JP2741791B2 - パッケージソフトのレベルアップ管理システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［概要］ 複数のユーザに提供しているパッケージソフトのレベ
ルアップ管理システムに関し、 カストマイズしているプログラムパッケージのレベル
アップの可能性を検査できるようにすることを目的と
し、 複数ユーザで稼働する複数のアプリケーションプログ
ラムパッケージソフトの改訂を行うシステムにおいて、 前記複数のプログラムパッケージソフトの各々につい
て修正の有無を示す更新禁止区分を有するユーザ側シス
テム管理マスタ記憶手段と、 前記複数のプログラムパッケージのレベルアップ用の
パッケージ群と、各パッケージ毎にレベルアップの是
非、レベルアップの際に他のパッケージとの同期の是非
を示す更新必須区分を有するメーカ側システム管理マス
タ入力手段と、 レベルアップのためのプログラム入れ換えが可能かど
うかをユーザ側システム管理マスタの更新禁止区分とメ
ーカ側システム管理マスタの更新必須区分に基づいて判
定する比較参照手段と、 該比較参照手段による比較の結果、レベルアップのた
めのプログラム入れ換えが可能である場合に、修正され
たプログラムを別領域に退避させておき、前記入力手段
により入力されたレベルアップ用のパッケージ群に一括
して入れ換え、その後退避しておいた修正されたプログ
ラムを元に戻すプログラム制御手段 とを具備するように構成する。

［産業上の利用分野］ 本発明は複数のユーザに提供しているパッケージソフ
トのレベルアップ管理システムに関し、更に詳しくは複
数ユーザで稼動するアプリケーションパッケージソフト
の保守支援システムに関する。

［従来の技術］ コンピュータメーカでは、複数ユーザで稼動するアプ
リケーションパッケージソフトを作成し、各ユーザに提
供するようになっている。この種のアプリケーションパ
ッケージソフトの場合、適用するユーザにより標準でメ
ーカ側から提供するシステムでは、ユーザ要件に対応し
ない場合がよくある。特に、販売管理業務のように標準
となる業務形態がないものを標準プログラムパッケージ
ソフトとして提供する場合、ほとんどのユーザが標準プ
ログラムの自己に合った形に個別修正（以下カストマイ
ズという）して使用している。

ところで、このカストマイズとは別に、メーカではユ
ーザに納入した後、標準プログラムに障害等が見つかっ
た場合、それらの修正を行っている。そして、標準プロ
グラムを修正したものを一定期間毎に１つのレベルアッ
プしたプログラム（以下、修正プログラムという）とし
てユーザに無償で提供している。

しかしながら、パッケージソフトをカストマイズした
場合、そのシステムの標準仕様に障害等があり、レベル
アップを行わなければならない場合にも、ユーザによっ
てはパッケージソフトをカストマイズして使用している
場合があるので、標準プログラムを修正プログラムで入
替えると、先に使用していたカストマイズプログラムが
破壊されてしまうおそれがある。このため、ユーザによ
ってはメーカから修正プログラムの提供を受けても、古
いレベルのプログラムのまま使用している場合が多い。

例えば、あるユーザの使用条件では障害が出るけれど
も、他のユーザの使用条件では障害が出ない場合には、
障害が出ないユーザでは前の標準プログラムのまま、特
定のプログラムパッケージのみをカストマイズして使用
しても問題がないからである。このため、ユーザのカス
トマイズプログラムと修正プログラムの管理方法が問題
となってきている。

第６図は、ユーザが使用しているメーカ提供のプログ
ラムの構成例を示す図である。図において、P1〜P10は
プログラムパッケージで10個のパッケージでシステムが
動作しているものとする。これらプログラムパッケージ
（プログラムプロダクツ;P.P.と略す）のうち、P2とP3
についてはカストマイズが行われていることを示す。こ
れらカストマイズは、ユーザ側で行ったものである。第
７図はメーカ提供の修正プログラムの構成例を示す図で
ある。図では、プログラムパッケージP1とP10が修正さ
れている。

［発明が解決しようとする課題］ 前述したような販売管理業務のような標準となる業務
形態がなく、個々のユーザにより業務内容が異なるもの
をパッケージとして販売する場合、無修正適用ではな
く、カストマイズを前提とした販売及び適用が求められ
ているため、カストマイズで行った時もレベルアップを
行えるようなシステムが望まれている。しかしながら、
レベルアップは無修正一括入替えを前提としているた
め、プログラムのカストマイズを行えないという問題が
ある。

図を用いて説明する。例えば、第７図に示す修正プロ
グラムで前のプログラムを置換しようとすると、第６図
に示すプログラムのうちのカストマイズプログラムパッ
ケージP2,P3が破壊されてしまう。従って、若しカスト
マイズを行った場合、システムのレベルアップは困難に
なるという問題があった。

本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであっ
て、カストマイズしているプログラムパッケージのレベ
ルアップの可能性を検査できるようにすることができる
パッケージソフトのレベルアップ管理システムを提供す
ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 第１図は本発明の原理図である。図において、10はア
プリケーションプログラムパッケージ群で、ユーザの数
Ｍだけ設けられている。P1〜Pnはアプリケーションプロ
グラムパッケージ群10を構成するプログラムパッケージ
である。各ユーザに提供されるアプリケーションプログ
ラムパッケージ群10は、メーカからユーザに提供された
時点では共通である。メーカから提供されたプログラム
パッケージをユーザが自己の業務形態に合わせてカスト
マイズすることになる。

11は各プログラムパッケージ毎にカストマイズした履
歴を書き込む更新禁止区分である。カストマイズしたプ
ログラムパッケージについては、修正プログラムによる
更新は、それがカストマイズプログラムに影響を与える
時には禁止される。２はメーカによって作成される修正
プログラムパッケージ群である。この修正プログラムパ
ッケージ群２は、ユーザ納入後に見つかったプログラム
の障害を修正したものである。

20は修正プログラムパッケージ群２に添付されるシス
テム管理マスタで、修正したプログラムパッケージの履
歴を書込んでおくものである。30は修正プログラム側の
システム管理マスタ20とユーザ側のシステム管理マスタ
10とを比較参照する比較参照部である。

［作用］ プログラムパッケージのカストマイズ情報をユーザが
運用時にシステム管理マスタ10内の更新禁止区分11に書
込んでおくようにする。一方、メーカ側では修正プログ
ラム作成時にシステム管理マスタ20に書込んでおくよう
にする。そして、レベルアップ時（プログラムを修正プ
ログラムと入れ替える時）、ユーザ側のシステム管理マ
スタ10と修正プログラムパッケージ群２に添付されるシ
ステム管理マスタ20とを比較参照部30で比較参照するこ
とにより、レベルアップするプログラムパッケージがカ
ストマイズされているかどうかを認識することができ、
カストマイズしているプログラムパッケージのレベルア
ップの可能性を検査することができるようになる。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第２図は本発明の動作説明図である。図において、10
はユーザ側のシステム管理マスタ（以下、システム管理
マスタ１と略す）、20は修正プログラム側のシステム管
理マスタ（以下、システム管理マスタ２と略す）であ
る。11はシステム管理マスタ１側に設けられた更新禁止
区分、21はシステム管理マスタ２側に設けられた更新必
須区分である。30はシステム管理マスタ１とシステム管
理マスタ２とを比較参照する比較参照部である。該比較
参照部30は、例えばソフトウェアにより実現することが
できる。

このように構成されたシステムにおいて、ユーザは自
己が使用するのに適した形にプログラムパッケージP2と
P3とをカストマイズ（個別修正）する。カストマイズし
たら、システム管理マスタ１の更新禁止区分11の該当箇
所にカストマイズしたことを示す“1"を書込んでおく。
一方、メーカではユーザに納入したプログラムパッケー
ジ群に障害が見つかった時には、その障害を修正しレベ
ルアップを行う。ここで、レベルアップを行ったプログ
ラムパッケージがP1とP10であったものとすると、シス
テム管理マスタ20の更新必須区分21の該当箇所にレベル
アップしたことを示す“1"を書込んでおく この修正プログラムパッケージ群は、メーカからユー
ザに提供される。ユーザは修正プログラムの提供を受け
たら、その修正プログラムに添加されているシステム管
理マスタ２とユーザが持っているシステム管理マスタ１
とを比較参照部30で比較する。その結果、システム管理
マスタ１側にはプログラムパッケージP2とP3がカストマ
イズされているので、修正プログラムで前のプログラム
をそのまま入替えることはできない。

そこで、比較参照部30は、修正プログラムパッケージ
P1とP10とがカストマイズプログラムパッケージP2とP3
に影響を与えるかどうか調べる。修正プログラムパッケ
ージP1とP10とがカストマイズプログラムパッケージP2
とP3に影響を与えないことが分かった場合には、修正前
のプログラムパッケージP2とP3の内容を別領域に退避さ
せておいて、修正前のプログラムを修正プログラムで入
替える。

更に、その後退避させておいたカストマイズプログラ
ムパッケージP2とP3を元の領域に戻してやる。このよう
にすることにより、カストマイズを行った時にもプログ
ラムのレベルアップを行うことができる。なお、修正プ
ログラムパッケージP1とP10とがカストマイズプログラ
ムパッケージP2とP3に影響を与えることが分かった場合
には、単純にカストマイズを行った時にレベルアップを
行うことはできない。

第３図は本発明で使用されるシステム管理マスタのフ
ァイルレイアウト例を示す図である。図に示すようにシ
ステム管理マスタはキー項目41,レベルアップ情報42,ユ
ーザ管理情報43等から構成される。キー項目41のうち41
aはモジュール区分で、P.P.（プログラム・プロダク
ツ）の識別を行うものである。例えば、FILはファイル
を、PGMはCOBOLオブジェクトをJCLはジョブをそれぞれ
示す。41bはプログラムの識別を示すプログラムIDであ
る。

レベルアップ情報42は、更新必須区分21のみから構成
されている。この更新必須区分21については、レベルア
ップ媒体のシステム管理辞書で設定されるものである。
この区分が“1"の場合には、このプログラムパッケージ
（PPのこと）はレベルアップ対象の他のプログラムパッ
ケージと同期をとって修正しているので、入替えが必須
であることを示している。つまり、このプログラムパッ
ケージを入替えないと、他のプログラムパッケージの入
替えも行えない。

次に、この区分が“9"の場合には、このプログラムパ
ッケージ固有のプログラム修正を行っているので、この
プログラムパッケージの入替えを行わなくともも他のプ
ログラムパッケージの入替えが行える。次に、この区分
が“0"の場合にはこのプログラムパッケージの修正は行
っていないことを示す。

ユーザ管理情報は43のうち、選択区分43aはユーザシ
ステムインストール時に設定されるもので、“1"の時に
はユーザシステムで使用していることを示し、“0"の時
にはユーザシステムで使用していないことを示してい
る。更新禁止区分11は、ユーザがシステム管理のために
設定するもので、前述したとおりである。即ち、この区
分が“1"の時にはユーザ固有の仕様にカストマイズされ
ていることを示し、この区分が“0"の場合にはオリジナ
ル仕様のままでカストマイズされていないことを示して
いる。ユーザ設定区分43bは、ユーザがシステム管理の
ために設定するもので、“1"の時にはユーザ固有仕様で
システムで提供していないプログラムパッケージである
ことを示している。“0"の時にはオリジナルで提供した
プログラムパッケージであることを示している。なお、
各項目の下に付されたＸ（03）,X（01）等はその表現形
式を示している。例えばＸ（03）は英数文字，カタカナ
で３バイトで表すことを示している。

第４図はレベルアップ時の入替え検査の処理の流れを
示す図である。ここで説明する処理の流れを概説する
と、以下のとおりである。ユーザが個別でプログラムパ
ッケージをカストマイズした場合、ユーザシステムで管
理しているシステム管理マスタの更新禁止区分をオンに
してカストマイズプログラムパッケージを管理する。そ
して、レベルアップ時に、パッケージソフトのレベルア
ップを行う前にユーザシステムに管理されているシステ
ム管理マスタを順読みし、カストマイズ対象プログラム
パッケージかどうかを検査し、カストマイズ対象プログ
ラムパッケージの場合には、レベルアップ媒体で管理し
ているシステム管理マスタと比較参照して、今回のレベ
ルアップに関連しているプログラムパッケージであるか
どうかを調査するものである。

先ず、初期処理が行われる（S1）。ここでいう初期処
理は、マスタをオープンする処理等をいう。次に、ユー
ザシステムライブラリのシステム管理マスタを順読みす
る（S2）。そして、順読みが終了したかどうかチェック
し（S3）、終了したら終了処理を行う（S4）。ここでい
う終了処理とはマスタのクローズ処理等をいう。

ステップS3で、終了でない場合には、更新禁止区分が
オン（“1"）になっているかどうかをチェックする（S
5）。

若し、更新禁止区分がオフの時には、標準プログラム
パッケージであるので、次のレコードに移る。更新禁止
区分がオンの場合には、当該プログラムパッケージはカ
ストマイズされていることになる。この場合には、レベ
ルアップライブラリのシステム管理マスタを更新禁止区
分がオンであったレコードのキーをセットして乱読みす
る（S6）。

そして、カストマイズしているプログラムパッケージ
が今回のレベルアップの対象となっているかどうか（IN
VALIDであるかどうか）をチェックする（S7）。若し、
カストマイズしているプログラムパッケージが今回のレ
ベルアップの対象となっていない場合には、次のレコー
ドに移る。今回のレベルアップの対象となっているう場
合には、更新必須区分がオンになっているかどうかチェ
ックする（S8）。

更新必須区分がオフの場合には、カストマイズされた
プログラムパッケージは、今回のレベルアップ対象のプ
ログラムパッケージであるが、このプログラムパッケー
ジの入替えをしなくても他のプログラムパッケージの入
替えを行える場合であり、その旨の印字出力を行い（S
9）、次のレコードに移る。更新必須区分がオンの場合
には、カストマイズされたプログラムパッケージは、今
回のレベルアップ対象のプログラムパッケージであり、
かつこのプログラムパッケージの入替えを行わないと他
のプログラムパッケージの入替えも行えない場合であ
る。この場合には、その旨の印字出力を行い（S10）、
次のレコードに移る。

第５図は入替え検査を行った時の印字出力例を示す図
である。カストマイズしているプログラムパッケージが
モジュール区分に示されている。つまり、ここに示され
ているプログラムパッケージのうち、更新必須区分に○
が付されているパッケージはレベルアップ必須のもので
あることを示している。このリストアップされた印字結
果から、カストマイズされたプログラムパッケージとレ
ベルアップ対象のプログラムが明確化されるので、カス
トマイズを行ったプログラムパッケージについてもレベ
ルアップを行うことが可能となる。

［発明の効果］ 以上、詳細に説明したように、本発明によればプログ
ラムパッケージのカストマイズ情報をユーザが運用時に
システム管理マスタ内の更新禁止区分に書込んでおくよ
うにし、一方、メーカ側では修正プログラム作成時にシ
ステム管理マスタに書込んでおくようにし、レベルアッ
プ時（プログラムを修正プログラムと入れ替える時）、
ユーザ側のシステム管理マスタと修正プログラムパッケ
ージ群に添付されるシステム管理マスタとを比較参照す
ることにより、レベルアップするプログラムパッケージ
がカストマイズされているかどうかを認識することがで
き、カストマイズしているプログラムパッケージのレベ
ルアップの可能性を検査することができるようになる。

従って、本発明によれば第１にユーザ固有のシステム
状態を管理できるので、管理者が変わってもシステムの
状態が常に把握できるので、信頼性が向上し、第２にカ
ストマイズされたプログラムパッケージがある場合にも
事前に入替えの検査ができるので、ユーザへの適用性が
拡大し、第３に事前の入替え検査による９レベルアップ
プログラムパッケージの誤インストールを防止すること
により、保守性が向上し、アプリケーションパッケージ
ソフトの適用拡大に寄与するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理図、 第２図は本発明の動作説明図、 第３図はシステム管理マスタのファイルレイアウト例を
示す図、 第４図はレベルアップ時の入替え検査の処理の流れを示
す図、 第５図は印字出力例を示す図、 第６図はユーザが使用しているプログラムの構成例を示
す図、 第７図は修正プログラムの構成例を示す図である。 第１図において、 ２は修正プログラムパッケージ群、 10はシステム管理マスタ、 11は更新禁止区分、 20はシステム管理マスタ、 30は比較参照部である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数ユーザで稼働する複数のアプリケーシ
   ョンプログラムパッケージソフトの改訂を行うシステム
   において、 前記複数のプログラムパッケージソフトの各々について
   修正の有無を示す更新禁止区分を有するユーザ側システ
   ム管理マスタ記憶手段と、 前記複数のプログラムパッケージのレベルアップ用のパ
   ッケージ群と、各パッケージ毎にレベルアップを是非、
   レベルアップの際に他のパッケージとの同期の是非を示
   す更新必須区分を有するメーカ側システム管理マスタ入
   力手段と、 レベルアップのためのプログラム入れ換えが可能かどう
   かをユーザ側システム管理マスタの更新禁止区分とメー
   カ側システム管理マスタの更新必須区分に基づいて判定
   する比較参照手段と、 該比較参照手段による比較の結果、レベルアップのため
   のプログラム入れ換えが可能である場合に、修正された
   プログラムを別領域に退避させておき、前記入力手段に
   より入力されたレベルアップ用のパッケージ群に一括し
   て入れ換え、その後退避しておいた修正されたプログラ
   ムを元に戻すプログラム制御手段 とを具備することを特徴とするパッケージソフトのレベ
   ルアップ管理システム。