JP2742810B2 - 樹脂含浸処理木材の製造法 - Google Patents

樹脂含浸処理木材の製造法

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正己 近藤
茂俊 坂井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、白木調樹脂含浸処理木材の製造法に関し、
詳しくは、木材に樹脂液を注入し(含浸)し、材内で重
合させて木材・プラスチック複合体(WPC)を得る際
に、木材の木地をできるだけ現出させることのできるす
なわち白木調を保持することのできるWPC改良技術に関
する。
[従来の技術]および[その解決課題] 木材は樹皮の直下にある形成層の柔細胞の生長・分裂
によって外方に樹皮を、内方に木部を形成して成長す
る。春か夏にかけてできた細胞は大きく柔らかく、夏の
終りから秋にかけてできた細胞は小さくかつ硬い。前者
は春材、後者は秋材といい、これらの繰返しによって年
輪が構成されていく。針葉樹材は、上記から、春材部は
淡色に、秋材部は濃色を呈することによって木理を構成
している。
家具、麻材などに用いられる装飾材では、白木材の木
理を生かしたものが尊重されている。
一方、木材にプラスチックの性質を付与し、木材の特
色を生かしつつ、寸法安定性における欠点など木材の欠
点を改良するために、木材に樹脂液を注入し、材内でそ
れを重合硬化させるWPC技術も益々重要度を増してい
る。
従来、当該WPCにおける樹脂液として、一般に、不飽
和ポリエステルやスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸
ビニル、アクリロニトリルなどのビニルモノマー類が使
用されているが、当該樹脂液を含浸硬化せしめてなる樹
脂含浸処理材は、当該樹脂(液)による透明性が増した
濡れ色となり、いかにもプラスチックが含浸されたとい
う状態となり、いわゆる、あら皮を除き、白く削ったま
まで塗り飾らぬ木地のままの材である白木の状態を出せ
ず、木質感を損ねるという欠点があった。
特公昭49−32924号公報では、針葉樹の柾目板の通直
美麗な木目模様を生かし銘木として診重されているやに
松の外観を得るため、硬化後の光の屈折率が針葉樹中の
天然樹脂(やに)の光の屈折率と類似する合成樹脂液
を、針葉樹の柾目薄板に圧入硬化させることにより、本
来淡色である春材部を濃色化し、春材部と秋材部との濃
淡を逆にし、やに松模様の外観を現出させることが記載
され、また、特開昭55−130715号公報にはこれを改良す
るものとして一旦木質単板を圧締後に合成樹脂を含浸
し、次いで硬化させる製法が記載されている、しかし、
これら技術は、いずれも、木目の逆転現象を利用して、
木目のコントラストを向上させたものであるのに対し、
不飽和ポリエス樹脂の末端カルボン酸基にグリシジルア
クリレートなどを付加させて得られる特異の不飽和ポリ
エステル樹脂を含む樹脂組成物を用い、当該不飽和ポリ
エステル樹脂が硬化時に白化することを利用して、春目
部と夏目部との境界を鮮明にするという、上記技術とは
その機構を異にした装飾材の製法も提案されている(特
開昭58−107304号公報)。
しかし、当該公報では、上記不飽和ポリエステル樹脂
と併用して樹脂組成物を構成するものとして、一般の不
飽和ポリエステル樹脂やアクリル酸などを付加させたエ
ポキシ樹脂を挙げている。
すなわち、当該樹脂組成物は、熱硬化性の合成樹脂を
併用したものである。
本発明はかかる従来技術に鑑み、硬化後に不透明化も
しくは白化させることのできる樹脂を用いて、木材中に
含浸硬化させることにより、木質感を保ち、かつ、針葉
樹材では夏目(春目)部、秋目(冬目)部の濃淡を鮮明
にした、白木調でかつ、耐水性、対クラック性、寸法安
定性、硬度などの諸性質を改善した樹脂含浸処理木材を
得ることのできる技術を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は不飽和ポリエステルおよび/またはビニル系
モノマー100重量部に対し重合度が20〜1000の酢酸ビニ
ルホモポリマー若しくは酢酸ビニルコポリマーを5〜50
重量部添加してなる樹脂組成物を木材中に含浸硬化せし
めることを特徴とする白木調樹脂含浸処理木材の製造法
に係るものである。
本発明に使用される不飽和ポリエステルは、例えば不
飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮重合させることに
より得られる不飽和ポリエステルを挙げることができ
る。
飽和二塩基酸を一部配合したエステル共縮合物やビニ
ル基を有するもの(架橋剤)との共重合体などであって
もよい。
不飽和二塩基酸の例としては、無水マレイン酸、フマ
ル酸を挙げることができる。多価アルコールの例として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコールを挙げ
ることができる。飽和二塩基酸の例としては、コハク
酸、アジピン酸を挙げることができる。架橋剤の例とし
ては、P−メチルスチロール、ジアリルフタレートを挙
げることができる。
本発明に使用されるビニル系モノマーとしては、例え
ば、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリルを挙げることができる。
上記において、例えば、不飽和ポリエステルとスチレ
ン;スチレンとアクリルニトリル;メタクリル酸メチル
とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとの組合せという
ように2種以上を混合してもよい。
本発明では、不飽和ポリエステルおよび/またはビニ
ル系モノマーに対し酢酸ビニル系ポリマーを添加する。
当該酢酸ビニル系ポリマーの添加により、木質感を保
ち、白化による白木調を現出させ、耐クラック性等を向
上させることができる。
当該酢酸ビニル系ポリマーとしては、次の繰返し単位
を有する酢酸ビニルのホモポリマーが例として挙げるこ
とができる。
当該重合度(平均重合度)は、20〜1000である。
重合度が20未満では、その添加によっても透明な状態
にとどまり易く、特に、酢酸ビニルモノマーとの併用に
おいて透明で白化し難い。
重合度が1000を越える場合には、木材への注入性が低
下する。
酢酸ビニル系ポリマーとしては、酢酸ビニルとエチレ
ンとの共重合体などの酢酸ビニルコポリマーであっても
よい。
当該酢酸ビニル系ポリマーの不飽和ポリエステルおよ
び/またはビニル系モノマーとの併用割合は、後者100w
t部に対し5〜50wt部好ましくは5〜30wt部であり、5wt
部未満では透明度があり過ぎ、本発明所望の目的(効
果)を達成し難いし、50wt部を越えると、白色過ぎ、ま
た、樹脂の脆弱化を生じ易い。
本発明の樹脂液組成物には、ベンゾイルパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパー
ベンゾエートなどの重合開始剤を添加することができ、
その他必要に応じて、界面活性剤や顔料や硬化促進剤や
可塑剤や増粘剤などを添加することができる。
さらに、有機溶媒により適宜希釈することができる。
本発明でいう木材には、単板、ひき板、ベニヤ合板、
パーティクルボードなど各種のものを包含する。
単板など表面材を合板などの台板上に貼着する態様も
包含する。
本発明の樹脂液組成物を木材中に含浸させ、硬化させ
るに公知の方法を用いることができる。含浸は、例えば
常圧、減圧、加圧、あるいはこれらの併用などの手段に
より行うことでき、硬化は熱重合などの化学法によりあ
るいは放射線重合により行うことができる。
含浸単板を合板などの台板上に接着剤を介して貼着
し、熱圧締して熱硬化させるなどの手段を用いることも
できる。
[実施例] 次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1. 不飽和ポリエステル/スチレンモノマー/ベンゾイル
パーオキサイド=80/20/1部(wt、以下同じ)より成る
配合液に、重合度300の酢酸ビニルポリマー20部を加え
てなる樹脂液を、ベイツガ単板(1×300×1800mm)に2
0トールの減圧下にて含浸させた。
尚、不飽和ポリエステルは、2.2molのジエチレングリ
コールと1molの無水マレイン酸と1molの無水フタル酸と
の不飽和ポリエステル樹脂である。
次に、当該樹脂(液)含浸単板を、ラワン合板の表面
に水性ビニルウレタン接着剤を均一に塗布(12g/900c
m2)したものであって、開放堆積5分経過後のものの上
に貼り付け、熱圧条件120℃、8kg/cm2、10分にて熱圧締
した。
得られた表面の樹脂含浸単板は、夏目部、冬目部の鮮
明な白木調を有する表面状態のものであった。
比較例1. 酢酸ビニルポリマーを使用しなかった以外は実施例1
と同様にして、樹脂含浸単板を得、熱圧締した。
得られた樹脂含浸単板は、透明な濡水色で、夏目部、
冬目部の不透明な表面状態を呈していた。
[発明の効果] 以上本発明によれば、木質感を保持し、針葉樹材での
夏目部、冬目部の濃淡を鮮明にした白木調で、樹脂含浸
による利点としての耐水性、寸法安定性、硬度などの諸
性質を具備したWPC技術を提供することができた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステルおよび/またはビニル
    系モノマー100重量部に対し重合度が20〜1000の酢酸ビ
    ニルホモポリマー若しくは酢酸ビニルコポリマーを5〜
    50重量部添加してなる樹脂組成物を木材中に含浸硬化せ
    しめることを特徴とする白木調樹脂含浸処理木材の製造
    法。
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