JP2732098B2 - 侵食防止・堆砂促進装置とその施工方法 - Google Patents

侵食防止・堆砂促進装置とその施工方法

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JP2732098B2 JP63309105A JP30910588A JP2732098B2 JP 2732098 B2 JP2732098 B2 JP 2732098B2 JP 63309105 A JP63309105 A JP 63309105A JP 30910588 A JP30910588 A JP 30910588A JP 2732098 B2 JP2732098 B2 JP 2732098B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、海浜や構造物の周囲の土砂の侵食を防止
し、堆砂を促進させるための侵食防止・堆砂促進装置と
その施工方法に拘わり、特に、適当な空隙を有するプラ
スチック繊維を侵食防止・堆砂促進装置本体に採用し、
軽量な上、簡便に海浜に固定することのできる、海岸侵
食対策に最適な侵食防止・堆砂促進装置に関するもので
ある。
「従来の技術」 海岸には種々の海水の流れが存在しているが、波浪に
よって海浜流系統の流れが存在することが知られてい
る。この海浜流と波浪により主として海浜の漂砂が生じ
ている。即ち、海岸に波が入射されると、波によって底
質が巻き上げられ前後に移動すると共に、海浜流によつ
て輸送される。また、ダムの建設、河道の整備等による
砂利採取等が行われると、供給土砂量が減少し、汀線が
後退してしまうという問題があった。そこで、盛土又は
護岸をコンクリートやアスファルトで覆う堤防・護岸工
事や、海岸に直交する方向に異形消波ブロックや矢板を
敷設し、沿岸漂砂を止める防砂突堤や、海岸に平行に異
形消波ブロック等を積み上げて構成された離岸堤や、海
面下に消波ブロックや捨石等を載置した潜堤や、人工的
に砂を補強する養浜等の侵食対策が施されていた。更
に、砂浜に直接ブロック等を敷設する緩傾斜堤等が提案
されていた。
また、海洋構造物の周辺も、波浪により局所洗掘が進
行する問題があり、これらの洗掘を防止するために捨石
等が構造物近傍に載置されていた。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら上記従来型の侵食対策は大工事となり、
コストがかかる上、工期が比較的長期間となるという問
題点があった。更に敷設工事を行う際には、矢板列を打
設する必要があるが、波浪下では容易でないという問題
点があった。そして従来の侵食対策用の構造物は、局所
洗掘が生じたり、大きな地形変化が生じてしまう場合が
あるという問題点があった。また、沖合に離岸堤等を建
設すると、景観を著しく損なうという問題点があった。
更に第8図(a)の様に、捨石30を海底面に乱積した
場合には、波浪による流れで捨石30近傍が洗掘され、こ
の捨石30の自重により沈下して埋没してしまうという問
題点があった。
また漂砂は、海浜流のみならず底質の粒径にも依存す
ることが知られているが、上述した侵食対策は、底質の
粒径を考慮した対策を施すことができなかった。特に、
粒径の細かいシルトの港湾堆砂を防止するには、従来の
海洋構造物を採用するのみでは極めて実現が困難であっ
た。
「課題を解決するための手段」 本発明は上記課題に鑑み案出されたもので、波浪によ
る海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進するための侵
食防止・堆砂促進装置において、空隙を有する繊維素材
からなる複数の板部材と、この板部材に形成され、杭部
材を貫通させるための複数の貫通穴とからなっており、
前記積層された板部材のそれぞれの奇数段が鉛直方向に
同位置に配置され、該板部材のそれぞれの偶数段が鉛直
方向に同位置に配置されており、前記板部材に形成され
た貫通穴が、それぞれ鉛直方向に同位置になる様に穿設
されていることを特徴としている。
また本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による構造物の周辺の土砂の侵食を防止するも
のであり、侵食防止・堆砂促進装置本体を該構造物近傍
の海底面に載置する構成にすることもできる。
更に本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
して、汀線の後退を防止するものであり、侵食防止・堆
砂促進装置本体を砕波体内及びその近傍に載置する構成
にすることもできる。
そして本発明の侵食防止・堆砂促進装置の施工方法
は、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
するための侵食防止・堆砂促進装置を海浜部に施工する
ための施工方法において、空隙を有する繊維素材からな
る侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に設置する第1
工程と、この侵食防止・堆砂促進装置本体に形成された
貫通穴に中空パイプ部材を貫通させ、ウォータジェット
により該中空パイプを海浜面に打ち込むことにより、前
記侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に固定させる第
2工程とから構成されている。
また本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食を防止
し、堆砂を促進するための侵食防止・堆砂促進装置の施
工方法において、空隙を有する繊維素材から構成され、
複数の貫通穴が形成された板部材を用意し、該板部材の
それぞれの奇数段が鉛直方向に同位置になる様に配置す
ると共に、前記板部材のそれぞれの偶数段が鉛直方向に
同位置になる様に積層する第1工程と、該積層された板
部材に形成され、それぞれの鉛直方向に同位置になる様
に穿設された貫通穴に杭部材を貫通させ、該杭部材を海
浜に打ち込むことにより、積層された板部材を海浜に固
定する第2工程とから構成されている。
「作用」 以上の様に構成された本発明は、波浪による海浜の土
砂の侵食を防止し、堆砂を促進するための侵食防止・堆
砂促進装置において、空隙を有する繊維素材から複数の
板部材に、杭部材を貫通させるための複数の貫通穴を形
成し、積層された板部材のそれぞれの奇数段を鉛直方向
に同位置に配置し、該板部材のそれぞれの偶数段を鉛直
方向に同位置に配置し、板部材に形成された貫通穴を、
それぞれ鉛直方向に同位置になる様に穿設している。
また本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による構造物の周辺の土砂の侵食を防止するも
のであり、侵食防止・堆砂促進装置本体を構造物近傍の
海底面に載置することもできる。
更に本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
して、汀線の後退を防止するものであり、侵食防止・堆
砂促進装置本体を砕波体内及びその近傍に載置すること
もできる。
そして本発明の侵食防止・堆砂促進装置の施工方法
は、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
するための侵食防止・堆砂促進装置を海浜部に施工する
ための施工方法であって、空隙を有する繊維素材からな
る侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に設置し、この
侵食防止・堆砂促進装置本体に形成された貫通穴に中空
パイプ部材を貫通させ、ウォータジェットにより中空パ
イプを海浜面に打ち込み、侵食防止・堆砂促進装置本体
を海浜面に固定させることができる。
また本発明は、空隙を有する繊維素材から構成され、
複数の貫通穴が形成された板部材を用意し、板部材のそ
れぞれの奇数段を鉛直方向に同位置になる様に配置する
と共に、板部材のそれぞれの偶数段を鉛直方向に同位置
になる様に積層し、積層された板部材に形成され、それ
ぞれの鉛直方向に同位置になる様に穿設された貫通穴に
杭部材を貫通させ、杭部材を海浜に打ち込むことによ
り、積層された板部材を海浜に固定することができる。
「実施例」 本発明の実施例を図面に基ずいて説明する。第1図は
海浜の波打帯近傍に載置された侵食防止・堆砂促進装置
本体1を示すものである。侵食防止・堆砂促進装置本体
1は、空隙を有する繊維素材から構成されており、鉛直
方向に貫通穴2、2・・・が形成されている。この繊維
素材は、プラスチック等の合成樹脂から構成されてお
り、この合成樹脂を層状に束ねて接着した繊維網状体と
なっている。繊維素材は、FRP、FRM等であってもよい
が、塩分に侵されることなく、軽量で安価な材料が望ま
しい。貫通穴2、2・・・は、鉄杭3を挿通させるため
のものである。鉄杭3は、貫通穴2を挿通させると共
に、上方から打ち込むことにより、侵食防止・堆砂促進
装置本体1を海浜面10に固定するものである。第2図に
示す様に鉄杭3の頭は、侵食防止・堆砂促進装置本体1
内に没する様な構成にすることが望ましい。なぜならば
潮が引いている時に、人間が侵食防止・堆砂促進装置本
体1上を歩行しても、足を傷つける等の心配がないから
である。以上の様に構成された本実施例は、海浜で移動
する砂礫等を侵食防止・堆砂促進装置本体1の繊維素材
で捕捉することができ、海浜部に砂を堆砂させることが
できるという効果がある。即ち、水流、波浪のエネルギ
ーを空隙を有する繊維素材で吸収し、底質の移動、流出
を防止すると共に、侵食防止・堆砂促進装置本体1内に
取り込んだ砂等の再度の流出を防止して堆砂を促進させ
ることができる。なお本実施例の固定手段には鉄杭3を
使用しているので、海底面が、礫や岩でも容易に打設す
ることができる。なお、侵食防止・堆砂促進装置本体1
を保持するための枠部材を使用してもよい。この枠部材
は、侵食防止・堆砂促進装置本体1の外部に構成した支
持枠部材であってもよく、侵食防止・堆砂促進装置本体
1内に構成した骨組み部材であってもよい。この枠部材
は、軽量で強靭な材料が好ましいが何れの材料を採用す
ることもできる。また、本実施例を適用する海浜の砂等
の粒径に合わせて、繊維素材のメッシュを変化させ、堆
砂効率のよい侵食防止・堆砂促進装置を提供することが
できる。第3図は、ウォータジェットによる侵食防止・
堆砂促進装置本体1の固定方法を説明する図である。侵
食防止・堆砂促進装置本体1を砂地の海浜面10に載置
し、貫通穴2に中空パイプ部材を挿通した後、上方から
ウォータジェットを圧送することにより、海浜面10に中
空パイプ4を打ち込み、侵食防止・堆砂促進装置本体1
を海浜面10に固定することができる。このウォータジェ
ットによる侵食防止・堆砂促進装置本体1の施工方法
は、極めて作業能率がよいという効果がある。そして、
侵食防止・堆砂促進装置を撤去する場合には、再び上方
からウォータジェットを圧送すれば、容易に中空パイプ
を引き抜くことができるという効果がある。
第4図(a)に示す様に、海浜面10に侵食防止・堆砂
促進装置本体1を連続して設置することができ、侵食防
止・堆砂促進装置本体1が、砂礫を捕捉していくと、第
4図(b)の様に、海浜面10に砂礫が堆積する様にな
る。
次に、繊維素材からなる板部材を複数積層し、侵食防
止・堆砂促進装置本体1を形成する変形例を説明する。
即ち、上述した侵食防止・堆砂促進装置本体1からなる
板部材を複数積層し、侵食防止・堆砂促進装置を形成す
るものである。この侵食防止・堆砂促進装置本体1に
は、8個の貫通穴2、2・・が形成されており、この貫
通穴2、2・・・の横方向の穿設間隔が等しく構成され
ている。この侵食防止・堆砂促進装置本体1を、海浜面
10から数えて奇数段を鉛直上の位置がそれぞれ同一とな
ると共に、偶数段の鉛直上の位置もそれぞれ同一となる
様に、奇数段、偶数段を互いにずらして積層する。ま
た、侵食防止・堆砂促進装置本体1の貫通穴2、2・・
の横方向の穿設間隔が等しくなっているので、最上段の
侵食防止・堆砂促進装置本体1に形成された貫通穴2、
2・・・は、海浜面10まで連通している。従って、最上
段の侵食防止・堆砂促進装置本体1の貫通穴2、2・・
・から、鉄杭3等を挿通し、上方から打ち込めば、積層
された侵食防止・堆砂促進装置本体1を海浜面10に積層
することができる。この様に構成された変形例は、侵食
防止・堆砂促進装置本体1を積層することにより、所望
の形状に設置することができる上、積層段数を調整する
ことにより、高さを自由に設定することができるという
効果がある。また、侵食防止・堆砂促進装置本体1を比
較的小型、軽量にすることができるので、運搬、施工も
容易であるという効果がある。更に、規格化された侵食
防止・堆砂促進装置本体1を使用すれば、建設コストを
下げることができるという効果もある。なお、沖合方向
に向かって複数列敷設することができ、奇数列と偶数列
で互いにずらして敷設することが望ましい。
第6図は、ネット部材5による侵食防止・堆砂促進装
置本体1を固定する変形例を説明する図である。第6図
(a)に示す様に、海浜面10上に侵食防止・堆砂促進装
置本体1、1・・を載置し、この侵食防止・堆砂促進装
置本体1、1・・をネット部材5で覆った後、第6図
(b)示す様に、鉄杭3、3・・等でネット部材5を海
浜面10に固定するものである。本変形例では、侵食防止
・堆砂促進装置本体1、1・・を複数配置したが、1個
ずつネット部材5をかぶせて海浜面に固定することもで
きる。この様に構成された変形例は、侵食防止・堆砂促
進装置の撤去が極めて容易なので、応急対策に最適であ
る。
第7図は、波浪による構造物の周辺の土砂の侵食を防
止し、堆砂を促進させる侵食防止・堆砂促進装置を説明
する図である。6は岸壁であって、この岸壁の底面部に
は、矢板7が打ち込まれている。この岸壁6に波浪が入
射すると、岸壁6の周囲が侵食洗掘され、岸壁6が倒壊
する可能性がある。そこで、岸壁6等の構造物の近傍が
侵食洗掘されていることが判明した場合には、何等かの
対応措置を講ずる必要がある。本実施例では、岸壁6近
傍の侵食洗掘が進行している場所に、繊維素材からなる
侵食防止・堆砂促進装置本体1を載置し、鉄杭3、3・
・で海底部に固定することにより、侵食防止・堆砂促進
装置本体1に砂礫が捕捉、堆積し、岸壁6近傍の侵食洗
掘が停止して岸壁6の倒壊を防止することができる。な
お、構造物は岸壁6に限ることなく、海洋構造物等何れ
の構造物にも応用することができる。
第8図は、構造物周辺の土砂の侵食を防止し、堆砂を
促進する侵食防止・堆砂促進装置の変形例である。この
侵食防止・堆砂促進装置は、曲率付き侵食防止・堆砂促
進装置本体8と、ワイヤ部材9と、連結部材91とからな
っている。この曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本体8
は、適宜な曲率が施されており、鉄柱20に巻き付けが可
能になっている。そして、曲率付き侵食防止・堆砂促進
装置本体8には、ワイヤ部材9を挿通させるための挿通
穴81、81が形成されている。従って、鉄柱20に曲率付き
侵食防止・堆砂促進装置本体8を巻き付け、海底部に載
置させる。この際、曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本
体8の挿通穴81に挿通されたワイヤ部材9の両端部を連
結部材91で連結することにより、曲率付き侵食防止・堆
砂促進装置本体8を鉄柱20に固定することができる。な
お、曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本体8は、鉄柱20
に巻き付け易い様に可とう性材料から構成することが望
ましい。更に、曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本体8
に挿通穴81、81・・を形成せず、単にワイヤ部材9等で
曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本体8を縛り付けるこ
とにより、鉄柱20に固定することも可能である。この様
に構成された変形例は、局所的流速が遅くなり、更に反
射波の影響も少なくなるので、鉄柱20等の周囲の土砂の
侵食を防止し、堆砂を促進させることができる。なお本
変形例は、構造物に鉄杭20を適用した場合で説明した
が、如何なる海洋構造物に応用することもできる。
第9図は、海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進し
て、汀線の後退を防止する侵食防止・堆砂促進装置の実
施例を示すものである。漂砂が沖合に移動することを防
止するため、砕波帯内及びその近傍又は砕波点から沖合
に、第9図(a)に示す様な捨石30からなる小型潜堤を
建設することが考えられる。しかしながら、捨石30の前
後の局所流により底質が侵食洗掘され、侵食が進行する
と捨石30の自重により沈下し、第9図(b)に示す様
に、捨石30全体が埋没してしまうという問題があった。
そこで、この捨石30の代わりに、繊維素材からなる侵食
防止・堆砂促進装置本体1を採用することができる。即
ち、侵食防止・堆砂促進装置本体1を海底面に載置し、
鉄杭3、3・・等の固定手段により海底面に固定すれ
ば、破砕帯内から沖合に移動する漂砂を侵食防止・堆砂
促進装置本体1に捕捉し、堆砂させることができる。侵
食防止・堆砂促進装置本体1は、空隙を有する繊維素材
から構成されているので、流水を通過させることがで
き、場を乱さずに漂砂を捕捉することができるという効
果がある。更に、効率よく流れのエネルギを吸収するこ
とができるので、漂砂が溜り易い環境を生み出す効果が
ある。ここで本明細書における砕波帯内及びその近傍と
は、砕波点近傍から沖合の範囲を含むものである。
なお本明細書において海浜とは、陸上の砂浜から、波
やこれに伴う流れにより、砂礫等が移動する限界までの
水深を有する範囲近傍を言うものである。
「効果」 以上の様に構成された本発明は、波浪による海浜の土
砂の侵食を防止し、堆砂を促進するための侵食防止・堆
砂促進装置において、空隙を有する繊維素材からなる複
数の板部材と、この板部材に形成され、杭部材を貫通さ
せるための複数の貫通穴とからなっており、前記積層さ
れた板部材のそれぞれの奇数段が鉛直方向に同位置に配
置され、該板部材のそれぞれの偶数段が鉛直方向に同位
置に配置されており、前記板部材に形成された貫通穴
が、それぞれ鉛直方向に同位置になる様に穿設されてい
るので、海浜面に簡便に固定することができる上、所望
の形状に設置することができる上、積層段数を調整する
ことができるという効果がある。更に、比較的小型軽量
にすることができるので、運搬、施工が容易となるとい
う卓越した効果がある。
また本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による構造物の周辺の土砂の侵食を防止するも
のであり、侵食防止・堆砂促進装置本体を該構造物近傍
の海底面に載置する構成にすれば、波浪による構造物の
周辺の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進させることがで
きるという効果がある。
更に本発明は、波浪による海浜の土砂の侵食の防止
が、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
して、汀線の後退を防止するものであり、侵食防止・堆
砂促進装置本体を砕波体内及びその近傍に載置する構成
にすれば、汀線の後退を防止することができるという卓
越した効果がある。そして、この場合には、捨石等によ
る地盤改良工事を必要としないので、コストが安いと共
に、工期が短くなるという効果がある。
そして本発明の侵食防止・堆砂促進装置の施工方法
は、波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進
するための侵食防止・堆砂促進装置を海浜部に施工する
ための施工方法において、空隙を有する繊維素材からな
る侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に設置する第1
工程と、この侵食防止・堆砂促進装置本体に形成された
貫通穴に中空パイプ部材を貫通させ、ウォータジェット
により該中空パイプを海浜面に打ち込むことにより、前
記侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に固定させる第
2工程とからなるので、固定が容易であるだけでなく、
撤去も容易なので、応急対策を施す場合に最適である。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例を示すもので、第1図は本実施例の
侵食防止・堆砂促進装置本体を示す斜視図であり、第2
図は海浜面に侵食防止・堆砂促進装置本体を固定した状
態を示す図、第3図はウォータジェットにより侵食防止
・堆砂促進装置本体を海浜面に固定する方法を示す図、
第4図は侵食防止・堆砂促進装置により砂が堆積する状
況を示す図、第5図は板部材を積層して構成した侵食防
止・堆砂促進装置を説明する斜視図、第6図はネット部
材により侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に固定す
る実施例を示す図、第7図は岸壁の周囲に侵食防止・堆
砂促進装置を応用した場合を説明する図、第8図は鉄杭
に侵食防止・堆砂促進装置本体を巻き付けるタイプの実
施例を説明する図であり、第9図は砕波帯内及びその近
傍に侵食防止・堆砂促進装置を設置して、汀線の後退を
防止する実施例を説明する図である。 1……侵食防止・堆砂促進装置本体 2……貫通穴 3……鉄杭 4……中空パイプ部材 5……ネット部材 8……曲率付き侵食防止・堆砂促進装置本体 81……貫通穴 9……ワイヤ部材 91……連結部材 10……海浜面

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆
    砂を促進するための侵食防止・堆砂促進装置において、
    空隙を有する繊維素材からなる複数の板部材と、この板
    部材に形成され、杭部材を貫通させるための複数の貫通
    穴とからなっており、前記積層された板部材のそれぞれ
    の奇数段が鉛直方向に同位置に配置され、該板部材のそ
    れぞれの偶数段が鉛直方向に同位置に配置されており、
    前記板部材に形成された貫通穴が、それぞれ鉛直方向に
    同位置になる様に穿設されていることを特徴とする侵食
    防止・堆砂促進装置。
  2. 【請求項2】波浪による海浜の土砂の侵食の防止が、波
    浪による構造物の周辺の土砂の侵食を防止するものであ
    り、侵食防止・堆砂促進装置本体を該構造物近傍の海底
    面に載置する請求項1記載の侵食防止・堆砂促進装置。
  3. 【請求項3】波浪による海浜の土砂の侵食の防止が、波
    浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆砂を促進して、
    汀線の後退を防止するものであり、侵食防止・堆砂促進
    装置本体を砕波体内及びその近傍に載置する請求項1記
    載の侵食防止・堆砂促進装置。
  4. 【請求項4】波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆
    砂を促進するための侵食防止・堆砂促進装置を海浜部に
    施工するための施工方法において、空隙を有する繊維素
    材からなる侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に設置
    する第1工程と、この侵食防止・堆砂促進装置本体に形
    成された貫通穴に中空パイプ部材を貫通させ、ウォータ
    ジェットにより該中空パイプを海浜面に打ち込むことに
    より、前記侵食防止・堆砂促進装置本体を海浜面に固定
    させる第2工程とからなることを特徴とする侵食防止・
    堆砂促進装置の施工方法。
  5. 【請求項5】波浪による海浜の土砂の侵食を防止し、堆
    砂を促進するための侵食防止・堆砂促進装置の施工方法
    において、空隙を有する繊維素材から構成され、複数の
    貫通穴が形成された板部材を用意し、該板部材のそれぞ
    れの奇数段が鉛直方向に同位置になる様に配置すると共
    に、前記板部材のそれぞれの偶数段が鉛直方向に同位置
    になる様に積層する第1工程と、該積層された板部材に
    形成され、それぞれの鉛直方向に同位置になる様に穿設
    された貫通穴に杭部材を貫通させ、該杭部材を海浜に打
    ち込むことにより、積層された板部材を海浜に固定する
    第2工程とからなることを特徴とする侵食防止・堆砂促
    進装置の施工方法。
JP63309105A 1988-12-07 1988-12-07 侵食防止・堆砂促進装置とその施工方法 Expired - Fee Related JP2732098B2 (ja)

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