JP2749905B2 - ドライクリーナの乾燥風量調整方法 - Google Patents

ドライクリーナの乾燥風量調整方法

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  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はドライクリーナにおける乾燥工程の低コスト
化を実現した乾燥風量調整方法に関する。
(従来の技術) まず、パークロルエチレンを溶剤に用いる場合のドラ
イクリーニング工程について第4図を参照しつつ概説す
る。
ドア1から衣料2を投入し、ドア1を閉じて運転を開
始すると、一般には次の順序で工程が進行する。
.溶剤タンク3から溶剤4をバルブ5を介してポンプ
6で汲揚げ、バルブ7、フィルタ8から成る経路、また
はバルブ9から成る経路によって処理槽10に溶剤4を必
要量送り込む。
.処理ドラム11をゆっくり回し、溶剤4を処理槽10、
ボタントラップ12、バルブ13、ポンプ6を経て、バルブ
7、フィルタ8からなる回路、またはバルブ9から成る
回路で循環して衣料2を洗浄する。
.処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、ポンプ
6、バルブ14、蒸留器15の経路で排液し、つづいて処理
ドラム11が高速回転して衣料2中の溶剤4を遠心分離
し、同様に排液する。
.前記の、の工程をくりかえす。
.処理槽10、ボタントラップ12、バルブ13、バルブ5
の経路で溶剤タンク3に排液し、つづいて処理ドラム11
が高速回転して衣料2中の溶剤4を遠心分離し排液す
る。
.再び処理ドラム11をゆっくり回し、ファン16、エア
クーラ17、エアヒータ18から成るリカバリエアダクト19
と処理槽10の間を矢印20の向きでエアを循環し、衣料2
を乾燥する。衣料2から蒸発した溶剤ガスは、エアクー
ラ17で凝縮し、回収経路21を経て水分離器22に入り、溶
剤配管23を通ってクリンタンク24に入る。
.乾燥が終了すると、ダンパ25,26が破線の如く開
き、ダンパ25から新鮮な空気をとり入れ、ダンパ26から
エアクーラ17では回収できない未凝縮溶剤ガスを排気
し、衣料2中の溶剤臭を脱臭する。
.上記の工程で蒸留器15に入った溶剤4は、蒸発し
てコンデンサ27で凝縮回収され、水分離器22、溶剤配管
23を通ってクリンタンク24に入り、オーバーフロー付仕
切板28から溶剤タンク3にもどる。水分離器22で分離し
た水は、水配管29によって系外へ排出する。
なお、第4図中30は水蒸気配管で、エアヒータ18に接
続してエアクーラ17を通過したエアを加熱する(例え
ば、エアの温度はエアヒータ18の入口部で約35℃、エア
ヒータ18の出口部で約90゜Cとなる。)ものであり、31
は冷却水配管で、蒸留器15で蒸発した溶剤ガス(蒸発温
度、例えば121℃)を凝縮液化(コンデンサ27江口温度
は約40℃)する。また32は蒸気配管で、蒸留器15に排液
された溶剤を加熱して蒸留する。
(発明が解決しようとする課題) 上述したの乾燥工程では、通常、1つのファンモー
タに直結するファンインペラの回転により風をリカバリ
エアダクト19と処理槽10の間を循環させ、エアクーラ17
で凝縮液化された溶剤以外の風をエアヒータ18を通過さ
せて熱風とし、これを衣料に吹き付け衣料に付着する溶
剤を蒸発させる。その蒸発溶剤はエアクーラ17を通され
凝縮液化されて回収される。
ここでエアクーラ17では、通常、水冷却が行われる
が、さらに回収効率を上げる為には冷凍機のエバボレー
タ(蒸発器)を使い、蒸気循環風を冷却すれば溶剤の回
収効率が良くなることは判っている。ところで、最近は
乾燥後の上述したの工程において外気を取り入れて脱
臭を行うと、その排気に付随して発生する諸問題を処理
するための費用がかかるため、これを省略することを考
える様になった。しかし、脱臭を省略するだけでは衣料
の残臭が大きい為、乾燥工程においてエアクーラ17を水
冷方式から冷凍機による冷却方式にかえるようにし、さ
らには乾燥末期はより深冷し、溶剤の回収率を上げて残
臭を少なくする工夫を行う必要が生じてくる。同一の冷
凍機を使用してより深冷する方法には様々な対応がある
が、循環する風量を少なくすればそのエアクーラへの負
荷が少なくなる分、深冷効果が増す。そこで通常は、乾
燥初期に大風量で大エネルギを衣料に与え、乾燥末期に
は小風量として溶剤の回収率を上げるようにすることが
考えられる。しかもこうした風量の切換えについても安
価なことが条件となる。
既述した如くドライクリーナの乾燥に使用するファン
は、一般にモータとファンインペラが直結した構造であ
るのが普通である。従ってそのファンの風量を変えるに
は直接モータ回転数を変化できることが必要であり、そ
のため例えばポールチェンジモータを使用し、2P,4Pの
組合せで乾燥初期は2Pで高速回転させ、末期は4Pで低速
回転する方法、あるいはインバータ(周波数変換)によ
り行われるのが普通であるが、そのいずれも高価である
ことが欠点である。
従って、本発明の目的は冷凍機の負荷変動を考慮しつ
つ、風量切換えを安価に行い、かつ効率的な溶剤回収が
可能な乾燥風量調整方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) このため本発明は、ドライクリーナの乾燥工程にあっ
て、前半は大風量で衣料からの溶剤蒸発を効果的に行
い、後半は冷却回収を主眼として低風量で処理するドラ
イクリーナにおいて、前半は乾燥用ファンモータを正転
させて大風量で乾燥し、後半はそれを逆転させて低風量
で冷却脱臭を行うもので、これを課題解決のための手段
とするものである。
(作用) モータを逆転させる電気回路は一般的に知られている
如く三相電源のR.S.T.相を切り変える電気回路を組んで
おけば良く、その費用はモータ容量にもよるが、汎用モ
ータからポールチェンジモータに変えた場合のモータの
コストアップ分相当が省略出来ることから非常に安価な
ものとなる。そして実験の結果、ドライクリーナの乾燥
システムにおいて第1図に示す如きファンインペラを正
・逆転させると、正転時は約4.7m3/分の風量が、逆転時
においては2.7m3/分の風量が得られる。即ち、正転時は
大風量で乾燥し、逆転時は低風量で冷却脱臭を行い、そ
の目的を十分に達した。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は本発明を実施するにあたって使用するファイ
ンペラの一例を示す一部破断平面図であり、第2図は同
図のA−A断面図である。また、第3図は同じくファン
ケーシングの一例を示す正面図である。
これらの図において、51はファンインペラ、52はファ
ンケーシング、53は羽根、54,55は側板、56はモータ軸
との連結部である。
本発明において使用するファンインペラ51を構成する
羽根53は方向性をもつことが重要であり、図示例は所謂
前向き羽根と呼称されるもので、複数枚の羽根53が連結
部中から放射状に、かつ同心円上に配置され、各羽根53
は所定の曲率半径Rを有し、その中心はインペラ51の同
一回転方向に存在している。第1図及び第3図におい
て、矢印a,bは回転方向を示し、aは正転、bは逆転を
示す。
ファンの能力は、ファンインペラ51の形状にのみ依存
するわけでなく、そのケーシング52の形状によっても影
響される。即ち、ファンインペラ51のファンケーシング
52との適合性、ファンインペラ51の幅、ファンケーシン
グ52のボリュート曲線の形状等さまざまな要素によりフ
ァンの性能が決定されるが、本発明において、重要な点
はファンの能力云々でなく、上述の如くファンインペラ
51を構成する羽根53が方向性を有することである。
本実施例では、図示の如きファンを使用し、しかも既
述したドライクリーニング工程のうちの乾燥におい
て、ファンを乾燥初期には矢印aの方向に正転させ、然
る後に矢印b方向に逆転させて、乾燥初期には大風量で
リカバリエアダクト19と処理槽10の間を循環させて大エ
ネルギを衣料に付与し、乾燥末期には乾燥初期に比べて
1/2〜3/4程度に風量を小さくして同じく循環させるよう
にして深冷効果を高め、同一冷凍機を使って乾燥末期に
おける溶剤の回収率を上げる。
因みに、本実施例の場合、上記初期風量は4.7m3/分で
あるのに対し、末期風量は2.7m3/分であり、初期の目的
が十分に達せられた。
なお、他の条件を同一にしてファンインペラ51の正・
逆転による風量変化を小さく設定したいときは、羽根53
の曲率半径Rを大きく設定すれば良い。勿論、その逆も
成り立つ。
(発明の効果) 以上、詳細に説明した如く本発明によればドライクリ
ーニングの乾燥工程においてファン駆動用モータとして
汎用モータを使用し、それを単に正転を逆転に切変える
だけで風量を目的に適った範囲で変化させ得るようにな
り、より安価なシステム構成とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するにあたって使用するファンイ
ンペラの単品例を示す一部破断正面図、第2図は同図の
A−A断面図、第3図は本発明に使用するファンケーシ
ング例を示す正面図、第4図は従来のドライクリーナを
示す概念図である。 図の主要部分の説明 51……ファンインペラ 52……ファンケーシング 53……羽根

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドライクリーナの乾燥工程にあって、前半
    は大風量で衣料からの溶剤蒸発を効果的に行い、後半は
    冷却回収を主眼として低風量で処理するドライクリーナ
    において、前半は乾燥用ファンモータを正転させて大風
    量で乾燥し、後半はそれを逆転させて低風量で冷却脱臭
    を行うことを特徴とするドライクリーナの乾燥風量調整
    方法。
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