JP2735196B2 - アレルギーの免疫毒素治療 - Google Patents

アレルギーの免疫毒素治療

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JP2735196B2 JP62259428A JP25942887A JP2735196B2 JP 2735196 B2 JP2735196 B2 JP 2735196B2 JP 62259428 A JP62259428 A JP 62259428A JP 25942887 A JP25942887 A JP 25942887A JP 2735196 B2 JP2735196 B2 JP 2735196B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、免疫毒素の全般的なことおよび特にアレル
ギーの免疫毒素治療に関する。 アレルギーは外部物質に対する過度の疫免反応によっ
て誘導される過敏状態である。外部物質に対する体のア
レルギー反応は軽い炎症、不快感から死に到るまで及ん
でいる。アレルギーは多くの生物に影響しており、時に
は、人間が食べたり、触れたり、臭いをかいだりできる
物および人間が住める場所さえも支配する。 (従来の技術) アレルギーの現在の治療法は、二つの方法に集中して
いる。一つは抗ヒスタミン剤のような薬剤の利用による
アレルギー症状のみの治療。この方法は、しばしば繰り
返し投与を要し、また望ましからぬ副作用を起こすこと
がある。さらに、その方法は症状の治療のみに向けら
れ、過敏性状態をひきおこす原因に向けられるものでは
ない。もう一つの方法は、特異的な抗原の注射などによ
る脱感作治療法である。まず最初に患者の特異的な抗原
をつきとめなければならない。その後、患者はその抗原
の少量を注射される。この方法は不快感を伴うことがあ
り50回もの診察を要求されることがある。さらに、患者
が過敏になっている抗原を必ずしも同定できるとは限ら
ず、脱感作治療を不可能にする。前述のどちらの方法
も、既に挙げた欠点に加えて、過敏性状態の除去を保障
できない。その上、どちらの方法も過敏性状態の進行を
防ぐことはできない。 IgEを生産しているサブクラスのB型リンパ球はアレ
ルギー反応において重要な役割を果している。抗原はIg
Eを生産するB型リンパ球によるIgEの生産と放出とを刺
激する。IgEは肥胖細胞と相互作用してヒスタミン遊離
の原因となる。このヒスタミンの遊離は最終的にはアレ
ルギーに伴う症状を起こさせる。 本発明によるアレルギーの免疫毒素治療は、IgE生産
B型リンパ球の除去により作用する。これらのリンパ球
の除去は、IgEの濃度をほとんどゼロに低下させて、ア
レルギー反応を実質上不可能にする。IgE生産B型リン
パ球の選択的除去は、IgEがその宿主の存在に必須では
ないので可能である。全てのIgE生産B型リンパ球の欠
落は、他のクラスの免疫グロブリンを生産するリンパ球
がそのまま残されるので人間および動物の免疫防御の欠
如を起こさせない。 免疫毒素は毒素と結合した抗体(あるいはホルモン)
あるいは抗体の断片である。その抗体は特異的な抗原を
認識し結合する能力を維持している。仮に、その抗体が
細胞表面の抗原と結合すると、その毒素は細胞の細胞質
内に入り、そこでその細胞の不活性化、不能化あるいは
破壊をする。 免疫毒素に関する研究は、従来癌の治療用の免疫毒素
が中心であった。腫瘍の特異的抗原に対する抗体は腫瘍
の存在場所へ毒素を運ぶことに使われている。この免疫
毒素腫瘍治療は、非自己抗原の認識および異常と考えら
れる細胞集団を除去することを含んでいる。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、より優れたアレルギー治療法を供給
することである。 本発明の別の目的は、特異的抗原の同定が必要のない
アレルギー治療法を提供することである。 本発明の別の目的は、特定の抗原に対する過敏性反応
への作用に限定されないアレルギー治療法を提供するこ
とである。 本発明の別の目的は、単なる症状治療よりもむしろ隠
れているアレルギーの原因に影響を与えるアレルギー治
療法を提供することである。 本発明の別の目的は、繰り返し投薬の必要がないアレ
ルギー治療法を提供することである。 本発明の別の目的は、望ましくない副作用を減少させ
たアレルギー治療法を提供することである。 本発明の別の目的は、いかなるアレルギー症状の発症
よりも前に施薬することのできるアレルギー治療法を提
供することである。 (問題点を解決するための手段) 本発明によれば、アレルギー治療の方法が提供され
る。抗体毒素はIgEアイソタイプを持つ細胞集団を殺す
か取り除くことにより該細胞集団を選択的に消滅させる
ために生体内に導入される。「除去する」とは、抗原に
対する反応において体で使われるIgE免疫グロブリンの
生産を停止させるいかなる手段も含む意味である。ま
た、本発明によれば、選択的にIgEアイソタイプを持っ
ている細胞に活性がある免疫毒素が提供される。この免
疫毒素は細胞表面上にアイソタイプIgEを持っているリ
ンパ球にのみ結合する。IgEを生産するB型リンパ球は
細胞表面にIgEアイソタイプを持っている。一旦結合す
ると、毒素は細胞質への侵入口を得る。細胞質内では、
その毒素分子は細胞の生合成機能を不能にし、このよう
にして細胞を死に至らしめる。IgEを生産するB型リン
パ球の除去はアレルギー反応の可能性を除去する。 好ましい具体例の詳しい説明 免疫毒素は毒素と結合した抗体あるいは抗体の断片で
ある。その抗体はIgEアイソタイプ、つまり他の全ての
クラスの免疫グロブリンには存在しないが、IgEクラス
の免疫グロブリンによって共有されている抗原部位を選
択的に認識しなければならない。本発明者らは、ヤギの
抗マウスIgEアイソタイプをマウスの過敏症の抑制実験
に使用して成功したが、もちろん抗体に必要な要件は、
上記の特異性を持った抗体であることのみであり、例え
ば、ラットの抗マウスIgE、マウスの抗マウスIgEおよび
ウサギの抗マウスIgEなども本発明に使用できる。ヒト
の抗ヒトIgEアイソタイプは、投与した時にこのヒト抗
体に対しては免疫反応がないので、ヒトの過敏症の治療
には最も適している。 抗IgEはよく知られた技術により調製、単離される。
無限の生産および均一性の保障、抗体の結合特異性およ
び結合親和性ならびに抗体と毒素の結合などを考慮する
と、最も好ましい抗IgEは単一クローン抗体である。 免疫毒素の合成に有用であることが分った毒素分子
は、植物あるいは細菌から得られるタンパク質である。
一般に、それらはA鎖とB鎖より成り、ジスルフィド結
合により結合している。そのA鎖は酵素反応的にタンパ
ク合成を阻害し、細胞の細胞質に導入されると細胞を死
に至らしめる。B鎖は、細胞内へのA鎖の侵入を媒介し
ていると信じられている。 免疫毒素は完全な毒素あるいはA鎖のみと抗体の結合
によって構成できる。A鎖とB鎖とを結合させているジ
スルフィド結合を切ることにより、それらを分離するこ
とが可能であるしビテッタら(Vitetta at al),“抗
体−リシンA鎖免疫トキシンの標的としての新生物B細
胞(Neoplastic B Cells as Targets for Antibody−Ri
cin A Chain Immunotoxins)",IMMUNOLOGICAL REV.,Vo
l.62,P.159〔1982〕)。そして、A鎖を精製して抗体と
結合することができる。細胞表面の免疫グロブリンに結
合した抗体はエンドサイトシスにより細胞質に取り込ま
れるので、その抗体はB鎖の代りにA鎖の細胞質への侵
入を媒介できる。その点においては、Fabフラグメント
は全抗体あるいはFab2フラグメントよりも効率的であ
る。Fabフラグメントは全抗体あるいはFab2フラグメン
トよりも容易にエンドサイトシスが起こる。細胞表面の
抗原に結合した全抗体あるいはFab2フラグメントは、他
の全抗体あるいはFab2フラグメントと架橋結合をして細
胞の表面から反発される栓を形成するようである。Fab
フラグメントは、全抗体あるいはFab2フラグメントとは
異なって架橋結合を形成できず、そしてそれゆえに、結
合した毒素といっしょにエンドサイトシスにより細胞質
に容易に取り込まれる。 A鎖を一つの抗体と結合させ、さらにB鎖を他の抗体
と結合させることも可能である。細胞に抗体−B鎖が結
合するとA鎖の取り込みを増大させる。A鎖を抗体に結
合させる場合には、その結合が生体内で免疫毒素の解離
を防ぐのに十分に強いことが重要である。さもないと、
遊離のA鎖は肝臓および腎臓に蓄積する傾向があり、そ
こで重大な障害を引き起こすからである。 完全な毒素分子を免疫毒素の構成に使う場合には、A
鎖をそのまま残すためにB鎖の部分で抗体と結合させる
のが好ましい。A鎖とB鎖とをつないでいる強い元来の
力が遊離A鎖の危険な放出を抑える。さらに、B鎖はA
鎖の細胞質内への侵入を促進するために存在している。 抗体および抗体断片ならびに毒素は混成分子、つまり
免疫毒素を形成するために共有結合させられる。この結
合は、抗体分子がその特異性を、および毒素分子がその
毒性を維持する限り二つの分子を結合させるいかなる化
学反応によっても行うことができる。過ヨウ素酸塩−炭
酸化物およびチオエーテル反応がそれらの中ではよく使
われ、文献に述べられている。(キシレンおよびリンド
ストローム(Killen and Lindstrom)1984,“毒素−ア
セチルコリンの受容体結合による実験的自己免疫ミエス
チニアグラビスを引き起こすリンパ球の特異的殺害(Sp
ecific Killing of lymphocytes that cause experimen
tal Autoimmune Myesthenia Gravis by toxin−acethyl
choline receptor conjugates.)”JourImmun.133:25
49−2553,ジャンセン,F.K.(Jansen,F.K.),H.E.ブリス
マン(H.E.Blythman),D.キャエレ(D.Carriere),P.キ
ャセラ(P.Casella),O.グロス(O.Gros),P.グロス
(P.Gros),J.C.ラウレント(J.C.Laurent),F.パウル
チ(F.Paclucci),B.パウ(B.Pau),P.ポンセレント
(P.Poncelent),G.リヒター(G.Richer),H.ビダル
(H.Vidal),およびG.A.ボイシン(G.A.Voisin)1982.
“免疫毒素:高い特異性および細胞毒性の能力を組み合
せた混成分子(immunotoxins:Hybrid molecules combin
ing high Specificity and potent cytotoxicity)".Im
munological Reviews 62:185−216;および前述のビッテ
タら(Vitetta et al),を参照) ゲッ歯類の系においては、リシンのA鎖とFabフラグ
メントの結合は効果的な免疫毒素を生産した。優れた免
疫毒素が全抗体およびアメリカヤマゴボウの抗ウィルス
タンパクをスルフォ−SADP反応を介して結合することに
より得られた。 免疫毒素は、主に静脈注射により血流中に投与され
る。この免疫毒素はIgEを持つ細胞に選択的に結合す
る。一旦結合すると、毒素は細胞質内に取り込まれ、そ
こで最後に細胞を死なせる。過敏症の原因となるIgEを
生産する細胞集団は除去される。IgEの生産に依ってい
た過敏性反応は同様に取り除かれる。 実施例1 材料と試薬:C57B1/6×DBA/2F1マウス(BDF1)をチャー
ルズリバーブリーティングラボ(Charles River Breedi
ng Labs.),Wilmington,MA,より入手した、そしてベイ
ツアニマル飼育器(Bates Animal Facility)にて自由
に食物と水を摂取させて飼育した。全ての実験で6−8
週齢のメスマウスが使われた。ヤギの抗マウスIgE血清
はマイルス−イエーダ(Miles−Yeda)(Naperville,l
L)より得た。アメリカヤマゴボウの抗ウィルスタンパ
ク(PAP)はクーパーバイオメディカル(Cooper Biomed
ical)(Malvern,PA)より得,使用するまで供給された
状態のままリン酸緩衝塩溶液中で冷蔵庫に保存した。ピ
アスケミカル社(Pierce Chemical Co.)(Rockford,I
L)から、ヘテロ二官能性架橋剤Sulfo−SADAを入手し
た。特に述べない限り他の全ての化合物は、シグマケミ
カル社(Sigma Chemical Co.),St.Louis,Moより得た。 スルフォ−SADPカップンリング反応によるPAP−ヤギ抗
マウスIgE免疫毒素の調製:ヤギの抗マウスIgE血清を50
%飽和硫酸アンモニウムにより処理して免疫グロブリン
に富む分画を得、この分画を使用前に十分に透析した。
pH7.2のリン酸緩衝塩溶液(PBS)全容量1.074ml中で、
この原料1mgを15.15μgのスルフォーSADPと4℃で撹拌
しながら反応させた。この混合物に撹拌しながら、1mlP
BSに溶した1mgのPAPを加えた。この時点まで全ての操作
は完全光条件下あるいは暗室で行った。この抗体−SADP
−PAP混合物を、氷中で撹拌しながら10分間可視光を照
射した。次いで、生成した物質をPBSで透析し、そして
免疫毒性を試験した。このITは免疫グロブリン分子当り
5分子のPAPを持っていると計算される。 ITの生体内評価:IgEを多く生産するBDF1マウスを最初に
全容量0.5mlのPBSに溶したミョウバン1mgに吸着させた
オヴアルブミンで腹腔内投与により免疫した。直ちにマ
ウスは100μgのITあるいはこのITの調製に使われた免
疫グロブミン100μgのいずれかを静脈に注射して、PAP
免疫毒素の活性と特異性を測定する。免疫の14日後、マ
ウスより心臓突刺により0.25mlを採血し、血液を処理集
団毎にプールして、室温にて凝血させた。清澄化し血清
につき、受信皮膚アナフィラキシー測定法を使って、そ
の抗OVAIgEの力価を測定した。スプラグードーリー系の
ラットの背中を使用する24時間全に毛をそり注射のため
に四分割された。PBSで希釈されたマウスの血清を皮下
に0.05ml注射した。感作後24時間で、ラットは5mgのOVA
および1%エバンスブルー色素を含むPBS1mlの心臓内注
射により試験された。アナフィラキシー反応は皮膚の内
表面を調べることにより30分後に判定された。10mm以上
の直径の青色斑は陽性反応とした。 IgG抗−OVAの力価は、標準的な酵素結合免疫吸着測定
法の手法を使って決定した。ブキャナン、カマークおよ
びラドル(Buchanan,Kamarck&Ruddle),J.Immunol.Me
thods,42(2);179−185,1981;アブラミアス(Avramea
s),Immunochemistry,Vol6,pp43−52,1969;シグマケミ
カル社(SIGMA Chemical Company)製品紹介誌,p5521,
Type VII−S,1981参照。測定に使われた酵素−抗体共役
物は、ヤギ抗マウスIgG抗体(SIGMA カタログ#M301
4)と結合したアルカリフォスファターゼ(SIGMA ,カ
タログ#P5521Type VII−S)である。 生体内試験の結果:表1にITおよびIGの生体内活性試験
の結果を示す。力価の結果は、100μgのITによる1回
の処理が抗−OVAIgEの力価を800倍減じるのに充分であ
ることを示している。これに反して、BDF1マウスのIG処
理は抗−OVAIgEクラス抗体に影響しなかった。IT処理で
は全ての抗体生産集団の阻害は見られなかった。IT調製
時に含まれるPAPは、B型リンパ球の数全般には影響し
なかった。 結果は、IT処理がIgE抗体の生産に向けて免疫されたB
DF1マウスにおいてIgE力価の減少の効果的手段であるこ
とを示している。 実施例2 IgEを分泌するB型細胞に対する免疫毒素を、二本鎖
タンパクのリシンの毒性サブユニットおよびヤギの抗マ
ウスIgE抗体のFabフラグメントを組合せて調製した。高
力価の抗オヴアルブミンIgE抗体を産生させるために免
疫したマウスを、次いで細胞表面IgEを発現するB細胞
の選択的破壊を目的にしてこの免疫毒素で処理した。 マウス オス(実験.4)およびメス(実験.1,2,3,5)C57B1/6
マウスをジャクソンラボラトリー(Jackson Laborator
y),Bar Harbour,ME.より購入した。 MBSカップリング反応による抗体−リシンA鎖結合物の
調製 ヒマの凝集素(Ricinus communis agglutinin)(キ
ャリバイオケム−ベーリング社(Calbiochem−Behring
Corp.,)Lajolla,CA)のA鎖を、二本の鎖を結び付けて
いるジスルフィド結合を還元することによりB鎖から分
離した。この還元はもとのリシン(5mgを5mlPBSに溶し
た)を0.25mlの2−メルカプトエタノールに加えて、撹
拌しながら室温で2時間放置することによって行われ
た。A鎖はアフィニティクロマトグラフにより単離し
た。分別された鎖を含む溶液はセファロース4Bのカラム
に導入し、B鎖をカラム内に結合して残留させた。A鎖
のみを含む流出液は、0.05%2−メルトカプトエタノー
ルを含むpH7.4の20mM PBSに対する真空透析により、2.5
ml(約2.5mgタンパク)に濃縮した。32μgのMBSを含む
ジメチルフォルムアミド(13μ)をその濃縮液に加
え、そして室温で30分間放置した。この混合物(400μ
)を、以下の方法により調製されたヤギの抗マウス抗
体のFab単価フラグメントと2時間反応させた:マイル
ス−イエーダ(Miles−Yeda)由来のヤギ抗マウスIgE
(1mg/ml溶液0.6ml)を30μのジチオスレイオトール
と混合し、室温で30分間反応させた。この混合物をpH7.
4でセファデックスG−50のカラムに導入したそしてピ
ークの分画3mlを集めた。 免疫処理 抗オヴアルブミンIgE抗体の生産を誘導するために、
マウスにレボルテラおよびオバリー(Revoltella and O
vary)(1969),Int Arch Allergy Appl.Immunol.36,2
83の方法に従って調製された、1mgの水酸化アルミニウ
ムゲル(ミョウバン)中の2μgのオヴアルブミンを最
初に注射した。 IgE生産のための免疫処理の1日後に免疫毒素(スト
ック液を1:10希釈したもの0.2ml)あるいは抗IgE(0.02
mg/0.2mlPBS)を静脈注射した。実験5はこの方法の例
外であり、IgE生産のために免疫されてから5日後に抗I
gE処理が行われた。処理されたマウスの血清は2週間後
に集め、そして抗−オヴアルブミンIgE活性を試験し
た。 受身皮膚アナフィラキシによるIgEの検出 マウス血清中の抗オヴアルブミンIgE力価は、ブラガ
およびモタ(Braga and Mota),1976.“マウスIgEによ
るマウスの対応受身皮膚アナフィラキシおよびラットに
導入された非対応PCA(Homologous Passive Cutaneous
Anaphalaxis(PCA)in mice and heterlogous PCA indu
ced in rats with mouse IgE.)",Immunology,30,655の
方法に従った受身皮膚アナフィラキシによって決定し
た。血清のPCA力価は、感作されたラットの反転された
皮膚表面に平均直径5mmの反応を起こさせる最高希釈率
の逆数として定義された。 抗オヴアルブミンIgE反応の誘導 各々3匹のマウスが免疫処理で述べられたようにIgE
を生産するように免疫された。4日目にそのマウスから
採血し血清を集めて保存した。そして血清のIgE力価を
決めるためにPCAを行った。表2の実験1に示されるよ
うに320以上の力価で陽性反応が観察された。 調製された免疫毒素によるIgE反応の抑制 6匹のマウスを実験1のようにIgE生産用に免疫し、
そのうち3匹は対照(免疫以降は無処理)として使用
し、3匹は免疫毒素による処理を施した。14日目に各集
団から採血し、それらの血清を集めそしてIgE力価比較
のためにPCAを行った。表2の実験2に示されるよう
に、対照集団ではIgE力価は320以上であり免疫毒素で処
理された集団では10であった。免疫毒素は、IgEを生産
するB型リンパ球を選択的に破壊することによってIgE
の力価を減らした。 調製された免疫毒素および抗IgEによるIgE反応の抑制 実験3および4は以下の対照を付け加えて実験2と全
く同様に行われた:3匹のマウスを第1日目に0.2mlPBSに
溶した20μgの抗IgEにより処理した。IgEの力価は前述
と同様に決定された。実験3においては、IgE力価は、
未処理の対照群では320以上、免疫毒素で処理された集
団では40および抗IgEで処理された集団では160であっ
た。実験4においては、IgE力価は、未処理の対照群で
は320以上、免疫毒素で処理された集団では80、抗IgEで
処理された集団では40であった。この免疫毒性は、IgE
を生産するB型リンパ球を選択的に破壊することにより
IgEの力価をこの場合も減らした。 実験5は、抗IgE処理を1日目ではなく5日目に行っ
たこと以外は実験3,4と同一であった。未処理の対照群
および免疫毒素で処理された集団のIgE力価は実験4と
同じであったが(各々320および80)、抗IgEで処理され
た集団の力価はゼロであった。 免疫毒素は抗体のFabフラグメントを含んでいるが、
抗IgE対照群では完全な抗体を使用したFabフラグメント
は一ケ所だけの結合部位を含んでおり、それゆえ溶液中
の抗原を取り除けない。二ケ所の部位を持つ完全な抗体
は、抗原、この場合ではIgEであるが、を取り除ける。
抗IgEが血清中のIgEを取り除き、それゆえ、抗−オヴア
ルブミン力価を抑制するであろうことは予想されたこと
であった。使用された抗IgEの量(20μg)は、少なく
とも免疫毒素中にある免疫グロブリンの量の4倍であっ
た。 実験5において、処理は免疫処理後5処理遅らせたの
で、IgE抗−オヴアルブミン応答は十分に進んでいて、
そのマウスは処理の時にはアレルギー状態であった。免
疫毒素はこの場合もIgEを生産するB型リンパ球を選択
的に破壊することによってIgEの力価を下げた。抗IgEに
よる処理は、IgEが検出されないという予想された結果
を出した。除去抗体によるこの処理は、血清測定の時期
により近かったので、もし抗血清が実際にマウスIgEに
対するものとすれば、この結果は予想どおりである。即
ち、抗IgE対照群の処理は、免疫毒素に使われた抗体が
マウスのIgEと反応したことを示している。 本発明の方法および免疫毒素は、IgEを持っているた
めに、アレルギー反応を生じる哺乳類で有効である。本
発明の方法と物質はこのようにしてヒトおよび動物に関
して使うことができる。 施薬されるべき免疫毒素の正確な量は、治療される個
体の体重および種類によって大きく異なる。いかなる場
合においても、使用される免疫毒素は、適用される体に
一般的な倦怠感を感じさせる量よりも少ない量で使われ
る。投与は皮下、筋肉中あるいは静脈である。ある場合
には経口摂取も可能である。好ましい具体例としては、
免疫毒素は、食塩水のような生理学的飽和性の流体およ
び生理学的pH例えば7.2から7.4で静脈より体に投与され
る。 前述の例は動物におけるIgE生産細胞の不能化あるい
は破壊を説明しているが、本発明の免疫毒素反応は人間
においてアレルギー症状の軽減に有効である。 特定の投薬量は治療される個々の体重とその種類によ
り大きく変る。今日までの研究によれば、動物において
純粋なリシンA鎖の10日間致死量の約20分の1を持つ免
疫毒素の1回の静脈注射で、リンパ球の一つのサブ集団
を効果的に阻害することが示されている。そのような投
与量は文献にも報告されている。ジャンセン,F.K.(Jan
sen,F.K.),H.E.ブリスマン(H.E.Blythman),D.キャリ
エレ(D.Carriere),P.キャセラ(P.Casellas),O.グロ
ス(O.Gros),P.グロス(P.Gros),J.C.ラウレント(J.
C.Laurent),F.パウルチ(F.Paolucci),B.パウ(B.Pa
u),P.ポンセレント(P.Poncelent),G.リヒター(G.Ri
cher),H.ビダル(H.Vidal),およびG.A.ボイシン(G.
A.Voisin)1982.免疫酵素:高い特異性および細胞毒性
の能力を組み合せた混成分子(Hybrid molecules combi
ning high Specificity and potent cytotoxicity)Imm
unological Reviews 62:185−216.ビテエタ,E.S.(Vitt
eta,E.S.),K.A.クロリック(K.A.Krolick),およびJ.
W.ウール(J.W.Uhr),1982.“抗体−リシンA鎖免疫毒
素の標的としての新生物B細胞(Neoplastic B cells a
s Targets for Antibody−Ricin A Chain Immunotoxin
s)",Immunological Reviews 62:159−184.ジャンセン
(Jansen)は、人間の腫瘍の治療としては純リミンA鎖
の10日間致死量の約10分の1を含む免疫毒素の投薬が効
果的であると判断している。ヒトのアレルギーの免疫毒
素治療においては、純粋リシンA鎖の10日間致死量の約
20分の1から10分の1あるいは1日当り約0.05から10mg
を含む免疫毒素が好ましい投薬量である。実施例1に従
って調製されたPAPを持つ免疫毒素は、少なくともリシ
ンを持つ免疫毒素と同程度に効果的である。従って、ヒ
トのアレルギーの免疫毒素治療に対するPAPを持つ免疫
毒素の好ましい投薬量は、それと同じ範囲となり、1日
当り約0.05から10mgである。 本発明の範囲内で、好ましい具体例の種々の変化、修
飾が行なえることを理解されなければならない。従っ
て、今までに述べられた全ての事項は限られた考えとし
てではなく一つの例示として解釈されるべきであると考
える。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.IgEアイソタイプを有する細胞集団を選択的に消滅
    させうる免疫毒素よりなる、アレルギー治療用医薬組成
    物。 2.B−リンパ球を選択的に消滅させうる免疫毒素より
    なる、特許請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 3.IgEアイソタイプを有する細胞に選択的活性を有す
    る免疫毒素。 4.医薬品として有用な、特許請求の範囲第3項記載の
    免疫毒素。 5.IgEアイソタイプに対して選択特異性を有する抗体
    が毒素にカップリングしてなる、特許請求の範囲第3項
    または第4項記載の免疫毒素。 6.免疫毒素が、IgEアイソタイプに対する選択特異性
    を有するFab2フラグメントを毒素にカップリングさせる
    ことにより形成される、特許請求の範囲第3項または第
    4項記載の免疫毒素。 7.IgEアイソタイプに対して選択特異性を有する抗体
    のFabフラグメントが毒素にカップリングしてなる、特
    許請求の範囲第3項または第4項記載の免疫毒素。 8.毒素がA鎖である、特許請求の範囲第7項記載の免
    疫毒素。 9.A鎖がMBS(M−マレイミドベンゾイル−N−ヒド
    ロキシスクシンイミドエステル)によるカップリング反
    応で、Fabフラグメントにカップリングされている、特
    許請求の範囲第8項記載の免疫毒素。 10.抗体がモノクローナル抗体である、特許請求の範
    囲第5項記載の免疫毒素。 11.毒素がアメリカヤマゴボウ(pokeweed)抗ウイル
    スタンパク質である、特許請求の範囲第7項記載の免疫
    毒素。 12.毒素がSADP(スルホスクシンイミジル(4−アジ
    ドフェニルジチオ)プロピオネート)によるカップリン
    グ反応で、Fabフラグメントにカップリングされてい
    る、特許請求の範囲第11項記載の免疫毒素。 13.B−リンパ球に選択的である、特許請求の範囲請
    求項第3項ないし第7項たは第10項のいずれか1項記載
    の免疫毒素。 14.抗体が毒素に共有結合でカップリングされてい
    る、特許請求の範囲第5項ないし第7項または第10項の
    いずれか1項記載の免疫毒素。 15.IgEアイソタイプに対して選択特異性を有する第
    一の抗体をA鎖にカップリングさせて第一の免疫毒素を
    形成させ、そしてIgEアイソタイプに対して選択特異性
    を有する第二の抗体をB鎖にカップリングさせて第二の
    免疫毒素を形成させ、そして該第一および第二の免疫毒
    素を混合することよりなる、アレルギー治療用の医薬組
    成物の製造方法。 16.IgEアイソタイプを有する細胞に対する選択的活
    性を有する免疫毒素を形成させ、そして該免疫毒素を治
    療有効量で用意することよりなる、アレルギー治療用の
    医薬組成物の製造方法。 17.IgEアイソタイプを有する細胞に選択的活性を有
    する免疫毒素を適当な担体と混合して、IgEアイソタイ
    プを有する細胞集団を選択的に消滅させうる免疫毒素よ
    りなるアレルギー治療用の医薬組成物を製造する方法。
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