JP2730756B2 - 超音波探触子及びその製造方法 - Google Patents

超音波探触子及びその製造方法

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JP2730756B2
JP2730756B2 JP1090097A JP9009789A JP2730756B2 JP 2730756 B2 JP2730756 B2 JP 2730756B2 JP 1090097 A JP1090097 A JP 1090097A JP 9009789 A JP9009789 A JP 9009789A JP 2730756 B2 JP2730756 B2 JP 2730756B2
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健 一柳
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超音波探触子及びその製造方法に係わり、特
に超音波顕微鏡等の高周波の音波エネルギを利用した装
置に用いて好適な超音波探触子及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
周波数が1GHzに及ぶ超音波は、水中において波長が約
1μm程度になるので、超音波の反射、散乱、透過減衰
などのじょう乱による信号を利用する超音波顕微鏡が作
られている。被測定物に超音波ビームを集束する手段と
して、音響レンズを備えた超音波探触子が使われる。音
響レンズはサファイア等の結晶あるいは石英ガラス等か
らなり、その形状は、一端に球面状のレンズ面を有し、
他端が平面である。平面側には平面波のRF超音波を放射
するための圧電素子が設けられている。圧電素子より放
射された平面波はレンズ本体の中を進行し、球面状のレ
ンズ面と媒質(例えば水)との界面において構成される
正のレンズによって、所定の焦点に集束される。
超音波がレンズ面から焦点まで伝わる間に媒質中で減
衰するのを防ぐため、レンズ面から焦点までの距離は極
力小さくする必要がある。他方、分解能を高めるために
は、レンズのFナンバ(焦点距離とレンズ面の開口の
比)を充分に小さくする必要がある。そのため、レンズ
面は直径200μm程度の微小な球面としなければならな
い。しかも、その球面がレンズとして作用するには、超
音波長の1/10以上の凹凸があってはならない。この値
は、1GHzの超音波の場合、0.1μmのオーダになる。
従来、このような音響レンズを加工するのに、専ら機
械的な研磨法が使われている。しかしながらこの方法で
は、直径500μm以下の球面を形成することは実際上ほ
とんど不可能であった。これを解決するため、溶融ガラ
ス中に発生する気泡を固化して、気泡の半分を削り出す
方法(特開昭58−4197号)、あるいは、球形のガラスを
焼結前のガラス性炭素材に押しつけて型取りし、凹面を
形成後、焼結する方法(特開昭59−93495号)が提案さ
れている。
しかしながら、ガラス中の気泡を探し出す方法では、
適当な大きさの気泡を探し出すことが困難であり、たと
え見つかっても、その近傍に他の気泡が存在する場合に
は使うことができず、工業的なレンズの製造方法として
は成立し難い。また、球面以外のレンズ面(例えば円筒
レンズ面)は、この方法では得られないことは明らかで
ある。
一方、ガラス性炭素にガラス球を押圧後、焼結する方
法では、焼結体中に残留する気泡や介在物の存在による
超音波の散乱が無視できないこと、また、焼結による寸
法変化が大きいことなどの問題がある。
また、レンズ面の外縁部は、一般に必要以外の反射波
を受けぬようテーパ状に研削する。その研削加工部を拡
大してみると、レンズ面とテーパ面との間に平坦面が残
る。平坦面を無くすまでテーパ面を加工すればレンズ面
該縁部のエッジが欠けたり、丸みを帯びる等の結果とな
る。従って、いずれの場合も、レンズ面周囲から受信さ
れるノイズを低減できない。
更に、多数の球面レンズを平面上に密に配置すれば、
非測定物の2次元像を捕らえることができるし(特開昭
56−103327号)、複数のレンズ面を平面上に精度よく並
べることができれば、音像情報を多点から同時に得るこ
とができる。しかしながら、機械的な研磨法及びガラス
中の気泡を探し出す方法では、1つの基板上に複数個の
レンズ面を精度良く配列することは実質的に不可能であ
る。また、焼結による方法では、焼結によるレンズ配列
のピッチの乱れは避けられない。更に、単レンズを組合
せて配列を作ることは、微細なレンズ寸法を考慮すれ
ば、極めて困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上説明したように、従来技術によっては、微小な曲
面を持つレンズ面を精度良く加工することが極めて困難
であり、その結果、得られた音響レンズは極めて高価に
なるという問題があった。また、レンズ面外周部から受
信されたノイズの低減が限られているという問題があっ
た。更に、複数のレンズを平面上に密にかつ/又は精度
良く配列して非測定物の2次元像情報を得ること又は音
像情報を多点から同時に得ることは不可能であるか、極
めて困難であるという問題があった。
本発明の目的は、極めて曲率半径の小さいレンズ面を
備えかつ安価に製造できる音響レンズを備えた超音波探
触子及びその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、レンズ面外周部から受信される
ノイズを低減できる音響レンズを備えた超音波探触子及
びその製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、複数のレンズを密にかつ/
又は精度良く配列した音響レンズを備えた超音波探触子
及びその製造方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、本発明によれば、音響レンズのレンズ面
を、レンズ本体となる基板素材にエッチングを施すこと
により形成されたエッチプロフィルで構成したことを特
徴とする超音波探触子によって達成される。
本発明の1つの側面において、前記レンズ面のエッチ
プロフィルは、前記エッチングとして等方性エッチング
を施すことにより形成された球面状のエッチプロフィル
を包含している。
本発明の他の側面において、前記レンズ面のエッチプ
ロフィルは、前記エッチングとして非円形の開口を有す
るマスク層を用いて行うエッチングを施すことにより形
成されたエッチプロフィルを包含している。
本発明の更に他の側面において、前記レンズ面のエッ
チプロフィルは、前記基板素材の結晶軸方向によってエ
ッチレートの異なるエッチングを施すことにより形成さ
れたエッチプロフィルであって、中央部が球面形状で、
周辺部が深さ方向に少なくとも部分的に前記球面の曲率
よりも小さい曲率をなす非球面形状をしたエッチプロフ
ィルを包含している。
本発明のなお更に他の側面において、前記音響レンズ
は前記レンズ本体上に配列された複数個のレンズ面を有
し、これら複数個のレンズ面はそれぞれ前記エッチング
を施すことにより形成されたエッチプロフィルからなっ
ている。
本発明のまた他の側面において、前記音響レンズは、
前記レンズ面をマスク層で被覆して前記レンズ面の外周
部を再度エッチングすることにより形成されたエッチプ
ロフィルからなる湾曲面を更に有している。
本発明の更に他の側面において、前記レンズ本体の少
なくとも前記レンズ面上にレンズ本体と異なる物質の薄
膜からなる音響整合層が設けられている。
上記目的は、また本発明によれば、レンズ本体となる
基板素材の表面に少なくとも1つの開口を有するエッチ
ング耐性のマスク層を形成し、前記基板素材にこのマス
ク層の開口よりエッチングを施し、得られたエッチプロ
フィルの少なくとも一部をレンズ面とすることを特徴と
する超音波探触子の製造方法によって達成される。
本発明の1つの側面において、前記マスク層に形成さ
れた開口は点状の開口であり、この点状の開口より前記
基板素材に等方性エッチングを施すことにより前記エッ
チプロフィルが得られる。
本発明の他の側面において、前記マスク層に形成され
た開口は細長い開口であり、この細長い開口より前記基
板素材にエッチングを施すことにより前記エッチプロフ
ィルが得られる。
本発明の更に他の側面において、前記基板素材に前記
マスク層の開口より、基板素材の結晶軸方向によってエ
ッチレートの異なるエッチングを施し、前記エッチプロ
フィルとして、中央部が球面形状で、周辺部が深さ方向
に少なくとも部分的に前記球面の曲率よりも小さい曲率
をなす非球面形状をしたエッチプロフィルが得られる。
本発明のなお更に他の側面において、前記レンズ面を
得た後、更にこのレンズ面をマスク層で被覆してレンズ
面の外周部に再度エッチングが施される。
本発明のまた他の側面において、前記マスク層には複
数の開口を形成し、これに対応してレンズ本体に複数個
のレンズ面が形成される。
本発明のなお更に他の側面において、前記レンズ本体
の少なくとも前記レンズ面上に前記基板素材と異なる物
質の薄膜からなる音響整合層が形成される。
〔作用〕
以上のように構成した本発明においては、基板素材に
エッチングを施すことにより得られたエッチプロフィル
を音響レンズのレンズ面とすることにより、極めて小さ
い曲率のレンズ面を精密に加工することができる。ま
た、このエッチングによるレンズ面の加工は従来の半導
体の製造におけるエッチング技術を用いることができる
ので、容易に実現することができる。
マスクに形成した点状の開口部から等方性エッチング
を施すことにより、そのエッチプロフィルは、開口部を
中心とする半径が一定の半球面となる。球面の半径はエ
ッチング時間の管理によって容易に制御され、例えば数
μm〜1mm程度の範囲にわたって任意に選ぶことができ
る。
また、マスク層に形成した細長い開口からエッチング
を施すことにより、開口がスリット状のパターンの場合
には円筒面のエッチプロフィルが得られ、円筒面レンズ
を加工できる。この場合も、レンズ面の半径は、エッチ
ング時間によって容易に制御され、例えば数μm〜1mm
程度の範囲にわたって任意に選ぶことができる。適切な
開口のパターン形状と適切なエッチャントを選択するこ
とにより、超音波の集束機能が異なる球面レンズ、円筒
面レンズ、複合円筒面レンズ等、種々のレンズを加工で
きる。
エッチングによりレンズ面を得た後、更にこのレンズ
面をマスク層で被覆してレンズ面の外周部に再度エッチ
ングを施すことにより、レンズ面外周部にはそのエッチ
ングのエッチプロフィルからなる湾曲面が形成される。
このため、レンズ面の外周円は鋭い稜線を画定し、レン
ズ外周部から受信されるノイズが低減する。
また、マスク層で被覆して行うエッチングはいずれも
ホトリソグラフィの手法が使えるので、マスク層に複数
の開口を形成し、これに対応してレンズ本体に複数個の
レンズ面を形成することにより、複数個のレンズを同一
基板上に密にかつ/又は精密に配列し、試料の2次元像
を得たり、異なる音像を同時に得ることが可能となる。
更に、エッチングにより形成されたレンズ面に音響整
合層を設け、レンズ表面を改質することにより、レンズ
表面における音響エネルギの伝達効率が高められる。
本発明は、また、マスク層の開口より、基板素材の結
晶軸方向によってエッチレートの異なるエッチングを施
すことによりレンズ面を形成することを包含するもので
あり、以下このことについて説明する。
一般に、エッチングには、エッチレートが素材の結晶
軸方向にほとんど依存しないものと依存するものがあ
り、前者を等方性エッチングと呼び、後者を異方性エッ
チングと呼んでいる。例えば単結晶シリコンに対して
は、フッ酸と硝酸及び酢酸の混合液をエッチング液とし
て用いた場合は等方性エッチングとなり、KOH水溶液を
用いた場合は異方性エッチングとなる。しかしながら、
いわゆる等方性エッチングと呼ばれるものでも、エッチ
レートは結晶軸方向に全く依存しないのではなく、結晶
軸方向によってある程度は異なり、その異なる程度はエ
ッチャントの混合比、エッチング温度等によって変化す
る。例えば上述したフッ酸と硝酸及び酢酸の混合液の例
では、フッ酸の割合を少なくすると結晶軸方向にエッチ
レートが異なる程度が大きくなり、また一般的に、エッ
チング温度を高くすれば結晶軸方向にエッチレートが異
なる程度が小さくなる。ただし、エッチレートの異なる
程度は異方性エッチングに比べればはるかに小さい。本
発明の1側面においては、いわゆる等方性エッチングを
行うエッチャントにより、結晶軸方向にエッチレートの
差が比較的大きいエッチングを行うことを提案してお
り、本明細書中ではこのエッチングのことを便宜上「結
晶軸方向によってエッチレートの異なるエッチング」又
は「疑似等方性エッチング」と表現している。
本発明者等は、マスク層の開口よりこのような疑似等
方性エッチングを施すことにより、中央部が球面形状
で、周辺部が深さ方向に少なくとも部分的に前記球面の
曲率よりも小さい曲率を成す非球面形状をしたエッチプ
ロフィルが形成されることを発見した。本発明はこの発
見に基づくものである。
このようなエッチプロフィルからなるレンズ面を備え
た音響レンズにおいては、圧電素子より直進してきた超
音波は、レンズ面中央部では球面であるためレンズ面の
軸線上に焦点を結び、超音波顕微鏡の場合は従来と同じ
ように像が見える。これに対し、レンズ面周辺の非球面
部では、少なくとも部分的に深さ方向の曲率が中央部球
面の曲率よりも小さくなっているため、この部分で中央
部球面からの超音波よりも更に深い位置で焦点を結ぼう
とする。この超音波は、試料表面で反射しレンズ面に戻
るが、試料表面上での反射点がレンズ面の軸線からずれ
るため周辺非球面部でなく中央球面部に戻り、この超音
波は周辺球面部との焦点位置の違いからレンズ本体内を
レンズ面の軸線と平行に伝播せず、圧電素子には達しな
い。従って、中央球面部からの超音波による情報のみが
得られ、周辺非球面部の情報は非常に少なくなる。即
ち、本発明では周辺非球面部が従来音響レンズのエッジ
の役割をし、レンズ面外周部から受信されるノイズを低
減することができる。
また、この形状にすることにより球面部周囲のエッジ
加工が不要となり、音響レンズの製造が一層容易とな
る。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例による超音波探触子の製造方
法を第1a図〜第1f図により説明する。
本実施例では、音響レンズを構成するレンズ本体とし
てシリコン単結晶を使う。シリコン中の音速は8400m/s
であり、レンズ体として大きい屈折率を持つこと、ま
た、単結晶中での音響エネルギの減衰が小さいこと等の
利点がある。
レンズ加工の第1工程として、第1a図に示すように、
まずシリコン単結晶基板11の表面にエッチングのマスク
層として、クロムおよび金を蒸着した層12を形成する。
クロムの厚さは約200Å、金の厚さは約2000Åである。
更にその上にレジスト膜13を塗布し、ホトリソグラフィ
の手法を用いてレンズ球面の中心位置に複数個の点状の
開口14を形成する。開口14の直径は約10μmである。レ
ジスト膜上の開口14からエッチングを施すことにより、
第1b図に示すように、クロム・金からなるマスク層12に
も対応した点状の開口を開けることができる。以下この
開口も含め符号14で表わす。金のエッチャントとして
は、ヨウ素・ヨウ化アンモニウム水溶液が使われ、クロ
ムのエッチャントとしては硝酸第2セリウムアンモニウ
ム水溶液が使われる。
次に、レジスト膜13を除去し、クロム・金のマスク層
12を用い、その開口14からシリコン単結晶基板11にエッ
チングを施す。この時のエッチャントとしては、エッチ
レートが結晶方位に依存しないものを選択することが重
要である。ここでは、硝酸(64%)、酢酸(60%)及び
フッ酸(50%)を4:3:1に混合した液をエッチャントと
して用いた。エッチングは、直径約10μmの開口14から
等方的に進み、第1c図に示すように半球面のエッチプロ
フィル15が得られる。直径200μmの球面レンズの曲率
半径の誤差は1%以下である。
次いで、クロム・金のマスク層12を除去すれば、第1d
図に示すように半球面が表面に現れる。この面をそのま
まレンズ面に使うことも可能であるが、本実施例では、
半球面上に更に酸化膜SiO216を形成した。その目的はシ
リコンよりも音速の低いSiO2を波長の1/4の厚さだけ形
成することにより、音響エネルギを効率良く媒質に伝え
ることにある。ここでは1GHzの音波を用いるので、音速
6000m/sのSiO2膜厚16を1.5μmとした。SiO2膜16を1.5
μm形成するには、酸素雰囲気中で約1100℃に加熱し、
約6時間保持すればよい。その結果、第1e図に示すよう
に基板の全表面に均一な膜厚のSiO2膜16が形成される。
この後、不要な部分のSiO2膜を除去し、基板の裏面に
圧電素子17を形成すれば、球面状のレンズ面18を備えた
音響レンズ系が第1f図のように完成する。更に、基板11
を切断して、必要な形状に加工すれば所望のレンズ形状
が得られる。
第2図に、このようにして作られた音響レンズを用い
て構成した超音波探触子の概略構成を示す。
第2図において、超音波探触子は音響レンズを構成す
るレンズ本体20を有し、レンズ本体20の一端には上述し
たエッチングにより作られた球面状のレンズ面21が設け
られている。また、レンズ面21の外周部はテーパ状にさ
れ、テーパ面22が設けられている。レンズ本体20の他端
には圧電膜、上部電極及び下部電極からなる圧電素子23
が配置されている。
圧電素子23の上部及び下部電極にRF電気信号を印加す
ると、圧電膜の圧膜に対応した周波数の超音波が発生す
る。この超音波は平面波24としてレンズ本体20内を進行
し、レンズ面21と媒質即ち水25との界面において構成さ
れる正のレンズによって、所定の焦点に収束される。こ
のとき、レンズ面21には音響整合層16が成膜されている
ので、エネルギ伝達効率の良いレンズ界面が得られる。
この超音波は試料26の表面部分の音響インピーダンスの
異なる部分(例えばボイド、クラック等)によって反射
され、再びレンズ本体20のレンズ面21に返り、圧電素子
23に検出される。この信号を受信器により増幅すること
により試料26の情報が得られる。試料26を載せている試
料台をX,Y方向にスキャンすることにより、試料26の表
面情報が得られる。
以上は、第1f図の音響レンズ系から単一のレンズを切
り出した場合であるが、2次元に配列するレンズが必要
であれば、同図の構造をそのまま使うことができる。こ
こで、本発明の重要な利点の一つは、ホトリソグラフィ
の手法によってレンズを高精度に2次元的に配置できる
点にある。レンズの中心距離の配列誤差はピッチ1mmに
対し約0.5μm以下である。このような多数の球面レン
ズを高精度に配置した音響レンズを使用することによ
り、試料の2次元像を得ことが容易となり、また2次元
イメージスキャニングの高速化が可能となる。
上記実施例により音響レンズを作成する際の実際的な
形態を第3図により説明する。ホトリソグラフィを実施
できるシリコンウェハーの厚さは、通常0.3〜0.4mm程度
である。音響レンズとしては、数mmに及ぶ厚さが必要に
なることがある。このような場合には、第3図に示すよ
うに、上述した方法で半球面を加工したシリコン単結晶
基板11と別の単結晶シリコンウェハー30を一体に接合す
ることが可能である。この場合、両者の接合界面31は結
晶方位を一致させることにより、約1000℃における拡散
接合を行えば介在物なしに単結晶化する。この手法によ
り、任意の厚さのレンズ体を作ることができる。
上述した実施例の他の利点は、レンズ本体がシリコン
単結晶であるので、その一部に電子回路を形成できるこ
とにある。第4図はそのような実施例を示すものであ
る。シリコン基板11の表面には半球面のレンズ面18があ
り、裏面には圧電素子17と、圧電素子17を駆動し、信号
を処理する電子回路32とが並置してある。この結果、音
響球面レンズの集積化が可能になる。
以上の実施例では、得られるレンズ面は半球状である
が、試料とレンズ間のワーキングディスタンスを確保す
る場合は、第5図のようにそのレンズ面の開口径が球の
直径より小さな球欠形状にしてもよい。この構造は、前
述した第1e図から第1f図にいたる工程において、基板11
のレンズ面側の表面を必要量だけ研磨することにより得
られる。この場合、第5図に示す如く、基板11のレンズ
面33の反対側に、金属薄膜(金、クローム)からなる上
部及び下部電極34と、この電極に挾まれた圧電体(酸化
亜鉛)35とからなる圧電素子が配設される。電極34間に
RF電気信号を印加することにより圧電体35からは超音波
が発生し、この超音波は図示するように媒質36を介して
試料37上に集束照射される。
この構造においては、基板11と試料37間の距離Lを減
ずれば、超音波は試料内部に焦点を結び、内部構造の観
察に好適である。
なお、以上の実施例では、等方性エッチングのマスク
層としてクロム・金の蒸着膜を用いたが、シリコンの窒
化膜(Si3N4)等も、硝酸系のエッチャントに対するマ
スク材として使えることは明らかである。また、エッチ
ャントとしては前記のものに限らず、等方性なエッチレ
ートを持つものであれば同様の効果を得ることができ
る。
一方、基板としてはシリコン単結晶に限らず、例え
ば、多結晶シリコンの使用によって、同様の音響レンズ
を構成することができる。この場合は、エッチングの等
方性は向上するが、音響特性は低下する。さらに他の材
料を基板として用いる場合にも、等方的なエッチレート
を持つエッチャントによって、同様に球面レンズを加工
できることは明らかである。
以上説明したように、第1図〜第5図に示す実施例に
よれば以下の効果が得られる。
(1)エッチング加工の適用により、従来加工が不可能
であった曲率半径が極めて小さい音響球面レンズを得る
ことができる。
(2)ホトリソグラフィの手法が使えるので、同一平面
上に多数の球面レンズを高精度に配置でき、被測定物の
2次元像を得るための2次元イメージスキャニングの高
速化が可能になる。
(3)エネルギ伝達効率の良いレンズ界面が得られる。
(4)一度に大量のレンズを加工できるので、製造上の
経済的効果は大きい。
本発明の他の実施例による超音波探触子の製造方法を
第6a図〜第6e図により説明する。本実施例においても、
レンズ本体としてシリコン単結晶を使う。
レンズ加工の第1の工程として、第6a図に示す如く、
シリコン単結晶基板41の表面にエッチングのマスク層と
して、クロムおよび金を蒸着した層42を形成する。クロ
ム層の厚さは約200Å、金の厚さは約2000Åである。こ
の層42にホトリソグラフィの手法を用いて、任意の形状
の開口43を形成する。例えば、球面レンズを得るには、
直径約10μm程度の円形の開口を形成する。
次いで、クロム・金をマスク層42として開口43からエ
ッチングを施す。この時のエッチャントとしては、エッ
チレートが結晶方位に依存しないものを選択することが
重要である。ここでは、硝酸(64%)、酢酸(60%)、
フッ酸(50%)を4:3:1に混合した液をエッチャントと
した。エッチングはマスク層42の開口43から等方的に進
み、第6bに示すように半球状のエッチプロフィル44が得
られる。直径200μmの球面レンズの曲率半径の誤差は
1%以下である。クロム・金のマスク層42を除去すれ
ば、エッチプロフィル44からなる球面が得られる。この
面の一部がレンズ面となる。
ここまでは、前述した実施例の第1a図〜第1d図までの
工程と実質的に同じである。
次に、レンズ外周縁を尖鋭化するための加工を行う。
このため、第6図cに示すように、上記の半球面が加工
された基板41の表面を再びクロム・金のマスク層45で被
覆し、次いで、エッチプロフィル即ちレンズ面44の中心
から一定の距離にあるリング状の領域46のマスク部分を
除去する。
この後、基板全体を先のエッチャントと同じエッチャ
ントを使ってエッチングする。このようにすると、基板
41はリング状の領域46からエッチングされ、そのエッチ
プロフィル47はレンズ面44と出会って第6d図の如くな
る。即ち、レンズ面44の外周縁が尖鋭なプロフィルに加
工される。
最後に、マスク層45を除去し、レンズの外形を切り出
せば、第6e図に示す如く、所望の形状の音響レンズ48が
得られる。この後、第1の実施例と同様にレンズの背面
に圧電素子を配置すれば、超音波探触子が完成する。
円筒面レンズあるいは複合円筒面レンズ等の非球面レ
ンズ、またこれらの組合せからなるレンズ配列も上記と
同様のプロセスで加工できる。この際のマスク層の開口
形状を球面レンズの場合のマスク層の開口形状と比較し
て第7図〜第10図に示す。
球面レンズの加工における第1回目のマスク層42は、
第7a図に示すように小さい円形の開口43を有する。ま
た、第2回目のマスク層45は第7b図に示すように、半球
状のエッチプロフィル44を被覆するリング状の開口46を
有する。これに対し、円筒面レンズの加工における第1
回目のマスク層51は、第8a図に示すように、スリット状
の開口52を有し、これによって半円筒面のエッチプロフ
ィル53が得られる。第2回目のマスク層54は、第8b図に
示すように、エッチプロフィル53を被覆すると共に、エ
ッチプロフィル53から一定の距離だけ隔たった位置に長
円形の開口55を有している。これによって球面レンズの
場合と同様、円筒面レンズの外周縁が尖鋭に加工され
る。
第9a図及び第9b図は、円筒の軸心が互いに90°隔たっ
た4個の円筒面レンズを同一基板状に形成する場合のマ
スク層開口形状を、それぞれ第1回目及び第2回目のマ
スク層について示したものである。第1回目のマスク層
60には4本のスリット状の開口61があり、これによって
対向する2つが中心軸を共有した4個の円筒面のエッチ
プロフィル62が得られる。これらの円筒面の外周縁を尖
鋭化するための第2回目のマスク層63はエッチプロフィ
ル62を被覆すると共に、エッチプロフィル62の周縁から
一定の距離を保つ位置に開口64が形成されている。開口
64の形状は内周側はエッチプロフィル62の周縁から一定
の距離を保つ必要があるが、外周側では任意の広がりを
持ってよい。
上記のように第1回目のマスク層に4個のスリット状
開口を設けたときに、その4個のスリット状開口を相互
に近づけた場合の例を第10a図及び第10b図に示す。第1
回目のマスク層65には相互に内端が近接した4個のスリ
ット状の開口66が形成され、そのエッチプロフィル67
は、第10a図に示すように、2本の長い円筒面レンズが9
0°角度を隔てて交わった形になる。このような場合、
第2回目のマスク層68は第10b図に示すようにエッチプ
ロフィル67を被覆する十字形となる。
上記のように、2つの円筒面がその軸を直交するよう
に配置した形状のレンズ面から得られる超音波収束ビー
ムは、従来用いられている1次元収束ビーム(又はライ
ンフォーカスビーム−参考文献;J.KUSHIBIKI et al.:El
ectron Letters,vol.17,No.15:520−522(1981))を互
いに直交させて重ね合わせたものと同一の効果を示す。
即ち、測定点において互いに直交する2軸方向の音速
を、それぞれ同時に測定することが可能になり、固体の
異方性が容易に測定できる。
ここで付記しておかなければならないのは、このよう
な形状の音響レンズにおいては、レンズ背面に形成する
圧電素子を分割する必要があることである。この実施例
を第11図に示す。直交する円筒面レンズ70a,70b及び71
b,71bに対して、背面側に圧電素子72a,72b及び73a,73b
が配置されている。円筒面レンズ70a,70bの配置方向を
yとし、円筒面レンズ71a,71bの配置方向をxとする
と、圧電素子72a,72bはy方向に配置され、円筒面レン
ズ70a,70bに対してそれぞれ発信と受信の役割を果た
し、圧電素子73a,73bはx方向に配置され、円筒面レン
ズ71a,71bに対してそれぞれ発振と受信の役割を果た
す。
このような構成のレンズを用いることにより、被測定
物の一点における異方性の測定が1次元収束ビーム用レ
ンズを回転することなく行え、測定を短時間で行うこと
ができる。また、上記のようなレンズを一つのレンズ本
体に適当な間隔をおいて多数配列することにより、広範
囲のレンズ走査を短時間に行うことも可能である。
なお、以上に述べた実施例では、第1図〜第5図に示
す実施例と同様、等方性エッチングのマスクとして、ク
ロム・金の蒸着膜以外、シリコンの窒化膜(Si3N4)等
も硝酸系のエッチャントに対するマスク材として使える
ことは明らかであり、エッチャントとしては前記のもの
に限らず、等方的なエッチレートを持つものであれば、
同様の効果を得ることができる。
また、基板素材としてはシリコン単結晶に限らず、従
来から用いられている石英、サファイアYLG、YAG、水晶
等の材料でも同様の結果が得られる。特に、レンズの球
面を従来の如く機械的に研磨した場合でも、レンズ外周
縁を尖鋭化するために、本実施例を適用して、レンズ面
をマスク層で保護した上、外周部からエッチングするこ
とができ、これによりノイズ低減に関して同様の効果を
得ることができる。
以上に述べたように、第6図〜第11図に示す実施例に
よれば以下の効果が得られる。
(1)エッチング加工の適用により、従来、加工が不可
能であった曲率半径が数μm程度の小径の音響レンズが
得られる。また、従来の加工法では不可能な非球面レン
ズの加工ができる。
(2)2回のエッチングを行うことにより、レンズ面外
周縁を尖鋭に加工することができるので、レンズ面外周
縁から受信されるノイズが低減する。
(3)ホトリソグラフィの手法が使えるので、複数のレ
ンズを精密に一平面上に配置できる。この結果、一度の
走査で大面積の音像が得られる。
(4)互いに軸心が直交する円筒面レンズを加工できる
ので、レンズ体を90°回転することなく、相交わる2方
向から円筒面レンズの音像が得られる。
(5)一度に大量のレンズを加工できるので、製造上の
経済的効果は大きい。
本発明の更に他の実施例による超音波探触子の製造方
法を第12a図〜第12i図により説明する。
本実施例でも、音響レンズのレンズ素材としては、サ
ファイアより安価で高品質な材質(ディスロケーション
等が少ない)が容易に得られるシリコン単結晶Siを用い
る。しかしながら、レンズ素材としては、音響的な性質
(音速,伝幡ロス等)を満たすものであれば他の材質で
もよく、例えばサファイア、YAG、YIG,水晶、溶融石英
等であってもよい。
まず、第12a図に示すように、結晶軸を厳密に規定さ
れたウェハー120を用意する。この結晶方位は一例とし
て挙げると、オリエンテーションフラット128(第13図
参照)が(110)面の単結晶ウェハーである。このウェ
ハーの表面方位は(100)面である。なお、オリエンテ
ーションフラット128が(100)面等、他の結晶方位のウ
ェハーでもかまわない。また、このウェハーの大きさは
フォトリソグラフィーの手法が使える大きさであればい
くらでもかまわわないが、以下の例では3インチ(約76
mm)の大きさで説明する。
次に、この3インチのウェハー120を熱酸化炉に入
れ、第12b図に示すように、ウェハー120を基板としてそ
の表面に例えば1.8μm程度の熱酸化膜121を形成する。
この上に真空蒸着法により、第12c図に示すように、Cr
膜122を1000Å〜1500Å程度の厚さに、Au膜123を3000Å
〜20000Å程度の厚さに蒸着する。
更にこの上に、第12d図に示すように、レジスト膜126
をスピンナーで1μm程度の厚さに塗布し、このレジス
ト膜126を後述するマスク層の開口形状に対応する所定
のマスクパターンを持つガラスマスク124で露光し、現
像する。これにより第12e図に示すように、レジスト膜1
26にはガラスマスク124のマスクパターンに対応したレ
ジストパターンが形成される。
次に、このレジストパターンを持つレジスト膜126を
マスク材とし、第12f図に示すように、熱酸化膜121及び
真空蒸着で蒸着したCr膜122及びAu膜123をウェットエッ
チングする。このエッチングに用いるエッチャントにつ
いては、例えば、総合電子出版社刊、「エレクトロニク
スの精密微細加工」、楢岡清威著に詳しい。この作業に
よって、熱酸化膜121及び真空蒸着で蒸着したCr膜122及
びAu膜123にはレジスト膜126のレジストパターンに対応
した点状の開口127のパターンが形成され、適当な溶液
でレジスト膜126を除去することにより、熱酸化膜121、
Cr膜122及びAu膜123からなるエッチング耐性のあるマス
ク層129が形成される。このマスク層129の開口形状及び
その配列パターンを第13図に示す。
このマスク層129は、基板120を構成するSiのエッチャ
ントであるフッ酸と硝酸の混合液に腐触されないもので
あれば、他のものでもよい。例えば、窒化珪素の膜でも
よい。また、製作するレンズ面の球径が小さい場合に
は、レジスト膜126でマスクの役割を果たすことも可能
である。
次に、Siのエッチャントであるフッ酸と硝酸及び酢酸
の混合液で上述のSiウェハーに疑似等方性エッチングを
施すことにより、第12g図に示すように、マスク層129の
開口127に対応した位置にエッチプロフィルからなる凹
所130を形成する。このときエッチャントとしてはSiの
結晶軸方向によってエッチレートの差の比較的大きい混
合比、例えばフッ酸と硝酸及び酢酸の混合液では容積比
0.5:4.5:3を用いる。なお、他の使用可能な混合比とし
ては、0.2:4.8:3、2:3:3等がある。
このように結晶軸方向によってエッチレートの異なる
混合比を用いることにより、基板120に形成される凹所1
30のエッチプロフィルは、第14a図及び第14b図に示すよ
うに、凹所周辺部の入口形状が概略四角形をなし、かつ
凹所中央部が球面で、周辺部がその球面よりも深さ方向
の曲率が徐々に小さくなる非球面をした形状となる。ま
た、周辺部は、横断面形状が入口の概略四角形形状から
中央部の円形に徐々に移行する形状となる。その理由を
以下に説明する。
基板120を構成するSi単結晶ウェハーの結晶構造とそ
の3つの結晶面(100),(110),(111)を第15図に
示す。このウェハーのこれら結晶面に直交する方向のエ
ッチレートは(100)>(111)>(110)の順となる。
本明細書中では、この結晶面に直交する方向を結晶軸方
向と呼んでいる。この結晶軸方向のエッチレートの差
は、エッチャント中のフッ酸の量が少なくなるほど大き
くなり、フッ酸の量が多くなるほど小さくなる。また、
温度が高くなるにしたがって差は小さくなる。
前述したように、本実施例において基板120を構成す
るウェハーの表面方位は(100)面であり、第15図の結
晶面配置より、表面の(100)面に直交する水平方向に
第14a図に示すように(100)面及び(110)面が45°毎
に交互に存在する。従って、基板表面の凹所入口部分で
は、(100)面方向のエッチレートが(110)面方向のエ
ッチレートより速いため、入口形状が概略四角形形状と
なる。
これに対し、凹所130の深さ方向の形状については、
深さ方向である(100)面方向のエッチレートと水平方
向の(110)面方向のエッチレートの差が球面からの形
状の違いとなる。即ち、第16図に示すように、凹所周辺
の入口部は(100)面又は(110)面方向のエッチレート
V1となり、凹所底面部では(100)面方向のエッチレー
トV2となり、それらの間ではそれらのエッチレートV1,V
2の合成速度V3となる。その結果、凹所底面部即ち中央
部付近では、(100)面方向のエッチレートV2により定
まる球面形状となる。これに対し、凹所入口部から底面
部に至るまでの途中は、エッチレートが合成速度V3であ
るので、曲率は一定とならならず、底面部球面の曲率と
は異なった曲率の非球面形状となる。しかもこのとき、
エッチレートは(100)>(110)なので、(110)面方
向の断面で見ると深さ方向にやや深穴となり、少なくと
も部分的に底面部球面よりも曲率の小さい非球面とな
る。ただし、(100)面方向の断面では、エッチレート
は(100)=(100)なので、曲率は中央部球面の曲率と
同じになる。即ち、横断面形状は入口の概略四角形形状
から中央部の円形に徐々に移行する。
フィゾー型干渉計による測定結果では、凹所130の中
心から1/4〜2/3がレーザ光の波長程度(0.6μm)の最
大誤差で真球に近くなっていることが確認できた。
ここで、結晶軸方向(結晶面方向)によるエッチレー
トの違いは、エッチャントの混合比によって定まるの
で、凹所全体に占める中央球面部の割合はその混合比の
選択により調整可能である。この例では、フッ酸と硝酸
の量により調節可能であり、フッ酸の量を多くすること
により、エッチング面全体が球面に近ずく。ただし、球
面の粗さは悪くなる。中央球面部の面積は、エッチャン
トの混合比とエッチング時間を定めれば、再現性良く得
ることができる。
凹所130のエッチングを終了した後、マスク層129を作
成したときと同様に、第12h図に示すように、Au膜123、
Cr膜122及びSiO2膜121をエッチングにより除去する。そ
の後、第12i図に示すように、凹所130を中心にしてコア
ドリルで切出し、所定のレンズ形状に仕上げ、音響レン
ズ101を得る。このとき、凹所130の中央球面部と周辺非
球面部の少なくとも一部がレンズ面105となるようにす
る。
次に、以上のようにして作られた音響レンズ101を用
いて構成した超音波顕微鏡用の超音波探触子を第17図及
び第18図により説明する。
第17図において、超音波探触子は、上記のように構成
された音響レンズ即ちレンズ本体101と、レンズ本体101
の一方の端部に設けられた超音波発生用の圧電膜102及
びこれに電力を供給する上部電極103及び下部電極104
と、レンズ本体101の他方の端部に設けられた凹状の音
響レンズ面105とからなっている。上部電極103及び下部
電極104は発振器106及び受信器107に接続され、発振器1
06と受信器107の回路はサーキュレータ108により切り換
えられる。音響レンズ面105は、中央部105Aが球面で、
周辺部105Bがそれよりも徐々に深さ方向の曲率が小さく
なる非球面となるような形状をしている。また、周辺部
105Bの入口形状は、第18図に示すように概略四角形形状
をしており、横断面形状はその概略四角形形状から中央
部105Aの円形形状に滑らかに移行する非円形をしてい
る。
使用にあたっては、試料台109上に試料110を載せ、試
料110とレンズ本体101の間に水111を設ける。
まず、発振器106によってパルス波状又はバースト波
状の電圧を発生させ、これを圧電膜102に供給する。こ
の電圧によって圧電膜102が振動し、ここから膜厚に対
応した周波数の超音波が発生する。この超音波はレンズ
本体101の凹状の音響レンズ面105の中央球面部105Aによ
って絞られ、集束ビーム112が形成される。この超音波
は試料表面または試料内部の音響インピーダンスの異な
る部分(例えばボイド、クラック等)によって反射さ
れ、再びレンズ本体101のレンズ面105に返り、圧電膜10
2に検出される。この信号が受信器107で増幅され試料11
0の情報が得られる。
試料台109をY方向に、レンズ本体101をX方向にスキ
ャンすることにより、試料110の表面又は試料内部の任
意の平面位置の情報が得られる。
音響レンズ101による超音波の伝幡の状況の詳細を第1
9図に示す。圧電膜102より直進してきた超音波は、レン
ズ面中央部105Aでは球面であるためレンズ面105の軸線
上に焦点を結び、超音波顕微鏡に使用した場合は従来と
同じように像が見える。これに対し、レンズ面周辺部10
5Bの非球面部では、中央部球面部105Aの球面よりも徐々
に深さ方向の曲率が小さくなるため、中央部球面からの
超音波よりも更に深い位置で焦点を結ぼうとする。この
とき、この超音波は試料表面に対する入射角に応じて試
料表面で反射し、反射波113となる場合と表面波114とな
る場合があり、反射波113と表面波114の一部はレンズ面
105に戻る。しかしながら、反射波113は試料表面上での
反射点がレンズ面の軸線からずれるため、レンズ面中央
の球面部105Aに戻る。この球面部105Aは周辺部105Bとは
焦点位置が異なる。従って、レンズ内での伝播方向はレ
ンズ面の軸線と平行にならず、圧電膜102には達しな
い。このため、中央球面部105Aによる情報のみが得ら
れ、周辺非球面部105Bによる情報は非常に少なくなる。
また、周辺部105Bは横断面形状が非円形をしている。
このため、この部分からの超音波はレンズ面の軸線に対
し横方向にもずれた方向に進行し、試料表面からの反射
波もそれに対応した方向に戻るか、レンズ外に放散す
る。即ち、横断面非円形の周辺部105Bは超音波を散乱さ
せる作用があると考えられる。
換言すれば、周辺非球面部105Bは少なくとも深さ方向
の形状の作用により、またこの作用と横断面非円形の作
用の相乗効果により、従来の超音波探触子のエッジの役
割をし、ノイズの受信を低減することを可能にする。
このように本実施例においては、レンズ面105の周辺
部105Bを球面でなく横断面非円形の非球面形状にするこ
とにより、ノイズの少ない情報を得ることができ、超音
波顕微鏡に使用した場合にはクリアな画像を得ることが
できる。
また、レンズ面105をこの形状にすることにより、レ
ンズ面外周部をテーパ状に加工しエッジを形成するため
の加工が不要となり、製造コストの大幅な低減が可能と
なる。
以上説明したように、本実施例によれば、エッチング
加工の適用により、従来加工が不可能であった極めて曲
率の小さいレンズ面を精度良く加工することができる。
また、レンズ面105の周辺非球面部105Bが従来音響レ
ンズのエッジの役割を果たし、ノイズの受信を低減し、
超音波顕微鏡に適用した場合には鮮明な画像を得ること
ができる。
また、音響レンズをこの形状に形成することにより、
従来あったレンズ面外周部のエッジ加工を省略でき、製
造コストの大幅な低減が可能である。
更に、ホトリソグラフィの手法が使えるので、第13図
に示すようにSiウェハー1枚で20〜40個のレンズ面を同
時に加工でき、再現性のある音響レンズを容易かつ安価
に製造ができる。
更に、ガラスマスク124のマスク形状を変え、マスク
層129の開口127の形状を変えることにより、凹所130
(レンズ面15)の周辺部形状は第14a図に示す形状だけ
でなく、楕円形状、八角形等の多様な形状に対応でき
る。
以上の実施例では、基板120を構成するウェハーの表
面方位を(100)面としたが、これは前述した通り他の
面であってもよい。ここで、他の面として(111)面を
使用した場合、形成される凹所の形状につき説明する。
基板120を構成するウェハーの表面方位を(111)面と
した場合、第15図の結晶面配置より、表面の(111)面
に直交する水平方向には第20図に示すように(110)面
のみが60°毎に存在する。このため、基板表面の凹所入
口部分ではエッチレートは同じとなり、入口形状は円形
となる。
これに対し、凹所130の深さ方向の形状については、
深さ方向の(111)面方向のエッチレートと水平方向の
(110)面方向のエッチレートと斜めの(100)面方向の
エッチレートの差が球面からの形状の違いとなる。即
ち、第21図に示すように、凹所周辺の入口部は(110)
面方向のエッチレートとなり、凹所底面部では(111)
面方向のエッチレートとなる。中間部では第20図に想像
線で示すように(100)面が三角錐状に存在するので、
それに対応して(100)面方向のエッチレートとなる部
分が出現する。その結果、中間部では、深くなるにした
がって三角錐状を呈する形状となる。即ち、横断面形状
が概略三角形形状となる。ただし、この場合でも、凹所
底面部即ち中央部付近では、(111)面方向のエッチレ
ートにより定まる球面形状が得られる。また、エッチレ
ートは(111)>(110)なので、深さ方向にやや深穴と
なる。その結果、凹所入口部から底面部に至るまでの途
中は、少なくとも部分的に底面部球面よりも深さ方向の
曲率が小さい非球面となる。
このように、この場合も、中央部が球面で、周辺部が
少なくとも部分的にその球面よりも深さ方向の曲率が小
さい非球面をなしかつ横断面形状が非円形をした凹所形
状が得られ、前述した実施例と同様、性能の優れた音響
レンズを得ることができる。
なお、詳述はしないが、基板120を構成するウェハー
の表面方位を(110)面とした場合も、基本的には同様
の凹所形状を得ることができる。
本発明の他の実施例による超音波探触子を第22図〜第
25図により説明する。
第22図は第17図実施例の応用例であり、Si基板から作
られた同一のレンズ本体131上に2個以上のレンズ面132
A,132Bを設け、送受信器側の回路を切替えることによ
り、同時に多数の情報を得られるようにしたものであ
る。
第23図は、レンズ本体101のレンズ面側端部に音響整
合層133を形成したものであり、これは熱酸化によって
形成されたSiO2の薄膜からなっている。この薄膜の厚み
は超音波の波長の1/4とされる。このような音響整合層1
33を設けることにより、境界面におけるロスが少なくな
る。レンズ本体101の材質としてSiを使い、熱酸化時間
を調節することにより、容易に所定の厚みのSiO2整合層
が得られる。
第24図は、音響レンズ本体101を構成するSiの性質を
利用して、その成膜面にB(ボロン)又はP(リン)を
ドープすることによりプリアンプ又はトランジスタ134
を形成したものである。プリアンプ134を設けることに
より、受信時の波長の歪みが小さいうちに増幅すること
ができ、S/Nを上げられる。また、第22図のように多数
のレンズ面を設けた場合には、トランジスタ134を設け
ることによりチャンネルを切替えられる。このようにレ
ンズ本体101上に電子回路を形成することによりインテ
リジェント性のある超音波探触子を構成できる。
第25図は、音響レンズ本体101のレンズ面105の側に圧
電膜135、下部電極136及び上部電極137を設けたもので
ある。こうすることにより、レンズ本体101内の伝幡ロ
スがなくなるため、S/Nの良い画像が得られる。
また、図示はしないが、音響レンズ本体101のレンズ
面105の側のレンズ面以外の平坦部を、例えばフッ酸の
量を多くして短時間でエッチングするなどして粗面加工
することにより、この平坦部から試料への直達波がなく
なり、ノイズを下げることができる。
以上説明したように、第12図〜第25図に示す実施例に
よれば、次の効果を得ることができる。
(1)再現性のある音響レンズが容易に多量に得られ
る。
(2)レンズ面の周辺非球面部が従来のエッジ部分の役
割をするため、レンズ面外周部から受信されるノイズを
低減できる。
(3)従来加工が困難であったエッジ部分の加工が不要
となるため、音響レンズのコスト低減が可能となる。
(4)レンズ形状の自由度が増加し、対象物に合わせて
形状および長さを変更できる。
(5)特性のそろったレンズを多数設けることにより、
多チャンネル化できスキャンン速度が上がる。
(6)熱酸化膜を用いた整合層を付加するこにより効率
の良いレンズができる。
(7)電子回路をレンズ上に形成することにより、コン
パクトで高性能な音響レンズが製作できる。
(8)レンズ面以外の平坦部を粗面加工することによ
り、ノイズの受信を一層低減できる。
(9)開口部側に圧電膜を形成することによりS/N比の
良い画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1a図〜第1f図は本発明の一実施例による超音波探触子
の音響レンズの製造方法を示す工程図であり、第2図は
その音響レンズを用いて構成した超音波探触子の側面図
であり、第3図、第4図及び第5図は前記実施例を応用
した変形実施例をそれぞれ示す図であり、第6a図〜第6e
図は本発明の他の実施例による超音波探触子の音響レン
ズの製造方法を示す工程図であり、第7a図及び第7b図は
その実施例の第1回目のマスク層及び第2回目のマスク
層の形状をそれぞれ示す図であり、第8a図及び第8b図、
第9a図及び第9b図、並びに第10a図及び第10b図は、それ
ぞれ、その実施例を応用した変形実施例における第1回
目のマスク層及び第2回目のマスク層の形状を示す第7a
図及び第7b図と同様な図であり、第11図は第10a図及び
第10b図に示すマスクパターンを採用した場合の円筒面
レンズと圧電素子との関係を示す図であり、第12a図〜
第12i図は本発明の更に他の実施例による超音波探触子
の音響レンズの製造方法を示す工程図であり、第13図は
その製造方法の一工程における基板上に形成されたマス
ク層の開口パターンを示す平面図であり、第14a図及び
第14b図は、それぞれ、同製造方法により作られた凹所
の周辺部形状を示す平面図及び断面図であり、第15図は
同製造方法に使用する単結晶Siの結晶構造を示す図であ
り、第16図は同製造方法により凹所が形成される状態を
エッチレートとの関係で示す凹所の深さ方向断面図であ
り、第17図はその製造方法により作られた音響レンズを
用いて構成した超音波探触子を示す断面図であり、第18
図はその音響レンズの底面図であり、第19図はその音響
レンズにおける超音波の伝播状況の詳細を示す図であ
り、第20図はウェハーの表面方位を変えた場合の凹所の
形状を結晶軸方向との関係で示す上面図であり、第21図
は同じ場合の凹所が形成される状態をエッチレートとの
関係で示す凹所の深さ方向断面図であり、第22図〜第25
図は前記実施例を応用した変形実施例をそれぞれ示す超
音波探触子を示す断面図である。 符号の説明 11;120;121…基板素材 14;52;61;127…開口 16…音響整合層 15;47;53;62;130…エッチプロフィル 20…音響レンズ(レンズ本体) 18;21;44;62;70a,70b,71a,71b;105…レンズ面 23…圧電素子 26…試料 30…シリコン基板 32…電子回路 51;45;60;129…マスク層 105A…中央部 105B…周辺部 135…圧電膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 重雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 今井 邦典 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 塩川 武次 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 田中 伸司 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石川 潔 東京都千代田区大手町2丁目6番2号 日立建機株式会社内 (72)発明者 小野里 陽正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 橋本 久義 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 田村 盛雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 波多野 和好 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 佐藤 藤男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 一柳 健 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 田中 潔 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 川沼 孝雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭58−4197(JP,A) 特開 昭59−93495(JP,A) 特開 昭56−103327(JP,A) 特開 昭55−149998(JP,A) 特開 昭61−31961(JP,A)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レンズ本体の一端に凹状のレンズ面を設け
    た音響レンズと、前記音響レンズの他端に配置された圧
    電素子とを有し、該圧電素子に電圧を印加することによ
    り発生した超音波を前記レンズ面を集束させ、その超音
    波の試料からの反射波を前記圧電素子で検出することに
    より前記試料表面又は内部の情報を得る超音波探触子に
    おいて、 前記音響レンズのレンズ面を、前記レンズ本体となる基
    板素材にエッチングを施すことにより形成されたエッチ
    プロフィルで構成したことを特徴とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の超音波探触子において、前
    記レンズ面のエッチプロフィルは、前記エッチングとし
    て等方性エッチングを施すことにより形成された球面状
    のエッチプロフィルを包含することを特徴とする超音波
    探触子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の超音波探触子において、前
    記レンズ面のエッチプロフィルは、前記エッチングとし
    て非円形の開口を有するマスク層を用いて行うエッチン
    グを施すことにより形成されたエッチプロフィルを包含
    することを特徴とする超音波探触子。
  4. 【請求項4】請求項1記載の超音波探触子において、前
    記レンズ面のエッチプロフィルは、前記基板素材の結晶
    軸方向によってエッチレートの異なるエッチングを施す
    ことにより形成されたエッチプロフィルであって、中央
    部が球面形状で、周辺部が深さ方向に少なくとも部分的
    に前記球面の曲率よりも小さい曲率をなす非球面形状を
    したエッチプロフィルを包含することを特徴とする超音
    波探触子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の超音波
    探触子において、前記音響レンズは前記レンズ本体上に
    配列された複数個のレンズ面を有し、これら複数個のレ
    ンズ面はそれぞれ前記エッチングを施すことにより形成
    されたエッチプロフィルからなることを特徴とする超音
    波探触子。
  6. 【請求項6】請求項3を引用する請求項5記載の超音波
    探触子において、前記複数個のレンズ面が、形状の中心
    軸が互いに交差する複数のレンズ面を包含することを特
    徴とする超音波探触子。
  7. 【請求項7】請求項6記載の超音波探触子において、前
    記複数個のレンズ面が、前記レンズ本体の軸線の周囲で
    互いに近接又は合体していることを特徴とする超音波探
    触子。
  8. 【請求項8】請求項1記載の超音波探触子において、前
    記音響レンズは、前記レンズ面をマスク層で被覆して前
    記レンズ面の外周部を再度エッチングすることにより形
    成されたエッチプロフィルを更に有することを特徴とす
    る超音波探触子。
  9. 【請求項9】請求項1記載の超音波探触子において、前
    記レンズ本体の材質がシリコンであることを特徴とする
    超音波探触子。
  10. 【請求項10】請求項1記載の超音波探触子において、
    前記レンズ本体の少なくとも前記レンズ面上にレンズ本
    体と異なる物質の薄膜からなる音響整合層を設けたこと
    を特徴とする超音波探触子。
  11. 【請求項11】請求項1記載の超音波探触子において、
    前記レンズ本体の材質が単結晶シリコンであり、前記レ
    ンズ本体の少なくとも前記レンズ面上にSiO2の薄膜から
    なる音響整合層を設けたことを特徴とする超音波探触
    子。
  12. 【請求項12】請求項9記載の超音波探触子において、
    前記レンズ本体は、互いに接合された複数個のシリコン
    基板から構成されていることを特徴とする超音波探触
    子。
  13. 【請求項13】請求項9記載の超音波探触子において、
    前記レンズ本体上に、該レンズ本体の材質である前記シ
    リコンを利用して構成した電子回路を更に有することを
    特徴とする超音波探触子。
  14. 【請求項14】請求項1記載の超音波探触子において、
    前記音響レンズは、前記レンズ本体のレンズ面周囲に粗
    面加工された平坦面を更に有することを特徴とする超音
    波探触子。
  15. 【請求項15】請求項1記載の超音波探触子において、
    前記圧電素子に代え、前記レンズ本体の前記一端におけ
    る少なくとも前記レンズ面上に圧電膜を形成したことを
    特徴とする超音波探触子。
  16. 【請求項16】レンズ本体の一端に凹状のレンズ面を設
    けた音響レンズと、前記音響レンズの他端に配置された
    圧電素子とを有し、該圧電素子に電圧を印加することに
    より発生した超音波を前記レンズ面で集束させ、その超
    音波の試料からの反射波を前記圧電素子で検出すること
    により前記試料表面又は内部の情報を得る超音波探触子
    の製造方法において、 前記レンズ本体となる基板素材の表面に少なくとも1つ
    の開口を有するエッチング耐性のマスク層を形成し、前
    記基板素材にこのマスク層の開口よりエッチングを施
    し、得られたエッチプロフィルの少なくとも一部を前記
    レンズ面とすることを特徴とする超音波探触子の製造方
    法。
  17. 【請求項17】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記マスク層に形成された開口が点状の開口
    であり、この点状の開口より前記基板素材に等方性エッ
    チングを施すことにより前記エッチプロフィルを得るこ
    とを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記マスク層に形成された開口が細長い開口
    であり、この細長い開口より前記基板素材のエッチング
    を施すことにより前記エッチプロフィルを得ることを特
    徴とする超音波探触子の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記基板素材に前記マスク層の開口より、基
    板素材の結晶軸方向によってエッチレートの異なるエッ
    チングを施し、前記エッチプロフィルとして、中央部が
    球面形状で、周辺部が深さ方向に少なくとも部分的に前
    記球面の曲率よりも小さい曲率をなす非球面形状をした
    エッチプロフィルを得ることを特徴とする超音波探触子
    の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記レンズ面を得た後、更にこのレンズ面を
    マスク層で被覆してレンズ面の外周部に再度エッチング
    を施すことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記マスク層には複数の開口を形成し、これ
    に対応してレンズ本体に複数個のレンズ面を形成するこ
    とを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記基板素材の材質がシリコンであることを
    特徴とする超音波探触子の製造方法。
  23. 【請求項23】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記レンズ本体の少なくとも前記レンズ面上
    に前記基板素材と異なる物質の薄膜からなる音響整合層
    を形成することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項16記載の超音波探触子の製造方法
    において、前記基板素材の材質が単結晶シリコンであ
    り、前記レンズ本体の少なくとも前記レンズ面上にSiO2
    の薄膜からなる音響整合層を形成することを特徴とする
    超音波探触子の製造方法。
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