JP2749868B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2749868B2 JP1111003A JP11100389A JP2749868B2 JP 2749868 B2 JP2749868 B2 JP 2749868B2 JP 1111003 A JP1111003 A JP 1111003A JP 11100389 A JP11100389 A JP 11100389A JP 2749868 B2 JP2749868 B2 JP 2749868B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、電子写真法,静電印刷法及び静電記録法な
どにおいて形成される静電荷潜像を磁性トナーを用いて
現像する工程を有する画像形成方法及びそのための画像
形成装置に関し、特に電子写真画像形成方法において、
潜像画像が単位画素により表現され、単位画素がオン−
オフの2値もしくは有限の階調により表現される、デジ
タル潜像を反転現像方式で顕像化するための画像形成方
法及び画像形成装置に関する。
〔背景技術〕
近年、電子写真複写機等画像形成装置が広く普及する
に従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質へ
の要求も厳しくなってきている。一般の書類,書物の如
き画像の複写では、微細な文字に至るまで、つぶれた
り、とぎれたりすることなく、極めて微細且つ忠実に再
現することが求められている。特に、画像形成装置が有
する感光体上の潜像が100μm以下の線画像の場合に細
線再現性が一般に悪く、線画像の微細さがいまだ充分で
はない。また、最近、デジタルな画像信号を使用してい
る電子写真プリンターの如き画像形成装置では、潜像は
一定電位のドツトが集まって形成されており、ベタ部,
ハーフトーン部およびライト部はドツト密度をかえるこ
とによって表現されている。ところが、ドツトに忠実に
トナー粒子がのらず、ドツトからトナー粒子がはみ出し
た状態では、デジタル潜像の黒部と白部のドツト密度の
比に対応するトナー画像の階調性が得られないという問
題点がある。さらに、画質を向上させるために、ドツト
サイズを小さくして解像度を向上させる場合には、微小
なドツトから形成される潜像の再現性がさらに困難にな
り、解像度及び階調性の悪い、シヤープネスさに欠けた
画像となる傾向がる。
このような微小な潜像を忠実に再現するためには、粒
径の小さいトナーが必要であり、これまでにもいくつか
提案されている。
特開昭58-129437号公報では、平均粒径が6〜10μm
であり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提
案されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下と少
なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の輪郭を明確に再現し、且つ潜像全体への緻密
なトナーののりの主要なる機能をもつことが知見され
た。特に、感光体上の静電荷潜像においては電気力線の
集中のため、輪郭たるエツジ部は内部より電界強度が高
く、この部分に集まるトナー粒子の質により、画質の鮮
鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば5μm以下の
粒子の量が画質の鮮鋭さの問題点の解決に有効であるこ
とが判明した。
一方、一成分磁性トナーを用いた現像装置としては、
たとえば特開昭57-66455号公報等があるが、トナー担持
体として、該表面を不定形粒子によるサンドブラスト処
理により、特定の凹凸状態の凹凸粗面となしたものを用
いることにより、そのトナー担持体表面に一様均一なム
ラのない、長期に亘って常に、良好なトナーコート状態
を維持する事が出来る優れた現像装置である。その目的
とする表面は、全域にわたって微細な無数の切り込み或
いは突起がランダムな方向に構成されている態様のもの
である。
しかしながら、かかる特定の表面状態を有するトナー
担持体を用いる現像装置では、前記のような粒径の小さ
いトナーを用いた際、トナーまたはトナー中の成分が、
該表面に付着しやすく、そのため、いわゆるトナー担持
体表面への汚染が起こり、その結果、初期画像の濃度低
下、更に耐久によってその汚染が進行した場合、トナー
担持体の回転周期で、画像白ヌケが発生しやすい傾向が
ある。これは、トナー中の成分が、トナー担持体表面の
凸部の斜面及び凹部に付着する為、磁性トナー粒子の帯
電不良が生じ、トナー層の電荷量が低下することによっ
て生ずるものである。
一般に、磁性トナー中の成分は、結着樹脂磁性体,荷
電制御剤,離型剤等の材料から成る。トナー担持体表面
への汚染を防止する様に、材料の設計がなされるが、そ
のため、極めて材料の選択が制約されるのが現状であ
る。
磁性トナー担持体への汚染を防止、あるいは、低減さ
せる方法として各種の提案がなされてきた。例えば、特
開昭57-66443号公報や特開昭58-178380号公報のように
トナー担持体表面に離型性の良い樹脂被膜を形成するも
の等がある。しかし、これらはトナー担持体表面の汚染
は防止できるが、前記のような粒径の小さいトナーを用
いた際にはトナーの電荷が必要以上に高くなりすぎ、ス
リーブ表面に静電的に強く付着し、現像されにくくなる
ため、画像濃度の低下が生じる。
以上の様に、微細な潜像を忠実に再現した画像を安定
に供給することはこれまで極めて困難であった。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述のごとき現像方法において、磁
性トナーをトナー担持体上に均一にトナーコートさせる
こと及び磁性トナー及び/又は磁性トナー中の成分によ
るトナー担持体表面への汚染を防止または低減させるこ
とを、長期にわたり同時に解決した画像形成方法及び画
像形成装置を提供するものである。
更に本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現性に
優れ、カブリがなく鮮明な高画質の画像が長期にわたっ
て得られる画像形成方法及び画像形成装置を提供するも
のである。
更に本発明の目的は、環境変動に対して性能の変化の
ない画像形成方法及び画像形成装置を提供するものであ
る。
〔発明の概要〕
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、上述の目
的の達成のために発明されたものであり、静電荷像を保
持する静電像保持体と、磁性トナーを表面に担持するト
ナー担持体とを現像部において一定の間隙を設けて配置
し、磁性トナーをトナー担持体上に前記間隙よりも薄い
厚さに規制して現像部に搬送し、現像部においてトナー
に交番電界をかけながら現像する画像形成方法または画
像形成装置において、該トナー担持体が導電性カーボン
及びグラフアイトを含有するフエノール樹脂膜で覆われ
た表面を有し、トナー担持体上のトナー層は層厚規制部
材により薄層として整層化され現像部へ搬送される。
該磁性トナーは少なくとも結着樹脂,磁性体を含有す
る絶縁性一成分磁性トナーであり、該磁性体は表面が実
質的に曲面で形成されている球状磁性粒子を50個数%以
上含有する球状磁性体であり、又、該トナー体積平均粒
径は6〜8μmを有し、5μm以下の粒径を有する磁性
トナー粒子が17〜60個数%含有され、6.35〜10.08μm
の粒径を有する磁性トナー粒子が5〜50個数%含有さ
れ、12.7μm以上の粒径を有する磁性トナー粒子が2.0
体積%以下で含有され、5μm以下の磁性トナー粒子群
が下記式 〔式中、Nは5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子
の個数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有する磁性ト
ナー粒子の体積%を示し、kは4.6乃至6.7の正数を示
す。但し、Nは17乃至60の正数を示す。〕 を満足することを特徴とする画像形成方法及び画像形成
装置に関する。
斯かる構成によれば、トナー担持体においては、その
表面が導電性カーボン及びグラフアイトを含有するフエ
ノール樹脂膜で覆われている為に、該表面にトナー成分
が付着しにくく、長期にわたって汚染を防止または低減
することができ、かつ、トナーの帯電量を適度に制御す
るため常に安定したトナーコート層を形成し、高濃度で
鮮明な画像が長期にわたって得られる。
一方、磁性トナーにおいては、磁性体が球状であるた
め結着樹脂への分散が良く、さらに体積平均粒径が6〜
8μmであり、特定の粒度を有しているため、画像濃度
が高く細線再現性に優れ、カブリがなく鮮明で高画質な
画像が長期にわたって得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。また、トナ
ー担持体を以下スリーブ、層厚規制部材をブレード、潜
像保持体をドラムと称する。
本発明中のスリーブは、非磁性のステンレス又はアル
ミニウム等から成る円筒状基体の周面上を導電性カーボ
ン及びグラフアイトを含有するフエノール樹脂によりコ
ートしたものでる。本構成中でフエノール樹脂を用いる
理由は比較的トナー成分が付着しにくく、かつ摩擦帯電
系列上でトナーと適度に離れた位置にあるため、トナー
の帯電が高くなりすぎることも低すぎることもなく適当
な帯電性能を有しているためである。また、フエノール
樹脂は熱硬化性樹脂であり、一般的な熱硬化性樹脂の中
では硬化の高い樹脂である。それはフエノール樹脂が熱
硬化反応により密な三次元の架橋構造を形成するため、
非常に硬い塗膜を形成し、他の樹脂には見られない優れ
た耐久性を得ることができる。従ってスリーブ塗膜を形
成した際にも塗膜のキズやはがれがなく、常に安定した
画質を提供することができる。フエノール樹脂には、フ
エノールとホルムアルデヒドよりなる純フエノール樹
脂,エステルガムと純フエノール系を組合せた変性フエ
ノール樹脂があるが、本発明にはいずれも使用できる。
本発明中のスリーブの塗膜中には、導電性カーボン及
びグラフアイトが含有されている。該導電性カーボン及
びグラフアイトは適度にスリーブ表面に凹凸を形成し、
かつスリーブ被膜上に残る電荷をほどよくスリーブ基体
にリークさせるため、常に安定したトナーコート層が得
られる。このような材料として、金,銀,銅,鉛,スズ
等の各種金属や酸化スズ,酸化インジウム,酸化アンチ
モン,酸化タングステン等の各種金属酸化物等を検討し
たが、いずれも十分な特性を示さず、導電性カーボンと
グラフアイトを組合せて用いたとき最も優れた特性を示
した。本発明に用いられる導電性カーボンとしてはオイ
ルフアーネス,アセチレンブラツク,ケツツエンブラツ
ク等の抵抗値が120Kg/cm2で加圧時に0.5Ω・cm以下のも
のが好ましい。又、本発明に用いられるグラフアイトは
灰色ないし黒色の光沢、滑性のある結晶鉱物で、天然
物,人造品のいずれも用いることができる。
また、本発明に係るスリーブの塗膜中には導電性カー
ボン,グラフアイトに加えてその他の添加物を加えても
良い。たとえば塗膜表面の粗度を調節する表面粗剤とし
て働くもの、あるいはトナーの帯電量をコントロールす
る荷電制御剤等である。
該導電性カーボン及びグラフアイトは、グラフアイト
/カーボン=1/1〜100/1の混合比率で用いるのが好まし
く、該混合物のフエノール樹脂に対する比率は1/3〜2/1
の範囲で用いるのが好ましい。導電カーボンとグラフア
イトの比率及び導電カーボン,グラフアイトの混合物と
フエノール樹脂の比率を上記の範囲で用いることにより
スリーブ表面に適度の凹凸があり、適度な抵抗を有する
トナー成分による汚染が極めて少ない高耐久性の被膜を
形成することができ、常に安定したトナーコート層が得
られ安定した画像濃度,画質が長期にわたって得られ
る。
本発明に用いられるブレードは、スリーブと一定の間
隙をおいて配置される金属ブレード、あるいはスリーブ
表面に弾性力で当接する弾性ブレードいずれも使用可能
であるが、本発明には弾性ブレードが好ましく用いられ
る。
弾性ブレードとしては、シリコンゴム,NBR等のゴム弾
性体、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性
体、ステンレス,鋼等の金属弾性体が使用でき、その上
辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持させ、下辺
部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向あ
るいは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方
向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度の弾性押圧
をもって当接させる。画像形成装置の例を第1図,第2
図の略図に示す。この様な装置によると、環境の変動に
対しても安定に薄く、緻密なトナー層が得られる。その
理由は必ずしも明確ではないが、通常用いられる金属製
のブレードをスリーブからある間隙を隔ててとり付けた
装置と比較してトナー粒子が弾性ブレードによってスリ
ーブ表面と強制的に摩擦されるためトナーの環境変化に
よる挙動の変化に関係なく常に同じ状態で帯電がおこな
われるためと推測される。
第1図,第2図を参照しながら、本発明の画像形成方
法及び画像形成装置を説明する。一次帯電器2で感光体
表面15を負極性に帯電し、レーザ光5による露光により
イメージスキヤニングしてデジタル潜像を形成し、弾性
ブレード11及び磁石14を内包している表面を導電性カー
ボン及びグラフアイトを含有するフエノール樹脂膜で覆
った現像スリーブ4を具備する現像器の一成分磁性トナ
ー10で該潜像を現像する。現像部において、感光ドラム
1の導電性基体16、現像スリーブ4との間でバイアス印
加手段12により、交番電界及び/又は直流バイアスが印
加されている。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると
転写帯電器3により、転写紙の背面(感光ドラム側と反
対面)から正極性の帯電をすることにより感光ドラム表
面上の負荷電性トナー像が転写紙上へ静電転写される。
感光ドラム1から分離された転写紙は加熱加圧ローラ定
着器7により転写紙P上のトナー画像は定着される。
転写工程後の感光ドラムに残留する一成分系現像剤
は、クリーニングブレードを有するクリーニング器8で
除去される。クリーニング後の感光ドラム1は、イレー
ス露光6により除電され、再度、一次帯電器2による帯
電工程から始まる工程が繰り返される。
静電像保持体(感光ドラム)は感光層15及び導電性基
体16を有し、矢印方向に動く。現像剤担持体である非磁
性円筒の現像スリーブ4は、現像部において静電像保持
体表面と同方向に進むように回転する。非磁性円筒4の
内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネツ
トロール)14が回転しないように配されている。現像器
9内の一成分系絶縁性現像剤は、弾性ブレードによって
現像スリーブ表面上に薄く塗布され、その摩擦によりト
ナー粒子は電荷を与えられる。
現像部において現像剤担持体4と静電像保持面との間
で交番電界をかける。この交流バイアスはfが200〜4,0
00Hz、Vppが500〜3,000Vであれば良い。
現像部分におけるトナー粒子の転移に際し、静電像保
持面の静電的及び交流バイアスの作用によってトナー粒
子は静電像側に転移する。トナー容器内にはトナー容器
内撹拌手段13を備えていることが好ましく、トナー容器
9のトナー10を積極的に現像スリーブ近傍へ送ることで
トナー切れ寸前まで均一なトナー層を形成させるのに有
効である。
本発明に係るトナーに用いられる磁性体は磁性粒子表
面が曲面で形成されている磁性粒子を50個数%以上(好
ましくは70個数%以上、さらに好ましくは80個数%)含
有している。磁性粒子表面が平面から形成され、端部が
角ばっている通常の立方晶系の磁性体等が球状磁性体に
含有されている場合でも、その含有量は、50個数%未満
であることが必要である。
さらに、球状磁性体は、平均粒径0.1〜0.35μmを有
するものが使用される。本発明において、球状磁性体の
平均粒径は、試料を走査型電子顕微鏡で拡大写真にと
り、ランダムに100個乃至200個の粒子の長径値を測定
し、その平均値を算出することにより求められる。
好ましくは、本発明に係る磁性トナーに使用される球
状磁性体は、1.2〜2.5g/cm3、さらに好ましくは1.5〜2.
0g/cm3の固め見掛け密度を有し、且つ5〜30ml/100g、
好ましくは10〜25ml/100g、さらに好ましくは12〜17ml/
100gのアマニ油吸油量を有する。
本発明において、磁性体の固め見掛け密度(パツクバ
ルク密度)は、細川ミクロン(株)製のパウダーテスタ
ー及び該パウダーテスターに付属している容器を使用し
て、該パウダーテスターの取扱い説明書の手順に従って
測定した値をいう。
本発明において、磁性体のアマニ油吸油量はJIS K 51
01-1978(顔料試験方法)に記載されている方法に従っ
て測定された値をいう。
第2図に示す如き立方晶のマグネタイト粒子からなる
従来の磁性体は、固め見掛け密度が0.6g/cm3未満であ
り、通常は0.3〜0.5g/cm3の範囲にある。
球状のマグネタイト粒子からなる従来の磁性体は、固
め見掛け密度が1.0g/cm3未満であり、通常は0.7〜0.9g/
cm3の範囲にある。
固め見掛け密度が0.6g/cm3未満の、立方晶のマグネタ
イト粒子からなる従来の磁性体を使用した磁性トナー
は、トナー粒子中又はトナー粒子間における磁性粒子の
分散均一性がいまだ不充分であり、デジタル潜像を現像
した際にトナー画像がカスレる場合がある。第3図に示
すチエツカー模様を示す原画像のデジタル潜像を従来の
立方晶を示す磁性体を含有する磁性トナーで現像した場
合、黒色画像部が部分的に欠落する傾向があり、解像性
の如き現像特性にいまだ改良すべき点がある。立方晶を
示すマグネタイト粒子からなる磁性体を、解砕処理して
マグネタイト粒子の凝集体を解砕した場合、処理された
磁性体の固め見掛け密度は大きくなり、処理された磁性
体を含有する磁性トナーは現像特性が未処理の磁性体を
含有する磁性トナーと比較して向上しているが、いまだ
不充分である。さらに、立方晶の結晶の如く粒子中に、
平坦な部分を有する粉体は、解砕処理の際、粒子同士の
平面で密着が起こり、その密着を引き離すためには、曲
面の場合に比べ高いエネルギーを必要とする。立方晶系
の磁性粒子は先鋭なエツジ部が存在し、先端部が応力で
破壊されやすい。したがって、立方晶系磁性体の凝集を
解砕処理する場合、相当量の摩砕微粉が生成し、処理後
の磁性体が当初求めていた特性(BET比表面積等)が変
化してしまう。
解砕処理をしていない、球状のマグネタイト粒子から
なる磁性体は、立方晶系の磁性体と比較して結着樹脂へ
の分散性は向上している。
未解砕処理の球状磁性体は、解砕処理することによ
り、固め見掛け密度が大きくなり、樹脂への分散性がよ
り向上する。
本発明においては、1.2〜2.5g/cm3の固め見掛け密度
を有する球状磁性体を使用することが好ましく、固め見
掛け密度の該値は、通常の未処理の立方晶系の磁性体、
解砕処理をうけた立方晶系の磁性体及び未処理の球状磁
性体が満足し得ない程度に大きな値である。本発明で好
ましく使用される特定な球状磁性体は、0.7g/cm3以上乃
至1.0g/cm3未満の固め見掛け密度及び10〜35ml/100gの
アマニ油吸油量を有する球状磁性体を解砕処理すること
により調製することができる。球状磁性体を解砕処理す
るために使用される手段として、粉体を解砕するための
高速回転子を具備している機械式粉砕機、及び粉体を分
散または解砕するための加重ローラを具備している加圧
分散機が例示される。
機械式粉砕機を使用して磁性粒子の凝集体を解砕処理
する場合には、回転子による衝撃力が磁性粒子の1次粒
子にも過度に加わりやすく、1次粒子そのものが破壊さ
れて、磁性粒子の微粉体が生成しやすい。そのため、機
械式粉砕機で解砕処理された磁性体をトナーの原料とし
た場合、磁性粒子の微粉体の存在により、トナーの摩擦
帯電特性が劣化する。したがって、トナーの摩擦帯電量
の低下による、トナー画像濃度の低下が発生しやすい。
これに対し、フレツドミルの如き加重ローラを具備し
ている加圧分散機が球状磁性粒子の凝集体の解砕処理の
効率及び微粉状磁性粒子の生成の抑制という点で好まし
い。
磁性体の固め見掛け密度及び吸油量は、磁性粒子の形
状、磁性体の表面状態及び磁性粒子の凝集体の存在量を
間接的に示していると解することができる。磁性体の固
め見掛け密度が1.2g/cm3未満の場合には、磁性体中に立
方晶の形状の磁性粒子が多量に存在しているか、また
は、磁性粒子の凝集体が多数存在していて、磁性体の解
砕処理が実質的に不充分であることを示している。した
がって、固め見掛け密度が1.2g/cm3未満の磁性体を使用
した場合には、磁性体が結着樹脂へ均一に分散しにく
く、磁性体の不均一分散によるトナー画像のカスレ、ト
ナーの解像力の低下及びトナー粒子による感光体表面の
損傷が発生しやすい。
磁性体の固め見掛け密度が2.5g/cm3を越える場合、磁
性粒子の凝集体の解砕が過度におこなわれて、加圧によ
る磁性粒子相互の固着が発生し、磁性体のペレツトが生
成し、結果として、不均一な磁性トナー粒子が生成する
傾向がある。
磁性体の吸油量の値が上限及び下限を逸脱した場合
も、固め見掛け密度の場合と同様な現象が生じやすい。
本発明者らの研究によれば、立方晶の磁性体の場合、
磁性粒子の凝集体の解砕処理後のBET比表面積の値は、
処理前のBET比表面積の値と比較して10%以上増大する
ことが知見されている。このことは、解砕処理によって
磁性粒子の微粉体が多量に生成していると解される。こ
れに対し、球状磁性体の場合、処理後のBET比表面積の
値は、処理前のBET比表面積の値と実質的に同等か、ま
たは数%減少することが知見されている。したがって、
磁性粒子の形状に関して、解砕処理前と処理後の磁性体
のBET比表面積の変化を観察することによって、磁性粒
子の形状が立方晶系か球状であるか否かを判定すること
が可能である。具体的には、解砕処理によって磁性体の
固め見掛け密度を約30%大きくした時点における、磁性
体のBET比表面積の値が処理前のBET比表面積の値と比較
して実質的に同等または減少している場合、該磁性体の
形状は、球状であるとみなすことができる。本発明にお
いて、電子顕微鏡写真による磁性体の一次粒径が0.1〜
0.35μの範囲にあり、かつ、チツ素ガス吸着方式による
BET比表面積が6.0〜8.0m2/gである磁性体の場合、特に
好ましい。
さらに、本発明に係る球状磁性体は、10,000エルステ
ツドの磁界下において60〜90emu/gの飽和磁化(σs),3
〜9emu/gの残留磁化(σr),40〜80(好ましくは50〜7
0)エルステツドの保磁力(Hc)及び/又はσr/σs
値が0.04〜0.10を有していることが、スリーブ上におけ
る磁性トナーの搬送性及びデジタル潜像を磁界の存在下
で現像する現像法において好ましい。磁性体の保磁力を
40〜80エルステツドにすることは、従来の立方晶系の磁
性体では極めて困難であり、磁性体の形状を間接的に規
定していると解することができる。
磁性体の磁気的特性は、例えば東英工業株式会社製の
VSMP-1によって測定された値をいう。
本発明に係る磁性トナーは、摩擦電荷を有するために
実質的に電気絶縁性である。具体的には、3.0Kg/cm2
加圧下において、100Vの電圧を印加したときの抵抗値が
1014Ω・cm以上を有していることが好ましい。本発明に
係る球状磁性体は、結着樹脂100重量部に対して70〜120
重量部含有されている。70重量部未満では、スリーブの
如き現像剤担持体上における磁性トナーの搬送性が不足
する。120重量部を越える場合では、磁性トナーの絶縁
性及び熱定着性が低下する。
本発明に係る球状磁性体は、硫酸第一鉄を原料とする
湿式法によって生成されることが好ましく、マンガンま
たは亜鉛の如き2価金属化合物を0.1〜10重量%含有し
ているマグネタイトまたはフエライトから形成されてい
ることが好ましい。
本発明に係る磁性トナーにおいては、帯電量が−20〜
−35μc/gを有し、窒素ガス吸着法によるBET比表面積1.
8〜3.5m2/gを有し、ゆるみ見掛け密度0.4〜0.52g/cm3
有し、真比重1.45〜1.8g/cm3を有する。該トナーの摩擦
帯電量が−20μc/g未満であると、現像剤担持体上で現
像に十分な帯電量を得られず、初期から画像濃度が低
く、また、スリーブ上のトナーがスリーブの回転により
飛散する現象が生じる。一方、−35μc/gより大きい場
合、画出しをくり返すことでスリーブ上でのスリーブ近
傍のトナーの帯電量が大きくなって、そこに供給される
トナーの適正な帯電を阻害する、いわゆるチヤージアツ
プ現象が生じ、徐々に画像濃度の低下を生ずる。この現
象はドツト潜像の現像であるデジタル潜像を現像する際
に生じやすく、さらにOPC感光体を用いた低電位コント
ラストの反転現像方式において顕著である。
また本発明の現像剤の窒素ガス吸着法によるBET比表
面積が1.8m2/g未満であると現像剤担持体上で現像に十
分な帯電量を得るのに時間がかかり、初期濃度が薄くカ
ブリの多い画像となる。また3.5m2/gより大きいとスリ
ーブとの鏡映力が大きくなり、現像率の低下が生じ結果
として画像濃度の低下を生じる。
また本発明の現像剤の真比重は1.45〜1.8g/cm3であ
り、1.45未満では磁界中で交流バイアスをかけて現像す
る方式においてカブリを生じやすく、またライン幅が太
くなり解像力が悪化する。
1.8より大きいとラインかすれが生じやすく画像濃度
も低下する。
また本発明の現像剤のゆるみ見掛け密度は0.4〜0.52
であり(好ましくは0.45〜0.5)、真比重の大きさに比
し、ゆるみ見掛け密度が小さいことが特徴的である。真
比重とゆるみ見掛け密度から計算される空隙率は62〜75
%であることが好ましい。
空隙率(εa)は下記式で計算される。
また固め見掛け密度は、0.8〜1.0の範囲が好ましく、
この際の空隙率(εp)は40〜50%が好ましい。
εaが62%未満であると現像器内部での撹拌によるト
ナーのほぐしが十分でなく75%より大きいとトナー飛
散、トナーもれを生じやすい。
εpが40%未満であると現像器内部で現像剤づまりを
生じやすく、現像剤が円滑に現像剤担持体に供給されず
白ヌケをおこしやすい。また50%より大きいと同一量の
現像剤を内包するのに、より大きな現像器容量が必要と
なり、プリンターの小型化の障害となる。
本発明におけるトナーの帯電量はトナー1gと200〜300
メツシユの鉄粉キヤリア9gを50ccのポリエチレン製のビ
ンにとり、ふたをして23℃,60%RH環境下で20秒間(約1
00回)手で振り撹拌した混合物を少量第4図の装置の容
器にとり、電位が飽和するまで約1分間250mm H2Oの圧
力で吸引する。
このときの飽和電位V、コンデンサー容量C、吸引
前、後の容器の重量W1、W2から帯電量Qを以下の式によ
り求めた。
また、磁性トナー粒子のBET比表面積は、QUANTACHROM
E社製比表面積計オートソーブ1を使用し、BET1点法に
より求めた。
本発明におけるゆるみ見掛密度は細川ミクロン(株)
製のパウダーテスター及び該パウダーテスターに付属し
ている容器を使用して該パウダーテスターの取扱い説明
書の手順に従って測定した。
本発明における真密度の測定は微粉体を測定する場
合、正確かつ簡便な方法として次の方法を採用した。
ステンレス製の内径10mm、長さ約5cmのシリンダー
と、その中に密着挿入できる外径約10mm、高さ5mmの円
盤(A)と、外径約10mm、長さ約8cmのピストン(B)
を用意する。シリンダーの底に円盤(A)を入れ、次で
測定サンプル約1gを入れ、ピストン(B)を静かに押し
込む。これに油圧プレスによって400kg/cm2の力を加
え、5分間圧縮したものをとり出す。この圧縮サンプル
の重さを秤量(wg)し、マイクロメーターで圧縮サンプ
ルの直径(Dcm)、高さ(Lcm)を測定し、次式によつて
真密度を計算する。
本発明に係る磁性トナーおいては、体積平均粒径が6
〜8μmを有し、5μm以下の粒径を有する磁性トナー
粒子が17〜60個数%含有され、6.35〜10.08μmの粒径
を有する磁性トナー粒子が5〜50個数%含有され、12.7
μm以上の粒径を有する磁性トナー粒子が2.0体積%以
下で含有され、5μm以下の磁性トナー粒子群が下記式 〔式中、Nは5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子
の個数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有する磁性ト
ナー粒子の体積%を示し、kは4.6乃至6.7の正数を示
す。但し、Nは17乃至60の正数を示す。〕 を満足する粒度分布を有することが一つの特徴である。
上記の如き特定な粒度分布を有する絶縁性磁性トナー
は、本発明画像形成方法、及び画像形成装置との相乗的
効果によってデジタル潜像の解像力に特に優れ、さらに
画像濃度の点でも優れている。
本発明に係る磁性トナーにおいて、このような効果が
得られる理由は、必ずしも明確ではないが、以下のよう
に推定される。
すなわち、本発明の磁性トナーにおいては、5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が17〜60個数%であることが
一つの特徴である。従来、磁性トナーにおいては5μm
以下の磁性トナー粒子は、帯電量コントロールが困難で
あったり、磁性トナーの流動性を損ない、また、トナー
飛散として機械を汚す成分として、さらに、画像のカブ
リを生ずる成分として、積極的に減少することが必要で
あると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm以
下の磁性トナー粒子が高品質な画質を形成するための必
須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
磁性トナーを用いて、感光体上の表面電位を変化し、多
数のトナー粒子が現像され易い大きな現像電位コントラ
ストから、ハーフトーンへ、さらに、ごくわずかのトナ
ー粒子しか現像されない小さな現像電位コントラストま
で、感光体上の表面電位を変化をさせた潜像を現像し、
感光体上の現像されたトナー粒子を集め、トナー粒度分
布を測定したところ、8μm以下の磁性トナー粒子が多
く、特に5μm以下の磁性トナー粒子が多いことが判明
した。すなわち、現像にもっとも適した5μm以下の粒
径の磁性トナー粒子が感光体の潜像の現像に円滑に供給
される場合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出すこと
なく、真に再現性の優れた画像がえられるものである。
この現像は、デジタル潜像の反転現像の場合も、同様で
あつた。
又、本発明に係る磁性トナーにおいては、6.35〜10.0
8μmの範囲の粒子が5〜50個数%であることが一つの
特徴である。これは、前述のごとく、5μm以下の粒径
の磁性トナー粒子の存在の必要性と関係があり、5μm
以下の粒径の磁性トナー粒子は、潜像を厳密に覆い、忠
実に再現する能力を有するが、潜像自身において、その
周囲のエツジ部の電界強度が中央部よりも高く、そのた
め、潜像内部がエツジ部より、トナー粒子ののりがうす
くなり、画像濃度が薄く見えることがある。特に、5μ
m以下の磁性トナー粒子は、その傾向が強い。しかしな
がら、本発明者らは、6.35〜10.08μmの範囲のトナー
粒子を5個数%〜50個数%含有させることによって、こ
の問題を解決し、さらに鮮明にできることを知見した。
すなわち、6.35〜10.08μmの粒径の範囲のトナー粒子
が5μm以下の粒径の磁性トナー粒子に対して、適度に
コントロールされた帯電量をもつためと考えられるが、
潜像のエツジ部より電界強度の小さい内側に供給され
て、エツジ部に対する内側のトナー粒子ののりの少なさ
を補って、均一なる現像画像が形成され、その結果、高
い濃度で解像性及び階調性の優れたシヤープな画像が提
供されるものである。
さらに、5μm以下の粒径の粒子について、その個数
%(N)と体積%(V)との間に、N/V=0.05N+k(但
し、4.6≦k≦6.7:17≦N≦60)なる関係を本発明の磁
性トナーが満足していることも特徴の一つである。第7
図にこの範囲を示すが、他の特徴と共に、この範囲を満
足する粒度分布の本発明に係る磁性トナーを含有する磁
性現像剤は微小スポットから形成されるデジタル潜像に
対して優れた現像性を達成しうる。
本発明者らは、5μm以下の粒度分布の状態を検討す
る中で、上記式で示すような最も目的を達成するに適し
た微粉の存在状態があることを知見した。すなわち、あ
るNの値に対して、N/Vが大きいということは、5μm
以下の粒子まで広く含んでいることを示しており、N/V
が小さいということは、5μm付近の粒子の存在率が高
く、それ以下の粒径の粒子が少ないことを示していると
解され、N/Vの値が1.6〜5.85の範囲内にあり、且つNが
17〜60の範囲にあり、且つ上記関係式をさらに満足する
場合に、良好な細線再現性及び高解像性が達成される。
また、12.7μm以上の粒径の磁性トナー粒子について
は、2.0体積%以下にし、できるだけ少ないことが好ま
しい。
本発明の磁性現像剤は従来の問題点を解決し、最近の
厳しい高画質への要求にも耐えることを可能としたもの
である。
本発明の構成について、さらに詳しく説明をする。
5μm以下の粒径の磁性トナー粒子が全粒子数の17〜
60個数%であることが良く、好ましくは25〜60個数%が
良く、さらに好ましくは30〜60個数%が良い。5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が17個数%未満であると、高
画質に有効な磁性トナー粒子が少なく、特に、プリント
アウトをつづけることによってトナーが使われるに従
い、有効な磁性トナー粒子成分が減少して、本発明で示
すところの磁性トナーの粒度分布のバランスが悪化し、
画質がしだいに低下してくる。また、60個数%を越える
場合は、磁性トナー粒子相互の凝集状態が生じやすく、
本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質とな
り、解像性を低下させ、または潜像のエツジ部と内部と
の濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画像となりやす
い。
また、6.35〜10.08μmの範囲の粒子が5〜50個数%
であることが良く、好ましくは8〜40個数%が良い。50
個数%より多いと、画質が悪化すると共に、必要以上の
現像、すなわち、トナーののりすぎが起こり、細線再現
性が低下し、トナー消費量の増大をまねく。一方、5個
数%未満であると、高画像濃度が得られにくくなる。ま
た、5μm以下の粒径の磁性トナー粒子群の個数%(N
%)、体積%(V%)の間に、N/V=−0.05N+kなる関
係があり、4.6≦k≦6.7の範囲の正数を示す。好ましく
は4.6≦k≦6.2、さらに好ましくは4.6≦k≦5.7であ
る。先に示したように、17≦N≦60、好ましくは25≦N
≦60、さらに好ましくは30≦N≦60である。
k<4.6では、5.0μmより小さな粒径の磁性トナー粒
子数が少なく、画像濃度、解像性、鮮鋭さで劣ったもの
となる。従来、不要と考えがちであった微細な磁性トナ
ー粒子の適度な存在が、現像において、トナーの最密充
填化を果たし、粗れのない均一な画像を形成するのに貢
献する。特に細線及び画像の輪郭部を均一に埋めること
により、視覚的にも鮮鋭さをより助長するものである。
すなわち、k<6.7では、この粒度分布成分の不足に起
因して、これらの特性の点で劣ったものとなる。
別の面からは、生産上も、k<4.6の条件を満足する
には分級等によって、多量の微粉をカツトする必要があ
り、吸率及びトナーコストの点でも不利なものとなる。
また、k>6.7では、必要以上の微粉の存在によって、
くり返しプリントアウトをつづけるうちに、画像濃度が
低下する傾向がある。この様な現象は、必要以上の荷電
をもった過剰の微粉状磁性トナー粒子が現像スリーブ上
に帯電付着して、正常な磁性トナーの現像スリーブへの
担持および荷電付与を阻害することによって発生すると
考えられる。
また、12.7μm以上の粒径の磁性トナー粒子が2.0体
積%以下であることが良く、さらに好ましくは1.0体積
%以下であり、さらに好ましくは0.5体積%以下であ
る。2.0体積%より多いと、細線再現における妨げにな
る。また、磁性トナーの体積平均径は6〜8μmであ
り、この値は先にのべた各構成要素と切りはなして考え
ることはできないものである。体積平均粒径6μm未満
では、グラフイク画像などの画像面積比率の高いデジタ
ル潜像の用途では、転写紙上のトナーののり量が少な
く、画像濃度の低いという問題点が生じやすい。これ
は、先に述べた潜像におけるエツジ部に対して、内部の
濃度が下がる理由と同じ原因によると考えられる。体積
平均粒径8μmを越える場合では100μm以下の微小ス
ポツトの解像度が良好でなく、またプリントアウトの初
めは良くとも使用をつづけていると画質低下を発生しや
すい。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA
-II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布
を出力するインターフエイス(日科機製)及びCX-1パー
ソナルコンピユータ(キヤノン製)を接続し、電解液は
1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg
(粒子数として約3万〜約30万個)加える。試料を懸濁
した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターカウンターTA II型により、アパチ
ヤーとして100μアパチヤーを用いて、個数を基準とし
て2〜40μの粒子の粒度分布を測定して、それから本発
明に係るところの値を求めた。
本発明に係る磁性トナーに使用される結着樹脂として
は、オイル塗布する装置を有する加熱加圧ローラ定着装
置を使用する場合には、下記トナー用結着樹脂の使用が
可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、
ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フエノ
ール樹脂、天然変性フエノール樹脂、天然樹脂変性マレ
イン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸
ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、
クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
オイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式にお
いては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部がロー
ラに転移するいわゆるオフセツト現象、及びトナー像支
持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。よ
り少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中
もしくは現像器中でブロツキングもしくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。これらの現象にはトナー中の結着樹脂の
物性が最も大きく関与しているが、本発明者らの研究に
よれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着時
にトナー像支持部材に対するトナーの密着性は良くなる
が、オフセツトが起こり易くなり、またブロツキングも
しくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本発明に
おいてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式
を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要である。好
ましい結着物質としては、架橋されたスチレン系共重合
体もしくは架橋されたポリエステルがある。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリルサン酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、
メタクリニトリル、アクリルアミドなどのような二重結
合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例え
ば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル
類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのよう
なエチレン系オレフイン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエート
ル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
ここで架橋剤としては主として2個以上の重合可能な
二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビ
ニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフイド、ジビニルスルホン
などのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラ
ストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、線状飽和ポリエステル、パラフインなどがある。
また、本発明の磁性トナーには荷電制御剤をトナー粒
子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)し
て用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像シ
ステムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能であり、荷電制御剤を
用いることで先に述べたところの粒径範囲毎による高画
質化のための機能分離および相互補完性をより明確にす
ることができる。
本発明に用いることのできる負荷電性制御剤として
は、例えば、モノアゾ染料の金属錯体、または塩、サリ
チル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、
またはナフトエ酸の金属錯体または塩が用いられる。
上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しな
いもの)は、微粒子状として用いることが好ましい。こ
の場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、具体的に
は、4μm以下(更には3μm以下)が好ましい。
トナーに内添する際、このような荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部(更には0.1〜5
重量部)用いることが好ましい。
又、その他の着色材として従来より知られている染料
顔料が使用可能であり、通常結着樹脂100重量部に対し
て0.5〜20重量部使用できる。
本発明の磁性トナーは疎水性シリカ微粉体を有してい
る。
本発明の特徴とするような粒度分布を有する磁性トナ
ーでは、比表面積が従来のトナーより大きくなる。摩擦
帯電のために磁性トナー粒子と、内部に磁界発生手段を
有した円筒状の導電性スリーブ表面と接触せしめた場
合、従来の磁性トナーよりトナー粒子表面とスリーブと
の接触回数は増大し、トナー粒子の摩耗やスリーブ表面
の汚染が発生しやすくなる。本発明に係る磁性トナー
と、シリカ微粉末を組み合せるとトナー粒子とスリーブ
表面の間にシリカ微粉末が介在することで摩耗は著しく
軽減される。これによって、磁性トナーおよびスリーブ
の長寿命化がはかられると共に、安定した帯電性も維持
することができ、長期の使用にもより優れた磁性トナー
を有する現像剤とすることが可能である。さらに、本発
明で主要な役割をする5μm以下の粒径を有する磁性ト
ナー粒子は、シリカ微粉末の存在で、より効果を発揮
し、高画質な画像を安定して提供することができる。
シリカ微粉体としては、乾式法及び湿式法で製造した
シリカ微粉体をいずれも使用できるが、耐フイルミング
性、耐久性の点からは乾式法によるシリカ微粉体を用い
ることが好ましい。
ここで言う乾式法とは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成するシリカ微粉体の製造方である。例
えば四塩化ケイ素ガスの酸素水素中における熱分解酸化
反応を利用する方法で、基礎となる反応式は次の様なも
のである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 又、この製造工程において、例えば、塩化アルミニウ
ム、又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ
素ハロゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の
金属酸化物の複合微粉体を得る事も可能であり、それら
も包含する。
本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸
化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例え
ば、以下の様な商品名で市販されているものがある。
AEROSIL 130 (日本アエロジル社) 200 300 380 OX50 TT600 MOX80 MOX170 COK84 Ca-O-SiL M-5 (CABOTO Co.社) MS-7 MS-75 HS-5 EH-5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER-CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D-C Fine Silica (ダウコーニング Co.社) Fransol (Fransil 社) 一方、本発明に用いられるシリカ微粉体を湿式法で製
造する方法は、従来公知である種々の方法が適用でき
る。たとえば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般
反応式で下記に示す。
Na2O・XSiO2+HCl+H2O→SiO2・nH2O+NaCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはア
ルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ
土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸
とする方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂に
よりケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利
用する方法などがある。
ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化ケイ素(シ
リカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛
などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が70〜300m2/gの範囲内のものが良好
な結果を与える。磁性トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.6〜1.6重量部使用するのが良い。
疎水性シリカ微粉体としては、負帯電性の疎水性シリ
カ微粉体が好ましい。
本発明に用いる疎水性シリカ微粉体は、帯電量が−10
0〜−300μc/gを有するものが好ましく用いられる。シ
リカの帯電量が−100μc/gに満たないものはトナー自体
の帯電量を低下させ、湿度特性が低下する。また、−30
0μc/gを越えるものを用いると、スリーブメモリーを促
進させ、また、シリカ劣化等の影響を受けやすくなり、
耐久特性に支障をきたす。また、300m2/gより細かいも
のは現像剤への添加効果がなく、70m2/gよりあらいもの
は遊離物としての存在確率が大きく、シリカの偏積や凝
集物による黒ポチの発生原因となりやすい。
負帯電性のシリカ微粉体の帯電量は、前記のトナーの
帯電量測定の場合と同様であるが、シリカと鉄粉キヤリ
アの重量比は2:98で行なう。
本発明に用いられるシリカ微粉体はケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法ま
たはヒユームドシリカと称される乾式シリカ及び水ガラ
ス等から製造される、いわゆる湿式シリカの両方が使用
可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基が少な
く、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物
理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理するこ
とによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素
ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリ
カ微粉体をシランカツプリング剤で処理した後、あるい
はシランカツプリング剤で処理すると同時にシリコーン
オイルの如き有機ケイ素化合物で処理する。
疎水化処理に使用されるシランカツプリング剤として
は、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジク
ロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフエニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロ
キサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3
−ジフエニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げ
られる。
好ましいシランカツプリング剤としては、ヘキサメチ
ルジシラザン(HMDS)が挙げられる。また、好ましいシ
リコンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ−30
〜1,000センチストークスのものが用いられ、例えばジ
メチルシリコンオイル,メチルフエニルシリコンオイ
ル,α−メチルスチレン変性シリコンオイル,クロルフ
エニルシリコンオイル,フツ素変性シリコンオイル等が
好ましい。本発明の目的からして、−OH基,−COOH基,
−NH2基等を多く含有するシリコンオイルは好ましくな
い。
シリコンオイル処理の方法は例えばシランカツプリン
グ剤で処理されたシリカ微粉体とシリコンオイルとをヘ
ンシエルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良
いし、ベースとなるシリカへシリコンオイルを噴射する
方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコンオ
イルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微
粉体とを混合し、溶剤を除去して作成しても良い。
本発明におけるシリカ微粉体の疎水化度は、以下の方
法で測定された値を用いる。もちろん、本発明の測定法
を参照しながら他の測定法の適用も可能である。
密栓式の200mlの分液ロートにイオン交換水100mlおよ
び試料0.1gを入れ、振とう機(ターブラシエーカーミキ
サーT2C型)で90rpmの条件で10分間振とうする。振とう
後10分間静置し、シリカ粉末層と水層が分離した後、下
層の水層を20〜30ml採取し、10mmセルに入れ、500nmの
波長でシリカ微粉体を入れていないブランクのイオン交
換水を基準として透過率を測定し、その透過率の値をも
ってシリカの疎水化度とするものである。
本発明における疎水性シリカ微粉体の疎水化度は、90
%以上(より好ましくは93%以上)を有する。疎水化度
がこれ以下であると、高湿下でのシリカ微粉体の水分吸
着により高品位の画像が得られにくい。
本発明の磁性トナーは、必要に応じてシリカ微粉体以
外の外部添加剤を添加してもよい。
例えば、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、あるいは、酸
化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、あるいは、アル
ミナの如き流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール
定着時の離型性を良くする目的で低分子量のポリエチレ
ンやポリプロピレン等を添加してもよい。
本発明に係る静電荷像現像用磁性トナーを作製するに
は磁性粉及びビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、必
要に応じて着色剤としての顔料又は染料、荷電制御剤、
その他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分
混合してから過熱ロール、ニーダー、エクストルーダー
の如き熱混練機を用いて熔融、捏和及び練肉して樹脂類
を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶解
せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分級をおこなって本
発明に係るところの絶縁性磁性トナーを得ることが出来
る。
さらに、所定の粒径及び粒度分布を有する絶縁性磁性
トナーと所定量の疎水性シリカ微粉体とを混合すること
により、本発明の磁性現像剤を調製することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、こ
れは本発明をなんら限定するものではない。尚以下の配
合における部数はすべて重量部である。
実施例1 を混合し、サンドミルにて分散し、スプレー法にて20
φのスリーブ用アルミ製円筒周面上に膜厚6μmの表面
塗膜を作成した。この表面を被覆したスリーブをスリー
ブAとし、これに当接するゴム製の弾性ブレード、ブレ
ードAを供えた第2図のような現像装置を作成した。
一方、負帯電性絶縁性磁性トナーは下記のように作成
した。
タツプ密度1.0g/cm3,アマニ油吸油量25ml/100g及びB
ET比表面積7m2/gを有する球状磁性体(平均粒径0.22
μ)を、フレツドミルを用いて磁性粒子の凝集体を解砕
するために解砕処理し、タツプ密度1.7g/cm3,アマニ油
吸油量17ml/100g及びBET比表面積7m2/gを有する球状磁
性体を調製した。調製された球状磁性体は、飽和磁化
(σs)が85emu/gであり、残留磁化(σr)が5emu/gで
あり、σr/σsが0.06であり、保磁力(Hc)が56エルス
テツド(e)であった。
上記混合物を、130℃に加熱された2軸エクストルー
ダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジエツトミルで微粉砕し、得られた微
粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成し
た。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した
多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジエツト分級機)
で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均
粒径6.5μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得た。得ら
れた黒色微粉体は、鉄粉キヤリアと混合した後にトリボ
電荷を測定した処、−15μc/gの値を有していた。
得られた負帯電性の黒色微粉体である磁性トナーを前
述の如く100μのアパチヤーを具備するコールターカウ
ンターTA II型を用いて測定したデータを下記第1表に
示す。
本実施例で用いた多分割分級機及び該分級機による分
級工程について第5図及び第6図を参照しながら説明す
る。多分割分級機40は、第5図及び第6図において、側
壁は52,54で示される形状を有し、下部壁は55で示され
る形状を有し、側壁53と下部壁55には夫々ナイフエツジ
型の分級エツジ47,48を具備し、この分級エツジ47,48に
より、分級ゾーンは3分画されている。側壁52下の部分
に分級室に開口する原料供給ノズル46を設け、該ノズル
の底部接線の延長方向に対して下方に折り曲げて長楕円
弧を描いたコアンダブロツク56を設ける。分級室上部壁
57は、分級室下部方向にナイフエツジ型の入気エツジ49
を具備し、更に分級室上部には分級室に開口する入気管
44,45を設けてある。又、入気管44,45にはダンパの如き
第1,第2気体導入調節手段50,51及び静圧計58,59を設け
てある。分級室底面にはそれぞれの分画域に対応させ
て、室内に開口する排出口を有する排出管41,42,43を設
けてある。分級粉は供給ノズル46から分級領域に減圧導
入され、コアンダ効果によりコアンダブロツク56のコア
ンダ効果による作用と、その際流入する高速エアーの作
用とにより湾曲線60を描いて移動し、粗粉41、所定の体
積平均粒径及び粒度分布を有する黒色微粉体42及び超微
粉43に分級された。
参考のために、多分割分級機を用いての分級工程を第
5図に模式的に示し、該多分割分級機の断面斜視図(立
体図)を第6図に示した。
該磁性トナー100重量部と、ジメチルクロロシラン及
びシリコーンオイルで疎水化処理されている−240μc/g
の負帯電性疎水性シリカ1.0重量部とをヘンシエルミキ
サーで混合し、混合後に100メツシユ(テイラーメツシ
ユ)のフルイを通し、現像剤Aを得た。現像剤Aの摩擦
帯電量は−28μc/gであり、ゆるみ見掛密度は0.48g/cm3
固め見掛け密度は0.90g/cm3真密度は1.65g/cm3ゆるみ見
掛け密度と真密度から計算される空隙率(εa)は71%
であった。
キヤノン製レーザビームプリンタLBP-8AJ1の改造機を
使用し、積層型の有機光導電体(OPC)感光ドラム表面
に−700Vの一次帯電をおこない、レーザ光の露光部にお
ける電位を−100Vとしてデジタル潜像を形成し、直流バ
イアス−500V,交流バイアス(1800Hz,ピークトウピーク
1600V)を印加して反転現像法により常温常湿(25℃,60
%RH),高温高湿(30℃,90%RH)及び低温低湿(15℃,
10%RH)の3環境において、1分3枚の間欠モードで1
0,000枚の画出しを行い、その結果を第3表に示した。
第3表中のDmaxは一辺5mmのベタ黒正方形の濃度微小ド
ツト再現性は、第7図に示すような、正方形の一辺がX
=80μmまたはX=50μmのチエツカー模様を低温低湿
下で現像した画像の再現性を顕微鏡により画像の鮮鋭
さ、非画像部へのとびちりに着目して観察し、評価した
ものである。
第3表から明らかなように、各環境とも高濃度で、微
小ドツト再現性に優れた画像が10,000枚まで安定して得
られ、また、10,000枚画出し後のスリーブ上のトナーコ
ート量は各環境とも1.2mg/cm2程度で、初期とほとんど
変化がなかった。
以下の実施例、及び比較例で使用するトナーの粒度分
布及び帯電量を第2表に、評価結果を第3表にまとめて
示す。
比較例1 実施例1で使用したスリーブAの代わりに、表面を不
定形粒子でブラスト加工したアルミ製のスリーブBを用
い、ブレードを鉄製の磁性ブレードであるブレードBを
スリーブと250μmの間隙をあけて用いる以外は実施例
1と同様にして評価したところ、第3表に示す通り10,0
00枚後のスリーブの汚染が非常に多く、画像濃度も初期
に比べて大巾に低下した。
実施例2 実施例1の疎水性シリカの量を1.4倍に変えた現像剤
Bを使用する以外は実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
実施例3 実施例1と同様にして作成した体積平均径7.9μm、
第2表に示すような粒度分布を有するトナーCを用いる
以外は実施例1と同様にして評価したところ、実施例1
同様の良い結果が得られた。
比較例2 実施例1で用いた球状磁性体の代わりにタツプ密度0.
4g/cm3,アマニ油吸油量34ml/100g及びBET比表面積7m2/
gを有する立方晶系磁性粒子を主成分とする未解砕処理
の磁性体を用いる以外は実施例1と同様にして作成した
トナーDを用いて評価を行ったところ、第3表のように
微小ドツトの再現性が実施例1に比べて劣り画像濃度
も、若干低かった。
比較例3 実施例1で用いた疎水性シリカの代わりに、未処理の
シリカを用いて作成した現像剤Eを用いる以外は実施例
1と同様にして評価したところ、第3表に示すように画
像濃度が低く、カブリが多かった。また、微小ドツトの
再現性も劣っていた。
比較例4 実施例1の球状磁性体量を60部に変え、実施例1と同
様にして作成し、体積平均粒径11.4μm,第2表に示すよ
うな粒度分布を有するトナーFを用いる他は実施例1と
同様にして評価したところ、微小ドツトの再現性が悪
く、とびちりが多かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る画像形成装置の概略的説明図であ
り、第2図は第1図の現像部の拡大図である。第3図は
実施例及び比較例で用いた微小ドツトの再現性を評価す
るための画像パターンを示す部分図である。第4図は本
発明に係るトナーの帯電量測定装置の略図である。第5
図,第6図は実施例でトナーの分級に使用した多分割分
級機の概略的説明図である。第7図は本発明に係るトナ
ーの5μmの以下の粒子の含有比率の範囲を示す図であ
る。第8図は実施例1で用いた球状磁性体の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真であり、第9図は比較例2で用いた
立方晶磁性体の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧口 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 今井 栄一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−70867(JP,A) 特開 昭57−66443(JP,A) 特開 平1−101375(JP,A) 特開 昭63−285568(JP,A) 特開 昭58−117553(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電荷像を保持する静電像保持体と、磁性
    トナーを表面に担持するトナー担持体とを現像部におい
    て一定の間隙を設けて配置し、磁性トナーをトナー担持
    体上に前記間隙よりも薄い厚さに規制して現像部に搬送
    し、現像部においてトナーに交番電界をかけながら現像
    する画像形成方法において、該トナー担持体が導電性カ
    ーボン及びグラフアイトを含有するフエノール樹脂膜で
    覆われた表面を有し、トナー担持体上のトナー層は層厚
    規制部材により薄層として整層化されて現像部へ搬送さ
    れ、該磁性トナーは少なくとも結着樹脂,磁性体を含有
    する絶縁性一成分磁性トナーであり、該磁性体は表面が
    実質的に曲面で形成されている球状磁性体粒子を50個数
    %以上含有する球状磁性体であり、該磁性トナーの帯電
    量は−20〜−35μc/gを有し、体積平均粒径6〜8μm
    を有し、5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子が17
    〜60個数%含有され、6.35〜10.08μmの粒径を有する
    磁性トナー粒子が5〜50個数%含有され、12.7μm以上
    の粒径を有する磁性トナー粒子が2.0体積%以下で含有
    され、5μm以下の磁性トナー粒子群が下記式 〔式中、Nは5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子
    の個数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有する磁性ト
    ナー粒子の体積%を示し、kは4.6乃至6.7の正数を示
    す。但し、Nは17乃至60の正数を示す。〕 を満足する粒度分布を有することを特徴とする画像形成
    方法。
  2. 【請求項2】トナー中の磁性体の平均粒径0.1〜0.35μ
    m固め見掛密度が1.2〜2.5g/cm3トナー中の含有量が結
    着樹脂100重量部に対して70〜120重量部であることを特
    許請求範囲第1項記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】静電荷像を保持する静電像保持体と、磁性
    トナーを表面に担持するトナー担持体とを現像部におい
    て一定の間隙を設けて配置し、磁性トナーをトナー担持
    体上に前記間隙よりも薄い厚さに規制して現像部に搬送
    し、現像部においてトナーに交番電界をかけながら現像
    する画像形成装置において、該トナー担持体が導電性カ
    ーボン及びグラフアイトを含有するフエノール樹脂膜で
    覆われた表面を有し、トナー担持体上のトナー層は層厚
    規制部材により薄層として整層化されて現像部へ搬送さ
    れ、該磁性トナーは少なくとも結着樹脂,磁性体を含有
    する絶縁性一成分系磁性トナーであり、該磁性体は表面
    が実質的に曲面で形成されている球状磁性体粒子を50個
    数%以上含有する球状磁性体であり、該磁性トナーの帯
    電量は−20〜−35μc/gを有し、体積平均粒径6〜8μ
    mを有し、5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子が
    17〜60個数%含有され、6.35〜10.08μmの粒径を有す
    る磁性トナー粒子が5〜50個数%含有され、12.7μm以
    上の粒径を有する磁性トナー粒子が2.0体積%以下で含
    有され、5μm以下の磁性トナー粒子群が下記式 〔式中、Nは5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子
    の個数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有する磁性ト
    ナー粒子の体積%を示し、kは4.6乃至6.7の正数を示
    す。但し、Nは17乃至60の正数を示す。〕 を満足する粒度分布を有することを特徴とする画像形成
    装置。
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