JP2754452B2 - 液体の移動床連続濾過装置 - Google Patents

液体の移動床連続濾過装置

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JP2754452B2
JP2754452B2 JP6021571A JP2157194A JP2754452B2 JP 2754452 B2 JP2754452 B2 JP 2754452B2 JP 6021571 A JP6021571 A JP 6021571A JP 2157194 A JP2157194 A JP 2157194A JP 2754452 B2 JP2754452 B2 JP 2754452B2
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    • B01DSEPARATION
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    • B01D24/46Regenerating the filtering material in the filter
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  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子濾材が上から下に
移動し、汚れた粒子濾材を濾過槽内の濾床の下部から取
り出して洗浄し、洗浄済の粒子濾材を濾床の上部に復帰
させるようにした液体の移動床連続濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明において、粒子濾材とは、自然
砂、破砕された鉱石、活性炭、人工粒状物質など、濾過
材として使用できるすべての粒状物質を包括するものと
する。
【0003】濾床を構成する粒子濾材(例えば砂)が移
動し、この粒子濾材を取り出して洗浄し、そして濾床の
上部に戻す上向流移動床連続濾過装置に関する技術は数
多く知られている。例えばドイツ特許公報第22625
99号には、汚れた砂を濾過槽の濾床の下部から水で作
動するエジェクターポンプによって濾過槽の上部に設置
したハイドロサイクロンに輸送し、該ハイドロサイクロ
ンで砂と輸送排水を分離し、砂を濾床の上部に戻す液体
の移動床連続濾過装置が記載されている。
【0004】前記ハイドロサイクロンの下部には、砂を
濾床の上部に戻す下部出口がある容器が取り付けられて
いる。該容器には汚れた輸送排水が砂と一緒に濾床上に
落下するのを防止するために、新鮮水を供給している。
この新鮮水の大部分は前記ハイドロサイクロンの下部か
ら前記容器に流入した汚れた砂と共に濾床上に落下し、
また新鮮水の他の一部は上昇して前記ハイドロサイクロ
ンの中に入り、本ハイドロサイクロンから排出される輸
送排水と共に貯留槽に送られる。該貯留槽内の排水は、
再び前記エジェクターポンプの作動水として使用され
る。被濾過水は濾床の内部にある供給装置で濾床の下方
部に供給し、濾過水は濾床上方の越流堰から流出させ
る。
【0005】また他の公知例としてスウェーデン特許出
願第7602999−0号(特公昭56−51808号
に対応)には、前記ドイツ特許公報第2262599号
と類似の液体の上向流移動床連続濾過装置が示されてい
る。本濾過装置では、圧縮空気で作動するエアリフトポ
ンプの揚砂管(輸送管)を、濾過槽内の濾床の中心軸線
上に垂直に取り付ける。そして、洗浄装置を前記揚砂管
の周囲に設ける。前記洗浄装置は、濾床区域(濾床のあ
る所、以下同じ)上方の濾液相区域(濾床上面に溜った
濾過水のある所、以下同じ)中に浸漬し、その下端は濾
床区域より上方にあり、そして洗浄水の入口は、濾液相
区域に連結している。洗浄水として、濾液相区域中の濾
過水の一部を洗浄装置に供給する。その他の点では、本
濾過装置の作用は、前記ドイツ特許に示されている液体
の移動床連続濾過装置と概ね同一である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の液体の上向流移
動床連続濾過には、主として、次に述べるような問題点
があった。
【0007】(1) ドイツ特許公報第2262599号に
ついては次のような問題点があった。 1) ハイドロサイクロンでは、砂は殆んど洗浄されな
い。従って、ハイドロサイクロンからその下部にある容
器に流入した砂は、汚れている。 2) 本容器に供給した新鮮水は、この汚れた砂によって
汚染される。そしてこの汚染された新鮮水の大部分は汚
れた砂と一緒に濾床の上部に戻る。このため濾過水は汚
染される。 3) 貯留槽に送られそしてエジェクターポンプの作動水
として再使用される排水は次第に汚れがひどくなり、こ
のため濾過水もますます汚れがひどくなる。このため本
濾過装置は、被濾過水を十分綺麗に濾過することができ
ず、商業上の意味を持たなかった。
【0008】(2) スウェーデン特許出願第760299
9−0号(特公昭56−51808号に対応)について
は次のような問題点があった。
【0009】1) 洗浄装置内を上昇した洗浄排水は、汚
れた砂を輸送した揚砂管からの輸送排水と洗浄装置の上
部で一緒になり、同一の排水流出堰を越えて濾過槽外に
排出される。
【0010】2) このことは、エアリフトポンプの揚砂
量が変化すると、洗浄装置内を上昇する洗浄水量が変わ
ることを意味する。すなわち揚砂量が増加すると輸送排
水量も増加するので、洗浄装置内の水位が上昇する。従
って濾過槽の水位と洗浄装置内の水位との水位差(圧力
差)が少なくなり、濾液相区域から洗浄装置内に入る洗
浄水量が少なくなる。このため揚砂量が増加すると、汚
れた砂の洗浄が不十分になる。従って汚れた砂の洗浄を
正常に行うためには、揚砂量が増加したときには洗浄水
量を増加しなければならない。しかし本濾過装置では、
その都度排水流出堰を調節して洗浄水量を増加しない限
り、揚砂量が増加すると洗浄水量が減少するという好ま
しくない反対の現象が起こる。このため汚れた砂の洗浄
が不十分になる。
【0011】3) すなわちエアリフトポンプの揚砂量
は、濾過槽の水位の変動によって敏感に変化する。濾過
槽に流入する被濾過水の水量が多くなると、濾過槽の水
位が上昇する。このためエアリフトポンプの揚砂量が増
加し、そして輸送排水量が増加する。このため洗浄装置
内に入る洗浄水量が少なくなり、従って本装置では汚れ
た砂の洗浄が不十分になるのである。エアリフトポンプ
の揚砂量は、被濾過水の流入量の増加による濾過槽水面
の水位の上昇に敏感に影響する。これを以下に詳しく述
べる。図8は、良く知られているエアリフトポンプの原
理図を示したものである。液体の移動床連続濾過装置で
使われているエアリフトポンプでは、通常、浸水深さH
Sは4〜6m程度であり、また揚程Hは0.05m(5
cm)程度である。従ってこの場合の浸水率α(%)は、
次のようになる。 α=5m/(5m+0.05m)×100=99.0099(およそ99%)
【0012】被濾過水の流入量が増加し、そして濾過水
量が増加して濾過槽の水面の水位が0.03m(3cm)
上昇したと仮定すると、浸水率αは次のようになる。 揚程H=0.05m−0.03m(水位の上昇分)=0.02m 浸水深さHS=5m+0.03m=5.03m この場合の浸水率α(%)は、次のようになる。 α=5.03m/(5.03m+0.02m)×100
=99.6099(およそ99.6%)
【0013】エアリフトポンプの揚砂量は、良く知られ
ているように、浸水率αに非常に大きく影響される。従
って、浸水率が99%から99.6%に増加すると揚砂
量が増加し、そして輸送排水量も増加する。このよう
に、エアリフトポンプの揚砂量は、被濾過水の流入量の
増加による濾過槽水面の水位の上昇に敏感に影響するの
である。一方、濾過槽に流入する被濾過水の水量が多く
なり、このためエアリフトポンプの揚砂量が増加し、輸
送排水量が増加すると、液体の移動床連続濾過装置の洗
浄排水流出装置の流出堰の堰巾は非常に狭いので、流出
堰を越流する洗浄排水の越流高さが急に高くなる。この
結果、濾過槽の水面の水位と洗浄排水流出装置の流出堰
の排水の越流水位との水位差(圧力差)が少なくなっ
て、濾過水ゾーン(濾液相区域に相当、以下同じ)から
洗浄装置の中に入る洗浄水量が減少する。こうして汚れ
た砂の洗浄が不十分になる。
【0014】4) 従って本濾過装置の運転は、被濾過水
の流入量が増加したときにも汚れた砂を確実に洗浄でき
るように、平均被濾過水量の時でも最大被濾過水量の時
に必要な洗浄水量を常時排出しなければならない。この
ため本濾過装置は洗浄水量が多く、不経済である。
【0015】5) エアリフトポンプは比重が軽い空気で
比重が重い砂の粒子を多量に揚砂しなければならないの
で、多量の高圧の圧縮空気(通常3〜4kgf /cm2 )が
必要である。このため、本濾過装置は動力消費量が大き
い。この高圧の圧縮空気で作動するエアリフトポンプを
用いて、比重が大きい粒子濾材、通常砂を揚砂するの
は、極めて効率の悪い仕事であった。このためエアリフ
トポンプは、動力消費量が著しく大きい。また高圧の圧
縮空気を得るために用いる空気圧縮機は、価格が高く、
故障が多く、寿命が短く、さらに騒音が大きいという問
題点があった。これを克服すべくエアリフトポンプを通
常の水ポンプで作動するウォータージェット装置に代替
えする事が行われたことがある。ウォータージェット装
置に使用する水ポンプは、エアリフトポンプに使用する
空気圧縮機に比較して、価格が安く、故障が少なく、寿
命が非常に長く、設置スペースが少なくてすみ、更に運
転音が低いという利点を有しているからである。しか
し、一般の水ポンプは、その性能上、ウォータージェッ
ト装置に必要な高圧水を得られるためには、多量の揚水
量が必要になる。にもかかわらず、従来の濾過装置は、
輸送排水と洗浄排水を別々に取り出し、かつそれぞれ別
々に排出する分離手段が無かったので、ウォータージェ
ット装置によって揚砂に多量の揚水が伴われると、装置
外に排出される排出水量が多くなり不経済となる。この
ため従来の濾過装置では、汚れた砂の揚砂のためにエア
リフトポンプを使用せざるを得なかった。
【0016】本願発明は、上述した従来の液体の移動床
濾連続過装置が有していた問題点を解決する液体の移動
床連続濾過装置を提供することを目的としている。すな
わち、本願発明は、濾過槽の濾床の最低部から粒子濾材
を洗浄装置に輸送する際に粒子濾材と共に運ばれてきた
輸送排水と、当該洗浄装置内を下方から上方へ流動した
後の濾過水、すなわち洗浄排水とをそれぞれ別々に取り
出し、かつ該輸送排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に前
記濾過槽外へ排出させる分離手段を前記洗浄装置の上部
に設けた液体の移動床連続濾過装置を提供する事を目的
としている。すなわち、揚砂量が増加して輸送排水量が
増加したときも濾過水ゾーンから洗浄装置内に流入する
洗浄水量が減少しないようにして、常に高い洗浄能力を
有する液体の移動床連続濾過装置を得ることを目的とし
ており、さらに粒子濾材の輸送にエアリフトポンプに較
べて動力消費量が著しく少ないウォータージェット装置
の使用を可能にする液体の移動床連続濾過装置を提供す
ることを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本願発明の液体の移動床連続濾過装置は、以下のよう
に構成されている。
【0018】すなわち、粒子濾材によって構成される濾
床を内部に有する濾過槽と、粒子濾材と洗浄水が対向流
で接触する通路を有する洗浄装置とからで構成され、前
記濾床の下方部に濾過すべき液体、すなわち被濾過水を
供給して上方に流動濾過させて被濾過水中の汚れた物質
を前記濾床の粒子濾材によって捕捉し、濾過水は濾過槽
の上方から越流堰を越えて濾過槽外に流出させ、一方前
記濾床を構成する粒子濾材は上から下に移動し、前記濾
床の最低部から粒子濾材を前記洗浄装置の上部に第一の
輸送手段によって輸送し、前記洗浄装置の通路内を下方
から上方へ濾過水を流動させて前記洗浄装置の通路内を
上方から下方に下降する粒子濾材を洗浄し、洗浄済みの
粒子濾材を前記濾床上に復帰させるようにした液体の移
動床連続濾過装置において、前記濾床の最低部から粒子
濾材を前記洗浄装置に輸送する際に粒子濾材と共に運ば
れてきた輸送排水と、前記洗浄装置内を下方から上方へ
流動した後の濾過水、すなわち洗浄排水とをそれぞれ別
々に取り出し、かつ該輸送排水と洗浄排水とをそれぞれ
別々に前記濾過槽外へ排出させる分離手段を前記洗浄装
置の上部に設けたことを特徴とする液体の移動床連続濾
過装置である。
【0019】また、前記分離手段は、前記輸送手段の上
端が連結開口されている粒子濾材の流入筒を前記洗浄装
置の上部に設け、該流入筒の外側に輸送排水分離筒を遊
嵌し、該輸送排水分離筒に輸送排水排出装置を設け、前
記輸送排水分離筒の外側に洗浄排水分離筒を遊嵌し、該
洗浄排水分離筒に洗浄排水排出装置を設け、前記輸送排
水分離筒と洗浄排水分離筒の下方に前記洗浄装置を構成
する案内筒を設けて該案内筒の上端と前記洗浄排水分離
筒の下端とを接続し、前記洗浄装置を構成する案内筒内
に遊嵌されている柱体の頂部と前記輸送排水分離筒下端
部との間に粒子濾材を前記洗浄装置へ落下せしめるスリ
ットを設けた液体の移動床連続濾過装置である。
【0020】前記において、前記分離手段と前記洗浄装
置とは共に前記濾過槽内の前記濾床上方の濾過水ゾーン
に設けることも、あるいは前記分離手段と前記洗浄装置
とを共に前記濾過槽の外に設けることも可能としたもの
である。後者の場合には、前記洗浄装置の下端から洗浄
済の粒子濾材を前記濾過槽内の濾床上部へ輸送する第二
の輸送手段が備えられている。
【0021】また、前記輸送排水排出装置と前記洗浄排
水排出装置は、それぞれ昇降自在に設けられている流出
堰を有している構成としたものであり、これに加えて、
前記輸送排水排出装置の流出堰は、更に、堰巾を伸縮調
節可能に構成したものである。
【0022】また、前記輸送排水分離筒の下部にはホッ
パー筒が遊嵌されており、当該ホッパー筒あるいは前記
洗浄装置を構成する案内筒内に遊嵌されている柱体の頂
部のいずれか一方が昇降自在に構成されている液体の移
動床連続濾過装置、あるいは、前記輸送排水分離筒下端
部の下方であって、前記洗浄装置を構成する案内筒内に
遊嵌されている前記柱体の上方に、昇降自在に調整体を
設けた液体の移動床連続濾過装置としたものである。
【0023】更に、前記輸送排水排出装置と前記洗浄排
水排出装置とにそれぞれ輸送排水流出管と洗浄排水流出
管とを接続し、当該輸送排水流出管の先端または洗浄排
水流出管の先端のいずれか一方が、被濾過水を濾過槽に
供給するための被濾過水槽へ接続されている液体の移動
床連続濾過装置としたものである。
【0024】また、他の装置の発明は、前記輸送排水排
出装置と前記洗浄排水排出装置とにそれぞれ輸送排水流
出管と洗浄排水流出管とを接続し、当該輸送排水流出管
の先端または洗浄排水流出管の先端またはその双方が、
前記第一の輸送手段へ接続されていて、当該輸送排水流
出管あるいは当該洗浄排水流出管のいずれか一方にセパ
レータが介在されている液体の移動床連続濾過装置とし
たものである。
【0025】前記において、前記濾床の最低部から粒子
濾材を前記洗浄装置の上部に輸送する前記第一の輸送手
段をウォータージェット装置としたものであり、更に、
前記濾過槽の濾床下方のホッパー部内に、上部が円錐形
で下部が逆円錐形の砂分配器が設けられており、該砂分
配器の最大平断面積は濾過槽下方のホッパー部内壁の平
断面積の大部分を占めるように構成され、当該砂分配器
の外周と前記濾過槽下方のホッパー部内壁との隙間が砂
の分配通路と砂の下降通路とを構成する液体の移動床連
続濾過装置である。
【0026】
【作用】本願発明の液体の移動床連続濾過装置において
は、濾過槽の濾床の最低部から粒子濾材を洗浄装置に輸
送する際に粒子濾材と共に運ばれてきた輸送排水と、当
該洗浄装置内を下方から上方へ流動した後の濾過水、す
なわち洗浄排水とをそれぞれ別々に取り出し、かつ該輸
送排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に前記濾過槽外へ排
出させる分離手段を前記洗浄装置の上部に設けた構成と
なっている。かかる分離手段を設けたことにより、輸送
排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に取り出し、かつ輸送
排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に前記濾過槽外へ排出
させることが可能になった。従って、濾過槽への被濾過
水の流入量が増加して、揚砂量が増加し、輸送排水量が
増加したときも、濾過水ゾーンから洗浄装置内に流入す
る洗浄水量が減少しないようにして、常に高い洗浄能力
を有する液体の移動床連続濾過装置を得ることができ
る。また、輸送排水と洗浄排水を別々に取り出し、かつ
それぞれ別々に排出する分離手段を設けたので、汚れた
砂の揚砂に多量の揚水が使用されるため従来の装置では
使用する事が困難であったウォータージェット装置によ
って汚れた砂を洗浄装置へ揚砂することが可能になっ
た。更に、かかる分離手段を設けたことにより、輸送排
水と洗浄排水とをそれぞれ別々に前記濾過槽外へ排出さ
せることが可能になり、当該輸送排水と洗浄排水の汚れ
の少ないほうを、あるいはこれらからセパレータによっ
て浮遊物質を分離して、被濾過水として再利用する、あ
るいはウォータージェット装置の作動水として利用する
ことができる。従って、本願発明の液体の移動床連続濾
過装置では、装置外へ排出される排水の量を著しく減少
させる事ができ、極めて経済的である。
【0027】前記において、前記分離手段と前記洗浄装
置とは共に前記濾過槽内の前記濾床上方の濾過水ゾーン
に設けることも、あるいは前記分離手段と前記洗浄装置
とを共に前記濾過槽の外に設けることも可能としたもの
である。後者の場合には、汚れた砂を濾床の最低部から
第一の輸送手段で濾過槽外にある洗浄装置に輸送する。
次に前記洗浄装置で洗浄した砂を前記洗浄装置の下方部
から第二の輸送手段で濾過槽の濾床の上部に輸送して濾
床の上部に復帰させる。即ち砂を二段階で輸送するもの
である。第一の輸送手段には、ウォータージェット装置
あるいはエアリフトポンプいずれを使用しても良い。第
二の輸送手段には、通常ウォータージェット装置を使用
する。この場合、ウォータージェット装置の作動水に
は、通常濾床上部の濾過水を使用する。
【0028】このように洗浄装置を濾過槽外に設け、そ
して該洗浄装置の上部を濾過槽の上面とほぼ同じ高さに
位置させれば、濾過槽の高さを著しく低くすることがで
きる。一方、洗浄装置を濾過槽内に設けた場合には、砂
を一段階で輸送するので、砂の輸送に必要な動力消費を
少なくする事ができるという効果がある。
【0029】前述した本願発明の液体の移動床連続濾過
装置に採用されている前記分離手段は、輸送排水と洗浄
排水とをそれぞれ別々に取り出すために、次なる構成を
採用している。すなわち、前記輸送手段の上端が連結開
口されている粒子濾材の流入筒を前記洗浄装置の上部に
設け、該流入筒の外側に輸送排水分離筒を遊嵌し、該輸
送排水分離筒に輸送排水排出装置を設け、前記輸送排水
分離筒の外側に洗浄排水分離筒を遊嵌し、該洗浄排水分
離筒に洗浄排水排出装置を設け、前記輸送排水分離筒と
洗浄排水分離筒の下方に前記洗浄装置を構成する案内筒
を設けて該案内筒の上端と前記洗浄排水分離筒の下端と
を接続し、前記洗浄装置を構成する案内筒内に遊嵌され
ている柱体の頂部と前記輸送排水分離筒下端部との間に
粒子濾材を前記洗浄装置へ落下せしめるスリットを設け
た構成となっている。ここで、前記輸送排水排出装置と
前記洗浄排水排出装置は、それぞれ昇降自在に設けられ
ている流出堰を有している構成としたものであり、これ
に加えて、前記輸送排水排出装置の流出堰は、更に、堰
巾を伸縮調節可能に構成されている。また、前記輸送排
水分離筒の下部にはホッパー筒が遊嵌されており、当該
ホッパー筒あるいは前記洗浄装置を構成する案内筒内に
遊嵌されている柱体の頂部のいずれか一方、あるいはそ
の双方が昇降自在に構成されている。あるいは前記輸送
排水分離筒下端部の下方であって、前記洗浄装置を構成
する案内筒内に遊嵌されている前記柱体の上方に、昇降
自在に調整体を設けた構成が採用されているのである。
【0030】このように前記分離手段を構成することに
より、次なる作用効果が奏せられる。すなわち、粒子濾
材の流入筒外側に輸送排水分離筒を遊嵌し、該輸送排水
分離筒に輸送排水排出装置を設け、前記輸送排水分離筒
の外側に洗浄排水分離筒を遊嵌し、該洗浄排水分離筒に
洗浄排水排出装置を設け、前記輸送排水分離筒と洗浄排
水分離筒の下方に設置されている洗浄装置を構成する案
内筒の上端と前記洗浄排水分離筒の下端とを接続し、前
記洗浄装置を構成する案内筒内に遊嵌されている柱体の
頂部と前記輸送排水分離筒下端部との間に粒子濾材を前
記洗浄装置へ落下せしめるスリットを設けることによ
り、輸送されてきた汚れた砂のみを洗浄装置内へ落下さ
せる一方で、輸送排水と洗浄排水とが混合する事を防止
できる。
【0031】次に、前記輸送排水排出装置と前記洗浄排
水排出装置が、それぞれ昇降自在に設けられている流出
堰を有している構成とし、これに加えて、前記輸送排水
排出装置の流出堰は、更に、堰巾を伸縮調節可能に構成
することによって、輸送排水分離筒内の水位と洗浄排水
分離筒内の水位を常に同じにさせることができる。すな
わち、前記スリット両側の水位が同じ(圧力差が0)に
させることが可能になり、従ってスリットを通る流れが
なくなり、輸送排水と洗浄排水とが混合する事を防止で
きるのである。
【0032】輸送排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に濾
過槽外へ取り出す事を目的とする本願発明の液体の移動
床連続濾過装置においては、輸送排水と洗浄排水とが混
合する事を防止するため、前記輸送排水分離筒内の水位
と洗浄排水分離筒内の水位がほぼ同じになるようにして
運転しなければならない。これは、前記輸送排水流出装
置と前記洗浄排水流出装置とがそれぞれに昇降自在の流
出堰を有することによって可能になっている。
【0033】洗浄排水量と輸送排水量を較べると、通
常、洗浄排水量よりも輸送排水量のほうが多い。従って
輸送排水流出装置の流出堰は、洗浄排水流出装置の流出
堰よりも多量の排水を越流させなければならない。これ
を可能にする一つの手段が、前記の構成によって、それ
ぞれの流出堰の高さを上下に調節することである。しか
し、前記スリット両側の水位を同じ(圧力差が0)にさ
せ、スリットを通る流れがなくなるようにするために
は、それぞれの流出堰の高さをおおむね同じにして本移
動床連続濾過装置を運転することが望ましい。さらに、
それぞれの流出堰の高さをほぼ同一にし、かつ輸送排水
が輸送排水流出装置の流出堰を越流する越流水位と洗浄
排水が洗浄排水流出装置の流出堰を越流する越流水位を
ほぼ同一にして本移動床連続濾過装置を運転することが
さらに優れている。そこで、輸送排水流出装置の流出堰
を越えて流れ出る輸送排水の量の方を、洗浄排水流出装
置の流出堰を越えて流れ出る洗浄排水の量より多くする
ため、輸送排水流出装置の流出堰の堰巾を、洗浄排水流
出装置の流出堰の堰巾より広くすることが望ましい。本
願発明の装置においては、前記輸送排水排出装置の流出
堰は、更に、堰巾を伸縮調節可能に構成されているの
で、この結果、それぞれの流出堰の高さをほぼ同一に調
節し、さらに前記輸送排水排出装置の流出堰の堰巾を伸
縮して、輸送排水分離筒内の水位と洗浄排水分離筒内の
水位がほぼ同一になるように調節することができるので
ある。これによって、前記スリット両側の水位を同じ
(圧力差が0)にさせ、スリットを通る流れをなくさせ
ることを可能ならしめている。
【0034】更に、本願発明の液体の移動床連続濾過装
置の前記分離手段においては、前記輸送排水分離筒の下
部にはホッパー筒が遊嵌されており、当該ホッパー筒あ
るいは前記洗浄装置を構成する案内筒内に遊嵌されてい
る柱体の頂部のいずれか一方、あるいはその双方が昇降
自在に構成されている。あるいは前記輸送排水分離筒下
端部の下方であって、前記洗浄装置を構成する案内筒内
に遊嵌されている前記柱体の上方に、昇降自在に調整体
が設けられている。これらの構成により、前記スリット
の隙間を、粒子濾材の流れがスリットの隙間の大部分を
占めるように調整することができる。
【0035】輸送排水分離筒と洗浄排水分離筒との間に
スリットを通る水の流れが生じないようにするために
は、輸送排水分離筒内の水位と洗浄排水分離筒内の水位
がほぼ同じになるように前述した流出堰の高さ等を調節
すると共に、さらにスリットの隙間の面積が砂の流れで
一杯になるようにすることがより望ましい。そこで、前
述したように、輸送排水分離筒の下部に遊嵌されている
ホッパー筒あるいは前記洗浄装置を構成する案内筒内に
遊嵌されている柱体の頂部のいずれか一方、あるいはそ
の双方を昇降自在に構成することにより、スリットの隙
間の面積を調整することができる。また、前記輸送排水
分離筒下端部の下方であって、前記洗浄装置を構成する
案内筒内に遊嵌されている前記柱体の上方に、昇降自在
に調整体を設けることによりスリットの隙間の面積を調
整することもできる。前記において、調整体をスプリン
グで上下するようにし、あるいは調整体に浮力を与えて
フロートとして上下するようにすれば、揚砂された砂の
重量に応じて調整体が自動的に上下してスリットの隙間
を自動的に適切な面積に調整することができる。
【0036】前記の構成により、輸送排水分離筒の下部
のスリットの隙間の面積は、自動的に調整できる。そし
て砂はスリットの面積一杯に通過して洗浄装置の中に入
る。
【0037】これまで述べてきた輸送排水と洗浄排水と
をそれぞれ別々に濾過槽外へ取り出すために採用されて
いる前記分離手段によって、本願発明の液体の移動床連
続濾過装置の場合には、被濾過水の流入量が増加して揚
砂量が増加し、輸送排水量が増加した場合であっても、
濾過水ゾーンから洗浄装置内へ流入する洗浄水量は減少
せず、常に高い洗浄能力を発揮することができる。これ
は、前述したように、前記分離手段によって輸送排水と
洗浄排水とを混合させる事なく、それぞれ別々に濾過槽
外へ取り出せると言う事に加えて、次なる理由がある。
【0038】すなわち、被濾過水の流入量が増加する
と、必然的に濾過水量も増加する。ここで、濾過槽の越
流堰は固定されておりまた越流堰の巾は比較的狭いの
で、濾過水量が増加すると、当然、越流堰を越流する濾
過水の越流高さが上昇する。従って濾過槽の水位は、濾
過水の越流堰を越流する越流高さが上昇した分だけ高く
なる。このため、濾過槽の水位と洗浄排水分離筒内の水
位差(圧力差)が濾過水の越流高さの上昇分だけ大きく
なるので、濾過水ゾーンから洗浄装置内に入る洗浄水量
が多くなる。従って、本願発明の前記構成によれば、被
濾過水の流入量が増加したときも、汚れた砂を十分に洗
浄することができるのである。これもまた、前記分離手
段によって輸送排水と洗浄排水とを混合させる事なく、
それぞれ別々に濾過槽外へ取り出せると言う事から可能
になっているものである。
【0039】更に、本願発明の装置においては、前記輸
送排水排出装置と前記洗浄排水排出装置とにそれぞれ輸
送排水流出管と洗浄排水流出管とを接続し、当該輸送排
水流出管の先端または洗浄排水流出管の先端のいずれか
一方が、被濾過水を濾過槽に供給するための被濾過水槽
へ接続されている構成を採用している。ここで、前記輸
送排水流出管あるいは前記洗浄排水流出管のいずれか一
方にセパレータを介在させることもできる。また、本願
発明の装置においては、前記輸送排水排出装置と前記洗
浄排水排出装置とにそれぞれ輸送排水流出管と洗浄排水
流出管とを接続し、当該輸送排水流出管の先端または洗
浄排水流出管の先端またはその双方が、前記第一の輸送
手段へ接続されていて、当該輸送排水流出管あるいは当
該洗浄排水流出管のいずれか一方にセパレータが介在さ
れている構成を採用している。
【0040】これは、本願発明の装置においては、輸送
排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に濾過槽外へ取り出す
事が可能な事から、輸送排水または、洗浄排水またはそ
の双方を、被濾過水として再び濾過する、あるいは汚れ
た砂を揚砂する輸送手段の作動水として利用して、濾過
槽外へ排出しなければならない排水の量を著しく減少さ
せることを可能ならしめるものである。
【0041】汚れた粒子濾材を輸送した輸送排水の水質
と洗浄装置を通過した洗浄排水の水質を調査すると、通
常、洗浄排水よりも輸送排水のほうが著しく汚れてい
る。すなわち洗浄排水は比較的汚れが少ないので、洗浄
排水はその全量を濾過槽の被濾過水の流入側に戻し被濾
過水と混合して再び濾過することができるようにしたも
のである。この結果本発明の装置では、濾過槽より槽外
に排出される洗浄排水量が著しく減少する。若し輸送排
水よりも洗浄排水のほうが汚れているときは、洗浄排水
を槽外に排出し輸送排水を濾過槽の被濾過水の流入側に
戻し、被濾過水と混合して再び濾過することができる。
【0042】また、前記の構成を修正し、前記輸送排水
排出装置と前記洗浄排水排出装置とにそれぞれ輸送排水
流出管と洗浄排水流出管とを接続し、当該輸送排水流出
管および洗浄排水流出管の先端を貯留槽へ接続し、当該
貯留槽を管を介して被濾過水槽へ接続することも可能で
ある。この場合には、輸送排水流出管と洗浄排水流出管
のいずれか一方にセパレータを介在させ、洗浄排水と輸
送排水の中でより汚れているほうを当該セパレータを通
過させることにより、浮遊物質を分離して、洗浄排水と
輸送排水の双方ともを再利用することが可能になる。こ
の場合の再利用は、被濾過水として再び濾過させること
も、また、第一の輸送手段の作動水として利用すること
もできる。
【0043】さらに、前記輸送排水排出装置と前記洗浄
排水排出装置とにそれぞれ輸送排水流出管と洗浄排水流
出管とを接続し、当該輸送排水流出管および洗浄排水流
出管の先端を貯留槽へ接続し、当該貯留槽を管を介して
第一の輸送手段へ接続することも可能である。この場合
にも、輸送排水流出管と洗浄排水流出管のいずれか一方
にセパレータを介在させ、洗浄排水と輸送排水の中でよ
り汚れているほうを当該セパレータを通過させることに
より、浮遊物質を分離して、洗浄排水と輸送排水の双方
ともを再利用する。この場合の再利用は、第一の輸送手
段の作動水として利用することのみである。
【0044】いずれにしても、濾過装置からの排水量を
著しく減少でき、極めて経済的になる。
【0045】更に、本願発明の液体の移動床連続濾過装
置においては、汚れた砂を洗浄装置へ輸送するための輸
送手段として、従来の装置において使用されていたエア
リフトポンプに代えて、ウォータージェット装置を使用
することが可能になった。
【0046】前述したように、輸送排水と洗浄排水を別
々に取り出し、かつそれぞれ別々に排出する分離手段が
無かった従来の濾過装置においては、ウォータージェッ
ト装置を使用して、揚砂に多量の揚水が伴われると、装
置外に排出される排水量が多くなり不経済となる。この
ため従来の濾過装置では、汚れた砂の揚砂のためにエア
リフトポンプを使用せざるを得なかった。
【0047】しかし、本願発明の液体の移動床連続濾過
装置においては、前述したように、輸送排水と洗浄排水
を別々に取り出し、かつそれぞれ別々に排出することが
可能になったので、汚れた砂を洗浄装置へ輸送するため
の輸送手段として、従来の装置において使用されていた
エアリフトポンプに代えて、ウォータージェット装置を
使用することが可能になったのである。
【0048】ウォータージェット装置に使用される水ポ
ンプは、エアリフトポンプに使用される空気圧縮機に比
べて価格が安く、故障が少なく、寿命が非常に長く、設
置スペースが少なく、運転音が低く、メインテナンスが
容易で、動力消費量が少なく、従って、経済的であると
いう利点を有している。
【0049】また、ウォータージェット装置で汚れた砂
を輸送する場合には、エアリフトポンプと異なり、揚砂
量は被濾過水量の増による濾過槽の水位変動の影響
受けない。この理由をつぎに述べる。すなわちウォータ
ージェット装置は、通常、3〜4kgf /cm2 程度あるい
はそれ以上の高圧水をノズルで射水して砂を押し上げる
ものである。仮りに濾過槽の水位が5cm上昇したとす
ると、これは僅か0.005kgf /cm2 の圧力の上昇に
すぎない。よってこの0.005kgf /cm2 の圧力の上
昇は、3〜4kgf /cm2 の高圧水の圧力に対して無視さ
れる値であり、従ってウォータージェット装置の揚砂量
は全く影響を受けないのである。また、ウォータージェ
ット装置の改良によって、例えば砂を輸送するのに必要
な水量、すなわちウォータージェット装置で揚砂された
砂と輸送排水の割合は、エアリフトポンプで揚砂したと
きの砂と輸送排水の割合とほぼ同じ程度になった。
【0050】また、近年、少ない揚水量で高圧水が得ら
れ、しかも汚水を揚水できる小揚水量、高揚程の汚水ポ
ンプが入手できるようになった。しかもこのポンプは、
必要に応じて、ポンプの吸込側に空気を吸い込むように
することができる。従ってこのポンプをウォータージェ
ット装置に使用すると、少ない水量の高圧水、または少
ない水量の高圧水と空気との混合体をウォータージェッ
ト装置に供給することができる。
【0051】なお、本願発明の装置では、従来の装置と
同様に、汚れた砂を洗浄装置へ輸送する手段として、エ
アリフトポンプを用いることもできる。この場合でも、
輸送排水と洗浄排水の中の汚れが少ないほうの排水、通
常は洗浄排水を、被濾過水に混合して再濾過することが
でき、濾過槽外へ排出しなければならない排水量を減少
させることができ、極めて経済的になる。
【0052】最後に、本願発明の液体の移動床連続濾過
装置では、濾過槽の濾床下方のホッパー部内に、上部が
円錐形で下部が逆円錐形の砂分配器が設けられており、
該砂分配器の最大平断面積は濾過槽下方のホッパー部内
壁の平断面積の大部分を占めるように構成され、当該砂
分配器の外周と前記濾過槽下方のホッパー部内壁との隙
間が砂の分配通路と砂の下降通路とを構成している。前
記の砂分配器は濾床の砂の重量を支える役割を果たし、
濾床の砂の重量で濾床の最低部の砂が圧密されるのを防
止している。濾床の砂の重量により濾床の最低部の砂が
圧密されると、濾床の最低部から第一の輸送手段で汚れ
た砂を輸送するのが困難になるという不都合が生じるか
らである。また、本願発明のようにウォータージェット
装置で輸送する場合には、濾床の最低部の砂が圧密され
ると、より高圧でより多量の高圧水が必要になり、特に
ウォータージェット装置の効率が著しく悪くなるので、
前記構成により濾床の砂の重量を支えている砂分配器の
果たす役割は重要である。
【0053】また、当該砂分配器の最大平断面積が濾過
槽下方のホッパー部内壁の平断面積の大部分を占めるよ
うに構成されていること、当該砂分配器が最大平断面積
を有する位置の当該砂分配器外周と濾過槽下方のホッパ
ー部内壁との間で形成される砂の分配通路と、当該砂分
配器の逆円錐形を有する下部外周とホッパー部内壁との
間で形成される砂の下降通路とによって、濾床の最低部
から第一の輸送手段によって洗浄装置へ輸送されていく
砂の量に見合った量の汚れた砂を濾床最低部へ移動させ
ることができ、汚れた砂の不規則・不連続な移動や、濾
床の最低部での砂の圧密を防止し、効率良く汚れた砂の
輸送を行うことができる。
【0054】前記において砂分配器の最大平断面積が濾
過槽下方のホッパー部内壁の平断面積に占める割合は、
その65〜75%程度が好ましく、砂の分配通路の巾は
8〜15cm程度が好ましい。砂分配器の最大平断面積の
占める割合がこれより多くなると、すなわち砂の分配通
路の巾がこれより狭くなると、汚れた砂がスムーズに濾
床の最低部へ移動しにくくなる。逆に、砂分配器の最大
平断面積の占める割合がこれより少なくなると、すなわ
ち砂の分配通路の巾がこれより広くなると、濾床の最低
部へ移動する砂の量が多くなり、濾床の最低部での砂の
圧密や、第一の輸送手段での汚れた砂の輸送効率の低下
がもたらされるからである。
【0055】以上本願発明の液体の移動床連続濾過装置
の構成、作用、効果を説明してきたが、本願発明は、前
述した構成に限られるものではない。
【0056】例えば、濾過槽の外側に撹拌槽を設け、該
撹拌槽には空気の注入や撹拌機などによる撹拌装置を取
り付けることができる。粘着性が非常に高い浮遊物質や
オイルなどを含む被濾過水を濾過する場合には、粒子濾
材、例えば砂に粘着性物質が付着する。対向流の通路に
よる洗浄装置だけでは、このような砂を十分に洗浄でき
ないことがある。従って粘着性が非常に高い浮遊物質を
含む被濾過水を濾過するときは、濾床の最低部から揚砂
した汚れた砂を前記撹拌槽に入れる。次に前記撹拌槽で
揚砂した砂を撹拌装置で激しく撹拌して、粘着性物質を
砂から剥離させる。また被濾過水中にオイルなどが含ま
れている場合は、前記撹拌槽に洗剤を注入してオイルな
どを除去することができる。次に撹拌を終了した砂と輸
送排水を、移送管で洗浄装置上部の流入筒に移送する。
【0057】このように、汚れた砂を洗浄装置へ移送す
る前に、空気の注入や撹拌機などによる撹拌装置によっ
て、汚れの激しい砂の事前洗浄を行うこともできる。
【0058】
【実施例1】以下、本願発明の実施例について、図面を
参照して説明する。
【0059】図1は、輸送排水と洗浄排水とを別々に取
り出し、それぞれ別々に濾過槽外へ排出させる分離手段
を洗浄装置の上部に設けた本願発明による最も一般的な
液体の移動床連続濾過装置を示す。
【0060】濾過槽1の水平断面は円形または多角形
で、濾過槽1の上部は開いており、また濾過槽1の上方
には越流堰3が設けてある。濾過槽1の下方には、被濾
過水の流入管2がある。前記濾過槽1の下方部には環状
水路4があり、その下方部はホッパー部5が形成されて
いる。前記ホッパー部5内には、上部が円錐形で下部が
逆円錐形のいわゆるソロバン玉状の砂分配器6がある。
【0061】図1に示す実施例の洗浄装置7には、内側
に複数の凹凸30を有する案内筒8の内側に外壁に複数
の凹凸31がある柱体9を挿入してあって、前記案内筒
8、柱体9で形成される対向流の通路10が設けられ
る。洗浄装置7の案内筒8の上部には洗浄排水分離筒1
1が接続されている。前記洗浄排水分離筒11の上方に
は、洗浄排水の越流水位と洗浄排水量を調節できる洗浄
排水流出装置12が設けられている。
【0062】前記通路10を汚れた砂と洗浄水が上下か
ら互いに対向して流される。この実施例においては対向
流の通路10としてラビリンス状の通路が採用されてい
る。この通路としては、対向流動が可能な通路であれば
どのようなものでも採用することができ、例えばスウェ
ーデン特許出願第8801959−1号に開示されてい
る対向流の通路なども採用できる。
【0063】前記洗浄排水分離筒11の洗浄排水流出装
置12の下方部には、洗浄排水流出管13が接続されて
いる。洗浄排水分離筒11の内側には輸送排水分離筒1
4が取り付けられている。該輸送排水分離筒14の下端
と柱体9の頂部の円錐体15の間には、スリット16が
形成されている。前記輸送排水分離筒14の上方部に
は、輸送排水の越流水位と輸送排水量を調節できる輸送
排水流出装置17が設けられている。前記輸送排水分離
筒14の下方部には輸送排水流出管18が接続されてい
る。
【0064】輸送排水分離筒14と洗浄排水分離筒11
との間にスリット16を通る水の流れが生じないように
するために、本移動床連続濾過装置は、輸送排水分離筒
14内の水位と洗浄排水分離筒11内の水位がほぼ同じ
になるようにして運転しなければならない。輸送排水流
出装置17と洗浄排水流出装置12にはそれぞれに流出
堰が装着されており、これら前記輸送排水流出装置17
の流出堰(以下、流出堰Aと言う)と前記洗浄排水流出
装置12の流出堰(以下、流出堰Bと言う)には、それ
ぞれに昇降制御手段が装着されていて、これにより流出
堰Aと流出堰Bは、堰の高さを上下に調節することが可
能になっている。
【0065】所で、洗浄排水量と輸送排水量を較べる
と、通常、洗浄排水量よりも輸送排水量のほうが多い。
従って流出堰Aは、流出堰Bよりも多量の排水を越流さ
せなければならない。このための手段の一つは、流出堰
Aの堰巾を流出堰Bの堰巾より広くすることである。ま
たこのための他の一つの手段は、流出堰Aの堰の高さを
流出堰Bの高さよりも低く調節することである。しかし
流出堰Aの堰の高さと流出堰Bの堰の高さをおおむね同
じにして本移動床連続濾過装置を運転することが望まし
いので、流出堰Aの輸送排水の越流水量を流出堰Bの洗
浄排水の越流水量より多くするためには、流出堰Aの堰
巾を流出堰Bの堰巾より広くするほうが優れている。さ
らに流出堰Aの堰の高さと流出堰Bの堰の高さをほぼ同
一にし、かつ輸送排水が流出堰Aを越流する越流水位と
洗浄排水が流出堰Bを越流する越流水位をほぼ同一にし
て本移動床連続濾過装置を運転することがさらに優れて
いる。流出堰Aに堰巾の伸縮制御手段を装着すれば、こ
れにより流出堰Aは堰巾を伸縮可能にすることができ
る。この結果、流出堰Aと流出堰Bの堰の高さをほぼ同
一に調節し、さらに流出堰Aの堰巾を伸縮して、輸送排
水分離筒14内の水位と洗浄排水分離筒11内の水位が
ほぼ同一になるように調節することができる。
【0066】図7は、流出堰Aの一例を示した説明図で
ある。輸送排水分離筒14には輸送排水流出装置17が
装置されている。また輸送排水流出装置17には、流出
堰Aが装着されている。流出堰Aには昇降制御手段のボ
ールト55と調整ナット58が装着されていて、流出堰
Aの堰の高さを図7(b)中矢示63のように上下に調
節することができる。ガイド56、56は、流出堰Aが
上下に昇降するときの案内用のガイドである。流出堰B
の昇降制御手段は、前記流出堰Aと同じである。流出堰
Aには、輸送排水分離筒14の内側に堰巾伸縮筒57が
装着されている。堰巾伸縮筒57を図7(a)中矢示6
4のように水平方向に左または右に回転すると、流出堰
Aの堰巾を伸縮することができる。
【0067】輸送排水分離筒14と洗浄排水分離筒11
との間にスリット16を通る水の流れが生じないように
するためには、輸送排水分離筒14内の水位と洗浄排水
分離筒11内の水位がほぼ同じになるように流出堰Aと
流出堰Bを調節すると共に、さらにスリット16の隙間
の面積が砂の流れで一杯になるようにすることがより望
ましい。柱体9の頂部の円錐体15を柱体9に遊嵌し、
円錐体15に昇降手段を接続して(図示していない)こ
れにより円錐体15を上下動可能にすれば、スリット1
6の隙間の面積を調整することができる。あるいは円錐
体15を柱体9にねじで取り付ければ、このねじの回転
によって円錐体15が上下動可能になり、スリット16
の隙間の面積を調整することができる。
【0068】あるいは図9に示すように、輸送排水分離
筒14の下部にホッパー筒65を遊嵌し、該ホッパー筒
65に昇降手段を接続して(図示していない)前記ホッ
パー筒65を上下動可能にすれば、柱体9の上部の円錐
体15とホッパー筒65下端との間のスリット16の隙
間の面積を調整することができる。
【0069】砂がスリット16の面積一杯に流れている
かどうかは、輸送排水分離筒14の上部から目視によっ
て判断することができる。濾床最低部からの砂の揚砂を
短時間停止すると、前記目視はさらに容易になる。
【0070】本発明の液体の移動床連続濾過装置を使用
するには、運転開始前に、濾過槽1に越流堰3の高さま
で水を入れ、ついで砂の上端が洗浄装置7の下端より少
し下になるように山状に砂を入れる。次に濾床19の最
低部に接続されている揚砂管20の空気注入口21に圧
縮空気を注入するかまたは濾床19の最低部にあるウォ
ータージェット装置22にノズル28から高圧水または
高圧水と空気の混合体を供給すると、砂の移動が始ま
る。高圧水と空気の混合体を供給する場合には、通常、
ポンプの吸込側に空気を吸込ませることができる形式の
水ポンプを使用する。汚れた砂は、揚砂管20によって
矢示23のように洗浄装置7の上方の流入筒24に輸送
される。前記揚砂管20によって揚砂した砂と輸送排水
及び空気(圧縮空気を注入した場合及び高圧水と空気の
混合体を供給した場合)または砂と輸送排水(高圧水だ
けを供給した場合)は該流入筒24で分離され、分離さ
れた砂は輸送排水分離筒14の下端と柱体9の頂部の円
錐体15との間のスリット16を通って案内筒8と柱体
9の間の対向流の通路10に入り、次に濾床19の上部
に復帰する。
【0071】被濾過水は流入管2から濾過槽1に入り、
環状水路4を通って、濾床19の全周から矢示25のよ
うに該濾床19内に供給される。供給された被濾過水は
前記濾床19内に均等に広がり、矢示26のように上方
に向かって流れる。そして被濾過水中の汚染物質は砂に
よって捕捉され、濾過水は濾床19の上の濾過水ゾーン
27に出る。次に濾過水は、越流堰3を越流して流出管
29により槽外に流出する。
【0072】濾過水ゾーン27内の濾過水が洗浄水とし
て洗浄装置7の対向流の通路10を下方から上方に流
れ、また砂は前記通路10を上方から下方に下降して対
向流で洗浄される。洗浄排水は、洗浄排水流出管13に
よって槽外に流出する。また輸送排水は、輸送排水流出
管18によって槽外に流出する。通常、輸送排水よりも
洗浄排水のほうが汚れが少ない。従ってこの場合は洗浄
排水を被濾過水に混合して再び濾過することができる。
若し洗浄排水よりも輸送排水のほうが汚れが少ない場合
は、輸送排水を被濾過水に混合して再び濾過することが
できる。
【0073】被濾過水中の汚染物質を捕捉して汚れた砂
は濾床内を矢示59のように下降し、砂分配器6の外周
とホッパー部5との間に構成される砂の分配通路60を
経て、砂分配器6の下部の逆円錐形部とホッパー部5と
の間に形成される砂の下降通路61を矢示62のように
通って濾床の最低部に落下する。
【0074】砂分配器6は、その上部の濾床19の砂の
重量を支えている。若し砂分配器6が無いと仮定する
と、濾床19の砂の重量で濾床の最低部の砂が圧密され
るので、汚れた砂を濾床の最低部から揚砂装置で揚砂す
るのが困難になるか、あるいは揚砂装置の効率がいちじ
るしく低下する。とくにウォータージェット装置で揚砂
する場合、より高圧でより多量の高圧水が必要になり、
ウォータージェット装置の効率がいちじるしく悪くな
る。さらに砂分配器6とホッパー部5によって構成され
る砂の分配通路60と砂の下降通路61は、濾床の最低
部から揚砂される砂の量に見合った量の汚れた砂を濾床
19の砂分配器6の上部から濾床の最低部に落下せしめ
る働きをしている。
【0075】
【実施例2】図2の実施例は、ウォータージェット装置
22の輸送排水を再使用するためにセパレータ32を取
り付けた本発明による液体の移動床連続濾過装置を示し
たものである。水ポンプ33で濾過槽1の流入側、例え
ば被濾過水槽34から被濾過水を取り、濾床19の最低
部にあるウォータージェット装置22にノズル28から
高圧水または高圧水と空気の混合体を供給する。この高
圧水の圧力で、砂は揚砂管20によって矢示23のよう
に輸送される。揚砂管20の上端は流入筒24に連結開
口しており、揚砂された砂は該流入筒24より輸送排水
分離筒14に入り輸送排水と分離される。分離された砂
はスリット16を通って洗浄装置7の対向流の通路10
に入り、ここで洗浄されて濾床19の上部に復帰する。
【0076】輸送排水は輸送排水流出装置17を越流
し、輸送排水流出管18によって槽外に排出される。通
常、洗浄排水よりも輸送排水のほうが著しく汚れてい
る。従ってこの場合、輸送排水流出管18はセパレータ
32に接続される。セパレータ32には、簡単な沈殿槽
あるいは簡単な傾斜板沈殿槽などを使用できる。セパレ
ータ32で除去した浮遊物質は、汚泥管66で排出す
る。セパレータ32の上澄水は上澄水管67で貯留槽3
5に入る。洗浄排水は洗浄排水流出管13により、直
接、貯留槽35に流入させる。若し輸送排水より洗浄排
水のほうが汚れている場合は、前記とは逆に、洗浄排水
流出管13をセパレータ32に接続し、輸送排水を直接
貯留槽35に流入させる。貯留槽35には溢流管36が
あり、余剰の排水を排出させる。貯留槽35内の水は管
37で被濾過水槽34に送り、被濾過水と混合して供給
ポンプ38で濾過槽1に供給する。バルブ39は被濾過
水に混合する貯留槽35の水量を調節するのに用いる。
バルブ40は濾過槽1に供給する被濾過水量を調節し、
またバルブ41はウォータージェット装置22に供給す
る水ポンプ33の高圧水の水量を調節するために用い
る。その他の点では実施例2は実施例1と同じである。
【0077】
【実施例3】図3の実施例は、貯留槽35の水だけを吸
込管42で水ポンプ33に送り、高圧水または高圧水と
空気の混合体をウォータージェット装置22のノズル2
8に供給する。バルブ41はウォータージェット装置2
2に供給する水ポンプ33の高圧水の水量を調節する。
濾床19の最低部の砂は、揚砂管20で矢示23のよう
に揚砂される。揚砂管20の上端を拡大管43のように
拡大すると、図1及び図2の流入筒24を省略すること
ができる。輸送排水は輸送排水流出管18でセパレータ
32に入る。洗浄排水は洗浄排水流出管13で貯留槽3
5に入る。余剰の水は溢流管36で排出する。その他の
点では、実施例3は実施例1及び2と同じである。
【0078】
【実施例4】図4の実施例は、濾過槽の高さを低くする
場合に用いる本発明による液体の移動床連続濾過装置を
示したものである。濾過槽の高さを低くするために洗浄
装置を濾過槽外に設け、そして洗浄装置の上部を濾床の
上部とほぼ同じ高さに位置して、濾過槽の高さを著しく
低くしたものである。このために、砂を濾床の最低部か
ら濾過槽外にある洗浄装置に第一の揚砂管で輸送する。
次に前記洗浄装置で洗浄した砂を同洗浄装置の下方部か
ら、第二の揚砂管で濾過槽の上部に輸送して濾床の上部
に復帰する。すなわち、粒子濾材を二段階で輸送するも
のである。
【0079】次に図面を参照して説明する。濾床19の
最低部に接続している第一揚砂管44に空気注入口21
から圧縮空気を注入するか、またはノズル28から高圧
水または高圧水と空気の混合体をウォータージェット装
置22に供給すると、砂は第一揚砂管44によって矢示
68のように濾過槽1の外に設けた洗浄装置7の上方の
流入筒24に輸送される。第一揚砂管44は圧力損失を
少なくするために、本実施例では、柱体9の中心を貫い
て流入筒24の中に挿入している。前記流入筒24で分
離された砂は、スリット16を通って案内筒8と柱体9
の間の対向流の通路10に入って下向し、洗浄槽45の
底に落下する。一方洗浄水は濾床19上部の濾過水ゾー
ン27の濾過水が連通管46により洗浄槽45に入り、
洗浄装置7の対向流の通路10の中に入って下方から上
方に流れ、前記通路10を上方から下方に下降してくる
砂を洗浄する。洗浄された砂は、洗浄槽45の底に落下
する。洗浄槽45の底部に設けたウォータージェット装
置47にノズル48から高圧水(通常濾過水を使用す
る)または高圧水と空気の混合体を供給すると、洗浄さ
れた砂は第二揚砂管49で濾過槽1の上部に設けた容器
50に送られ、ここから濾床19の上部に復帰する。洗
浄排水は、洗浄排水流出管13によって槽外に排出す
る。また輸送排水は、輸送排水流出管18によって槽外
に排出する。通常、洗浄排水は比較的汚れが少ない。そ
して輸送排水は洗浄排水よりも汚れている。従ってこの
場合は、洗浄排水を被濾過水に混合して再び濾過する。
若し洗浄排水よりも輸送排水のほうが汚れが少ない場合
は、洗浄排水を排出し輸送排水を被濾過水に混合して濾
過する。その他の点では、実施例4は実施例1、実施例
2及び3と同じである。
【0080】
【実施例5】図5の実施例は、輸送排水分離筒14の下
部に調整体53を設けた本発明による液体の移動床連続
濾過装置を示したものである。本実施例では輸送排水分
離筒14の内部に円筒状の輸送排水流出装置51を設
け、その上端の全周を流出堰52としている。
【0081】また本実施例では、柱体9の頂部の円錐体
15と輸送排水分離筒14の下部との間に調整体53を
設けている。該調整体53は張力の弱いスプリング54
の作用で、輸送排水分離筒14の下部と接触している。
あるいは前記調整体53をフロートとして作動するよう
にして、浮力で該調整体53が輸送排水分離筒14の下
部に接触するようにさせることもできる。輸送排水分離
筒14で分離された砂が前記調整体53の上に堆積する
と、調整体53は砂の重量によって下に下がりスリット
69ができる。従って輸送排水分離筒14で分離された
砂は、スリット69の面積一杯にスリット69を通過し
て洗浄装置7の対向流の通路10に入る。このため、洗
浄排水分離筒11と輸送排水分離筒14の間に水の移動
が起こらない。その他の点では、実施例5は実施例1、
実施例2、実施例3及び4と同じである。
【0082】
【実施例6】図6の実施例は、濾過槽1の外に撹拌槽7
0を設けた本発明による液体の移動床連続濾過装置を示
したものである。該撹拌槽70には、空気注入による空
気撹拌装置71を備えている。空気撹拌装置の代わり
に、機械式撹拌機を備えることもできる。揚砂管20で
矢示23のように揚砂された砂は前記撹拌槽70に入
り、ここで短時間撹拌してから輸送排水分離筒14内の
流入筒24に移送する。粘着性の強い浮遊物質を含む被
濾過水を濾過する場合には撹拌槽70で汚れた砂を強力
に撹拌し、粘着性物質を砂から十分に剥離してから洗浄
装置7で洗浄すると、洗浄効果が著しく向上する。オイ
ルなどを含む被濾過水を濾過する場合には、洗剤注入管
72から洗剤を撹拌槽70に注入すると、オイルを洗浄
して砂から除去することができる。その他の点では、実
施例6は実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び
5と同じである。
【0083】
【発明の効果】本願発明の液体の移動床連続濾過装置に
よれば、洗浄排水と輸送排水を別々に取り出すので、下
記の効果が得られる。
【0084】イ.洗浄排水または輸送排水のいずれか
(通常、洗浄排水)を被濾過水と混合して再び濾過して
使用することができるので、洗浄排水量を著しく減少で
きる効果がある。
【0085】ロ.揚砂量が増加しそして輸送排水量が増
加しても、洗浄装置内に入る洗浄水量に影響を与えな
い。従って被濾過水量が増加して揚砂量が増加したとき
も汚れた砂を正常に洗浄することができるので、常に効
率良く濾過し得る効果がある。
【0086】ハ.洗浄排水と輸送排水のいずれか(通
常、輸送排水)をセパレータで分離し、洗浄排水と輸送
排水を被濾過水に混合して再び濾過して使用することが
できる。あるいは前記洗浄排水と輸送排水をウォーター
ジェット装置用の水ポンプの作動水として使用すること
ができる。これらのため、濾過槽外に排出される水量を
著しく減少させることができる効果がある。
【0087】ニ.また本発明によればウォータージェッ
ト装置を用いることができるので、エアリフトポンプの
場合に必要な空気圧縮機の代わりに水ポンプを粒子濾材
の輸送に使用することができる。このため設備費が安
く、メインテナンスが容易で寿命が長く、騒音が低く、
設置面積が少なく、そして動力消費量を著しく少なくす
ることができるなどの効果がある。
【0088】ホ.さらに本発明によれば、洗浄装置を濾
過槽の外側に設置することができるので、必要な場合に
は、濾過槽の高さを著しく低く構成することができる。
そして粒子濾材を二段階で輸送しても、ウォータジェッ
ト装置を使用して粒子濾材を輸送することができるの
で、エアリフトポンプで粒子濾材を二段階に輸送する場
合に較べて、動力消費量を少なくすることができる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による最も一般的な液体の移動床連続濾
過装置の実施例を示す一部断面図。
【図2】輸送排水と洗浄排水を再利用する場合の実施例
を示す一部断面図。
【図3】図2の変形実施例を示す一部断面図。
【図4】洗浄装置を濾過槽の外側に設置した場合の実施
例を示す一部断面図。
【図5】輸送排水分離筒の下部に調整体を設けた場合の
輸送排水分離筒と洗浄排水分離筒の一部拡大断面図。
【図6】濾過槽の外側に撹拌槽を設けた場合の実施例を
示す一部断面図。
【図7】輸送排水流出装置の流出堰の高さ及び堰巾の調
節を説明する図で、(a)は一部を省略した平面図、
(b)は一部を省略した側面図。
【図8】エアリフトポンプの原理図。
【図9】輸送排水分離筒の下部にホッパー筒を遊嵌した
場合の輸送排水分離筒と洗浄排水分離筒の一部拡大断面
図。
【符号の説明】
1 濾過槽 2 被濾過水の流入管 3 越流堰 4 環状水路 5 ホッパー部 6 砂分配器 7 洗浄装置 8 案内筒 9 柱体 10 対向流の通路 11 洗浄排水分離筒 12 洗浄排水流出装置 13 洗浄排水流出管 14 輸送排水分離筒 15 円錐体 16、69 スリット 17、51 輸送排水流出装置 18 輸送排水流出管 19 濾床 20 揚砂管 21 空気注入口 22、47 ウォータージェット装置 23 矢示 24 流入筒 25、26 矢示 27 濾過水ゾーン 28 ノズル 29 流出管 30、31 凹凸 32 セパレータ 33 水ポンプ 34 被濾過水槽 35 貯留槽 36 溢流管 37 管 38 供給ポンプ 39、40、41 バルブ 42 吸入管 43 拡大管 44 第一揚砂管 45 洗浄槽 46 連通管 48 ノズル 49 第二揚砂管 50 容器 52 流出堰 53 調整体 54 スプリング 55 ボールト 56 ガイド 57 堰幅伸縮筒 58 調整ナット 59 矢示 60 砂の分配通路 61 砂の下降通路 62、63、64 矢示 65 ホッパー筒 66 汚泥管 67 上澄水管 68 矢示 70 攪拌槽 71 空気攪拌装置 72 薬剤注入管

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子濾材によって構成される濾床を内部
    に有する濾過槽と、粒子濾材と洗浄水が対向流で接触す
    る通路を有する洗浄装置とからで構成され、前記濾床の
    下方部に濾過すべき液体、すなわち被濾過水を供給して
    上方に流動濾過させて被濾過水中の汚れた物質を前記濾
    床の粒子濾材によって捕捉し、濾過水は濾過槽の上方か
    ら越流堰を越えて濾過槽外に流出させ、一方前記濾床を
    構成する粒子濾材は上から下に移動し、前記濾床の最低
    部から粒子濾材を前記洗浄装置の上部に第一の輸送手段
    によって輸送し、前記洗浄装置の通路内を下方から上方
    へ濾過水を流動させて前記洗浄装置の通路内を上方から
    下方に下降する粒子濾材を洗浄し、洗浄済みの粒子濾材
    を前記濾床上に復帰させるようにした液体の移動床連続
    濾過装置において、前記濾床の最低部から粒子濾材を前
    記洗浄装置に輸送する際に粒子濾材と共に運ばれてきた
    輸送排水と、前記洗浄装置内を下方から上方へ流動した
    後の濾過水、すなわち洗浄排水とをそれぞれ別々に取り
    出し、かつ該輸送排水と洗浄排水とをそれぞれ別々に前
    記濾過槽外へ排出させる分離手段を前記洗浄装置の上部
    に設けたことを特徴とする液体の移動床連続濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記分離手段は、前記輸送手段の上端が
    連結開口されている粒子濾材の流入筒を前記洗浄装置の
    上部に設け、該流入筒の外側に輸送排水分離筒を遊嵌
    し、該輸送排水分離筒に輸送排水排出装置を設け、前記
    輸送排水分離筒の外側に洗浄排水分離筒を遊嵌し、該洗
    浄排水分離筒に洗浄排水排出装置を設け、前記輸送排水
    分離筒と洗浄排水分離筒の下方に前記洗浄装置を構成す
    る案内筒を設けて該案内筒の上端と前記洗浄排水分離筒
    の下端とを接続し、前記洗浄装置を構成する案内筒内に
    遊嵌されている柱体の頂部と前記輸送排水分離筒下端部
    との間に粒子濾材を前記洗浄装置へ落下せしめるスリッ
    トを設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の
    液体の移動床連続濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記分離手段と前記洗浄装置とは共に前
    記濾過槽内の前記濾床上方の濾過水ゾーンに設けた事を
    特徴とする請求項1に記載の液体の移動床連続濾過装
    置。
  4. 【請求項4】 前記分離手段と前記洗浄装置とは共に前
    記濾過槽の外に設け、該洗浄装置の下端から洗浄済の粒
    子濾材を前記濾過槽内の濾床上部へ輸送する第二の輸送
    手段が備えられている事を特徴とする請求項1に記載の
    液体の移動床連続濾過装置。
  5. 【請求項5】 前記輸送排水排出装置と前記洗浄排水排
    出装置は、それぞれ昇降自在に設けられている流出堰を
    有していることを特徴とする請求項2に記載の液体の移
    動床連続濾過装置。
  6. 【請求項6】 前記輸送排水排出装置と前記洗浄排水排
    出装置は、それぞれ昇降自在に設けられている流出堰を
    有しており、当該輸送排水排出装置の流出堰は、更に堰
    巾を伸縮調節可能に構成されていることを特徴とする請
    求項2に記載の液体の移動床連続濾過装置。
  7. 【請求項7】 前記輸送排水分離筒の下部にはホッパー
    筒が遊嵌されており、当該ホッパー筒あるいは前記洗浄
    装置を構成する案内筒内に遊嵌されている柱体の頂部の
    いずれか一方が昇降自在に構成されていることを特徴と
    する請求項2に記載の液体の移動床連続濾過装置。
  8. 【請求項8】 前記輸送排水分離筒下端部の下方であっ
    て、前記洗浄装置を構成する案内筒内に遊嵌されている
    前記柱体の上方に、昇降自在に調整体を設けた事を特徴
    とする請求項2に記載の液体の移動床連続濾過装置。
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