JP2746046B2 - パルプ用チップの処理方法 - Google Patents
パルプ用チップの処理方法Info
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- JP2746046B2 JP2746046B2 JP4353193A JP4353193A JP2746046B2 JP 2746046 B2 JP2746046 B2 JP 2746046B2 JP 4353193 A JP4353193 A JP 4353193A JP 4353193 A JP4353193 A JP 4353193A JP 2746046 B2 JP2746046 B2 JP 2746046B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙用パルプの原料と
なる木材チップの処理方法、特に該チップの供給からア
ルカリ法による蒸解及び水洗を経て粗大分の濾過除去を
行う未晒パルプの精選に至る工程における処理方法に関
する。
なる木材チップの処理方法、特に該チップの供給からア
ルカリ法による蒸解及び水洗を経て粗大分の濾過除去を
行う未晒パルプの精選に至る工程における処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、製紙用パルプの製造において
は、原料の木材チップをこれに含まれる空気を水蒸気と
置換した上でアルカリ液(例えば、硫酸塩法では苛性ソ
ーダと硫化ソーダの重量比8:2の混合液、ソーダ法で
は苛性ソーダ単独)と共に蒸解釜に投入し、この蒸解釜
中で加熱処理することにより、木材中のリグニンを溶解
させて未晒パルプとしたのち、水洗することにより、溶
解したリグニンを含むアルカリ液を除去し、次いでノッ
ターにより塊状のノット(節)を分離し、更に数段階の
濾過スクリーンを通して粗大物をスクリーン粕として除
いた上で、以降の洗浄工程、O2 脱リグニン工程へ送
る。
は、原料の木材チップをこれに含まれる空気を水蒸気と
置換した上でアルカリ液(例えば、硫酸塩法では苛性ソ
ーダと硫化ソーダの重量比8:2の混合液、ソーダ法で
は苛性ソーダ単独)と共に蒸解釜に投入し、この蒸解釜
中で加熱処理することにより、木材中のリグニンを溶解
させて未晒パルプとしたのち、水洗することにより、溶
解したリグニンを含むアルカリ液を除去し、次いでノッ
ターにより塊状のノット(節)を分離し、更に数段階の
濾過スクリーンを通して粗大物をスクリーン粕として除
いた上で、以降の洗浄工程、O2 脱リグニン工程へ送
る。
【0003】一方、上記ノッターにて分離されたノッ
ト、ならびに上記濾過スクリーンにて分離されたスクリ
ーン粕は、パルプ繊維を高率で含むため、省資源及び原
料コスト低減の観点から、従来より、それぞれ回収して
個別に分散液としてポンプにより原料供給側へ返送し、
原料の木材チップ中に混入して再蒸解させることによ
り、パルプ繊維を取り出すようにしている。
ト、ならびに上記濾過スクリーンにて分離されたスクリ
ーン粕は、パルプ繊維を高率で含むため、省資源及び原
料コスト低減の観点から、従来より、それぞれ回収して
個別に分散液としてポンプにより原料供給側へ返送し、
原料の木材チップ中に混入して再蒸解させることによ
り、パルプ繊維を取り出すようにしている。
【0004】しかして、蒸解工程においては原料中の水
分が多くなると蒸解効率の低下を招くことから、原料供
給側へ分散液形態で返送されてきたノット及びスクリー
ン粕はできるだけ水分を少なくした濃縮状態で木材チッ
プ中に混入する必要があり、このために従来よりハイド
ラデンサと称される図2に示すような傾斜型スクリュー
式濃縮機が汎用されている。このハイドラデンサ1は、
図示の如く、傾斜配置した筒状の濾過スクリーン2内に
連続スパイラル状のスクリュー軸3が配置したスクリー
ンシリンダ4の一本乃至複数本を外套板5にて包囲した
ものであり、モータ6にてスクリュー軸3を回転駆動す
ることにより、下部の入口7より上記ノット又はスクリ
ーン粕の分散液を導入し、上部の出口8まで移送する過
程で、周囲の濾過スクリーン2を通して脱水させ、排水
口9及びオーバーフローノズル9aから排水するように
なされている。
分が多くなると蒸解効率の低下を招くことから、原料供
給側へ分散液形態で返送されてきたノット及びスクリー
ン粕はできるだけ水分を少なくした濃縮状態で木材チッ
プ中に混入する必要があり、このために従来よりハイド
ラデンサと称される図2に示すような傾斜型スクリュー
式濃縮機が汎用されている。このハイドラデンサ1は、
図示の如く、傾斜配置した筒状の濾過スクリーン2内に
連続スパイラル状のスクリュー軸3が配置したスクリー
ンシリンダ4の一本乃至複数本を外套板5にて包囲した
ものであり、モータ6にてスクリュー軸3を回転駆動す
ることにより、下部の入口7より上記ノット又はスクリ
ーン粕の分散液を導入し、上部の出口8まで移送する過
程で、周囲の濾過スクリーン2を通して脱水させ、排水
口9及びオーバーフローノズル9aから排水するように
なされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
あっては、特にスクリーン粕の分散液を上記ハイドラデ
ンサ1にて移送脱水する際の脱水効率が非常に悪いこと
から、このスクリーン粕の木材チップ中への混入によ
り、蒸解工程において薬液の濃度低下をきたして蒸解効
率が悪化すると共に、該水分により蒸解釜の温度が低下
するため、所要の加熱温度を維持する上で熱エネルギー
消費が増大するという問題があった。
あっては、特にスクリーン粕の分散液を上記ハイドラデ
ンサ1にて移送脱水する際の脱水効率が非常に悪いこと
から、このスクリーン粕の木材チップ中への混入によ
り、蒸解工程において薬液の濃度低下をきたして蒸解効
率が悪化すると共に、該水分により蒸解釜の温度が低下
するため、所要の加熱温度を維持する上で熱エネルギー
消費が増大するという問題があった。
【0006】本発明は、上述の状況に鑑み、未晒パルプ
の精選工程で回収されるノット及びスクリーン粕を原料
の木材チップに混入して再利用する方法において、蒸解
工程の前段階で該ノット及びスクリーン粕の脱水・濃縮
を効率よく行い、もって蒸解効率を高めると共に蒸解時
の熱エネルギーコストを節減することを目的としてい
る。
の精選工程で回収されるノット及びスクリーン粕を原料
の木材チップに混入して再利用する方法において、蒸解
工程の前段階で該ノット及びスクリーン粕の脱水・濃縮
を効率よく行い、もって蒸解効率を高めると共に蒸解時
の熱エネルギーコストを節減することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るパルプ用チップの処理方法
は、原料の木材チップTをアルカリ液Aと共に蒸解釜1
0に投入し、加熱してリグニンを溶解したのち、水洗し
てパルプ繊維を主体とする分散液を得て、ノッター11
により該分散液中の塊状のノットKを分離し、この分離
後の分散液を複数段の濾過スクリーン12…を通した上
で以降のパルプ調製工程へ送る方法において、上記ノッ
ター11にて分離されたノットKと、上記濾過スクリー
ン12…にて分離されたスクリーン粕Dとを液Wと共に
混合し、この混合物Mを、連続スパイラルのスクリュー
軸3の周囲に筒状の濾過スクリーン2が配置した脱水搬
送装置1により、移送しつつ脱水処理し、この処理後の
混合物Mを上記原料の木材チップTに配合することを特
徴とする構成を採用したものである。
に、本発明の請求項1に係るパルプ用チップの処理方法
は、原料の木材チップTをアルカリ液Aと共に蒸解釜1
0に投入し、加熱してリグニンを溶解したのち、水洗し
てパルプ繊維を主体とする分散液を得て、ノッター11
により該分散液中の塊状のノットKを分離し、この分離
後の分散液を複数段の濾過スクリーン12…を通した上
で以降のパルプ調製工程へ送る方法において、上記ノッ
ター11にて分離されたノットKと、上記濾過スクリー
ン12…にて分離されたスクリーン粕Dとを液Wと共に
混合し、この混合物Mを、連続スパイラルのスクリュー
軸3の周囲に筒状の濾過スクリーン2が配置した脱水搬
送装置1により、移送しつつ脱水処理し、この処理後の
混合物Mを上記原料の木材チップTに配合することを特
徴とする構成を採用したものである。
【0008】同様に本発明の請求項2は、上記請求項1
のパルプ用チップの処理方法において、原料の木材チッ
プTに配合するノットK/スクリーン粕Dの重量比を2
0/1〜1/1に設定する構成を採用したものである。
のパルプ用チップの処理方法において、原料の木材チッ
プTに配合するノットK/スクリーン粕Dの重量比を2
0/1〜1/1に設定する構成を採用したものである。
【0009】
【作用】本発明方法においては、ノッター11にて分離
されたノットKと、濾過スクリーン12…にて分離され
たスクリーン粕Dとを予め液Wと共に混合し、この混合
物Mの形態で脱水搬送装置1により移送しつつ脱水処理
するが、ノットKが木材の節目等より生成した粗大で固
い塊状物であるのに対し、スクリーン粕Dは細かいゲル
状の粕であるため、混合物Mは形状及び大きさが著しく
相違する固形分の混在した分散液となる。従って、この
混合形態の分散液を脱水搬送装置1に導入して移送しつ
つ脱水処理する際、粗粒のノットKの存在により、分散
液中での水の移動性が良い上、濾過スクリーン2の目詰
まりを生じにくく、もって脱水効率が大きく向上するこ
とになり、それだけノットK及びスクリーン粕Dを原料
の木材チップTに混入した際の水分量が少なくなり、蒸
解工程での薬液の濃度低下ならびに蒸解釜の温度低下が
緩和され、蒸解効率が向上すると共に蒸解時の熱エネル
ギー消費を低減できることになる。
されたノットKと、濾過スクリーン12…にて分離され
たスクリーン粕Dとを予め液Wと共に混合し、この混合
物Mの形態で脱水搬送装置1により移送しつつ脱水処理
するが、ノットKが木材の節目等より生成した粗大で固
い塊状物であるのに対し、スクリーン粕Dは細かいゲル
状の粕であるため、混合物Mは形状及び大きさが著しく
相違する固形分の混在した分散液となる。従って、この
混合形態の分散液を脱水搬送装置1に導入して移送しつ
つ脱水処理する際、粗粒のノットKの存在により、分散
液中での水の移動性が良い上、濾過スクリーン2の目詰
まりを生じにくく、もって脱水効率が大きく向上するこ
とになり、それだけノットK及びスクリーン粕Dを原料
の木材チップTに混入した際の水分量が少なくなり、蒸
解工程での薬液の濃度低下ならびに蒸解釜の温度低下が
緩和され、蒸解効率が向上すると共に蒸解時の熱エネル
ギー消費を低減できることになる。
【0010】なお、脱水搬送装置1としては、既述した
ハイドラデンサの如き傾斜型のものに限らず、水平型や
垂直型等の他の構造のものも使用できる。しかして、原
料の木材チップTに混入するノットKとスクリーン粕D
の比率は、K/Dの重量比で20/1〜1/1の範囲が
好ましく、ノットKの割合が少な過ぎては充分な脱水効
率が得られず、逆にノットKの割合が多過ぎては実操業
上で再利用できない余剰のスクリーン粕Dを多量に生じ
ることになる。
ハイドラデンサの如き傾斜型のものに限らず、水平型や
垂直型等の他の構造のものも使用できる。しかして、原
料の木材チップTに混入するノットKとスクリーン粕D
の比率は、K/Dの重量比で20/1〜1/1の範囲が
好ましく、ノットKの割合が少な過ぎては充分な脱水効
率が得られず、逆にノットKの割合が多過ぎては実操業
上で再利用できない余剰のスクリーン粕Dを多量に生じ
ることになる。
【0011】
【実施例】図1は本発明方法を適用した一実施例のパル
プ処理工程を示す。チップサイロ(図示略)より搬入さ
れた原料の木材チップTは、搬送スクリュー13により
チップびん14に投入され、低圧フィーダ15を介して
スチーミングベッセル16へ送られ、そのスクリュー1
6aにて搬送される過程で該スチーミングベッセル16
内に導入される水蒸気Sにより原料中の空気を置換した
上で、高圧フィーダ17を介して蒸解釜10に頂部より
投入される。この蒸解釜10には、白液と称されるアル
カリ液A(硫酸塩法では苛性ソーダと硫化ソーダの重量
比8:2の混合液)が、流量調整弁18を介して、チッ
プびん14の下部に設けたチップメータ14aにて測定
されるチップTの送り量に対応した量的割合で、且つ一
部を高圧フィーダ17において予めチップTに含有させ
た形で導入される。しかして、蒸解釜10中に投入され
たチップTはアルカリ液Aと共に165℃程度で2〜3
時間の加熱処理つまり蒸解を施され、これによりチップ
T中のリグニンを主として非繊維炭化水素等を含む成分
がアルカリ液A中に溶出し、黒液と称される液相を構成
し、固相はパルプ繊維を主体とした未晒パルプとなる。
プ処理工程を示す。チップサイロ(図示略)より搬入さ
れた原料の木材チップTは、搬送スクリュー13により
チップびん14に投入され、低圧フィーダ15を介して
スチーミングベッセル16へ送られ、そのスクリュー1
6aにて搬送される過程で該スチーミングベッセル16
内に導入される水蒸気Sにより原料中の空気を置換した
上で、高圧フィーダ17を介して蒸解釜10に頂部より
投入される。この蒸解釜10には、白液と称されるアル
カリ液A(硫酸塩法では苛性ソーダと硫化ソーダの重量
比8:2の混合液)が、流量調整弁18を介して、チッ
プびん14の下部に設けたチップメータ14aにて測定
されるチップTの送り量に対応した量的割合で、且つ一
部を高圧フィーダ17において予めチップTに含有させ
た形で導入される。しかして、蒸解釜10中に投入され
たチップTはアルカリ液Aと共に165℃程度で2〜3
時間の加熱処理つまり蒸解を施され、これによりチップ
T中のリグニンを主として非繊維炭化水素等を含む成分
がアルカリ液A中に溶出し、黒液と称される液相を構成
し、固相はパルプ繊維を主体とした未晒パルプとなる。
【0012】上記の黒液を含む未晒パルプは、次に未晒
ディフューザ19に送られ、ここで水洗により黒液が洗
い除かれる。上記水洗を経て得られるパルプ繊維を主体
とした分散液はポンプ20を介してノッター11に送ら
れ、ここで塊状物であるノットKを含む残渣が分離され
る。そして、この残渣を分離除去したパルプ成分は、続
いて1次〜4次の濾過スクリーン12…を通して以降の
洗浄工程、O2 脱リグニン工程、漂白工程へと順次送ら
れる。一方、ノッター11の分離残渣はヤンソンスクリ
ーン21を介してノットKとこれに付随する繊維成分F
とに分離され、ノットKは混合タンク22に投入され、
繊維成分Fは濾過スクリーン12…へ送られるパルプ成
分中に戻される。
ディフューザ19に送られ、ここで水洗により黒液が洗
い除かれる。上記水洗を経て得られるパルプ繊維を主体
とした分散液はポンプ20を介してノッター11に送ら
れ、ここで塊状物であるノットKを含む残渣が分離され
る。そして、この残渣を分離除去したパルプ成分は、続
いて1次〜4次の濾過スクリーン12…を通して以降の
洗浄工程、O2 脱リグニン工程、漂白工程へと順次送ら
れる。一方、ノッター11の分離残渣はヤンソンスクリ
ーン21を介してノットKとこれに付随する繊維成分F
とに分離され、ノットKは混合タンク22に投入され、
繊維成分Fは濾過スクリーン12…へ送られるパルプ成
分中に戻される。
【0013】しかして、各濾過スクリーン12では非通
過分として分離されたスクリーン粕Dを生じるが、これ
らスクリーン粕Dも混合タンク22に投入され、該混合
タンク22においてノットK及びスクリーン粕Dが液W
と共に混合される。ここで使用する液Wには、後述する
ハイドラデンサ1による脱水工程より戻される水と、未
晒ディフューザ19からの黒液を含む洗浄水が使用され
る。次に該混合タンク22の分散液形態の混合物Mがポ
ンプ23を介して原料供給側に設置されたハイドラデン
サ1の貯槽1aに送られ、該ハイドラデンサ1にて移送
される過程で脱水処理される。そして、この脱水処理後
のノットK及びスクリーン粕Dは、搬送スクリュー13
に投下され、原料の木材チップTと共に再び蒸解釜10
に送られて蒸解を受け、パルプ繊維が取り出される。
過分として分離されたスクリーン粕Dを生じるが、これ
らスクリーン粕Dも混合タンク22に投入され、該混合
タンク22においてノットK及びスクリーン粕Dが液W
と共に混合される。ここで使用する液Wには、後述する
ハイドラデンサ1による脱水工程より戻される水と、未
晒ディフューザ19からの黒液を含む洗浄水が使用され
る。次に該混合タンク22の分散液形態の混合物Mがポ
ンプ23を介して原料供給側に設置されたハイドラデン
サ1の貯槽1aに送られ、該ハイドラデンサ1にて移送
される過程で脱水処理される。そして、この脱水処理後
のノットK及びスクリーン粕Dは、搬送スクリュー13
に投下され、原料の木材チップTと共に再び蒸解釜10
に送られて蒸解を受け、パルプ繊維が取り出される。
【0014】上記のハイドラデンサ1は、既述した傾斜
型スクリュー式濃縮機であり、図2の如く、傾斜配置し
た筒状の濾過スクリーン2内に連続スパイラル状のスク
リュー軸3を配設したスクリーンシリンダ4の一本乃至
複数本が外套板5にて包囲されており、モータ6にてス
クリュー軸3を回転駆動することにより、下部の入口7
より導入されたノットKとスクリーン粕Dの混合分散液
を上部の出口8まで移送すると共に、この移送過程で水
分を周囲の濾過スクリーン2を通して脱水して排水口9
a及びオーバーフローノズル9bから排水し、この排水
は混合タンク22へ戻される。
型スクリュー式濃縮機であり、図2の如く、傾斜配置し
た筒状の濾過スクリーン2内に連続スパイラル状のスク
リュー軸3を配設したスクリーンシリンダ4の一本乃至
複数本が外套板5にて包囲されており、モータ6にてス
クリュー軸3を回転駆動することにより、下部の入口7
より導入されたノットKとスクリーン粕Dの混合分散液
を上部の出口8まで移送すると共に、この移送過程で水
分を周囲の濾過スクリーン2を通して脱水して排水口9
a及びオーバーフローノズル9bから排水し、この排水
は混合タンク22へ戻される。
【0015】このハイドラデンサ1による移送・脱水の
過程では、被搬送物がノットKとスクリーン粕Dの混合
した分散液形態であり、分散液中での水の移動性が良い
上、濾過スクリーン2の目詰まりを生じにくいため、高
い脱水効率が得られる。従って、本実施例の方法では、
ノットK及びスクリーン粕Dを原料の木材チップTに混
入した際の水分量が従来に比較して大幅に少なくなり、
蒸解工程での薬液の濃度低下ならびに蒸解釜の温度低下
が小さく、蒸解効率が向上すると共に、蒸解時の熱エネ
ルギー消費が低減される。
過程では、被搬送物がノットKとスクリーン粕Dの混合
した分散液形態であり、分散液中での水の移動性が良い
上、濾過スクリーン2の目詰まりを生じにくいため、高
い脱水効率が得られる。従って、本実施例の方法では、
ノットK及びスクリーン粕Dを原料の木材チップTに混
入した際の水分量が従来に比較して大幅に少なくなり、
蒸解工程での薬液の濃度低下ならびに蒸解釜の温度低下
が小さく、蒸解効率が向上すると共に、蒸解時の熱エネ
ルギー消費が低減される。
【0016】因に、このハイドラデンサ1として石川島
産業機械社製2−B−9型(スクリーンシリンダ4の本
数2本、同内径410mm、同面長1864mm)を用
い、そのスクリーン孔径を2.0mm、スクリュー回転
数を32rpm、処理量76BDT/Dとして、分散液
の入口の固形分濃度を4重量%(ノットK/スクリーン
粕Dの重量比=6.5/1)に設定したとき、出口の固
形分濃度20重量%まで濃縮されるという結果が得られ
ている。これに対し、従来のノットKとスクリーン粕D
の個別処理方法において、同様のハイドラデンサ1によ
る移送・脱水を行った場合、スクリーン粕Dの分散液で
は入口の固形分濃度が4重量%の場合に出口の固形分濃
度は10重量%までしか濃縮されなかった。
産業機械社製2−B−9型(スクリーンシリンダ4の本
数2本、同内径410mm、同面長1864mm)を用
い、そのスクリーン孔径を2.0mm、スクリュー回転
数を32rpm、処理量76BDT/Dとして、分散液
の入口の固形分濃度を4重量%(ノットK/スクリーン
粕Dの重量比=6.5/1)に設定したとき、出口の固
形分濃度20重量%まで濃縮されるという結果が得られ
ている。これに対し、従来のノットKとスクリーン粕D
の個別処理方法において、同様のハイドラデンサ1によ
る移送・脱水を行った場合、スクリーン粕Dの分散液で
は入口の固形分濃度が4重量%の場合に出口の固形分濃
度は10重量%までしか濃縮されなかった。
【0017】なお、上記実施例では、脱水搬送装置とし
てハイドラデンサ1つまり傾斜型スクリュー式濃縮機を
使用しているが、連続スパイラルのスクリュー軸の周囲
に筒状の濾過スクリーンが配置した構造であれば、水平
型や垂直型のものも使用可能である。また、本発明の処
理方法では、原料のチップTを蒸解釜10へ投入するま
でに介在させる搬送装置の種類及び配置構成や、ノッタ
ー11以降の濾過スクリーンの設置数等の細部構成につ
いて、図1に例示した以外に適宜変更可能であり、例え
ばヤンソンスクリーン21を省略したり、ノットKとス
クリーン粕Dとを個別に分散液として原料供給側に移送
し、両分散液をハイドラデンサ1への導入前に混合する
構成も採用可能である。
てハイドラデンサ1つまり傾斜型スクリュー式濃縮機を
使用しているが、連続スパイラルのスクリュー軸の周囲
に筒状の濾過スクリーンが配置した構造であれば、水平
型や垂直型のものも使用可能である。また、本発明の処
理方法では、原料のチップTを蒸解釜10へ投入するま
でに介在させる搬送装置の種類及び配置構成や、ノッタ
ー11以降の濾過スクリーンの設置数等の細部構成につ
いて、図1に例示した以外に適宜変更可能であり、例え
ばヤンソンスクリーン21を省略したり、ノットKとス
クリーン粕Dとを個別に分散液として原料供給側に移送
し、両分散液をハイドラデンサ1への導入前に混合する
構成も採用可能である。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原料の木材チ
ップをアルカリ液と共に蒸解釜に投入し、加熱してリグ
ニンを溶解したのち、水洗してパルプ繊維を主体とする
分散液を得て、ノッターにより該分散液中の塊状のノッ
トを分離し、この分離後の分散液を複数段の濾過スクリ
ーンを通した上で以降のパルプ調製工程へ送ると共に、
上記の分離したノットと上記濾過スクリーンで分離され
たスクリーン粕を原料として再利用するパルプ用チップ
の処理方法において、蒸解工程の前段階で上記のノット
及びスクリーン粕の脱水・濃縮が非常に効率よく行わ
れ、もって高い蒸解効率が得られ、且つ蒸解時の熱エネ
ルギーコストが低減するという利点がある。
ップをアルカリ液と共に蒸解釜に投入し、加熱してリグ
ニンを溶解したのち、水洗してパルプ繊維を主体とする
分散液を得て、ノッターにより該分散液中の塊状のノッ
トを分離し、この分離後の分散液を複数段の濾過スクリ
ーンを通した上で以降のパルプ調製工程へ送ると共に、
上記の分離したノットと上記濾過スクリーンで分離され
たスクリーン粕を原料として再利用するパルプ用チップ
の処理方法において、蒸解工程の前段階で上記のノット
及びスクリーン粕の脱水・濃縮が非常に効率よく行わ
れ、もって高い蒸解効率が得られ、且つ蒸解時の熱エネ
ルギーコストが低減するという利点がある。
【0019】請求項2の発明によれば、上記のノット及
びスクリーン粕の脱水・濃縮の効率が特に良好となり、
より少ない熱エネルギーでより高い蒸解効率を達成でき
るという利点がある。
びスクリーン粕の脱水・濃縮の効率が特に良好となり、
より少ない熱エネルギーでより高い蒸解効率を達成でき
るという利点がある。
【図1】 本発明方法を適用した一実施例のパルプ処理
工程図。
工程図。
【図2】 同実施例で使用する脱水搬送装置の縦断面
図。
図。
1 ハイドラデンサ(脱水搬送装置) 2 筒状の濾過スクリーン 3 スクリュー軸 10 蒸解釜 11 ノッター 12 濾過スクリーン 22 混合タンク A アルカリ液 D スクリーン粕 K ノット M 混合物 T 木材チップ W 液
フロントページの続き (72)発明者 別所 良和 徳島県阿南市豊益町吉田1番地 神崎製 紙株式会社富岡工場内 (72)発明者 木村 芳彦 徳島県阿南市豊益町吉田1番地 神崎製 紙株式会社富岡工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 原料の木材チップをアルカリ液と共に蒸
解釜に投入し、加熱してリグニンを溶解したのち、水洗
してパルプ繊維を主体とする水分散液を得て、ノッター
により該水分散液中の塊状のノットを分離し、この分離
後の水分散液を複数段の濾過スクリーンを通した上で以
降のパルプ洗浄工程へ送る方法において、上記ノッター
にて分離されたノットと、上記濾過スクリーンにて分離
されたスクリーン粕とを液と共に混合し、この混合物
を、連続スパイラルのスクリュー軸の周囲に筒状の濾過
スクリーンを配置した脱水搬送装置により、移送しつつ
脱水処理し、この処理後の混合物を上記原料の木材チッ
プに配合することを特徴とするパルプ用チップの処理方
法。 - 【請求項2】 原料の木材チップに配合するノット/ス
クリーン粕の重量比を20/1〜1/1に設定する請求
項1記載のパルプ用チップの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4353193A JP2746046B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | パルプ用チップの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4353193A JP2746046B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | パルプ用チップの処理方法 |
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