JP2741002B2 - 高速処理装置 - Google Patents

高速処理装置

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JP2741002B2
JP2741002B2 JP5107394A JP10739493A JP2741002B2 JP 2741002 B2 JP2741002 B2 JP 2741002B2 JP 5107394 A JP5107394 A JP 5107394A JP 10739493 A JP10739493 A JP 10739493A JP 2741002 B2 JP2741002 B2 JP 2741002B2
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伸介 斎藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速処理装置に関し、
詳しくはマザーボード上のCPUに代替して処理速度を
高速化する高速処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータの動作速度を高速化
する装置として、所定のクロック周波数(例えば16M
Hz)で動作するCPUに代替して取り付けられ、ある
いは数値演算プロッセッサ用ソケット取り付けられ、低
速のCPUに代わって、高速のCPU(例えば48MH
z)を動作させるものがある。この種の高速処理装置
は、CPUの内部動作のみが高速化されるに過ぎないの
で、そのままでは、低速で動作するマザーボード上のR
OM,RAMなどの装置とのやり取りにより、動作速度
はさほど高速化されない。そこで、最近では、CPUの
内部にキャッシュメモリを備えることにより、低速な素
子へのアクセスの回数を減らし、全体として処理の高速
化を図るものが提案されている。
【0003】こうした高速処理装置は、所定のクロック
周波数を整数倍する整数倍クロック回路と、キャッシュ
メモリを内蔵したCPUと、CPUから他の論理回路へ
発する制御信号のタイミングと他の論理回路からCPU
へ発する信号のタイミングの同期をとるタイミング回路
とを備えている。
【0004】タイミング回路は、高いクロック周波数で
動作するCPUが低速で動作するROMやRAMからの
データの読み込み等のタイミングを調整している。読み
込み等のタイミングは、低いクロック周波数のクロック
信号とこのクロック周波数を整数倍したクロック信号と
の間に、低いクロック周波数のクロック信号の立ち上が
り・立ち下がりが、常に整数倍したクロック周波数のク
ロックの立ち上がり・立ち下がりに一致するという関係
を用いて、低いクロック周波数のタイミングで行なわれ
る。従って、タイミング回路では、低いクロック周波数
のクロックの立ち上がりの検出が行なわれている。
【0005】高速処理装置のCPUは、内部に通常数キ
ロバイトのキャッシュメモリを備え、低いクロック周波
数で動作する論理回路とのデータのやりとりを少なくす
ることで、処理速度を飛躍的に速くしている。すなわ
ち、一定の時間内にCPUが実行するプログラムは、R
OMの狭いメモリ空間内に存在することが多いので、数
キロバイトのキャッシュメモリがあれば、実際にCPU
からROMへアクセスする回数は10分の1以下とする
ことができる。CPUとキャッシュメモリとのデータの
やりとりは、CPU内部の高いクロック周波数で行なう
ことができる。従って、低いクロック周波数でのみ動作
するROMやRAMなどを有していても、CPU内部に
キャッシュメモリを備えることで、コンピュータ全体と
しての処理速度を飛躍的に速くすることができるのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、倍速C
PUでは、クロック周波数は整数倍に限られるという問
題があった。例えば、クロック周波数が20MHzで動
作しているコンピュータのCPUをクロック周波数が5
0MHzで動作可能なCPUに取り替えた場合、3倍の
60MHzでは駆動できないため2倍の40MHzとす
る必要があった。また、20MHzで動作しているCP
Uをクロック周波数が33MHzで動作可能なCPUに
取り替えようとしても、2倍の40MHzでは動作でき
ないので、このCPUを用いては高速化を実現すること
ができなかった。
【0007】本発明の高速処理装置は、こうした問題を
解決し、コンピュータをより高速な処理速度で動作させ
ることを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の高速処理装置
は、マザーボード上の第1のCPUに代替して使用され
る第2のCPUを搭載した高速処理装置であって、第1
のCPUに付与される第1のクロック信号を非整数倍に
逓倍し、第2のクロックとして前記第2のCPUに付与
するクロック信号出力手段と、該第1のクロックと第2
のクロックの同期の組合わせの各々に対応して、前記第
2のCPUのアクセスのタイミング信号を生成するタイ
ミング信号生成手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
【作用】以上のように構成された本発明の高速処理装置
は、第2のCPUが第1CPUに代替して使用され、そ
の際、第2のCPUは、第1のCPUのための第1クロ
ック信号を非整数倍に逓倍した第2のクロックにより動
作する。第2のクロックは、第1のクロックに対して整
数倍とはなっていないので、第2のCPUがマザーボー
ド上の他の装置を直接アクセスすることはできない。本
発明は、タイミング信号生成手段が、両クロックの同期
の組合わせの各々に対応して、第2のCPUのアクセス
のタイミング信号を生成しており、第2のCPUは、こ
のタイミング信号を用いて、マザーボード上の他の装置
とのアクセスを実現する。
【0010】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は、通常CPU1により動作するパーソナ
ルコンピュータの内部ブロック図であり、実施例の高速
処理装置100を、マザーボード上に用意された数値演
算プロセッサ用のソケット2に装着した状態を示してい
る。
【0011】このコンピュータは、図示するように、マ
ザーボード上に当初から取り付けられていたCPU1を
中心に、バス33により相互に接続された種々の回路を
備える。以下、これらを簡単に説明する。
【0012】CPU1:クロック周波数H1のクロック
信号CLKで動作可能な中央処理演算装置、 ROM4:モニタプログラム等を記憶するマスクメモ
リ、 RAM5:主記憶を構成する読み出し・書き込み可能メ
モリ、 PIT6:タイマ割込を発生するインターバルタイマ、 RTC8:電源バックアップを受けて時間を計時するリ
アルタイムクロック、 DMAC10:CPU1を介在させないダイレクトメモ
リ転送を制御するコントローラ、 SIO11:RS−232Cの通信を制御するシリアル
インタフェース、 PIC12:各種の割込に優先順位を付けて制御する割
込コントローラ、 マウスインタフェース15:2ボタンマウス14とのデ
ータ等のやり取りを司るインタフェース、 キーボードインタフェース18:キーボード17からの
キー入力を司るインタフェース、 FDC21:フレキシブルディスクドライブ(FDD)
20を制御するフレキシブルディスクコントローラ、 HDC25:ハードディスクドライブ(HDD)24を
制御するハードディスクコントローラ、 CRTC29:必要なデータ等をカラーで表示可能なC
RT28への信号出力を制御するCRTコントローラ、 プリンタインタフェース31:プリンタ30へのデータ
の出力を制御するインタフェース、 クロック回路35:クロック周波数H1のクロック信号
CLKを発生する論理回路、 これらの各部の他、バス33には将来の拡張に備えて、
拡張用スロット32が接続されている。
【0013】CPU1は、入力ポートP1を備えてお
り、この入力ポートP1は、ソケット2の出力ポートP
2に接続されている。出力ポートP2は、ソケット2に
数値演算プロセッサや高速処理装置100が取り付けら
れることにより、これらの内部で接地されてロウレベル
となる。CPU1は、入力ポートP1に入力されている
この信号がロウレベルになると、自らの動作を停止す
る。従って、ソケット2に高速処理装置100を取り付
けることにより、CPU1はその動作を停止し、高速処
理装置100に備えられたCPU3により、総ての処理
が行なわれることになる。なお、高速処理装置100に
設けられたCPU3は、CPU1より高速に動作可能な
CPUであり、本実施例では、後述するように、クロッ
ク周波数H2(30MHz)のクロック信号CLK15
で動作する。
【0014】図2は、高速処理装置100の外形を示す
正面図である。図2に示すように、高速処理装置100
は、数値演算プロセッサ用に用意されたソケット2に装
着されるターミナルピンが設けられた信号変換用基板4
0と、この基板40の上に取り付けられCPU3および
その周辺回路を搭載した回路用基板50とからなる。信
号変換用基板40は、本来数値演算プロセッサ用のソケ
ット2に高速動作可能なCPU3を取り付ける関係で、
CPU3のピン配列とソケット2のピン配列に存在する
僅かな相違(実施例では3本)を入れ換えるために用い
られている。
【0015】一方、回路用基板50は、CPU3や後述
する周辺回路を構成するPLAやディジタルディレイラ
インさらには抵抗器やジャンパ線等を取り付ける基板で
ある。なお、CPU3には、その上面に、放熱用のヒー
トシンク60が取り付けられている。
【0016】高速処理装置100の回路構成について説
明する。高速処理装置100は、高速動作可能なCPU
3の他、クロック周波数H1のクロック信号CLKをク
ロック周波数H2のクロック信号CLK15に変換する
クロック逓倍回路3aと、クロック周波数H1のクロッ
ク信号CLKで動作するROM4やRAM5等の他の論
理回路とのデータのやりとりのタイミングを制御するタ
イミング制御回路3bと、コントロールポートやアドレ
スポート,データポートを有するバス制御回路3cとを
備える。これらの回路は、図3および図4に示す論理回
路で構成されている。
【0017】図3は、高速処理装置100の論理回路の
中心となるCPU3とその制御信号を示す説明図であ
る。実施例では、このCPU3に内部の動作周波数の上
限が66MHzのインテル社製486DX2−66(4
86DX2はインテル社の商標)を用いた。このCPU
3は、外部から供給されるクロック信号に対して、内部
的には、そのクロック信号の2倍の周波数で動作するい
わゆる倍速CPUである。CPU3のほとんどの入出力
ピンは、そのままソケット2を介してマザーボード上の
バス33の対応する信号ラインに接続されている。回路
基板50上で信号線の入れ替えや異なる信号への変換な
どが行なわれる信号は、アドレスバス上の信号が確立し
ていることを外部に知らせるアドレス制御信号ADS
\,バスホールドアクノレッジ信号HLDA,ノンバー
ストモードにおけるバスサイクルの完了を示すレディ信
号RDY\,同じくバーストモードでのバスサイクルの
完了を示すバーストモードレディ信号BRDY\,浮動
小数点演算のエラーを示すエラー信号FERR\,プロ
セッサの動作の基本となるクロック信号CLK,プロセ
ッサをリセットするリセット信号RESETである。こ
こで、各信号名の後に付した「\」はその信号がロウア
クティブであることを示す。なお、図3,図4におい
て、「CP THRHOL」とあるのは、信号変換用基
板40との接続端子(スルーホール)に接続されている
ことを示す。
【0018】図4は、高速処理装置100のクロック逓
倍回路3aとタイミング制御回路3bとの回路図であ
る。実施例では、クロック周波数H1を20MHz、ク
ロック周波数H2を30MHzとしたものについて説明
する。従って、クロック周波数H1のクロック信号は、
1周期が50ns、ハイレベルが25ns、ローレベル
が25nsのものである。
【0019】高速処理装置100のクロック逓倍回路3
aは、IC3およびIC4により構成されている。IC
4は、ディジタルデレイラインを収納したものであり、
各入力ポートIにクロック信号CLKを入力する。
【0020】IC4は、クロック信号CLKが入力ポー
トIに入力すると、各出力ポートD0ないしD4に、予
め定められた所定の時間だけ位相の遅れた信号を出力す
る。IC4から出力される信号の位相差を、クロック信
号CLKからの遅れ時間として表わすと、出力ポートD
0ないしD4からの信号は、5ns,10ns,15n
s,20ns,25nsの遅れをもつ。
【0021】こうして得られた各信号は、クロック信号
CLKと同じ波形で、クロック信号CLKから5ns,
10ns,15ns,20ns,25ns遅れた信号と
なる。これらのクロック信号DCLKAないしDCLK
Eは、IC3の各入力端子に入力される。
【0022】IC2,IC3は、D型フリップフロップ
を備えたプログラマブルロジックアレイ(PLA)であ
り、複数の入力信号に対して、AND−OR論理によ
り、所望の出力を生成する。本実施例では、クロック信
号CLKを分周して、半分の周波数のクロック信号CL
K05を作成するのと共に、IC4により作成されたク
ロック信号DCLKAないしDCLKEを用いてクロッ
ク信号CLK15を作成する。IC2,IC3が実現し
ている等価回路を、図5に示す。
【0023】まずクロック逓倍回路3aの構成について
説明する。図5(a)に示すように、クロック信号CL
K05は、クロック信号CLKにより動作するD型フリ
ップフロップの出力を反転してデータDに入力する回路
により生成されている。一方、クロック信号CLK15
は、クロック信号CLK,DCLKB,DCLKDおよ
びCLK05により作成される。各クロック信号の波形
を図6に示す。図5(a)に示すラッチ回路やANDゲ
ートおよびORゲートでの遅れ時間が全くないものとす
ると、得られるクロック信号は図6のクロック信号CL
K15Tとなる。しかし、各ゲートには微少な遅れ時間
が存在し、特にD型フリップフロップでは遅れ時間が大
きいことから、得られるクロック信号CLK05は、図
中破線で示した波形となり、クロック信号CLK15
は、図中最下段に示す波形となる。また、クロック信号
CLK15は、多少波形は不揃いであるが、マザーボー
ド側から得られるクロック信号CLKの2サイクルに対
して丁度3サイクルとなる周波数30MHzのクロック
信号である。換言するならば、クロック信号CLK15
は、クロック信号CLKを丁度1.5逓倍した信号とな
っている。
【0024】高速処理装置100のタイミング制御回路
3bも、IC2およびIC3により構成されており、I
C2およびIC3により実現される等価回路を論理ゲー
トの組合わせにより示したのが、図5(b)および図5
(c)である。タイミング制御回路3bでは、クロック
信号CLKで動作するマザーボード側とクロック信号C
LKを1.5逓倍したクロック信号CLK15で動作す
るCPU3とのやり取りの同期を取るため、CPU3側
からマザーボード側へのアドレスストローブ信号ADS
2\、CPU3へノンバーストモードでのバスサイクル
が完了したことを知らせるレディ信号RDY2\および
バーストモードでバスサイクルが完了したことを知らせ
るバーストレディ信号BRDY2\を生成している。
【0025】アドレスストローブ信号ADS2\は、C
PU3がマザーボードのROM4,RAM5等にアクセ
スする場合のアドレスバス上のデータの取り込みのタイ
ミングをマザーボード側に知らせる信号である。CPU
3から出力される制御信号ADS\は、図7に示すよう
に、高速のクロック信号CLK15に同期して出力され
る。一方、マザーボード側のROM4,RAM5は、ク
ロック信号CLKに同期して動作しており、アドレスス
トローブの信号がロウアクティブとなって最初のクロッ
ク信号CLKの立ち上がりでアドレスバス上の信号が確
立しているとみなしてアクセスされるアドレスを決定す
る。従って、CPU3のアドレス制御信号ADS\をそ
のままマザーボードに出力したのでは、両者の同期を取
ることができない。
【0026】そこで、タイミング制御回路3bでは、図
5(b)に示す論理回路により、CPU3から出力され
るアドレス制御信号ADS\を基にして、アドレススト
ローブ信号ADS2\を生成し、クロック信号CLKで
動作するマザーボード上のROM4,RAM5などの回
路へ出力する。CPU3のクロック信号CLK15とマ
ザーボード上のクロック信号CLKとは、クロック信号
CLKの2周期毎に同じ位相関係を取るから、クロック
信号CLK15に着目すれば、3周期の各々について、
タイミングの異なるアドレスストローブ信号ADS2\
を生成すれば足りることになる。
【0027】図5(b)に示すように、アドレスストロ
ーブ信号ADS2\は、クロック信号CLK,CLK0
5,CLK15,アドレス制御信号ADS\,リセット
信号RESET,バスホールドアクノレッジ信号HLD
Aから作成される。なお、バスホールドアクノレッジ信
号HLDAを用いてアドレスストローブ信号ADS2\
の最終段のゲートをインヒビット可能としているのは、
CPU3が他のバスマスタからの要求を受けて、バスの
占有権を引き渡したとき、CPU3のアドレスポート等
と同様、アドレスストローブ信号ADS2\もハイイン
ピーダンス状態とするためである。この点を除き、図5
(b)に示す回路は、アドレス制御信号ADS\とアド
レスストローブ信号ADS2\とクロック信号CLK,
CLK15との関係から展開したものなので、回路の説
明は、以下の各信号のタイミングの説明で代える。
【0028】クロック信号CLKとCLK15との関係
を明確にするため、図6最下欄に示すように、最初のク
ロック信号CLKがディレイラインIC4に入力してか
ら順に得られるクロック信号CLK15の周期を、周期
、周期、周期と呼ぶことにする。クロック信号1
5の周期,,が完了すると、クロック信号CLK
は2周期を完了する。従って、周期,,における
クロック信号CLKとの位相関係は、それぞれ異なる
が、異なる3つのパターン以外の関係は存在しない。そ
こで、各パターン毎に説明する。
【0029】図示の関係上、まず周期でバスサイクル
が開始する場合を説明する。周期では、CPU3から
見れば、アドレスはタイミングC51で確定している。
しかし、このアドレス制御信号ADS\をそのままマザ
ーボード側に出力したのでは、ROM4,RAM5など
はクロック信号CLKの最初の立ち上がりのタイミング
C1でアドレスを読み取ることになり、このタイミング
ではまだアドレスの確立は保証されていない。そこで、
図5(b)に示す回路により、図7(a)および(b)
に示すように、マザーボード側へのアドレスストローブ
信号ADS\の開始をクロック信号CLKの最初の立ち
上がりC1の直後とし、アドレスストローブ信号ADS
2\の終了を、クロック信号CLKの次の立ち上がりC
2まで引き延ばしている。
【0030】このため、立ち上がりC51から立ち上が
りC2までの時間T1だけ待ち時間が必要となり、その
間、CPU3はアドレスポートからのアドレスの出力を
継続する。このため、バスサイクルの完了をCPU3に
通知するレディ信号RDY\も、レディ信号RDY2\
として調整されている。この様子を図8に示す。
【0031】また、周期でバスサイクルが開始された
場合には、CPU3はクロック信号CLK15の次の立
ち上がりC52でアドレスを確立しているので、マザー
ボード側のROM4,RAM5などは、クロック信号C
LKの次の立ち上がりC2でアドレスを読み取って差し
支えない。従って、図5(b)に示す論理回路は、図7
(c)に示すように、アドレスストローブ信号ADS2
\をアドレス制御信号ADS\の立ち下がりと同時にロ
ウアクティブとし、クロック信号CLKの次の立ち上が
りのタイミングC2の後まで延長している。この場合に
は、立ち上がりC52から立ち上がりC2までの時間T
2が、待ち時間となる。
【0032】さらに、周期でバスサイクルが開始され
た場合には、CPU3はクロック信号CLK15の次の
立ち上がりであるC53でアドレスを確立している。し
かし、マザーボード側がそのアドレスを読み取るのは、
クロック信号CLKの次の立ち上がりのタイミングC3
となる。従って、図5(b)に示す論理回路は、図7
(d)に示すように、アドレスストローブ信号ADS2
\をアドレス制御信号ADS\がロウアクティブになっ
た直後から開始し、クロック信号CLKの立ち上がりの
タイミングC3の後まで延長している。この場合には、
立ち上がりC53から立ち上がりC3までの時間T3が
待ち時間となる。
【0033】クロック信号CLKで動作するマザーボー
ド上のROM4,RAM5などの回路へ出力される制御
信号のタイミングは、クロック信号CLK15のクロッ
ク周波数H2がクロック信号CLKの周波数H1の1.
5倍であることから、以上説明した3つのパターン,
,に限られる。従って、両クロックの位相関係を見
て、バスサイクルの開始がいずれの周期で始まるかによ
り、アドレスストローブの信号を生成すれば、CPU3
の出力ポートから出力されるアドレスやデータなどの信
号は、クロック信号CLKで動作するマザーボード上の
回路により確実に認識される。
【0034】なお、以上説明したアドレスストローブの
出力に合わせて、CPU3のバスサイクルを引き延ばす
必要がある。このため、バスサイクルの完了を示すレデ
ィ信号RDY\(バーストモードの場合にはバーストレ
ディ信号BRDY\)も、図8に示すように、レディ信
号RDY2\,バーストレディ信号BRDY2\に置き
換えられている。この変換を行なっている回路を、図5
(c)に、論理回路により示す。レディ信号RDY2
\,BRDY2\は、マザーボード側からのレディ信号
RDY\,BRDY\と両クロック信号から生成され、
CPU3の対応する端子に入力される。
【0035】以上説明した本実施例の高速処理装置10
0によれば、マザーボード側のクロック信号CLKを
1.5逓倍したクロック信号CLK15によりCPU3
を動作させることができるので、マザーボード側のクロ
ック周波数と高速処理装置100側のCPU3の最大使
用周波数が整数倍の関係に納まらない場合でも、コンピ
ュータの処理の高速化を実現することができる。なお、
本実施例では、CPU3に倍速CPUを用いているの
で、動作速度は、CPU1の20MHzに対して、実際
には、20×1.5×2=60MHz、即ち3倍となっ
ている。
【0036】本実施例では、この他、3本のジャンパ線
J1,J2,J3を回路用基板50上に備え、高速処理
装置100を数値演算プロセッサ用のソケット2に装着
する場合でも、CPU1に差し替えて装着する場合で
も、対応可能としている。高速処理装置100をCPU
1に差し替えて装着する場合には、ジャンパ線J2,J
3に代えてジャンパ線J1を接続し、更に信号変換用基
板40を外して、CPU1のソケットに装着する。
【0037】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えばクロック信号を2.5倍など他の非整数倍の
周波数に逓倍する構成、タイミング制御回路3bをゲー
トアレイなどで実現した構成、クロック逓倍回路3aを
PLL回路などで実現した構成、高速処理装置上のCP
Uを動作速度60MHzの通常の(倍速CPUでない)
CPUとし、マザーボート上のCPUの動作速度が40
MHzである組合わせで用いる構成など、本発明の要旨
を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施し得
ることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高速処理装
置では、マザーボード側の第1のクロックに対して、高
速処理装置の第2のCPUの最大動作速度ぎりぎりまで
の逓倍を行なうことができ、第1のクロックと第2のク
ロックとが整数倍の関係になっていなくとも、第1のC
PUに代替して、処理の高速化を図ることができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である高速処理装置100を
装着したコンピュータの内部構成を示すブロック図であ
る。
【図2】高速処理装置100の外形を示す正面図であ
る。
【図3】高速処理装置100におけるCPU3周辺の回
路を示す回路図である。
【図4】同じくクロック逓倍回路3a,タイミング制御
回路3bの構成を示す回路図である。
【図5】同じくその等価回路を示す論理回路図である。
【図6】クロックを逓倍する回路の各部のタイミングを
示すタイミングチャートである。
【図7】アドレスストローブ信号を生成する回路の各部
のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】同じくレディ信号のタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1…CPU 2…ソケット 3…CPU 3a…クロック逓倍回路 3b…タイミング制御回路 3c…バス制御回路 4…ROM 5…RAM 6…PIT 8…RTC 10…DMAC 11…SIO 12…PIC 15…マウスインタフェース 17…キーボード 18…キーボードインタフェース 21…FDC 25…HDC 28…CRT 29…CRTC 30…プリンタ 31…プリンタインタフェース 32…拡張用スロット 33…バス 35…クロック回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マザーボード上の第1のCPUに代替し
    て使用される第2のCPUを搭載した高速処理装置であ
    って、 第1のCPUに付与される第1のクロック信号を非整数
    倍に逓倍し、第2のクロックとして前記第2のCPUに
    付与するクロック信号出力手段と、 該第1のクロックと第2のクロックの同期の組合わせの
    各々に対応して、前記第2のCPUのアクセスのタイミ
    ング信号を生成するタイミング信号生成手段とを備えた
    高速処理装置。
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