JP2735374B2 - シート状物の同時２軸延伸装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シート状物、例えば、熱可塑性樹脂フィル
ム等を長手方向および幅方向に同時に連続的に延伸する
シート状物の同時２軸延伸装置に係り、リンク装置のベ
アリングの作動不良によりベアリングの面圧荷重が急激
に増大することによるガイドレールの摩耗を未然に防止
するために面圧荷重を測定する装置を有したシート状物
の同時２軸延伸装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の装置は、実公昭45−6785号公報に記載のように
なっている。その概要は、シート状物は無端リンク装置
のつかみ子によってその両端をつかまれたまま進行方向
に連続的に進行しながら縦横２軸に同時に延伸される。
無端リンク装置はスプロケットによってエンドレス状に
駆動され、その運動はシート状物の両側に配置されたガ
イドレールの３本により構成された案内溝に規制され
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、リンク装置が周回する中で収縮した
状態で走行するのは周路の約12分の１の延伸区間であ
り、ほとんどリンク装置は一杯に伸びきった状態で周回
しており自分自身で駆動力の伝達を行っている。このた
めリンク装置のベアリングに作用する面圧に関する配慮
がされておらず、延伸倍率の異なるシート状物の延伸を
行う場合にリンク装置が周路の約４分の１を収縮した状
態で走行すると、ガイドレールによって規制されたリン
ク装置のベアリングに作用する面圧は従来と比較すると
非常に大きくなる。このためベアリングの寿命の短縮、
つまりベアリングの作動（回転）不良によるガイドレー
ルの摩耗速度が急増するという欠点があった。

本発明の目的は、ガイドレールによって規制され収縮
した状態で走行するリンク装置のベアリングの作動（回
転）状況を把握し、リンク装置の走行および駆動動力を
安定させると共に、ガイドレールの異常摩耗を未然に防
止できるシート状物の同時２軸延伸装置を提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するためにリンク装置が収縮した状態
で走行する際、その走行路を形成し、リンク装置を規制
しているガイドレールの任意の位置に面圧測定装置を設
置したものである。

この面圧測定装置により、リンク装置のベアリングの
面圧を常時測定することにより、その変動を監視し、面
圧荷重が通常運転時の値より著しく上昇し始めたらアラ
ーム等で警告し、ベアリングへの給油量UPし、次にベア
リングの作動（回転）確認し、さらに不良品の新品への
交換等により、ベアリングへの面圧を低下させ、駆動源
への過負荷発生、おかびガイドレールの異常摩耗を未然
に防止するようにしたものである。

〔作用〕

リンク装置は収縮した状態、つまり走行路となるガイ
ドレールによりその動きを規制されながら走行する。そ
の収縮したリンク装置数は非常に多く、そのため、駆動
源には従来（一定の延伸倍率）運転の場合より過大な動
力を要する。つまり、リンク装置のベアリングに作用す
る面圧荷重も従来より増大するため、給油不足や寿命等
でベアリングの作動（回転）状態が悪くなり易い。作動
が悪くなると更に、ベアリングへの面圧荷重が増大する
ため、ガイドレールの摩耗が著しく早くなり駆動系への
過負荷、および無理な力で強引に駆動してしまい各部位
にダメージを与えてしまう。

従って、リンク装置の動きを規制しながら走行させる
案内路を形成しているガイドレールに設置した面圧測定
装置で、面圧を常時監視することにより、面圧が著しく
増大した場合は、ベアリングへの給油を増量し、それで
も面圧が低下しない場合は、ベアリングの作動（回転）
を確認し、不良品を新品と交換することにより面圧を低
下させ上記不具合の発生を未然に防ぐことができるもの
である。

〔実 施 例〕

以下、本発明の一実施例を第１図および第２図により
説明する。

第１図は、面圧測定装置の平面図を示す。第１図にお
いて、リンク装置１は、収縮した状態で走行するためガ
イドレール２によりその動きを規制されており、ガイド
レール２からの反力３がベアリング４に作用している。
そのガイドレール２の任意の位置に面圧（荷重）測定装
置５を設置し、リンク装置１がガイドレール６上を通過
した際のガイドレール反力３を制御盤で測定し、測定値
が運転開始初期の荷重値より著しく増大した場合、アラ
ームおよび警告灯等で連絡するように構成する。

第２図は、面圧測定装置５取付部の縦断面を示す。第
２図において、ガイドレール６とガイドレール２とを切
り離し、間隔をあけて無縁の状態で固定し、面圧（荷
重）測定装置５はガイドレール２とガイドレール６との
両者に接するようにベッド７上に取付けリンク装置１が
通過することにより、ガイドレール２とガイドレール６
とにより面圧測定装置５に圧縮される。その荷重を測定
することにより、ベアリング４に作用する荷重を測定す
ることができるものである。

〔発明の効果〕

本発明は、以上説明したように構成されているので以
下に記載されるような効果を奏する。

面圧の変動を監視することにより駆動源への過負荷の
発生、およびそのため、各部位に与えるダメージ、また
ガイドレールの異常摩耗等の原因となるリンク装置のベ
アリングの給油量不足又は寿命による作動（回転）不良
を早期に発見できる。

また、この早期発見により、過負荷による運転停止、
およびその復旧作業等による生産性に対する損害も最少
限におさえることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の面圧測定装置を取付けた同
時２軸延伸装置の部分平面図、第２図は第１図の面圧測
定装置取付部の縦断面図である。 １……リンク装置、２……ガイドレール、３……反力
（荷重）、４……ベアリング、５……面圧測定装置、６
……ガイドレール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高村 義之 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 林 正憲 山口県下松市大字東豊井794番地 日立 テクノエンジニアリング株式会社笠戸事 業所内 (72)発明者 石倉 勝三 京都府宇治市治蔭山55―533 (72)発明者 上田 哲雄 京都府宇治市治蔭山55―614 (56)参考文献 特開 昭62−41017（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−223367（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベアリングと、熱可塑性のフラットフィル
   ムを延伸するためにフィルムの両端を把持するつかみ子
   とを備え、フィルム進行方向に対して対称かつエンドレ
   ス状に配置される無端リンク装置と、 上記ベアリングと当接して上記無端リンク装置の走行を
   規制し、上記フィルム進行方向に対しては末広がり状の
   レール配置により上記フラットフィルムを縦横２方向に
   同時に延伸する延伸区間を有するガイドレールと、 上記リンク装置が収縮した状態で走行する区間のガイド
   レールの任意の位置に設けられ、上記ベアリングに作用
   する面圧を測定する面圧測定装置と からなることを特徴とするシート状物の同時２軸延伸装
   置。