JP2754486B2 - 糖転移反応を利用した飲食物の製造方法 - Google Patents

糖転移反応を利用した飲食物の製造方法

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JP2754486B2
JP2754486B2 JP9025738A JP2573897A JP2754486B2 JP 2754486 B2 JP2754486 B2 JP 2754486B2 JP 9025738 A JP9025738 A JP 9025738A JP 2573897 A JP2573897 A JP 2573897A JP 2754486 B2 JP2754486 B2 JP 2754486B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、糖転移反応を利用
した飲食物の製造方法に関し、より詳細には、特定のア
ミノ酸配列を有し、且つシクロマルトデキストリン グ
ルカノトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチドを
澱粉質に作用させることにより生成する糖転移反応物を
含有せしめることを特徴とする飲食物の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】シクロマルトデキストリン グルカノト
ランスフェラーゼ(以下、本明細書では「CGTas
e」と略称する。)は、マセランス アミラーゼとも言
われ、古くからバチルス マセランス(Bacillu
s macerans)の産生する酵素として知られて
いる。近年、CGTaseは、バチルス マセランスだ
けでなく、バチルス ステアロサーモフィラス(Bac
illus stearothermophilu
s)、バチルス サーキュランス(Bacillusc
irculans)、バチルス メガテリウム(Bac
illus megaterium)、バチルス ポリ
ミキサ(Bacillus polymyxa)、Kl
ebsiella pneumoniae)などの微生
物によっても産生されることが知られている。 【0003】しかしながら、これら微生物から産生され
るCGTaseは、一部の酵素的性質しか知られておら
ず、工業的に安心して広範に利用するにはなお不十分で
あり、とりわけ、飲食物の製造に利用するに際しては、
より解明されたCGTaseを利用することが望まれて
いる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、CGT
aseを工業的に安心して利用するために、より詳細に
解明されたCGTase、とりわけアミノ酸配列まで解
明されたCGTase活性を有するポリペプチド(以
下、本明細書では、単に「ポリペプチド」と略称す
る。)を飲食物の製造に利用することについて鋭意研究
した。 【0005】その結果、ポリペプチドは、部分アミノ酸
配列として、配列表における配列番号1乃至5に示すア
ミノ酸配列の1種以上の配列を有していることが判明
し、更に詳細には、前記部分アミノ酸配列がN末端側か
ら近い順に配列表における配列番号1乃至5の部分アミ
ノ酸配列を有していることが判明した。 【0006】そして、その特徴的性質は、可溶性澱粉か
らシクロデキストリンを生成し、SDS−ポリアクリル
アミド電気泳動法で70,000±10,000の分子
量を示すポリペプチドであって、その比活性は、200
±30単位/mg蛋白質である。 【0007】また、バチルス ステアロサーモフィラス
由来のポリペプチドは、後に説明するように、配列表に
おける配列番号7に示されるアミノ酸配列を有している
ことが判明した。 【0008】更に、本発明のアミノ酸配列が解明された
ポリペプチドは、澱粉質に作用して糖転移反応に利用で
きるだけでなく、糖転移反応物とともに飲食物に含有せ
しめ風味を損なうことなくそのまま食用に供し得ること
も判明した。 【0009】以下、本発明の内容を詳述し、併せて本発
明の効果を説明する。本明細書の記載において、アミノ
酸、ペプチド、その他に関し略号で表記する場合、それ
らは当該分野における慣用略号に基づくものである。そ
れらの例を以下に列記する。アミノ酸に関し、光学異性
体があり得る場合には、特に明示しなければL体を示す
ものとする。 【0010】 DNA : デオキシリボ核酸 RNA : リボ核酸 A : アデニン T : チミン G : グアニン C : シトシン dNTP : デオキシヌクレオチド三リン酸 ddNTP: ジデオキシヌクレオチド三リン酸 dCTP : デオキシシチジン三リン酸 SDS : ドデシル硫酸ナトリウム Ala : アラニン Arg : アルギニン Asn : アスパラギン Asp : アスパラギン酸 Cys : システイン Gln : グルタミン Glu : グルタミン酸 Gly : グリシン His : ヒスチジン Ile : イソロイシン Leu : ロイシン Lys : リジン Met : メチオニン Phe : フェニルアラニン Pro : プロリン Ser : セリン Thr : スレオニン Trp : トリプトファン Tyr : チロシン Val : バリン 【0011】本発明に於いて、ポリペプチドのアミノ酸
配列は、CGTase産生菌からポリペプチド遺伝子を
クロニーングした後、その塩基配列を解読して決定し
た。 【0012】一方、ポリペプチドのN末端を含有する部
分アミノ酸配列は、ポリペプチドを高純度に精製した
後、気相プロテイン シークエンサーを用いて調べた。 【0013】〈ポリペプチド遺伝子のクローニング〉本
発明のポリペプチド産生能を有する供与体微生物よりそ
の微生物のDNAを分離し精製した後、例えば、超音
波、制限酵素などで切断し、得られたDNA断片と、同
様にしてベクターを切断して得られたベクター断片と
を、例えば、DNAリガーゼなどにより結合させ、ポリ
ペプチド遺伝子を含む組換えDNAを形成する。 【0014】この際、供与体微生物として、ポリペプチ
ド産生能を有する微生物、例えば、特開昭47−203
73号公報、特開昭50−63189号公報、特開昭5
0−88290号公報およびハンス ベンダー(Han
s Bender)、『アーカイブズ・オブ・マイクロ
バイオロジー(Archives of Microb
iology)』、第111巻、271〜282頁(1
977年)などに示されているバチルス マセランス、
バチルス メガテリウム、バチルス サーキュランス、
バチルス ポリミキサ、バチルス ステアロサーモフィ
ラスなどのバチルス属、クレブシーラ ニューモニアエ
などのクレブシーラ属などの細菌の内、バチルス ステ
アロサーモフィラスが使用できる。 【0015】また、ポリペプチド産生能を遺伝子組換え
により導入した形質転換微生物を供与体微生物として利
用することもできる。 【0016】供与体微生物由来のDNAは、供与体微生
物を、例えば、液体培地で約1〜3日間通気攪拌培養
し、得られる培養液を遠心分離して集菌し、次いでこれ
を溶菌させることによって調製することができる。溶菌
方法としては、例えば、リゾチームやβ−グルカナーゼ
などの細胞壁溶解酵素による処理や超音波処理などが用
いられる。また、必要によりプロテアーゼなどの他の酵
素剤やラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を併用
することも、更に凍結融解処理を施すことも自由であ
る。 【0017】このようにして得られる溶菌物からDNA
を分離し、精製するには、常法に従って、例えばフェノ
ール抽出、除蛋白処理、プロテアーゼ処理、リボヌクレ
アーゼ処理、アルコール沈殿、遠心分離などの方法を適
宜組み合わせることによって行うことができる。 【0018】DNAを切断する方法は、例えば、超音波
処理、制限酵素処理などにより行うことができるが、得
られるDNA断片とベクター断片との結合を容易にする
ためには、制限酵素、とりわけ特定ヌクレオチド配列に
作用する、例えば、EcoRI、Hind III、B
amH I、Sal I、Sla I、Xma I、M
bo I、Xba I、Sac I、Pst Iなどの
II型制限酵素が適している。 【0019】ベクターとしては、宿主微生物で自律的に
増殖し得るファージまたはプラスミドが適している。 【0020】ファージとしては、例えば、エッシェリヒ
ア コリ(Escherichiacoli)を宿主微
生物とする場合には、λgt・λC、λgt・λBなど
が、バチルス ズブチリス(Bacillus sub
tilis)を宿主微生物とする場合には、ρ11、φ
1、φ105などが使用できる。 【0021】また、プラスミドとしては、例えば、エッ
シェリヒア コリを宿主細胞とする場合には、pBR3
22、pBR325などが、バチルス ズブチリスを宿
主微生物とする場合には、pUB110、pTZ4(p
TP4)、pC194などが使用でき、更に、例えば、
エッシェリヒア コリ、バチルス ズブチリスなどの2
種以上の宿主微生物で自律的増殖の可能な、例えば、p
HV14、TRp7、YEp7、pBS7などのベクタ
ーを利用することも可能である。このようなベクター
を、先に述べたDNAと同様に制限酵素などで切断し、
ベクター断片を得る。 【0022】DNA断片とベクター断片とを結合させる
方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であればよ
く、例えば、DNA断片とベクター断片とをアニーリン
グの後、生体外で適当なDNAリガーゼの作用により組
換えDNAを作製する。必要ならば、アニーリングの
後、宿主微生物に導入して、生体内のDNAリガーゼを
利用して組換えDNAにすることもできる。 【0023】宿主微生物としては、組換えDNAが安定
かつ自律的増殖が可能でその形質発現のできるものであ
ればよい。中でも、α−アミラーゼ(EC 3.2.
1.1)産生能を欠いている微生物は、ポリペプチド産
生量の測定が容易であるだけでなく、産生されるポリペ
プチドの分離、精製も容易であり有利に利用できる。 【0024】宿主微生物に組換えDNAを導入する方法
は、公知の方法、例えば、宿主微生物がエッシェリヒア
コリの場合にはカルシウムイオン存在下で行い、バチ
ルス属に属する微生物の場合にはコンピテントセル法ま
たはプロトプラスト法などを採用することができる。 【0025】組換えDNAが導入された形質転換微生物
の選択方法は、澱粉を含む平板培地上で生育し、かつ、
澱粉からシクロデキストリンを生成するものを選択すれ
ばよい。 【0026】このようにして一度選択されたポリペプチ
ド遺伝子を含む組換えDNAは、形質転換微生物から取
り出して、他の宿主微生物に導入することも容易に実施
できることが判明した。またポリペプチド遺伝子を含む
組換えDNAを制限酵素などにより切断してポリペプチ
ド遺伝子を含むDNA断片とし、これと同様にして得ら
れるベクター断片とを結合させることも容易に実施でき
ることが判明した。また、ポリペプチド遺伝子を含む組
換えDNAを制限酵素などにより切断してポリペプチド
遺伝子を含むDNA断片とし、これと同様にプラスミド
などのベクターを切断して得られるベクター断片とを結
合させることも容易に実施できることが判明した。 【0027】また、ポリペプチド遺伝子を含む組換えD
NAは、制限酵素PvuII(東洋紡績株式会社製造)
による切断部位を有しており、制限酵素PvuIIの作
用を受けたポリペプチド遺伝子が切断され、その形質発
現能を失うことが判明した。 【0028】〈ポリペプチド遺伝子の塩基配列〉ポリペ
プチドの遺伝子塩基配列は、『ジーン(Gene)』、
第9巻、259〜268頁(1982年)に示されてい
るジデオキシ チェーンターミネーター法で解読すれば
よい。この方法は、クローニングにより得られたポリペ
プチド遺伝子を含むDNA断片を、プラスミドpUC1
8などのプラスミドに制限酵素を利用してそのクローニ
ング部位に挿入する。得られた組換えプラスミドは、形
質転換によってエッシェリヒア コリ JM83などに
移入し、次いで組換えプラスミドを有する微生物を選択
する。この微生物を増殖させたものを用いて組換えプラ
スミドを調製する。得られた組換えプラスミドを合成プ
ライマーとアニーリングし、これにクレノウ(Klen
ow)断片を働かせてプライマーを伸長させ相補DNA
を生成させる。この反応物をポリアクリルアミドゲル電
気泳動、次いで、ラジオオートグラフィー法を行った
後、ポリペプチド遺伝子の塩基配列を決定する。また、
ポリペプチドを菌体外に分泌させるシグナルペプチド遺
伝子の塩基配列も同様にして決定する。 【0029】〈ポリペプチドのアミノ酸配列〉ポリペプ
チドのアミノ酸配列は、塩基配列により決定する。ま
た、ポリペプチドを菌体外に分泌させるシグナルペプチ
ドのアミノ酸配列も同様に決定する。 【0030】〈ポリペプチドのN末端を含有する部分ア
ミノ酸配列〉ポリペプチド産生能を有するバチルス属に
属する微生物を栄養培地で培養してポリペプチドを産生
させる。培養終了後、遠心分離して上清を採取し、これ
を硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィーにより精製し高純度ポリペプチドと
する。この試料を用いて『ジャーナル・オブ・バイオロ
ジカル・ケミストリー(Journal of Bio
logical Chemistry)』、第256
巻、第7990〜7997頁(1981年)の記載に準
じて、気相プロテイン シークエンサーにより分解し、
高速液体クロマトグラフィーで同定して、ポリペプチド
のN末端を有する部分アミノ酸配列を決定する。 【0031】〈形質転換微生物によるポリペプチドの調
製〉以上のようにして得られた形質転換微生物を栄養培
地で培養することにより多量のポリペプチドが安定して
産生し得ることも見い出した。栄養培地には、例えば、
炭素源、窒素源、ミネラル、更に必要ならば、アミノ
酸、ビタミンなどの有機微量栄養素などを含有させると
良い。この際、炭素源としては、澱粉、澱粉部分加水分
解物、グルコース、フラクトース、スクロースなどの糖
質が有利に用いられる。窒素源としては、アンモニアガ
ス、アンモニア水、アンモニウム塩、硝酸塩などの無機
窒素源、ペプトン、酵母エキス、脱脂大豆、コーンステ
ィープリカー、肉エキスなどの有機窒素源が適宜用いら
れる。 【0032】培養方法は、例えば、液体培地をpH4〜
10、温度25〜65℃の範囲に維持しつつ、通気攪拌
などの好気的条件下で約1〜4日間培養し、ポリペプチ
ドを生成蓄積させればよい。培養物中のポリペプチド
は、そのまま採取し利用することもできるが、一般には
常法に従って、濾過、遠心分離などによりポリペプチド
溶液と微生物菌体とに分離した後に利用される。ポリペ
プチドが菌体中に存在する場合には、細胞を超音波、界
面活性剤、細胞壁溶解酵素などで処理し、次いで濾過、
遠心分離などしてポリペプチド溶液を採取する。 【0033】このようにして得られるポリペプチド溶液
を、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、澱粉吸着・溶出、更
に、硫安、硫酸ソーダなどによる塩析、メタノール、エ
タノール、アセトンなどによる分別沈殿法などを適宜組
み合わせて精製し、より高純度のポリペプチドを採取し
て利用することも、また、このポリペプチドを反応に利
用した後、膜分離により回収し、繰り返し利用すること
も、更に、このポリペプチドを、例えば、特公昭58−
19276号公報および特公昭60−1879号公報な
どに記載されている固定化方法により固定化し、固定化
酵素として利用することも自由である。 【0034】本発明で利用するポリペプチドは、本発明
で特定するアミノ酸配列まで解明され、安心して利用し
得るものであればよく、先に述べた遺伝子組換えによる
形質転換微生物からのもののみに限定されるものではな
い。本発明で特定するアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドは、本発明の飲食物の製造方法で用いる糖転移反応方
法に有利に利用できる。 【0035】即ち、本発明の飲食物の製造方法で用いる
糖転移反応方法は、ポリペプチドを糊化澱粉、液化澱
粉、アミロースなどの澱粉質に作用させて分子内転移反
応を起こさせ、例えば、α−シクロマルトデキストリ
ン、β−シクロマルトデキストリン、γ‐シクロマルト
デキストリンなどを生成せしめるか、または、澱粉質な
どの糖供与体と澱粉質以外の糖類、配糖体などの糖受容
体との混合物に作用させて分子間転移反応を起こさせ、
各種糖転移反応物を生成せしめる方法である。 【0036】また、分子内転移反応で得られる各種シク
ロデキストリンは、香料、色素、調味料、油溶性物質な
どと包摂化合物を形成させることにより、飲食物、化粧
品、医薬品、日用品などに有利に利用できる。 【0037】前記ポリペプチドを分子間転移反応に利用
する場合には、例えば、澱粉、液化澱粉、デキストリ
ン、シクロデキストリン、アミロースなどの澱粉質を糖
供与体とし、例えば、キシロース、ソルボース、フラク
トースなどの単糖類、シュクロース、マルチュロース、
イソマルチュロースなどの二等類から選ばれる糖質甘味
料を糖受容体との混合物に当該ポリペプチドを作用さ
せ、α−グルコシル、α−マルトシル、α−マルトトリ
オシルなどのα−グリコシル化された糖質甘味料を調製
することは、極めて有利に実施できる。得られるα−グ
リコシル化された糖質甘味料は、原料の糖質甘味料と比
較して呈味がまろやかに改善されており、その水溶性が
増大し、結晶析出が防止され、その糖質甘味料の用途を
著しく拡大し、各種飲食物に有利に利用できる。 【0038】また、分子間転移反応に於いて、糖受容体
として、例えば、ステビオシド、レバウディオサイド、
ルブソサイドなどのステビオール配糖体、グリチルリチ
ン、ソヤサポニン、茶サポニン、ジンセノサイド、ルチ
ン、エスクリンなどの配糖体を用いる際には、前記澱粉
糖質などの糖供与体と配糖体との混合物にポリペプチド
を作用させることにより、α−グルコシル、α−マルト
シル、α−マルトトリオシルなどのα−グリコシル化さ
れた配糖体を調製することもまた有利に実施できる。 【0039】得られるα−グリコシル化された配糖体
は、原料の配糖体と比較して、苦味、渋味などの嫌味が
解消し、水溶液が増大するなどの物性が改善され、その
配糖体の用途を著しく拡大することができる。特に、α
−グリコシル化されたステビオール配糖体やα−グリコ
シル化されたグリチルリチンなどの場合には、その呈味
の改善が著しく、砂糖に近い甘味質になることにより、
各種飲食物、経口医薬品などに有利に利用できる。 【0040】前記糖転移反応方法は、飲食物の製造に際
し、ポリペプチドを澱粉質に作用させ、生成する糖転移
反応物を含有せしめて品質の向上した飲食物を製造する
方法として有利に利用できる。 【0041】本発明で言う澱粉質とは、ポリペプチドが
作用して分子内または分子間転移反応を起こし得る澱粉
質であればよく、例えば、澱粉、アミロース、アミロペ
クチンまたはこれらを酸または酵素で部分加水分解した
デキストリンなどの澱粉質、およびこれら澱粉質を多量
に含有している米、大麦、小麦、トウモロコシ、アズ
キ、ササゲなどの穀類、サツマイモ、ジャガイモなどの
イモ類、またはこれらのチップ、グリッツ、粉末などを
いう。 【0042】飲食物の製造に際して、澱粉質にポリペプ
チドを作用させ、生成する糖転移反応物を含有せしめる
方法は、本発明の目的が達成できればよく、例えば、予
め糊化分散させた澱粉質溶液にポリペプチドを作用させ
て、これをそのまま若しくは必要に応じて濃縮し、乾燥
させた後、飲食物に配合してもよい。 【0043】また、バチルス ステアロサーモフィラス
由来のポリペプチドのように好熱性の場合には、予め澱
粉質とポリペプチドとを共存させて、澱粉質の糊化と糖
転移反応とを同時に行って飲食物を製造してもよい。ま
た、ポリペプチドとともに他の酵素、例えば、アミラー
ゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどを併用することも自由
である。このようにして得られる飲食物は、ポリペプチ
ドの作用により澱粉質の老化を抑制し、飲食物の口当
り、呈味改良、風味向上をもたらすだけでなく、結晶析
出防止、乳化性、保湿性などの物性をも改善し、しか
も、これらの性質が変化しにくく、高品質を長期間維持
できるので、得られる飲食物の商品価値は極めて高い。 【0044】本発明の製造方法が適用できる飲食物とし
ては、澱粉質を含有しているか、または、澱粉質を原料
とする飲食物が好適であって、例えば、クッキー、ビス
ケット、おかき、スポンジケーキ、ういろう、求肥、餅
などの菓子類、菓子パン、食パンなどのパン類、うど
ん、そば、ラーメン、マカロニなどの麺類、カマボコ、
魚肉ソーセージなどの魚肉練製品、焼肉のタレ、カレー
ルウ、シチューの素、スープの素、α−グリコシル ス
テビオサイド、α−グリコシル レバウディオサイド、
α−グリコシル ジンセノサイド、α−グリコシル ル
ブソサイドなどのα−グリコシル ステビオール配糖
体、α−グリコシル グリチルリチンなどの調味料、甘
酒、ビール、酢、味噌などの発酵飲食物などが好適であ
る。 【0045】以下、実験で本発明を詳細に説明する。 【0046】 【実験1】 〈バチルス ステアロサーモフィラスのポリペプチド遺
伝子のエッシェリヒアコリへのクローニング〉 【0047】 【実験1−1】 〈バチルス ステアロサーモフィラスの耐熱性ポリペプ
チド遺伝子を含む染色体DNAの調製〉バチルス ステ
アロサーモフィラスの耐熱性ポリペプチド遺伝子を含む
染色体DNAは、斉藤、三浦等の方法、『ビオキミカ・
エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimica
et Biophysica Acta)』、第72
巻、619〜629頁(1963年)に準じて調製し
た。即ち、バチルス ステアロサーモフィラス(FER
M−P No.2225)をブレインハート インフュ
ージョン培地で50℃、一夜通気攪拌培養した。培養液
を遠心分離して集菌し、得られた菌体をTES緩衝液
(pH8.0、トリスアミノメタン、塩酸、EDTA、
塩化ナトリウム含有)に懸濁し、次にリゾチームをml
当たり2mgの割合で加え、37℃で30分間保持し
た。これを、−20℃で一夜凍結した後、TSS緩衝液
(pH9.0、トリスアミノメタン、HCl、ラウリル
硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム含有)を加え、60℃
に加温した後、TES緩衝液(pH7.5)1容とフェ
ノール4容との混合液を加え、氷水中で冷却後、遠心分
離し上清を得た。この上清に2倍容の冷エタノールを加
え粗染色体DNAを回収し、これをSSC緩衝液(pH
7.1、塩化ナトリウム、クエン酸3ナトリウム含有)
に溶解し、リボヌクレアーゼ(シグマ社製造、商品名
RNase A)およびプロテアーゼ(科研製薬株式会
社製造、商品名、プロナーゼ E)を作用させ、次い
で、TESフェノール混液を加え、冷却し遠心分離し
て、得られる上清に2培容の冷エタノールを加え精製染
色体DNAを回収し、緩衝液(pH7.5、トリスアミ
ノメタン、HCl、EDTA含有)に溶解して−20℃
で保存した。 【0048】 【実験1−2】 〈プラスミド pBR322の調製〉プラスミド pB
R322(ATCC 37017)は、ジェイ メイヤ
ーズ(J.Meyers)等の方法、『ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー(Journal of Bac
teriology)』、第127巻、1,524〜
1,537頁(1976年)に準じてエッシェリヒア
コリから分離、調製した。 【0049】 【実験1−3】 〈ポリペプチド遺伝子を含む組換えDNAの作製〉実施
例1−1で調製した耐熱性ポリペプチド遺伝子を含む精
製染色体DNAに対して、制限酵素Mbo I(株式会
社ニッポンジーン製造)を作用させ、DNA断片が1〜
20Kbpになるように染色体DNAを部分的に切断し
た。一方、実験1−2で調製したプラスミドpBR32
2に対して、制限酵素BamH I(株式会社ニッポン
ジーン製造)を作用させ、完全に切断し、次いで、プラ
スミド断片のセルフライゲーションを防止するため、エ
ッシェリヒア コリ由来のアルカリフォスファターゼ
(宝酒造株式会社製造)を作用させ、pBR322断片
の5´末端を脱リン酸化した。両断片の結合は、T4
NAリガーゼ(株式会 社ニッポンジーン製造)を4℃
で一夜反応させて行い、組換えDNAを作製した。 【0050】 【実験1−4】 〈組換えDNAのエッシェリヒア コリへの導入〉宿主
細胞として、アミラーゼ産生能を欠いているエッシェリ
ヒア コリ HB101(ATCC 33694)を用
いた。本微生物をL培地で37℃、4時間培養し集菌し
た後、10mM塩化ナトリウム、50mM塩化マンガン
を含有する10mM酢酸塩緩衝液(pH5.6)に懸濁
し、遠心分離して集菌し、続いて25mM塩化カルシウ
ム、125mM塩化マンガンを含有する10mM酢酸塩
緩衝液(pH5.6)に懸濁したものに、実験1−3で
得た組換えDNAを加え、氷水中で30分間静置した。
更に、37℃に加温し、L培地を加え37℃で30分間
保ち、これをアンピシリン(抗生物質)50μg/ml
を含有し、かつ澱粉2mg/mlを含有するL−アガー
平板培地上に拡げ、37℃で24時間保ち、コロニーを
形成させた。 【0051】本平板から、ヨード呈色法により、澱粉を
分解し、シクロデキストリンを生成しているコロニーを
選択し、ポリペプチド遺伝子を含む組換えDNAが導入
されている形質転換微生物を選択した。本微生物を増殖
させ、実施例1−2のプラスミドの調製方法に準じて組
換えDNAを取り出し、これに各種制限酵素を作用さ
せ、その切断部位を決定した後、制限酵素EcoR I
(株式会社ニッポンジーン製造)で完全切断し、次い
で、実験1−3と同様にT4DNAリガーゼを作用させ、
組換えDNAを作製し、上記の方法に準じてポリペプチ
ド遺伝子を含む小型の組換えDNAを保有する形質転換
微生物を選択した。 【0052】更に、この小型の組換えDNAを制限酵素
Sal I(株式会社ニッポンジーン製造)で完全切断
し、以後、前記のEcoR Iの場合と同様に処理し
て、ポリペプチド遺伝子を含む更に小型のDNAを保有
する形質転換微生物を選択した。本微生物の一菌株をエ
ッシェリヒア コリTCH201(FERM BP−2
109)と命名し、これが保有する組換えDNAをpT
CH201と命名した。 【0053】組換えDNA pTCH201について、
バチルス ステアロサーモフィラス由来DNA部分の制
限酵素地図を図1に示す。 【0054】 【図1】 【0055】図1から明らかなように、制限酵素Pvu
II(東洋紡績株式会社製造)、Kpn I、Hin
d III(株式会社ニッポンジーン)、Xba I
(宝酒造株式会社製造)で切断を受けることが判明し
た。一方、制限酵素EcoR I、BamH I、Ps
t I、Xho I、Bgl II、Acc I(以
上、株式会社ニッポンジーン製造)では切断されなかっ
た。 【0056】 【実験2】 〈バチルス ステアロサーモフィラスのポリペプチド遺
伝子のバチルス ズブチリスへのクローニング〉 【0057】 【実験2−1】 〈組換えDNA pTCH201の調製〉組換えDNA
pTCH201は、実験1−2の方法に準じてエッシ
ェリヒアコリTCH201(FERM BP−210
9)から分離調製した。 【0058】 【実験2−2】 〈プラスミド pUB110の調製〉プラスミド pU
B110(ATCC 37015)は、グリッガン(G
ryczan)等の方法、『ジャーナル・オブ・バクテ
リオロジー(Journalof Bacteriol
ogy)』、第134巻、318〜329頁(1978
年)に準じてバチルス ズブチリスから分離、調製し
た。 【0059】 【実験2−3】 〈ポリペプチド遺伝子を含む組替えDNAの作製〉実験
2−1で調製した耐熱性ポリペプチド遺伝子を含む組換
えDNA pTCH201に対して、制限酵素EcoR
IおよびXba Iを同時に作用させ完全に切断した。
一方、実験2−2で調製したプラスミド pUB110
に対して、制限酵素EcoR IおよびXba Iを同様
に作用させ完全に切断した。両断片の結合は、T4DNA
リガーゼを用いて、実験1−3と同様に作用させ組換え
DNAを作製した。 【0060】 【実験2−4】 〈組換えDNAのバチルス ズブチリスへの導入〉宿主
微生物として、アミラーゼ産生能を欠いているバチルス
ズブチリス715Aを用いた。本微生物をブレイン
ハート インフュージョン培地で28℃、5時間培養し
集菌した後、シェーファー(Schaeffer)等の
方法、『プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイ
テッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedi
ngs of the National Acade
my of Sciences of the Uni
ted States of America)』、第
73巻、2,151〜2,155頁(1976年)に準
じてプロトプラスト懸濁液を調製した。 【0061】本液に、実験2−3で調製した組換えDN
Aを加え、関口等の方法、『アグリカルチュラル・アン
ド・バイオロジカル・ケミストリー(Agricult
ural and Biological Chemi
stry)』、第46巻、1,617〜1,621頁
(1982年)に準じて形質転換を行った後、HCP培
地にカナマイシン(抗生物質)250μg/mlを含有
し、かつ澱粉10mg/mlを含有する寒天平板培地上
に拡げ、28℃、72時間保ち、コロニーを形成させ
た。 【0062】以後、実験1−4の方法に準じて耐熱性ポ
リペプチド遺伝子を含む組換えDNAが導入されている
形質転換微生物を選択した。本微生物の一菌株をバチル
スズブチリス TCU211(FERM BP−211
2)と命名し、これが保有する組換えDNAをpTCU
211と命名した。組換えDNA pTCU211につ
いて、バチルス ステアロサーモフィラス由来DNA部
分の制限酵素切断地図を図2に示す。 【0063】 【図2】 【0064】図2から明らかなように、制限酵素Pvu
II、Kpn I、Hind III、で切断を受け
ることが判明した。一方、制限酵素EcoR I、Ba
mHI、Pst I、Xho I、Bgl II、Ac
c I、Xba Iでは切断されなかった。 【0065】 【実験3】 〈バチルス ステアロサーモフィラス由来ポリペプチド
のN末端を含有した部分アミノ酸配列〉 【0066】 【実験3−1】 〈ポリペプチドの調製〉バチルス ステアロサーモフィ
ラス(FERM−P No.2225)を、実験5に示
す方法と同様にして液体培養し、培地中にポリペプチド
を産生させた。遠心分離にて上清を採取し、硫安塩析に
より、ポリペプチド画分を得、次いで、陰イオン交換体
カラムクロマトグラフィー(東洋曹達株式会社製『DE
AE−トヨパール 650』)、クロマトフォーカッシ
ング法(ファマシア社製『Mono P』)により精製
して、高度に精製されたポリペプチドを採取した。本品
は、ケイウエーバー アンド エム オズボー(K.W
eber and M.Osborn)、『ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journa
lof Biological Chemistr
y)』、第244巻、4,406頁(1969年)の記
載に準じて行ったSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法で70,000±10,000の分子量を示し
た。また、比活性は、200±30単位/mg蛋白質を
示した。 【0067】 【実験3−2】 〈N末端を含有する部分アミノ酸配列〉実験3−1の方
法で調製したポリペプチドを、気相プロテインシークエ
ンサー、アプライドバイオシステム社製『470A型』
にかけ、次いで、高速液体クロマトグラフィーにより分
析して、N末端を含有する部分アミノ酸配列を決定し
た。結果は、配列表における配列番号6の配列を有して
いることが判明した。 【0068】 【実験4】 〈バチルス ステアロサーモフィラスのポリペプチド遺
伝子の塩基配列およびポリペプチドのアミノ酸配列〉 【0069】 【実験4−1】 〈プラスミド pUC 18の調製〉プラスミド pU
C 18は、これを導入したエッシェリヒア コリ J
M83(ATCC 35607)から実験1−2の方法
に準じて調製した。 【0070】 【実験4−2】 〈ポリペプチド遺伝子を含む組換えDNAの作製〉実験
1−3の方法に準じて組換えDNAを作製した。即ち、
実験2−3の方法で調製したポリペプチド遺伝子を含む
断片に、更に、各種制限酵素を作用させて切断し、ま
た、実験4−1の方法で調製したプラスミド pUC
18を同様に各種制限酵素で切断し、これら両断片にT
4DNAリガーゼを作用させて 組換えDNAを作製し
た。 【0071】 【実験4−3】 〈組換えDNAのエッシェリヒア コリへの導入〉宿主
微生物として、エッシェリヒア コリ JM88を用い
た。この微生物に、実験1−4の方法に準じて、組換え
DNAを移入し、形質転換させた。次いで、5−ブロモ
−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトシド(5
−bromo−4−chloro−3−indolyl
−β−galactosideまたはXgal)を含有
する培地に生育させ、無色のプラークを形成した微生物
を形質転換微生物として選択した。 【0072】 【実験4−4】 〈形質転換微生物からの組換えDNAの調製〉形質転換
微生物を、抗生物質アンビシリン50μg/mlを含む
L−培地で培養し、得られる菌体からアルカリ溶菌法に
より組換えDNAを調製した。 【0073】 【実験4−5】 〈組換えDNAの塩基配列〉ジデオキシ チェーンター
ミネータ法に従って解読した。即ち、実験4−4で調製
した組換えDNAと合成プライマー(17塩基)を加
え、60℃で20分間アニーリングした後、dNTP、
ddNTP、〔α−32P〕dCTPおよびクレノウ断片
を加え、37℃で30分間反応させ、プライマーを5´
側から3´方向へ伸長させて相補DNAを生成させた。
これに過剰のdNTPを加えて、更に37℃で30分間
反応させた後、ホルムアミド色素溶液を加えて反応を停
止させた。次いで、3分間煮沸し、これを6%ポリアク
リルアミドゲルを用いて、約2,000V、約25mA
で電気泳動し、伸長した相補DNAを分離した。電気泳
動した後、ゲルを固定し乾燥させた。本ゲルを用いて、
オートラジオグラフィーを行い、オートラジオグラム上
の塩基断片のシークエンス解析を行ってポリペプチド遺
伝子の塩基配列を決定した。その結果は、配列表におけ
る配列番号8に示した。また、それの5´側の上流に続
くシグナルペプチド遺伝子の塩基配列も同様にして調べ
た。その結果は、配列表における配列番号9に示した。 【0074】 【実験4−6】 〈ポリペプチドのアミノ酸配列〉配列表における配列番
号8の塩基配列を用いて、ポリペプチドのアミノ酸配列
を決定し、その結果を配列表における配列番号7に示し
た。また、それのN末端側の上流に続くシグナルペプチ
ドのアミノ酸配列を決定し、その結果を配列表における
配列番号10に示した。以上の結果から、バチルス ス
テアロサーモフィラス由来ポリペプチドのアミノ酸配列
は、配列表における配列番号7の配列を有していること
が明らかになった。 【0075】 【実験5】 〈形質転換微生物によるポリペプチド〉 【0076】 【実験5−1】 〈形質転換微生物によるポリペプチドの調製および活性
測定〉バチルス ステアロサーモフィラス由来の耐熱性
ポリペプチド遺伝子を含む組換えDNAを導入した形質
転換微生物エッシェリヒア コリ TCH201(FE
RM BP−2109)およびバチルス ズブチリス
TCU211(FERM BP−2112)を用いてポ
リペプチドを調製した。また、これら形質転換微生物と
宿主微生物並びに供与体微生物バチルス ステアロサー
モフィラスの産生するポリペプチド産生量をその活性で
比較した。 【0077】液体培地は、コーンスティープリカー1.
0w/v%、硫酸アンモニウム0.1w/v%、炭酸カ
ルシウム1.0w/v%、澱粉1w/v%および水から
なり、pH7.2に調製して120℃で20分間滅菌
し、冷却して調製した。エッシェリヒア コリ TCH
201の場合には、この培地に、抗生物質アンピシリン
をml当たり50μgの割合で加えて植菌し、また、エ
ッシェリヒア コリ HB101の場合には抗生物質を
加えずに植菌し、それぞれ37℃、48時間通気攪拌培
養した。また、バチルス ズブチリス TCU211の
場合には、前記液体培地に抗生物質カナマイシンをml
当たり5μgの割合で加えて植菌し、また、バチルス
ズブチリス 715Aの場合には抗生物質を加えずに植
菌し、それぞれ28℃で72時間培養した。また、バチ
ルス ステアロサーモフィラス(FERM−P No.
2225)の場合には、前記液体培地に抗生物質を加え
ることなく、50℃で48時間培養した。各培養液を、
遠心分離し、上清と菌体とに分離し、上清はそのまま活
性測定し、培養液量に換算して活性を求めた。結果は、
表1に示す。 【0078】 【表1】 【0079】表1の結果から明らかなように、形質転換
微生物からのポリペプチド産生量は向上しており、工業
的生産方法として好都合である。また、このポリペプチ
ドは、供与体微生物バチルス ステアロサーモフィラス
由来の耐熱性のポリペプチド同様、耐熱性のポリペプチ
ドであった。 【0080】 【実験5−2】 〈ポリペプチドの理化学的性質〉実験5−1で得たエッ
シェリヒア コリ TCH201の上清を硫安0.6飽
和で塩析して粗ポリペプチド剤を調製し、これを採取し
た。このポリペプチド剤を用いて、エヌ カッシンプー
ラス(N. Catsimpoolas)の方法[アナ
リティカル・バイオケミストリー(Analytica
l Biochemistry)、第26巻、480〜
482頁(1968年)]に準じて、ポリペプチドの等
電点を調べた。具体的には、等電点電気泳動用ゲル(L
KB社製、商品名「アンフォライン」)を充填した長さ
65mmのガラス製カラムを用いて、200Vの定電圧
で16時間、更に、400Vの定電圧で1時間という通
電条件にて等電点電気泳動を行った。通電終了後、ガラ
ス製かラムからゲルを取り出し、これを5mm間隔に切
断し、水抽出して、そのpHを測定することにより、ゲ
ル全体のpH勾配を求めた。これとは別に、ガラス製カ
ラムから取り出したゲルをクーマシー・ブルーで染色
し、脱色処理を行った後、波長600nmにてクロマト
スキャナー(島津製作所製、商品名「Model CS
−930」)にかけた。結果は、図3に示す。 【0081】 【図3】 【0082】本実験結果から、エッシェリヒア コリ
TCH201からのポリペプチドの等電点は5.0±
0.1(X±SD、n=8)であることが判明した。ま
た、これと同様に、バチルスズブチリス TCU211
からのポリペプチドの等電点についても調べたところ、
エッシェリヒア コリ TCH201と同様の結果を得
た。更に、実験5−1で得たエッシェリヒアコリ TC
H201およびバチルスズブチリス TCU211の上
清を硫安0.6飽和で塩析して調製して採取した粗ポリ
ペプチド剤を用いて、澱粉からのスクロースの糖転移
量、澱粉からのシクロデキストリン生成量、シクロデキ
ストリンα、βおよびγの生成比率、至適温度、至適p
H、安定pHなどの酵素的性質について調べたところ、
形質転換体のポリペプチドは、供与体微生物バチルスス
テアロサーモフィラスのそれと類似する性質を示した。 【0083】また、実験5−1で得たエッシェリヒア
コリ TCH201の上清を硫安0.6飽和で塩析して
粗ポリペプチド剤を調製し、これを採取した。このポリ
ペプチド剤を用いて、その熱安定性について調べた。5
mMのCaCl2 を含有する50mMトリス−マレイン
酸塩緩衝液(pH7.0)中にて、ポリペプチド剤を異
なる温度で30分間インキュベートした。その後、残存
するCGTase活性を測定し、その残存活性を相対活
性で表した。結果は、表2に示す。 【0084】 【表2】 【0085】表2の結果から、エッシェリヒア コリ
TCH201からのポリペプチドの熱安定性は、70℃
以上であることが判明した。また、これと同様に、バチ
ルスズブチリス TCU211からのポリペプチドの熱
安定性についても調べたところ、エッシェリヒア コリ
TCH201からのポリペプチドと同様の結果を得
た。 【0086】更に、実験5−1で得たエッシェリヒア
コリ TCH201およびバチルスズブチリス TCU
211の上清を硫安0.6飽和で塩析して粗ポリペプチ
ド剤を調製し、採取したポリペプチド剤を用いて、澱粉
からのスクロースへの糖転移量、澱粉からのシクロデキ
ストリン生成量、シクロデキストリンα、βおよびγの
生成比率、至適温度、至適pH、安定pHなどの酵素的
性質について比較したところ、形質転換微生物のポリペ
プチドは、供与体微生物バチルス ステアロサーモフィ
ラスのそれと類似する性質を示した。 【0087】以下、本発明の実施例について述べる。 【0088】 【実施例1】 〈食パン〉小麦粉650gに、実験3−1の方法に準じ
てバチルス ステアロサーモフィラスから調製したポリ
ペプチドを3,000単位加え、次いで、砂糖20g、
食塩11gを少量の水に溶解して加え、よくかき混ぜ、
更に圧搾酵母13g、ショートニングオイル13g、イ
ーストフード2gを加えると共に、適量の水を追加して
よく練ってドウを調製した。以後は常法に従って26℃
で2時間発酵させ、熟成時間15分、次いでオーブン温
度約200℃で約40分間焼いて、食パンを製造した。
本品は、風味良好で、適度の弾性を有し、経日変化も少
なかった。 【0089】 【実施例2】 〈甘酒〉米飯1kgに、実験5−1の方法で調製したポ
リペプチドを2,000単位加え、70℃で3時間反応
させた後、55℃に下げ、市販の麹300gを加えて2
4時間反応させて甘酒を製造した。本品は、風味、口当
りとも良好であった。 【0090】 【実施例3】 〈蒸しようかん〉小麦粉600g、かたくり粉250
g、食塩20g、さらしあん400g、砂糖1kg、マ
ルトース1.4kgおよび実験3−1の方法で製造した
ポリペプチド1,000単位を含有する水2.4Lをよ
く混合した後、これを成形し、常法に従って約40分間
蒸し上げた。本品は、老化を起こしにくく、口当り、風
味が良好で、長期間高品質を維持した。 【0091】 【実施例4】 〈シクロデキストリン含有水飴〉10w/w%馬鈴薯澱
粉に、実験5の方法で得たバチルス ズブチリス TC
U211から調製したポリペプチドを澱粉グラム当り2
単位となるように加え、pH6.5、温度85℃で液化
し、70℃に冷却してポリペプチドを同量添加し、40
時間反応させ、常法に従って、活性炭で脱色し、イオン
交換樹脂で脱塩して精製し、濃縮してシクロデキストリ
ンを含有する水飴を固形物当り収率92%で得た。本水
飴は保香性の良好な水飴で、風味良好な飲食物の原材料
に、また香気を大切にする香料、化粧品などの配合材と
して有利に利用できる。 【0092】また、この水飴を、トルエン、トリクロロ
エタンなどの有機沈殿剤を使用する方法、カラムクロマ
トグラフィーなどの公知の方法によってα−シクロデキ
ストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキス
トリンを分離し採取することも有利に実施できる。 【0093】このシクロデキストリン含有水飴の製造工
程中に於いて、ポリペプチド反応後、β−アミラーゼお
よびイソアミラーゼ(EC 3.2.1.68)を作用
させ、シクロデキストリンおよびマルトース高含有物と
し、これに、プルラナーゼ(EC 3.2.1.41)
を作用させ、精製し、濃縮してマルトシクロデキストリ
ン高含有水飴を製造することも、更に、これから高純度
のマルトシクロデキストリンを分離し、採取することも
有利に実施できる。 【0094】 【実施例5】 〈α−グリコシル ステビオサイド〉スデビオサイド2
00gとデキストリン(DE8)600gとを水3Lに
加熱溶解した後、70℃に冷却し、これに実験5の方法
でバチルス ズブチリス TCU211から調製したポ
リペプチドをデキストリングラム当り5単位になるよう
に加え、pH6.0、温度65℃に35時間反応させ
た。反応終了後、95℃に15分間熱し、濾過精製し、
濃縮し、乾燥し、粉末化して、α−グリコシルステビオ
サイドを含有する粉末甘味料を固形物当り収率92%で
得た。 【0095】本甘味料は、ステビオサイドの嫌味を解消
した砂糖に近い甘味質を有し、その甘味度は砂糖の約1
00倍であった。本甘味料は、虫歯の心配もなく、ほと
んどカロリーもないのでダイエット甘味料として、また
他の甘味料に自由に利用できる。 【0096】 【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発
明は、ポリペプチドのアミノ酸配列を解明し、その解明
されたポリペプチドを用いる糖転移反応により飲食物を
製造する方法である。本発明は、特待のアミノ酸配列を
有するポリペプチドを用いることにより、安心して糖転
移反応させることができるのみならず、この糖転移反応
がそのまま風味良好な飲食物の製造方法に利用し得るこ
とが判明した。この工業的意義は極めて大きい。更に、
飲食物の製造に際して、澱粉質に含有せしめたポリペプ
チドが、飲食物の風味を損なうことなく、しかも安心し
てそのまま飲食に供し得ることも大きな特徴である。 【0097】 【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Asn Lys Ile Asn Asp Gly Tyr Leu Thr 1 5 【0098】配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Pro Val Phe Thr Phe Gly Glu Trp Phe Leu 1 5 10 【0099】配列番号:3 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Val Thr Phe Ile Asp Asn His Asp Met Asp Arg Phe 1 5 10 【0100】配列番号:4 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Ile Tyr Tyr Gly Thr Glu Gln Tyr Met Thr Gly Asn Gly Asp Pro Asn Asn Arg 1 5 10 15 【0101】配列番号:5 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Asn Pro Ala Leu Ala Tyr Gly 1 5 【0102】配列番号:6 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:N末端フラグメント 配列 Ala Gly Asn Leu Asn Lys Val Asn Phe Thr 1 5 10 【0103】配列番号:7 配列の長さ:680 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Gly Asn Leu Asn Lys Val Asn Phe Thr Ser Asp Val Val Tyr Gln Ile 1 5 10 15 Val Val Asp Arg Phe Val Asp Gly Asn Thr Ser Asn Asn Pro Ser Gly Ala 20 25 30 Leu Phe Ser Ser Gly Cys Thr Asn Leu Arg Lys Tyr Cys Gly Gly Asp Trp 35 40 45 50 Gln Gly Ile Ile Asn Lys Ile Asn Asp Gly Tyr Leu Thr Asp Met Gly Val 55 60 65 Thr Ala Ile Trp Ile Ser Gln Pro Val Glu Asn Val Phe Ser Val Met Asn 70 75 80 85 Asp Ala Ser Gly Ser Ala Ser Tyr His Gly Tyr Trp Ala Arg Asp Phe Lys 90 95 100 Lys Pro Asn Pro Phe Phe Gly Thr Leu Ser Asp Phe Gln Arg Leu Val Asp 105 110 115 Ala Ala His Ala Lys Gly Ile Lys Val Ile Ile Asp Phe Ala Pro Asn His 120 125 130 135 Thr Ser Pro Ala Ser Glu Thr Asn Pro Ser Tyr Met Glu Asn Gly Arg Leu 140 145 150 Tyr Asp Asn Gly Thr Leu Leu Gly Gly Tyr Thr Asn Asp Ala Asn Met Tyr 155 160 165 170 Phe His His Asn Gly Gly Thr Thr Phe Ser Ser Leu Glu Asp Gly Ile Tyr 175 180 185 Arg Asn Leu Phe Asp Leu Ala Asp Leu Asn His Gln Asn Pro Val Ile Asp 190 195 200 Arg Tyr Leu Lys Asp Ala Val Lys Met Trp Ile Asp Met Gly Ile Asp Gly 205 210 215 220 Ile Arg Met Asp Ala Val Lys His Met Pro Phe Gly Trp Gln Lys Ser Leu 225 230 235 Met Asp Glu Ile Asp Asn Tyr Arg Pro Val Phe Thr Phe Gly Glu Trp Phe 240 245 250 255 Leu Ser Glu Asn Glu Val Asp Ala Asn Asn His Tyr Phe Ala Asn Glu Ser 260 265 270 Gly Met Ser Leu Leu Asp Phe Arg Phe Gly Gln Lys Leu Arg Gln Val Leu 275 280 285 Arg Asn Asn Ser Asp Asn Trp Tyr Gly Phe Asn Gln Met Ile Gln Asp Thr 290 295 300 305 Ala Ser Ala Tyr Asp Glu Val Leu Asp Gln Val Thr Phe Ile Asp Asn His 310 315 320 Asp Met Asp Arg Phe Met Ile Asp Gly Gly Asp Pro Arg Lys Val Asp Met 325 330 335 340 Ala Leu Ala Val Leu Leu Thr Ser Arg Gly Val Pro Asn Ile Tyr Tyr Gly 345 350 355 Thr Glu Gln Tyr Met Thr Gly Asn Gly Asp Pro Asn Asn Arg Lys Met Met 360 365 370 Ser Ser Phe Asn Lys Asn Thr Arg Ala Tyr Gln Val Ile Gln Lys Leu Ser 375 380 385 390 Ser Leu Arg Arg Asn Asn Pro Ala Leu Ala Tyr Gly Asp Thr Glu Gln Arg 395 400 405 Trp Ile Asn Gly Asp Val Tyr Val Tyr Glu Arg Gln Phe Gly Lys Asp Val 410 415 420 425 Val Leu Val Arg Val Asn Arg Ser Ser Ser Ser Asn Tyr Ser Ile Thr Gly 430 435 440 Leu Phe Thr Ala Leu Pro Ala Gly Thr Tyr Thr Asp Gln Leu Gly Gly Leu 445 450 455 Leu Asp Gly Asn Thr Ile Gln Val Gly Ser Asn Gly Ser Val Asn Ala Phe 460 465 470 475 Asp Leu Gly Pro Gly Glu Val Gly Val Trp Ala Tyr Ser Ala Thr Glu Ser 480 485 490 Thr Pro Ile Ile Gly His Val Gly Pro Met Met Gly Gln Val Gly His Gln 495 500 505 510 Val Thr Ile Asp Gly Glu Gly Phe Gly Thr Asn Thr Gly Thr Val Lys Phe 515 520 525 Gly Thr Thr Ala Ala Asn Val Val Ser Trp Ser Asn Asn Gln Ile Val Val 530 535 540 Ala Val Pro Asn Val Ser Pro Gly Lys Tyr Asn Ile Thr Val Gln Ser Ser 545 550 555 560 Ser Gly Gln Thr Ser Ala Ala Tyr Asp Asn Phe Glu Val Leu Thr Asn Asp 565 570 575 Gln Val Ser Val Arg Phe Val Val Asn Asn Ala Thr Thr Asn Leu Gly Gln 580 585 590 595 Asn Ile Tyr Ile Val Gly Asn Val Tyr Glu Leu Gly Asn Trp Asp Thr Ser 600 605 610 Lys Ala Ile Gly Pro Met Phe Asn Gln Val Val Tyr Ser Tyr Pro Thr Trp 615 620 625 Tyr Ile Asp Val Ser Val Pro Glu Gly Lys Thr Ile Glu Phe Lys Phe Ile 630 635 640 645 Lys Lys Asp Ser Gln Gly Asn Val Thr Trp Glu Ser Gly Ser Asn His Val 650 655 660 Tyr Thr Thr Pro Thr Asn Thr Thr Gly Lys Ile Ile Val Asp Trp Gln Asn 665 670 675 680 【0104】配列番号:8 配列の長さ:2040 配列の型:核酸 配列 GCTGGAAATC TTAATAAGGT AAACTTTACA TCAGATGTTG TCTATCAAAT TGTAGTGGAT 60 CGATTTGTGG ATGGAAATAC ATCCAATAAT CCGAGTGGAG CATTATTTAG CTCAGGATGT 120 ACGAATTTAC GCAAGTATTG CGGTGGAGAT TGGCAAGGCA TCATCAATAA AATTAACGAT 180 GGGTATTTAA CAGATATGGG TGTGACAGCG ATATGGATTT CTCAGCCTGT AGAAAATGTA 240 TTTTCTGTGA TGAATGATGC AAGCGGTTCC GCATCCTATC ATGGTTATTG GGCGCGCGAT 300 TTCAAAAAGC CAAACCCGTT TTTTGGTACC CTCAGTGATT TCCAACGTTT AGTTGATGCC 360 GCACATGCAA AAGGAATAAA GGTAATTATT GACTTTGCCC CCAACCATAC TTCTCCTGCT 420 TCAGAAACGA ATCCTTCTTA TATGGAAAAC GGACGACTGT ACGATAATGG GACATTGCTT 480 GGCGGTTACA CAAATGATGC CAACATGTAT TTTCACCATA ACGGTGGAAC AACGTTTTCC 540 AGCTTAGAGG ATGGGATTTA TCGAAATCTG TTTGACTTGG CGGACCTTAA CCATCAGAAC 600 CCTGTTATTG ATAGGTATTT AAAAGATGCA GTAAAAATGT GGATAGATAT GGGGATTGAT 660 GGTATCCGTA TGGATGCGGT GAAGCACATG CCGTTTGGAT GGCAAAAATC TCTGATGGAT 720 GAGATTGATA ACTATCGTCC TGTCTTTACG TTTGGGGAGT GGTTTTTGTC AGAAAATGAA 780 GTGGACGCGA ACAATCATTA CTTTGCCAAT GAAAGTGGAA TGAGTTTGCT CGATTTTCGT 840 TTCGGACAAA AGCTTCGTCA AGTATTGCGC AATAACAGCG ATAATTGGTA TGGCTTTAAT 900 CAAATGATTC AAGATACGGC ATCAGCATAT GACGAGGTTC TCGATCAAGT AACATTCATA 960 GACAACCATG ATATGGATCG GTTTATGATT GACGGAGGAG ATCCGCGCAA GGTGGATATG 1020 GCACTTGCTG TATTATTGAC ATCCCGTGGC GTACCGAATA TTTACTATGG TACAGAGCAA 1080 TACATGACCG GTAACGGCGA TCCAAACAAT CGTAAGATGA TGAGTTCATT CAATAAAAAT 1140 ACTCGCGCGT ATCAAGTGAT TCAAAAACTA TCTTCTCTCC GACGAAACAA TCCGGCGTTA 1200 GCTTATGGTG ATACGGAACA GCGTTGGATC AATGGCGATG TGTATGTGTA TGAGCGACAG 1260 TTTGGCAAAG ATGTTGTGTT AGTTCGGGTT AATCGTAGTT CAAGCAGTAA TTACTCGATT 1320 ACTGGCTTAT TTACAGCTTT ACCAGCAGGA ACATATACGG ATCAGCTTGG CGGTCTTTTA 1380 GACGGAAATA CAATTCAAGT CGGTTCAAAT GGATCAGTTA ATGCATTTGA CTTAGGACCG 1440 GGGGAAGTCG GTGTATGGGC ATACAGTGCA ACAGAAAGCA CGCCAATTAT TGGTCATGTT 1500 GGACCGATGA TGGGGCAAGT CGGTCATCAA GTAACCATTG ATGGCGAAGG ATTCGGAACA 1560 AATACGGGCA CTGTGAAGTT CGGAACGACA GCTGCCAATG TTGTGTCTTG GTCTAACAAT 1620 CAAATCGTTG TGGCTGTACC AAATGTGTCA CCAGGAAAAT ATAATATTAC CGTCCAATCA 1680 TCAAGCGGTC AAACGAGTGC GGCTTATGAT AACTTTGAAG TACTAACAAA TGATCAAGTG 1740 TCAGTGCGGT TTGTTGTTAA TAACGCGACT ACCAATCTAG GGCAAAATAT ATACATTGTT 1800 GGCAACGTAT ATGAGCTCGG CAACTGGGAC ACTAGTAAGG CAATCGGTCC AATGTTCAAT 1860 CAAGTGGTTT ACTCCTATCC TACATGGTAT ATAGATGTCA GTGTCCCAGA AGGAAAGACA 1920 ATTGAGTTTA AGTTTATTAA AAAAGACAGC CAAGGTAATG TCACTTGGGA AAGTGGTTCA 1980 AATCATGTTT ATACGACACC AACGAATACA ACCGGAAAAA TTATAGTGGA TTGGCAGAAC 2040 【0105】配列番号:9 配列の長さ:93 配列の型:核酸 配列の種類:他の核酸 シグナルペプチド遺伝子の塩基
配列 配列 ATGAGAAGAT GGCTTTCGCT AGTCTTGAGC ATGTCATTTG TATTTAGTGC AATTTTTATA 60 GTATCTGATA CGCAGAAAGT CACCGTTGAA GCA 93 【0106】配列番号:10 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を示す記号:sig peptide 配列 Met Arg Arg Trp Leu Ser Leu Val Leu Ser Met Ser Phe Val Phe Ser Ala -30 -25 -20 -15 Ile Phe Ile Val Ser Asp Thr Gln Lys Val Thr Val Glu Ala -10 -5
【図面の簡単な説明】 【図1】組換えDNA pTCH201について、バチ
ルス ステアロサーモフィラス由来DNA部分の制限酵
素切断地図を示す図である。 【図2】組換えDNA pTCU211について、バチ
ルス ステアロサーモフィラス由来DNA部分の制限酵
素切断地図を示す図である。 【図3】形質転換微生物エッシェリヒア コリ TCH
201からのポリペプチドの等電点を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 9/10 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:07) (C12P 19/18 C12R 1:19)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.以下に示す(a)〜(c)の工程からなる、飲食物
    の製造方法: (a) 部分アミノ酸配列として、N末端側から近い順
    に、配列表における配列番号1乃至5に示すアミノ酸配
    列を有し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
    で70,000±10,000の分子量を有し、70℃
    以上の熱安定性を有し、且つシクロマルトデキストリン
    グルカノトランスフェラーゼ活性を有するバチルス
    ステアロサーモフィラス由来のポリペプチドの産生能を
    有する微生物を栄養培地中で培養する工程、 (b)(a)の工程で得られた ポリペプチドを澱粉質に
    作用させる工程、 (c)(b)の工程で得られた 糖転移反応物を飲食物に
    含有せしめる工程。 2.ポリペプチドが、そのN末端を有する部分アミノ酸
    配列として、配列表における配列番号6に示すアミノ酸
    配列を有していることを特徴とする請求項1に記載の飲
    食物の製造方法。 3.ポリペプチドが、アミノ酸配列として、配列表にお
    ける配列番号7に示すアミノ酸配列を有していることを
    特徴とする請求項1または2に記載の飲食物の製造方
    法。 4.糖転移反応物が分子内転移反応物または分子間転移
    反応物であることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の飲食物の製造方法。 5.分子内転移反応物が、シクロデキストリンであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の飲食物の製造方法。 6.分子間転移反応物が、澱粉質と澱粉質以外の糖受容
    体とから生成したものであることを特徴とする請求項4
    に記載の飲食物の製造方法。 7.分子間転移反応物が、α−グリコシル シュクロー
    ス、α−グリコシル ステビオール配糖体、α−グリコ
    シル グリチルリチン、α−グリコシル ルチンまたは
    α−グリコシル ジンセノサイドであることを特徴とす
    る請求項4または6に記載の飲食物の製造方法。 8.飲食物が、澱粉質含有飲食物、醗酵飲食物または甘
    味料であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6または7に記載の飲食物の製造方法。
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