JP2753369B2 - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、任意3次元のプログラム座標系における位
置指令を、直交3軸の基本座標系の位置指令に座標変換
を行ないながら位置制御を行なう3次元座標変換機能を
備えた数値制御装置に関する。
(従来の技術) 従来数値制御(以下、NCとする)装置においては、3
次元座標変換機能を備えたNCプログラムの一例として第
6図に示すようなプログラムがされており、この例では
シーケンス番号N102,N103が座標変換指令,シーケンス
番号N104〜N199が加工プログラム,シーケンス番号N200
が座標変換キャンセルの各指令で構成されている。シー
ケンス番号N102,N103の座標変換指令は座標系の平行移
動指令(Xx1,Yy1,Zz1),(Xx2,Yy2,Zz2),座標系の回
転中心を示す法線ベクトル指令(Ii1,Jj1,Kk1),
(Ii2,Jj2,Kk2)及び座標系の回転角Rr1,Rr2で構成され
ている。この様なプログラムで動作するNC装置の一例
を、第7図のブロック構成図を参照して説明する。
プログラム解析部1で解析された座標変換指令CCは座
標変換指令判定部2で更に詳細に解析され、変換カウン
タ制御部3でカウンタをカウントアップし、法線ベクト
ル指令,座標系回転角の指令データを法線/角度指令設
定部20へ設定し、この設定データに基づいて座標変換パ
ラメータ算出部21で座標回転のパラメータが算出され
る。パラメータ算出は変換行列Tとして下記(1)式に
より求められ、変換カウンタ制御部3のカウンタにより
第1次又は第2次の変換(回転)を判定し、所定の第1
次回転パラメータ記憶部8又は第2次回転パラメータ記
憶部7に記憶される。
以後、プログラムにより指令される位置指令はプログ
ラム解析部1で解析されて後、第2次座標変換部10,第
1次座標変換部11で下記(2)式に従って座標変換(基
本座標系の座標指令に位置変換される)され、その結果
に基づいて関数発生部12で補間制御を行ない、軸駆動部
13で基本制御軸が駆動される。
P=[M1][M2]P′+[M2]P′OF+POF …(2) 但し、[M1]…第1次回転パラメータによる変換行列 [M2]…第2次回転パラメータによる変換行列 P …基本座標系位置指令値 P′ …プログラム座標系の指令値 POF …基本座標系から見た第1次変換座標系
の原点 P′OF…第1次変換座標系から見た第2次変換
座標系の原点 である。
(発明が解決しようとする課題) 前述の如く従来の3次元座標変換指令は、基本座標系
とプログラム座標系との間で座標変換を行なうパラメー
タとして、座標系の回転中心を示す法線ベクトル指令及
び座標回転角指令により構成されている。しかし、法線
ベクトル指令を用いるとき、法線ベクトルを求めるのは
非常に複雑であり、プログラム作成を困難なものとして
いる。一方加工図面等では、基本座標系(直交3軸)の
任意の1軸を中心として回転角、及び回転された座標系
の任意1軸を中心とした回転角として示されるのが一般
的であり、実用上使用し難いといった欠点があった。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、
本発明の目的は、上述の従来技術の欠点に鑑み、プログ
ラム作成のし易い3次元座標変換指令を可能とした数値
制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、任意3次元のプログラム座標系における位
置指令を、被制御系の直交3軸の基本座標系の位置指令
に座標変換を行ないながら位置制御を行なう3次元座標
変換機能を備えた数値制御装置に関するもので、本発明
の上記目的は、前記座標変換を指令する3次元座標変換
指令が、第1次又は第1次及び第2次又は第1次〜第3
次の座標変換指令の複数のブロックに分割して指令さ
れ;前記座標変換指令が、少なくとも座標変換前の座標
系の任意の1軸を選択するアドレスキャラクタと該アド
レスキャラクタにて指令される座標回転角度とで構成さ
れ;前記座標変換指令がされる毎に座標変換指令回数を
カウントする変換カウンタ制御手段と;前記座標変換指
令により変換後座標系の座標位置を変換前座標系の座標
位置に変換するための回転パラメータを算出する座標変
換パラメータ算出手段と;算出された前記回転パラメー
タを前記座標変換指令順序に対応して記憶する第1次〜
第3次回転パラメータ記憶手段と;前記3次元座標変換
指令の指令ブロック以降に指令されるプログラム座標指
令を前記座標変換指令の指令順序に対応した前記第1次
〜第3次回転パラメータに基づいて、前記指令順序とは
逆の順序とした第3次〜第1次又は第2次及び第1次又
は第1次回転パラメータにより座標変換する座標変換手
段と;を備え、該座標変換手段により座標変換された被
制御系の直交3軸の基本座標系の座標指令により数値制
御することによって達成される。
(作用) 本発明のNC装置は、変換前の座標系の任意の一軸を法
線とした平面座標を回転させた変換座標系を定義し、該
変換後座標から変換前座標へ座標変換する回転パラメー
タを算出し、該回転パラメータを任意に組合わせて、任
意3次元のプログラム座標系における指令を、被制御系
の直交3軸の基本座標系の位置指令に座標変換を行ない
ながら位置制御を行なう。この結果、プログラマは、座
標系上の任意1軸を特定するアドレスキャラクタ及び座
標回転角を加工図面等に表記された回転順位に従って順
次座標変換指令すれば良く、プログラム作成が非常に容
易となる。
(実施例) 本発明における実施例を、第1図のブロック図及び第
2〜第4図のフローチャートを用いて説明する。第1図
は第7図に対応して、同一部材に対しては同一符号を付
している。なお、第5図は本発明における加工プログラ
ム例を示し、シーケンス番号N302〜N304が3次元座標変
換指令の一例であり、シーケンス番号N302は、基本座標
系を座標(x1,y1,z1)へ平行移動した座標系のZ軸(ア
ドレスキャラクタRにより指定)を回転中心軸とし、座
標系をr1だけ回転させた1次変換座標系への変換を示
し、シーケンス番号NS303は、1次変換座標系を座標(x
2,y2,z2)へ平行移動した座標系のY軸(アドレスキャ
ラクタQにより指定)を回転中心軸とし、座標系をr2
け回転させた2次変換座標系への変換を示している。ま
た、シーケンス番号N304は、2次変換座標系を座標
(x3,y3,z3)へ平行移動した座標系のX軸(アドレスキ
ャラクタPにより指定)を回転中心軸とし、座標系をr3
だけ回転させた3次変換座標系への変換を示している。
第1図のブロック図において、プログラム解析部1で
解析された座標変換指令CCは座標変換指令解析部2で更
に詳細に解析され、変換カウンタ制御部3で変換カウン
タをカウントアップし、次にアドレスキャラクタ判定部
4で指令されるアドレスキャラクタにより座標回転中心
軸を決定し、座標変換パラメータ算出部5で座標回転パ
ラメータが算出される。パラメータの算出は変換行列と
して求められ、変換カウンタ制御部3のカウント値によ
り第3次〜第1次回転パラメータ記憶部6〜8へそれぞ
れ記憶される。以後プログラムにより指令された位置指
令は、第3次座標変換部9で第3次回転パラメータ記憶
部6の変換行列に従って座標変換され、第2次座標変換
部10で第2次回転パラメータ記憶部7の変換行列に従っ
て順次座標変換される。更に、第1次座標変換部11で第
1次回転パラメータ記憶部8の変換行列に従って順次座
標変換されて基本座標系位置データに変換され、その結
果に基づいて関数発生部12で補間制御を行ない、軸駆動
部13で基本制御軸が駆動される。
更にフローチャートを用いて、その動作を説明する。
第2図及び第3図は座標変換指令の解析及び座標変換
パラメータ算出の動作を示すフローチャートであり、座
標変換指令におけるキャンセル指令は変換カウンタ及び
変換パラメータ[M1],[M2],[M3]をキャンセルす
る(ステップS1,S2,S3)。座標変換指令が判定されると
(ステップS4)、変換カウンタの値がチェックされ(ス
テップS5,S9,S12)、変換カウンタ(座標変換の順位を
決定するカウンタ)に従ってサブルーチン(SR CHG 3
D)で算出される(ステップS6,S10,S13)座標パラメー
タ[M](M1,M2,M3)をそれぞれ第1次〜第3次回転パ
ラメータ記憶部6〜8へ記憶し(ステップS7,S11,S1
4)、変換カウンタをアップ「+1]して終了する(ス
テップS8)。
第3図は座標変換パラメータ算出を行なうサブルーチ
ン(SR CHG 3D)の詳細フローチャートであり、座標変
換指令により指令される座標回転中心軸を示すアドレス
キャラクタを判定し(ステップS21,S24,S27)、座標回
転角rをθとし(ステップS22,S25,S28)、変換行列
[M]を求めて終了する(ステップS23,S26,S29)。変
換行列[M]は座標回転中心軸により異なりZ軸を中心
とした回転は(3)式により、 で求められ、Y軸を中心とした回転は(4)式により、 で求められ、X軸を中心とした回転は(5)式により、 で求められる。
一方、第4図は座標変換部9,10,11の動作を示すフロ
ーチャートであり、変換カウンタの値が“3"であれば
(ステップS31)、次に示す(6)式に従って第3次座
標変換を行ない(ステップS32)、更に(7)式に従っ
て第2次座標変換を行ない(ステップS34)、(8)式
に従って第1次座標変換を行ない(ステップS37)、こ
れにより基本座標系の位置指令(XC,YC,ZC)が求められ
る。また、変換カウンタの値が“2"であれば(ステップ
S33,S38)、第2次座標変換より座標変換処理を行ない
(ステップS34)、変換カウンタの値が“1"であれば
(ステップS35,S39)、第1次座標変換より座標変換処
理を行ない(ステップS37)、基本座標系の位置指令が
求められる。変換カウンタの値が“0"であれば変換は行
なわれず、指令座標がそのまま基本座標系の位置指令と
して求められる(ステップS36)。
但し、(X,Y,Z)=プログラムにより指令され
る座標 (XC,YC,ZC)=基本座標系での位置指令 [M1],[M2],[M3]=第1次,第2次,第
3次回転パラメータ (XO′,YO′,ZO′)=第1次座標変換指令によ
り指令される平行移動量 (XO″,YO″,ZO″)=第2次座標変換指令によ
り指令される平行移動量 (XO,YO,ZO)=第3次座標変換指令によ
り指令される平行移動量 である。
(発明の効果) 本発明のNC装置によれば、プログラマは座標系上の任
意の1軸を特定するアドレスキャラクタ及び座標回転角
を、加工図面等に表記される回転順位に従って順次座標
変換指令すれば良く、プログラム作成が極めて容易とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック構成図、第2
図は本発明による座標変換指令の解析を示すフローチャ
ート、第3図は本発明による座標変換パラメータ算出の
動作を示すフローチャート、第4図は本発明による座標
変換動作を示すフローチャート、第5図は本発明による
加工プログラムの一例を示す図、第6図は従来技術によ
る加工プログラムの一例を示す図、第7図は従来装置の
ブロック構成図である。 1……プログラム解析部、2……座標変換指令判定部、
3……変換カウンタ制御部、4……アドレスキャラクタ
判定部、5……座標変換パラメータ算出部、6〜8……
回転パラメータ記憶部、9〜11……座標変換部、12……
関数発生部、13……軸駆動部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】任意3次元のプログラム座標系における位
    置指令を、被制御系の直交3軸の基本座標系の位置指令
    に座標変換を行ないながら位置制御を行なう3次元座標
    変換機能を備えた数値制御装置において、前記座標変換
    を指令する3次元座標変換指令が、第1次又は第1次及
    び第2次又は第1次〜第3次の座標変換指令の複数のブ
    ロックに分割して指令され;前記座標変換指令が、少な
    くとも座標変換前の座標系の任意の1軸を選択するアド
    レスキャラクタと該アドレスキャラクタにて指令される
    座標回転角度とで構成され;前記座標変換指令がされる
    毎に座標変換指令回数をカウントする変換カウンタ制御
    手段と;前記座標変換指令により変換後座標系の座標位
    置を変換前座標系の座標位置に変換するための回転パラ
    メータを算出する座標変換パラメータ算出手段と;算出
    された前記回転パラメータを前記座標変換指令順序に対
    応して記憶する第1次〜第3次回転パラメータ記憶手段
    と;前記3次元座標変換指令の指令ブロック以降に指令
    されるプログラム座標指令を前記座標変換指令の指令順
    序に対応した前記第1次〜第3次回転パラメータに基づ
    いて、前記指令順序とは逆の順序とした第3次〜第1次
    又は第2次及び第1次又は第1次回転パラメータにより
    座標変換する座標変換手段と;を備え、該座標変換手段
    により座標変換された被制御系の直交3軸の基本座標系
    の座標指令により数値制御するようにしたことを特徴と
    する数値制御装置。
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