JP2733017B2 - 固定型サクションボックス - Google Patents

固定型サクションボックス

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JP2733017B2
JP2733017B2 JP7904994A JP7904994A JP2733017B2 JP 2733017 B2 JP2733017 B2 JP 2733017B2 JP 7904994 A JP7904994 A JP 7904994A JP 7904994 A JP7904994 A JP 7904994A JP 2733017 B2 JP2733017 B2 JP 2733017B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定型サクションボッ
クスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、外壁材や屋根瓦等の板状の建築要
素の製造方法としてフローオン方式の製造方法がある。
このフローオン方式の製造方法は、固形分濃度が20〜
45%という比較的高濃度のスラリーを長手方向に進行
する透水性を有する環状のシート上に単層でかつ所望の
厚さで供給し、このスラリーをシートの下面に設けたサ
クション手段で減圧脱水して連続板状の生板を形成し、
この生板を所定寸法に切断した後これを養生して板状の
建築要素を得るものがあり(例えば、特開平4−153
004号公報参照)、上記サクション手段は、シートの
下面側に多数の可動サクションボックスをシートと同期
して進行するようシート進行方向に連設することによっ
て構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造法で
は、シートに浸透したスラリーのセメント分が硬化して
目詰まりがおきることがあり、この目詰まりのためシー
トの位置によってスラリーの脱水能力が変化し、脱水後
の生板の厚さが不均一になって製品の板厚を変動させ、
これが不良品の発生原因となっていた。
【0004】また、スラリー供給前にシートにたるみが
生じている場合には、スラリーの供給厚が一定になら
ず、この点でも生板の厚さが不均一になることがあっ
た。更に、従来では、可動サクションボックスがシート
と同期して進行するため、吸水孔のある部分とない部分
とで吸水力に差が生じ、シートの平面位置によって吸水
量が変動するので、スラリーをその全面において均一に
脱水できないという不都合がある。
【0005】本発明は、このような実情に鑑み、シート
の目詰まり及びたるみを防止して生板の厚さを均一に
し、不良品の発生を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は固定型サクションボックスにおいて、長手方向に進
行する透水性を有するシートとの接触面に、シート幅方
向に延びる水切り溝が設けられていることを特徴とす
る。
【0007】この場合、後述の理由により、水切り溝内
には、シート上に供給されるスラリーの水分を吸引する
ための吸水孔を設けることが好ましい。また、水切り溝
は、シート幅方向中央部が同方向両側部よりもシート移
動方向上流側に変位するように形成できる。
【0008】
【作用】上面にスラリーが供給されるシート4は、固定
型サクションボックス1の上面(接触面)に接触しなが
ら進行する。このとき、その接触面に設けた水切り溝2
4がそのエッジによってシート4の下面をしごくので
(エッジ硬化)、セメント分を含有する水分が下方へ絞
り出されるとともに、シート進行方向のたるみが矯正さ
れる。
【0009】また、水切り溝24内に吸引孔26を設け
た場合(請求項2)、長手方向に進行するシート4の下
面側がシート幅方向に延びる水切り溝24を介して減圧
されるので、シート4の下面全域が均等に減圧される。
一方、水切り溝24をシート幅方向中央部が同方向両側
部よりもシート移動方向上流側に変位させた場合(請求
項3)、シート4が固定型サクションボックス1に接触
して進行する際に、同ボックス1から受ける摩擦力がシ
ート幅方向両側に作用してシートが同方向両側へ引っ張
られ、これによってシート4の幅方向のたるみが矯正さ
れる。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳述
する。図2は、本発明が採用される生板製造装置2を示
している。この生板製造装置2は、床上に枠組みされた
架構3に、上面にスラリーが供給される透水性を有する
無端状(エンドレス)のシート4と、シート4の下面か
らスラリーを減圧脱水する多数の可動サクションボック
ス5と、シート4の左右(幅方向)両端部上面に接して
進行する環状のベルト6と、シート4の上面にスラリー
を供給するための供給ホッパー7と、該ホッパー7の下
方に位置しかつシート4の下面に接触する定置の固定型
サクションボックス1及び補助サクションボックス1A
を設けることによって構成されている。
【0011】前記架構3は、複数の門形フレーム3Aを
材料搬送方向(図2に矢印イで示す方向)に連設してな
り、各門形フレーム3Aの下部と材料搬送方向前後端に
位置する門形フレーム3Aの上部には、シート4の幅方
向と平行な軸心回りに回転自在なガイドロール8が配設
されている。前記シート4は、フエルト又は織布等の透
水性を有する長尺帯状の部材が環状に形成されてなり、
前記ガイドロール8に案内されて床上に設置された駆動
モータ9によって上側がその長手方向(図2に矢印イ方
向)へ循環移動するように駆動される。
【0012】シート4のループ内でかつ架構3の前後部
には、シート幅方向と平行な横軸10回りに回転自在な
大径の前後スプロケット11,12が軸支され、該スプ
ロケット11,12に巻き掛けられた搬送チェーン13
の外周側に前記可動サクションボックス5が固着されて
いる。下流側の前スプロケット11は架構3の上部に設
けたモータ14によりチェーン15を介して回転駆動さ
れ、この前スプロケット11の回転により、各可動サク
ションボックス5がシート4の下面に接触しながらシー
ト4と同じ方向にかつ同じ速度で循環移動するようにな
っている。
【0013】前後スプロケット11,12間に位置する
各門形フレーム3Aの上端左右両側には、図外のナッシ
ュポンプ等によって内部が減圧される断面中空のサクシ
ョンレール16が架構3の前後方向に沿って架設されて
おり、前記スプロケット11,12によって循環駆動さ
れる各可動サクションボックス5は当該サクションレー
ル16上を摺動自在に移動するようになっている。
【0014】各可動サクションボックス5は、その天板
に多数の吸水孔を有する中空箱体からなり、底板の左右
両側にサクションレール16に設けた減圧孔と連通する
シート進行方向に長い長孔を備えている。従って、各サ
クションボックス5は、サクションレール16上を摺動
している間は減圧孔と長孔との連通によって内部がほぼ
一定の圧力で減圧され、前記シート4の上面に供給され
た材料は、サクションボックス5の吸水孔を介してシー
ト4の下側から減圧脱水される。
【0015】前記ベルト6は、シート4の上面に供給さ
れたスラリー状の材料の幅を特定するためのもので、合
成ゴム等の水密性及び弾力性を有する材料からなってお
り、図示していないが、シート4の上面に接触する帯状
部の幅方向中央上面に断面矩形の突状部を突設して断面
T字状に形成されている。各門形フレーム3Aの下部
と、前後端に位置する門形フレーム3Aの上部には、ベ
ルト6を案内する左右一対のプーリー17がシート4を
支持するガイドロール8とは別個に設けられており、こ
のプーリー17に案内されるベルト6は、シート4の幅
方向両側においてその帯状部がシート4の幅方向両端部
の上面に接するよう、シート4と同速度でかつ同方向に
前記駆動モータ9により駆動され、循環移動される。
【0016】架構3の前端部上方には、複数のプレスロ
ール18が前後方向に連設され、該ロール18下を通過
する材料は、可動サクションボックス5による減圧脱水
に加えて各プレスロール18の圧下によりさらに脱水さ
れる。さらに、架構3の下部特にスプロケット11の下
方には、シート4を洗浄するための散水器19が設けら
れている。なお、可動サクションボックス5の洗浄手段
を適所に配設することができる。
【0017】前記架構3の前側、即ちシート4の下流側
には、シート4の上面と同レベルで生板切断コンベヤ2
0が配設されており、各プレスロール18を通過した生
板は、このコンベヤ20上で適宜の長さ寸法に切断さ
れ、さらに下流のプレス装置により脱水及び模様付け等
が行われた後、オートクレーブ養生等の工程を経て、外
壁材や屋根瓦等の製品ボードに仕上げられる。
【0018】図1及び図3〜図8に示すように、前記固
定型サクションボックス1はホッパー7の直下に位置す
るよう、上下方向に向くボルト等よりなる支持部材3B
を介して架構3に取付けられていて、シート4に対する
上下取付位置を変更できるようになっている。この固定
型サクションボックス1は、後述する吸引ブロア41に
よって内部が減圧される中空箱体21からなり、この中
空箱体21の天板22には、シート4の上面に供給され
たスラリーをシート4の下面側へ脱水するための多数の
吸水孔26が設けられている。
【0019】中空箱体21内には、吸水孔26の開度を
調節する開度調節手段22Aが設けられていて、この開
度調節手段22Aは吸水孔46に対応する開口46を有
する可動板23を天板22の下面に移動可能に設けてな
る。天板22の上面には、シート幅方向全幅にわたって
延びる互いに平行な多数の水切り溝24が設けられ、こ
の水切り溝24の底部に、任意の間隔で多数の前記吸水
孔26が設けられている(図8(a)(b)参照)。
また、天板22の上面の上流側の水切り溝24は、シー
ト4が天板22に摺動して進行する際にその幅方向で引
っ張られるよう、シート幅方向中央部を頂点として同中
央部が両端部よりも上流側に傾斜するように形成されて
いる。
【0020】中空箱体21のシート幅方向両端には、天
板22の外方に延出する天端張出部21Aが設けられ、
その上面にベルトガイド27が張出し状にかつ交換可能
に取付けられ、天板22も交換可能に取付けられてい
る。図3及び図6に示すように、中空箱体21の底板2
8は天板22に対してシート移動方向上流側(矢印イ方
向)が低くなるように傾斜され、その上流側端に周部上
側が切り開かれた排水集合管29が全幅(シート4の幅
方向)にわたって設けられている。この集合管29の両
端には掃除用のゴム製栓体30が開閉自在に装着され、
該集合管29の一端側に設けた排水孔31に、吸水され
たセメント含有水分を機外へ排出するための排水管32
が接続されている。
【0021】また、中空箱体21内には、この内部に吸
引された水分と空気とを分離する気液分離手段28Aが
設けられていて、この分離手段28Aは、減圧孔33に
連通するようその底板28上面に立設された分離管34
と、この分離管34の上端開口を上から覆う笠部材35
とから構成されている。すなわち、図1に示すように、
中空箱体21の底板28には、そのシート移動方向の中
央部においてシート幅方向に並ぶ5個の減圧孔33が等
間隔で設けられており、この各減圧孔33に上方(中空
箱体21の内部側)に立上がる分離管34が夫々固着さ
れている。笠部材35は分離管34より一回り大きな断
面コ字状盆型を呈し、その下端縁が分離管34の上端縁
よりもやや下方に位置するよう、分離管34から離れた
状態で固定されている。
【0022】従って、中空箱体21内を減圧したとき、
空気は笠部材35と分離管34の間を通って減圧孔33
に流入するが、中空箱体21の底板28上の水分は減圧
孔33に流入することなく集合管29に向かって流下す
るとともに、天板22の吸水孔26から滴下する水分は
笠部材35によって分離管34へ流入するのが阻止され
るので、中空箱体21内において水分と空気の分離が確
実に行われる。
【0023】なお、笠部材35の形状は、盆形の他にお
碗型や円錐形等種々のものが採用でき、要は、分離管3
4に滴下水分が流入しないようにその上端開口を上から
覆えるものであればよい。図1及び図6に示すように、
中空箱体21の底板28下面には、全ての減圧孔33に
連通するマニホールド36が着脱可能に取付けられてい
て、このマニホールド36の長手方向中央下面に設けた
吸気口37に吸気管38が接続されている。吸気管38
は、図3,4に示す如く、吸気集合管39及び気水分離
用サイクロン40を介して吸引ブロア41に接続されて
いる。
【0024】なお、前記サイクロン40で分離された水
分は、図3に示すように、排出端にフラップ弁42(図
7参照)を有する排水管43により排出される。また、
前記排水管32の下端部32Aには、図7(a)(b)
に示すフラップ弁42が取付けられている。このフラッ
プ弁42には、それぞれ排水量検出手段43A(図例で
は、弁42開度検出用のリミットスイッチ)が設けら
れ、この検出手段43Aでフラップ弁42の開度を検出
して脱水量を計測することにより、スラリーの配合管理
やスラリー供給量の異常管理等を行える。
【0025】すなわち、サクションボックス1の減圧度
や吸水孔26の開度によってスラリーの脱水量が変化す
るが、ある減圧度及び開度のときのスラリー配合及び単
位時間当たりのスラリー供給量とスラリー脱水量との関
係を予め実験や経験によって把握しておけば、検出手段
43Aで検出した脱水量が過度に多いことに基づいてス
ラリーの含水比が高すぎたり、その供給量が多すぎるこ
とを察知できる。
【0026】図1及び図5に示すように、中空箱体21
の底板28上面には、前記各分離管34の間をシート4
の幅方向に仕切ると共に可動板23を摺動自在に支持す
る仕切板44がシート進行方向に設けられており、この
仕切板44で中空箱体21内空間を均等に区画すること
により、同箱体21内を均等に減圧できるようにしてあ
る。
【0027】なお、仕切板44の上端縁及び下端縁に
は、半円形等の切欠き部45が設けられ、これによって
部分的に空気又は水分の流通を可能にしてある。前記可
動板23は、短冊板状でその幅が条溝24のピッチの約
2倍程度で、かつ、長さが条溝24内吸水孔26のピッ
チの約半分程度だけ中空箱体21内寸法よりも短くされ
ている。各可動板23は、天板22の吸水孔26と同じ
ピッチで同径の開孔46を有し、その長手方向の一端側
に設けたブラケット47に操作棒48が回転自在でかつ
軸方向移動不能に連結されている。
【0028】この操作棒48は、中空箱体21の側壁を
図外のシール材を介して貫通し、その外端部に設けられ
た雄ねじ部48Aが中空箱体21の天端張出部21A下
面に固着されたジャッキブラケット44のねじ孔に螺合
されている。雄ねじ部48Aの外端には回動工具の装着
部48Bが設けられている。従って、スパナ等の回動工
具により操作棒48を回動すると、各調節棒48と共に
可動板23が天板22に対してシート幅方向(図5の矢
印ロ方向)に個別に移動し、これによって吸水孔26と
開孔46の重なり状態が変化して吸水孔26の開度を調
節できるようになっている(図8(a)(b)参照)。
【0029】前記補助サクションボックス1Aは、図3
及び図4に示すように、固定形サクションボックス1と
は別個の中空箱体50からなり、その天板51がシート
4の幅方向に延びる細長い多数の帯板を、その幅方向対
向端間に吸水間隙52が形成されるように配設されてい
る。この中空箱体50の底板53は天板51に対して下
流側が低くなるように傾斜しており、その下流側端に上
側が切り開かれた排水集合管54がシート幅方向全幅に
わたって設けられ、この集合管54の一端に排水管55
が接続されている。なお、この排水管55の排出端55
Aには、フラップ弁56(図7に示すフラップ弁42と
同じもの)が取付けられている。
【0030】中空箱体50の底板53には、シート移動
方向の中央部にシート幅方向に3個の減圧孔57が等間
隔で設けられている。なお、この補助サクションボック
ス1A内にも、前記固定型サクションボックス1の場合
と同様の分離管と笠部材よりなる気液分離手段が設けら
れている。また、中空箱体50の底板53の下面には、
全ての減圧孔57に連通するマニホールド58が着脱可
能に取付けられ、マニホールド58の中央下面に吸気管
59が接続され、この吸気管59が前記吸気集合管39
に接続されている。
【0031】なお、前記フラップ弁55にも排水量検出
手段を設けることができる。図9乃至図11に示すよう
に、前記ホッパー7は、上下が開放された平面視長方形
状を呈し、そのシート幅方向両側の側壁下端及びシート
進行方向下流側の後壁下端に、漏水防止用のゴム製スカ
ート板60,61が取り付けられている。ホッパー7の
シート移動方向上流側の前壁下端には、スラリーの供給
厚さを特定するゲート部材62が設けられている。この
ゲート部材62は、ホッパー7の前壁両側に設けた昇降
駆動手段63を介して上下動可能に装着された取付部材
64の下端に設けられていて、取付部材64に設けたタ
ーンバックル65によって出側縁62Aが上下揺動自在
となっている。
【0032】ゲート部材62の出側縁62Aは、シート
幅方向中央部が両端部よりもシート移動方向下流側に突
出するよう緩やかに湾曲しており、これにより、スラリ
ーがゲート部材62からシート幅方向全幅にわたって均
一な厚さで送り出せるようにしてある。すなわち、ホッ
パー7内のスラリーはその側壁内面との摩擦によって、
元来シート幅方向両側の方が中央部よりも流出しにくく
なっている。そこで、ゲート部材62の中央部でのスラ
リーの流出抵抗を大きくすることによって、ゲート部材
62全域においてスラリーの流出抵抗を均等にし、これ
によってスラリーの供給厚を均一にするものである。
【0033】次に、上記実施例の作用について説明す
る。セメント、水、骨材、強化繊維等を一定配合で練り
混ぜてなるスラリーは図外のシュートから投入されてホ
ッパー7に滞留するが、このホッパー7内のスラリー
は、シート4とゲート部材62の間から上流側へ流れ出
し、ゲート部材62によってその厚さが規制されながら
上流側へ進行するシート4上に供給される。
【0034】このさい、ホッパー7の直下でかつシート
の下面側に設けた固定型サクションボックス1がホッパ
ー7に滞留しているスラリーを下方へ減圧脱水するの
で、供給直後のスラリーは既に脱水がある程度済んでお
り、配合時よりも硬く変形しにくくなっている。従っ
て、その後、補助サクションボックス1Aや平面位置に
よって吸水効果に差のある可動サクションボックス5群
にかけても、スラリー厚に余り変化が生じるのが確実に
防止される。また、シート4に振動が生じたような場合
も同様である。
【0035】また、ホッパー内に滞留しているスラリー
をシートの下方へ脱水すると、強化繊維がシート側に引
っ張られるため、比重の低い強化繊維でも確実にシート
の近傍に集めることができる。従って、例えば図12に
示すように、強化繊維FをスラリーSの厚さ方向一方へ
偏らせることができる。すなわち、サクションボックス
1で脱水されてゲート部材62から送り出されるスラリ
ーSは、これに混入された補強繊維Fがシート4に接す
る側(生板の裏面側)に集まってゲート部材62との摩
擦力によってシート進行方向に配列され、製品の曲げ強
度を増大できる。
【0036】また、生板の上面側には補強繊維Fの密度
が少なくなるため、後工程における模様付けプレス加工
が容易となり、プレスの際のクラック発生も防止できて
仕上がりが良くなるという利点もある。一方、シート4
は、ホッパー4からスラリーが供給される際に固定型サ
クションボックスの上面に接触しながら進行し、図8
(b)に示すように、天板22の上面(接触面)に設け
た水切り溝24によって下面がしごかれ、これによって
セメント分を含有する水分が下方へ絞り出されるととも
に、シート進行方向のたるみが矯正される。
【0037】また、水切り溝24内に吸水孔26を設け
ているので、進行するシート4の下面側がシート幅方向
に延びる水切り溝24を介して減圧され、シート下面全
域が均等に減圧される。すなわち、吸水孔26がシート
4下面に直接当たる場合、吸水孔26を設けてない位置
での減圧効果が下がることになるが、シート幅方向に延
びる水切り溝24を介して減圧するとシート幅方向で減
圧度が均一になり、これに加えてシート4自体がその長
手方向に進行するので、シート4の下面全域が均等に減
圧されることになる。
【0038】なお、本実施例では、最下流側の水切り溝
25がシート幅方向中央部が同方向両側部よりもシート
移動方向上流側に変位しているので、シート4が固定型
サクションボックス1に接触して進行する際に、ボック
ス1から受ける摩擦力がシート幅方向両側に作用してシ
ートが同方向両側へ引っ張られ、これによってシート4
の幅方向のたるみが矯正される。
【0039】次に、スラリーから脱水された水分は、吸
引ブロア41による吸引によって天板22の吸水孔26
と可動板23の開孔46を経て中空箱体21内に取り込
まれる。このとき、中空箱体21内は、吸気孔37と仕
切り板44によって減圧が均一になり、シート4の下面
は天板22の各条溝24の角部24A(図8b参照)で
しごかれて水切りされ効率よくかつ均一に脱水される。
また、吸水孔26の開度を調節することによってスラリ
ーの脱水量を変更したいときは、可動板23を調節棒4
8を回動してシート4の幅方向に移動させればよい。
【0040】また、中空箱体21内では、吸引された水
分と空気が気液分離手段28Aによって分離されるの
で、空気のみが吸引ブロア41に再度供給され、吸引ブ
ロア41の故障の原因となるセメント含有水分は、底板
28上面を排水集合管29に向かって流れ、排水管32
からフラップ弁42を経て外部に排泄される。なお、サ
クションボックス1を通過したスラリーは、補助サクシ
ョンボックス1Aにおいてさらに脱水され、続いて可動
サクションボックス5により脱水される。
【0041】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、図13に示すように、固定型サク
ションボックス1の代わりにシート4を下から支持する
減圧機能を有しない吸水孔61付きの支持板60を設
け、この支持板60の上面に吸水孔26付きの水切り溝
24を設けてもよい。この場合、支持板60は減圧機能
を有しないので水切り溝24によるしごき作用は上記サ
クションボックス1の場合よりも劣るが、スラリーのヘ
ッド高さHによる圧力でシート4が支持板60に押し付
けられるので、そのヘッド圧に応じた水切り溝24のし
ごき作用を得ることができる。
【0042】また、この場合、ホッパー7にエアコンプ
レッサ等よりなる加圧手段62を接続し、この加圧手段
62でホッパー7内を加圧してスラリーをシート4上面
に押し付け、これによって水切り溝24のしごき作用を
促進できる。更に、上記実施例ではフローオン方式の生
板製造装置の場合の本発明の適用例を示したが、本発明
はこの方式に限らず、抄造シートに付着させたスラリー
をメイキングロールに巻き付けて生板を形成する抄造法
(例えば、特公平1−30605号等)にも採用するこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水切り溝24がそのエッジによってシート4の下面をし
ごき、これによってセメント分を含有する水分が下方へ
絞り出されるので、当該水分がシート4に残留すること
によって生じるシート4の目詰まりが未然に防止でき、
シート4全面において均一な脱水効果が確保され、ひい
ては製品としての建築要素の不良品発生を防止できる。
また、上記しごき作用によってシート進行方向のたるみ
も矯正されるため、スラリーの供給厚を一定できてシー
ト進行方向における生板の厚さを均一にできる。
【0044】また、請求項2に記載の発明によれば、長
手方向に進行するシート4の下面側がシート幅方向に延
びる水切り溝24を介して減圧され、これによってシー
ト4下面全域が確実に減圧されるので、スラリーをその
全域において均一に脱水できる。さらに、請求項3に記
載の発明によれば、シート幅方向両側に作用してシート
4がその幅方向両側へ引っ張られ、これによってシート
4の幅方向のたるみが矯正されるので、シート幅方向に
おける生板の厚さも均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定型サクションボックスの断面図(図5のA
−A線断面図)である。
【図2】生板製造装置の全体側面図である。
【図3】生板製造装置の後部(下流側)の側面図であ
る。
【図4】図3の上平面図である。
【図5】固定型サクションボックスの一部破断平面図で
ある。
【図6】図5の右側面拡大図である。
【図7】フラップ弁を示し、(a)はその正面図、
(b)はその右側面図である。
【図8】天板の断面拡大図で、(a)は図5のC−C線
断面、(b)は同図(a)のD−D線断面図である。
【図9】ホッパーの平面図である。
【図10】ホッパーの側面図である。
【図11】図9のE−E線断面拡大図である。
【図12】強化繊維の偏在を示すスラリーの断面図であ
る。
【図13】固定型サクションボックス以外の脱水手段
(支持板)を示す側面図である。
【符号の説明】
1 固定型サクションボックス 4 シート 24 水切り溝 26 吸水孔

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に進行する透水性を有するシー
    ト(4)との接触面に、シート幅方向に延びる水切り溝
    (24)が設けられていることを特徴とする固定型サク
    ションボックス。
  2. 【請求項2】 水切り溝(24)内に、シート(4)上
    に供給されるスラリーの水分を吸引するための吸水孔
    (26)が設けられている請求項1に記載の固定型サク
    ションボックス。
  3. 【請求項3】 水切り溝(24)は、シート幅方向中央
    部が同方向両側部よりもシート移動方向上流側に変位す
    るように形成されている請求項1又は2に記載の固定型
    サクションボックス。
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