JP2747431B2 - ポリカーボネート樹脂製防曇波板の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂製防曇波板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリカーボネート樹
脂よりなる防曇波板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建物の窓、温室、カーポートの
屋根等に使用される合成樹脂の透明板としては、アクリ
ル系樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、硬質塩化ビニル
樹脂板などの透明性に優れた熱可塑性樹脂板が汎用され
ている。これらの透明板を高温多湿な場所や、温度や湿
度の変化が大きい場所で使用すると、透明板表面に結露
を生じる。例えば、温室の屋根板に用いた場合、外気温
が温室内温度より低くなると、屋根板の内面に結露して
透明板が曇るため、温室内への日光の照射が妨げられ、
植物の育成を遅らせるばかりか、著しい場合には結露水
が水滴となって滴下し、植物の腐敗や病害を生じる要因
になるという問題があった。
【0003】そこで、従来より、上記のような透明板に
防曇性能を付与する方法が種々実施されている。その代
表例としては、セルローストリアセテートフィルムを鹸
化処理して得られる防曇性能を有するセルロース系フィ
ルムと、熱融着性フィルムとを張り合わせて積層し、こ
の積層フィルムを合成樹脂シート等に熱融着することに
より防曇性を付与した積層シート(特開昭62−182
53号公報)が知られている。ところが、この積層シー
トよりなる透明板は、防曇性能は良いものの、加熱を伴
う曲げ加工や波付け加工等を施した場合や、経時的に、
セルロース系フィルムと熱融着性フィルムとの層間が剥
離し、部分的な白化や失透を招くという問題があった。
【0004】この発明者らは先に、上記問題は、セルロ
ース系フィルムと熱融着性フィルム間に存在する鹸化層
のために生じることを見出し、熱融着性フィルムの片面
にセルロース系樹脂層を設けたフィルム状積層体を作成
した後、このフィルム状積層体に鹸化処理を施すこと
で、セルロース系フィルムと熱融着性フィルム間の鹸化
層をなくし、このフィルム状積層体の熱融着性フィルム
と透明プラスチック基板が接合するように熱圧着し積層
一体化させた、曲げ加工や経時的変化に強い合成樹脂性
防曇板の製造方法を提案した(特開平6−190972
号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記合成樹
防曇板を温室やカーポートの屋根に用いる場合、機
械的強度を向上させるために波形に賦形するのが一般的
であり、波形の合成樹脂製防曇板の製造方法としては押
出ラミネート法、つまり押出成形により合成樹脂基板を
板状に成形した直後に、防曇用のフィルムをラミネート
し、その後波付けを行う方法がコストの面等から有利で
ある。しかしながら、この押出ラミネート法で作成され
た波形の合成樹脂製防曇板は、基板と熱融着性フィルム
やセルロース系フィルムと熱融着性フィルム間での層間
剥離はないものの、従来の常法に従った製造条件、即ち
ポリカーボネート樹脂基板をたとえば180℃を越える
高温に加熱し、これにコイルから引き出した防曇フィル
ムを比較的強い張力を加えながら重ねてラミネートする
場合、防曇フィルムの上記重ね合わせ前、及びラミネー
ト後波付け工程前の段階で既にセルロース系樹脂層に微
細なクラックが生じ易いのみならず、波付け工程におい
て延伸力が加わることによってクラックの現出が顕著な
ものとなり、波板の透明性を阻害し品質劣化を招くとい
う新たな問題が生ずることが判明した。
【0006】この発明は、前記先行提案に係る技術の利
点を踏襲しながら、これを更に改善し、セルロース系樹
脂層のクラックの発生を抑えることのできる合成樹脂製
防曇波板の製造方法を提供することをを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上記の
目的を達成するために、種々の製造条件で実験を行った
結果、ラミネート時の基板温度とフィルムの張力をある
条件に設定することで、セルロース系樹脂層のクラック
発生の問題を解消しうると共に、更に、基板とフィルム
間の密着性を良好なものとなしうることを見出しこの発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、この発明に係るポリカーボネート樹
脂製防曇波板の製造方法は、アクリル系樹脂フィルムの
片面にセルロース系樹脂層を設けたのち、鹸化処理を施
した防曇フィルムと、押出成形により板状に成形された
ポリカーボネート樹脂基板とを、押出ラミネート法によ
り積層一体化させ、その後波形に賦形する防曇板の製造
方法において、防曇フィルムをラミネートする直前のポ
リカーボネート樹脂基板の加熱温度を150〜180℃
の範囲に設定し、ラミネートする際の防曇フィルムの張
力を2〜6kgf/250mm幅の範囲に設定してラミ
ネート処理することを特徴としている。
【0009】上記アクリル系樹脂フィルムとしては、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等を
用いることができ、その製法は、一般的な樹脂製フィル
ムの製造方法、例えばカレンダー加工等を用いれば良
い。なお、この発明に用いるアクリル系樹脂フィルムの
厚さは、例えば10〜100μmの範囲で使用すること
ができ、特に20〜50μmの範囲の厚さが好ましい。
【0010】次にセルロース系樹脂としては、鹸化処理
により防曇性能を発現することのできる、セルロースジ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネ
ート等を用いることができる。このセルロース系樹脂を
後述するようにフィルムにしてアクリル系樹脂フィルム
と積層させる場合のセルロース系樹脂フィルムの厚さ
は、10〜80μmの範囲が好適であり、特に20〜5
0μmの範囲の厚さが好ましい。また、塗膜としてセル
ロース系樹脂層を形成する場合の塗膜の厚さは、5〜5
0μmの範囲が好適であり、特に10〜30μmの範囲
の厚さが好ましい。
【0011】アクリル系樹脂フィルムの片面に、セルロ
ース系樹脂層を設ける方法としては、アクリル系樹脂フ
ィルムとセルロース系樹脂フィルムを熱硬化性接着剤を
介して張り合わせる方法や、アクリル系樹脂フィルムの
片面にセルロース系樹脂を主成分とする塗料を塗布する
方法が例示できる。
【0012】なお、上記塗料にはセルロース系樹脂のほ
か、バインダー成分として、セルロース系樹脂と相溶性
のある、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
メタクリル酸を組み合わせたアクリルラッカー等のアク
リル系塗料用樹脂を、また、一液硬化型及び2液硬化型
の溶剤タイプのウレタン系塗料用樹脂を、また、低粘度
のエポキシ樹脂塗料、あるいは、有機溶剤による溶液エ
ポキシ系塗料用樹脂を選択的に上記セルロース樹脂と混
合して使用することが可能である。
【0013】上記の方法でアクリル系樹脂フィルムと積
層一体化させたセルロース系樹脂層を鹸化させる方法と
しては、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム、も
しくはこれらの混合物を主剤とする水溶液を約50℃に
加熱し、例えば3〜60分間フィルム状積層体を浸漬す
ることで鹸化処理を行う方法が例示できる。
【0014】次に、上記の要領で作成した防曇フィルム
を、従来から汎用されているポリカーボネート樹脂基板
の表面に積層一体化させる。この積層方法として、この
発明では、押出ラミネート法を採用する。この押出ラミ
ネート法は、常法に準じてポリカーボネート樹脂を板状
に成形し、押出されたポリカーボネート樹脂基板をラミ
ネート直前に再びヒーターにより加熱し、防曇フィルム
のアクリル系樹脂フィルム面をポリカーボネート樹脂基
板側に重ね合わせ、ラミネートロールによって熱圧着し
積層一体化させるものである。
【0015】そしてしかるのち、上記積層板に、それが
未だ熱成形温度を保持している間に、波付け加工を施
し、ポリカーボネート樹脂製防曇波板を製作する。波付
加工は、波付けロールを用いてこれに通過させる、従来
の常法によって支障なく行うことができる。
【0016】なお、この発明の方法によって製造される
ような防曇波板は、多くの場合片面を屋外暴露状態に使
用されるものであることに鑑み、上記防曇フィルムのラ
ミネートと反対側の面には、好ましくは保護用の耐候性
フィルムがラミネートされる。この耐候性フィルムとし
ては、最も一般的には紫外線吸収剤、必要であれば更
に、赤外線吸収剤を含有したメチルメタクリレート樹脂
フィルムが用いられ、ポリカーボネート樹脂基板の片面
に、上記防曇フィルムのラミネート工程と同時に熱圧着
し積層一体化される。
【0017】ところで、上記のような防曇波板の押出ラ
ミネート法による製造において、この発明は上記押出ラ
ミネート工程時のポリカーボネート樹脂基板の加熱温
度、及び防曇フィルムの張力を所定の範囲に設定して、
当該ラミネート工程を実施することを重要な製造条件と
して規定するのもである。即ち、防曇フィルムをラミネ
ートする直前のポリカーボネート樹脂基板の温度を、従
来の常法による加熱温度よりも相対的に低い150〜1
80℃の範囲に設定し、また防曇フィルムのラミネート
時に該防曇フィルムに2〜6kgf/250mm幅の範
囲の張力を付与した状態のもとにラミネート工程を実施
すべきものとする。
【0018】上記ラミネート工程において、ラミネート
直前のポリカーボネート樹脂基板の加熱温度を150℃
未満に設定した場合、防曇フィルムとポリカーボネート
樹脂基板との密着が不充分なものとなるのみならず、積
層板を均整な波形に賦形することも困難なものとなる。
一方、加熱温度を180℃を越える温度に設定した場
合、セルロース系樹脂層にクラックが発生し、その透明
性が阻害される欠点が生じる。したがって、防曇フィル
ムをラミネートする直前のポリカーボネート樹脂基板の
加熱温度は150〜180℃の範囲に設定することが必
要であり。特に、155〜175℃の範囲で設定するの
が好ましい。
【0019】また、ラミネートする際の防曇フィルムの
張力を2kgf/250mm幅未満に設定した場合、防
曇フィルムに皺が入ってしまう。一方、張力を6kgf
/250mm幅をこえて設定した場合、セルロース系樹
脂層にクラックが発生する。したがってラミネートする
際の防曇フィルムの張力は2〜6kgf/250mm幅
の範囲に設定する必要があり、特に、2.5〜5.5k
gf/250mm幅の範囲で設定するのが好ましい。
【0020】ラミネート時の前記ポリカーボネート樹脂
基板の加熱温度の制御は従来からラミネート設備に付帯
されているヒーターの制御によって容易に行うことがで
きる。
【0021】一方、防曇フィルムの張力の設定は、該防
曇フィルムの供給装置に制動力を可変設定可能なものと
した制動装置を付設し、コイルから巻き戻してラミネー
トロールに供給される防曇フィルムの巻き戻しに、所定
の抵抗力を付与するものとすることによって行うのが最
も簡易であり推奨される。もとよりこの発明はかかる張
力付与方法にのみ限定されるものではない。
【0022】
【作用】上記において、セルロース系樹脂をアクリル系
樹脂に積層後鹸化することにより、セルロース系樹脂の
表面のみが鹸化され、アクリル系樹脂との接合面は鹸化
されないため、セルロース系樹脂とアクリル系樹脂の密
着性が良くなり、波付け加工などの熱加工時、あるいは
経時的に、セルロース系樹脂フィルムとアクリル系樹脂
フィルムの層間が剥離して、部分的に白化し失透する現
象がなくなる。
【0023】また、防曇フィルムにアクリル系樹脂を採
用することで、ラミネートする際の防曇フィルムの張力
を上記の範囲に問題なく設定することができ、基板にポ
リカーボネート樹脂を採用することで、上記基板の加熱
温度範囲内でも、防曇フィルムと基板とを密着性良く積
層一体化することができる。
【0024】また、防曇フィルムのラミネート時におけ
る基板の加熱温度及び防曇フィルムの張力を所定の範囲
に設定してラミネート工程を実施することで、防曇フィ
ルムの良好な密着性、波付加工性を確保しながら、防曇
性能を担うセルロース系樹脂層にクラックが発生するの
を確実に防止しうる。
【0025】
【実施例】次にこの発明の実施例を図を参照しつつ詳し
く説明する。
【0026】まず、カレンダー加工により作成した、厚
さ50μm、溶融温度約130℃のアクリル樹脂フィル
ムの片面に、リバースロールコーターを用いてセルロー
ス系樹脂を主成分とする塗料を10μmの厚さに塗布
し、フィルム状積層体を作成した。
【0027】ここで、セルロース系樹脂を主成分とする
塗料としては、セルロース系樹脂として、ブチル基37
重量%、アセチル基13重量%のセルロースアセテート
ブチレートを80重量%と、バインダーとしてアクリル
酸メチル20重量%とを、メチルイソブチルケトン:キ
シレン:酢酸ブチル=3:3:4の混合溶剤に固形分比
20重量%となるように溶解し調合した塗料を用いた。
【0028】次に、上記フィルム状積層体を、水酸化ナ
トリウム300重量部、エチルアルコール100重量
部、水1000重量部からなるアルカリ水溶液を約50
℃に調整した鹸化処理溶液中に50分間浸漬し、セルロ
ースアセテートブチレートを鹸化し、防曇フィルム
(2)を作成した。
【0029】一方、基板(1)の成形用材料として従来
から汎用されているような、分子量27,000のポリ
カーボネート樹脂を用い、T型ダイス(4)を備えた押
出成形機(3)により、押出温度280℃で押出し、ポ
リシングロール(5)を通過させて、厚さ0.7mm、
幅1000mmの板状のポリカーボネート樹脂基板
(1)に成形した。
【0030】そして、押出成形機(3)の前方に配置し
たヒーター(6)(6)によりポリカーボネート樹脂基
板(1)の両面を加熱した後、前記の防曇フィルム
(2)及び耐候性フィルム(7)を、それぞれ巻き戻し
ロール(2a)(7a)から引き出してシリコン樹脂製
のラミネートロール(8)(8)に供給し、上記ポリカ
ーボネート樹脂基板(1)の両面に重ね合わせて融着接
合一体化せしめるものとした。
【0031】なお、上記防曇フィルム(2)は、そのア
クリル系樹脂フィルム面と基板(1)側に重ねて積層す
るものとした。
【0032】また、耐候性フィルム(7)には、紫外線
吸収剤を含有したメチルメタクリレート樹脂からなる厚
さ50μmのフィルムを用いた。
【0033】ここに防曇フィルム(2)は、ラミネート
時に該フィルムに所定の張力を付与しうるものとした。
この張力付与手段として、図2に示すように、防曇フィ
ルム(2)の供給装置に付設した制動装置(10)を用
いた。該制動装置(10)は、制動力を可変設定可能と
したテンションコントローラー(11)を具備し、防曇
フィルム(2)のロール芯紙管(12)を支持する回転
軸(13)に所定の回転抵抗を与え得るようにしたもの
である。即ち、図2に示すように、軸受け(14)に支
持された回転軸(13)の一端の紙管押さえ(15)に
よってロール芯紙管(12)を回転自在に支持する一
方、同回転軸(13)の他端を押動型回転伝達機構(1
6)を介してテンションコントローラー(11)の制動
回転軸(17)に接続し、防曇フィルム(2)のロール
(2a)からの引出し力に伴うロール芯紙管(12)の
回転に一定の抵抗力を付与することによって、防曇フィ
ルム(2)に所定の張力を与えるようにしたものであ
る。
【0034】次に、上記の如くして基板(1)の両面に
防曇フィルム(2)及び耐候性フィルム(7)をラミネ
ートした積層板を、その温度が未だ十分に高く熱成形温
度を保有している間に、ラミネートロール(8)の前方
にインラインに配置した波付ロール群(9a)及び波深
さ調整ロール群(9b)を通過させ、山間ピッチ32m
m、山高さ9mmの長さ方向に連続した波付加工を施し
た後、裁断機(18)で所定の長さに切断して、所期す
るポリカーボネート樹脂製の防曇波板(A)を得た。
【0035】ところで、上記製法の実施において、この
発明の効果を確認するために、防曇フィルム(2)のラ
ミネート工程において、ヒーター(6)による加熱温度
の調整により、ラミネート直前のポリカーボネート樹脂
基板(1)の温度を140℃、150℃、180℃、1
90℃の4段階に変化させて設定すると共に、テンショ
ンコントローラー(11)の調整により防曇フィルム
(2)の張力を1〜7kgf/250mm幅の範囲で各
種に変化させて設定し、それぞれの組み合わせにおい
て、上記防曇波板(A)の製造を行った。
【0036】そして、得られた各種の防曇波板(A)に
つき、防曇フィルム(2)におけるセルロース系樹脂層
のクラック発生の有無、防曇フィルム(2)の皺の有
無、及び波付状態の良否の3項目について目視検査によ
り評価した。その評価結果を表1に示す。なお、同表
中”良”は上記3項目のいずれも良好であったもの、そ
の他は記載項目において不良であったものを示す。
【0037】
【表1】
【0038】上表の結果から、ラミネートする際のポリ
カーボネート樹脂の加熱温度範囲を150〜180℃、
防曇フィルムの張力の範囲を2〜6kgf/250mm
幅に設定することにより、セルロース系樹脂層にクラッ
クの発生がなく、防曇フィルムの密着性が良好で、皺の
発生がなく、しかも波付状態の良好なカーボネート樹脂
製防曇波板を製造することができることを確認した。
【0039】
【発明の効果】この発明の製造方法によれば、上述のよ
うにアクリル系樹脂フィルムの片面にセルロース系樹脂
層を設けたフィルム状積層体に鹸化処理を施して防曇フ
ィルムを作成し、この防曇フィルムをアクリル系樹脂側
でポリカーボネート樹脂基板上に重ね合わせて積層一体
化し、波付け加工を施す方法において、防曇フィルムを
ラミネートする直前のポリカーボネート樹脂基板の加熱
温度を150〜180℃の範囲に設定し、ラミネートす
る際の防曇フィルムの張力を2〜6kgf/250mm
幅の範囲に設定してラミネート処理を行うものであるか
ら、前述の先行提案による利点、即ち防曇フィルムと基
板との間で層間剥離や白化、失透の恐れのない防曇板を
製造することができる利点をそのまま享受しながら、防
曇フィルムの鹸化処理されたセルロース系樹脂層に微細
なクラックが発生したり、該フィルムに皺が発生するの
を確実に防止して、透明性、外観の良好な高品質の防曇
波板を製造することができる。しかも、基板の押出成形
から防曇フィルムのラミネート及び波付加工までの一連
の工程をインラインの形で容易に実施することができ、
高い製造効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に用いる製造装置の概略側面図
である。
【図2】防曇フィルムの供給装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1…ポリカーボネート樹脂基板 2…防曇フィルム 6…ヒーター 8…ラミネートロール 10…制動装置 11…テンションコントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/04 CEP C08J 7/04 CEPS // B29K 1:00 33:00 69:00 B29L 9:00 C08L 33:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系樹脂フィルムの片面にセルロー
    ス系樹脂層を設けたのち、鹸化処理を施した防曇フィル
    ムと、押出成形により板状に成形されたポリカーボネー
    ト樹脂基板とを、押出ラミネート法により積層一体化さ
    せ、その後波形に賦形する防曇板の製造方法において、 防曇フィルムをラミネートする直前のポリカーボネート
    樹脂基板の加熱温度を150〜180℃の範囲に設定
    し、ラミネートする際の防曇フィルムの張力を2〜6k
    gf/250mm幅の範囲に設定してラミネート処理す
    ることを特徴とするポリカーボネート樹脂製防曇波板の
    製造方法
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