JP2755965B2 - 光学系支持装置 - Google Patents

光学系支持装置

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JP2755965B2 JP63270961A JP27096188A JP2755965B2 JP 2755965 B2 JP2755965 B2 JP 2755965B2 JP 63270961 A JP63270961 A JP 63270961A JP 27096188 A JP27096188 A JP 27096188A JP 2755965 B2 JP2755965 B2 JP 2755965B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ディスク状等の情報媒体に対物レンズ等の
光学系を介して光スポットを投射して、光学的に情報を
記録、再生する光学式情報記録再生装置に用いる光学系
支持装置に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、光学式情報記録再生装置により情報を正確に
記録、再生するには、光スポットが情報媒体の情報トラ
ックを適正に追従するように駆動装置により光学系支持
装置を制御する必要がある。この駆動装置による制御に
は、対物レンズ等の光学系をその光軸と平行なフォーカ
シング方向に変位させるフォーカシング制御と、光学系
に入射する光の光軸をトラッキング方向に傾けるトラッ
キング制御とがある。
第7図にフォーカシング制御を行い得る光学系支持装
置の例を示す。対物レンズ1が固着された対物レンズ保
持部材3と一体的に動く可動部材4の外周には、フォー
カシング駆動コイル2が巻装されている。基台5には外
ヨーク6および内ヨーク7が2対設けられ、外ヨーク6
の内側には永久磁石8がその同じ極が向かい合うように
固着されて、2組の磁気回路が形成される。一方の外ヨ
ーク6の外側には固定部材9が固着されている。この固
定部材9に4枚の同一形状の板ばね10の一端が互いに平
行となるように固着され、この板ばね10の他端は可動部
材4に固着されて、可動部材4をフォーカシング方向へ
移動可能に支持している。
したがって、フォーカシング駆動コイル2に電流を供
給すると永久磁石8と電磁作用により駆動力が生じ、可
動部材4はフォーカシング方向へ移動する。
トラッキング制御は、第8図に示すように、トラッキ
ングアクチュエータ102によって行なわれる。トラッキ
ングアクチュエータ102はフォーカシングアクチュエー
タ101の下側に設けられ、これらアクチュエータ101,102
はアクセス駆動装置103に搭載され、このアクセス駆動
装置103はガイドレール104に沿って、スピンドルモータ
107によって一定角速度で回転する情報媒体100の半径方
向に移動し、情報媒体100上の所望の情報トラックをア
クセスする。発光・検出光学系105から発した平行光束1
06は、トラッキングアクチュエータ102で反射され、フ
ォーカシングアクチュエータ101の対物レンズで集束さ
れて、情報媒体100の情報トラック上に光スポットを形
成する。この情報トラックで反射した光は逆の径路をた
どって、発光・検出光学系105に戻り、記録データ、フ
ォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号が検
出される。
フォーカシング制御はフォーカシングエラー信号に基
づいて行なわれ、トラッキング制御はトラッキングエラ
ー信号に基づいてトラッキングアクチュエータ102の反
射面の角度を変化させて行なわれる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、かかる光学式情報記録再生装置において、ト
ラッキングアクセス時間を短縮し、より速く情報を記録
・再生するためには、アクセス駆動装置103に大きな推
力を発生させ、フォーカシングアクチュエータ101およ
びトラッキングアクチュエータ102を高加速度でトラッ
キング方向へ移動させなければならない。この場合に、
フォーカシングアクチュエータ101の可動部材4に加速
度に比例した慣性力が、可動部材の重心位置に作用し、
その方向はトラッキング方向と一致する。この慣性力が
可動部材に働く際に、上下の板ばね10トラッキング方向
の曲げのばね定数が、可動部材4の重心位置を中心にし
てつり合っていないと、板ばね10にねじりモーメントが
作用して、板ばね10にねじれ変形が生じ、対物レンズの
光軸が傾いてしまう。このような光軸の傾きは、集束さ
れる光スポットに収差を発生させ、通過する情報トラッ
クの本数の計数を誤ってしまうおそれがある。また、ア
クセス駆動装置103の停止時には、可動部材4が揺動し
て、所望の情報トラックに光スポットをすばやく当てる
ことができなくなり、アクセス時間がそれほど短くでき
ないという問題点があった。
また、アクセス時間を短縮させるためにアクセス駆動
装置103に大きな推力を発生させた場合に、例えばアク
セスに失敗して、アクセス駆動装置103が暴走し、フレ
ーム108に衝突する場合や、例えば情報記録再生装置の
輸送中にそれに衝撃が加わった場合には、可動部材4に
100〜300G程度の慣性力が作用する。従来の装置では可
動部材4のトラッキング方向およびタンジェンシャル方
向の移動範囲については制限が設けられていないので、
かかる大きさの慣性力が可動部材4に作用する際に、可
動部材4を支持する板ばね10に弾性限度を越えた衝撃応
力が生じ、板ばね10が塑性変形若しくは破損し、このた
めフォーカシング制御が正常に行なわれなくなるという
問題点がある。
本発明の目的は、アクセス時に高加速度でトラッキン
グ方向に駆動しても、対物レンズの光軸が傾かず、また
衝撃荷重が作用しても板ばねが塑性変形若しくは破損し
ない高性能かつ高信頼性の光学系支持装置を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の光学系支持装置は、光学系および該光学系を
保持する保持部材を有する可動部材と、該可動部材を第
1の方向へ移動可能に基台に支持し、前記第1の方向と
直交する平面に平行な少なくとも2個のばねとを具え、
前記ばねのうち少なくとも1個は他とばね定数が異な
り、前記可動部材を前記第1の方向へ駆動する際、およ
び前記第1の方向と直交する平面に平行な第2の方向へ
前記可動部材、前記基台およびばねを一体的に駆動する
際に、前記可動部材の重心に前記第1および第2の方向
の力が作用しても前記可動部材が傾かないように前記ば
ねを構成したことを特徴とするものである。
さらに本発明の光学系支持装置は、前記第2の方向へ
の前記可動部材の移動を所定範囲内に規制する規制部を
設けたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、可動部材の重心に力が作用しても可動部
材が傾かないようにしたことにより、例えば対物レンズ
の光軸が傾かず、正確にフォーカシングすることがで
き、かつ所望の情報トラックに光スポットを速く当てる
ことができるようになるため、アクセス時間を短縮する
ことができる。
さらに詳しい説明を、第1図の可動部材の重心Gの周
囲に配された4枚の板ばねの模式図に基づいてする。
まず重心Gから各板ばね1〜4の断面中心までのx,z
方向の距離を、板ばね1〜4に対し夫々、(l1,L1)、
(l2,L2)、(l3,L3)、(l4,L4)とする。重心Gに
x方向またはz方向の力が作用する場合に、可動部材が
傾かないようにするためには、重心Gのまわりの各板ば
ねの反力によるモーメントの和が零になればよい。x,z
方向についてモーメントの和を求めてみると、 x方向について K1・x・L1+K2・x・L2−K3・x・L3−K4・x・L4=0 …………(1) ここでKi:板ばねiのx方向のばね定数 ただし(i=1〜4) x:板ばねの変位(可動部材は傾かな いので変位は等しくなる。) ところで、板ばねの各寸法を第1図(D)の通りに定
めれば、 Ki=β・Eai 3bi/Ci 3 ……………(2) となる。ここで β:板ばねの断面形状及び両端の固定寸法に関係する定
数 E:板ばねiのヤング率 (1),(2)式よりCi,β,Eは4の板ばねとも同一
であると仮定すると、 ai 3・bi・L1+a2 3・b2・L2−a3 3・b3・L3−a4 3・b4・L4
=0 ……………(3) を得る。
z方向について x方向と同様に k1・z・l1−k2・z・l2+k3・z・l3−k4・z・l4=0 ……………(4) ki=β・E・ai・bi i/ci 3 ……………(5) より a1・b1 3・l1−a2・b2 3・l2+a3・b3 3・l3−a4・b4 3・l4
=0 ……………(6) を得る。
したがって、(3)式および(6)式を満足すれば、
x,z方向についてのモーメントの和が零となり、可動部
材は傾かない。例えば板ばねの厚みbiを同一とすると、 となる。
別の本発明によれば、第2の方向への可動部材の移動
を所望範囲内に規制する規制部を設けることにより、例
えば衝突や衝撃が加わった際でも板ばねの弾性限度を越
えた衝撃応力が生じるのを防止し、板ばねの塑性変形若
しくは破損等を起さず、正常にフォーカシング制御する
ことができる。第2の方向は、例えば可動部材のトラッ
キング方向またはタンジェンシャル方向とすることがで
きる。
〔実施例〕
本発明の第1の実施例を第2〜4図に基づき説明す
る。
対物レンズ1が固着された保持部材3は、可動部材4
と共に4枚のXY平面に平行な板ばね10a,10b,10c,10dに
よって固定部材9に一体的に移動可能に支持される。内
ヨーク7のトラッキング方向の端面には、例えば合成樹
脂等の衝撃吸収材料で形成された規制部11を設ける。そ
の他の構成については第7図の従来例と同様であるた
め、ここでは省略する。
この実施例において、4枚の板ばね10a〜10dの長さお
よび厚さは同一であり、板ばね10a,10bの幅はa1,板ば
ね10c,10dの幅はa2であり、可動部4の重心Gから板ば
ね10a,bを含むXY平面に平行な平面までの距離がz1、板
ばね10c,dを含むXY平面に平行な平面までの距離がz2
ある(第4図参照)。また重心Gから各板ばねの断面中
心までのトラッキング方向の距離は同一である。
かかる寸法の装置の重心Gのまわりのモーメントの和
は(3′)および(6′)式から a1 3・z1=a2 3・z2 …………(7) を得る。この(7)式を満足する性質の板ばねを選択す
ることにより、可動部材4にフォーカシング方向または
トラッキング方向の慣性力が作用しても対物レンズの光
軸が傾くことはない。
本実施例においては第4図に示した板ばねの断面図か
ら解かるように、a1>a2としたため、 z1<z2となる。このことは、可動部材4の上方に対物
レンズ1を位置させても、可動部材4の下にバランサー
等を設ける必要がなく、構成が簡単になるとともに、可
動部材の質量を小さくできるので、駆動感度を良好なも
のとし、また部品点数、組立工数が減少するため、コス
トダウンにつながる。
規制部11と、可動部材4の規制部11に対面する部分と
の距離は、50〜300μm程度にする。この寸法は、可動
部材4がフォーカス方向に移動する時に規制部11に面し
た部分が規制部11に当接することなく、かつまた可動部
材4にトラッキング方向の慣性力が加わった時に、板ば
ね10a〜10dに過大な応力が加わり弾性限界を越えないよ
うにするためである。したがって、可動部材4にトラッ
キング方向へ大きな慣性力が作用しても、可動部材4の
移動範囲は規制部分11で期限されるので、板ばね10a〜1
0dは過大な応力による塑性変形または破損をすることが
ない。
次に第2の実施例について第5,6図に基づき説明す
る。
対物レンズ1が固着された保持部材3は、可動部材4
と共に3枚のXY平面に平行な板ばね10a,10b,10cによっ
て支持される。この板ばね10a〜10cの可動部材側の幅を
固定部材側の幅より小さくし、可動部材4のX方向寸法
を小さく保ったまま支持剛性を高めている。その他の構
成については第7図の従来例と同様であるため詳しい説
明は省略する。
この例における板ばねの寸法および板ばねと重心Gと
の関係について説明すると、まず3枚の板ばねの長さと
厚さは同一である。板ばね10a,10b,10cの幅は、それぞ
れa1,a2,a3であり、各板ばねの可動部側の固定部分の
中心から可動部材4の重心までのX方向およびZ方向の
距離はそれぞれ(x1,z1)、(x2,z2)、(x3,z3)で
ある。これらを(3′)および(6′)式にあてはめる
と、 a1 3・z1+a2 3・(z2−z3)=0 ………(8) a1・x1−2a2・x2=0 ………(9) を得る。上記2式を満足する性質の板ばねを選択するこ
とにより、可動部材の重心Gに慣性力が作用しても対物
レンズの光軸が傾くことはない。
この実施例においては、可動部材4に対して対物レン
ズ1がトラッキング方向にオフセットされており、かつ
また一方の板ばねの下側を省略したため、例えば光ディ
スクにおいてはその駆動モータを大きくできると共に、
対物レンズを駆動モータに近づけることができるのでデ
ィスクの内周側への記録・再生が可能となる等の利点が
ある。さらに板ばねの枚数が3枚であるため、部品点数
を減らし、組立工数も少なくなり、コストダウンにつな
がる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されず、種々の変形、変更が可能であ
る。例えば、光学系としては対物レンズの他にミラー、
プリズム等でも良く、板ばねの材質についても、金属ま
たは合成樹脂あるいはこれらの組合せでも良い。さらに
規制部は、例えばガルバノミラー等の回転運動する装置
の回転部分以外の動きを規制するために設けても良い。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、可
動部材の重心にトラッキング方向またはフォーカシング
方向の慣性力が作用しても、可動部材すなわち対物レン
ズの光軸が傾かないので、情報トラックアクセス時のト
ラック通過本数を正しく計数できる。また、駆動停止時
に可動部材すなわち光軸が揺動しないので、目標の情報
トラック上に光スポットを素早く当てることができ、ア
クセス時間を短縮できる。
また、本発明によれば、可動部材の動きを規制する規
制部を設けたので、可動部材を支持するばねに過大な応
力を作用させることがなく、ばねの性能を十分に維持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を示す模式図、 第2図乃至第4図はそれぞれ本発明の光学系支持装置の
第1の実施例を示す斜視図、平面図およびA−A断面
図、 第5図および第6図はそれぞれ本発明の光学系支持装置
の第2の実施例を示す斜視図およびB−B断面図、 第7図は従来の光学系支持装置を示す斜視図、 第8図は従来の光学式情報記録再生装置の概略を示す図
である。 1…対物レンズ 2…フォーカシング駆動コイル 3…対物レンズ保持部材 4…可動部材、5…基台 6…外ヨーク、7…内ヨーク 8…永久磁石、9…固定部材 10…板ばね、11…ストッパ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学系および該光学系を保持する保持部材
    を有する可動部材と、該可動部材を第1の方向へ移動可
    能に基台に支持し、前記第1の方向と直交する平面に平
    行な少なくとも2個のばねとを具え、前記ばねのうち少
    なくとも1個は他とばね定数が異なり、前記可動部材を
    前記第1の方向へ駆動する際、および前記第1の方向と
    直交する平面に平行な第2の方向へ前記可動部材、前記
    基台およびばねを一体的に駆動する際に、前記可動部材
    の重心に前記第1および第2の方向の力が作用しても前
    記可動部材が傾かないように前記ばねを構成したことを
    特徴とする光学系支持装置。
  2. 【請求項2】前記第2の方向への前記可動部材の移動を
    所定範囲内に規制する規制部を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の光学系支持装置。
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