JP2731857B2 - 成形弾用合金及びその製造方法 - Google Patents
成形弾用合金及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば防護物を侵徹する成形弾用ライナに
有用な合金及びその製造方法に関するものである。
有用な合金及びその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 成形弾用ライナには純銅(無酸素銅)が、一般的に使
用されているが、このライナの製造方法としては、鍛造
法、機械加工法、電析法などがある。
用されているが、このライナの製造方法としては、鍛造
法、機械加工法、電析法などがある。
ところで、この成形弾用ライナに要求される特性は、
密度が高いこと、ジェットの伸びが大きいことであ
り、この要求を比較的満足する材料としては前記した純
銅の他、金、タンタルなどが知られている。
密度が高いこと、ジェットの伸びが大きいことであ
り、この要求を比較的満足する材料としては前記した純
銅の他、金、タンタルなどが知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら金やタンタルは高価であるため実用化さ
れておらず、純銅より特性の優れた合金の開発が望まれ
ていた。
れておらず、純銅より特性の優れた合金の開発が望まれ
ていた。
本発明は上記実情に鑑みて成されたものであり、銅よ
りも密度、伸びの大きい合金、換言すれば、防護物の侵
徹長の大きい合金及びその製造方法を提供することを目
的としている。
りも密度、伸びの大きい合金、換言すれば、防護物の侵
徹長の大きい合金及びその製造方法を提供することを目
的としている。
(課題を解決するための手段) タングステン(W)と銅(Cu)は液相あるいは固相状
態で相互に固溶しないため、鋳造法、鍛造法では製造困
難である。しかしながら、粉末冶金法で、W粉末の骨格
を形成させた後に焼結して銅溶浸することにより製造可
能である。
態で相互に固溶しないため、鋳造法、鍛造法では製造困
難である。しかしながら、粉末冶金法で、W粉末の骨格
を形成させた後に焼結して銅溶浸することにより製造可
能である。
この粉末冶金法で製造したW−Cu合金は古くから電気
接点材料として使用されており、この合金の電気抵抗、
耐摩耗特性等は既に知られている。
接点材料として使用されており、この合金の電気抵抗、
耐摩耗特性等は既に知られている。
しかしながら、W−Cu合金の成形弾ライナへの適用は
なされておらず、その性能(侵徹)も知られていない。
なされておらず、その性能(侵徹)も知られていない。
そこで本発明者は、侵徹長にすぐれたW−Cuあるいは
W−Cu−Ni(ニッケル)合金を開発するため、W粉末及
びNi粉末の粒度、W−CuあるいはW−Cu−Ni合金組成等
につき、種々検討を加えた結果、以下のような本発明を
成立させたのである。
W−Cu−Ni(ニッケル)合金を開発するため、W粉末及
びNi粉末の粒度、W−CuあるいはW−Cu−Ni合金組成等
につき、種々検討を加えた結果、以下のような本発明を
成立させたのである。
すなわち第1の本発明は、2〜25μmの粒度のタング
ステンを60〜85重量%含有し、残部が銅あるいは銅合金
からなることを要旨とする成形弾用合金である。
ステンを60〜85重量%含有し、残部が銅あるいは銅合金
からなることを要旨とする成形弾用合金である。
又第2の本発明は、2〜25μmの粒度のタングステン
を60〜85重量%、1〜10μmの粒度のニッケルを2.0重
量%以下含有し、残部が銅あるいは銅合金からなること
を要旨とする成形弾用合金である。
を60〜85重量%、1〜10μmの粒度のニッケルを2.0重
量%以下含有し、残部が銅あるいは銅合金からなること
を要旨とする成形弾用合金である。
更に第3の本発明は、2〜25μmの粒度のタングステ
ン粉末、あるいはこのタングステン粉末と1〜10μm粒
度のニッケル粉末の混合粉末を圧縮あるいは焼結した成
形体に銅あるいは銅合金を溶浸させることを要旨とする
前記第1又は第2の本発明に係る成形弾用合金の製造方
法である。
ン粉末、あるいはこのタングステン粉末と1〜10μm粒
度のニッケル粉末の混合粉末を圧縮あるいは焼結した成
形体に銅あるいは銅合金を溶浸させることを要旨とする
前記第1又は第2の本発明に係る成形弾用合金の製造方
法である。
(作用) 先ず本発明の組成の配合割合の限定理由について説明
する。
する。
合金組成は、Wが60〜85重量%、又Niを含有する場合
にはNiが2.0重量%以下、残部がCuあるいはCu合金であ
る。
にはNiが2.0重量%以下、残部がCuあるいはCu合金であ
る。
W含有量が60重量%未満では侵徹長におよぼす効果が
小さく、85重量%を超えるとジェットの伸びが低下し、
ジェットがばらけてやはり侵徹長が低下するからである
(第1図参照)。
小さく、85重量%を超えるとジェットの伸びが低下し、
ジェットがばらけてやはり侵徹長が低下するからである
(第1図参照)。
NiはW粉末の焼結を促進させ、Cuを溶浸するときの骨
格の強度を確保するため必要により添加するものである
が、2.0重量%を超えて添加しても焼結促進効果が飽和
してしまい、かつCu溶浸時に偏析が生じるため、添加量
は2.0重量%以下とする。なお、Ni含有量が0.05重量%
未満では効果が小さい。
格の強度を確保するため必要により添加するものである
が、2.0重量%を超えて添加しても焼結促進効果が飽和
してしまい、かつCu溶浸時に偏析が生じるため、添加量
は2.0重量%以下とする。なお、Ni含有量が0.05重量%
未満では効果が小さい。
次に本発明合金組成の粒度の限定理由及び製造方法に
ついて詳細に述べる。
ついて詳細に述べる。
粒度2〜25μmのW粉末に必要に応じて粒度1〜10μ
mのNi粉末をV型ミキサーで混合する。W粉末粒度が2
μm未満では、Cuの溶浸温度で焼結が著しく進行するた
め、冷間静水圧プレス(CIP)した成形体の形状維持が
困難となる。また、W粉末粒度が25μmを超えるとジェ
ットの伸びが低下する(第2図参照)。またNi粉末の粒
度が1μm未満となると粉末の取扱いが困難となり、ま
た10μmを超えるとWの焼結促進効果がなくなる。従っ
て、本発明ではW粉末の粒度は2〜25μm、Ni粉末の粒
度は1〜10μmとしている。
mのNi粉末をV型ミキサーで混合する。W粉末粒度が2
μm未満では、Cuの溶浸温度で焼結が著しく進行するた
め、冷間静水圧プレス(CIP)した成形体の形状維持が
困難となる。また、W粉末粒度が25μmを超えるとジェ
ットの伸びが低下する(第2図参照)。またNi粉末の粒
度が1μm未満となると粉末の取扱いが困難となり、ま
た10μmを超えるとWの焼結促進効果がなくなる。従っ
て、本発明ではW粉末の粒度は2〜25μm、Ni粉末の粒
度は1〜10μmとしている。
W粉末あるいはW−Ni混合粉末にバインダーを添加し
た後、ライナ形状のゴム型に充填し、CIP成形をする。
た後、ライナ形状のゴム型に充填し、CIP成形をする。
ところで、バインダーは粉末冶金に一般に用いられて
いるワックス、セルロース等が適用できる。また、W−
Cu合金の組成はCIPの成形体のW密度によって一義的に
決定されるため、CIPの成形圧力の選定は重要である。
すなわち、W粉末粒度によっても変化するが、本発明者
の実験ではWが60〜85重量%の組成を得るための最適CI
P成形圧力は500〜2000kgf/cm2であるが、さらに高圧力
で成形する場合には、W粉末にあらかじめCu粉末を混合
して充填し、成形すれば所定の組成が得られる。
いるワックス、セルロース等が適用できる。また、W−
Cu合金の組成はCIPの成形体のW密度によって一義的に
決定されるため、CIPの成形圧力の選定は重要である。
すなわち、W粉末粒度によっても変化するが、本発明者
の実験ではWが60〜85重量%の組成を得るための最適CI
P成形圧力は500〜2000kgf/cm2であるが、さらに高圧力
で成形する場合には、W粉末にあらかじめCu粉末を混合
して充填し、成形すれば所定の組成が得られる。
前記した方法で成形した成形体、あるいは成形体を脱
ろうし、焼結した焼結体の上部にCuの円板を載せ、Cu溶
浸を行う。溶浸に使用するCuは銅板から加工した円板の
他、Cu−Co、Cu−Co−Zn、Cu−Fe−Mn−Znなどの粉末冶
金用溶浸剤を圧粉成形した円板を用いる。溶浸処理は、
水素あるいは水素−窒素混合雰囲気中で1100〜1250℃で
10分〜120分間行う。また、溶浸前にハンドリングを容
易とするため、必要に応じて焼結するが、1100〜1250℃
で10分〜120分間、真空あるいは水素、水素−窒素混合
雰囲気中で行う。
ろうし、焼結した焼結体の上部にCuの円板を載せ、Cu溶
浸を行う。溶浸に使用するCuは銅板から加工した円板の
他、Cu−Co、Cu−Co−Zn、Cu−Fe−Mn−Znなどの粉末冶
金用溶浸剤を圧粉成形した円板を用いる。溶浸処理は、
水素あるいは水素−窒素混合雰囲気中で1100〜1250℃で
10分〜120分間行う。また、溶浸前にハンドリングを容
易とするため、必要に応じて焼結するが、1100〜1250℃
で10分〜120分間、真空あるいは水素、水素−窒素混合
雰囲気中で行う。
かかる方法によって本発明成形弾用合金が製造でき
る。
る。
(実 施 例) 粒度1〜72μmのW粉末および粒度1〜15μmのNi粉
末をV型ミキサーで30分間混合した後、あるいはW粉末
のみにロストワックスを2%加熱混合して添加した。直
径φ50mmの内径を有するライナ形状のゴム型に混合粉末
を充填した後圧力容器に入れ、500〜4000kgf/cm2の圧力
でCIP成形し、その後ゴム型から取り出した。そして真
空焼結炉で脱ろう後、1150℃で2時間焼結し、焼結体の
上にCuの円板を載せて1130℃で1時間溶浸処理した。
末をV型ミキサーで30分間混合した後、あるいはW粉末
のみにロストワックスを2%加熱混合して添加した。直
径φ50mmの内径を有するライナ形状のゴム型に混合粉末
を充填した後圧力容器に入れ、500〜4000kgf/cm2の圧力
でCIP成形し、その後ゴム型から取り出した。そして真
空焼結炉で脱ろう後、1150℃で2時間焼結し、焼結体の
上にCuの円板を載せて1130℃で1時間溶浸処理した。
得られた焼結合金の代表的な顕微鏡組織を第3図に示
す。さらにこの素材より所定の形状に機械加工した後、
炸薬CompBを用いて侵徹試験を実施した。試験には比較
材として無酸素銅の丸棒から削り出したライナを用い
た。
す。さらにこの素材より所定の形状に機械加工した後、
炸薬CompBを用いて侵徹試験を実施した。試験には比較
材として無酸素銅の丸棒から削り出したライナを用い
た。
試験結果を第1表に示すが、本発明合金は従来のCuに
比較して、1.3倍以上の侵徹長を有することが明らかで
ある。
比較して、1.3倍以上の侵徹長を有することが明らかで
ある。
(発明の効果) 以上説明したように、銅の高い伸びとWの高い密度及
び必要に応じてNiを組み合わせることにより、従来使用
されていたCuより著しく侵徹長にすぐれた成形弾用ライ
ナの提供が可能となった。
び必要に応じてNiを組み合わせることにより、従来使用
されていたCuより著しく侵徹長にすぐれた成形弾用ライ
ナの提供が可能となった。
第1図は本発明合金を使用した成形弾用ライナの侵徹長
比とW量の関係図、第2図は同じく成形弾用ライナの侵
徹長比とW粒度の関係図、第3図は本発明合金の顕微鏡
組織図である。
比とW量の関係図、第2図は同じく成形弾用ライナの侵
徹長比とW粒度の関係図、第3図は本発明合金の顕微鏡
組織図である。
Claims (3)
- 【請求項1】2〜25μmの粒度のタングステンを60〜85
重量%含有し、残部が銅あるいは銅合金からなることを
特徴とする成形弾用合金。 - 【請求項2】2〜25μmの粒度のタングステンを60〜85
重量%、1〜10μmの粒度のニッケルを2.0重量%以下
含有し、残部が銅あるいは銅合金からなることを特徴と
する成形弾用合金。 - 【請求項3】2〜25μmの粒度のタングステン粉末、あ
るいはこのタングステン粉末と1〜10μm粒度のニッケ
ル粉末の混合粉末を圧縮あるいは焼結した成形体に銅あ
るいは銅合金を溶浸させることを特徴とする請求項1又
は請求項2記載の成形弾用合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7565589A JP2731857B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 成形弾用合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7565589A JP2731857B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 成形弾用合金及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02254130A JPH02254130A (ja) | 1990-10-12 |
JP2731857B2 true JP2731857B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=13582470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7565589A Expired - Fee Related JP2731857B2 (ja) | 1989-03-27 | 1989-03-27 | 成形弾用合金及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2731857B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107498047A (zh) * | 2017-09-01 | 2017-12-22 | 西北有色金属研究院 | 一种钨铜复合材料及其制备方法 |
CN111545761A (zh) * | 2020-05-08 | 2020-08-18 | 山东威尔斯通钨业有限公司 | 一种带细长孔的钨铜合金制备方法 |
-
1989
- 1989-03-27 JP JP7565589A patent/JP2731857B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02254130A (ja) | 1990-10-12 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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