JP2737817B2 - Ni−Ti系合金と異種金属の接合部及びその接合方法 - Google Patents

Ni−Ti系合金と異種金属の接合部及びその接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ni−Ti系合金、特
に形状記憶特性や超弾性特性を有するNi−Ti系合金
部材と異種金属もしくは異種合金との高強度な接合部及
び、その接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の形状記憶効果及び超弾性効果は、
共に変態ヒステリシスの小さい、いわゆる熱弾性形マル
テンサイト変態に起因するもので、形状記憶効果とは、
マルテンサイト温度領域で変形されたものがマルテンサ
イト逆変態(オーステナイト変態)温度以上に加熱する
と元の形に戻る現象である。一方、超弾性効果とは、オ
ーステナイト温度領域で変形した材料が、変形に伴う応
力誘起マルテンサイト変態によって、上記のような加熱
無しでも8%もの変形歪がゴムのように弾性的に元に戻
る現象である。
【0003】このような形状記憶および超弾性効果を示
す材料の中で最も実用化が進んでいるものにNi−Ti
系合金がある。実際にこのNi−Ti系合金で形状記憶
効果を応用実用化したものとしてはエアコンの吹き出し
口,炊飯ジャーの調圧弁,医療用ボーンプレイト等があ
る。また、超弾性効果を応用実用化したものとしては歯
列矯正ワイヤー,ブラジャーのカップワイヤー,眼鏡フ
レーム,医療用ガイドワイヤー等がある。さらに現在
は、このような実用化に伴い周辺技術の開発も進められ
ている。その中の一つに、Ni−Ti系合金と異種金属
との接合技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Ni−Ti系合金は、
金属間化合物でありながら延性をもつ特異な合金である
が、その組成範囲はNiとTiが原子比で1:1近傍も
しくは、これに特定な元素を微量添加した極狭い範囲で
あり、この比が僅かにずれると急激に脆化する。また本
合金は高活性であるためFe,Cu,Niなどの多くの
金属と容易に反応し脆弱な反応相を生成する。この反応
相の生成がNi−Ti系合金と異種金属材料との溶接及
び、ろう接を困難なものとしている。
【0005】従来Ni−Ti系合金の接合に関しては、
Ni−Ti系合金同士は、レーザー溶接,TIG溶接,
電子ビーム溶接等の融接法もしくは、アップセットバッ
ト溶接,フラッシュバット溶接,摩擦圧接等の圧接法に
よって容易に接合でき、中でもアップセットバット溶接
が強度の点で優れていることが知られている。
【0006】しかしながらNi−Ti系合金と該合金以
外の異種金属とを直接高強度に溶接する技術は知られて
いなかった。これはNi−Ti系合金が高活性であるた
め溶接加熱時に相手金属であるFe,Cu,Ni等と容
易に反応して脆弱な反応相を生成してしまうことに起因
している。従って上記したどの溶接法を用いても、接合
部に脆弱な反応相を形成し実用に耐えうる強度を得るこ
とができなかった。このことから、Ni−Ti系合金を
異種金属と直接溶接することは不可能とされてきた。そ
こで、従来の接合技術では次の二つの方法がとられてき
た。
【0007】その一つに、機械的接合法がある。これ
は、リベットなどでかしめたり、ビスで止める等の手段
によって接合する方法であるが、接合部が大きくなりま
た、繰り返し動作において緩みが生ずるなどの欠点があ
った。
【0008】また、他の一つの方法にメッキろう接法が
ある。これは、Ni−Ti系合金部材の接合面に予め、
ろう接性の良い金属たとえばニッケルや銅合金等をメッ
キし、その上から相手部材とろう接することによりNi
−Ti系合金とろう材である溶融金属との反応を阻止
し、安定した接合強度を得る方法である。しかしなが
ら、接合強度がメッキの密着強度に依存するために高い
応力がかかる部位の接合は不可能であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
に鑑みなされたもので、Ni−Ti系合金から成る部材
と異種金属もしくは異種合金から成る部材とを直接溶接
接合する際に、溶融時に生成される脆弱な反応相を合理
的に処理することにより、Ni−Ti系合金の上記特性
を損なわないで両部材を強固に接合する接合方法と、そ
のような方法により得られた接合部を開示するものであ
る。
【0010】即ち本発明のNi−Ti系合金と異種金属
との接合部は、Ni−Ti系合金と該合金以外の異種金
属との接合界面部が、該接合界面に接する少なくとも一
方の金属の溶融による両金属の反応溶融・加圧により得
られた溶湯鍛造組織と、これを挟んだNi−Ti系合金
側に該合金を高温軟化させて加圧することにより得られ
たNi−Ti系合金の熱間鍛造組織及び異種金属側に該
金属を高温軟化させて加圧することにより得られた上記
異種金属の熱間鍛造組織とからなることを特徴とするも
のである。
【0011】そしてこの場合、Ni−Ti系合金として
40〜60at%Ni−Ti合金、またはこのNiTi合金の
NiもしくはTiの一部をFe,Cr,Al,V,P
d,Ag,Mn,Mg,Co,Nb,Mo,Cuの内の
一種もしくは二種以上を総量で20at%を越えない範囲で
置換したNiTi合金からなる形状記憶合金または超弾
性合金を用いるのは有効であり、また異種金属としては
Ni,Ti,Cu,Feの単体金属、Ni基合金,Ti
基合金,Fe基合金,Cu基合金の何れかを用いるのが
効果が大きい。
【0012】また本発明の接合方法は、Ni−Ti系合
金部材と異種金属部材とを接合するにあたり、両部材の
被接合面を互いに接触させ、その接合部を短時間に、ど
ちらか一方の部材の溶融温度まで加熱してこれを局部的
に反応溶融し、その溶融部に接する部分の両部材を高温
軟化せしめ、同時に両部材を介して接合部を高圧力で圧
縮加工することにより、接合界面に、上記両部材の反応
溶融・加圧により得られる溶湯鍛造組織を形成し、さら
にこの溶湯鍛造組織を挟んでNi−Ti系合金部材側に
該部材を高温軟化させて加圧することにより得られるN
i−Ti系合金の熱間鍛造組織と、異種金属部材側に該
部材を高温軟化させて加圧することにより得られる異種
金属の熱間鍛造組織を形成することを特徴とするもので
ある。
【0013】また本発明の他の接合方法としては、上記
接合方法において接合部を両部材を介して2kg/mm2
上の圧力で圧縮することにより、上記反応溶融部を接合
界面から外部へ押出して鋳造組織を有する押出部を接合
界面の外周に形成してなるものであり、この際上記押出
部を切除して研摩仕上げを施すのは有効である。
【0014】さらに本発明の他の接合方法としては、被
接合面近傍のNi−Ti系合金部材側及び異種金属部材
側に高熱伝導材からなる放熱部を取付け、上記の外部へ
押出された反応溶融物を該放熱部に接触させて急冷凝固
せしめる接合方法を実施することを特徴とするものであ
る。
【0015】
【作用】このように本発明では、Ni−Ti系合金と異
種金属との接合部の構成として、接合界面に両金属の溶
湯鍛造組織からなる層を形成し、これを挟んでそれぞれ
の金属の熱間鍛造組織の層を形成したものである。この
場合溶湯鍛造組織とは、上記のいずれかの金属材料が接
合界面で溶融した時に、同時にまたは溶融前から連続し
てこの接合界面を加圧することにより溶湯に対して加圧
力が伝達された状態で凝固した金属組織をいうものであ
る。そしてこの溶湯鍛造組織は接合界面全面にわたって
約20μm以下の厚さで形成するのが良い。従って接合界
面での局部的な加熱により生成される溶湯は短時間かつ
微小量で十分であり、本発明ではそのわずかに生成した
溶湯に加圧力を加えて凝固させることにより薄く層状の
溶湯鍛造組織を得るものである。
【0016】しかし接合界面部の加熱条件等により溶融
相が多量に生じたり、Ni−Ti系合金と異種金属との
脆弱な反応溶融相が生成した場合には、その接合部の強
度は低下してしまう。例えば51.0at%Ni−Ti合金線
材と80wt%Ni−20wt%Cr合金線材の端面同士を互い
に突合わせて、従来のアップセットバット溶接を行なっ
たところ、図9に示すように接合界面及びその外周部に
残留した溶融反応相から成る鋳造組織(9) と、さらに接
合部の外部にはみ出した溶融物がNi−Ti系合金部材
表面と反応してできた液相−固相間の拡散層(10)という
二種類の脆弱相が生成しており、この二層を起点とする
破断こそが接合強度を低下させる主原因であることを突
き止めた。
【0017】そこで本発明は、そのような溶融反応相に
対しては、これを挟む異種金属側及びNi−Ti系合金
側をともに高温軟化させて圧力媒体として利用すること
により、接合界面へ圧縮加工を施して上記脆弱な反応溶
融相や余分な溶融相を部材外部に押出すと共に、残留し
た最小量の溶融相に鍛造加工を施してこれを凝固せしめ
溶湯鍛造組織を形成して接合部を高強化せしめている。
さらに溶湯鍛造組織の両側の上記高温軟化した部分にも
加圧力が加わっているので熱間鍛造組織が形成され、接
合界面での応力集中を阻止するのに役立っている。
【0018】ここで最低加圧力としては異種金属の物性
により変化するものであるが、一般に2kg/mm2 以上必
要である。加圧力が2kg/mm2 未満では接合界面から反
応溶融相等を外部へ押出す力が不足し、かつ得られる鍛
造組織も不十分である。
【0019】また上記脆弱な拡散層に対しては、この生
成を阻むためには接合界面で生成される溶湯を最小量に
抑えて接合界面への加圧により押出される溶湯を最小限
にすることが肝要であるため、接合部の加熱は短時間及
び局部的と限定した。しかしながら溶湯生成量が多過ぎ
た場合であっても、本発明ではあらかじめ接合部近傍の
Ni−Ti系合金側及び異種金属側の両部材に高熱伝導
材からなる放熱部を取付けてあるので、接合界面の外部
へ押出された多量の溶湯は急速に凝固してNi−Ti系
合金と溶湯との拡散反応相の生成を妨げることができ
る。特に押出された溶湯が直ちに放熱部(放熱治具)に
接触するように、両放熱治具を互いに接合界面に接近さ
せておけば溶湯は両放熱治具の間に延ばされるので急冷
にはより効果的である。
【0020】ここで放熱部(放熱治具)とは上記のよう
に溶湯を接触せしめてこれを急冷凝固するものである
が、さらに接合界面を加圧する際に該接合部の位置がず
れないように固定せしめる作用も有する。なお、この放
熱治具は空冷による自然冷却でもよいが、比較的熱伝導
率の劣る素材からなる放熱治具を使用するときは、水も
しくは液体ガス等で該放熱治具を強制冷却すると効果は
大である。
【0021】なお上記部材外部に押出された溶湯は、接
合界面の外周部で凝固して通常の鋳造組織を有する押出
部を形成するので、該押出部は切除した後その表面は研
摩仕上げすることにより接合部は高い強度を保つことが
できる。
【0022】また本発明では、両部材の接合部は局部的
に短時間で加熱されるので、接合部以外の特性劣化、特
に熱影響による形状記憶特性および超弾性特性の劣化は
阻止されるものであるが、さらに上記放熱治具を設けた
ので一層効果的である。
【0023】そしてこの放熱治具は、このような冷却効
果の他に接合部以外の変形を防止する効果があり、異形
材から成る精密部品の接合も可能である。
【0024】なお接合界面の加熱方法は通常の抵抗溶接
機を利用できる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。 (実施例1)圧縮装置(1) と溶接電源(2) とを備えた図
1に示す溶接機により、以下の実験を行なった。Ni−
Ti系合金として(51.0at%Ni−残Ti)から成る線
径 2.6mmで長さ20mmの超弾性線材(3) 及び表1に示す組
成の同じく線径 2.6mm×長さ20mmの異種金属線材(4) を
用い、両者を図1に示すように放熱治具として銅クロム
合金からなる空冷電極(5) でクランプし、先ず本発明接
合法として上記超弾性線材と異種金属線材の端面同士を
圧力装置(6) で20kg/mm2 、10kg/mm2 及び3kg/mm2
に加圧した状態で電流値を各金属の物性差により1500〜
3000Aの間で最適値を選び、1/20秒間通電して接合し
た。次に比較接合法として加圧力を 1.5kg/mm2 に下
げ、その他は上記と同じ条件で両線材を接合した。
【0026】このときの本発明接合法による接合部の状
態を図2に、比較接合法による接合部の状態を図3に示
す。図2によれば押出された溶湯(M)が空冷電極(5)
(5)間に挟まれた状態でこれら電極(5)(5)に面接触して
強制冷却されて凝固しているのに対して、図3の加圧力
を下げた比較接合法では押出された溶湯(M)はその量
も少なく、且つ自然冷却されて凝固していた。また上記
超弾性線材の端面にNiメッキを施して、これに表1に
示す組成の異種金属線材をろう接した従来の接合法によ
り、両線材を接合した。
【0027】これらの接合線材に対して、両端部を把持
して引張る引張り強度試験を施し、その結果接合部の引
張り強さが50kg/mm2 以上のものを◎、30kg/mm2 以上
50kg/mm2 未満のものを○、20kg/mm2 以上30kg/mm2
未満のものを△、20kg/mm2 未満のものを×として第1
表に示た。なお実用上必要な強度は20kg/mm2 以上であ
る。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように接合時の加圧力が
10kg/mm2 の本発明接合法による接合部はいずれも20kg
/mm2 以上の強度を有し、十分実用的といえる。これに
対して従来のろう接によるものの強度はいずれも20kg/
mm2 未満と小さく、また接合時の加圧力が 1.5kg/mm2
と小さい比較接合法でも十分な接合強度は得られなかっ
た。
【0030】また上記接合線材のうちNi−Ti系合金
(51.0at%Ni−残Ti)線材の相手材とて87Ni−13
Crの線材を20kg/mm2 の加圧力で接合した際の本発明
接合部の溶接組織写真を図4及び図5に、そして 1.5kg
/mm2 の圧力で接合した際の比較接合部の溶接組織写真
を図8として示した。
【0031】図4によれば、両合金の反応相が接合部の
外部に押出されており、さらに接合界面を拡大した図5
によれば接合界面には約10μmの溶湯鍛造組織(11)が形
成され、これを挟んで一方側には51.0at%Ni−Ti合
金の熱間鍛造組織(12)と他方側には87Ni−13Crの熱
間鍛造組織(13)が形成されているのがわかる。また上記
51Ni−Ti合金の熱間鍛造組織(12)及び熱間鍛造を受
けていない51Ni−Ti合金の母材組織(14)の顕微鏡組
織写真をそれぞれ図6及び図7に示した。
【0032】これに対して図8の組織写真によれば接合
界面の内部に反応相が残留していることが明らかであ
る。即ち加圧力不足および/または十分な熱間鍛造組織
が形成されなかったため反応溶融相が残留したまま凝固
してしまったものといえる。
【0033】(実施例2)次に表1に示すSUS 304 線材
と51.0at%Ni−Ti合金からなる超弾性線材とを20kg
/mm2 と 1.5kg/mm2 の加圧力下で接合した接合線材及
び従来のメッキろう接で接合した接合線材について、接
合界面の位置を中心にして前後に90°ずつの角度(計 1
80°)で曲げる屈曲試験を毎分30回の速さにて 240回繰
返す繰返し曲げ試験を実施した。
【0034】その結果加圧力20kg/mm2 の本発明接合法
による接合線材では、試験終了後原形状に完全に復元し
て何らの変形もなく、超弾性特性は全く劣化していなか
った。これに対して加圧力 1.5kg/mm2 の比較接合法及
び従来のメッキろう接法による接合線材は、試験途中で
接合部にて破断してしまった。
【0035】(実施例3)図1に示す溶接機により、以
下の実験を行なった。Ni−Ti系合金としてNi50.8
at%−残Tiから成る、 500℃・30分で直線状に記憶処
理を施した線径 1.5mm長さ40mmの丸線(以下丸線)1本
と異種金属としてモネルから成る長さ20mmの眼鏡フレー
ムのリム用異型線(以下異型線)2本を用いた。
【0036】丸線(7) の両端部にそれぞれ異型線(8) の
先端部を5mm重ねて側面同士を接合すべく、図10に示
す銅クロムからなる空冷電極治具(5')(5')にクランプ
し、10kg/mm2 に加圧した状態で1200Aの電流を1/30
秒間通電して接合を完了した。このときの接合状態は図
11に示すように、接合界面から押出された溶湯(M)
は放熱治具としての空冷電極治具(5')(5')に接触して急
冷凝固していることがわかった。
【0037】次に、接合界面から外部へ押し出された押
出部を切除研磨した後、両端のそれぞれの異型線をチャ
ッキングし、軸方向に左右に 120°づつの角度(計 240
°)で捻るの捻り試験を毎分10回の速度にて 1,000回繰
り返す繰り返し捻り試験を実施した。その結果、接合部
が破断すること無くまた、超弾性特性もほとんど劣化し
ていなかった。
【0038】このように本発明接合法は、Ni−Ti系
合金の優れた特性に何ら悪影響を及ぼすことなく、高強
度に異種金属材料とNi−Ti系合金材料とを接合でき
るものである。これに対して比較接合法や従来接合法に
よるものは、接合強度が小さいために繰返し捻試験が実
施できなかった。
【0039】
【発明の効果】このように本発明によれば、形状記憶特
性や超弾性特性などの優れた特性を有するNi−Ti系
合金が他の異種金属と高強度で、かつ上記特性の劣化も
なく容易に接合できるので、Ni−Ti系合金材料の用
途を大きく広げる等顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明接合法に使用した装置を示す説明図であ
る。
【図2】本発明接合法による接合部を示す断面図であ
る。
【図3】比較接合法による接合部を示す断面図である。
【図4】本発明接合法にて接合した51.0at%Ni−Ti
と87wt%Ni−13wt%Crとの接合部を示す金属組織写
真である(倍率17倍)。
【図5】図4の接合部を拡大して示す金属組織写真であ
る(倍率1500倍)。
【図6】図4の接合部の51.0at%Ni−Ti合金の熱間
鍛造組織を示す拡大金属組織写真である(倍率 700
倍)。
【図7】図4の接合部近傍の51.0at%Ni−Ti合金の
母材組織を示す拡大金属組織写真である(倍率 700
倍)。
【図8】比較接合法にて接合した51.0at%Ni−Tiと
87wt%Ni−13wt%Crとの接合部を示す金属組織写真
である(倍率17倍)。
【図9】従来のアップセットバット溶接により51.0at%
Ni−Tiと80wt%Ni−20wt%Crを接合した際の接
合部を示す金属組織の説明図である。
【図10】実施例3で用いた接合試験を示す説明図であ
る。
【図11】実施例3の接合試験での接合部を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 圧縮装置 2 溶接電源 3 超弾性線材 4 異種金属線材 5,5′ 空冷電極治具(放熱部、放熱治具) 6 圧力装置 7 Ni−Ti系合金丸線 8 異型線 9 鋳造組織 10 拡散層 11 溶湯鍛造組織 12 51Ni−Ti合金の熱間鍛造組織 13 87Ni−13Cr合金の熱間鍛造組織 14 51Ni−Ti合金の母材組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増永 悟 福井県福井市今市町第4号17番地 マス ナガメンローパーク株式会社内 (72)発明者 村田 和男 福井県福井市今市町第4号17番地 マス ナガメンローパーク株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−264174(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni−Ti系合金と該合金以外の異種金
    属との接合界面部が、該接合界面に接する少なくとも一
    方の金属の溶融による両金属の反応溶融・加圧により得
    られた溶湯鍛造組織と、これを挟んだNi−Ti系合金
    側に該合金を高温軟化させて加圧することにより得られ
    たNi−Ti系合金の熱間鍛造組織及び異種金属側に該
    金属を高温軟化させて加圧することにより得られた上記
    異種金属の熱間鍛造組織とからなることを特徴とするN
    i−Ti系合金と異種金属の接合部。
  2. 【請求項2】 Ni−Ti系合金が、40〜60at%Ni−
    Ti合金、またはこのNiTi合金のNiもしくはTi
    の一部をFe,Cr,Al,V,Pd,Ag,Mn,M
    g,Co,Nb,Mo,Cuの内の一種もしくは二種以
    上を総量で20at%を越えない範囲で置換したNiTi合
    金からなる形状記憶合金または超弾性合金である請求項
    1記載のNi−Ti系合金と異種金属の接合部。
  3. 【請求項3】 異種金属がNi,Ti,Cu,Fe,N
    i基合金,Ti基合金,Fe基合金,Cu基合金の何れ
    かである請求項1記載のNi−Ti系合金と異種金属の
    接合部。
  4. 【請求項4】 Ni−Ti系合金部材と異種金属部材と
    を接合するにあたり、両部材の被接合面を互いに接触さ
    せ、その接合部を短時間に、どちらか一方の部材の溶融
    温度まで加熱してこれを局部的に反応溶融し、その溶融
    部に接する部分の両部材を高温軟化せしめ、同時に両部
    材を介して接合部を高圧力で圧縮加工することにより、
    接合界面に、上記両部材の反応溶融・加圧により得られ
    る溶湯鍛造組織を形成し、さらにこの溶湯鍛造組織を挟
    んでNi−Ti系合金部材側に該部材を高温軟化させて
    加圧することにより得られるNi−Ti系合金の熱間鍛
    造組織と、異種金属部材側に該部材を高温軟化させて加
    圧することにより得られる異種金属の熱間鍛造組織を形
    成することを特徴とするNi−Ti系合金の接合方法。
  5. 【請求項5】 Ni−Ti系合金部材と異種金属部材と
    を接合するにあたり、両部材の被接合面を互いに接触さ
    せ、その接合部を短時間にどちらか一方の部材の溶融温
    度まで加熱してこれを局部的に反応溶融し、この溶融部
    に接する部分の両部材を高温軟化せしめ、同時に両部材
    を介して接合部を2kg/mm2 以上の圧力で加圧圧縮する
    ことにより、上記溶融部を上記接合界面から外部へ押出
    して鋳造組織を有する押出部を接合界面の外周に形成
    し、かつ接合界面に上記両部材の溶融・加圧により得ら
    れる溶湯鍛造組織を形成し、さらにこの溶湯鍛造組織を
    挟んでNi−Ti系合金部材側に該部材を高温軟化させ
    て加圧することにより得られるNi−Ti系合金の熱間
    鍛造組織と、異種金属部材側に該部材を高温軟化させて
    加圧することにより得られる上記異種金属の熱間鍛造組
    織を形成することを特徴とするNi−Ti系合金と異種
    金属の接合方法。
  6. 【請求項6】 接合界面から外部への押出されて形成さ
    れた少なくとも上記一方の部材の鋳造組織を有する押出
    部を切除して研摩仕上げを施した請求項5記載のNi−
    Ti系合金と異種金属の接合方法。
  7. 【請求項7】 Ni−Ti系合金部材を異種金属部材と
    接合するにあたり、被接合面近傍のNi−Ti系合金部
    材及び異種金属部材に高熱伝導材からなる放熱部を取付
    けて両部材の被接合面を互いに接触させ、その接合部を
    短時間に、どちらか一方の部材の溶融温度まで加熱して
    これを局部的に反応溶融し、その溶融部に接する部分の
    両部材を高温軟化せしめ、同時に両部材を介して接合部
    を高圧力で圧縮加工することにより、接合部外に押し出
    した反応溶融物を上記放熱部に接触せしめて急速に凝固
    させると共に、接合界面に、上記両部材の溶融・加圧に
    より得られる溶湯鍛造組織を形成し、さらにこの溶湯鍛
    造組織を挟んでNi−Ti系合金部材側に該部材を高温
    軟化させて加圧することにより得られるNi−Ti系合
    金の熱間鍛造組織と、異種金属部材側に該部材を高温軟
    化させて加圧することにより得られる異種金属の熱間鍛
    造組織を形成することを特徴とするNi−Ti系合金と
    異種金属の接合方法。
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