JP2742206B2 - 3次元磁気センサ - Google Patents
3次元磁気センサInfo
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- Measuring Magnetic Variables (AREA)
Description
であり、特に、平面型の電界放出カソードを用いた3次
元磁気センサに関するものである。
子が知られている。固体ホール素子は半導体におけるホ
ール効果を利用した素子で、素子に電流と磁界とを加え
るとその積に比例した起電力を発生するものである。こ
の固体ホール素子より発生されたホール電圧の検出に
は、作動増幅器が必要なことから固体ホール素子を、増
幅手段と共に集積化したホールICが開発されている。
ホールICは、センサと増幅素子などを含む信号処理回
路をモノリシック集積化したものであり、シリコン基板
上に、センサの感度を向上するための増幅回路とセンサ
とを、モノリシック集積化したシリコンホールICが実
用化されている。
すが、このホールICは水平磁界検出素子と垂直磁界検
出素子を組み合わせて、3軸成分を同時に検出すること
が可能な3次元磁気センサとされている。この図7は、
横形ホール素子と縦形磁気トランジスタ2個を、1チッ
プ内に集積化した3次元磁気センサを上面から見たパタ
ーンを示しており、図8は3次元磁気センサのチップの
断面を示している。
を、周辺のコレクタ電極対Cx1 −Cx2 またはCy1
−Cy2 で差動検出し、垂直磁界は、同図に示すB部分
の水平電流分布を中央のコレクタ電極Cz1 〜Cz4 で
検出している。しかし、この素子構造では、C部分の電
流が磁界のz,y成分に感じてz成分に重畳されるか
ら、検出誤差の原因となる。これらの素子の磁界検出の
空間部分は8×10×20μmで、各成分とも磁界に対
してよい線形出力が得られている。
変位変換器など各種のセンサとして用いられているが、
その使用最高温度はせいぜい摂氏100度前後である。
また、磁気センサとしては他に超電導量子干渉素子(S
QUID)と呼ばれる素子がある。このSQUIDはジ
ョセフソン効果を利用して磁場の強さを最小の単位(量
子)で測定できる電子素子であり、並列に接続したジョ
セフソン接合に流し得る直流電流を測定することによ
り、磁気センサとして地磁気の変化や心臓の動きによる
磁気の検出などの微量の磁気の測定をすることが出来
る。SQUIDは高感度であるが超電導素子を用いてい
るため、冷却装置などのユーティリティ設備が大型とな
る。さらに、その取り扱いが難しいため、可搬型にはな
りにくく、その上高価である。
磁気センサはロボットやマニュピレータのエンコーダ等
に用いられているが、この3次元磁気センサの使用環境
はセンサ部の耐熱対策を行うようにしても、モータの発
熱のため摂氏100度を越える環境となっている。この
ため、ホール素子を磁気センサとして使用しようとして
も、上述したようにホールICの使用最高温度が低いた
め、磁気センサとしてホールICを用いることが出来な
い。また、冷却対策等を施して使用できたとしても、ホ
ールICでは感度が不十分であると云う問題点がある。
のSQUIDを用いることが出来るが、SQUIDは上
述したように取り扱いが難しく、さらに小型かつ低価格
には程遠く、上記3次元磁気センサとしてSQUIDを
使用することは現実的ではなかった。そこで、本発明は
耐環境性にすぐれ、高感度、小型、かつ、取り扱いの容
易な3次元磁気センサを提供することを目的としてい
る。さらに、本発明は量産性に優れた構成を有する低コ
ストの3次元センサを提供することを目的としている。
源として研究開発されている平面型の電界放出カソード
を、3次元磁気センサに応用することにより、今までに
ない優れた3次元磁気センサを実現しようとするもので
ある。電界放出とは、金属または半導体表面の印加電界
を109 [V/m]程度にするとトンネル効果により、
電子が障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行わ
れるようになる。これを電界放出(Field Emission)と
云い、このような原理で電子を放出するカソードを電界
放出カソード(Field Emission Cathode)と呼んでい
る。
クロンサイズの電界放出カソードを作ることが可能とな
っており、そのうちの一例である平面型の電界放出カソ
ード(以下、FECと記す)を図9に示す。このFEC
は平面状に形成されているため、ここでは平面型のFE
Cと称するものとする。この平面型のFECは水晶板等
の基板101をエッチングすることにより、その表面に
段差部を設け、この基板101上にニオブ等を堆積させ
て、ゲート103およびアノード104を形成してい
る。さらに、このゲート103より一段高い基板101
の段差部に櫛歯状のエミッタ102を形成している。
ト103との間の距離は、サブミクロンとなるよう作製
されているため、僅か数10ボルトのゲート・エミッタ
間電圧VGEを印加することにより、エミッタ102から
電子を電界放出することができる。電界放出された電子
は基板101上に設けられたアノード104に捕集され
る。このとき、アノード104にはアノード電圧VA を
印加しておく。このように平面型のFECにおいては、
エミッタから放出される電子は基板101の表面に対し
平行な方向に放出される。
された場合を考察してみる。図10に、磁束Bが基板1
01の面に対して、図示する垂直方向に印加された状態
を示す。この場合、エミッタ102から放出されて、ア
ノード104に向かって飛来している電子にローレンツ
力が働き、図示するように電子の軌道は、角度φで示す
ように磁束Bにより曲げられるようになる。すなわち、
エミッタ102とアノード104の距離をLとすると、
アノード104に電子が到達した時に、距離yだけずれ
た位置に到達するようになる。
ノード104を例えば、2分割して独立して動作させて
おくと、印加された磁界により軌道が曲げられた電子の
方向に位置する一方のアノードの電流が増加すると共
に、他方のアノードの電流が減少するため、2つのアノ
ードに流れる電流の差分を取ることにより、磁界が印加
された方向及び強度を検出することができる。本発明の
3次元磁気センサは、このような原理を応用したもので
あり、非磁性の基板上に、平面型のFECと2分割され
たアノードとを形成し、この基板同士を微少間隔を持っ
て対向するよう接合したものである。なお、基板同士の
間隔は約1mm以下が望ましい。
ノードに流れる平衡状態から偏位した電流の大きさを検
出することにより、高感度で3次元の磁束の方向及び強
さを検出することができる。また、3次元磁気センサを
構成するFEC及びアノードは、半導体微細加工技術を
用いて小型、かつ、安価に基板上に製作することがで
き、このようにして製作した1種類の基板を2枚用いて
真空容器を構成することにより、3次元磁気センサは構
成されているため、耐環境性に優れていると共に、量産
性に優れ、安価、かつ、取り扱いの容易な3次元磁気セ
ンサとすることができる。
Cとアノードの構成を、図1に示す。この図において、
耐熱ガラスやセラミック製の非磁性基板1上にニオブ等
の非磁性金属を堆積させて、ゲート3および2分割され
たアノード4−1,4−2が形成されている。そして、
基板の一部に絶縁層5を形成し、この絶縁層5上に櫛歯
状のエミッタ2が形成されている。この櫛歯状のエミッ
タ2の先端とゲート3との間の距離は、サブミクロンと
なるよう作製されているため、僅か数10ボルトのゲー
ト・エミッタ間電圧VGEを印加することにより、エミッ
タ2から電子を電界放出することができる。
れた2分割されたアノード4−1,4−2によりそれぞ
れ捕集される。このとき、アノード4−1,4−2には
アノード電圧VA がそれぞれ印加されている。このよう
に構成された平面型のFECにおいて、図示する方向の
磁束Bが印加されると、前述したようにアノード4−
1,4−2に向かって飛翔している電子にローレンツ力
が働き、図2に示すように電子の軌道は、磁束Bにより
角度φとして示されているように曲げられる。すなわ
ち、エミッタ2とアノード4−1,4−2の距離をLと
し、アノード4−1に着目すると、アノード4−1に電
子が到達した時に、距離yだけずれるようになる。
に曲げられるため、アノード4−2で捕集される電子が
増加し、他方アノード4−1で捕集される電子は減少す
る。その結果、アノード4−1とアノード4−2からそ
れぞれ得られるアノード電流I1 とアノード電流I2 と
の差分ΔI=(I1 −I2 )を検出すると、印加された
磁束Bの方向及び強度を検出することが出来るようにな
る。ただし、この場合検出できる方向は2次元である。
のエミッタ2とされているが、平面型のFECにおいて
は必ずしも櫛歯状にする必要はなく、例えば、櫛歯を3
角状にして先端を尖らしても良く、エミッタ2の形状の
条件は、先端の角が尖っていさえすればよい。このよう
な、FECの例を図3及び図4に示す。これらの図に示
すFECのエミッタ2の先端形状は、図示するように3
角状とされている。電界は、このような尖った部分に集
中するため、三角状のエミッタ2の先端からは、電子が
放出されやすくなる。これらの図に示すものは、図1及
び図2に示すものと、他の構成においては変わらないた
め、さらなる詳細な説明は省略するものとする。なお、
図1及び図3に示すFECにおいては、絶縁層5を形成
し、その上にエミッタ2を形成しているが、絶縁層5を
形成することに替えて、基板1をエッチング等すること
により基板1の一部に段差部を形成するようにしてもよ
い。
いし図4を用いて説明したFECと、2分割されたアノ
ードとから構成された2次元の磁気センサを2組用い
て、3次元の磁気センサを構成するようにしたものであ
り、その構成を図5に示す。この図において、耐熱ガラ
スあるいはセラミック等の基板1−1上には、2分割さ
れたアノード4−1と、図示していないアノード4−2
及びゲート3−1が形成されており、さらに、基板1−
1の一部に形成された絶縁層上にエミッタ2−1が形成
されている。また、耐熱ガラスあるいはセラミック等の
前面基板1−2上には、2分割されたアノード4−3
と、図示していないアノード4−4及びゲート3−2が
形成されており、さらに、前面基板1−2の一部に形成
された絶縁層上にエミッタ2−2が形成されている。こ
のエミッタ2−1及びエミッタ2−2は図1に示す櫛型
であっても、図3に示す三角状であってもよい。
とに形成されているFECとアノードの構成は等しく、
基板1−1と前面基板1−2の構成とは等しいため1種
類の基板を作成して、基板1−1と前面基板1−2とに
使い分ければ良い。これにより、量産性に優れた3次元
センサとすることができる。この基板1−1と前面基板
1−2とは、サイド基板8を介して接合されることによ
り真空容器を構成している。この基板1−1とサイド板
8との接合層9は、一般に低融点フリットガラスにより
封着される。また、前面基板1−2とサイド板8との接
合層9も、一般に低融点フリットガラスにより封着され
る。この場合、それぞれに形成されたFECが対向する
ように配置され、各エミッタ2−1,2−2、ゲート3
−1,3−2,アノード4−1〜4−4からは、それぞ
れ図示しない引き出し電極が引き出されている。
図示していないが排気口から真空に引かれた後封止さ
れ、さらに、蒸発型のゲッター6が加熱され、ゲッター
ミラー7が形成されることにより高真空に保たれる。な
お、前記接合層9は、陽極接合により形成するようにし
てもよい。さらに、ゲッター6は非蒸発型のものを用い
てもよい。 このように構成された3次元磁気センサに
おいて、図6に示すようにエミッタ2−1とゲート3−
1との間、及びエミッタ2−2とゲート3−2との間に
所定の電圧VGEを印加すると、例えば先端が3角状に形
成されたエミッタ2−1,2−2から、電子が基板1ー
1及び前面基板1−2にほぼ平行に放出される。この放
出された電子は、それぞれアノード電極4−1〜4−4
に向かって飛来し、4つのアノード4−1ないしアノー
ド4−4により捕集され、それぞれのアノード4−1〜
4−4に、アノード電流Ia,Ib,Ic,Idが図示
するように流れるようになる。
印加されると、エミッタ2−1,2−2からアノード4
−1〜4−4に飛翔する電子にローレンツ力が働き、そ
の軌道が曲がるため、アノード電流Ia〜Idが変化す
るようになる。この変化は、印加された磁束の方向と強
さに応じて変化するため、アノード電流Ia〜Idの変
化を検出することにより、印加された磁束の方向と強さ
を検出することができる。
〜Idの分配率の変化量ΔIを検出することにより、3
次元磁気センサの機能である外部から印加された磁束の
方向及び強さを割り出すことが出来る。 Ia/(Ia+Ib+Ic+Id)・・・・(1) Ib/(Ia+Ib+Ic+Id)・・・・(2) Ic/(Ia+Ib+Ic+Id)・・・・(3) Id/(Ia+Ib+Ic+Id)・・・・(4)
ΔIbとΔIdが減少する場合には、磁場は図5の上か
ら下に向かって印加されていることがわかり、この逆の
電流変化に対しては磁場が逆方向に印加されていること
がわかる。また、ΔIaとΔIbが共に増大してΔIc
とΔIdが減少する場合には、磁場は同図の手前から奥
に向かって印加されていることがわかり、逆の電流変化
の場合には磁場の向きも逆である。さらには、上記電流
の変化は、磁場の強さに比例するため、該電流の変化を
測定することにより磁場の強さがわかる。かくして、図
5及び図6に示した構成と測定方法により、磁場の向き
と強さを3次元的に測定することができる。
たが、アノードの分割数は2つに限らず3以上に分割し
てもよい。また、アノード引き出し電極は、エミッタか
ら放出された電子のうち不要な電子の捕集を防止するた
めに、エミッタから反対の方向に引き出すのが良い。さ
らに、各引き出し電極は外部から印加される磁束の影響
を受けると、電極構造により3次元磁気センサの特性が
不安定となるため、各引き出し電極を非磁性材料、例え
ば、アルミニウムや銅等で形成することが望ましい。な
お、FECとアノード電極とを作製した基板を、真空容
器内に対向して配置することにより、3次元磁気センサ
を構成するようにしてもよい。さらにまた、基板と前面
基板との一方には、分割されたアノードだけを設ける構
成としてもよい。また、真空容器内にゲッターを設けて
真空度の劣化を防止しているため、3次元磁気センサの
高感度化及び高信頼性を図ることができる。
製のガラスやセラミックを用いるようにすると、高熱に
さらされる環境においても、3次元磁気センサの信頼性
を向上することが出来る。なお、上述した3次元磁気セ
ンサにおいては、電界放出カソードから電子の放出され
る方向に対し、電界放出カソード及びアノードが対称に
構成されているため、外部磁界が印加されない時に各ア
ノードに流れる電流をほぼ平衡させることができる。ま
た、上述した3次元磁気センサーにおいては、各アノー
ド電極上に電子励起発光蛍光体を塗布形成することによ
り、各アノード電極に流入する電子に応じた発光を、真
空気密容器の外壁を通して観察し得る機能をもたせるこ
ともできる。
も4つのアノードに流れるアノード電流の平衡状態から
偏位した電流の大きさを検出することにより、高感度で
3次元の磁束の方向及び強さを検出することができる。
また、3次元磁気センサを構成するFEC及びアノード
は、半導体微細加工技術を用いて小型、かつ、安価に基
板上に製作することができる。しかも、このようにして
製作した1種類の基板を、2枚用いて3次元磁気センサ
の真空容器を構成しているため、耐環境性に優れている
と共に、量産性に優れ、安価、かつ、取り扱いの容易な
3次元磁気センサとすることができる。
とアノードの構成を示す図である。
様を示す図である。
ECとアノードの構成を示す図である。
様を示す図である。
態様を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】微少間隔を持って対向配置された、ゲート
及びエミッタからなる電界放出カソードと、この電界放
出カソードから放出される電子を捕集する、少なくとも
2つに分割されたアノードとが、それぞれ一面に形成さ
れた非磁性体の第1の基板と、該第1の基板と同様な電
極配置を有する非磁性体の第2の基板と、この第1の基
板及び第2の基板を、内部に設けられた上記電界放出カ
ソードが対向するように非磁性体のサイド板を介して接
合し、内部を真空状態にした真空容器とを備え、 該真空容器中に配置された電界放出カソードから放出さ
れた電子が捕集される4つの上記アノードの電流を検出
することにより、印加された磁界の方向及び強さを検出
することを特徴とする3次元磁気センサ。 - 【請求項2】上記ゲート及び上記エミッタから引き出し
ている引き出し電極、並びに上記アノードから引き出し
ている引き出し電極とを構成する材料を、非磁性の材料
とすることを特徴とする請求項1記載の3次元磁気セン
サ。 - 【請求項3】上記アノードから引き出している引き出し
電極を、上記エミッタとは反対の方向に引き出すことを
特徴とする請求項1あるいは2に記載の3次元磁気セン
サ。 - 【請求項4】上記真空容器の少なくとも一部を、耐熱ガ
ラスあるいはセラミック製とすることによって上記アノ
ード電極が外部から透視できる透光性容器としたことを
特徴とする請求項1ないし3に記載の3次元磁気セン
サ。 - 【請求項5】上記電界放出カソード及び上記アノード
を、上記真空容器の一部をなす基板上に、半導体作製技
術を用いて作製したことを特徴とする請求項1ないし4
のいずれかに記載の磁気センサ。 - 【請求項6】上記各アノード電極の少なくとも1個以上
の電極上に電子線励起発光物質を形成することにより、
上記放出電子による発光を上記透光性容器の壁を通し
て、観察可能とした事を特徴とする請求項4に記載の3
次元磁気センサ。
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JP5339882A JP2742206B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 3次元磁気センサ |
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CN103630854B (zh) * | 2013-10-24 | 2016-01-13 | 黑龙江大学 | 空间三维磁场检测传感器 |
CN118483628B (zh) * | 2024-07-16 | 2024-10-18 | 北京智芯微电子科技有限公司 | 磁敏元件及其制备方法、磁敏传感器、电子器件、芯片和电子设备 |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP5339882A patent/JP2742206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN103472412B (zh) * | 2013-09-30 | 2015-12-02 | 东南大学 | 一种电容式微机电磁场传感器 |
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