JP2737459B2 - フォルマント合成装置 - Google Patents

フォルマント合成装置

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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/471General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
    • G10H2250/481Formant synthesis, i.e. simulating the human speech production mechanism by exciting formant resonators, e.g. mimicking vocal tract filtering as in LPC synthesis vocoders, wherein musical instruments may be used as excitation signal to the time-varying filter estimated from a singer's speech

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォルマント合成に関
し、特に限られた情報に基づいてフォルマント合成を行
うフォルマント合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音声は声道によってフィルタがかけら
れ、ある周波数は強調され、またある周波数は減衰され
る。声道の共鳴位置が強調される周波数分布、すなわ
ち、フォルマントを定める。声道と同様の構成を有する
管楽器等にもフォルマントは存在する。
【0003】電子的にフォルマントを持つ楽音を発生す
る装置として、特公昭59−19352号公報が知られ
ている。
【0004】この装置は、周期波形と窓関数とを乗算
し、この結果得られる波形を音素として、この音素を周
期的に発生する。この場合、音素を発生する周期が、楽
音の音高すなわちピッチ周期に対応する。
【0005】また、フォルマントを有する無声音を発生
する装置として、特開平2−271397号公報が知ら
れている。この装置は、ホワイトノイズ発生手段により
ホワイトノイズを発生し、ホワイトノイズをフィルタに
通し、低域通過特性を与え、このスペクトル加工された
ノイズ信号にフォルマント中心周波数を有する周期波形
を乗算することによって、ノイズ信号を発生させてい
る。
【0006】また、線型予測法(LPC)や複合正弦波
モデル(CSM)を用いて、音声のフォルマントを分析
する装置が知られている。たとえば、音声を入力する
と、設定された次数までのフォルマント中心周波数が出
力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
フォルマントを持つ楽音を発生する電子楽器が知られて
いるが、発生する楽音はその変化の態様が限られてい
た。
【0008】本発明の目的は、フォルマントを有し、か
つより自然な聴感を有する楽音を発生するためのフォル
マント合成装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のフォルマント合
成装置は、フォルマント中心周波数に関するデータを供
給する手段と、前記フォルマント中心周波数に関するデ
ータに基づいてフォルマントに関する他のデータを作
成、供給する手段と、前記フォルマント中心周波数に関
するデータ、前記他のデータを用いてフォルマントを合
成する手段とを有する。
【0010】
【作用】フォルマント分析において、フォルマント中心
周波数は比較的容易に検出できる。しかし、フォルマン
ト作成の可変パラメータとして、フォルマント中心周波
数のみを供給する場合、作成されるフォルマントは変化
の幅が狭く、人間の音声、自然楽器の楽音とは異なるも
のとなってしまう。
【0011】フォルマント中心周波数に基づいて、フォ
ルマントに関する他のデータを作成し、供給することに
より、変化の幅が広くなり、より自然な聴感を有する楽
音を発生することが可能となる。
【0012】さらに、音声を入力する手段と音声のフォ
ルマントを分析し、フォルマント中心周波数に関するデ
ータを検出する手段とを有することによって、音声入力
からフォルマントを合成することができ、パラメータを
変更するだけでフォルマントのバリエーションを容易に
合成することができる。
【0013】
【実施例】図1に、本発明の基本的実施例を示す。図1
(A)において、フォルマント中心周波数データ供給手
段1は、フォルマントの中心周波数に関するデータを供
給する。供給されるフォルマント中心周波数は、音声入
力から抽出したフォルマントに関するものでもよいし、
別個の入力手段で指定したフォルマントに関するもので
あってもよい。フォルマント中心周波数は、フォルマン
ト合成手段3に送られるとともに、テーブル参照手段2
に供給される。
【0014】テーブル参照手段2は、図1(B)に示す
ようなフォルマント中心周波数とバンド幅の関係を表す
テーブルを記憶している。ここでバンド幅とは、中心周
波数のレベルから3dB落ちるまでの周波数の範囲であ
る。すなわち、フォルマント中心周波数が入力すると、
対応するフォルマントバンド幅が読みだされる。
【0015】なお、テーブル参照手段2はフォルマント
中心周波数とバンド幅の関係のみでなく、フォルマント
中心周波数とフォルマント裾形状(スカート)等のテー
ブルを記憶してもよい。このようにしてテーブル参照手
段2からフォルマント中心周波数に対応したフォルマン
トのバンド幅等の情報がフォルマント合成手段3に供給
される。
【0016】図1に示す実施例によって、音声のフォル
マントを合成する場合を説明する。たとえば、フォルト
マント中心周波数供給手段からフォルマント中心周波数
のデータのみが供給されるとする。ここで、図2に、フ
ォルマントスペクトルの例を示す。図2(A)は、
「ひ」のフォルマントスペクトルである。図示された0
〜16KHzの範囲において、5つのフォルマントが示
されている。図2(B)は、「ふ」のフォルマントスペ
クトルを示す。図2(A)と同一の周波数領域内に3つ
のフォルマントが示されている。
【0017】図2のフォルマントスペクトルから明らか
なように、音声が変化すると、フォルマントスペクトル
は大幅に変化する。フォルマントスペクトルの各ピーク
は、たとえばフォルマント中心周波数、レベル、バンド
幅、裾形状等によって特徴付けることができる。
【0018】たとえば、各音声毎にこれらの情報に関す
るデータを供給すれば、フォルマントスペクトルをかな
り忠実に再現することが可能である。ところで、フォル
マント合成手段にこれらの様々な情報を供給することは
簡単な構成の電子楽器等においては容易ではない。
【0019】ところで、フォルマントバンド幅はフォル
マント中心周波数と一定の関係を有することが見出され
た。そこでこの関係を用いることによって、フォルマン
トバンド幅をフォルマント中心周波数のデータから作成
することができる。
【0020】図1(A)のテーブル参照手段2が図1
(B)に示すようなテーブルを記憶し、入力されるフォ
ルマント中心周波数に基づいてフォルマントバンド幅を
出力する。
【0021】たとえば、図2の「ひ」のフォルマント中
心周波数Ff1=3.9KHz、Ff2=6.3KH
z、Ff3=10.3KHz、Ff4=12.7KHz
が、フォルマント中心周波数として供給されると、図1
(B)の関係から対応するフォルマントバンド幅が出力
される。
【0022】なお、図2の実際のフォルマントスペクト
ルから得たフォルマントバンド幅を図1(B)中にX印
で示す。実際のフォルマントバンド幅と実質的に等しい
フォルマントバンド幅が、テーブルを参照することによ
って読みだされることが判る。
【0023】なお、「ふ」の場合の実際のフォルマント
スペクトルから読みだしたフォルマントバンド幅を、図
1(B)中△印で示す。
【0024】このように、テーブル参照手段2にフォル
マント中心周波数に対するフォルマントバンド幅の関係
を記憶し、供給されたフォルマント中心周波数に基づい
てフォルマントバンド幅を読みだすことにより、フォル
マント合成手段3にフォルマント中心周波数とバンド幅
の両方の情報を供給することができる。
【0025】なお、テーブル参照手段2がバンド幅以外
の他の情報、たとえばフォルマントレベルやフォルマン
ト裾形状に関するテーブルも準備し、フォルマント中心
周波数に基づいてこれらの情報を読み出し、フォルマン
ト合成手段3に供給することもできる。
【0026】このようにして、フォルマント中心周波数
を与えることにより、多様に変化するフォルマントを合
成することが可能となる。
【0027】図3は、本発明の第1の実施例によるフォ
ルマント合成型電子楽器を示す。音声入力部11は、音
声を入力し、電気信号に変換してフォルマント分析部1
2に音声信号を供給する。フォルマント分析部12は、
音声信号からフォルマント中心周波数Ffと、フォルマ
ントレベルFlとを検出し、出力する。
【0028】なお、フォルマント分析部12は1次から
4次までのフォルマントを分析するものとする。フォル
マントレベルFl1〜Fl4は、フォルマント合成部1
4に供給される。フォルマント中心周波数Ff1〜Ff
4は、そのままフォルマント合成部14に送られるとと
もに、テーブル参照部13にも供給される。
【0029】テーブル参照部13は図1に示した実施例
同様、フォルマント中心周波数に対するフォルマントバ
ンド幅の関係を示すテーブルを記憶している。このテー
ブルを参照することによって、フォルマント中心周波数
Ffに対応するフォルマントバンド幅Fwが出力され
る。
【0030】したがって、フォルマント合成部14は、
フォルマント分析部から供給されるフォルマント中心周
波数Ff、フォルマントレベルFlに加え、テーブル参
照部13からフォルマントバンド幅Fwを受ける。これ
らの情報に基づき、フォルマント合成部14は様々に変
化するフォルマントを合成することができる。
【0031】音高情報発生部17は、たとえば鍵盤等で
構成され、音高情報をフォルマント合成部14に供給す
る。フォルマント合成部14は、音高情報発生部17か
ら供給された音高にフォルマントを付与することによ
り、楽音信号を形成してサウンドシステム18より発音
させる。これによって音声入力を楽音として出力するこ
とができ、種々のパラメータを変更することによって、
楽音のバリエーションを容易に創ることができる。
【0032】図5は、本発明の第2の実施例によるフォ
ルマント合成型電子楽器を示す。第1の実施例におい
て、フォルマント中心周波数とフォルマントバンド幅の
間に一定の関係が存在することを説明したが、この関係
は1つには限らない。
【0033】図4に、フォルマントスペクトルの他の例
として「さ」を示す。「さ」のような音においては、フ
ォルマントスペクトルは広い単一ピークを示している。
このバンド幅は、明らかに図1(B)に示した関係には
従ってはいない。そこで、音声を複数の種類に分類し、
それぞれの分類においてフォルマント中心周波数とフォ
ルマントバンド幅その他の情報を関連付けることによ
り、より忠実なフォルマント合成を行うことが可能とな
る。
【0034】図5(A)において、音色選択部21は、
多数の音色選択スイッチを有する。例えば、音色「あ」
を選択すると、「あ」に対応する音色信号TN が発生
し、フォルマントデータ供給部22に供給される。フォ
ルマントデータ供給部22は、音色信号TN に基づいて
4つのフォルマントの中心周波数Ffおよびフォルマン
トレベルFlを発生する。
【0035】フォルマントデータ供給部22は、フォル
マント合成部24にフォルマントレベルFlおよびフォ
ルマント中心周波数Ffを供給するとともに、テーブル
参照部23に音色信号TN およびフォルマント中心周波
数Ffを供給する。テーブル参照部23は、音色毎に中
心周波数とフォルマントバンド幅の関係を示すテーブル
を記憶する。
【0036】図5(B)は、フォルマントデータ供給部
22内のメモリの内容を概略的に示す。音色信号TN
よって、4つのフォルマント中心周波数Ff1〜Ff4
および対応する4つのフォルマントレベルFl1〜Fl
4が読みだされる。なお、入力される音色信号と、出力
されて音色信号は必ずしも同一である必要はない。
【0037】音色信号TN に基づいてテーブルを選択
し、フォルマント中心周波数Ff1 〜Ff4に基づいて
対応するフォルマントバンド幅Fw1〜Fw4を出力す
る。これらのフォルマントに関する情報Ff、Fl、F
wが、フォルマント合成部24に供給され、合成すべき
フォルマントの特徴を同定する。音高情報発生部27
は、フォルマント合成部24に音高情報を供給する。
【0038】このようにして、フォルマント合成部24
は所定フォルマントを備えた楽音信号をサウンドシステ
ム28に供給し、楽音を発生させる。
【0039】なお、本実施例においても、フォルマント
中心周波数に基づいてさらに他の情報、たとえばフォル
マントの裾形状等を読み出し、フォルマント合成部に供
給することもできる。
【0040】また、本実施例において、音色選択部21
によって、音色信号TN を特定したが、これに限らず、
例えば、音色を入力し、この入力された音声を分析する
ことによって、音色信号TN を特定してもよい。この場
合には、予め標準的な音声のフォルマント中心周波数を
テーブル化して記憶しておき、入力された音声からフォ
ルマント中心周波数を検出して、テーブルと比較するこ
とによってTN を特定できる。
【0041】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フォルマントに関する限られたデータを用いてフォルマ
ントに関する他のデータを作成することにより、様々に
変化するフォルマントを有する楽音を発生することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す。図1(A)は構成を
示すブロック図、図1(B)はフォルマント中心周波数
とバンド幅の関係を示すグラフである。
【図2】 フォルマントスペクトルの例を示す。図2
(A)は「ひ」のフォルマントスペクトル、図2(B)
は「ふ」のフォルマントスペクトルである。
【図3】 本発明の実施例を示すブロック図である。
【図4】 他のフォルマントスペクトルを示すグラフで
ある。
【図5】 本発明の実施例を示す。図5(A)は構成を
示すブロック図、図5(B)はフォルマントデータ供給
部内のメモリ内容を示す該略図である。
【符号の説明】
1 フォルマント中心周波数データ供給手段、 2 テ
ーブル参照手段、3 フォルマント合成手段、 11
音声入力部、 12 フォルマント分析部、 13 テ
ーブル参照部、 14 フォルマント合成部、 17
音高情報発生部、18 サウンドシステム、 21 音
色選択部、 22 フォルマントデータ供給部、 23
テーブル参照部、 24 フォルマント合成部、 2
7音高情報発生部、 28 サウンドシステム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォルマント中心周波数に関するデータ
    を供給する手段と、前記フォルマント中心周波数に関す
    るデータに基づいてフォルマントに関する他のデータを
    作成、供給する手段と、前記フォルマント中心周波数に
    関するデータ、前記他のデータを用いてフォルマントを
    合成する手段とを有するフォルマント合成装置。
  2. 【請求項2】 さらに、音声を入力する手段と、音声の
    フォルマントを分析し、フォルマント中心周波数に関す
    るデータを検出する手段とを有するフォルマント合成装
    置。
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