JP2745026B2 - 葉菜類の巨大種子産出方法 - Google Patents

葉菜類の巨大種子産出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、サラダナ、レタス、ミツバ、シュンギ
ク、ネギ、ホウレンソウ、チンゲンサイ等の葉菜類の巨
大種子産出方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、葉菜類の種子産出方法は、露地や温室内で必要
作物を栽培し、開花、結実させて採種するというもので
あり、生育速度が速い等の新規な表現型を有する種子を
生産するには、他品種間との交配が主な手段であり、又
近年は細胞融合や遺伝子操作の技術が応用され始めてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、交配では作業自体は簡単であるが希望
する形質が発現される割合は低く、数多くの試行錯誤の
後に偶然的に新たな形質をもつものが得られるというこ
とであり確実性が小さく、また細胞融合では高度な知識
や技術が要求され、さらに全ての染色体が融合する結果
交配と同様に発現する表現型は予想できないため確実性
がなく、そして融合細胞から種子を得られるまでの植物
体に生育させることが非常に困難となっている。
そして最後の遺伝子操作は、高度な知識と技術を必要
とする点では同じであり、遺伝子そのものを組み換える
ので確実性は高いが、植物のそれぞれの遺伝子そのもの
が、どの表現型に対応しているのかが十分わかっていな
いので応用できる形質が非常に限られている。すなわち
これらの技術は遺伝子を変えることによって表現型を変
えようとするものであり、実際に応用されているのは色
や形といったことがほとんどであり、直接作物の生産量
に関わる種子の大きさという点では現実のものとはほと
んどなっておらず、一部行なわれているものについて
も、上述したような遺伝子を変えるという方法のため
に、特定の品種に限られ、他の作物へ容易に適応できる
ような方法は見出されていない。
(課題を解決するための手段) 本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので
あって、広く多種類の作物について大きな種子の産出方
法を提供するものである。
すなわち本発明は、サラダナ、レタス、ミツバ、シュ
ンギク、ネギ、ホウレンソウ、チンゲンサイ等の葉菜類
を播種から開花、結実させ播種するまでの期間の内、少
なくとも播種後10日間乃至40日間、人工光を用いた環境
制御質で育てた後、開花、結実させ播種することを特徴
とするものである。
環境制御室というのは、主として水耕栽培装置を備え
たものを使用し、少なくとも照度及び室温を任意に設定
しうる室のことであり、さらに湿度、二酸化炭素濃度、
液温を制御できるものが好ましい。
なお、播種後、全期間を環境制御室で育ててもよい
が、播種後10日間乃至40日間を環境制御室で育てた後、
圃場に移して開花、結実させ採取してもよい。ここにお
いて圃場というのは、露地、温室、自然光利用の空調温
室を含み、土耕、水耕を問わない。
(考察) 一般に市販の種子では同一品種であっても大きさに多
少バラツキがあり、大きな種子は子葉が大きく、特に短
期間で収穫可能となる葉菜類では、種子の大きさが播種
から収穫までに要する日数差すなわち収量差となって現
れ、又種子を食する穀類では、種子の大きさが直接収量
差となる。さらに種子の大きさの違いは、開花、結実す
る段階の植物の大きさを含めた生育状態と関係している
と予想できる。
そこで通常より大きな種子を得るべく、通常の種子を
初期人工光を用いて制御関係下で生育促進を図り、その
後温室へ移して開花、結実させて採種した種子と通常の
種子について、それらの重量と生育量の違いを調べたと
ころ、初期人工光を用いた制御環境下で育て、その後温
室へ移して採種した種子は、通常の種子に比べ、重量に
おいて約40%大きく、また同一期間の生育量において
は、約60%大きく、さらに良苗率も約50%高かった。
以上のことから、葉菜類を播種から開花、結実させ播
種するまでの期間の内、少なくとも播種後10日間乃至40
日間、人工光を用いた環境制御室で育てた後、開花、結
実させ採種することを特徴とする葉菜類の巨大種子産出
方法を提供しえたのである。
環境制御室で育てる期間が10日間より短いときは、環
境制御室で育てないものと比べて差が小さく、また環境
制御室で育てる移管が40日間より長い時は、種子の巨大
化の割に必要とする電力資源が大きくなる。
(試験例) この試験では人工光の照度が0〜60klux、1日当りの
照射時間が12時間、気温が15℃乃至30℃の制御環境下で
サラダナを播種し、播種後20日間の育苗の後、温室へ移
して開花、結実後採種した種子(本発明の種子)と、最
初播種した種子(通常の種子)と同一のものとについて
以下の点を比較した。なお、照射時間と室温との関係に
ついては第1図に示す。
第1に、両種子の重量について比較した。
第2に、両種子の発芽率について比較した。
第3に、両種子をそれぞれ播種して育苗したときの良
苗率について比較した。なお良苗とは播種したうち、発
芽が特に遅いもの、子葉の形態が異常なもの等を除き正
常に発芽したものである。
第1乃至第3の比較データについては、第2図(a)
(b)に示した。
第4に、両種子をそれぞれ播種後30日間温室で栽培し
た場合の地上部生体重をもとに生育曲線を作成し、収穫
(約100gに達するまで)に要する播種後の日数を調べ比
較した。
第5に、両種子それぞれについて、播種後30日間を人
工光を用いた環境制御室で栽培した場合の播種後30日目
の生体重をもとに生育曲線を作成し、収穫(約100gに達
するまで)に要する播種後の日数を調べ比較した。
第4および第5の比較データについては、第3図に示
した。
なお栽培に用いた温室とは、最高気温を自然換気によ
って35℃以下に、最低気温を加温によって5℃以上に保
った通常のものであり、一方人工光を用いた環境制御室
とは、人工光によって明期の照度を20klux、1日当りの
明期を12時間、気温を25℃一定、すなわち一般的な完全
制御型の野菜工場に近い条件に保った室である。
試験結果のうち、第2図(a)には無作為に選んだ20
粒を1つのグループとして、通常の種子と本発明の種子
それぞれ5グループの種子の重量、発芽率および良苗率
を示し、さらに第2図(b)には、それぞれの5グルー
プでの平均値を示した。
この試験結果から、本発明の種子は通常の種子より、
約1.6倍重く大きさもよく揃っており、発芽率で約1.4倍
高く、良苗率で約2.3倍高く、良苗率では本発明の種子
は、ほぼ100%であることがわかった。
次に、通常の種子と本発明の種子を栽培した時の生育
曲線を第3図に示す。
第3図中のAは通常の種子、Bは本発明の種子であ
り、又(1)は温室で栽培した場合、(2)は人工光を
用いて環境制御室で栽培した場合である。
この試験結果から、温室あるいは人工光を用いた環境
制御室のいずれで栽培した場合も、本発明の種子は通常
の種子より生育が速く、収穫サイズ、すなわち生体重が
約100gに達するのに要する播種後日数では、本発明の種
子が通常の種子より温室で栽培した場合5日短く、人工
光を用いた環境制御室で栽培した場合3.5日短いことが
わかった。
このように1作当りの日数が3.5日あるいは5日短縮
されるということは、年間の作数にすれば、本発明の種
子は通常の種子に比べて1作以上多くなり、その分の収
量増加となる。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば通常より重量が
大きく、発芽率、良苗率も高い種子を、交配や細胞融合
や遺伝子操作といった複雑で長期間を要する方法によら
ず、容易に、かつ、確実に得ることができる。しかも、
通常の種子に比べて、温室で栽培しても、環境制御室で
栽培しても、収穫サイズに達するまでの生育日数の速い
種子が得られた。これによって収穫サイクルを短くする
ことが可能となり、収量も増加する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、環境制御室の照射時間と室温との関係を示す
図、第2図(a)(b)は、本発明による種子と通常の
種子との重量、発芽率および良苗率の比較データを表し
た図、第3図は両種子をそれぞれ栽培した場合の地上部
生体重が収穫サイズに達するまでの生育曲線を表した図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 向志 大阪府高槻市下田部町1丁目1番5号 協和株式会社内 (72)発明者 河野 透 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 鈴木 皓三 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】葉菜類を播種から開花、結実させ採種する
    までの期間の内、少なくとも播種後10日間乃至40日間、
    人工光を用いた環境制御室で育てた後、開花、結実させ
    採種することを特徴とする 葉菜類の巨大種子産出方法。
  2. 【請求項2】播種後10日間乃至40日間を環境制御室で育
    てた後、圃場に移して開花、結実させ採取することを特
    徴とする葉菜類の巨大種子産出方法。
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