JP2755193B2 - 圧縮機におけるピストン - Google Patents

圧縮機におけるピストン

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JP2755193B2 JP6327783A JP32778394A JP2755193B2 JP 2755193 B2 JP2755193 B2 JP 2755193B2 JP 6327783 A JP6327783 A JP 6327783A JP 32778394 A JP32778394 A JP 32778394A JP 2755193 B2 JP2755193 B2 JP 2755193B2
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隆 道行
満 橋本
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0878Pistons

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸に支持されたカ
ム体の回転をピストンの往復直線運動に変換する圧縮機
におけるピストンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−175783号公報、実開
平4−109481号公報に開示される圧縮機では、半
球状のシューの球面部が片頭ピストンの首部の球面凹部
に嵌まり込み支持されていると共に、端面部がカム体で
ある斜板のカム面に接している。このようなシュー支持
構造によって片頭ピストンが斜板の回転に伴って回転軸
方向に往復動可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ピストンを収容するシ
リンダボアの周面とピストンの周面との摺接は動力損失
をもたらす。この動力損失を少なくするには前記摺接に
伴う抵抗を少なくすればよい。しかし、特開昭60−1
75783号公報及び実開平4−109481号公報の
いずれにおいても前記摺接抵抗の低減に関する開示はな
い。
【0004】本発明は、ピストンとシリンダボアとの間
の摺接抵抗を低減して動力損失を抑制することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1の発
明では、ピストンの中心軸線に関してカム体の回転中心
軸線側のピストンの下半周の周面における上位部分及び
下位部分、前記回転軸線とは反対側のピストンの上半周
の周面における上位部分及び下位部分を除いた周面部分
に溝を形成した。
【0006】請求項2の発明では、前記ピストンを中空
形状とした。請求項3の発明では、回転軸に片頭ピスト
ンを傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧と
の片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御
し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、
クランク室の圧力を吸入圧領域へ放出してクランク室内
の調圧を行なう可変容量型圧縮機を対象とし、前記溝は
ピストンのストローク方向へ延びており、ピストンが下
死点位置にあるときには前記溝がシリンダボアから延出
するようにした。
【0007】請求項4の発明では、前記可変容量型圧縮
機をクラッチレス可変容量型圧縮機とした。請求項5の
発明では、回転軸の回転に伴い、クランク室内において
回転軸に装着されたカム体を介して、シリンダボア内を
上死点と下死点との間で往復動する圧縮機のピストンに
おいて、ピストンはシリンダボアの内周面と摺接する外
周面を備え、その外周面には、ピストンのストローク方
向に延びる溝を形成した。 請求項6の発明では、ピスト
ンの外周面とシリンダボアの内周面との間に存在する潤
滑油をクランク室に導くために、ピストンが少なくとも
下死点に位置するときにはシリンダボアからクランク室
内に前記溝を露出させた。
【0008】
【作用】ピストンが下死点位置付近にあるときにはピス
トンの慣性力が最も大きく、カム体はこの慣性力の反力
をピストンに与える。この反力はカム体の回転中心軸線
から半径方向へ離間する方向への分力を有し、この分力
がピストンの周面の特定部位をシリンダボアの周面に押
し付ける。前記した特定部位は、ピストンの中心軸線に
関してカム体の回転中心軸線側のピストンの下半周の周
面における上位部分及び前記中心軸線側とは反対側のピ
ストンの上半周の周面における上位部分である。圧縮行
程にあるピストンが下死点位置と上死点位置との中間位
置付近にある場合、圧縮反力が慣性力の反力を上回り、
圧縮反力に対するカム体からの反作用の分力がピストン
の周面の特定部位をシリンダボアの周面に押し付ける。
この特定部位はピストンの上半周及び下半周の下位部分
である。
【0009】溝は前記した各特定部位から外れている。
この溝はピストン周面とシリンダボア周面との間の摺接
抵抗を低減する。請求項2の発明では、ピストンの中空
化が熱膨張によるピストン周面とシリンダボア周面との
クリアランス減少を抑制し、ピストンとシリンダボアと
の間の摺接抵抗が低減する。
【0010】請求項3の発明では、片頭ピストンが下死
点位置にあるときには溝がシリンダボアから延出する。
圧縮機内の潤滑は冷媒ガスと共に流動する潤滑油によっ
て行われるが、シリンダボアからピストンの周面とシリ
ンダボアの周面との間からクランク室へ洩れる冷媒ガス
と共に潤滑油も僅かずつピストンの周面とシリンダボア
の周面との間へ入り込んでいく。溝は潤滑油の流動を促
し、クランク室内の潤滑必要部位の潤滑が向上する。
【0011】請求項4の発明では、クラッチレス可変容
量型圧縮機を駆動する外部駆動源が作動している限り圧
縮機が回転する。そのため、ピストンとシリンダボアと
の間の摺接抵抗が少しでも減れば動力損失の抑制効果は
大層高くなる。本発明のピストンをクラッチレス可変容
量型圧縮機に採用することは好適と言える。請求項5の
発明では、溝はピストン外周面とシリンダボア内周面と
の間の摺接抵抗を低減する。 請求項6の発明では、少な
くともピストンが下死点位置にあるときには溝がクラン
ク室内に露出する。溝はピストン外周面とシリンダボア
内周面との間の潤滑油の流動を促し、クランク室内の潤
滑必要部位の潤滑が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図6に基づいて説明する。図1に示すようにシリンダ
ブロック1の前端にはフロントハウジング2が接合され
ており、シリンダブロック1の後端にはリヤハウジング
3が接合されている。クランク室2-1を形成するフロン
トハウジング2とシリンダブロック1との間には回転軸
4が回転可能に架設支持されている。回転軸4の前端は
クランク室2-1から外部へ突出している。
【0013】フロントハウジング2にはアンギュラベア
リング5が支持されており、アンギュラベアリング5に
はプーリ6が支持されている。プーリ6はベルト35を
介して外部駆動源である車両エンジン(図示略)に連結
されている。アンギュラベアリング5はスラスト方向の
荷重及びラジアル方向の荷重の両方を受け止める。
【0014】回転軸4には回転支持体7が止着されてい
る。回転軸4には斜板8が回転軸4の軸線方向へスライ
ド可能かつ傾動可能に支持されている。図2に示すよう
に斜板8は回転支持体7上の支持アーム7-1と一対のガ
イドピン9,10との連係により回転軸4の軸線方向へ
傾動可能かつ回転軸4と一体的に回転可能である。斜板
8の傾動は、支持アーム7-1とガイドピン9,10との
スライドガイド関係、回転軸4のスライド支持作用によ
り案内される。
【0015】回転軸4の後端部はラジアルベアリング1
1及び遮断体12を介してシリンダブロック1内の収容
孔13の内周面で支持される。リヤハウジング3の中心
部には吸入通路14が形成されている。吸入通路14は
収容孔13に連通しており、遮断体12の先端は吸入通
路14の開口の周囲の位置決め面15に当接可能であ
る。遮断体12の先端が位置決め面15に当接すること
により遮断体12が斜板8から離間する方向への移動を
規制されると共に、吸入通路14と収容孔13との連通
が遮断される。
【0016】斜板傾角の減少により斜板8が遮断体12
側へ移動するに伴い、斜板8が回転軸4上のスラストベ
アリング16に当接し、スラストベアリング16及びラ
ジアルベアリング11を位置決め面15側へ押す。その
ため、遮断体12は吸入通路開放ばね17のばね力に抗
して位置決め面15側へ付勢され、遮断体12の先端が
位置決め面15に当接する。
【0017】斜板8の最小傾角は0°よりも僅かに大き
い。この最小傾角状態は遮断体12が吸入通路14と収
容孔13との連通を遮断する閉位置に配置されたときに
もたらされる。斜板8の最大傾角は回転支持体7の傾角
規制突部7-2と斜板8との当接によって規制される。
【0018】斜板8の回転運動はシュー18を介してシ
リンダボア1-1内の片頭ピストン19の前後往復運動に
変換される。図1及び図3に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3-1及び吐出室3-2が区画形成されてい
る。吸入室3-1内の冷媒ガスは片頭ピストン19の復動
動作により吸入ポート20から吸入弁21を押し退けて
シリンダボア1-1内へ流入する。シリンダボア1-1内へ
流入した冷媒ガスは片頭ピストン19の往動動作により
吐出ポート22から吐出弁23を押し退けて吐出室3-2
へ吐出される。
【0019】回転支持体7とフロントハウジング2との
間にはスラストベアリング24が介在されている。シリ
ンダボア1-1からの圧縮反力は、片頭ピストン19、シ
ュー18、斜板8、ガイドピン9,10、回転支持体7
及びスラストベアリング24を介してフロントハウジン
グ2で受け止められる。
【0020】吸入室3-1は通口25を介して収容孔13
に連通している。遮断体12が位置決め面15に当接す
ると、通口25は吸入通路14から遮断される。回転軸
4内には通路26が形成されている。通路26はクラン
ク室2-1と遮断体12の筒内とを連通している。遮断体
12の先端には放圧通口12-1が貫設されている。放圧
通口12-1は収容孔13と遮断体12の筒内とを連通す
る。
【0021】クランク室2-1と吐出室3-2とは圧力供給
通路27で接続されている。圧力供給通路27上には電
磁開閉弁28が介在されている。電磁開閉弁28のソレ
ノイド28-1の励磁により弁体28-2が弁孔28-3を閉
鎖する。ソレノイド28-1が消磁すれば弁体28-2が弁
孔28-3を開放する。
【0022】吸入室3-1へ冷媒ガスを導入する吸入通路
14と、吐出室3-2から冷媒ガスを排出する排出口1-2
とは外部冷媒回路29で接続されている。外部冷媒回路
29上には凝縮器30、膨張弁31及び蒸発器32が介
在されている。蒸発器32の近傍には温度センサ33が
設置されている。制御コンピュータCは温度センサ33
から得られる検出温度情報に基づいてソレノイド28-1
を励消磁制御する。制御コンピュータCは空調装置作動
スイッチ34のON状態のもとに検出温度が設定温度以
下になるとソレノイド28-1の消磁を指令する。この設
定温度以下の温度は蒸発器32においてフロストが発生
しそうな状況を反映する。制御コンピュータCは空調装
置作動スイッチ34のOFFによってソレノイド28-1
を消磁する。ソレノイド28-1が消磁されると圧力供給
通路27が開き、吐出室3-2とクランク室2-1とが連通
する。従って、吐出室3-2の冷媒ガスがクランク室2-1
へ流入し、クランク室2-1内の圧力が高くなる。クラン
ク室2-1内の圧力上昇により斜板8の傾角が最小傾角側
へ移行する。遮断体12の先端が位置決め面15に当接
すると、斜板傾角は最小となり、外部冷媒回路29から
吸入室3-1への冷媒ガス流入が阻止される。
【0023】斜板最小傾角は0°ではないため、斜板傾
角が最小の状態においてもシリンダボア1-1から吐出室
3-2への吐出は行われている。吸入室3-1内の冷媒ガス
はシリンダボア1-1内へ吸入されて吐出室3-2へ吐出さ
れる。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出室3-2、圧
力供給通路27、クランク室2-1、通路26、放圧通口
12-1、吸入室3-1、シリンダボア1-1を経由する循環
通路が圧縮機内にできている。冷媒ガスと共に流動する
潤滑油は前記循環通路を経由して圧縮機内を潤滑する。
吐出室3-2、クランク室2-1及び吸入室3-1の間では圧
力差が生じている。この圧力差及び放圧通口12-1にお
ける通過断面積が斜板8を最小傾角に安定的に保持す
る。
【0024】ソレノイド28-1が励磁すると圧力供給通
路27が閉じる。クランク室2-1内と吸入室3-1内との
間では圧力差があるため、クランク室2-1の圧力が通路
26及び放圧通口12-1を介した放圧に基づいて減圧し
てゆく。この減圧により斜板8の傾角が最小傾角から最
大傾角へ移行する。
【0025】このような動作を行なうクラッチレス圧縮
機に採用された片頭ピストン19の首部の背面には回り
止め部19-1が一体形成されている。回り止め部19-1
はフロントハウジング2の内周面形状と略同径の円周面
を有しており、回り止め部19-1の円周面がフロントハ
ウジング2の内壁面に接して片頭ピストン19の回転を
防止する。
【0026】図1、図4〜図6に示すように片頭ピスト
ン19の周面には複数の溝19-2(本実施例では4つ)
が形成されている。溝19-2は、片頭ピストン19の中
心軸線19-0に関して斜板8の回転中心軸線8-0とは反
対側の片頭ピストン19の上半周の周面における上位部
分19-3と下位部分19-4との間に設定されている。溝
19-2は上位部分19-3を境にして左右に半々に分けら
れている。各溝19-2は片頭ピストン19のストローク
方向に沿うようにしてある。図1の下側の片頭ピストン
19は下死点位置にある。片頭ピストン19が下死点位
置にあるときには溝19-2の一部がシリンダボア1-1か
らクランク室2-1側へ延出する。
【0027】片頭ピストン19の中心軸線19-0に関し
て斜板8の回転中心軸線8-0側の片頭ピストン19の下
半周の周面には肉取り部19-5が中心軸線19-0側に向
けて凹み形成されている。肉取り部19-5は片頭ピスト
ン19を中空化して軽量にする。
【0028】片頭ピストン19が下死点位置付近にある
ときの片頭ピストン19の慣性力は図1の矢印F0 で表
される。片頭ピストン19は斜板8の傾きによって位置
Pから慣性力F0 の反力を矢印Fsで示すように受け
る。反力Fsは、片頭ピストン19の往復動方向の分力
1 と、斜板8の回転中心軸線8-0から半径方向へ離間
する方向への分力f2 とに分解される。片頭ピストン1
9は分力f2 により傾こうとする。この分力f2 により
片頭ピストン19の上半周の上位部分19-3がシリンダ
ボア1-1の内周面から分力f2 (押し付け力)に対する
反力Faを受ける。又、分力f2 により片頭ピストン1
9の下半周の上位部分19-6がシリンダボア1-1の内周
面から分力f2 (押し付け力)に対する反力Fbを受け
る。即ち、片頭ピストン19は上位部分19-3,19-6
を介してシリンダボア1-1の周面と摺接する。
【0029】図4では圧縮行程にある片頭ピストン19
が下死点位置と上死点位置との中間位置にある。斜板8
は矢印R方向に回転している。この付近から上死点位置
までの範囲では圧縮反力が慣性力に対する反力を上回
る。この差の反力に対する斜板8からの反作用Fkは片
頭ピストン19が前記中間位置から上死点位置にある場
合には斜板8の周方向に向かう分力f3 を有する。この
分力f3 (押し付け力)により片頭ピストン19は下位
部分19-4を介してシリンダボア1-1の周面と摺接す
る。
【0030】溝19-2はいずれも上位部分19-3,19
-6及び下位部分19-4からはずれた位置にあり、前記分
力f1 ,f2 ,f3 は専ら溝19-2から外れた片頭ピス
トン19の周面を介してシリンダボア1-1の周面で受け
止められる。従って、前記各分力f1 ,f2 ,f3 に起
因する片頭ピストン19の周面とシリンダボア1-1の周
面との摺接は円滑である。
【0031】片頭ピストン19の周面とシリンダボア1
-1の周面との間のクリアランスが小さくなる程、片頭ピ
ストン19の周面とシリンダボア1-1の周面との間の摺
接抵抗が大きくなる。これは冷媒ガスと共に流動する潤
滑油の分子間力による密着性に起因する。潤滑油の分子
間力による密着性は前記クリアランスを大きくすること
によって低減できる。片頭ピストン19の周面とシリン
ダボア1-1の周面との間の潤滑油は、シリンダボア1-1
内の高圧冷媒ガスが片頭ピストン19の周面とシリンダ
ボア1-1の周面との間を通ってクランク室2-1へ洩れる
ことを抑制する。この冷媒ガス洩れの抑制は圧縮効率を
高める上で必要である。そのため、溝19-2の深さは、
潤滑油による冷媒ガス洩れ抑制の機能を損ねない範囲で
潤滑油の分子間力による密着性を低減するように浅くし
てある。このような溝19-2の存在が片頭ピストン19
の周面とシリンダボア1-1の周面との間の摺接抵抗を低
減する。
【0032】圧縮機は運転に伴って高温化してゆき、片
頭ピストン19が熱膨張する。中空物体と中実物体とで
は外表面の熱膨張程度が僅かではあるが違い、中空物体
の外表面の方の熱膨張程度が少ない。片頭ピストン19
の中空化は熱膨張による片頭ピストン19の周面とシリ
ンダボア1-1の周面とのクリアランス減少を抑制し、片
頭ピストン19とシリンダボア1-1との間の摺接抵抗が
低減する。
【0033】本実施例のクラッチレス可変容量型圧縮機
を駆動する車両エンジン(外部駆動源)が作動している
限り圧縮機が回転する。そのため、片頭ピストン19と
シリンダボア1-1との間の摺接抵抗が少しでも減れば動
力損失の抑制効果は大層高い。片頭ピストン19とシリ
ンダボア1-1との間の摺接抵抗を低減する片頭ピストン
19はクラッチレス可変容量型圧縮機に採用する上で好
適である。
【0034】片頭ピストン19が下死点位置にあるとき
には溝19-2がシリンダボア1-1から延出し、溝19-2
に溜まっている潤滑油がクランク室2-1へ供給される。
溝19-2は潤滑油の流動を促し、クランク室2-1内の潤
滑必要部位の潤滑が向上する。
【0035】次に、図7の実施例を説明する。この実施
例では多数本の線状溝19-7が片頭ピストン19の周面
における上半周の上位部分19-3と下位部分19-4との
間に設けられている。線状溝19-7の長さ方向は片頭ピ
ストン19のストローク方向である。線状溝19-7の深
さは、潤滑油による冷媒ガス洩れ抑制の機能を損ねない
範囲で潤滑油の分子間力による密着性を低減するように
浅くしてある。このような溝19-7の存在が片頭ピスト
ン19の周面とシリンダボア1-1の周面との間の摺接抵
抗を低減する。
【0036】次に、図8の実施例を説明する。この実施
例では片頭ピストン19の周面における下半周の上位部
分19-6と下位部分19-4との間に溝19-8が設けられ
ている。溝19-8の長さ方向は片頭ピストン19のスト
ローク方向である。溝19-8の深さは、潤滑油による冷
媒ガス洩れ抑制の機能を損ねない範囲で潤滑油の分子間
力による密着性を低減するように浅くしてある。このよ
うな溝19-8の存在が片頭ピストン19の周面とシリン
ダボア1-1の周面との間の摺接抵抗を低減する。
【0037】次に、図9の実施例を説明する。この実施
例では溝19-9が片頭ピストン19の周面における上位
部分19-3,19-6及び下位部分19-4を除いた部分に
設けられている。片頭ピストン19は2つの構成片を溶
接によって連結して構成した中空ピストンである。溝1
9-9の長さ方向は片頭ピストン19のストローク方向で
ある。溝19-8の深さは、潤滑油による冷媒ガス洩れ
の機能を損ねない範囲で潤滑油の分子間力による密着
性を低減するように浅くしてある。このような溝19-9
の存在が片頭ピストン19の周面とシリンダボア1-1の
周面との間の摺接抵抗を低減する。
【0038】又、本発明は両頭ピストンを用いた圧縮機
にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の発明で
は、ピストンの中心軸線に関してカム体の回転中心軸線
側のピストンの下半周の周面における上位部分及び下位
部分、前記回転軸線とは反対側のピストンの上半周の周
面における上位部分及び下位部分を除いた周面部分に溝
を形成したので、ピストンの周面とシリンダボアの周面
との間の摺接抵抗を低減して動力損失を抑制し得る。
【0040】請求項2の発明では、前記ピストンを中空
形状としたので、熱膨張によるピストン周面とシリンダ
ボア周面とのクリアランス減少を抑制してピストンとシ
リンダボアとの間の摺接抵抗を低減し得る。
【0041】請求項3の発明では、回転軸に片頭ピスト
ンを傾動可能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧と
の片頭ピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御
し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、
クランク室の圧力を吸入圧領域へ放出してクランク室内
の調圧を行なう可変容量型圧縮機を対象とし、前記溝は
ピストンのストローク方向へ延びており、ピストンが下
死点位置にあるときには前記溝がシリンダボアから延出
するようにしたので、ピストンの周面とシリンダボアの
周面との間へ入り込んでいく潤滑油の流動が溝によって
促され、クランク室内の潤滑必要部位の潤滑が向上す
る。
【0042】クラッチレス可変容量型圧縮機を対象とし
た請求項4の発明では、溝の存在によるピストンとシリ
ンダボアとの間の摺接抵抗を減らして動力損失の抑制効
果を高め得る。請求項5の発明では、溝の存在によって
ピストンとシリンダボアとの間の摺接抵抗を減らして動
力損失を抑制し得る。 請求項6の発明では、少なくとも
ピストンが下死点位置にあるときには溝がクランク室内
に露出するようにしたので、クランク室内の潤滑必要部
位の潤滑が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の圧縮機全体の側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図2のC−C線断面図。
【図5】図1のD−D線断面図。
【図6】片頭ピストンの斜視図。
【図7】別例を示す片頭ピストンの斜視図。
【図8】別例を示す片頭ピストンの斜視図。
【図9】別例を示す片頭ピストンの断面図。
【符号の説明】
1-1…シリンダボア、2-1…クランク室、4…回転軸、
8…斜板、8-0…回転中心軸線、19…片頭ピストン、
19-0…中心軸線、19-2,19-8,19-9…溝、19
-3,19-6…上位部分、19-4…下位部分、19-7…線
状溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 27/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に支持されたカム体の回転運動をピ
    ストンの往復直線運動に変換する圧縮機におけるピスト
    ンにおいて、 ピストンの中心軸線に関してカム体の回転中心軸線側の
    ピストンの下半周の周面における上位部分及び下位部
    分、前記回転軸線とは反対側のピストンの上半周の周面
    における上位部分及び下位部分を除いた周面部分に溝を
    形成した圧縮機におけるピストン。
  2. 【請求項2】前記ピストンは中空形状である請求項1に
    記載の圧縮機におけるピストン。
  3. 【請求項3】圧縮機は、回転軸に片頭ピストンを傾動可
    能に支持し、クランク室内の圧力と吸入圧との片頭ピス
    トンを介した差に応じて斜板の傾角を制御し、吐出圧領
    域の圧力をクランク室に供給すると共に、クランク室の
    圧力を吸入圧領域へ放出してクランク室内の調圧を行な
    う可変容量型圧縮機であり、前記溝はピストンのストロ
    ーク方向へ延びており、ピストンが下死点位置にあると
    きには前記溝はシリンダボアから延出している請求項1
    及び請求項2のいずれか1項に記載の圧縮機におけるピ
    ストン。
  4. 【請求項4】請求項3の可変容量型圧縮機をクラッチレ
    ス可変容量型圧縮機とした請求項1乃至請求項3のいず
    れか1項に記載の圧縮機におけるピストン。
  5. 【請求項5】 回転軸の回転に伴い、クランク室内におい
    て回転軸に装着されたカム体を介して、シリンダボア内
    を上死点と下死点との間で往復動する圧縮機のピストン
    において、ピストンはシリンダボアの内周面と摺接する
    外周面を備え、その外周面には、ピストンのストローク
    方向に延びる溝を形成した圧縮機におけるピストン。
  6. 【請求項6】 前記溝は、ピストンの外周面とシリンダボ
    アの内周面との間に存在する潤滑油をクランク室に導く
    ために、ピストンが少なくとも下死点に位置するときに
    はシ リンダボアからクランク室内に露出する請求項5に
    記載の圧縮機におけるピストン。
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