JP2749744B2 - 半導体光微分器 - Google Patents
半導体光微分器Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光双安定素子を
利用した半導体光微分器に関する。
利用した半導体光微分器に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に従来例の電気光微分器の構成を示
す。図3に示すように、従来、入射した光パルスを一旦
ホトダイオード等の光電変換素子30により電気信号に
変換した後、それを電気微分器31によって電気的に微
分する。次いで、電気微分器31から出力される電気信
号を増幅器32を介して別のレーザーダイオード等の発
光素子33(又は光変調器)を駆動することにより、光
微分出力を得ることができる。
す。図3に示すように、従来、入射した光パルスを一旦
ホトダイオード等の光電変換素子30により電気信号に
変換した後、それを電気微分器31によって電気的に微
分する。次いで、電気微分器31から出力される電気信
号を増幅器32を介して別のレーザーダイオード等の発
光素子33(又は光変調器)を駆動することにより、光
微分出力を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例では、次
のような欠点があり、問題点があった。 (a)電気回路の部品点数が増え、装置規模が比較的大
きい。 (b)消費電力が比較的大きい。 (c)電気回路31,32で処理した後、発光素子33
又は光変調器を駆動するため、光微分出力を得るまでの
遅延時間が大きく、また時間応答が遅い。
のような欠点があり、問題点があった。 (a)電気回路の部品点数が増え、装置規模が比較的大
きい。 (b)消費電力が比較的大きい。 (c)電気回路31,32で処理した後、発光素子33
又は光変調器を駆動するため、光微分出力を得るまでの
遅延時間が大きく、また時間応答が遅い。
【0004】本発明の目的は以上の問題点を解決し、従
来例に比較し構成が簡単であってかつ消費電力が小さ
く、しかも時間応答が速い光微分器を提供することにあ
る。
来例に比較し構成が簡単であってかつ消費電力が小さ
く、しかも時間応答が速い光微分器を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体光微
分器は、それぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真
性半導体i層を有し逆バイアス電圧を変化することによ
って光吸収端付近の波長領域で光吸収率が変化する2個
のヘテロ接合pin型ダイオードが直列に接続され、そ
の直列接続された両端に逆バイアス電圧印加用の可変電
圧源が接続され、一方のpin型ダイオードに所定の光
量のバイアス光が印加される一方、他方のpin型ダイ
オードに光微分すべき信号光を入射することによって、
当該信号光を入射したpin型ダイオードから信号光を
光微分した微分光を得ることを特徴とする。
分器は、それぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真
性半導体i層を有し逆バイアス電圧を変化することによ
って光吸収端付近の波長領域で光吸収率が変化する2個
のヘテロ接合pin型ダイオードが直列に接続され、そ
の直列接続された両端に逆バイアス電圧印加用の可変電
圧源が接続され、一方のpin型ダイオードに所定の光
量のバイアス光が印加される一方、他方のpin型ダイ
オードに光微分すべき信号光を入射することによって、
当該信号光を入射したpin型ダイオードから信号光を
光微分した微分光を得ることを特徴とする。
【0006】
【0007】
【作用】請求項1記載の半導体光微分器においては、そ
れぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真性半導体i
層を有し逆バイアス電圧を変化することによって光吸収
端付近の波長領域で光吸収率が変化する各ダイオードに
おいて、交互に入れ替わりが可能な比較的高い透過状態
と比較的低い透過状態との2つの静的な光双安定動作が
得られる。本発明においては、まず、比較的高い光透過
状態にあった他方のダイオードがそのダイオード自身に
入射される光パルスによって動的に自己の内部に発生す
る光キャリアーによってセルフスイッチし、比較的高い
光透過状態からより低い光透過状態に遷移する時間の間
だけ光パルスが他方のダイオードを通過する新しい動的
過程を利用して光微分動作を行なうものである。
れぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真性半導体i
層を有し逆バイアス電圧を変化することによって光吸収
端付近の波長領域で光吸収率が変化する各ダイオードに
おいて、交互に入れ替わりが可能な比較的高い透過状態
と比較的低い透過状態との2つの静的な光双安定動作が
得られる。本発明においては、まず、比較的高い光透過
状態にあった他方のダイオードがそのダイオード自身に
入射される光パルスによって動的に自己の内部に発生す
る光キャリアーによってセルフスイッチし、比較的高い
光透過状態からより低い光透過状態に遷移する時間の間
だけ光パルスが他方のダイオードを通過する新しい動的
過程を利用して光微分動作を行なうものである。
【0008】すなわち、バイアス光を一方のダイオード
に常に入射することにより、一定の電流を他方のダイオ
ードに流すことになる。他方のダイオードはその光入力
である信号光が無いときには(Pin2=0)、常に図
2のD点付近の比較的高い透過状態である印加電圧に保
持される。この比較的高い透過状態を初期状態として、
信号光を光入射パルスの形式で入射するとその光入射パ
ルスの光強度の立ち上がりによって図2の負荷曲線は特
性102,103,104と順次遷移し、特性104を
越えた所で他方のダイオードの印加電圧はB点に遷移す
る。これにより、他方のダイオードは比較的低い透過状
態へスイッチングし、以後信号光の光パルスが立ち下が
るまでこの状態を保持する。従って、信号光の光入射パ
ルスが立ち上がっている間に比較的高い透過状態の他方
のダイオードを、光入射パルスの立ち上がり部分が抜け
て出射してくるため、その他方のダイオードの出力光と
して微分光が得られることになる。
に常に入射することにより、一定の電流を他方のダイオ
ードに流すことになる。他方のダイオードはその光入力
である信号光が無いときには(Pin2=0)、常に図
2のD点付近の比較的高い透過状態である印加電圧に保
持される。この比較的高い透過状態を初期状態として、
信号光を光入射パルスの形式で入射するとその光入射パ
ルスの光強度の立ち上がりによって図2の負荷曲線は特
性102,103,104と順次遷移し、特性104を
越えた所で他方のダイオードの印加電圧はB点に遷移す
る。これにより、他方のダイオードは比較的低い透過状
態へスイッチングし、以後信号光の光パルスが立ち下が
るまでこの状態を保持する。従って、信号光の光入射パ
ルスが立ち上がっている間に比較的高い透過状態の他方
のダイオードを、光入射パルスの立ち上がり部分が抜け
て出射してくるため、その他方のダイオードの出力光と
して微分光が得られることになる。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例である、それぞれ
多重量子井戸構造の真性半導体i層を有する2個のpi
n型ダイオードD1,D2を用いた半導体光微分器の構
成を示す断面図及び回路図である。
多重量子井戸構造の真性半導体i層を有する2個のpi
n型ダイオードD1,D2を用いた半導体光微分器の構
成を示す断面図及び回路図である。
【0012】本実施例の光微分器は、図1に示すよう
に、それぞれ多重量子井戸構造の真性半導体i層を有し
逆バイアス電圧を変化することによって光吸収端付近の
波長領域で光吸収率が変化しこれによって光電流が変化
する2個のヘテロ接合pin型ダイオードD1,D2が
直列に接続され、その直列接続された両端に逆バイアス
電圧印加用の可変電圧源10が接続され、一方のpin
型ダイオードD1に所定の光量のバイアス光が印加され
る一方、他方のpin型ダイオードD2に光微分すべき
信号光を入射することによって、当該pin型ダイオー
ドD2から信号光を光微分した微分光を得ることを特徴
としている。
に、それぞれ多重量子井戸構造の真性半導体i層を有し
逆バイアス電圧を変化することによって光吸収端付近の
波長領域で光吸収率が変化しこれによって光電流が変化
する2個のヘテロ接合pin型ダイオードD1,D2が
直列に接続され、その直列接続された両端に逆バイアス
電圧印加用の可変電圧源10が接続され、一方のpin
型ダイオードD1に所定の光量のバイアス光が印加され
る一方、他方のpin型ダイオードD2に光微分すべき
信号光を入射することによって、当該pin型ダイオー
ドD2から信号光を光微分した微分光を得ることを特徴
としている。
【0013】本実施例において用いるpin型ダイオー
ドD1は、図1に示すように、電極11,15間に、p
型半導体クラッド層12と、多重量子井戸層構造を有す
る真性半導体i層13と、n型半導体基板14とを挟設
することにより形成され、逆バイアス電圧を変化するこ
とによって光吸収率が変化しこれによって光電流が変化
する特性を有する。また、他方のpin型ダイオードD
2もダイオードD1と同様に、電極21,25間にp型
半導体クラッド層22と、多重量子井戸層構造を有する
真性半導体i層23と、n型半導体基板24とを挟設す
ることにより形成されダイオードD1と同様の逆バイア
ス電圧に対する光吸収率及び光電流特性を有する。
ドD1は、図1に示すように、電極11,15間に、p
型半導体クラッド層12と、多重量子井戸層構造を有す
る真性半導体i層13と、n型半導体基板14とを挟設
することにより形成され、逆バイアス電圧を変化するこ
とによって光吸収率が変化しこれによって光電流が変化
する特性を有する。また、他方のpin型ダイオードD
2もダイオードD1と同様に、電極21,25間にp型
半導体クラッド層22と、多重量子井戸層構造を有する
真性半導体i層23と、n型半導体基板24とを挟設す
ることにより形成されダイオードD1と同様の逆バイア
ス電圧に対する光吸収率及び光電流特性を有する。
【0014】電極15と電極21が接続されるととも
に、電極11は可変電圧源10の負極に接続され、電極
25が可変電圧源10の正極に接続される。
に、電極11は可変電圧源10の負極に接続され、電極
25が可変電圧源10の正極に接続される。
【0015】各ダイオードD1,D2はそれぞれ真性半
導体i層13,23内の電界による吸収率変調効果によ
って図2のような光吸収特性を有する。ここで、図2
は、図1の半導体光微分器の動作を説明するための、逆
バイアス電圧に対する光電流Ip(又は光吸収率)の特
性を示すグラフである。なお、各ダイオードD1,D2
の光吸収率は光透過率に概ね反比例している。
導体i層13,23内の電界による吸収率変調効果によ
って図2のような光吸収特性を有する。ここで、図2
は、図1の半導体光微分器の動作を説明するための、逆
バイアス電圧に対する光電流Ip(又は光吸収率)の特
性を示すグラフである。なお、各ダイオードD1,D2
の光吸収率は光透過率に概ね反比例している。
【0016】図2から明らかなように、各ダイオードD
1,D2に印加される逆バイアス電圧を高くすることに
よって、光吸収端付近の波長領域で、光電流Ip又は光
吸収率は一旦大きくなった後、低下する特性を示す。こ
こで、光電流Ip又は光吸収率の極大値は信号光の光電
力Pin2を、例えばP1乃至P5の順序で大きくする
ことによって増大する特性を示す。
1,D2に印加される逆バイアス電圧を高くすることに
よって、光吸収端付近の波長領域で、光電流Ip又は光
吸収率は一旦大きくなった後、低下する特性を示す。こ
こで、光電流Ip又は光吸収率の極大値は信号光の光電
力Pin2を、例えばP1乃至P5の順序で大きくする
ことによって増大する特性を示す。
【0017】このような構成のダイオードD1,D2は
図1に示したような、ダイオードD1のp型半導体クラ
ッド層12に入射するバイアス光の光電力Pin1と、
ダイオードD2のp型半導体クラッド層22に入射する
信号光の光電力Pin2との間のパワーの差により、以
下に示す光双安定動作を行う。
図1に示したような、ダイオードD1のp型半導体クラ
ッド層12に入射するバイアス光の光電力Pin1と、
ダイオードD2のp型半導体クラッド層22に入射する
信号光の光電力Pin2との間のパワーの差により、以
下に示す光双安定動作を行う。
【0018】逆バイアス電圧の増加により光吸収が減少
する波長領域において、一定波長、一定強度のバイアス
光がダイオードD1に入射すると、ダイオードD1は光
吸収により生成された電荷キャリアーが存在するために
低インピーダンス状態になり、逆バイアス電圧はほぼそ
のままダイオードD2に印加されることになる一方、ダ
イオードD2は高インピーダンス状態となる。このと
き、いわゆる公知の量子シュタルク効果により、ダイオ
ードD1はダイオードD2に比較して光吸収が比較的大
きい状態になり、ダイオードD2はダイオードD1に比
較して光吸収が比較的小さい状態となる。
する波長領域において、一定波長、一定強度のバイアス
光がダイオードD1に入射すると、ダイオードD1は光
吸収により生成された電荷キャリアーが存在するために
低インピーダンス状態になり、逆バイアス電圧はほぼそ
のままダイオードD2に印加されることになる一方、ダ
イオードD2は高インピーダンス状態となる。このと
き、いわゆる公知の量子シュタルク効果により、ダイオ
ードD1はダイオードD2に比較して光吸収が比較的大
きい状態になり、ダイオードD2はダイオードD1に比
較して光吸収が比較的小さい状態となる。
【0019】次いで、ダイオードD2に信号光を入射
し、その強度を増加させると、ダイオードD2に流れる
光電流は図2の実線に示すように増加し、当該回路を流
れる電流はダイオードD1の負荷曲線(図2の点線)と
の交点によって決まる電流値となる。ダイオードD2に
照射される信号光の光電力Pin2がダイオードD1に
照射されるバイアス光の光電力Pin1よりも小さい時
は、ダイオードD1とダイオードD2における逆バイア
ス電圧の印加状態は上述と同様の状態となる。すなわ
ち、ダイオードD1は低インピーダンス状態となる一
方、ダイオードD2は高インピーダンス状態となる。
し、その強度を増加させると、ダイオードD2に流れる
光電流は図2の実線に示すように増加し、当該回路を流
れる電流はダイオードD1の負荷曲線(図2の点線)と
の交点によって決まる電流値となる。ダイオードD2に
照射される信号光の光電力Pin2がダイオードD1に
照射されるバイアス光の光電力Pin1よりも小さい時
は、ダイオードD1とダイオードD2における逆バイア
ス電圧の印加状態は上述と同様の状態となる。すなわ
ち、ダイオードD1は低インピーダンス状態となる一
方、ダイオードD2は高インピーダンス状態となる。
【0020】さらに、Pin2>Pin1のときであっ
て、信号光の光電力Pin2が所定のしきい値Pthを
超えるとダイオードD2が高インピーダンス状態で存在
することができる負荷曲線の交点Aが存在しなくなるの
で、ダイオードD2は低インピーダンス状態となり、印
加バイアス電圧値のスイッチングの結果として、ダイオ
ードD1は低インピーダンス状態から高インピーダンス
状態Bへスイッチングする。このとき、ダイオードD1
の光吸収は小さく、従って、光透過は大きい状態、すな
わち光吸収率が大きい状態となる。従って、信号光の光
電力Pin2の増加により、ダイオードD1から出射す
るバイアス光の透過光(その光電力Pout1)のオン
からオフへの光スイッチング動作が得られる。
て、信号光の光電力Pin2が所定のしきい値Pthを
超えるとダイオードD2が高インピーダンス状態で存在
することができる負荷曲線の交点Aが存在しなくなるの
で、ダイオードD2は低インピーダンス状態となり、印
加バイアス電圧値のスイッチングの結果として、ダイオ
ードD1は低インピーダンス状態から高インピーダンス
状態Bへスイッチングする。このとき、ダイオードD1
の光吸収は小さく、従って、光透過は大きい状態、すな
わち光吸収率が大きい状態となる。従って、信号光の光
電力Pin2の増加により、ダイオードD1から出射す
るバイアス光の透過光(その光電力Pout1)のオン
からオフへの光スイッチング動作が得られる。
【0021】一方、信号光の光電力Pin2を所定のし
きい値Pthよりも減少させるとき、負荷曲線との交点
CまではダイオードD2の低インピーダンス状態は保持
されるので、ダイオードD1のオン状態、すなわち高イ
ンピーダンス状態は保持される。しかしながら、信号光
の光電力Pin2が減少し、負荷曲線との交点Cを越え
ると、Cより下には、図2において点線で示す負荷曲線
との交点は無いので初期状態への光スイッチング動作、
すなわちCからDへの遷移動作が起こる。
きい値Pthよりも減少させるとき、負荷曲線との交点
CまではダイオードD2の低インピーダンス状態は保持
されるので、ダイオードD1のオン状態、すなわち高イ
ンピーダンス状態は保持される。しかしながら、信号光
の光電力Pin2が減少し、負荷曲線との交点Cを越え
ると、Cより下には、図2において点線で示す負荷曲線
との交点は無いので初期状態への光スイッチング動作、
すなわちCからDへの遷移動作が起こる。
【0022】以上説明したように、当該回路装置におい
ては光双安定動作が得られる。以上の双安定動作は静的
な動作であり、しかも光電力Pin1の大きさと光電力
Pin2の大きさを交互に入れて二つの状態間を遷移さ
せ、光のスイッチングを行なうものである。
ては光双安定動作が得られる。以上の双安定動作は静的
な動作であり、しかも光電力Pin1の大きさと光電力
Pin2の大きさを交互に入れて二つの状態間を遷移さ
せ、光のスイッチングを行なうものである。
【0023】本発明に係る本実施例においては、まず、
比較的高い光透過状態にあったダイオードD2がダイオ
ードD2自身に入射される光パルスによって動的に自己
の内部に発生する光キャリアーによってセルフスイッチ
し、比較的高い光透過状態からより低い光透過状態に遷
移する時間の間だけ光パルスがダイオードD2を通過す
る新しい動的過程を利用して光微分動作を行なうもので
ある。
比較的高い光透過状態にあったダイオードD2がダイオ
ードD2自身に入射される光パルスによって動的に自己
の内部に発生する光キャリアーによってセルフスイッチ
し、比較的高い光透過状態からより低い光透過状態に遷
移する時間の間だけ光パルスがダイオードD2を通過す
る新しい動的過程を利用して光微分動作を行なうもので
ある。
【0024】すなわち、バイアス光をダイオードD1に
常に入射することにより、一定の電流をダイオードD2
に流すことになる。ダイオードD2はその光入力である
信号光が無いときには(Pin2=0)、常に図2のD
点付近の比較的高い透過状態である印加電圧に保持され
る。この比較的高い透過状態を初期状態として、信号光
を光入射パルスの形式で入射するとその光入射パルスの
光強度の立ち上がりによって図2の負荷曲線は特性10
2,103,104と順次遷移し、特性104を越えた
所でダイオードD2の印加電圧はB点に遷移する。これ
により、ダイオードD2は比較的低い透過状態へスイッ
チングし、以後信号光の光パルスが立ち下がるまでこの
状態を保持する。従って、信号光の光入射パルスが立ち
上がっている間に比較的高い透過状態のダイオードD2
を、光入射パルスの立ち上がり部分が抜けて出射してく
るため、そのダイオードD2の出力光として光電力Po
ut2の微分光が得られることになる。
常に入射することにより、一定の電流をダイオードD2
に流すことになる。ダイオードD2はその光入力である
信号光が無いときには(Pin2=0)、常に図2のD
点付近の比較的高い透過状態である印加電圧に保持され
る。この比較的高い透過状態を初期状態として、信号光
を光入射パルスの形式で入射するとその光入射パルスの
光強度の立ち上がりによって図2の負荷曲線は特性10
2,103,104と順次遷移し、特性104を越えた
所でダイオードD2の印加電圧はB点に遷移する。これ
により、ダイオードD2は比較的低い透過状態へスイッ
チングし、以後信号光の光パルスが立ち下がるまでこの
状態を保持する。従って、信号光の光入射パルスが立ち
上がっている間に比較的高い透過状態のダイオードD2
を、光入射パルスの立ち上がり部分が抜けて出射してく
るため、そのダイオードD2の出力光として光電力Po
ut2の微分光が得られることになる。
【0025】以上説明したように、本実施例の半導体光
微分器によれば、簡単な構成で光微分が可能であるとと
もに、バイアス光の光電力Pin1を可変することによ
り、負荷曲線を容易に調整できるため、広い強度範囲の
光入射に対してその微分動作を可能にすることができる
という特有の利点を有する。また、従来例に比較して以
下の利点を有する。 (a)従来例に比較し構成が簡単である。 (b)一方のpin型ダイオードD1に印加する逆バイ
アス電圧を印加するのみであるので、従来例に比較して
消費電力が小さい。 (c)信号光は1個のpin型ダイオードD2を通過す
るだけであり、従来例のように複数の回路を通過しない
ので、従来例に比較して時間応答が速い。
微分器によれば、簡単な構成で光微分が可能であるとと
もに、バイアス光の光電力Pin1を可変することによ
り、負荷曲線を容易に調整できるため、広い強度範囲の
光入射に対してその微分動作を可能にすることができる
という特有の利点を有する。また、従来例に比較して以
下の利点を有する。 (a)従来例に比較し構成が簡単である。 (b)一方のpin型ダイオードD1に印加する逆バイ
アス電圧を印加するのみであるので、従来例に比較して
消費電力が小さい。 (c)信号光は1個のpin型ダイオードD2を通過す
るだけであり、従来例のように複数の回路を通過しない
ので、従来例に比較して時間応答が速い。
【0026】以上の実施例において、各ダイオードD
1,D2における真性半導体i層13,23は多重量子
井戸構造を有しているが、本発明はこれに限らず、超格
子構造を有しても同様の作用を得ることができる。
1,D2における真性半導体i層13,23は多重量子
井戸構造を有しているが、本発明はこれに限らず、超格
子構造を有しても同様の作用を得ることができる。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、そ
れぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真性半導体i
層を有し逆バイアス電圧を変化することによって光吸収
端付近の波長領域で光吸収率が変化する2個のヘテロ接
合pin型ダイオードが直列に接続され、その直列接続
された両端に逆バイアス電圧印加用の可変電圧源が接続
され、一方のpin型ダイオードに所定の光量のバイア
ス光が印加される一方、他方のpin型ダイオードに光
微分すべき信号光を入射することによって、当該信号光
を入射したpin型ダイオードから信号光を光微分した
微分光を得る。
れぞれ多重量子井戸構造又は超格子構造の真性半導体i
層を有し逆バイアス電圧を変化することによって光吸収
端付近の波長領域で光吸収率が変化する2個のヘテロ接
合pin型ダイオードが直列に接続され、その直列接続
された両端に逆バイアス電圧印加用の可変電圧源が接続
され、一方のpin型ダイオードに所定の光量のバイア
ス光が印加される一方、他方のpin型ダイオードに光
微分すべき信号光を入射することによって、当該信号光
を入射したpin型ダイオードから信号光を光微分した
微分光を得る。
【0029】従って、本発明に係る半導体光微分器は、
以下の特有の利点を有する。 (a)従来例に比較し構成が簡単である。 (b)一方のpin型ダイオードに印加する逆バイアス
電圧の供給のみであるので、従来例に比較して消費電力
が小さい。 (c)信号光は1個のpin型ダイオードを通過するだ
けであり、従来例のように複数の回路を通過しないの
で、従来例に比較して時間応答が速い。
以下の特有の利点を有する。 (a)従来例に比較し構成が簡単である。 (b)一方のpin型ダイオードに印加する逆バイアス
電圧の供給のみであるので、従来例に比較して消費電力
が小さい。 (c)信号光は1個のpin型ダイオードを通過するだ
けであり、従来例のように複数の回路を通過しないの
で、従来例に比較して時間応答が速い。
【図1】 本発明の一実施例である、それぞれ多重量子
井戸構造の真性半導体i層を有する2個のpin型ダイ
オードD1,D2を用いた半導体光微分器の構成を示す
断面図及び回路図である。
井戸構造の真性半導体i層を有する2個のpin型ダイ
オードD1,D2を用いた半導体光微分器の構成を示す
断面図及び回路図である。
【図2】 図1の半導体光微分器の動作を説明するため
の、逆バイアス電圧に対する光電流Ipを示すグラフで
ある。
の、逆バイアス電圧に対する光電流Ipを示すグラフで
ある。
【図3】 従来例の電気微分器の構成を示すブロック図
である。
である。
D1,D2…pin型ダイオード、 10…可変電圧源、 11,15,21,25…電極、 12,22…p型半導体クラッド層、 13,23…多重量子井戸構造の真性半導体i層、 14,24…n型半導体基板。
フロントページの続き (72)発明者 藤原 賢三 福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号 九州工業大学工学部電気工学科内
Claims (1)
- 【請求項1】 それぞれ多重量子井戸構造又は超格子構
造の真性半導体i層を有し逆バイアス電圧を変化するこ
とによって光吸収端付近の波長領域で光吸収率が変化す
る2個のヘテロ接合pin型ダイオードが直列に接続さ
れ、その直列接続された両端に逆バイアス電圧印加用の
可変電圧源が接続され、一方のpin型ダイオードに所
定の光量のバイアス光が印加される一方、他方のpin
型ダイオードに光微分すべき信号光を入射することによ
って、当該信号光を入射したpin型ダイオードから信
号光を光微分した微分光を得ることを特徴とする半導体
光微分器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22004092A JP2749744B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 半導体光微分器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22004092A JP2749744B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 半導体光微分器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0667244A JPH0667244A (ja) | 1994-03-11 |
JP2749744B2 true JP2749744B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=16744987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22004092A Expired - Fee Related JP2749744B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 半導体光微分器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2749744B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2704116B2 (ja) * | 1994-07-20 | 1998-01-26 | 株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所 | 電界吸収効果を有する光半導体装置 |
KR101239134B1 (ko) * | 2008-12-10 | 2013-03-07 | 한국전자통신연구원 | 흡수 광변조기 및 그것의 제조 방법 |
-
1992
- 1992-08-19 JP JP22004092A patent/JP2749744B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0667244A (ja) | 1994-03-11 |
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