JP2743050B2 - 微小トレーサ粒子の可視化方法およびその追跡方法 - Google Patents

微小トレーサ粒子の可視化方法およびその追跡方法

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JP2743050B2
JP2743050B2 JP25572992A JP25572992A JP2743050B2 JP 2743050 B2 JP2743050 B2 JP 2743050B2 JP 25572992 A JP25572992 A JP 25572992A JP 25572992 A JP25572992 A JP 25572992A JP 2743050 B2 JP2743050 B2 JP 2743050B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小トレーサ粒子の可
視化方法およびその追跡方法に関し、特に、微小トレー
サ粒子を可視化する方法、および上記微小トレーサ粒子
を高速度に追跡する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、流れ場の可視化方法により
流れを把握する試みは古くからあり、壁面トレース法、
タフト法、直接注入法等がよく知られている。
【0003】これらの方法のうち、壁面トレース法は物
体表面に油等を塗布し、流れによって現れる筋模様から
流れの状態、方向、速度等を求めるものである。また、
タフト法は多数の糸を物体表面に張り、そのなびき具合
から流れを測定するものである。更に、直接注入法は流
れ内に染料を入れ、その染料の流跡を可視化するもので
ある。
【0004】従来より知られている上記可視化方法は、
以下に述べるような問題があった。すなわち、壁面トレ
ース法では物体の表面から離れた空間での流れの測定が
困難である。また、タフト法では任意の断面での測定が
困難であるという問題があった。更に、上記直接注入法
では、染料の流跡上での速度は把握できるが、流れ領域
全体を一度に可視化することはできないという問題があ
った。
【0005】ところで、近年、流れ領域全体を一度に可
視化し、流速、流れ関数等の物理量を算出することや、
流れ領域全体の物理量の時間的変化を算出することに関
する関心は著しく強い。また、流れ領域内の任意の断面
を可視化することや、例えば水だけの速度ではなく、水
中の気泡の速度等の可視化に関しての関心も著しく強く
なっている。
【0006】このような可視化を可能にする試みとし
て、論文「日本機械学会論文集(B編)第55巻、50
9号(1989−1)、107〜114頁に記載される
ような方法が提案されている。この方法は、流れ場にト
レーサ粒子を混入し、このトレーサ粒子に連続光または
ストロボ光を当てて、その流跡を画像処理するものであ
る。
【0007】画像処理は、例えばテレビジョンカメラか
ら画像を入力し、そのフレーム情報をフィールド情報に
変換し、連続する4時刻分のフィールド情報をそれぞれ
画像処理して(偶数または奇数フィールドの一方の
み)、個々の粒子の軌跡を追跡する。そして、個々のト
レーサ粒子の軌跡から流れ場を可視化して、各種物理量
を求めるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記論文に記載された
方法では、流体の流速が速い場合、カメラと被写体との
距離を大きくする必要がある。その結果、画像処理時に
粒子の重心算出に誤差が生じるなどの問題があった。
【0009】また、上記の方法では2枚のフィールド像
からフレームを形成しているが、小さなトレーサ粒子で
はトレーサ粒子像を検出できない問題があった。すなわ
ち、テレビ空間におけるトレーサ粒子像が1ピクセル以
下の場合にはトレーサ粒子像その物を計測することがで
きない問題があった。
【0010】更に、従来のトレーサ粒子の追跡方法の場
合には、連続した3/60秒の間、流体が複雑な挙動を
しないことが前提となっていた。しかしながら、例えば
障害物が存在する場合等においては上記流体が複雑な挙
動を行うことがある。
【0011】上記のように複雑な流れをする流跡を追い
かける場合、流速が遅ければ流跡を追いかけることが可
能であるが、流速が速くなると流れ場の物理量を精度よ
く定量的に求めることができなくなってしまう問題があ
った。本発明は上述の問題点にかんがみ、微小トレーサ
粒子を良好に可視化できるようにするとともに、流速が
非常に速い場合にも流れ場の物理量を精度よく定量的に
求めることができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の微小トレーサ粒
子の可視化方法は、所定の粒子径を有するトレーサ粒子
を流体中に混入するとともに、シート状に広げたレーザ
光をテレビカメラ信号における同一フレームの第1フィ
ールドに1つと、第2フィールドに2つ以上の複数を上
記流体中に向けて間欠的に照射し、上記レーザ光の照射
によるトレーサ粒子の散乱光または蛍光をフレーム蓄積
方式のテレビカメラで撮像するようにしたトレーサ粒子
の可視化方法において、上記第1フィールドでのレーザ
光の照射時間を長く設定して、画像上にトレーサ粒子の
流跡を形成させるとともに、上記第2フィールドでの照
射時間を上記第1フィールドにおける照射時間よりも短
く設定し、上記第2フィールドにおいては瞬間的な粒子
像が得られるようにしている。
【0013】また、本発明の微小トレーサ粒子の追跡方
法は、2mm以下1μm以上の粒子径を有するトレーサ
粒子を流体中に混入するとともに、シート状に広げたレ
ーザ光をテレビカメラ信号における第1フィールドには
1つ、第2フィールドには2つ以上の複数を上記流体中
に向けて間欠的に照射する第1の処理と、上記レーザ光
の照射によるトレーサ粒子の散乱光または蛍光をフレー
ム蓄積方式のテレビカメラで撮像する第2の処理と、上
記テレビカメラの出力のうち、前フレームの第1フィー
ルドの出力と前フレームの第2フィールドの出力とを録
画上の前フレームの第1フィールドの画像情報とすると
ともに、上記前フレームの第2フィールドの出力と後フ
レームの第1フィールドの出力とを録画上の前フレーム
の第2フィールドの再像情報とするような光のフレーム
蓄積を行って録画媒体に録画する第3の処理と、上記第
3の処理によって得られた1枚のフレーム画像とその第
1フィールドの画像を用いて、上記第1フィールドの画
像に存在する全てのトレーサ粒子を始点トレーサ粒子の
候補とするとともに、上記フレーム画像上に上記第1フ
ィールドの画像において始点候補としたトレーサ粒子を
中心として所定の大きさの探索領域をそれぞれ設定する
第4の処理と、上記各探索領域内に存在するトレーサ粒
子の数を検出し、2個以上のトレーサ粒子が存在したら
それを第1の時刻において照射されたレーザ光により撮
像されたトレーサ粒子と判定する第5の処理と、上記第
1の時刻において照射されたレーザ光により撮像された
トレーサ粒子を上記フレーム画像から消去するととも
に、上記第1の時刻において照射されたレーザ光により
撮像されたトレーサ粒子が検出された探索領域に係わる
トレーサ粒子の重心位置をトレーサ粒子の始点位置とし
て登録する第6の処理と、上記登録したトレーサ粒子位
置を始点として、第2の時刻〜第4の時刻におけるトレ
ーサ粒子の位置を上記フレーム画像上で追跡し、同一粒
子の経路を決定する第7の処理と、上記第7の処理によ
って検出された第2の時刻におけるトレーサ粒子位置と
第4の時刻におけるトレーサ粒子位置、およびこれらの
トレーサ粒子位置の時間間隔に基づいて速度ベクトルを
算出する第8の処理とからなっている。
【0014】
【作用】本発明の微小トレーサ粒子の可視化方法におい
ては、所定の粒子径を有するトレーサ粒子を流体中に混
入するとともに、シート状に広げたレーザ光をテレビカ
メラ信号における同一フレームの第1フィールドに1つ
と、第2フィールドに2つ以上の複数を上記流体中に向
けて間欠的に照射し、上記レーザ光の照射によるトレー
サ粒子の散乱光または蛍光をフレーム蓄積方式のテレビ
カメラで撮像するに際し、上記第1フィールドでのレー
ザ光の照射時間を長く設定するとともに、上記第2フィ
ールドでの照射時間を上記第1フィールドにおける照射
時間よりも短く設定し、第1フィールドの画像上にはト
レーサ粒子の大きさが微小であっても上記トレーサ粒子
の流跡を形成できるようにするとともに、上記第2フィ
ールドにおいては瞬間的なトレーサ粒子像が得られるよ
うにして、時刻1に撮像されたトレーサ粒子を容易に、
かつ確実に撮像できるようにしている。
【0015】また、本発明の微小トレーサ粒子の追跡方
法においては、第1の時刻において撮像されるトレーサ
粒子像は、2個以上4個以下に撮像されることを利用し
て、上記トレーサ粒子の大きさが微小であっても確実に
始点位置を特定できるようにしている。
【0016】
【実施例】以下、本発明の微小トレーサ粒子の可視化方
法およびその追跡方法の一実施例を添付図面を参照して
説明する。図1は、レーザライトシートの間欠照射タイ
ミングLLSの照明コードの一例を示したものである。
【0017】図1から明らかなように、本実施例では第
1のフィールドの後半で1回、第2フィールドの前半で
3回の瞬間的な照明が行われている。レーザライトシー
トLLSの照射時刻T1 と照射時間dt1 は流れの速度
に応じ1H(63.56μs)単位で制御することが可
能である。また、照射回数も適宜選択することが可能で
ある。
【0018】そして、テレビカメラでは図1に示したよ
うなフレーム積分方式を採用している。すなわち、流れ
場からの光は第1フィールドのフォトセンサに対して
は、第1フィールドの開始から第2フィールドの終了ま
での1/30秒間が蓄積される。また、第2フィールド
の素子に対しては、第2フィールドの開始から次のフレ
ームの第1フィールドの終了までの1/30秒間の光の
蓄積が行われる。
【0019】したがって、上述した照明コードを用いた
場合、時刻T1 とT5 で照明されたトレーサ粒子像は、
第1フィールドのフォトセンサにのみ記録される。一
方、時刻T2 、T3 、T4 で照明されたトレーサ粒子像
は、フレーム積分の時間が重複しているので、両フィー
ルドのフォトセンサに記憶されることになる。
【0020】なお、本実施例においては、各トレーサ粒
子の代表位置を粒子像の重心位置として定義するものと
する。また、速度の算出は重心位置の計測精度が高い時
刻T2 からT4 までの粒子像の重心位置を用いることと
する。照明コードに基づくレーザライトシートLLSの
照射は、連続するテレビフレームで実行される。このテ
レビカメラの出力はNTSC規格のコンポジット信号と
して録画装置に転送・記録される。
【0021】図2は光学系、画像入力・記録装置および
それらの制御装置からなる可視化システムである。本実
施例の場合、レーザー光源1には4Wのアルゴンレーザ
を用いている。レーザ光は音響光学セル(AOM)2を
通り、ここでの超音波の平面波とのドップラー効果によ
り散乱したレーザの一次の散乱光が、スリット3を介し
て光ファイバ4へと導かれる。すなわち、音響光学セル
2をオン−オフ制御することにより、短時間内の流れ場
への間欠的なパルス照明を行うことができるようになさ
れている。
【0022】光ファイバ4の先端から出射したレーザ光
は2枚のシリンドリカルレンズ5により厚さ数mmレー
ザライトシートLLSとして形成される。音響光学セル
2とテレビカメラ6(CCDカメラ)を外部制御装置7
で制御して、テレビカメラ6の垂直/水平同期(VD/
HD)に対するレーザライトシートLLSの照射タイミ
ングが設定される。また、録画再生装置8(例えば、S
・VHS方式の録画再生装置)の動作タイミングも外部
制御装置7から与えられる同期信号Syncによって制
御される。
【0023】ところで、トレーサ粒子画像の速度計測に
おいては、実験条件の設定によってはトレーサ粒子の大
きさが画像上で画像の空間分解能と同等か、或いはそれ
以下になる場合が生じる。
【0024】このような条件下では、レーザライトシー
トLLSの照明コードは時刻T1 での照射時間dt1
少し長く設定し、これにより画像上にトレーサ粒子の流
跡を形成させる。一方、時刻T2 、T3 およびT4 では
瞬間的な粒子像が得られるように照射時間dtは短く設
定される。この照明コードでは、上記の照明が1フレー
ムの間隔を置いて繰り返される。つまり、時刻T5 から
の照射は第3フレームから第1フレームと同様に行われ
る。
【0025】図3は、テレビカメラの空間分解能と同程
度のトレーサ粒子を、上記の照明コードで追跡した場合
のフレーム画像(a)と、フィールド分離・補間後の二
枚の時間的に連続するフィールド画像(b)および
(c)を模式的に示したものである。本実施例において
は、図1を参照しながら説明したように、フレーム積分
方式でトレーサ粒子を撮像しているので、テレビカメラ
の空間分解能と同程度の大きさトレーサ粒子は、第1フ
ィールドのフォトセンサか、第2フィールドのフォトセ
ンサの何方か一方のフォトセンサのみによって撮像され
る。この場合、トレーサ粒子は、第1フィールドのフォ
トセンサの走査線2、4、6、8に撮像されているとと
もに、第2フィールドのフォトセンサの走査線7に撮像
されている。そして、第1フィールドの画面と第2フィ
ールドの画面とに分離する際に補間されることにより、
走査線2および走査線4のトレーサ粒子が一つのトレー
サ粒子として認識できるように表示される。これらの画
像は次のような特徴を持っている。すなわち、(1)時
刻Tで得られたトレーサ粒子の位置は、第1フィール
ドのフォトセンサでのみ検知されるので、第1フィール
ドの画像にのみ存在し、第2フィールドの走査線上に存
在しない。
【0026】また、(2)時刻T2 〜T4 におけるトレ
ーサ粒子の位置は、フレーム積分により第1フィールド
か第2フィールドのいずれかのフォトセンサで検知する
ことができる。また、これらの粒子の位置計測の精度は
可視化空間の画像分解能のみで決定される。
【0027】次に、トレーサ粒子の追跡方法を模式的に
示している図4、および追跡動作を示す図5のフローチ
ャートを用いて本実施例の微小トレーサ粒子の追跡方法
の一実施例を説明する。なお、ここでは、一枚のフレー
ム画像Gと,その第1フィールドの補間画像G1を用い
て1画素の大きさのトレーサ粒子の追跡を行った例を示
している。また、以下の説明においては、図4(a)の
処理画像Gで得られるトレーサ粒子をa、b、c、dお
よびeとし、図4(b)の第1フィールドの処理画像G
1から得られるトレーサ粒子をm、n、oとする。ここ
で、図4(a)の処理画像Gのフレーム画像から、図4
(b)のフィールド画像を分離するときに、2値化操作
とモーメント計算を行っており、図4(a)の処理画像
Gで得られるトレーサ粒子a、bを図4(b)のフィー
ルド画像では一つのトレーサ粒子mであると判断してい
。以下にトレーサ粒子追跡のアルゴリズムを示す。
【0028】図5に示したように、先ずステップP1に
おいて、画像G1に存在する全てのトレーサ粒子(m、
n、o)を始点トレーサ粒子の候補とする。次に、ステ
ップP2に進み、画像G上に画像G1のトレーサ粒子
(m、n、o)を中心とする半径√2画素の探索領域を
設定する。ただし、トレーサ粒子mの設定位置は流跡の
重心位置mgとする。
【0029】このようにして、処理画像G上に探索領域
を設定したら、ステップP3に進み、各探索領域内にト
レーサ粒子が有るか否かを検出する。そして、この領域
内に1個のトレーサ粒子しか存在しない場合は、時刻T
で露光されたトレーサ粒子ではないと判定する。何故
ならば、第1フィールドではレーザ光の照射時間を長く
設定し、かつ時刻T においては、第1フィールド用の
テレビカメラでしか撮像していないので、トレーサ粒子
が移動したときに、第1フィールドに対応する走査線に
のみ撮像される結果、時刻T で露光されたトレーサ粒
子は必ず複数個のトレーサ粒子として撮像されるからで
ある。
【0030】一方、2個以上4個以下のトレーサ粒子が
存在する場合(あるしきい値以上の画素が2〜4画素存
在すれば)は、時刻Tで照射時間dt間に露光された
トレーサ粒子と判定される。この判定条件は、画素分解
能程度のトレーサ粒子像は最大2画素の幅の流跡を形成
することに基づく。例えば、図4の画像Gにはmgの位
置から2画素の領域内にa、bの2個のトレーサ粒子が
存在している。しかし、トレーサ粒子(n、o)にはそ
れぞれc、eの粒子しか存在していないので、画像Gに
おける時刻Tの照射による粒子がa、bであると判定
される。なお、この場合は半径2画素の探索領域を設定
したので、2個以上4個以下のトレーサ粒子が存在する
場合に、時刻T で照射時間dt間に露光されたトレー
サ粒子と判定するが、存在するトレーサ粒子の数は、設
定する探索領域の大きさにより異なる。
【0031】次に、ステップP5において、画像Gから
粒子a、bを消去するとともに、画像G1のmgの位置
をトレーサ粒子の始点位置として登録する。そして、始
点位置の登録が終了したら、ステップP6に進み、画像
G上でmgを始点として時刻T2 〜T4 の粒子を追跡
し、同一粒子の経路を決定する。
【0032】次に、ステップP7において速度ベクトル
を算出する。この速度ベクトルの算出は、時刻T2 とT
4 のトレーサ粒子位置と、それらの時間間隔dT(=T
4 −T2 )とにより算出する。
【0033】図6は、トレーサ粒子追跡の一例のアルゴ
リズムを説明するためのフローチャートである。また、
図7はトレーサ粒子追跡のアルゴリズムを模式的に示す
説明図である。図6に示すように、先ず、ステップP1
においてトレーサ粒子を始点とする処理を行う。この場
合、例えば、図4(b)のmgを始点トレーサ粒子とす
る。これにより、例えば図7においてA1の符号を付し
たトレーサ粒子が始点トレーサ粒子とされる。
【0034】次に、ステップP2に進み、A1のトレー
サ粒子を中心として、流れ場、流速および粒子の大きさ
等に基づいた所定の大きさの領域Length1内に有
るトレーサ粒子を、時刻2のトレーサ粒子として探索す
る。この探索により、例えば図4のcのトレーサ粒子が
探索される。このようにして時刻2のトレーサ粒子を探
索したら、次に、ステップP3において時刻3における
トレーサ粒子の位置を推定する。これにより、例えば図
7の位置S1が時刻3のトレーサ粒子の移動位置として
推定される。なお、トレーサ粒子が探索できなかった場
合には、Length1の大きさを変更して探索を再度
行うようにするが、Length1は流体の主流速度で
決定し、Length2、3を乱流場の乱れ量で決定す
ることにより、トレーサ粒子を略確実に探索することが
できる。
【0035】そして、この時刻3の推定位置S1を中心
としてLength2の範囲内に、時刻3のトレーサ粒
子に該当するトレーサ粒子が有るか否かの判定を行う
(ステップP4)。この判定により、該当するトレーサ
粒子が有った場合はステップP5に進み、所定の条件を
満足しているか否かの判定を行う。また、該当するトレ
ーサ粒子がなかった場合はステップP9に進み、別のト
レーサ粒子を始点とする処理を行ってからステップP1
に戻る。
【0036】ステップP5における条件判定は、例え
ば、図7のA3で示したトレーサ粒子が該当するトレー
サ粒子であった場合、A2とS1を結ぶ線と、A2とA
3とを結ぶ線によって形成される角度θが20°よりも
小さいか否かを判定することにより行う。そして、上記
角度θが20°よりも大きい場合は、ステップP9を経
てステップP1に戻る。
【0037】ステップP5の判定の結果、A3が時刻3
のトレーサ粒子としての条件を満足していた場合はステ
ップP6に進み、時刻4のトレーサ粒子位置を推定す
る。この推定により、例えば図7のS2が時刻4のトレ
ーサ粒子位置として推定される。このようにして時刻4
のトレーサ粒子位置を推定したら、S2の位置を中心と
するLength3内に時刻4のトレーサ粒子として該
当するトレーサ粒子が有るか否かを判定する。
【0038】ステップP7において、図7のA4のトレ
ーサ粒子が時刻4のトレーサ粒子として該当すると判定
した場合には、ステップP8に進み、A4のトレーサ粒
子が所定の条件を満たしているか否かの判定を行う。ま
た、所定の条件を満たしていないと判断した場合は、ス
テップP9を経由してステップP1に戻る。
【0039】ステップP8の判定条件は、図7のA3と
S2とを結ぶ線と、A3とA4とを結ぶ線とにより形成
される角度θが、20°よりも大きいか否かを判断して
行う。そして、角度θが20°よりも大きいと判定した
場合には、ステップP9を経由してステップP1に戻
る。また、角度θが20°よりも小さいと判定した場合
には、図5のステップP7に進み、速度ベクトルを算出
する。この速度ベクトルの算出は、上述したように時刻
2と時刻4のトレーサ粒子位置、およびパルス間隔T2
およびT4 に基づいて行われる。
【0040】本実施例においては、このようにしてトレ
ーサ粒子の追跡を行うことにより、微細なトレーサ粒子
を用い、しかも光源の出力に制限があるような場合で
も、トレーサ粒子がテレビカメラ6の空間分解能の範囲
で感知できれば、良好に可視化することができるととも
に、追跡することができる。
【0041】次に、本発明の実用性および有用性を確認
するため、バックステップ背後の剥離を伴う流れ場で速
度計測を行った。次いで、本システムによる計測結果を
レーザドップラ流速計の計測結果と比較することによ
り、本システムの精度評価を行った。
【0042】計測対象とする流れ場は図8に示すバック
ステップをもつチャンネル内の乱流である。ステップ高
さhは0.05mで、ステップ上流には一辺が0.1m
(2h)の正方形断面をもつ長さ1.5mの矩形管が取
り付けられている。
【0043】また、下流には0.1m×0.15mの長
方形断面を持ち、長さが2.0mの矩形管が取り付けら
れている。ステップ拡大率は1.5である。流れは、ス
テップ上流の0.5m(10h)の位置に取り付けられ
た5mmメッシュの整流網により整流され、整流網のす
ぐ下流の管壁に設置された直径2.0mmのトリッピン
グワイヤーによりステップ流入部への速度分布の形状が
決定されている。
【0044】トレーサ粒子には平均粒径50μm、比重
1.02のナイロン12を用いた。測定断面は管路中央
のx−y断面(z/h=0)とし、この断面を管路上部
から厚さ2mmのLLSで照射し測定断面と直角方向か
らテレビカメラ6で画像を入力した。ステップ上流3h
からステップ下流側9hの区間を3h×3hの領域に4
分割し、それぞれの領域を1台づつのテレビカメラ(合
計4台の)で撮影した。画像の空間分解能は0.31m
m/画素である。設定した測定領域には主流域、せん断
域あるいは再循環域などが混在し、広い流速範囲が存在
している。本実験では表1に示すような3水準の照明コ
ードを用い、それぞれのコードで300フレーム分の画
像データを採取し処理を行った。
【0045】
【表1】
【0046】コード1によるレーザー光照射で撮像して
トレーサ追跡を行った結果を図9に示し、コード2によ
るレーザー光照射で撮像してトレーサ追跡を行った結果
を図10に示す。また、トレーサ追跡を行った結果を同
一空間に時間基準を合わせて合成し、格子点補間を行っ
た結果を図11に示す。これらの結果から明らかなよう
に、本発明の微小トレーサ粒子の可視化方法およびその
追跡方法は、高い信頼性を持っていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば画素分解能程度の大きさの微小トレーサ粒子を
良好に可視化することができる。また、可視化した微小
トレーサ粒子を良好に追跡することができるので、上記
微小トレーサ粒子が高速で移動する場合でも確実に追跡
することができ、複雑な高速流れ場の計測に対しても良
好に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるレーザライトシートの間
欠照射タイミング図である。
【図2】流れの可視化を行うために用いる光学系の一例
を示す構成図である。
【図3】微小トレーサ粒子を可視化した画像例を示す図
である。
【図4】トレーサー追跡アルゴリズムを説明するための
トレーサ粒子位置を示す図である。
【図5】トレーサ追跡アルゴリズムの一例を示すフロー
チャートである。
【図6】トレーサ追跡アルゴリズムの一例を示すフロー
チャートである。
【図7】トレーサ追跡アルゴリズムを模式的に示した図
である。
【図8】可視化を実際に行うために用いた実験装置の一
例を示す図である。
【図9】コード1のレーザー光を照射することにより得
られたトレーサ追跡結果を示す図である。
【図10】コード2のレーザー光を照射することにより
得られたトレーサ追跡結果を示す図である。
【図11】図9および図10のようなトレーサ追跡結果
を同一空間に時間基準を合わせて合成し、格子点補間を
行った結果を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 音響光学セル 3 スリット 4 光ファイバ 5 シリンドリカルレンズ 6 テレビカメラ 7 外部制御装置 dt レーザー光の照射時間 T1 第1の時間 T2 第2の時間 T3 第3の時間 T4 第4の時間

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の粒子径を有するトレーサ粒子を流
    体中に混入するとともに、シート状に広げたレーザ光を
    テレビカメラ信号における同一フレームの第1フィール
    ドに1つと、第2フィールドに2つ以上の複数を上記流
    体中に向けて間欠的に照射し、上記レーザ光の照射によ
    るトレーサ粒子の散乱光または蛍光をフレーム蓄積方式
    のテレビカメラで撮像するようにしたトレーサ粒子の可
    視化方法において、 上記第1フィールドでのレーザ光の照射時間を長く設定
    して、画像上にトレーサ粒子の流跡を形成させるととも
    に、 上記第2フィールドでの照射時間を上記第1フィールド
    における照射時間よりも短く設定し、上記第2フィール
    ドにおいては瞬間的な粒子像が得られるようにしたこと
    を特徴とするトレーサ粒子の可視化方法。
  2. 【請求項2】 2mm以下1μm以上の粒子径を有する
    トレーサ粒子を流体中に混入するとともに、シート状に
    広げたレーザ光をテレビカメラ信号における第1フィー
    ルドには1つ、第2フィールドには2つ以上の複数を上
    記流体中に向けて間欠的に照射する第1の処理と、 上記レーザ光の照射によるトレーサ粒子の散乱光または
    蛍光をフレーム蓄積方式のテレビカメラで撮像する第2
    の処理と、 上記テレビカメラの出力のうち、前フレームの第1フィ
    ールドの出力と前フレームの第2フィールドの出力とを
    録画上の前フレームの第1フィールドの画像情報とする
    とともに、上記前フレームの第2フィールドの出力と後
    フレームの第1フィールドの出力とを録画上の前フレー
    ムの第2フィールドの画像情報とするような光のフレー
    ム蓄積を行って録画媒体に録画する第3の処理と、 上記第3の処理によって得られた1枚のフレーム画像と
    その第1フィールドの画像を用いて、上記第1フィール
    ドの画像に存在する全てのトレーサ粒子を始点トレーサ
    粒子の候補とするとともに、上記フレーム画像上に上記
    第1フィールドの画像において始点候補としたトレーサ
    粒子を中心として所定の大きさの探索領域をそれぞれ設
    定する第4の処理と、 上記各探索領域内に存在するトレーサ粒子の数を検出
    し、2個以上のトレーサ 粒子が存在したらそれを第1の
    時刻において照射されたレーザ光により撮像されたトレ
    ーサ粒子と判定する第5の処理と、 上記第1の時刻において照射されたレーザ光により撮像
    されたトレーサ粒子を上記フレーム画像から消去すると
    ともに、上記第1の時刻において照射されたレーザ光に
    より撮像されたトレーサ粒子が検出された探索領域に係
    わるトレーサ粒子の重心位置をトレーサ粒子の始点位置
    として登録する第6の処理と、 上記登録したトレーサ粒子位置を始点として、第2の時
    刻〜第4の時刻におけるトレーサ粒子の位置を上記フレ
    ーム画像上で追跡し、同一粒子の経路を決定する第7の
    処理と、 上記第7の処理によって検出された第2の時刻における
    トレーサ粒子位置と第4の時刻におけるトレーサ粒子位
    置、およぴこれらのトレーサ粒子位置の時間間隔に基づ
    いて速度ベクトルを算出する第8の処理とからなること
    を特徴とする微小トレーサ粒子の追跡方法。
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