JP2752077B2 - 粉粒体流量計測装置 - Google Patents

粉粒体流量計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は流量測定装置に係り、特に透過光量から粉粒
体の相対濃度を計測することにより行なう粉粒体流量計
測装置に関する。
〔従来の技術〕
微粉炭焚ボイラ等において微粉炭の流量を高精度で測
定することは運転上必要不可欠である。微粉炭流量を計
測する方法には、衝撃式、コリオリ力式、差圧式、電磁
式、光電式等がある。このうちの光電式計測方法は他の
方法と比較して配管内の流れに変化を与えることがな
く、粉塵爆発等の問題がなく、簡単に測定できる特徴を
有している。しかし、光源部または受光部への微粉炭の
付着はシールエアー(遮弊空気)等を用いても避けるこ
とができないため、実用化されていない。
第5図に光電式粉粒体流量計測の原理を示す。光電式
粉粒体流量計測方は、粉粒体中を光がある光路を通過す
れば粒子によって散乱・吸収が生じるので、透過光量の
減衰を測定することにより、光路内の粉粒体の相対濃度
を求め、この相対濃度に流速をかけて粉粒体の流量を求
めるものである。一般に透過光量はLambert−Beerの法
則により、次の関係が成り立つ。
I/I0=exp(−nalk) (1) ここで、I:透過光量、I0:入射光量、n:単位体積中に
含まれる粒子数、a:粒子の断面積、k:粒子の1個当たり
の吸収係数、l:粉粒流体の厚さであり、a、k、lをあ
らかじめ測定しておけば、入射・透過光量比より相対濃
度を求めることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし粉粒体を測定する場合、発光素子1および受光
素子2(第1図参照)への粉体の付着は避けられず、こ
のため、粉体付着による光量の減少を考慮しなければな
らない。光量の減少係数をCで表わすと(1)式は次の
ようになる。
I/I0=C exp(−nalk) (2) (2)式を簡略化するため、α=nak(α:相対濃度
係数)とおくと(2)式は以下のようになる。
I/I0=C exp(−αl) (3) 粉体の付着による光量の減少係数Cはあらかじめ測定
できるものではない。そのため従来の発光素子と受光素
子間距離一定の装置構成では式(3)に示した相対濃度
係数αを求めることができない。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、流動する粉粒体に面して設けられ粉粒体
に光を入射させる発光装置と、上記粉粒体を挟んで発光
装置に対向する位置に粉粒体に接して設けられ上記入射
された光のうち粉粒体を透過した光量を求める受光装置
と、求められた上記透過光量から粉粒体濃度を求めて粉
粒体の流量を算出する演算装置とを設けた粉粒体流量計
測装置において、発光装置と受光装置で挟む粉粒体流路
幅を短時間に変えるための発光装置−受光装置間距離調
節装置を設けたことを特徴とする粉粒体流量計測装置に
よって解決される。
〔実施例〕
第1図、第2図に本発明になる粉粒体流量計測装置の
実施例構成を示す。
第1図において、発光素子1を矢印の方向に駆動させ
て発光素子1と受光素子2の間の距離lを変化させる。
すなわち、発光素子駆動部5により発光素子1をスリー
ブ3に沿って動かし、そのときの発光素子1と受光素子
2の間の距離信号6および受光素子2の受光量信号7を
光電変換部8を経て演算回路9に送るようになってい
る。第3図に演算回路9内の演算のフローを示す。発光
素子駆動部5の動作により変化した発光素子1と受光素
子2の間の距離l1、l2……lm、lnを、またそのときの透
過光量I1、I2、……Im、Inを入力する。上記の個々の組
合わせから相対濃度αを算出する。
相対濃度αの算出の方法について説明する。
発光素子1および受光素子2間距離をそれぞれl1、l2
とおき、またそのときの受光量をI1、I2とする。距離
l1、l2の条件において、粉粒体付着による光量減少係数
Cおよび相対濃度αは短時間においては変化しないとす
ると(3)式より次の関係が成り立つ。
I1/I0=C exp(−αl1) (4) I2/I0=C exp(−αl2) (5) (4)、(5)式より (6)式より、相対濃度αは光量減少係数Cに依存せ
ずにl1、l2、I1、I2から算出することができる。
次に、個々の相対濃度αの総和を求め、これを求めた
αの総数Nで割って平均相対濃度αを算出する。また、
流速計測装置13により粉粒体の流速Vを求めるととも
に、流路断面積Aを求めておく。断面積Aおよび粉粒体
の流速のVと平均相対濃度αの席αAVを求めることによ
り、粉粒体の相対的な流量値とする。演算結果を出力
し、再び受光量I1、I2……Im、Inおよび発光素子1と受
光素子2間距離l1、l2……lm、lnを入力し、演算結果よ
り流量値を出力するループを構成している。第1図には
発光素子1を動かすことにより、発光素子1と受光素子
2間距離lを変化させる構成例を示したが、反対に受光
素子2を動かしても同様な装置を構成することができ
る。
第2図は、同じ仕様の発光素子1を2個用いて、発光
素子1または受光素子2を駆動させることなく相異なる
発光素子1と受光素子2間距離l1、l2を持つ装置構成と
した例である。第4図は、受光素子2が持つ指向性の一
例である。一般的に受光素子2は左右対称の相対感度を
持つ。受光素子2の相対感度が等しい任意の角度、例え
ば第4図に示す指向性を持つ受光素子2の場合、相対感
度90%の±30゜の延長線上に発光素子1をそれぞれ設置
する。第2図のように測定部が円形の場合、受光素子2
の中心線延長線上がパイプ4の中心点を通過しない限り
各々の発光素子1と受光素子2間距離l1、l2は相異なる
ものとなる。発光部電源11を用いて各発光素子1を同等
の発光量で交互に点灯する。受光素子2は各々の透過光
量を設け、演算回路9に送信する。各々の発光素子1の
粉粒体付着による光量減少係数Cが等しいとすると、演
算回路9では第3図に示したフローで粉粒体流量計測を
行なうことができる。
また、第2図と同様な装置構成で次のようなことも考
えられる。少なくとも2個以上の発光源1をパイプ4の
円周上に配置し、各発光源1を順に点灯し、第2図と同
様な測定を行ない粉粒体の流量を計測する。ただし、発
光素子1と受光素子2の角度をあらかじめ測定してお
き、各々の相対感度の差を補正する必要がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、光電式粉粒体流量計測において、発
光素子および受光素子表面への粉粒体の付着による透過
光量の経時変化が生じたときも、この粉粒体の付着の影
響を除いた粉粒体の相対濃度を測定することが可能であ
り、したがって、高精度の粉粒体流量計測ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明になる粉粒体流量計測装置の実施例
図、第2図は、本発明の他の実施例図、第3図は、本発
明の粉粒体流量計測装置内の演算回路における演算フロ
ー図、第4図は、受光素子の指向特性図、第5図は、透
過光量説明図である。 1……発光素子、2……受光素子、3……スリーブ、4
……粉粒体流路用パイプ、5……発光素子移動用駆動
部、6……駆動距離信号、7……受光量信号、8……光
電変換器、9……演算回路、10……記録計、13……粉粒
体流速計測装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動する粉粒体に面して設けられ粉粒体に
    光を入射させる発光装置と、上記粉粒体を挟んで発光装
    置に対向する位置に粉粒体に接して設けられ上記入射さ
    れた光のうち粉粒体を透過した光量を求める受光装置
    と、求められた上記透過光量から粉粒体濃度を求めて粉
    粒体の流量を算出する演算装置とを設けた粉粒体流量計
    測装置において、発光装置と受光装置で挟む粉粒体流路
    幅を短時間に変えるための発光装置−受光装置間距離調
    節装置を設けたことを特徴とする粉粒体流量計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58101131U (ja) * 1981-12-29 1983-07-09 三菱重工業株式会社 粉粒体の流量測定装置
JPS62255821A (ja) * 1986-04-30 1987-11-07 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 微粉炭流量計測方法

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