JP2743479B2 - 抗血栓性ポリウレタン - Google Patents

抗血栓性ポリウレタン

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗血栓性ポリウレタンに関するものであ
る。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 従来、高分子材料を使用した人工血管や人工心臓等、
或いは、カテーテルや輸血用チューブ等の血液処理用器
具等の利用が盛んに行われている。周知のように、血液
は異物と接触すると凝固するので、上記各種医療用器具
に使用される高分子材料には抗血栓性を付与しなければ
ならない。
従来、高分子材料の表面にヘパリン等の抗血液凝固性
物質を付着又は塗布する方法等が提案されているが、そ
れら抗血液凝固性物質と高分子材料との結合力は一般的
に弱く、その効果の持続時間は必ずしも十分ではなかっ
た。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、高分子材料の内、ポリウレタ
ンに着目し、抗血液凝固性物質とポリウレタンとの結合
力が改善された抗血栓性高分子材料を提供すべく鋭意検
討した結果、抗トロンビン活性を有するアルギニン誘導
体がそのカルボン酸基を介して結合している付加重合可
能なエチレン性化合物を、ポリウレタンの表面に被覆
し、その後該ポリウレタンを加熱処理することにより、
所期の目的が達成されることを知得し、本発明に到達し
た。
即ち、本発明の要旨は、ポリウレタンに、抗トロンビ
ン活性を有するアルギニン誘導体が該誘導体のカルボン
酸基を介して結合している付加重合可能なエチレン性化
合物を被覆し、その後該ポリウレタンを加熱処理して得
られることを特徴とする抗血栓性ポリウレタンに存す
る。
以下本発明を説明するに、本発明の抗血栓性高分子材
料における抗血栓性成分は、少なくとも1個のカルボン
酸基を有し、抗トロンビン活性を有するアルギニン誘導
体であって、例えば特開昭52−97934号公報、特開昭55
−33499号公報、ヨーロッパ公開特許第8746号公報、ジ
ャーナル オブ メディカルケミストリー(J.Med.Che
m.)23,1293〜1299(1980)、或いは、バイオケミスト
リー(Biochemistry)23,85〜90(1984)に記載されて
いるような化合物が挙げられる。中でも下記一般式
(I)で表されるアルギニン誘導体が好適である。
〔上記式中、R1(式中、R3はC1〜C6のアルキル基、C2〜C7のアルコキシ
アルキル基またはテトラヒドロフルフリル基を表し、R4
はC1〜C3のアルキレン基を表す。)または (式中、R5は水素原子またはC1〜C4のアルキル基を表
す。)を表し、R2(式中、R6及びR7は水素原子、C1〜C4のアルコキシ基ま
たはC1〜C4のアルキルアミノ基を表す。)または (式中、R8は水素原子またはC1〜C4のアルキル基を表
す。)を表し、mは3〜4の数を表す。〕 上記式中、R1または で表される基を表す。又、R3はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC1
C6のアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル
基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシメ
チル基、ブトキシエチル基等のC2〜C7のアルコキシアル
キル基またはテトラヒドロフルフリル基を表し、R4はメ
チレン基、エチレン基、プロピレン基等のC1〜C3のアル
キレン基を表し、R5は水素原子またはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のC1〜C4のアルキル基を表
す。
で表される基を表す。又、R6及びR7は水素原子、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1
C4のアルコキシ基またはメチルアミノ基、エチルアミノ
基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチ
ルプロピルアミノ基等のC1〜C4のアルキルアミノ基を表
し、R8は水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のC1〜C4のアルキル基を表す。mは3〜
4の数を表す。
上記アルギニン誘導体の具体例としては、例えば、下
記表1に示すような化合物が挙げられる。
本発明においては、上記アルギニン誘導体がそのカル
ボン酸基を介して結合している付加重合可能なエチレン
性化合物を、ポリウレタンに被覆する。
ポリウレタンとしては、従来各種医療用器具に用いら
れているものが使用できる。また、該エチレン性化合物
としては、グラフト重合し得るエチレン性不飽和基と、
上記アルギニン誘導体のカルボン酸基と結合し得る基、
例えば、アミノ基を有するものであればいずれも使用し
得る。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸ハライドとH2N−(CH2−NH2(n=1〜10)等
のジアミン類とを反応させて得られるような化合物が挙
げられる。
ポリウレタンを前記アルギニン誘導体を有する付加重
合可能なエチレン性化合物で被覆する方法は、該化合物
の3〜90%水溶液にポリウレタンを浸漬してもよいし、
或いは、3〜90%水溶液で塗布してもよい。
該化合物の被覆量は、0.1〜1000μg/cm2の範囲から選
ばれる。
被覆後加熱処理するが、該加熱処理は通常、50〜120
℃で1〜12時間の範囲で行えばよい。かかる加熱処理に
よって、該化合物のエチレン性不飽和基がポリウレタン
と結合する。
かくして本発明の抗血栓性ポリウレタンを得ることが
できる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて更に本発明を具体的に説明す
る。
実施例1 (1) −78℃に冷却した1.0mmol塩化アクリルの酢酸
エチル溶液15mlを、−4℃の2.0mmolエチレンジアミン
の酢酸エチル溶液に、激しく撹拌下、徐々に滴下して、
−4℃で1時間反応させた後、室温で更に4時間反応さ
せた。反応終了後、溶媒を除去し、68℃の酢酸エチル10
0mlを加え、生成物を抽出した。55〜65℃の温度で沈澱
を過した後酢酸エチルを30〜40℃で減圧下留去し、室
温下、12時間真空乾燥して白色粉末状のN−アミノエチ
レンアクリルアミド0.8gを得た。
次いで、0℃下、0.10mmolの(2R,4R)−4−メチル
−1−〔N2−((RS)−3−メチル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−8−キノリンスルホニル)−L−アルギニル〕
−2−ピペリジンカルボン酸(以下、MD−805と称す
る)、0.11mmolのジシクロヘキシルカルボジイミド及び
0.15mmolのヒドロキシベンゾトリアゾールを含有するDM
F溶液20mlに、上記で得た0.1mmolのN−アミノエチレン
アクリルアミド20mlを加えて、撹拌しながら室温で72時
間反応させた。反応終了時に、60mlの酢酸エチルを加
え、次いで、4%炭酸水素ナトリウム、10%クエン酸及
び飽和食塩水で順次3回ずつ洗浄した後、酢酸エチルを
留去し、得られる残留物をシリカゲルクロマトグラフィ
ー〔展開溶媒:酢酸エチル/クロロホルム=3/1〕で分
離精製し、酢酸エチル/エチルエーテル=10/1で再結晶
し、真空乾燥してN−アミノエチレンアクリルアミドと
MD−805の反応生成物(以下CM−MD−805と称する)を得
た。収率は63.5%であった。図1にCM−MD−805及びMD
−805のIRスペクトルを示した。また、元素分析の結果
は下記の通りであった。
計算値 C:55.1%,H:7.28%,N:18.54% 分析値 C:55.76%,H:7.02%,N:18.72% (2) ジャーナル オブ バイオメディカルマテリア
ルリサーチ(J.Biomed.Mater.Res.),20,1157(1986)
の記載に従って合成したポリウレタン〔ポリテトラメチ
レングリコール:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート:ブタンジオール=1:2:1(仕込比)〕のフィルム
(1.77cm2)の表面に、上記(1)で得たCM−MD−805の
水溶液(2mg/ml)を、夫々、(a)100μ、(b)200
μ、(c)300μ及び(d)400μ被覆した後、70
℃で30分加熱処理して本発明の抗血栓性高分子材料CO−
PEU−MD(a,b,c,d)を得た。
試験例1 CO−PEU−MD膜表面での血栓の生成率 イヌのクエン酸加全血をポリマー膜上に200μ滴下
し、0.1M塩化カルシウム溶液を20μ加えた後37℃に20
分間放置し、生成した血栓をホルマリンで固定し乾燥
後、秤量することにより測定した。
ガラス板上で上述と同様の実験を行った時に生成した
血栓量を100%とし、実施例1で得られたCO−PEU−MD
(a,b,c,d)の血栓生成率を求めた。その結果を表2に
示した。比較として、未処理のポリウレタンフィルム
(以下、PEUと称する)を使用した場合の結果を併記し
た。
(発明の効果) 本発明の抗血栓性ポリウレタンは、簡単な方法で得ら
れるにもかかわらず、抗血栓性成分との結合が良好であ
るので長時間の効果が期待でき、各種血液処理用器具に
有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、MD−805及びCM−MD−805のIRスペクトルで、
(A)はMD−805のIRスペクトル、(B)はCM−MD−805
のIRスペクトル、はアリルを示す吸収、第二アミド
を示す吸収、はスルホンアミドを示す吸収を表す。ま
た、縦軸は吸収、横軸は波長を表す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタンに、抗トロンビン活性を有す
    るアルギニン誘導体が該誘導体のカルボン酸基を介して
    結合している付加重合可能なエチレン性化合物を被覆
    し、その後該ポリウレタンを加熱処理して得られること
    を特徴とする抗血栓性ポリウレタン。
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