JP2736372B2 - 偏光角補償光受信器及び偏光角検出器 - Google Patents

偏光角補償光受信器及び偏光角検出器

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JP2736372B2
JP2736372B2 JP1048119A JP4811989A JP2736372B2 JP 2736372 B2 JP2736372 B2 JP 2736372B2 JP 1048119 A JP1048119 A JP 1048119A JP 4811989 A JP4811989 A JP 4811989A JP 2736372 B2 JP2736372 B2 JP 2736372B2
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晋一郎 藤吉
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コヒーレント光通信に用いることのできる
偏光角補償光受信器及び偏光角検出器に関するものであ
る。
(従来の技術) コヒーレント光通信においては、光信号の検出に光ヘ
テロダイン検波が用いられている。これは信号光と局発
光とを干渉させることにより検波信号を得るものである
が、効率の良い検波信号を得るには、信号光と局発光と
の偏光状態を一致させる必要がある。しかし、信号光の
偏光状態は光ファイバに加わる圧力や周囲温度変化等に
より常時変動しているため、信号光と局発光との偏光状
態を常時一致させるための偏光状態補償機能が必要とな
る。
ところで、偏光状態補償機能を実現とするものとして
次のようなものがある。
(1)1/4波長板と1/2波長板との結晶軸を回転制御する
ことにより信号光の偏光状態(一般に楕円偏光)を局発
光の偏光状態(一般に直線偏光)に合わせ込むか、局発
光の偏光状態を信号光の偏光状態に合わせ込むようにす
るもの。例えば、特開昭56−150731号、特開昭60−1214
24号、特開昭61−105529号等である。
(2)ソレイユ・バビネ位相板の板厚制御と1/2波長板
の結晶軸回転制御とにより局発光の偏光状態を信号光の
偏光状態に合わせ込むもの。例えば、特開昭56−150731
号、特開昭60−121424号等である。
(3)2個のファラデー回転素子を用いて、局発光の偏
光方向を信号光の偏光方向に合わせ込むと共に、両光の
合成光を装置の固有方向に合わせ込むもの。例えば、特
開昭61−275827号等である。
(4)光ファイバを2個の圧電素子により、互いに45度
方向から挟み、圧電素子から光ファイバに加わる圧力を
制御することにより信号光の偏光状態を局発光の偏光状
態に合わせ込むもの。例えば、特開昭62−122431号等で
ある。
(発明が解決しようとする課題) これら従来の偏光状態補償装置は、以下に示す問題点
の内の2〜3を有している。
(1)信号光と局発光とを合波する時点で必ず信号光の
パワー損失が生じるが、それ以外にも信号光のパワー損
失を生じさせる要素(例えば、半透鏡、1/4波長板、1/2
波長板、偏光ビームスプリッタ、ファラデー回転素子
等)を含んでいるため、検波信号のSN比が劣下する。
(2)検波信号のレベルまたは信号光パワーを光電変換
した直流信号のレベルを直接用いて制御回路の制御動作
を行うため、系のノイズレベル以上の制御感度・制御精
度が得られない。一般に、光ファイバを伝送して来た信
号光のパワーは非常に小さく、系のSN比を大きくするの
は困難なことが多いので、必要な制御精度を得るのが困
難となることが多い。
(3)複雑で大型な偏光状態制御機構(例えば、1/4波
長板回転機構、1/2波長板回転機構、ソレイユ・バビネ
位相板調整機構、ファラデー回転素子、互いに45度をな
す2個の圧電素子等)を必要とするので、光学系を単純
で小型なものにすることができない。
(4)偏光状態制御の制御範囲が狭い。(例えば、ファ
ラデー回転素子による偏光方向制御、加圧用圧電素子を
用いた偏光状態制御等) (5)高価な部品(例えば、ファラデー回転素子、ソレ
イユ・バビネ位相板等)を用いるため、光学系を安価に
構成することが出来ない。
そこで、本発明の目的は、以下に示す各項目に記載さ
れた点を達成することのできる偏光角補償光受信器を提
供することにある。
(1)信号光のパワー損失を合波時の損失のみの最小限
に抑え、検波信号のSN比の劣下を防ぐこと。
(2)信号光と局発光との偏光方向もしくは主軸方向の
ずれを高感度に検出し、この信号により制御回路を動作
させることにより制御精度を向上させること。
(3)複雑で大型な偏光状態制御機構をなくし、光学系
を単純で小型なものにすること。
(4)偏光状態制御の制御範囲を十分広くすること。
(5)高価な部品を用いず、光学系を安価なものにする
こと。
また本発明の他の目的は、信号光の偏光角を検出する
ことのできる偏光角検出器を提供することにある。
(課題を解決するための手段および作用) 第1図に示すように、圧電素子14の伸縮により移動可
能な可動ミラー13の位置調整をし、直線偏光の偏光方向
もしくは楕円偏光の主軸方向を任意の方向に設定する局
発光発振器1を設け、局発光16と信号光17とを合波器2
により干渉させ、光ヘテロダイン検波信号(ビート信
号)を得る。そして偏光角ズレ検出器3の位相敏感検波
器26により、信号光17と局発光16との偏光方向もしくは
主軸方向のずれを検出し、制御回路4により前記ずれを
補償する信号を作り、圧電素子14にフィードバックす
る。以上の構成、動作により、局発光16の偏光方向もし
くは主軸方向を常時信号光17の偏光方向もしくは主軸方
向に合致させ、その状態において受信出力33を取り出す
ことができる。
また、圧電素子の伸縮量又は該伸縮量に対応する値を
検出し、該検出量から局発光の、直線偏光の偏光方向も
しくは楕円偏光の主軸方向を演算するようにした。この
構成、動作により、信号光の偏光角が検出される。
(実施例) 第1図を用いて本発明による偏光角補償光受信器の一
実施例を説明する。当該光受信器は、局発光発振器1、
合波器2、偏光角ずれ検出器3、制御回路4および受信
器5の5ユニットにより構成される。以下各ユニットに
ついて順次説明する。
(1)局発光発振器 半導体レーザ6から出力された光はコリメートレンズ
7により平行光線となり、偏光板8により鉛直方向の直
線偏光となる。この光は、ビームスプリッタ9により偏
光板10に行く光と、偏光板12に行く光に分けられる。
前者は偏光板10により鉛直方向に対して+45度方向の
直線偏光、後者は偏光板12により鉛直方向に対して−45
度方向の直線偏光となる。前者は更に固定ミラー11にて
反射され、偏光板10、ビームスプリッタ9を経由し、1/
4波長板15を通過することにより右回円偏光となる。後
者は更に可動ミラー13にて反射され、偏光板12、ビーム
スプリッタ9を経由し、1/4波長板15を通過することに
より左回円偏光となる。
可動ミラー13は圧電素子14に固定されていて、該圧電
素子14に印加される電圧により位置調整することが出来
る。これによって右回円偏光と左回円偏光との光路差す
なわち位相差を調整することが出来る。
及び両円偏光の位相差2θは次のように表わされる。
2θ=2π/λ(2L2−2L1) ∴ θ=2π/λ(L2−L1) ……(3) ここで、E±の大きさ、L1はビームスプリッタ9と固定ミラー11との
距離、L2はビームスプリッタ9と可動ミラー13との距
離、λは局発光16の波長、ωは局発光16の角周波数 左右両円偏光の合成光すなわち局発光 は次のように表わされる。
これは、E+/E-により楕円率が決まり、θによりX軸
と楕円主軸のなす角すなわち偏光角が決まる楕円偏光を
表わすものである。ここで、ビームスプリッタ9、偏光
板10、偏光板12、固定ミラー11、可動ミラー13の透過率
または反射率等を適当な値にして、 E+=E-≡E ……(5) となるようにすれば、(4)式は次のようになる。
これは、偏光角がθの直線偏光を表わすものである。
すなわち、局発光16は(6)式で表わされるような直線
偏光とすることができ、その偏光角θは(3)式で示さ
れるようにL2の調整すなわち可動ミラー13の位置調整に
より決まるものである。
(3)式により、可動ミラー13の移動量すなわちL2の
変化量ΔL2と、局発光16の偏光角の変化量Δθとには次
のような関係が成り立つ。
Δθ=(2π/λ)ΔL2 ……(7) また、圧電素子14の伸縮量すなわち可動ミラー13の移
動量ΔL2と、圧電素子14の印加電圧変化量ΔVとには次
のような関係が成り立つ。
ΔL2=kpztΔV ……(8) ここで、kpztは圧電素子14の圧電変換効率 (7)式、(8)式により Δθ=(2π/λ)ΔL2 =(2π/λ)kpztΔV ……(9) となり、これは圧電素子14の印加電圧を調整することに
より、局発光16の偏光角を制御できることを示してい
る。
今、圧電変換効率kpzt=0.006[μm/V]、最大印加
電圧Vmax=1000[V]なる圧電素子14と、波長λ=0.85
[μm]なる半導体レーザ6とを用いると、印加電圧を
0[V]から1000[V]と変化させることにより局発光
16の偏光角を約2540゜(約7回転)と広範囲に変化させ
ることができる。また印加電圧を1[V]の分解能で設
定することにより、偏光角を約2.5゜の分解能で設定す
ることができる。信号光17の偏光角変動量が小さいとわ
かっている場合には、局発光16の偏光角制御範囲も小さ
くすることができ、例えば偏光角制御範囲を360゜と設
定する場合には、印加電圧は最大で150[V]程度あれ
ばよい。
(2)合波器 光ファイバを伝送して来た信号光17をコリメートレン
ズ18により平行光線にした後、ビームスプリッタ19によ
り局発光16と重ね合わせ干渉させる。集光レンズ20によ
りアバランシェフォトダイオード21の受光面上に合成光
を集光させ、両光のビート信号すなわち光ヘテロダイン
検波信号を検出する。その後、高周波アンプ22により信
号増幅する。
(3)偏光角ずれ検出器 信号光17と局発光16とが共に直線偏光で、両光の偏光
角が一致した場合、光ヘテロダイン検波信号Vbeatは次
のように表わされる。
Vbeat=V0cos(ωs−ω1)t ……(10) ここで、ωsは信号光17の角周波数、ω1は局発光16
の角周波数、V0は検波信号の振幅 第2図(a)に示すように直線的にゆっくり変化する
スイープ信号esをスイープ信号発生器34で発生させ、こ
れを高圧増幅器30で増幅して圧電素子14に印加すると、
信号光17と局発光16の相対偏光角ξがゆっくり変化す
る。この時、検波信号は次のように表わされる。
Vbeat=V0cosξcos(ωs−ω1)t ……(11) これは、高周波の検波信号V0cos(ωs−ω1)t
を、相対偏光角の変化に伴いゆっくり周期的に変化する
信号成分cosξにより強度変調したものである。(第2
図(b),(c)参照)。この信号をローパスフィルタ
23、全波整流器24、およびクリッパ25を通すことによ
り、両光の偏光角が一致した時ピークとなり、90゜ずれ
た付近ではフラットとなるような信号を得る(第2図
(d),(e),(f)参照)。
次に、第3図(a)に示すように、角周波数ωmの微
小信号である変調波emを変調波発生器27により作り、
加算器31によりスイープ電圧信号に重畳させて圧電素子
14に印加する。この場合、ωmはローパスフィルタ23の
カットオフ値より小さく、信号光の偏光角変化により予
想される相対偏光角ξの変化に伴う検波信号変化の速さ
より大きくしておく。
この微小な変調波により局発光16の偏光角が微小振動
しながらスイープされることになり、検波信号Vbeatに
微小なレベル変調が加わると共にクリッパ出力にもこの
微小変調成分が加わる。この時クリッパ出力の変動成分
の角周波数は、第3図(a)より明らかなように、クリ
ッパ出力のピークからはずれた所ではωm、ピーク位置
では2ωmとなる。したがってクリッパ出力を角周波数
2ωmの参照波を用いて位相敏感検波すると、クリッパ
出力変動の2ωm成分のみを検出することになり、信号
光と局発光との偏光角が一致した所で急峻なピークを持
つような信号を得る(第3図(b)参照)。これにより
両光の偏光角の一致を検出することができる。
しかし、この手法では両光の偏光角がずれた時、その
ずれ方向を検出することができない。このずれ方向の検
出を可能にするために、3倍波発生器28より出力される
角周波数3ωmの参照波を用いて位相敏感検波を行な
う。これは位相敏感検波器26で行なわれる。一般に位相
敏感検波においてN倍波による検波信号は(N−1)倍
波による検波信号の微分信号であることから、3ωm検
波信号は、第3図(c)に示されるように、信号光と局
発光との偏光角が一致したところでゼロクロスを持つ急
峻なSカーブ信号となる。この信号のゼロクロスにより
両光の偏光角の一致が検出でき、この信号のゼロ電圧か
らのずれ量とその極性とから、両光の偏光角のずれ量と
ずれ方向とを検出することができる。
局発光16の偏光角スイープ速度は、位相敏感検波器26
の応答性と偏光角ずれ検出の分解能とから、その上限が
決まる。例えば、位相敏感検波器26の時定数を100[mse
c]、偏光角ずれ検出の分解能を1゜とした場合、偏光
角スイープ速度の上限は10[゜/sec]となる。これは信
号光17の偏光角の変動に追従するのに十分な速さであ
る。
上記偏光角スイープ速度で局発光16の偏光角をスイー
プする場合、相対偏光角ξの変化に伴うクリッパ出力信
号の変化は約0.06[Hz]以下である。また信号光17と局
発光16との光ヘテロダイン検波信号の周波数は数[MH
z]以上である。したがって変調波周波数(ωm/2π)を
圧電素子14の応答性を満すように数10[Hz]〜数100[H
z]とし、ローパスフィルタ23のカットオフ周波数を数1
0[KHz]〜数100[KHz]とする。
(4)制御回路 比例積分制御器29により、位相敏感検波器26の出力を
常にゼロ電圧に戻すための信号を作り、高圧増幅器30に
より、圧電素子14の駆動電圧として適当な値に増幅した
後、圧電素子14に印加する。これにより、信号光17と局
発光16の偏光角ずれを補償するのに相当する伸縮が圧電
素子14に与えられる。
前記スイープ信号発生器34及び比例積分制御器29の制
御、詳しく言えばスイープ電圧上昇開始及びスイープ電
圧固定、並びに比例積分制御器29のオン/オフ動作の制
御は、例えばマイクロコンピュータ36を用いて行われ
る。
前記マイクロコンピュータ36による制御は、次のよう
に行われる。すなわち、当該制御回路4の立上げ時にお
いては、まず比例積分制御器29をオフにすると共に、ス
イープ信号発生器34をオンにし、スイープ信号出力状態
にする。そして、スイープ信号発生器34より出力される
スイープ信号が最大スイープ信号の中間値付近になった
ところで、マイクロコンピュータ36により位相敏感検波
出力の検出を開始し、位相敏感検波出力のゼロクロスを
判別した時点で、スイープ信号が固定となるようにスイ
ープ信号発生器34を制御する。これにより、クリッパ出
力はほぼ最大になり、局発光の偏光角は信号光の偏光角
にほぼ一致したことになる。
またスイープ信号の固定と同時に、比例積分制御器29
をオンにし、これにより偏光角の合わせ込みの微調整が
開始される。すなわち、比例積分制御器29のオン動作に
より、位相敏感検波器26の出力信号である3ωm検波出
力に応じた制御信号が高圧増幅器30に入力され、これに
より高圧増幅器30の出力信号である圧電素子14の駆動電
圧が、局発光の偏光角と信号光の偏光角とが完全に一致
するようにフィードバック制御される。
したがって、この偏光角の合わせ込み微調整の後、光
ファイバに加わる圧力や周囲温度変化等により信号光の
偏光角が変動しても、前記比例積分制御器29の動作によ
り、局発光の偏光角は信号光の偏光角に追従する。
なお、スイープ信号発生器34により出力されるスイー
プ信号が最大スイープ信号の中間値付近になったところ
で、局発光の偏光角と信号光の偏光角との、最初の合わ
せ込みを完了させることにより、その後の局発光の偏光
角調整を、右回り方向及び左回り方向ともほぼ同角度だ
け行うことができる。
この場合、スイープ信号は0から上昇させるのではな
く、最大スイープ信号の中間値付近の値から、所定の増
加率で上昇させるようにしても良い。
また、前記マイクロコンピュータ36に次の機能を付加
することにより、動作時の信頼性を高めることができ
る。
信号光の偏光角と局発光の偏光角の最初の合わせ込み
が完了した後で、不測の原因により、信号光の偏光角に
本制御回路の応答能力を超えるような、急激で大きな変
化が生じた場合、偏光角補償制御動作は不可能となる。
この時には、位相敏感検波出力に大きな変動が生じ
る。この変動を検出することにより、比例積分制御器29
をオフにすると共に、スイープ信号発生器34をオンに
し、位相敏感検波出力の検出を開始する。その後は最初
の合わせ込み動作と同じ手順でスイープ発生器34と比例
積分制御器29を制御することにより、再度局発光の偏光
角を信号光の偏光角に合わせ込み、追従させる。
以上により、不測の原因で偏光角補償制御動作が不可
能となるような事態が生じても、再び偏光角補償動作を
開始し続行することができる。
なお、前記スイープ信号発生器34及び比例積分制御器
29の制御は、各種電気素子を組み合わせたハードウェア
により実現されることもできるし、また該制御を、マニ
ュアルで行うようにしても良い。
(5)受信器 高周波アンプ22の出力は、光ヘテロダイン検波信号に
角周波数ωmの微小変調成分が加わったものである。こ
の微小変調成分を除去するために、検波信号をハイパス
フィルタ32に通し受信出力33を得る。ハイパスフィルタ
32のカットオフ周波数は、数10[KHz]〜数100[KHz]
とする。
以上の構成により、信号光17の偏光角変動に対して局
発光16の偏光角を常時合わせ込んだ状態で安定な光ヘテ
ロダイン検波を行なう光受信器を実現することができ
る。
さて本発明における偏光状態補償機能は、偏光状態を
完全に一致させるものではなく、偏光方向もしくは主軸
方向のみを一致させるものであるため、信号光の楕円率
変化に伴う検波信号のレベル変動が残る。しかし検波信
号としての必要十分条件は、後続の復調回路を動かすの
に必要の信号レベルを確保することであり、これは本発
明の構成により十分満足できるものである。
なお、第4図に示すように、局発光16の楕円率を調整
するための回転可能な偏光板40と、常時検波信号レベル
を最大にするように前記偏光板40の回転角を制御する偏
光板制御回路41を付加することにより、偏光状態を完全
に一致させることも可能である。
また本発明においては、可動ミラー13の移動量ΔL2と
局発光16の偏光角変化量Δθとの間に(7)式の関係が
あることと、信号光17と局発光16の偏光角が常時一致し
ていることにより、信号光17の偏光角を検出及び表示す
ることができる。
第5図は本発明による偏光角検出器の一実施例の要部
を示すブロック図である。第5図において、第1図と同
一の符号は同一又は同等部分を示している。
この偏光角検出器は、第1図に示された各構成要素
に、光波干渉測長器51及び偏光角演算器52を付加し、か
つ可動ミラー13を両面ミラー50で置き換えたものであ
る。なお、当該偏光角検出器を、偏光角補償光受信器と
して用いない場合には、受信器5すなわちハイパスフィ
ルタ32は不要である。
第5図に示されるように、表裏両面共ミラー面にした
両面ミラー50の移動量ΔL2を光波干渉測長器51で読み取
り、偏光角演算器52により(7)式を用いて局発光の偏
光角変化量Δθを求める。
このようにして決定された局発光の偏光角データを、
信号光の偏光角データとして偏光角出力53より取り出
し、図示されない手段を用いて表示する。この信号光の
偏光角のデータの出力/表示により、例えばコヒーレン
ト光通信機の偏光角補償制御の補償範囲がどれくらいあ
れば良いかを知ることができる。
なお、ΔL2には変調波ωmによる変動成分が含まれて
いるため、該変動成分をカットするフィルタを光波干渉
測長器51内に設けると良い。
第6図は本発明による偏光角検出器の他の実施例を要
部を示すブロック図である。第6図において、第1図と
同一の符号は同一又は同等部分を示している。
第1,5図に示された例では、高圧増幅器30より出力さ
れるスイープ信号に変調波発生器27より出力される変調
波を重畳し、この重畳信号を圧電素子14に印加してミラ
ー13を移動するように構成されているが、この第6図に
示された例においては、ミラー13を移動するための圧電
素子を2つ(ヒステリシス補償圧電素子60及び圧電素子
14)設け、それらを直列に接続し、それぞれの各圧電素
子に高圧増幅器30より出力されるスイープ信号及び変調
波発生器27より出力される変調波を個別に印加するよう
に構成されている。そして、前記スイープ信号は、圧電
素子が有するヒステリシス(印加電圧対伸縮量特性のヒ
ステリシス)を補償する補償回路を介して圧電素子60に
印加される。
第6図に沿って説明すれば、まず、ヒステリシス補償
圧電素子60にはテーブル61が取り付けられ、該テーブル
61上には、可動ミラー13が取り付けられた圧電素子14が
取り付けられている。
変調波発生器27の出力信号は、圧電素子14に印加され
る。また、高圧増幅器30の出力信号は、ヒステリシス補
償回路62を介して、ヒステリシス補償圧電素子60に印加
される。このヒステリシス補償回路62は、前述したよう
に、圧電素子60が有するヒステリシスを補償し、印加電
圧対伸縮量特性を比例関係となるように設定する。前記
ヒステリシス補償圧電素子60及びヒステリシス補償回路
62としては、例えばフィジーク・インストゥルメンテ社
(Physik Instrumente GmbH & Co.)製の圧電素子P−
171.00、ドライバP−267.00、ひずみゲージP−177.10
及び高圧ケーブルP−208.10を用いることができる。
前記ヒステリシス補償圧電素子60に印加される電圧、
すなわちヒステリシス補償回路62の出力信号は、偏光角
演算器63に入力される。
以上のように、微小変調動作を圧電素子14で行ない、
スイープ動作をヒステリシス補償圧電素子60を用いて行
なうようにすると、ヒステリシス補償回路62の出力電圧
変化と局発光の偏光角変化とには(9)式の関係が常に
成り立つ。したがって偏光角演算器63により(9)式を
用いて局発光の偏光角の変化量Δθが求まる。
このようにして決定された局発光の偏光角データを、
信号光の偏光角データとして偏光角出力53より取り出
し、図示されない手段を用いて表示する。
なお、第1,4および5図に示された偏光角補償光受信
器及び偏光角検出器においても、この第6図の構成と同
様に、ミラー13(又はミラー50)を移動するための圧電
素子を2つ直列に設け、各圧電素子にスイープ信号及び
変調波信号を個別に印加するようにしても良い。
この場合、さらに前記得スイープ信号を入力する圧電
素子をヒステリシス補償圧電素子60とし、該素子60にヒ
ステリシス補償回路62を介してスイープ圧電を印加する
ようにしても良い。
(発明の効果) (1)請求項1の偏光角補償光受信器においては、信号
光の光路中に、複数の半透鏡、1/4波長板、1/2波長板、
偏光ビームスプリッタ、ファラデー回転素子等の光学素
子を用いずに、局発光の偏光状態を信号光の偏光状態に
一致させることができるので、信号光のパワー損失を合
波時のみの最小限に抑えることができ、これにより検波
信号のSN比劣下を防ぐと共に、位相敏感検波により高感
度に偏光角ずれを検出するので効率的な偏光角補償を行
なうことができる。
また圧電素子の伸縮を行なうだけの制御機構を有する
だけなので光学系を単純で小型にすることができ、また
圧電素子の十分大きな可動量により偏光角補償を行なう
ので制御範囲を十分広くすることもできる。
また高価な部品を使用していないため光学系を安価な
ものにすることができる。
このように、工業的に実用価値の高い光受信器とする
ことができる。
(2)請求項2の偏光角補償光受信器においては、偏光
角補償がすべて自動的に行われるので、当該偏光角補償
光受信器の取扱いが容易である。
(3)請求項3の偏光角検出器においては、請求項1の
偏光角補償光受信器と同様に、光学系を単純に小型にす
ることができ、また偏光角検出を広範囲に亘って行うこ
とができる。また、高価な部品を用いていないので、光
学系を安価なものにすることができる。さらに、信号光
のパワー損失を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による偏光角補償光受信器の一実施例の
ブロック図である。 第2,3図は第1図に示された偏光角補償光受信器の動作
を説明するための図であり、第2図(a)はスイープ信
号発生器より出力されるスイープ信号、同図(b)は信
号光及び局発光の相対偏光角ξ、同図(c)は高周波ア
ンプより出力される検波信号、同図(d)はローパスフ
ィルタの出力信号、同図(e)は全波整流器の出力信
号、同図(f)はクリッパの出力信号、第3図(a)は
第2図(f)の拡大図、第3図(b)は2ωmによる検
波出力信号、同図(c)は3ωmによる検波出力信号を
示す図である。 第4図は本発明による偏光角補償光受信器の他の実施例
のブロック図である。 第5図は本発明による偏光角検出器の一実施例の要部を
示すブロック図である。 第6図は本発明による偏光角検出器の他の実施例の要部
を示すブロック図である。 1……局発光発振器、2……合波器、3……偏光角ずれ
検出器、4……制御回路、5……受信器、6……半導体
レーザ、8,10,12,40……偏光板、9,19……ビームスプリ
ッタ、11……固定ミラー、13……可動ミラー、14……圧
電素子、15……1/4波長板、16……局発光、17……信号
光、21……アバランシェフォトダイオード、22……高周
波アンプ、23……ローパスフィルタ、24……全波整流
器、25……クリッパ、26……位相敏感検波器、27……変
調波発生器、28……3倍波発生器、29……比例積分制御
器、30……高圧増幅器、31……加算器、32……ハイパス
フィルタ、33……受信出力、34……スイープ信号発生
器、36……マイクロコンピュータ、41……偏光板制御回
路、51……光波干渉測長器、52……偏光角演算器、53…
…偏光角出力、60……ヒステリシス補償圧電素子、62…
…ヒステリシス補償回路、63……偏光角演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 10/152

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の上昇率で増大するスイープ電圧を発
    生するスイープ電圧発生手段と、 所定周波数の変調波を出力する変調波発生器と、 ミラーが固定され、前記スイープ電圧及び前記変調波の
    入力により伸縮する圧電素子と、 前記ミラーの移動により、局発光の、直線偏光の偏光方
    向もしくは楕円偏光の主軸方向を任意の方向に設定する
    手段と、 局発光及び信号光を重ね合わせ、干渉させることにより
    ビート信号を得る合波器と、 前記ビート信号から、前記変調波信号と、局発光もしく
    は信号光の偏光角変化に起因する低周波信号を除去する
    ハイパスフィルタと、 前記ビート信号から、前記変調波信号と、局発光もしく
    は信号光の偏光角変化に起因する低周波信号を抽出する
    ローパスフィルタと、 前記ローパスフィルタにより抽出された低周波信号のピ
    ークを検出する位相敏感検波器と、 前記位相敏感検波器の出力に応じて、前記圧電素子に入
    力される電圧を調整する電圧調整手段とを具備したこと
    を特徴とする偏光角補償光受信器。
  2. 【請求項2】前記ローパスフィルタにより抽出された低
    周波信号のピークで、前記スイープ電圧発生手段より発
    生されるスイープ電圧を固定し、かつ前記位相敏感検波
    器の出力に応じた電圧調整を開始する手段と、位相敏感
    検波出力の0[V]付近からの大きな変動を検出するこ
    とにより、位相敏感検波器の出力に応じた電圧調整をオ
    フにすると共に、スイープ電圧発生手段により発生され
    るスイープ電圧を変化させ、前記低周波信号のピークで
    再びスイープ電圧を固定し、かつ位相敏感検波出力に応
    じた電圧調整を開始する手段とをさらに具備したことを
    特徴とする請求項1記載の偏光角補償光受信器。
  3. 【請求項3】所定の上昇率で増大するスイープ電圧を発
    生するスイープ電圧発生手段と、 所定周波数の変調波を出力する変調波発生器と、 ミラーが固定され、前記スイープ電圧及び前記変調波の
    入力により伸縮する圧電素子と、 前記ミラーの移動により、局発光の、直線偏光の偏光方
    向もしくは楕円偏光の主軸方向を任意の方向に設定する
    手段と、 局発光及び信号光を重ね合わせ、干渉させることにより
    ビート信号を得る合波器と、 前記ビート信号から、前記変調波信号と、局発光もしく
    は信号光の偏光角変化に起因する低周波信号を抽出する
    ローパスフィルタと、 前記ローパスフィルタにより抽出された低周波信号のピ
    ークを検出する位相敏感検波器と、 前記位相敏感検波器の出力に応じて、前記圧電素子に入
    力される電圧を調整する電圧調整手段と、 前記圧電素子の伸縮量及び該伸縮量に対応する値の一方
    を検出する手段と、 前記圧電素子の伸縮量及び該伸縮量に対応する値の一方
    より、局発光の、直線偏光の偏光方向もしくは楕円偏光
    の主軸方向を演算する偏光角演算手段とを具備したこと
    を特徴とする偏光角検出器。
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