JP3837452B2 - 磁気センサ - Google Patents
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Description
本発明はブラシレスモータの制御素子などに使用される磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ホール素子を代表とする磁気センサは、ブラシレスモータにおける制御素子として家庭電器、産業機械などの分野には欠かせない重要なセンサの一つとなっており、より高感度で適用範囲の広い磁気センサの開発が望まれている。半導体磁気センサの感度は半導体中の電子の移動度に依存することから、感度向上の打開策として近年、電界放射の原理に基づく冷陰極型固体真空装置を磁気センサとして利用しようとする試みが行われている。また、この装置は高温や放射能環境でも使用可能といわれており、適用範囲の拡大が期待できる。
このような装置の代表的な例を図5に示す。絶縁性または半絶縁性の基板5上に設けられ、電子を放射するための縦型の電界放射型のエミッタ電極1と、エミッタ電極1から放射される電子数、即ちエミッタ電流を制御するためのゲート電極2と、エミッタ電極1から放射された電子の軌道を制御するための偏向電極4、エミッタ電極1から放射された電子を捕集するためのアノード電極3により構成されている。なお、素子作製は半導体プロセスを用いて行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような磁気センサは、分割されたアノード間の電極が絶縁されていることで機能を満足する。ところが、実際に使用すると各アノード間の絶縁が低下する。これは、電子ビームが絶縁層の表面を改質するためと考えられる。各アノード間の絶縁が低下すると、電子ビームの到達位置、すなわち、各アノード電極に流入する電流の分離が不正確になり、センサの精度が低下し信頼性を損ね、適用範囲を狭くしていた。
また、前記のような磁気センサは、外部印加磁界により偏向する位置を検出して磁界の情報を得ているのであるが、分割したアノード電極間は絶縁のため間隙が必要であることから、電子ビームが間隙を避け、分割したアノード電極にのみ流入する。このとき、磁界によって電子ビームの位置が変動しても一定以上の移動が発生するまで電子が流入するアノード電極が変わらないという現象が発生し、このことは磁界に対して出力がステップ状になることを意味する。したがって、センサの精度が低下し、適用範囲を狭くしていた。
そこで、本発明の第1の目的は、分割された前記アノード電極間の絶縁層を除去することで、信頼性を向上し、応用範囲の広い磁気センサを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、分割された前記アノード電極間に同電位の補助アノード電極を形成することで、精度を向上させ、応用範囲の広い磁気センサを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、本発明の磁気センサは、内部を真空にしたパッケージ内に、線状の電子ビームを放出するように配置した電界放射型のエミッタ電極と、前記エミッタ電極から放出される電子数を制御するゲート電極と、基板上に絶縁層を介して少なくとも2つに分割して設けた前記電子ビームの電子を捕集するアノード電極と、前記電子ビームを偏向させる偏向電極とを備え、測定対象の外部磁場により前記アノード電極に入射する電子数が変化することに基づいて前記外部磁場の強度を検出する磁気センサにおいて、前記分割されたアノード電極間の絶縁層が除去されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、分割された前記アノード電極間の絶縁層を除去しているので、電流の配分が正確にわかるようになるので、磁気センサの信頼性が向上する。
前記第2の目的を達成するため、前記磁気センサは、分割された前記アノード電極間に同電位の補助アノード電極をさらに有する。
この補助アノード電極を設けることにより、電子ビーム到達位置が外部磁界の印加によってのみ変動するので、出力がステップ状になることなく精度が向上する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例を説明するアノード電極部位付近の拡大断面図である。外観は従来例である図5とほぼ同様である。
本実施例の磁気センサは、電子を放出するために設けられた電界放射型のエミッタ電極1と、エミッタ電極1から放射される電子数、即ち、エミッタ電流を制御するためのゲート電極2と、エミッタ電極1から放射された電子を捕集するためのアノード電極3と、エミッタ電極1から放射された電子の軌道を制御するための偏向電極4により構成されている。これらの構成要素は、パッケージ8の内部に各々配設している。偏向電極4は、エミッタ電極1を中心として、均等に90度づつ4分割して配置している。なお、これらの偏向電極4には同電位が加わるようにしてある。また、アノード電極3はセンサ上部から見て、偏向電極4と同様な位置でアノード電極3を4分割している。各々のアノード電極3に到達する電流を計測することにより、アノード電極3への十字状に偏向した電子ビームの到達位置がわかる。これらの構造の外周に等電位の遮蔽電極7を設けている。これは、パッケージ8の内壁に導電体を塗布したもので、電子の軌道がセンサ外の電場の影響を受け、外部磁場Bと無関係に曲げられる危険性を防止するのに有効である。
【0006】
以上に述べた全ての電極は、十字状電子ビームの中心から放射状、且つ対称に配設してあり電子の軌道に異方性を持たせないようにしてある。
ここで、アノード電極3の断面図を用いてさらに詳細に本実施例を説明する。このとき電子を放出するエミッタ素子は図の上方に位置する。図2に示すような従来の構造では、絶縁層6の暴露部分の絶縁劣化によって分割したアノード電極31、32が電気的に共通になり電流を正確に分割して計測できない。そこで、緩衝フッ酸等で暴露部分をエッチングし図1のように絶縁層6を61,62の部分に分けて形成することで、絶縁層の劣化を免れ、電流を正確に分割して計測できるようになる。また、オーバーぎみにエッチングするほうが、より絶縁層の劣化を防止できるので好ましい。
【0007】
図3は、本発明の第2実施例を説明するアノード電極部位付近の拡大断面図である。本図においては、エミッタ素子は下方に位置する。外観は従来例である図5とほぼ同様であり、磁気センサの構成も第1実施例とほぼ同様である。
ここで本実施例においては、基板9を補助アノード電極としたもので、分割した各アノード電極3から電流検出機構11を通じて導出した配線に接続し、電圧印加機器12に接続している。
ここで、図4に示すように単にアノード電極3に電圧を印加した構造では、間隙10によって外部磁界による電子ビームの移動がステップ状になる。そこで、図3のように、分割した各アノード電極31,32から電流検出機構11を通じて導出した配線に基板9を接続し、電圧印加機器12に接続することで、電子ビーム到達位置が外部磁界の印加によってのみ変動するので、出力がステップ状になることなく、精度が向上する。
【0008】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、分割された前記アノード電極間の絶縁層を除去することにより、電流の配分が正確にわかるようになるので、磁気センサの信頼性が向上し、応用範囲の広い磁気センサを提供することができるようになる。
また、分割された前記アノード電極間に同電位の補助アノード電極を形成することにより、電子ビーム到達位置が外部磁界の印加によってのみ変動するので、出力がステップ状になることなく、精度が向上し、応用範囲の広い磁気センサを提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を説明するアノード部位の拡大断面図である。
【図2】 従来の磁気センサのアノード部位の拡大断面図である。
【図3】 本発明の第2実施例を説明するアノード部位の拡大断面図に配線および電気回路機器を付与したものである。
【図4】 本発明の磁気センサのアノード部位の拡大断面図に配線および電気回路機器を付与したものである。
【図5】 従来の磁気センサの外観を示す模式図である。
【符号の説明】
1 エミッタ電極
2 ゲート電極
3,31,32 アノード電極
4 偏向電極
5 基板
6,61,62 絶縁層
7 遮蔽電極
8 パッケージ
9 基板
10 間隙
11 電流検出機構
12 電圧印加機器
Claims (3)
- 内部を真空にしたパッケージ内に、線状の電子ビームを放出するように配置した電界放射型のエミッタ電極と、前記エミッタ電極から放出される電子数を制御するゲート電極と、基板上に絶縁層を介して少なくとも2つに分割して設けた前記電子ビームの電子を捕集するアノード電極と、前記電子ビームを偏向させる偏向電極とを備え、測定対象の外部磁場により前記アノード電極に入射する電子数が変化することに基づいて前記外部磁場の強度を検出する磁気センサにおいて、
前記分割されたアノード電極間の絶縁層が除去されていることを特徴とする磁気センサ。 - 前記アノード電極の近傍に同電位の補助アノード電極を設けた請求項1記載の磁気センサ。
- 前記補助アノード電極が、前記アノード電極を保持する基板を構成している基板からなることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2131898A JP3837452B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 磁気センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2131898A JP3837452B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 磁気センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11218569A JPH11218569A (ja) | 1999-08-10 |
JP3837452B2 true JP3837452B2 (ja) | 2006-10-25 |
Family
ID=12051817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2131898A Expired - Lifetime JP3837452B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 磁気センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3837452B2 (ja) |
-
1998
- 1998-02-02 JP JP2131898A patent/JP3837452B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11218569A (ja) | 1999-08-10 |
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