JP2734205B2 - 帯溶融法による単結晶の育成方法 - Google Patents

帯溶融法による単結晶の育成方法

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  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気圧の高い成分を含む
結晶イオン材料をアンプル中に封入し、いわゆる帯溶融
法によって単結晶を育成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】帯溶融法の概略は図2に示す如きもの
で、図は、一例として蒸気圧の高いHgを一成分として
含む多元半導体材料であるHgCdTeについて示して
ある。この図は、帯溶融法による単結晶育成の途中段階
を示しているが、育成の初段階ではアンプル1の中には
下から順に種子結晶(CdTe)2、帯溶融部(Te過
剰のHgCdTe)3、多結晶材料(HgCdTe)4
が配置され、アンプル1の内部を真空排気したのち、栓
5によって封止されている。このように準備されたアン
プル全体は、帯溶融部3を溶融するための固定されてい
る環状の育成用ヒーター6の中央に上から吊られて置か
れ、帯溶融部3が所定の温度で溶融したならば、図の矢
印のように下へ向かってゆっくりと降下させられる。初
段階では、種子結晶2と帯溶融部3とは接しているが、
アンプルが徐々に降下して帯溶融部3が種子結晶2から
次第に離れていくと種子結晶2の上には単結晶7が成長
していく。図2は、この途中段階を示している。この帯
溶融法(THM=Traveling・Heater・
Methodと呼ばれることもある)による単結晶育成
に関してはいくつかの論文が発表されている。例えば、
ジャーナル・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
誌(1985年1月/2月,米国真空学会発行)=J.
Vac,Sci.Technol.A3(1),Jan
/Feb1985年の第95〜99頁,R.Tribo
ulet(トゥリブル)著,「THM,a・break
throngh・in・HgCdTe・bulk・me
tallugy」,ならびに同誌A6(4),Jul/
Aug・1988年の第2795〜2799頁,L.C
olombo他著「Growth・of・Hg−bas
ed・alloys・by・the・travelin
g・heater・method」などである。
【0003】これらの論文の図や本明細書の図2を見る
と分かるように、アンプル上端における真空封入のため
の栓の下部においては、アンプル内壁と栓と多結晶材料
との三者が互いに密着しているように見える。
【0004】しかしながら、実際のアンプルアセンブリ
ーにおいて、栓によってアンプルを密閉するには、アン
プルの外側から酸水素バーナーを用いてアンプルの内側
にセットされた栓とアンプルの内壁とを1500℃もの
高温で溶接する方法がとられる。HgCdTeは、融点
が700℃程度であり、どの成分も蒸気圧は比較的高
く、特にHgは、常温でさえ蒸発している程の高い蒸気
圧をもっている。従って、こうした成分からなる材料に
酸水素バーナーのような高温炎を近付けることは、材料
の分解や蒸発の原因となる。このため溶接部8と多結晶
材料は、数cmの間隔をあけることが必要である。さら
にアンプルの材料である石英の熱膨張率は、HgCdT
eよりも小さいので結晶育成において多結晶材料4が膨
張するとき、栓5との間に隙間(1〜2mm)がないと
アンプルが破損する。こうした事情から実際のアセンブ
リーにおいては、図3の如く、三者の間には必ず斜線で
示した隙間9が存在する。また、アンプル内壁1′と多
結晶材料4との間にも多少の隙間が存在する。何故な
ら、多結晶材料は、別のアンプル中で合成されるので育
成用アンプルに挿入するには隙間が必要だからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように必然的に隙
間をもつアンプルアセンブリーを用い、帯溶融法によっ
て蒸気圧の高い成分をもつ結晶材料の単結晶化を行って
いくと以下のような問題が起きる。帯溶融部は、アセン
ブリー中で最も温度が高いので当然であるが、その上部
に位置する多結晶材料も温度は高くなっているのでそこ
からも蒸気圧の高い成分、すなわちこの場合はHgが次
第に蒸発してくる。そして、アンプルの内壁1と多結晶
材料4との隙間を通ってより温度の低い上部へ集まり、
凝縮する。その最終的な場所が隙間9の中でも特に溶接
されていない栓とアンプルの隙間9′である。一つの実
験において、蒸発してこの部分に凝縮したHgの量は、
約200mgであったが、この量は、多結晶材料の全重
量50gのうちのHgの量の1%に近い値となる。
【0006】この材料はよく知られているように赤外線
の検出材料である。Hgが1%失われると検出可能な赤
外線波長は、短い方に相当ずれることが分かっている。
このため、このような組成ずれを起こした材料を用いる
と目的の検出波長から外れた特性の検出器しか得られな
い。さらにHgは、既に述べたように帯溶融部の移動と
共に次第に蒸発量が多くなっていくのであるから、育成
され多結晶の最初と最後とでは組成のずれ方は一様では
ない。従って蒸発すると予想されるHgをあらかじめ補
償しておくことは有効でない。
【0007】本発明の目的は、アンプル上部の隙間での
高蒸気圧成分の凝縮を防ぎ、上部から下部に至るまで組
成が均一な単結晶の育成を可能ならしめた帯溶融法によ
る単結晶の育成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による帯溶融法による単結晶の育成方法にお
いては、アンプルに封入された棒状の多結晶材料の一部
のみを溶融し、この溶融部を棒状多結晶材料の先端から
終端まで移動させることによってこの材料を単結晶化す
る単結晶の育成方法であって、終端部の隣の多結晶材料
が存在しないアンプルの一部を、単結晶の育成期間中を
通して溶融部と同じ温度で加熱し続けるものである。
【0009】
【作用】蒸発した高蒸気圧成分(例えばHg)は、温度
の低い部分に凝縮するのであるから、その部分を加熱し
て高温化すれば凝縮は起こらないことになる。従って本
発明においては、多結晶材料の終端部の隣の部分、すな
わち図3における溶接されない栓と、アンプルとの隙間
9′の部分を加熱するようにヒーターを巻き、高蒸気圧
成分が凝縮しないようにしている。凝縮が起こらなけれ
ばこの成分の隙間9全体での蒸気圧が高まり、蒸発量は
僅少となり、かつ一定となる。従って、育成された結晶
の組成に著しい誤差や偏差は起らなくなる。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例を述べる。アンプルのア
センブリーとしては既に述べたように石英アンプルの中
に種子結晶,帯溶融部,多結晶材料の順に下から積み重
ね、多結晶材料の上端と栓の間を約1mmに保つよう仮
止めしたあと、真空排気装置によってアンプルの中を排
気し、所定の真空度になったならば栓の上部をアンプル
の外側から酸水素バーナー炎によって加熱し、栓とアン
プルを溶接することによってアンプルを真空封止した。
栓の封止部より上のアンプル材を切り落したあと吊り環
を溶接し、下降装置に吊り下げ、さらに育成用ヒーター
が正しく帯溶融部の位置に来るよう高さ調節を行った。
ここ迄は従来の工程と全く同一である。
【0011】次に図1に示すごとく、溶接されていない
アンプル1と栓5の間の隙間9′の部分にこの部分を覆
うように丁度この長さに相当する長さをもった加熱用ヒ
ーター10を巻きつけた。この加熱用ヒーター10の設
定温度は、単結晶育成用ヒーターと同じ温度(約500
℃)にし、その加熱は育成用ヒーターへの電力供給開始
と同時に開始した。このあと、通常の如く一時間当り1
50μmの長さを降下させる速さで単結晶育成を行っ
た。終了後、隙間9′の部分を観察したところ、凝縮し
たHgは全く認められなかった。さらに育成した単結晶
を縦方向に板状に切り出し、通常の手段で組成分布を調
べた結果、結晶の上部と下部とで組成に有意差はなく、
このことからHgの過度の蒸発による結晶組成のずれは
起っていないことが判明した。
【0012】
【発明の効果】以上詳述したごとく本発明によるときに
は、帯溶融法により、高蒸気圧成分を含む材料を用いて
単結晶育成を行ってもその成分の蒸発による組成ずれが
起らず、全体として組成の均一な良好な単結晶を育成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための加熱される部分とヒー
ターとの位置関係を示す図である。
【図2】帯溶融法の原理を示す図である。
【図3】アンプルの封止部の詳細図である。
【符号の説明】
1 アンプル 2 種子結晶 3 帯溶融部 4 多結晶材料 5 栓 6 育成用ヒーター 7 単結晶 8 アンプルと栓との溶接部 9 隙間 9′ 溶接されない栓とアンプルの隙間 10 加熱用ヒーター

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンプルに封入された棒状の多結晶材料
    の一部のみを溶融し、この溶融部を棒状多結晶材料の先
    端から終端まで移動させることによってこの材料を単結
    晶化する単結晶の育成方法であって、終端部の隣の多結
    晶材料が存在しないアンプルの一部を、単結晶の育成期
    間中を通して溶融部と同じ温度で加熱し続けることを特
    徴とする帯溶融法による単結晶の育成方法。
JP41428790A 1990-12-26 1990-12-26 帯溶融法による単結晶の育成方法 Expired - Lifetime JP2734205B2 (ja)

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