JP2747495B2 - ワイヤボンディング方法 - Google Patents

ワイヤボンディング方法

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JP2747495B2 JP1134994A JP13499489A JP2747495B2 JP 2747495 B2 JP2747495 B2 JP 2747495B2 JP 1134994 A JP1134994 A JP 1134994A JP 13499489 A JP13499489 A JP 13499489A JP 2747495 B2 JP2747495 B2 JP 2747495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属の表面をもつ対象物に、金属の表面をも
つワイヤを固着させるワイヤボンディング方法に関し、
特に回路パターンを形成したSLIチップを実装用パッケ
ージ基板に搭載後、該LSIチップ、パッケージ基板双方
の電極部をAu,Al等のワイヤで電気結線するワイヤボン
ディング方法に関する。
[従来の技術] 従来、この種のワイヤボンディング方法としては熱圧
着方式と超音波ウェッジ方式等がある。
第5図(a),(b)はそれぞれ熱圧着方式および超
音波ウェッジ方式のワイヤボンディング方法の説明図で
ある。
熱圧着方式のワイヤボンディング方法においては、予
め300〜350℃に加熱したリードフレーム23上に搭載され
たLSIチップ21の電極部20−1に、線径20〜30μmのワ
イヤ50の先端に形成された直径数+μmから100μmの
ボール51をキャピラリ52によって圧着させ、該ボール51
を電極部20−1に接合させる。また、リードフレーム23
上の電極部20にワイヤ50を接合させるときには、ボール
51を形成しないでワイヤのまま圧着する。
超音波ウェッジ方式のワイヤボンディング方式におい
ては、LSIチップ21の温度を200℃以下に保ち、くさび形
に絞った振動子53(第5図(b))の紙面に垂直な方向
にくさび形になっている)から、ワイヤ50と電極部20ま
たは20−1に超音波振動を印加して接合する。
[発明が解決しようとする課題] 上述の従来のワイヤボンディング方法には次の問題点
がある。
1.熱圧着方式ワイヤボンディング方法においては、LSI
チップ21の加熱によりワイヤボンディング工程の前工程
のダイボンディング工程で形成された、LSIチップ21と
リードフレーム23との接合部22が熱劣化する恐れがあ
り、したがってダイボンディング工程でLSIチップ21と
リードフレーム間を接合するために用いられる材料には
制限がある。
2.超音波ウェッジ方式のワイヤボンディング方法におい
ては、LSIチップ21の温度は200℃以下に下げられるもの
の、接合時、ワイヤに超音波振動を印加するので、電極
数が増大するとLSIチップ21に加える超音波振動の印加
回数も増え、LSIチップ21に繰り返し機械的損傷が加わ
りLSIチップ内にクラッグが発生し、成長する恐れがあ
る。また、超音波印加時間もLSIチップの電極数が増す
と無視できず、ボンディング時間の短縮が困難となる。
3.さらに、熱圧着方式または超音波ウェッジ方式ワイヤ
ボンディング方法で、ワイヤ50をLSIチップ21の電極部2
0−1、またはリードフレーム23の電極部20に接合する
とき、細径かつ充実構造のAuまたはAl等のワイヤが用い
られている。このようなワイヤを、高周波信号を入出力
する高周波LSIチップ等に用いた場合には、ワイヤの細
径に起因する特性インピーダンスの増加や、充実構造に
起因する浮遊容量によるインピーダンスの不整合が生ず
る。
本発明の目的は、ワイヤ構造に起因して発生する高周
波信号に対するインピーダンスの増加、不整合や、熱
的、機械的損傷によるLSIの信頼性の劣化の問題を克服
し、さらにLSIチップの予熱時間や超音波印加時間を含
めたボンディング時間を短縮することができるワイヤボ
ンディング方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明のワイヤボンディング方法は、 金属の表面をもつ対象物に、金属の表面をもつワイヤ
を固着させるワイヤボンディング方法であって、 光ファイバの外側面に金属をコーティングして前記ワ
イヤを製作し、 ワイヤの任意に選択された第1の部分を前記対象物に
接触させて押圧し、 ワイヤの第1の部分の近傍を、前記対象物の表面にほ
ぼ垂直な平面内において所定の曲率で屈曲させ、 ワイヤの、屈曲された部分につながる第2の部分の端
部から前記第2の部分中へレーザ光を入射させ、ワイヤ
の屈曲された部分から漏洩するレーザ光によって当該ワ
イヤを対象物に融着させる。
[作用] 本発明のワイヤボンディング方法においては、光ファ
イバの外側面に金属をコーティングして成るワイヤ(以
下、メタルコートファイバと記す)が用いられている。
周知のように、高周波信号は表皮効果によって導線の表
面の近傍を伝わる。そのため、導線が充実構造である場
合には、導線の中心軸付近の導体は高周波信号の伝送に
寄与せず、電気容量を大きくするだけである。メタルコ
ートファイバの光ファイバ部分は石英ガラスまたは多成
分ガラス材料であるため低誘電率であるので電気容量は
小さく、かつ表面近傍は金属によってコートされている
ので高周波信号に対して特性インピーダンスの増加や不
整合を低減することができる。したがって、従来のワイ
ヤがもつ1つの問題点を解決することができる。
光ファイバを屈曲させるとき、屈曲部の曲率がある値
を越すと、導波される光の漏洩が急激に大きくなる。し
たがって、メタルコートファイバを、対象物の表面に垂
直な平面内で所定の曲率で屈曲させると、漏洩した光
は、対象物を照射する。レーザはエネルギー密度の高い
光ビームを生成することができるので、レーザ光をメタ
ルコートファイバの屈曲部から漏洩させることにより、
対象物の当該屈曲部付近に、エネルギー密度の高い漏洩
光を作ることができる。この漏洩光により、対象物およ
び前記屈曲部付近の小さな範囲が局部的に加熱され、対
象物にメタルコートファイバが融着される。また、第1
の部分は押圧されているので、融着時に溶融金属のため
に位置がずれたり、浮上ったりすることはない。したが
って押圧によって精度の高いボンディングが保証され
る。
前記したように、この方法においては、対象物とメタ
ルコートファイバとの接触部近傍が高いエネルギー密度
で局部的に加熱され相互に融着されるため対象物全体を
予め加熱する必要はなく、ボンディング時間が短かく、
対象物全体の温度は上昇しないので熱的損傷は少く、無
論、機械的損傷は皆無である。
[実施例] 次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図(a)は本発明のワイヤボンディング方法に使
用するメタルコートファイバの断面図、第1図(b)は
本発明のワイヤボンディング方法を行うためのワイヤボ
ンディング装置の一実施例のブロック図である。
本発明のワイヤボンディング方法に使用されるワイヤ
は、石英ガラスまたは多成分ガラスの光ファイバ1−1
の外表面にAuまたはAl等の金属層1−2をコーティング
したメタルコートファイバ1である。光ファイバ1−1
は、ボンディングエネルギーを与えるレーザパルスを伝
送する光導波路であると共に、その大きな引張り強度に
よって、ワイヤの力学的強度を保証する、金属層1−2
は電気信号を伝送する。
本実施例のワイヤボンディング装置は、キャピラリ
2、送りローラ3を含むボンディングヘッド4、キャピ
ラリ駆動機構5、YAGレーザ発振部6、光学結合部7、
レーザドライバ8、ホストコンピュータ9、制御部10に
よって構成されている。
キャピラリ2は、直径約1〜2mmのルビー、サファイ
ヤまたは溶融アルミナのロッドまたはパイプで、ロッド
の場合には、メタルコートファイバ1を通すための孔が
あけられていて、メタルコートファイバ1を電極部に接
触させ、所定の曲率で屈曲させる。第1図には電極部と
してLSIチップ21上に形成された電極部20−1が示され
ている。送りローラ3はメタルコートファイバ1をキャ
ピラリー2に供給し、かつ、メタルコートファイバ1に
張力を与える。キャピラリ駆動機構5は、キャピラリ2
および送りローラ3を駆動する機構である。光学結合部
7は、YAGレーザ発振部6が出力したレーザパルスをメ
タルコートファイバ1の光ファイバ1−1に入射させ
る。レーザドライバ8はYAGレーザ発振部を駆動する。
制御部10は、キャピラリ駆動機構5の動作を制御する。
ホストコンピュータ9は、レーザドライバ8と制御部10
に動作命令を出す。なお、第1図(b)において、メタ
ルコートファイバ1の余長はリールに巻かれている。
次に、本発明の第1の実施例を説明する。
第2図は、本発明のワイヤボンディング方法の説明図
で、第2図(a)はリードフレーム23上に実装された電
極部20およびLSIチップ21上に形成された電極20−1に
メタルコートファイバ1をワイヤボンディングするそれ
ぞれのステップを示す図、第2図(b),(c)は、そ
れぞれの電極20−1,20にメタルコートファイバ1がワイ
ヤボンディングされるとき、メタルコートファイバ1、
キャピラリ2の配置を示す図、第2図(d),(e)
は、融着されたメタルコートファイバ1と電極部20また
は20−1との溶融部分の断面図および平面図である。
本発明のボンディング方法を実行するには、まず、メ
タルコートファイバ1が送りローラ3により、所定量だ
けキャピラリ2の先端に送り出されてクランプされる。
キャピラリ2は、ホストコンピュータ9の指示で予めテ
ィーチングされたLSIチップ21上の電極20−1の上方の
位置に動き、次に下降して、メタルコートファイバ1の
第1の部分(接触部1−3)を電極20−1と接触させる
と共に、キャピラリ2に設けた屈曲規制部2−1でメタ
ルコートファイバを所定の曲率で屈曲させて停止する。
屈曲は、接触部1−3に隣接した部分が、電極部20−1
の表面に垂直な平面内で屈曲するように行われる。この
状態でホストコンピュータ9は、レーザドライバ8に所
定のパルス間隔のパルス発振指示を出し、光学結合部7
によってメタルコートファイバ1内に(正確にはメタル
コートファイバ1の、屈曲された部分(屈曲部)につな
がる部分、すなわち第2の部分内に)レーザパルスが入
射される。メタルコートファイバ1の光ファイバ1−1
中で導波されたレーザパルスは屈曲規制部2−1のとこ
ろでLSIチップ21の電極20−1の側に漏洩して漏洩光11
として出射され、メタルコートファイバ1の金属層の一
部および電極20の金属(Al,Au)を溶融させ(第2図
(e)および(f)中で溶融部分12として示されてい
る)、両者を融着させる。この後、送りローラ3のクラ
ンプが解除され、メタルコートファイバ1が送りローラ
により送り出されると共にキャピラリ2は上昇し、リー
ドフレーム23側の電極20の方向に予めティーチングされ
た軌道を通って進み、電極20上に接触して停止する。こ
の状態において、LSIチップ21上の電極20−1のボンデ
ィングと同様にしてレーザパルスがメタルコートファイ
バ1内に入射され、メタルコートファイバ1の屈曲部か
らの漏洩光11により、メタルコートファイバと電極20b
とがボンディングされる。ボンディング後メタルコート
ファイバ1を切断するため送りローラ3によってメタル
コートファイバ1にそれを破断させる張力を印加し、そ
の結果、キャピラリ2の屈曲規制部2−1の近傍でメタ
ルコートファイバ1が切断される。そして再びキャピラ
リ2が上昇して、次のボンディング動作に入る。このと
き、メタルコートファイバ1の切断張力の印加タイミン
グはレーザ出射後に限定されるものではなく、出射中で
もかまわない。
キャピラリ2および送りローラ3の制御、レーザパル
スの出射タイミング等はすべてティーチングデータをも
とに予めホストコンピュータ9内に制御シーケンスとし
て記憶されており、上記ボンディング動作は自動化され
ている。
また、メタルコートファイバ1をボンディングワイヤ
に適用する場合、LSIチップ21の電極パッドのピッチ間
隔が100〜150μm、パットサイズが約100×100μm程度
であるため、100μm以下の線径が要求されるが、これ
は、現在最も普及している通信用光ファイバ(線径125
μm、コア径50μm)をエッチング等の手段を用いて細
径化し、これに真空蒸着等で金属層をコーティングする
ことで実現できる。また、本発明のボンディング方法で
は従来の熱圧着、超音波ウェッジ方式のようにLSIチッ
プの電極パッド上でワイヤ先端部を加圧変形させる必要
がないため、メタルコートファイバ1の線径は電極パッ
ドのサイズ以下であればよく、従来のワイヤ径(20〜30
μm)まで細径化する必要はない。さらに、従来のボン
ディング用キャピラリ52(第5図)の構造や動作、制御
をほとんど変更することなく、本実施例に利用できるた
め、従来技術の装置を用いても比較的容易に本実施例を
実行することができる。
第3図は本発明の第2の実施例を示す斜視図で、第3
図(a)は基板36上に取付けられたファイバガイド35の
溝35−1(第3図(b)参照)に、送受光用光ファイバ
30を取付けるステップを示す斜視図、第3図(b),
(c)はそれぞれ、ファイバガイド35の溝の断面が矩形
の場合およびV字形の場合に、送受光用光ファイバ30と
ボンディング用メタルコートファイバ1Bの配置を示す図
である。
本実施例は、発光素子または受光素子(以下、送受光
素子と記す)31と送受光用光ファイバ30とを結合して成
る送受光モジュール等の光ディバイスへの応用例であ
る。送受光用光ファイバ(以下、光ファイバと記す)30
はファイバガイド35にセットされ、ファイバガイド35と
接触する部分にファイバガイド35のメタルコート33と同
一の金属でメタルコート30−1が施されている。ボンデ
ィング用メタルコートファイバ1Bの先端の接触部1B−3
は、第1の実施例のワイヤボンディング方法により、フ
ァイバガイド35の矩形またはV字形の断面の溝35−1,35
−2内に光ファイバ30を固定する固定部材として働き、
光ファイバ30、ファイバガイド35のメタルコート層33と
融着接合される。
光ファイバ30は、予め心線34の被覆を除去した後、先
端加工をし、さらにファイバガイド35と接触する部分
に、メタルコート30−1を形成した後ファイバガイド35
の溝35−1内にメタルコート30−1がすべて収容される
ようにセットされる。この状態においてキャピラリ2に
よって、ボンディング用メタルコートファイバ1B(以
下、メタルコートファイバ1Bと記す)の先端部は、溝35
−1または35−2内の光ファイバ30およびファイバガイ
ド35のメタルコート層33の両者と上方から接触して屈曲
される。さらにこの先端部、すなわち接触部1B−3は、
キャピラリ2によって押圧され、その結果、光ファイバ
30は溝35−1または35−2の内壁に密着する。この状態
でメタルコートファイバ1B内にレーザパルスを入射させ
て、屈曲部からの漏洩光11により光ファイバ30、ファイ
バガイド35および接触部1B−3を各々のメタルコート層
を介して相互に融着接合させる。その後、第1の実施例
と同様の手段により、メタルコートファイバ1Bを切断線
37の位置で切断すると、光ファイバ30がファイバガイド
35に固定される。光ファイバ30が固定されたファイバガ
イド35は送受光素子31と光軸合せ(z,y,z軸方向、図中
の矢印)された後、ファイバガイド35は基板36に固定さ
れる。さらに、第1の実施例と同じ方法で送受光素子31
の電極32が外部のリード(電極部20)にワイヤボンディ
ングされて電気配線され(電気配線用メタルコートファ
イバ1E)、送受光素子の組立てが終了する。また、上記
ファイバガイド35の溝35−1の形状がV溝の場合には第
3図(c)のように、光ファイバ30の上部に、2本のボ
ンディング用メタルコートファイバ1Bの接触部1B−3を
本実施例の方法により並置すればよい なお、参考のため、光ファイバ30をファイバガイド35
に固定する方法の従来例を第6図に示す。この方法にお
いては、溝35−1内にセットされた光ファイバ30とファ
イバガイドが、光ファイバ30のメタルコート30−1およ
びファイバガイド35のメタルコート層33を介して半田付
けされる。
本実施例は第6図の方法と比較すると、次の利点があ
る。
(1)固定の間、ファイバを直接ファイバガイドの溝内
に押圧して終始密着固定できるため、第6図の方法のよ
うに、溝内に光ファイバが浮き上がることによる位置ず
れが少なく位置精度が向上する。
(2)固定時間が短かい。
(3)ファイバガイド、メタルコートファイバおよび固
定部材とがすべて、薄いメタルコート層を介して接合さ
せるため第6図の方法のように半田を溝と光ファイバと
の間の空間に充てんして固定する場合に比較して、温度
変動による位置ずれの量および熱応力を低減できる。
第4図は本発明の第3の実施例を示す斜視図で、第4
図(a)は基板36上に搭載された光−電気集積回路(OE
IC)間にメタルコートファイバの光配線路1L−1を接続
するステップを示す斜視図、第4図(b)OEIC41に形成
された入力ファイバセット溝45−1にメタルコートファ
イバを融着するステップを示す図、第4図(c)は、第
4図(b)のステップで一端が融着されたメタルコート
ファイバ1Lを出力ファイバセット溝45−2中で切断する
ステップを示す図、第4図(d)は、第4図(c)のス
テップで切断されたメタルコートファイバ1Lを出力ファ
イバセット溝45−2に融着するステップを示す図であ
る。
前記した第1の実施例においてはメタルコートファイ
バを電気配線路として使用し、第2の実施例において
は、光ファイバをファイバガイドの溝に融着する固定部
材としてメタルコートファイバを使用する場合を示した
が、本実施例においては、メタルコートファイバを光配
線路として使用する。
光−電気集積回路(OEIC)41,42は基板36に搭載さ
れ、光信号入力を電気信号に変換して信号処理を行い、
再び光信号に変換して出力するLSIである。受光素子31
R、送光素子31Eは、OEICに含まれていて、受光素子31R
は入力光信号を電気信号に変換し、送光素子31Eは入力
電気信号を光信号に変換する。スラブ型の光導波路48−
1,48−2(第4図(b)−(d)参照)は、OEIC上に形
成され、光ファイバと送受光素子31E,31Rとを接続す
る。光受動部品43は光の分岐、合成、減衰等を行う。光
配線路1Lの中、第4図(a)の中央に点線で画かれた1L
−1は、これから接続しようとする光配線路である。入
力光コード(入力光ファイバ心線)44−1は、基板36に
実装されたOEIC42に外部から光信号を入力し、出力光コ
ード(出力光ファイバ心線)44−2は、基板36に実装さ
れたOEIC41から外部へ光信号を出力する。
第4図(a)の光デバイスは、入力光コード44−1か
ら入力された光信号がOEIC42の受光素子で電気信号に変
換され、信号処理をされた後、送光素子によって再び光
信号に変換され、点線で画かれた(接続予定の)光配線
路1L−1(メタルコートファイバ)を通ってOEIC41の受
光素子で電気信号に変換され、信号処理をされた後、送
光素子によって再び光信号に変換され、光ファイバ30、
出力光コード44−2を介して出力される光信号の光配線
路と、入力光コード44−1からOEIC42に入力された光信
号が電気信号に変換され、信号処理をされた後、再び光
信号に変換され、光配線路1L−2(メタルコートファイ
バ)を通って光受動部品43によって分岐されて出力光コ
ード44−2から出力される光信号の光配線路から成って
いる。
OEIC41,42間の光配線路1L−1は次のようにして形成
される。
基板36上にOEICチップ41,42、受動部品43等を搭載
し、固定した後、端面を90゜にカットした光配線用メタ
ルコートファイバ1L(以下、メタルコートファイバ1Lと
記す)を所定量だけキャピラリ2から突き出し、その先
端部(接触部)1−3の端面を光導波路48の端面に当接
させて、OEIC41に形成された入力ファイバセット溝45−
1内にキャピラリ2によって押圧してセットすると共
に、キャピラリ2の曲率規制部2−1に沿ってメタルコ
ートファイバ1Lを屈曲させる。次にYAGレーザパルスを
入射させ、屈曲部からレーザ光を漏洩させてメタルコー
ト30−1とメタルコート層33(第3図(b)参照)との
溶融接合により接触部1−3を固定する。(第4図
(b))。その後、第1の実施例で述べた方法により他
のOEIC42の出力ファイバセット溝45−2に向って若干た
るみを与えて布線し、OEIC42の出力ファイバセット溝45
−2内にメタルコートファイバ1Lをセットした状態で切
断線37でメタルコートファイバ1Lをファイバ軸に対し90
゜の角度で切断する。(第4図(c))。この後、キャ
ピラリ2を一担上昇させ光配線路1L−1に加えていた押
圧力を減少させて、光配線路1L−1の端面1−4をOEIC
42の光導波路48−2の端面に当接させ、再び配線1L−1
の先端部をキャピラリ2で押圧して、メタルコートファ
イバ1L側の切断端面から、YAGレーザーを配線1L−1の
端部に照射してOEIC42側に光配線路1L−1を固定する。
(第4図(d))。また、第4図(c)でのメタルコー
トファイバ1Lの切断方法として、例えば予めメタルコー
トファイバ1Lの布線の長さを考慮してメタルコートファ
イバ1Lの所定の位置に超鋼刃、ダイヤモンド刃等でメタ
ルコート30−1を突き破って光ファイバ30に、その軸と
直交して所定の深さの切断傷37を与えておき、その傷が
キャピラリ2の屈曲部に到達したところでメタルコート
ファイバ1Lに屈曲(曲げ)と張力を印加して傷を成長、
伝搬させて切断してもよい。
また、OEIC間での布線長さに若干の余長を投入すれ
ば、第4図(d)に示すように、OEIC42側での接続の
際、メタルコートファイバ1Lの弾性復元力により端面1
−4をOEIC42の光導波路48−2の端面に容易に当接させ
ることができる。OEIC42と受動部品43との光配線路1L−
2も光配線路1L−1と同様に配線できる。その他第4図
(a)の送受光素子31(31E,31R)の電極32と基板36の
電極20−1間の電気配線は第1の実施例で述べた方法に
よって同時にワイヤボンディングしたものである。本実
施例の光配線では、必要ならばメタルコート層を、電気
信号路として利用できることは言うまでもない。
このように本発明のワイヤボンディング方法はOEIC相
互またはOEICと光受動部品との間の光配線にも適用で
き、これにより第2の実施例の場合と同様に高い精度と
短いボンディング時間で信頼度の高い光配線ができる。
また、従来の光ファイバ心線(φ0.8mm)または光コー
ド(φ2〜3mm)を用いて配線する場合と比較し、メタ
ルコートファイバ(100〜150μm)による光配線は配線
スペースを大幅に削減できるので、OEICを用いた光ハイ
ブリッドIC(光HIC)の電気、光ワイヤボンディングに
も本発明の方法を適用することができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は次の効果を有する。
1.メタルコートファイバを対象物に融着するとき、対象
物全体を加熱したり、機械的振動を与える必要がないた
め、対象物が熱的または機械的損傷を受けることが少い
ので、信頼性の高いワイヤボンディングを達成すること
ができる。
2.メタルコートファイバと対象物の融着手段としてレー
ザ光を用い、エネルギー密度の高いレーザ光を、融着し
ようとする範囲に限定して照射するので、ワイヤボンデ
ィングの高速化を図ることができる。
3.メタルコートファイバの第1の部分を押圧しながら対
象物に融着するので、ボンディング中に、第1の部分の
位置がずれることがなく、そのため高精度のボンディン
グを達成することができる。
4.従来のワイヤボンディング装置のキャピラリおよびワ
イヤ制御方法を一部変更することによって、従来の装置
を容易に本発明に適用することができる。
5.本発明の方法を、高周波LSI間の電気配線の接続に適
用した場合は、浮遊容量が少く、インピーダンスの不整
合が低減される。
6.本発明の方法を送受信モジュール等の光部品と光ファ
イバの固定、またはOEICを用いた光ハイブリッドICに適
用した場合には、高精度でボンディング時間が短く、信
頼性の高い光ファイバの固定および光配線を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明のワイヤボンディング方法に使用
するメタルコートファイバの断面図、第1図(b)は本
発明のワイヤボンディング方法を行うためのワイヤボン
ディング装置の一実施例のブロック図、第2図は、本発
明のワイヤボンディング方法の説明図で、第2図(a)
はリードフレーム23上に実装された電極部20およびLSI
チップ21上に形成された電極20−1にメタルコートファ
イバ1をワイヤボンディングするそれぞれのステップを
示す図、第2図(b),(c)は、それぞれの電極20−
1,20にメタルコートファイバ1がワイヤボンディングさ
れるとき、メタルコートファイバ1、キャピラリ2の配
置を示す図、第2図(d),(e)は、融着されたメタ
ルコートファイバ1と電極部20または20−1との溶融接
合部分の断面図および平面図、第3図は本発明の第2の
実施例を示す斜視図で、第3図(a)は基板36上に取付
けられたファイバガイド35の溝35−1に、送受光用光フ
ァイバ30を取付けるステップを示す斜視図、第3図
(b),(c)はそれぞれ、ファイバガイド35の溝の断
面が矩形の場合およびV字形の場合に、送受光用光ファ
イバ30とボンディング用メタルコートファイバ1Bの配置
を示す図、第4図は本発明の第3の実施例を示す斜視図
で、第4図(a)は基板36上に搭載された光−電気集積
回路(OEIC)間にメタルコートファイバの光配線路1Lを
接続するステップを示す斜視図、第4図(b)はOEIC41
に形成された入力ファイバセット溝45−1にメタルコー
トファイバを融着するステップを示す図、第4図(c)
は、第4図(b)のステップで一端が融着されたメタル
コートファイバ1Lを出力ファイバセット溝45−2中で切
断するステップを示す図、第4図(d)は、第4図
(c)のステップで切断されたメタルコートファイバ1L
を出力ファイバセット溝45−2に融着するステップを示
す図、第5図(a),(b)はそれぞれ熱圧着方式およ
び超音波ウェッジ方式のワイヤボンディング方法の説明
図、第6図は光ファイバをファイバガイドに固定する方
法の従来例を示す図である。 1……メタルコートファイバ、 1−1……光ファイバ、 1−2……金属層、 1−3……接触部、 1−4……切断端面、 1B……ボンディング用メタルコートファイバ、 1E……電気配線用メタルコートファイバ、 1L……光配線用メタルコートファイバ、 2……キャピラリ、 2−1……曲率規制部、 3……送りローラ、 4……ボンディングヘッド、 5……キャピラリ駆動機構、 6……YAGレーザ発振部、 7……光学結合部、 8……レーザドライバ、 9……ホストコンピュータ、 10……制御部、 11……漏洩光、 12……溶融部分、 20,20−1,32……電極部、 21……LSIチップ、 22……接合部、 23……リードフレーム、 30……送受光用光ファイバ、 30−1……メタルコート、 31……送受光素子、 31E……送光素子、 31R……受光素子、 33……メタルコート層、 34……心線、 35……ファイバガイド、 35−1,45−2……溝、 36……基板、 37……切断線、 41,42……OEIC、 43……光受動部品、 44−1……入力光コード、 44−2……出力光コード、 45−1……入力ファイバセット溝、 45−2……出力ファイバセット溝、 48−1,48−2……光導波路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属の表面をもつ対象物に、金属の表面を
    もつワイヤを固着させるワイヤボンディング方法におい
    て、 光ファイバの外側面に金属をコーティングして前記ワイ
    ヤを製作し、 ワイヤの任意に選択された第1の部分を前記対象物に接
    触させて押圧し、 ワイヤの第1の部分に隣接した部分を、前記対象物の表
    面にほぼ垂直な平面内において所定の曲率で屈曲させ、 ワイヤの、屈曲された部分につながる第2の部分の端部
    から前記第2の部分中へレーザ光を入射させ、ワイヤの
    屈曲された部分から漏洩するレーザ光によって当該ワイ
    ヤの外側の金属と対象物表面の金属とを相互に融着させ
    て、当該ワイヤを対象物に固着させることを特徴とする
    ワイヤボンディング方法。
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