JP2750089B2 - 電気集塵機の制御装置および運転起動方法 - Google Patents

電気集塵機の制御装置および運転起動方法

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JP2750089B2
JP2750089B2 JP24817794A JP24817794A JP2750089B2 JP 2750089 B2 JP2750089 B2 JP 2750089B2 JP 24817794 A JP24817794 A JP 24817794A JP 24817794 A JP24817794 A JP 24817794A JP 2750089 B2 JP2750089 B2 JP 2750089B2
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勇 森田
仁 多田
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばトンネル内の
空気の粉塵を集塵除去することに好適に実施される電気
集塵機の制御装置およびその運転起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル内の空気に含まれている粉塵を
集塵除去するために用いられる電気集塵機を洗浄するた
めに、加圧された水を吹付け、これによって電気集塵機
の電極および電極を保持する絶縁碍子などに捕集した粉
塵を除去し、こうしてトンネル粉塵の連続捕集を行って
いる。このような電極の水洗浄後の電極などが充分に乾
燥していない状態で、または夜間の電気集塵機の停止中
に前記絶縁碍子および電極などの表面に存在する粉塵が
吸湿した状態で、集塵機を起動するために、前記電極間
に高電圧を印加すると、火花放電が発生することで短絡
が起こり、起動することができないことがある。したが
って先行技術では、図14に示すように前記電極に電気
集塵機の定常運転時の電圧、たとえば11kV、未満の
低電圧を所定時間印加し、前記電極および前記絶縁碍子
に付着した粉塵を電極の漏れ電流によるジュール熱によ
って乾燥させて絶縁抵抗を高くした後に段階的に電圧を
上昇させ、定常運転のための高電圧を印加している。
【0003】このような先行技術では、電気集塵機の起
動時における絶縁碍子および電極などの状態はその都度
異なり、またたとえば温度、湿度、粉塵濃度などの空気
の状態が変化しており、それに応じて粉塵の吸湿状態や
付着状態が変化し、したがって上述の短絡が生じないよ
うに粉塵を乾燥させるための低電圧を印加しなければな
らない時間はその都度異なっている。それにも拘わら
ず、先行技術では前記低電圧を印加する時間は、絶縁碍
子および電極などに付着した粉塵の吸湿状態が悪いとき
であっても短絡などを生じないようにできる、一定時間
に設定されている。したがって先行技術では、低電圧を
電極間に印加する時間が不必要に長く、そのため定常運
転に復帰するのに時間がかかるという問題がある。また
逆に前記時間を短くして定常運転へ早く復帰させようと
すると、粉塵を完全に乾燥することができず、前記短絡
が発生してしまう場合がある。起動時に低電圧を印加す
る従来技術として、特公平2−106が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、起動
時において電極間の電圧を定常運転時の高電圧まで、で
きるだけ短い時間でしかも火花放電などによる短絡を生
じることなく上昇させることができるようにした、電気
集塵機の制御装置および電気集塵機の運転起動方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1直流電圧
発生回路24からの電圧を印加した電極6,7間に粉塵
を含むガスを流過させて粉塵を帯電させる電気集塵機の
制御装置において、前記ガスの温度Tpを検出する温度
検出手段と、電極6,7間の印加電圧Vpを検出する電
圧計と、電極6,7に流れる電流Ipを検出する電流計
と、温度検出手段によって検出された温度Tpと電圧計
によって検出された印加電圧Vpとに応答し、電極6,
7間でコロナ放電が生じていて火花放電が発生しない最
大の電流であり、印加電圧の上昇にともなって大きくな
り、また温度Tpの上昇にともなって大きくなる許容最
大放電電流I1を求める第1演算手段27と、第1演算
手段27によって求められた許容最大放電電流I1と電
流計によって検出された電流Ipとの差を求める第1減
算手段31と、第1減算手段31の出力に応答し、許容
最大放電電流I1が電流Ipを超えるとき、電極6,7
間に印加する電圧の時間変化率が予め定める正の値Kg
であることを表す信号を導出し、許容最大放電電流I1
が電流Ip以下のとき、電極6,7間に印加する電圧を
保持させるために、時間変化率が零であることを表す信
号を導出する第1判定回路33と、第1判定回路33の
出力に応答して、電極6,7間に印加され第1判定回路
33から導出された信号が表す時間変化率で変化する電
圧を表す第1電圧制御信号を導出する第1起動電圧制御
信号発生手段35と、集塵動作時に電極6,7間に印加
するべき予め定める第1の電圧Vb未満の電圧であっ
て、かつ前記電極6,7の漏れ電流による発熱によって
除湿することができる予め定める第2の電圧を保持させ
るための第2電圧制御信号を導出する第1電圧設定手段
72と、第1起動電圧制御信号発生手段35からの第1
電圧制御信号が与えられる第1個別接点75と第1電圧
設定手段72からの第2電圧制御信号が与えられる第2
個別接点76と共通接点74とを有し、共通接点74が
いずれか一方の個別接点に切換えられる第1切換えスイ
ッチ73と、集塵動作時には共通接点74を第1個別接
点75に切換えて導通し、第1起動電圧制御信号発生手
段35からの第1電圧制御信号を第1切換えスイッチ7
3を介して第1直流電圧発生回路24に与え、集塵休止
時には共通接点74を第2個別接点76に切換えて導通
して、第1電圧設定手段72からの第2電圧制御信号を
第1切換えスイッチ73を介して第1直流電圧発生回路
24に与える第1切換え制御回路77とを含み、第1直
流電圧発生回路24は、第1切換えスイッチ73からの
第1および第2電圧制御信号に応答し、その第1および
第2電圧制御信号が表す電圧を発生することを特徴とす
る電気集塵機の制御装置である。また本発明は、第1直
流電圧発生回路24からの電圧を印加した電極6,7間
に粉塵を含むガスを流過させて粉塵を帯電させる電気集
塵機の制御装置において、前記ガスの温度Tpを検出す
る温度検出手段と、電極6,7間の印加電圧Vpを検出
する電圧計と、電極6,7に流れる電流Ipを検出する
電流計と、温度検出手段と電圧計との出力に応答し、電
極6,7間でコロナ放電が生じていて火花放電が発生し
ない最大の電流であって印加電圧の上昇にともなって大
きくなり、また温度Tpの上昇にともなって大きくなる
許容最大放電電流を求める第1演算手段27と、第1演
算手段27によって求められた許容最大放電電流と、電
流計によって検出された電流Ipとの差を求める第1減
算手段31と、第1減算手段31の出力に応答し、許容
最大放電電流I1が電流Ipを超えるとき、電極6,7
間に印加する電圧の時間変化率が予め定める正の値Kg
であることを表す信号を導出し、許容最大放電電流I1
が電流Ip以下のとき、電極6,7間に印加する電圧を
保持させるために時間変化率Kgが零であることを表す
信号を導出する第1判定回路33と、第1判定回路33
の出力に応答し、電極6,7間に印加され、第1判定回
路33から導出された信号が表す時間変化率で変化する
電圧を表す第1電圧制御信号を導出する第1起動電圧制
御信号発生手段35と、前記ガスの予め定める基準温度
Tbを設定する基準温度設定手段と、集塵動作時に電極
6,7間に印加すべき予め定める第1の電圧Vbを設定
する第1電圧設定手段45と、基準温度設定手段によっ
て設定された基準温度Tbと第1電圧設定手段45によ
って設定された第1の電圧Vbとから、許容最大放電電
流I1未満であって基準温度Tbの上昇にともなって大
きくなり、第1の電圧Vbの上昇にともなって大きくな
る定常運転時の放電電流I2を求める第2演算手段44
と、第2演算手段44によって求められた放電電流I2
から電流計によって検出された電流Ipを減算してその
差Eb Eb=I2−Ip を求める第2減算手段48と、第2減算手段48の出力
に応答し、放電電流I2から電流Ipを減算した差Eb
と、正の値である予め定める係数Kbとの積Mbを演算
する補正値演算回路52と、第1電圧設定手段45から
の第1の電圧Vbと補正値演算回路52の出力とに応答
し、電極6,7間の電流の変動を小さくするために第1
の電圧Vbに補正値演算回路52によって演算された積
Mbを加算して補正して、その補正された電圧を発生さ
せるための第2電圧制御信号を発生する加算回路54
と、第1の電圧Vb未満の電圧であって、前記電極6,
7の漏れ電流による発熱によって除湿することができる
予め定める第2の電圧を保持させるための第3電圧制御
信号を導出する第2電圧設定手段72と、第1起動電圧
制御信号発生手段35からの第1電圧制御信号が与えら
れる第1個別接点75と第2電圧設定手段72からの第
3電圧制御信号が与えられる第2個別接点76と共通接
点74とを有し、共通接点74がいずれか一方の個別接
点に切換えられる第1切換えスイッチ73と、集塵動作
時には共通接点74を第1個別接点75に切換えて導通
して、第1起動電圧制御信号発生手段35からの第1電
圧制御信号を第1切換えスイッチ73から出力させ、集
塵休止動作時には共通接点74を第2個別接点76に切
換えて導通して、第2電圧設定手段72からの第3電圧
制御信号を第1切換えスイッチ73から出力させる第1
切換え制御回路77と、第1切換えスイッチ73から出
力された第1および第3電圧制御信号のいずれか一方と
加算回路54から出力された第2電圧制御信号とに応答
し、第1切換えスイッチ73から出力された第1および
第3電圧制御信号の前記いずれか一方による電圧が第2
電圧制御信号による電圧未満であるとき、第1切換えス
イッチ73から出力された第1および第3電圧制御信号
の前記いずれか一方を第1直流電圧発生回路24に与
え、第1切換えスイッチ73から出力された第1および
第3電圧制御信号の前記いずれか一方による電圧が第2
電圧制御信号による電圧以上であるとき、加算回路54
から出力された第2電圧制御信号を第1直流電圧発生回
路24に与える第1切換え手段とを含み、第1直流電圧
発生回路24は、第1切換え手段からの第1〜第3電圧
制御信号に応答し、第1〜第3電圧制御信号が表す電圧
を発生することを特徴とする電気集塵機の制御装置であ
る。さらにまた本発明は、前記電極6,7よりもガス流
れの下流側に設けられ、粉塵を含む前記ガスを流過させ
て、粉塵を吸着させるための集塵用電極13,14と、
集塵用電極13,14間に印加される電圧を検出する集
塵用電圧計と、集塵用電極13,14間に流れる漏れ電
流を検出する集塵用電流計と、集塵用電圧計の出力に応
答し、電圧の上昇にともなって大きくなる許容最大漏れ
電流を求める第3演算手段27aと、第3演算手段27
aによって求められた許容最大漏れ電流と、集塵用電流
計によって検出された漏れ電流Ipとの差を求める第3
減算手段31aと、第3減算手段31aの出力に応答
し、許容最大漏れ電流が漏れ電流を越えるとき、集塵用
電極13,14間に印加する電圧の時間変化率が予め定
める正の値Kgであることを表す信号を導出し、許容最
大漏れ電流が漏れ電流以下であるとき、集塵用電極1
3,14間に印加する電圧を保持させるために時間変化
率Kgが零であることを表す信号を導出する第2判定回
路33aと、第2判定回路33aの出力に応答し、集塵
用電極13,14間に印加され、第2判定回路33aか
ら導出された信号が表す時間変化率で変化する電圧を表
す第4電圧制御信号を導出する第2起動電圧制御信号発
生手段35aと、前記第2の電圧を集塵休止時に保持さ
せるための第5電圧制御信号を導出する第3電圧設定手
段72aと、第2起動電圧制御信号発生手段35aから
の第4電圧制御信号が与えられる第1個別接点75aと
第3電圧設定手段72aからの第5電圧制御信号が与え
られる第2個別接点76aと共通接点74aとを有し、
共通接点74aがいずれか一方の個別接点に切換えられ
る第2切換えスイッチ73aと、集塵動作時には共通接
点74aを第1個別接点75aに切換えて導通して第2
起動電圧制御信号発生手段35aからの第4電圧制御信
号を第2切換えスイッチ73aから出力させ、集塵休止
時には共通接点74aを第2個別接点76aに切換えて
導通して第3電圧設定手段72aからの第5電圧制御信
号を第2切換えスイッチ73から出力させる第2切換え
制御回路77aと、第2切換スイッチ73aから出力さ
れた第4および第5電圧制御信号に応答して、第4およ
び第5電圧制御信号が表す電圧を発生して、集塵用電極
13,14間に印加する第2直流電圧発生回路24aと
をさらに含むことを特徴とする。また本発明は、電圧を
印加した電極6,7間に粉塵を含むガスを流過させて粉
塵を帯電させる電気集塵機の運転起動方法において、集
塵休止動作時には、集塵動作時に電極6,7に印加する
べき予め定める第1の電圧未満の電圧であって、かつ前
記電極の漏れ電流による発熱によって除湿することがで
きる第2の電圧を電極6,7間に印加した状態に保ち、
集塵動作時には、前記ガスの温度Tpと、電極6,7間
に印加される電圧Vpと、電極6,7に流れる電流Ip
とを検出し、ガスの温度Tpと電圧Vpとから、電極
6,7間でコロナ放電が生じて火花放電が発生しない最
大の電流であって、ガスの温度Tpの上昇にともなって
大きくなり、電圧Vpの上昇にともなって大きくなる許
容最大放電電流I1を求め、許容最大放電電流I1が電
流Ipを超えるとき、電極6,7間に印加する電圧を予
め定める時間変化率で上昇させ、許容最大放電電流I1
が電流Ip以下であるとき、電極6,7間に印加する電
圧を保持させることを特徴とする電気集塵機の運転起動
方法である。
【0006】
【作用】電気集塵機では粉塵を含むガス、たとえば空気
が流過する電極間に電圧を印加してコロナ放電を発生
し、粉塵粒子を帯電させ、帯電した粉塵粒子を電極に静
電力によって移動して集塵が行われる。集塵効率は一般
に、コロナ放電電流が大きいほど良好である。コロナ放
電電流は電極間の印加電圧が高いほど大きくなり、さら
に高くすると火花放電の形態に移行する。コロナ放電電
流は、電極間を流れるガスの温度が高くなると、電極間
の印加電圧が同じであっても大きくなる。
【0007】本発明に従えば、電気集塵機の制御装置
は、集塵休止動作時には、第1切換え制御回路77が第
1切換えスイッチ73を切換えて導通させることによっ
て、第1電圧設定手段72から導出される第2電圧制御
信号を第1直流電圧発生回路24に与え、粉塵を帯電さ
せるための電極6,7に第2の電圧を印加させる。この
第2の電圧は、集塵動作時に電極6,7に印加するべき
予め定める第1の電圧未満の電圧であって、この第2の
電圧を印加した電極では、その漏れ電流による発熱によ
って電極6,7を除湿することができる。すなわち、集
塵休止動作時に、前記電極6,7に常に低電圧が印加さ
れることによって電極6,7にジュール熱を発生させ、
電極6,7に密着した粉塵を常に乾燥させる。ゆえに、
電極6,7表面を常に除湿することができる。集塵休止
動作時から集塵動作時に切換えられたとき、第1切換え
制御回路77が第1切換えスイッチ73を切換えて導通
させることによって、第1直流電圧発生回路24に与え
る電圧制御信号を、第2電圧制御信号から第1電圧制御
信号に切換える。集塵動作時には、温度検出手段は、粉
塵を含むガス、たとえば空気の温度Tpを検出し、また
電圧計は、電極に印加されている電圧Vpを検出し、電
流計は、電極に流れる電流を検出する。第1演算手段2
7は、たとえばメモリのテーブルを参照して、たとえば
温度Tpをパラメータとして、電圧Vpに対する電極の
許容最大放電電流I1を求める。第1減算手段31は、
第1演算手段27からの許容最大放電電流I1と、電流
計によって検出された電流Ipとを比較して、その大小
関係を検出する。第1判定回路33は、第1減算手段3
1の出力に応答して電極6,7に印加する電圧の時間変
化率を定め、その時間変化率dV/dtを表す信号を出
力する。第1切換え制御回路77は、切換えスイッチ7
3を切換えて、判定回路33から出力された信号が表す
時間変化率dV/dtで変化する印加電圧を表し、第1
起動電圧制御信号発生手段35が出力した第1電圧制御
信号を、第1直流電圧発生回路24に与える。これによ
って、第1直流電圧発生回路24は、許容最大放電電流
I1が電流Ipを超える間、予め定める値Kgである時
間変化率dV/dtで電極6,7間に印加する電圧を上
昇させる。また、第1直流電圧発生回路24は、許容最
大放電電流I1が電流Ip以下になれば、電極6,7に
印加する電圧を保持する。すなわち、電極6,7間の前
記電圧を低下させることなく、一定に保ったままとす
る。ゆえに、電極6,7に実際に流れる電流Ipが許容
最大放電電流I1を超えないように、印加電圧が上昇さ
れる。このような動作によって、ガスの温度と電極6,
7間の電流とに基づいて、集塵休止動作時から集塵動作
に切換えるための印加電圧の上昇パターンまたは上昇率
が決定される。この上昇パターンに従って電圧を上昇さ
せる場合、火花放電を起こさずに、印加電圧を定常運転
のための高電圧まで上昇させることができる。また、集
塵休止動作時に電極表面が除湿され乾燥しているので、
電極を上昇させるとき、電極表面が吸湿していることに
起因して生じる火花放電を生じることなく短時間で、電
極6,7間の電圧を定常運転のための高電圧まで上昇さ
せることができる。したがって、電圧を増加させる間
に、火花放電を発生させることを防止して、電気集塵機
を円滑に起動することができる。さらにまた本発明に従
えば、電気集塵機の制御装置は、第1〜第3電圧制御信
号を生成する。第1電圧制御信号は、温度検出手段2
1、電圧計、電流計の出力に応答して、第1演算手段2
7、第1減算手段31、第1判定回路33、および第1
起動電圧制御信号発生手段35によって、請求項1と同
様に生成される。第3電圧制御信号は、第2電圧設定手
段72から出力される。第2電圧制御信号は、集塵動作
時内で定常運転を行う間に、電極6,7間のコロナ放電
を生じさせるための放電電流I2の変動が小さくなって
ほぼ一定になるように、定電流制御を行うために生成さ
れる。定電流制御では、粉塵を含むガスの基準温度Tb
と定常運転時に電極間に印加すべき第1の電圧Vbとを
予め設定する。第2演算手段44は、第1の電圧Vbに
対する放電電流特性をガスの基準温度Tbをパラメータ
として決定し、第1の電圧Vbに対する定常運転時の放
電電流I2を求める。第2減算手段48は、第2演算手
段44の出力である放電電流I2から、電極間のコロナ
放電のための電流であって電流計によって検出された電
流Ipを減算した差Ebを求める。補正値演算回路52
は、差Ebと係数Kbとの積を求める。加算回路54
は、補正値演算回路52によって求められた積Mbを第
1の電圧Vbに加算することによって、第1の電圧Vb
を補正して、補正された第1の電圧Vb1を表す第2電
圧制御信号を導出する。集塵休止動作時には、第1切換
え制御回路77が第1切換えスイッチ73を切換えて導
通させることによって、第1切換えスイッチ73から第
2電圧設定手段72からの第3電圧制御信号が出力され
る。ゆえに、第1切換え手段は、第2電圧設定手段72
から導出された第3電圧制御信号を第1直流電圧発生回
路24に与え、第1直流電圧発生回路24に前述の第2
の電圧を発生させる。ゆえに、請求項1と同じ理由によ
って、粉塵を帯電させるための電極6,7表面が常に除
湿される。集塵休止動作時から集塵動作時に切換えられ
ると、第1切換え制御回路77が第1切換えスイッチ7
3を切換えて導通させることによって、第1切換えスイ
ッチ73から、第1起動電圧制御信号発生手段35から
の第1電圧制御信号が出力される。集塵動作時の開始直
後には、第1切換え手段によって、第1起動電圧制御信
号発生手段35からの第1電圧制御信号が第1直流電圧
発生回路24に与えられる。これによって、第1直流電
圧発生回路24は、第1電圧制御信号が表す起動のため
の電圧Vsを電極6,7間に印加する。この電圧Vsが
第2電圧制御信号が表す補正された第1の電圧Vb1以
上になった後、第1切換え手段は、加算回路54からの
第2電圧制御信号を第1直流電圧発生回路24に与え
る。これによって、第1直流電圧発生回路24は、補正
された第1の電圧Vb1を発生する。これによって、集
塵休止時から集塵動作に切換えるために電圧を上昇させ
るとき、電極6,7表面が除湿され乾燥しており、かつ
上述のように電圧が制御させるので、請求項1と同じ理
由によって、火花放電を生じることなく短時間で、電極
6,7間の電圧を第1の電圧Vbまで上昇させることが
できる。このように、第1切換え制御回路77および第
1切換えスイッチ73ならびに第1切換え手段の働きに
よって、集塵休止動作から集塵動作の定常運転に、円滑
に移行することができる。また、定常運転時には、第1
直流電圧発生回路24は、補正された第1の電圧Vb1
を発生する。この補正された第1の電圧Vb1は、たと
えば、放電電流I2が電流Ipを超えていれば、積Mb
が正の値なので第1の電圧Vbよりも上昇されており、
また放電電流I2が電流Ip以下であれば積Mbが零ま
たは負の値なので、第1の電圧Vbよりも減少されてい
る。これによって、第2電圧制御信号に応答して、第1
直流電圧発生回路24から発生される電圧が、電流Ip
に応答して制御される。このような動作によって、第2
電圧制御信号が第1直流電圧発生回路24に与えられて
いる間、電極6,7間の電流がほぼ一定となるように定
常運転が行われる。これによって、定常運転時に電極
6,7間に火花放電が発生することを防止することがで
きる。また、コロナ放電電流を火花放電が生じない最大
の電流未満に保つことができるので、電極6,7間のイ
オン放出量を大きくことができる。ゆえに、集塵効率を
良好にすることができる。特に本発明では、粉塵を含む
ガスの温度Tpが高くなったときであっても、電極6,
7間の実際の放電電流は、第2演算手段44によって求
められた放電電流I2に保たれたままである。このとき
電極6,7間に印加される電圧が一定であるとすれば、
温度が上昇することによって、電極6,7間の放電電流
が増大することになる。このとき請求項2の電気集塵機
の制御装置では、上述のように、放電電流I2が、実際
に電極に流れる電流Ip未満になって、かつその差Ed
(=I2−Ip)が大きくなるので、第1の電圧Vbが
低く補正されることになる。要約すると、ガスの温度T
pが高くなったときには、放電電流は一定に保たれたま
まであって、電極6,7に印加される電圧が低下する。
これによって、ガスの温度Tpが変化したときに、電極
6,7間の火花放電を防止することができる。ゆえに、
さらに集塵効率を良好にすることができる。また本発明
に従えば、電気集塵機は、請求項1,2の前記電極6,
7間を流過した粉塵を集塵するために、集塵用電極1
3,14を備える。この集塵用電極13,14には、集
塵用の第2直流電圧発生回路24aによって電圧が印加
される。この電圧は、第2切換え制御回路77aによる
第2切換えスイッチ73aの切換えによって、第2起動
電圧制御信号発生手段35aから導出された第4電圧制
御信号および第3電圧設定手段72aから導出された第
5電圧制御信号によって制御される。具体的には、この
電圧は、集塵休止動作時には第2の電圧Vhであり、集
塵動作時には、許容最大漏れ電流が集塵用電極13,1
4に流れる漏れ電流を越えるとき上昇され、漏れ電流が
許容最大漏れ電流以上になると、そのときの電圧に保持
される。このように、集塵用電極13,14に印加され
る電圧は、請求項1,2と同様に、集塵用電極13,1
4間で火花放電が生じないように制御され、その制御の
ための構成が請求項1,2の電極6,7の制御のための
構成よりも簡略化されている。したがって、集塵部の構
成を簡略化して、製品コストを減少させることができ
る。
【0008】さらにまた本発明に従えば、電気集塵機の
運転起動方法では、集塵休止動作時には、粉塵を帯電さ
せるための電極6,7間に第2の電圧を印加させる。こ
れによって、集塵休止動作時に、請求項1と同じ理由に
よって、電極に密着した粉塵を常に乾燥させる。また、
集塵動作時には、ガスの温度と電極間に印加される電圧
と電極間に流れる電流とから許容最大放電電流I1を算
出し、実際に電極間に流れる電流Ipが許容最大放電電
流I1を越えないように、電極6,7間に印加する電圧
を増加させる。これによって、集塵休止動作から集塵動
作に切換えるために電圧を上昇させるとき、電極6,7
表面が除湿され乾燥しているので、請求項1と同じ理由
から、火花放電を生じることなく短時間で、電極6,7
に印加される電圧を定常運転のための電圧まで上昇させ
ることができる。ゆえに、電気集塵機を円滑に起動する
ことができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の電気集塵機の制
御装置の一部の構成を示すブロック図である。この電気
集塵機は、図2に示されるように車道用トンネル1の側
壁に連通した電気集塵機用トンネル2内に、参照符3で
示されるようにして配置される。この集塵機用トンネル
2内には、送風機17および制御装置10が設けられ、
これによって車道用トンネル1内の粉塵を含む汚染空気
をトンネル2にバイパスして縦流換気システムを構成す
る。これによって空気中の粉塵を除去した清浄化した空
気を、車道用トンネル1の空間に吹出す。これによって
車道用トンネル1内の見通し距離の改善を行うことがで
きる。
【0010】電気集塵機3は、図3の平面図に示される
ように、帯電部4と集塵部5とを備える。図4は、帯電
部4の正面図である。間隔をあけて配置された平板状の
複数の電極6間に放電線である複数の電極7が配置され
る。平板状の電極6は、ライン8を介して接地される。
放電線である電極7は、ライン9に接続され、制御装置
10から正の電圧が印加されて供給される。これらの電
極6,7間に流れる放電電流は、電流計11によって検
出され、電極6,7間の電圧は電圧計12によって検出
される。
【0011】帯電部4の下流側には、集塵部5が配置さ
れる。この集塵部5は、その正面が図5に示されるよう
に、平板状の複数の電極13,14が対向して交互に配
置される。一方の電極13は、ライン15を介して接地
される。他方の電極14は、ライン16を介して制御装
置10に接続され、正の電圧が与えられる。こうして粉
塵を含む空気が帯電部4の電極6,7間に流過すること
によって、その粉塵がコロナ放電によって帯電され、こ
の帯電された粉塵が集塵部5の電極13,14に静電力
で付着して集塵される。電極6,7;13,14は、一
定期間毎に、加圧水の噴射によって水洗浄されて粉塵が
捕集されて払い落とされる。
【0012】これらの電極13,14間に流れる漏れ電
流は、電流計19によって検出され、電極13,14間
の電圧は電圧計20によって検出される。集塵機用トン
ネル2を流れる空気の温度は、温度検出手段21によっ
て検出される。
【0013】図6は、電気集塵機3の制御装置10の全
体の構成を示すブロック図である。電気集塵機3の帯電
部4のために、帯電部用制御回路22と火花制御回路2
3と直流電圧発生回路24とが備えられる。同様にして
集塵部5のために、集塵部用制御回路22aと火花制御
回路23aと直流電圧発生回路24aが備えられる。温
度検出手段21の出力は帯電部用制御回路22に与えら
れる。帯電部4の電流計11の出力は帯電部用制御回路
22に与えられるとともに、ライン25を介して火花制
御回路23に与えられる。帯電部4の電圧計12の出力
は帯電部用制御回路22に与えられる。また同様にして
集塵部5における電流計19の出力は集塵部用制御回路
22aに与えられるとともに、火花制御回路23aにラ
イン25aを介して与えられる。集塵部5の電圧計20
の出力は集塵部用制御回路22aに与えられる。このよ
うな集塵部5に関する各構成要素23a,24aは、帯
電部4のための各構成要素23,24と同様な構成を有
している。
【0014】再び図1を参照して、電気集塵機3の帯電
部4のための帯電部用制御回路22において、演算手段
27には、温度検出手段21によって検出された空気の
温度Tpを表す信号が与えられ、また電圧計12によっ
て検出された電極6,7間の電圧Vpからフィルタ28
を介する出力が与えられる。フィルタ28は、電圧計1
2の出力の不所望な変動をなくす働きをする。演算手段
27は、空気の検出温度Tpをパラメータとした電極
6,7間の印加電圧と許容最大放電電流I1の図7に示
される特性をメモリのテーブルとして備えている。印加
電圧の上昇に伴って、許容最大放電電流I1が大きくな
り、また空気の温度Tpの上昇に伴って、印加電圧が一
定であっても、放電電流I1が増大する。図7のライン
29の特性に比べてライン30の特性は、空気の温度T
pが高いときの特性である。許容最大放電電流I1は、
帯電部4の電極6,7間でコロナ放電が生じており、火
花放電が発生しない最大の電流をいう。
【0015】演算手段27の出力は、減算回路31に与
えられる。この減算回路31には、電流計11によって
検出された電極6,7間の放電電流Ipがフィルタ32
によって不所望な変動がなくされて、減算回路31に与
えられる。減算回路31は、演算手段27によって求め
られた許容最大放電電流I1から電流計11によって検
出された検出電流Ipを減算して、その差Egを求め
る。
【0016】 Eg = I1 − Ip …(1) 判定回路33は、減算回路31の出力Egに応答し、 Eg > 0 …(2) であるならば、起動時の電極6,7間に印加すべき電圧
Vの予め定める時間変化率Kgを表す信号を出力する。
【0017】
【数1】
【0018】また Eg ≦ 0 …(4) であれば、起動時に電極6,7間に印加すべき電圧Vの
時間変化率を式(5)で示されるように零とし、その印
加電圧Vを保持する。
【0019】
【数2】
【0020】こうして許容最大放電電流I1が検出電流
Ipを超えるとき、すなわち検出電流Ipが許容最大放
電電流I1未満であるときには、時間変化率Kgで上昇
する印加電圧を表す信号を導出し、また許容最大放電電
流I1が検出電流Ip以下のとき、すなわち検出電流I
pが許容最大放電電流I1以上であるときには、印加電
圧を現状維持とする。この時間変化率Kgは、時間変化
率測定手段34によって、手動で調整して設定すること
ができる。
【0021】減算回路31は、電流I1,Ipの大小関
係を比較して検出する機能のみを有していてもよい。
【0022】判定回路33の出力は起動電圧制御信号発
生手段35に与えられ、電極6,7間に印加する印加電
圧Vsを表す電圧制御信号をライン78に導出する。図
8は、起動電圧制御信号発生手段35から導出される電
圧制御信号の表す印加電圧Vsの時間経過を示す図であ
る。集塵休止動作時から予め電極6,7間に印加されて
いる第2の電圧Vhから、前述の式(3)で示される時
間変化率で印加電圧を上昇し、その後時間変化率を式
(5)で示されるように零とする。このような動作によ
って、電極6,7間の印加電圧を時間経過に伴って上昇
してゆく。時間変化率Kgは、たとえば200V/se
cであってもよい。
【0023】切換えスイッチ73の一方の個別接点75
と他方の個別接点76には、共通接点74が切換え制御
回路77によって操作されるように構成されている。個
別接点75には起動電圧制御信号発生手段35からの電
極6,7間に印加する印加電圧Vsを表す信号が、また
個別接点76には第2電圧設定手段72からの第2の電
圧Vhを表す信号が与えられる。前記第2の電圧Vhは
後述する第1の電圧Vbより小さく、コロナ放電を生じ
ない程度の大きさの電圧である。また前記第2の電圧V
hは手動で調整して設定することができる。切換え制御
回路77は、外部からの指令に応答して切換えスイッチ
73を切換える。切換え制御回路77は、外部指令がた
とえば「入」のときには、共通接点74を個別接点75
に切換えて起動電圧制御信号発生手段35からの信号を
導通する。逆に外部指令がたとえば「切」のときには、
共通接点74を個別接点76に切換え、前記第2の電圧
Vhを表す制御信号を導通する。以上の動作によって、
集塵休止動作中は、電極6,7間に前記第2の電圧Vh
を印加することによって電極に漏れ電流によるジュール
熱を発生させ、電極表面に付着した粉塵などを乾燥させ
て電極表面の除湿を行うことができる。
【0024】集塵機3の帯電部4の定常運転時の印加電
圧は、次のようにして定められる。切換えスイッチ38
の一方の個別接点39と他方の個別接点40には、共通
接点41が切換えてたとえば手動によって操作されるよ
うに構成されており、一方の個別接点39には、基準温
度設定手段42からの基準温度Tb、たとえば25℃を
表す信号がライン43を介して与えられる。もう1つの
個別接点40には、温度検出手段21による検出温度T
pを表す信号が、電圧制御のために与えられる。基準温
度設定手段42からライン43を介して一方の個別接点
39に与えられる信号は、定電流制御のために用いられ
る。切換えスイッチ38の共通接点41の出力は演算手
段44に与えられる。この演算手段44にはまた、電圧
設定手段45からの定常運転時の設定電圧Vb、たとえ
ば11kVを表す信号が、ライン46を介して与えられ
る。
【0025】演算手段44は、図9に示されるように、
切換えスイッチ38の共通接点41を介する信号によっ
て表される空気の温度をパラメータとした帯電部4にお
ける印加電圧Vbと放電電流I2の特性を、メモリのテ
ーブルとして有している。切換えスイッチ38の共通接
点41、個別接点39に導通して接続している定電流制
御時では、セットされた基準温度Tbと設定電圧Vbと
から、帯電部4における設定された放電電流I2を表す
信号を導出して減算回路48に与える。図9のライン4
9の特性に比べて、ライン50の特性は、帯電部4にお
ける粉塵を含む空気の温度が高いときの特性である。ラ
イン49,50の各特性は、図7に関連して述べた許容
最大放電電流未満であって、かつ近似した値を有してい
る。これによってコロナ放電電流を大きくして、イオン
放出量を大きくすることができ、空気に含まれている粉
塵の帯電を効率よく行うことができ、集塵効率が高ま
る。
【0026】減算回路48には、帯電部4の電流計11
の検出電流Ipを表す信号が、上述のようにフィルタ3
2を介して与えられる。減算回路48は、演算手段44
から出力される定常運転時の放電電流I2と検出電流I
pの差Ebを減算して求める。
【0027】 Eb = I2 − Ip …(6) 補正値演算回路52は、減算回路48の出力Ebと、係
数設定回路53で設定された係数Kbとの積Mbを演算
して求める。
【0028】 Mb = Kb ・ Eb …(7) 係数設定回路53によって設定される係数Kbは、0〜
1の間の値であってもよく、また1を超える値であって
もよく、正の値である。この係数Kbは、手動操作によ
って調整することができる。補正値演算回路52の出力
は、加算回路54に与えられ、ライン46を介する電圧
設定手段45からの設定電圧Vbとともに加算されて、
定常運転時の補正された印加電圧Vb1を表す電圧制御
信号をライン55に導出する。こうして補正値演算回路
52と加算回路54とは、設定された印加電圧Vbを補
正して定常運転のための電圧制御信号を発生する手段を
構成する。
【0029】ライン78、切換スイッチ73およびライ
ン36を介する起動電圧制御信号発生手段35からの起
動時の印加電圧Vsを表す信号と加算回路54からの定
常時の印加電圧Vb1を表す定常運転電圧制御信号と
は、切換え回路57のスイッチ58および59を介して
加算回路60に与えられ、その加算回路60の出力は、
印加電圧V0を表す電圧制御信号として、火花制御回路
23にライン61を介して与えられる。切換え回路57
は、ライン36,55の出力に応答し、 Vs < Vb1 …(8) であれば、スイッチ58を導通し、スイッチ59を遮断
し、また Vs ≧ Vb1 …(9) であるときには、スイッチ58を遮断し、スイッチ59
を導通する。こうして起動時の印加電圧Vsが定常運転
時の印加電圧Vb1に達するまでは、そのライン36を
介する印加電圧Vsを表す電圧制御信号がライン61を
介して火花制御回路23に与えられる。またその起動時
の印加電圧Vsが定常運転時の印加電圧Vb1に達し、
起動が終了すると、スイッチ58,59が切換えられ
て、その定常運転時の印加電圧Vb1を表す電圧制御信
号がライン61を介して火花制御回路23に与えられ
る。一度定常運転時の印加電圧Vb1に切換えれば、停
止するまでVb1を火花制御回路23に与える。切換え
回路57とスイッチ58,59とは、切換え手段を構成
する。
【0030】定常運転時の印加電圧Vb1は、電気集塵
機3を流過する空気の温度が上昇し、この結果、電流計
11によって検出される電流Ipが、増大し、基準温度
Tbに対応して演算手段44から導出される放電電流I
2を超えると、減算回路48の出力Ebが負値となり、
したがって、定常運転のための印加電圧Vb1が低下さ
れる結果になる。空気温度が低下すれば、これとは逆の
動作が行われる。こうして切換えスイッチ38の共通接
点41が個別接点39に導通されている状態では、定常
運転時には、印加電圧Vb1が制御されて、その帯電部
4の放電電流Ipの変動が小さくされ、上述のように定
電流制御が達成される。
【0031】また、定常運転時には、集塵動作、集塵休
止動作および集塵停止動作の3つの状態を手動で切換え
ることができる。交通量が少なく粉塵濃度の低い夜間な
どでは集塵動作から集塵休止動作に切換えて電極表面の
除湿を行う。粉塵濃度が予め定める一定濃度を超えた場
合には自動的に集塵動作に切換わり、電極間に印加され
る電圧を上昇させる。このとき電極表面は常に除湿され
乾燥しているため、火花放電を生じることなく短時間で
前記電圧を第1の電圧Vbまで上昇させることができ
る。また電極の洗浄または装置の点検などを行う場合に
は集塵停止動作に切換え、電極6,7間の印加電圧を0
Vとする。
【0032】図10は電気集塵機3の集塵部5のための
集塵部用制御回路22aの電気的構成を示すブロック図
である。帯電部用制御回路22と集塵部用制御回路22
aは類似の構成を有している。
【0033】演算手段27aには、電圧計20によって
検出された電極13,14間の電圧Vpがフィルタ28
aによって不所望な変動がなくされて、与えられる。演
算手段27aは電極13,14間の印加電圧と許容最大
漏れ電流I1の、図11の29aに示されるように、印
加電圧の上昇に伴って許容最大漏れ電流I1が大きくな
るような特性をメモリのテーブルとして備えている。ま
た演算手段27と異なり、演算手段27aの備える印加
電圧と許容最大漏れ電流I1との特性は空気温度に左右
されない。
【0034】演算手段27aの出力は、減算回路31a
に与えられる。この減算回路31aには、電流計19に
よって検出された電極13,14間の漏れ電流Ipがフ
ィルタ32aによって不所望な変動がなくされて、減算
回路31に与えられる。減算回路31aは、前述の式
(1)のように演算手段27aによって求められた許容
最大漏れ電流I1から電流計19によって検出された検
出電流Ipを減算して、その差Egを求める。
【0035】判定回路33aは、減算回路31aの出力
Egに応答し、前述の式(2)に示すようにEg>0で
あるならば、前述の式(3)で示す起動時の電極13,
14間に印加すべき電圧Vの予め定める時間変化率Kg
を表す信号を出力する。また、前述の式(4)に示すよ
うに、Eg≦0であるならば、起動時に電極13,14
間に印加すべき電圧Vの時間変化率を前述の式(5)で
示されるように零とし、その印加電圧Vを保持する。こ
の時間変化率Kgは、時間変化率測定手段34aによっ
て、手動で調整して設定することができる。
【0036】また減算回路31aは、電流I1,Ipの
大小関係を比較して検出する機能のみを有していてもよ
い。
【0037】判定回路33aの出力は起動電圧制御信号
発生手段35aに与えられ、電極13,14間に印加す
る電圧Vsを表す電圧制御信号をライン78aに導出す
る。図12は、起動電圧制御信号発生手段35aから導
出される電圧制御信号の表す印加電圧Vsの時間経過を
示す図であり、図8に類似のものである。
【0038】切換えスイッチ73aの一方の個別接点7
5aには、起動電圧発生手段35aからの印加電圧Vs
を表す信号が、他方の個別接点76aには第2電圧設定
手段72aからの第2の電圧Vhを表す信号が与えられ
る。切換えスイッチ73aは、切換え制御手段77aに
よって操作される。切換え制御手段77aは、外部から
の指令に応答して切換えスイッチ73aを切換える。
【0039】切換え回路57aには、印加電圧設定手段
45aからライン46aを介して設定電圧Vbが、ま
た、起動電圧制御信号発生手段35aからライン78
a、切換えスイッチ73a,ライン36aを介して印加
電圧Vsを表す信号が与えられる。切換え回路57a
は、前記印加電圧設定手段45aと起動電圧制御信号発
生手段35aとの出力に応答し、 Vs < Vb …(10) であればスイッチ58aを導通し、スイッチ59aを遮
断する。また Vs ≧ Vb …(11) であるときには、スイッチ58aを遮断し、スイッチ5
9aを導通する。これによって、起動時の印加電圧Vs
が設定電圧Vbに達するまではライン36aを介する印
加電圧Vsを表す電圧制御信号がライン61aを介して
火花制御回路23aに与えられ、また印加電圧Vsが設
定電圧Vbに達するとスイッチ58a,59aが切換え
られてその定常運転時の印加電圧Vbを表す電圧制御信
号がライン61aを介して火花制御回路23aに与えら
れる。これによって起動時には起動電圧制御信号発生手
段35aからの出力が火花制御回路23aに入力され、
起動が終了すると印加電圧設定手段45aからの出力が
火花制御回路23aに入力される。また火花制御回路2
3aと直流電圧発生手段24aとは図1の火花制御回路
23および直流電圧発生手段24と同様の動作を行い、
集塵部5の電極13,14間の印加電極を制御する。こ
れによって、帯電部用制御回路22より簡単な構成の回
路を用いて集塵部を制御することができる。したがって
製品コストを減少させることができる。
【0040】火花制御回路23では、電流計11の放電
電流Ipを表す信号がライン25を介して与えられ、こ
れによってその電流Ipが増大すれば、火花放電が発生
したものと検出することができ、予め定める時間毎の火
花放電回数がカウンタ63によって計数される。設定回
路64は、前記予め定める時間中の火花放電回数を予め
設定し、比較回路65は、カウンタ63の計数値が、設
定回路64で設定した予め定める値以上になると、電極
6,7間への電圧の供給を休止し、または供給電圧を一
旦低下して再上昇するための印加電圧V0aを表す信号
を、ライン66を介して直流電圧発生回路24に与え
る。直流電圧発生回路24は、ライン66を介する印加
電圧V0aが帯電部4の電極6,7間に与えられるよう
に、高電圧を発生する。
【0041】図13は、火花制御回路23の動作を説明
するための波形図である。ライン61を介して火花制御
回路23に与えられる電圧制御信号の表す印加電圧V0
は、図13において仮想線で示され、またライン66を
介して出力される電圧制御信号の表す印加電圧V0a
は、図13において実線で示されている。図13の時刻
t1,t2の各動作は、前述の図8に関連して述べたと
おりであり、起動時において時間経過に伴って印加電圧
Vsが上昇してゆく。時刻t12において、前述の式
(9)で示されるように起動のための印加電圧Vsが上
昇して起動動作が終了した後には、切換え手段57の働
きによって、印加電圧Vb1を表す定常運転のための電
圧制御信号がライン61を介して火花制御回路23に与
えられる。
【0042】時刻t4において帯電部4の電極6,7間
で火花が発生すると、電流計11の検出電流Ipが大き
くなり、これによって火花発生が検出され、印加電圧V
0aを瞬時に零となるように印加電圧の供給を休止す
る。また時刻t5〜t6に示されるように、予め定める
時間内に火花発生回数が予め定める値以上になると、電
極6,7間の印加する電圧を、ΔV1、たとえば200
Vだけ低下し、その後時間経過に伴って印加電圧を上昇
する。設定回路64によって設定される値は、たとえば
30秒間に10回の火花放電回数であってもよい。
【0043】時刻t7〜t8に示されるようにたとえば
約1分間にわたり連続的に火花放電が発生されたときに
は印加電圧V0aを時間経過に伴って低下してゆき、そ
の後の時間t8では印加電圧を0とし、この印加電圧V
0aを零とする時間を予め定める時間、たとえば1分間
とする。その後時刻t9では印加電圧を時間経過に伴っ
て上昇してゆく。時刻t10で電極6,7の短絡が電圧
計12の出力によって検出され、その時間が時刻t10
aまでのたとえば約2.5秒間継続したときには、その
後の時刻t11までの、たとえば1分間印加電圧V0a
を休止する。時刻t11から再び印加電圧V0aを上昇
する。時刻t12以降で電極および絶縁碍子に付着した
粉塵が多くなり短絡が継続して発生されることが検出さ
れると、電気集塵機3の運転を継続することは不可能に
なるので、時刻t12からたとえば5〜10分間経過し
た時刻t13では電気集塵機3の電極6,7;13,4
に圧力水を噴射して水洗浄を行うべきことを指令する信
号を時刻t13において、火花制御回路23が導出して
水洗浄手段によって水洗浄を行う。この水洗浄後におい
ては、電極表面を乾燥させた後、再び前述の時刻t1以
降の集塵のための起動動作が繰返される。また一度吸湿
した粉塵を加熱乾燥すると固形化するため除去は困難と
なるが、本発明においては粉塵は常に乾燥した状態に保
たれるため電極に付着した粉塵が固形化することはない
ので、除去が容易となり洗浄に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0044】切換えスイッチ38の共通接点41を個別
接点40に切換えて導通すると、演算手段44は、空気
の検出温度Tpをパラメータとする設定電圧Vbに対応
した定常運転時の放電電流I2を表す信号を導出し、こ
の放電電流I2は、空気温度Tpの変化に連動して変化
するので、印加電圧Vb1の変動が小さくなる。こうし
て定電圧制御が行われる。
【0045】本発明の他の実施例として、補正値演算手
段52が省略され、減算回路48の出力が加算回路54
に直接に与えられるようにしてもよい。制御装置10
は、マイクロコンピュータなどによって実現されるよう
にしてもよい。
【0046】定常運転時における帯電部4の電極6,7
間に印加される電圧は、直流10〜12kVであり、た
とえば前述のように11kVであってもよく、また集塵
部5では、電極13,14間の定常運転時における印加
電圧は、たとえば直流5〜6kVに選ばれる。
【0047】また本発明は、帯電部4および集塵部5の
両方において、切換えスイッチ73および切換え制御回
路77による切換え制御を行い、集塵休止動作時に電極
6,7;13,14間に第2の電圧Vhを印加している
が、集塵部用制御回路22aのみに第2電圧設定手段7
2a、切換えスイッチ73aおよび切換え制御回路77
aを設置し、帯電部用の制御回路22ではライン78と
ライン36とを接続して集塵部5のみで切換え制御を行
い、電極13,14間に第2の電圧を印加するようにし
てもよい。
【0048】本発明は、上述のようにトンネル内の空気
を再利用する換気システムに関連して実施されてもよい
けれども、トンネル換気に限らず、たとえば脱硝装置の
入口ガスの粉塵を除去するために本発明が実施されても
よく、その他の広範囲の技術分野において本発明が実施
される。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電気集塵
機は、第1直流電圧発生回路24からの電圧を印加した
電極6,7間に、粉塵を含むガスを流過させて粉塵を帯
電させる。この電気集塵機の制御装置は、集塵休止動作
時には、集塵動作時に電極6,7間に印加するべき予め
定める第1の電圧未満である第2の電圧を印加する。こ
れによって、集塵休止動作時に、電極6,7の漏れ電流
によってジュール熱を発生させて、電極6,7表面を常
に除湿することができる。集塵休止動作時から集塵動作
時に切換えられたとき、既に電極6,7表面が除湿され
ている。第1演算手段27は、ガスの温度をパラメータ
として、電極6,7に印加された電圧Vpに対する電極
6,7間の許容最大放電電流I1を求める。電極6,7
間に印加される電圧は、許容最大放電電流I1が電極
6,7に流れる電流Ipを超える間、予め定める時間変
化率で上昇される。また、電極6,7に印加される電圧
は、許容最大放電電流I1が電流Ip以下になればその
まま保たれる。これによって、火花放電を生じることな
く短時間で、電極6,7間の電圧を定常運転のための高
電圧まで上昇させることができる。したがって、電気集
塵機を円滑に起動することができる。また本発明によれ
ば、電気集塵機の制御装置は、集塵休止動作時には、粉
塵を帯電させるための電極6,7間に第2の電圧を発生
させて、電極6,7表面を常に除湿させる。集塵休止動
作時から集塵動作時に切換えられた直後、放電電流が許
容最大放電電流を越えないように上昇パターンが定めら
れた起動のための電圧Vsが電極6,7間に印加され
る。この電圧Vsが第1の電圧Vb以上になった後、直
流電圧発生回路24は、定常運転を行う。集塵動作中に
定常運転を行う間には、ガスの温度に応答して、電極
6,7間のコロナ放電を生じさせる放電電流I2がほぼ
一定になるように定電流制御が行われる。これによっ
て、集塵休止時から集塵動作に切換えるために電圧を上
昇させるとき、火花放電を生じることなく短時間で、電
極6,7間の電圧を第1の電圧Vbまで上昇させること
ができる。また、定常運転時には、ガスの温度が上昇し
たときに火花放電が発生することを防止することがで
き、さらに集塵効率を良好にすることができる。さらに
また本発明によれば、電気集塵機は、帯電用の電極6,
7に加えて集塵用の電極13,14を備える。この集塵
用の電極13,14に印加される電圧を制御するための
構成は、帯電用の電極6,7を制御するための構成より
も簡略化されている。したがって、電気集塵機の製品コ
ストを減少させることができる。
【0050】さらにまた本発明によれば、電気集塵機の
運転起動方法では、集塵休止動作時には、粉塵を帯電さ
せるための前記電極6,7間に第2の電圧を印加させ
る。また、集塵動作時には、ガスの温度と電極6,7間
に印加される電圧と電極6,7に流れる電流とから許容
最大放電電流を算出し、実際に電極6,7に流れる電流
が許容最大放電電流を越えないように、電極6,7間の
電圧を増加させる。このように、電極6,7に低電圧を
常に印加するので、電極6,7にジュール熱を発生させ
て、電極6,7に密着した粉塵を常に乾燥させた状態に
保つことによって、電極6,7表面を除湿することがで
きる。このため、火花放電を生じることなく、短時間
に、第2の電圧から第1の電圧まで電圧を上昇させて、
前記電気集塵機を集塵動作の状態に移行させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電気集塵機の制御装置の帯
電部の起動のための構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の電気集塵機の制御装置が関
連して実施されるトンネル内空気を再利用する換気シス
テムの構成を簡略化して示す水平断面図である。
【図3】電気集塵機3の帯電部4および集塵部5の構成
を簡略化して示す平面図である。
【図4】電気集塵機3の帯電部4の構成を簡略化して示
す正面図である。
【図5】電気集塵機3の集塵部5の構成を簡略化して示
す正面図である。
【図6】電気集塵機3の制御装置10の全体の構成を示
すブロック図である。
【図7】図1に示される演算手段27の動作を説明する
ための印加電圧Vbと放電電流I1との関係を示すグラ
フである。
【図8】帯電部4における起動時の印加電圧Vsの時間
経過を示す図である。
【図9】図1における定常運転のための演算手段44の
動作を説明するための印加電圧Vbと放電電流I2との
関係を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施例の電気集塵機の制御装置の
集塵部の起動のための構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示される演算手段27aの動作を説
明するための印加電圧Vbと漏れ電流I1との関係を示
すグラフである。
【図12】集塵部5における起動時の印加電圧Vsの時
間経過を示す図である。
【図13】火花制御回路23の動作を説明するための印
加電圧V0,V0aを示す図である。
【図14】従来技術における帯電部4の起動時の印加電
圧Vsの時間経過を示す図である。
【符号の説明】
1 車道用トンネル 2 電気集塵機用トンネル 3 電気集塵機 4 帯電部 5 集塵部 6,7;13,14 電極 10 制御装置 11,19 電流計 12,20 電圧計 21 温度検出手段 22 帯電部用制御回路 22a 集塵部用制御回路 23,23a 火花制御回路 24,24a 直流電圧発生手段 27,44;27a 演算手段 31,48;31a 減算回路 33,33a 判定手段 35,35a 起動電圧制御信号発生手段 38,73;73a 切換えスイッチ 42 基準温度設定手段 45,45a 印加電圧設定手段 52 補正値演算手段 54,60;60a 加算回路 57,57a 切換え回路 72,72a 第2電圧設定手段 77,77a 切換え制御回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−337398(JP,A) 特開 昭60−110351(JP,A) 特開 平2−174952(JP,A) 特開 平8−52381(JP,A) 実公 平6−7798(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B03C 3/00 - 3/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1直流電圧発生回路24からの電圧を
    印加した電極6,7間に粉塵を含むガスを流過させて粉
    塵を帯電させる電気集塵機の制御装置において、 前記ガスの温度Tpを検出する温度検出手段と、 電極6,7間の印加電圧Vpを検出する電圧計と、 電極6,7に流れる電流Ipを検出する電流計と、 温度検出手段によって検出された温度Tpと電圧計によ
    って検出された印加電圧Vpとに応答し、電極6,7間
    でコロナ放電が生じていて火花放電が発生しない最大の
    電流であり、印加電圧の上昇にともなって大きくなり、
    また温度Tpの上昇にともなって大きくなる許容最大放
    電電流I1を求める第1演算手段27と、 第1演算手段27によって求められた許容最大放電電流
    I1と電流計によって検出された電流Ipとの差を求め
    る第1減算手段31と、 第1減算手段31の出力に応答し、許容最大放電電流I
    1が電流Ipを超えるとき、電極6,7間に印加する電
    圧の時間変化率が予め定める正の値Kgであることを表
    す信号を導出し、許容最大放電電流I1が電流Ip以下
    のとき、電極6,7間に印加する電圧を保持させるため
    に、時間変化率が零であることを表す信号を導出する第
    1判定回路33と、 第1判定回路33の出力に応答して、電極6,7間に印
    加され第1判定回路33から導出された信号が表す時間
    変化率で変化する電圧を表す第1電圧制御信号を導出す
    る第1起動電圧制御信号発生手段35と、 集塵動作時に電極6,7間に印加するべき予め定める第
    1の電圧Vb未満の電圧であって、かつ前記電極6,7
    の漏れ電流による発熱によって除湿することができる予
    め定める第2の電圧を保持させるための第2電圧制御信
    号を導出する第1電圧設定手段72と、 第1起動電圧制御信号発生手段35からの第1電圧制御
    信号が与えられる第1個別接点75と第1電圧設定手段
    72からの第2電圧制御信号が与えられる第2個別接点
    76と共通接点74とを有し、共通接点74がいずれか
    一方の個別接点に切換えられる第1切換えスイッチ73
    と、 集塵動作時には共通接点74を第1個別接点75に切換
    えて導通し、第1起動電圧制御信号発生手段35からの
    第1電圧制御信号を第1切換えスイッチ73を介して第
    1直流電圧発生回路24に与え、集塵休止時には共通接
    点74を第2個別接点76に切換えて導通して、第1電
    圧設定手段72からの第2電圧制御信号を第1切換えス
    イッチ73を介して第1直流電圧発生回路24に与える
    第1切換え制御回路77とを含み、 第1直流電圧発生回路24は、第1切換えスイッチ73
    からの第1および第2電圧制御信号に応答し、その第1
    および第2電圧制御信号が表す電圧を発生することを特
    徴とする電気集塵機の制御装置。
  2. 【請求項2】 第1直流電圧発生回路24からの電圧を
    印加した電極6,7間に粉塵を含むガスを流過させて粉
    塵を帯電させる電気集塵機の制御装置において、 前記ガスの温度Tpを検出する温度検出手段と、 電極6,7間の印加電圧Vpを検出する電圧計と、 電極6,7に流れる電流Ipを検出する電流計と、 温度検出手段と電圧計との出力に応答し、電極6,7間
    でコロナ放電が生じていて火花放電が発生しない最大の
    電流であって印加電圧の上昇にともなって大きくなり、
    また温度Tpの上昇にともなって大きくなる許容最大放
    電電流を求める第1演算手段27と、 第1演算手段27によって求められた許容最大放電電流
    と、電流計によって検出された電流Ipとの差を求める
    第1減算手段31と、 第1減算手段31の出力に応答し、許容最大放電電流I
    1が電流Ipを超えるとき、電極6,7間に印加する電
    圧の時間変化率が予め定める正の値Kgであることを表
    す信号を導出し、許容最大放電電流I1が電流Ip以下
    のとき、電極6,7間に印加する電圧を保持させるため
    に時間変化率Kgが零であることを表す信号を導出する
    第1判定回路33と、 第1判定回路33の出力に応答し、電極6,7間に印加
    され、第1判定回路33から導出された信号が表す時間
    変化率で変化する電圧を表す第1電圧制御信号を導出す
    る第1起動電圧制御信号発生手段35と、 前記ガスの予め定める基準温度Tbを設定する基準温度
    設定手段と、 集塵動作時に電極6,7間に印加すべき予め定める第1
    の電圧Vbを設定する第1電圧設定手段45と、 基準温度設定手段によって設定された基準温度Tbと第
    1電圧設定手段45によって設定された第1の電圧Vb
    とから、許容最大放電電流I1未満であって基準温度T
    bの上昇にともなって大きくなり、第1の電圧Vbの上
    昇にともなって大きくなる定常運転時の放電電流I2を
    求める第2演算手段44と、 第2演算手段44によって求められた放電電流I2から
    電流計によって検出された電流Ipを減算してその差E
    b Eb=I2−Ip を求める第2減算手段48と、 第2減算手段48の出力に応答し、放電電流I2から電
    流Ipを減算した差Ebと、正の値である予め定める係
    数Kbとの積Mbを演算する補正値演算回路52と、 第1電圧設定手段45からの第1の電圧Vbと補正値演
    算回路52の出力とに応答し、電極6,7間の電流の変
    動を小さくするために第1の電圧Vbに補正値演算回路
    52によって演算された積Mbを加算して補正して、そ
    の補正された電圧を発生させるための第2電圧制御信号
    を発生する加算回路54と、 第1の電圧Vb未満の電圧であって、前記電極6,7の
    漏れ電流による発熱によって除湿することができる予め
    定める第2の電圧を保持させるための第3電圧制御信号
    を導出する第2電圧設定手段72と、 第1起動電圧制御信号発生手段35からの第1電圧制御
    信号が与えられる第1個別接点75と第2電圧設定手段
    72からの第3電圧制御信号が与えられる第2個別接点
    76と共通接点74とを有し、共通接点74がいずれか
    一方の個別接点に切換えられる第1切換えスイッチ73
    と、 集塵動作時には共通接点74を第1個別接点75に切換
    えて導通して、第1起動電圧制御信号発生手段35から
    の第1電圧制御信号を第1切換えスイッチ73から出力
    させ、集塵休止動作時には共通接点74を第2個別接点
    76に切換えて導通して、第2電圧設定手段72からの
    第3電圧制御信号を第1切換えスイッチ73から出力さ
    せる第1切換え制御回路77と、 第1切換えスイッチ73から出力された第1および第3
    電圧制御信号のいずれか一方と加算回路54から出力さ
    れた第2電圧制御信号とに応答し、第1切換えスイッチ
    73から出力された第1および第3電圧制御信号の前記
    いずれか一方による電圧が第2電圧制御信号による電圧
    未満であるとき、第1切換えスイッチ73から出力され
    た第1および第3電圧制御信号の前記いずれか一方を第
    1直流電圧発生回路24に与え、第1切換えスイッチ7
    3から出力された第1および第3電圧制御信号の前記い
    ずれか一方による電圧が第2電圧制御信号による電圧以
    上であるとき、加算回路54から出力された第2電圧制
    御信号を第1直流電圧発生回路24に与える第1切換え
    手段とを含み、 第1直流電圧発生回路24は、第1切換え手段からの第
    1〜第3電圧制御信号に応答し、第1〜第3電圧制御信
    号が表す電圧を発生することを特徴とする電気集塵機の
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電極6,7よりもガス流れの下流側
    に設けられ、粉塵を含む前記ガスを流過させて、粉塵を
    吸着させるための集塵用電極13,14と、 集塵用電極13,14間に印加される電圧を検出する集
    塵用電圧計と、 集塵用電極13,14間に流れる漏れ電流を検出する集
    塵用電流計と、 集塵用電圧計の出力に応答し、電圧の上昇にともなって
    大きくなる許容最大漏れ電流を求める第3演算手段27
    aと、 第3演算手段27aによって求められた許容最大漏れ電
    流と、集塵用電流計によって検出された漏れ電流Ipと
    の差を求める第3減算手段31aと、 第3減算手段31aの出力に応答し、許容最大漏れ電流
    が漏れ電流を越えるとき、集塵用電極13,14間に印
    加する電圧の時間変化率が予め定める正の値Kgである
    ことを表す信号を導出し、許容最大漏れ電流が漏れ電流
    以下であるとき、集塵用電極13,14間に印加する電
    圧を保持させるために時間変化率Kgが零であることを
    表す信号を導出する第2判定回路33aと、 第2判定回路33aの出力に応答し、集塵用電極13,
    14間に印加され、第2判定回路33aから導出された
    信号が表す時間変化率で変化する電圧を表す第4電圧制
    御信号を導出する第2起動電圧制御信号発生手段35a
    と、 前記第2の電圧を集塵休止時に保持させるための第5電
    圧制御信号を導出する第3電圧設定手段72aと、 第2起動電圧制御信号発生手段35aからの第4電圧制
    御信号が与えられる第1個別接点75aと第3電圧設定
    手段72aからの第5電圧制御信号が与えられる第2個
    別接点76aと共通接点74aとを有し、共通接点74
    aがいずれか一方の個別接点に切換えられる第2切換え
    スイッチ73aと、 集塵動作時には共通接点74aを第1個別接点75aに
    切換えて導通して第2起動電圧制御信号発生手段35a
    からの第4電圧制御信号を第2切換えスイッチ73aか
    ら出力させ、集塵休止時には共通接点74aを第2個別
    接点76aに切換えて導通して第3電圧設定手段72a
    からの第5電圧制御信号を第2切換えスイッチ73から
    出力させる第2切換え制御回路77aと、 第2切換スイッチ73aから出力された第4および第5
    電圧制御信号に応答して、第4および第5電圧制御信号
    が表す電圧を発生して、集塵用電極13,14間に印加
    する第2直流電圧発生回路24aとをさらに含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載の電気集塵機の制御
    装置。
  4. 【請求項4】 電圧を印加した電極6,7間に粉塵を含
    むガスを流過させて粉塵を帯電させる電気集塵機の運転
    起動方法において、 集塵休止動作時には、集塵動作時に電極6,7に印加す
    るべき予め定める第1の電圧未満の電圧であって、かつ
    前記電極の漏れ電流による発熱によって除湿することが
    できる第2の電圧を電極6,7間に印加した状態に保
    ち、 集塵動作時には、 前記ガスの温度Tpと、電極6,7間に印加される電圧
    Vpと、電極6,7に流れる電流Ipとを検出し、 ガスの温度Tpと電圧Vpとから、電極6,7間でコロ
    ナ放電が生じて火花放電が発生しない最大の電流であっ
    て、ガスの温度Tpの上昇にともなって大きくなり、電
    圧Vpの上昇にともなって大きくなる許容最大放電電流
    I1を求め、 許容最大放電電流I1が電流Ipを超えるとき、電極
    6,7間に印加する電圧を予め定める時間変化率で上昇
    させ、許容最大放電電流I1が電流Ip以下であると
    き、電極6,7間に印加する電圧を保持させることを特
    徴とする電気集塵機の運転起動方法。
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