
が、この成形物は室温で十分な剛性を有していた。
次に、この円筒状の成形物を4等分に輪切りにした
後、1つはそのままにして他の3つをそれぞれ60℃,80
℃および100℃の温度で24時間熱処理した。そして、こ
れら4つの円筒状成形物を37℃の生理食塩液に浸漬し
て、軟化の度合いを経時的に調べた。結果を表1に示
す。
表1の結果から明らかなように、最後の熱処理を行わ
なかった場合には、生体中に埋入すると急速に軟化する
ことが予想される。これに対して、60℃以上で熱処理す
ると、長時間にわたって剛性を維持することができる。
実施例2 実施例1と同様にして、内径5mm,厚さ0.5mmの円筒状
の成形物を作製し、最後に100℃で5時間熱処理したも
のと熱処理を行わなかったものを使用して、動物の血管
吻合実験を行った。その結果、熱処理を行ったものは手
術後も十分な剛性を有していたが、熱処理を行わなかっ
たものは急速に軟化して吻合が困難になった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、乳酸および/またはグリコール酸を
主たる構成単位とする脂肪族ポリエステルからなるさま
ざまの種類の成形物を容易に製造することができる。し
たがって、大きさや形状が少しずつ異なる多数の成形物
を必要とする用途に好適である。そして、得られた成形
物は生体組織と接触させても剛性を維持できるので、生
体組織を長期間にわたって支持することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳酸および/またはグリコール酸を主たる
    構成単位とする重合体からなる生体吸収性医療用具の製
    造法であって、該重合体を溶媒に溶解した溶液を所望の
    形状に賦形し、溶媒を蒸発させると同時またはその後
    に、60〜120℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする
    生体吸収性医療用具の製造法。
JP1183298A 1989-07-14 1989-07-14 生体吸収性医療用具の製造法 Expired - Fee Related JP2757027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1183298A JP2757027B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 生体吸収性医療用具の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1183298A JP2757027B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 生体吸収性医療用具の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0347265A JPH0347265A (ja) 1991-02-28
JP2757027B2 true JP2757027B2 (ja) 1998-05-25

Family

ID=16133222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1183298A Expired - Fee Related JP2757027B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 生体吸収性医療用具の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2757027B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100308549B1 (ko) * 1999-04-08 2001-09-24 이진호 균일한 입체 다공성을 가지는 조직공학용 생분해성 고분자 담체의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0347265A (ja) 1991-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5358475A (en) High molecular weight bioresorbable polymers and implantable devices thereof
US5061281A (en) Bioresorbable polymers and implantation devices thereof
US4950258A (en) Plastic molded articles with shape memory property
US5290494A (en) Process of making a resorbable implantation device
JP5607362B2 (ja) ポリエステル組成物、その組成物を生産する方法及びそれから作製される物品
Shi et al. Three‐dimensional printing alginate/gelatin scaffolds as dermal substitutes for skin tissue engineering
US6107453A (en) Process of surface activation of biocompatible and bioabsorbable aliphatic polyesters and polyesters thus activated
US20170252481A1 (en) Thermoformed poly-4-hydroxybutyrate medical implants
JP2005533148A5 (ja)
CA2038040A1 (en) Process for preparing foamed bioabsorbable polymer particles
JPH11504341A (ja) 移植用生体内分解性遮蔽膜および製造方法
JPH05509012A (ja) 彫刻可能インプラント材料
DE3853591T2 (de) Medizinische anordnungen, hergestellt aus homo- und kopolymeren mit wiederkehrender karbonateinheiten.
Ulubayram et al. Gelatin microspheres and sponges for delivery of macromolecules
EP3305338B1 (en) Thermoformed poly-4-hydroxybutyrate medical implants
JP2009516038A (ja) 架橋されたゼラチン状材料を基剤とする成形体、該成形体の製造方法、及び該成形体の使用
JPS6389165A (ja) 静電的に紡糸した製品及びその製造方法
JP2757027B2 (ja) 生体吸収性医療用具の製造法
WO2006096546A2 (en) Biocompatible implant device
RU2743941C1 (ru) Способ получения биополимерного гидрогеля
EP0842217A1 (en) A process of surface activation of biocompatible and bioabsorbable aliphatic polyesters and polyesters thus activated
EP0937469A2 (en) A coated vascular prosthesis and a method for its production
US20180326114A1 (en) Absorbable Medical Devices Based on Novel Films and Foams Made From Semi-Crystalline, Segmented Copolymers of Lactide and Epsilon-Caprolactone Exhibiting Long Term Absorption Characteristics
JPH01308431A (ja) 絹フィブロインハイドロゲル
Leon‐Valdivieso et al. Engineering Shape to Overcome Contraction: The Role of Polymer–Collagen Hybrids in Advanced Dermal Substitutes

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees