JP2730512B2 - 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサ陽極体の製造方法Info
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Description
体の製造方法に関し、特に優れた電気特性を有する固体
電解コンデンサを形成することのできる固体電解コンデ
ンサ陽極体の製造方法に関するものである。
れる。まず、タンタル等の弁作用金属の粉末に、熱処理
を施したりバインダーを添加したりして造粒を行う。こ
の造粒は、流動性をよくして、加圧成型のための金型内
への導入が円滑に行えるようにするための処理である。
この造粒体を陽極リードを植立した状態で金型により加
圧成型して所定の形状の成型体を形成する。
陽極リード付き多孔質金属体を形成する。そして、陽極
化成を行って弁作用金属の表面に誘電体となる金属酸化
膜を形成し、続いて、固体電解質である二酸化マンガン
(MnO2 )層を形成する。その二酸化マンガン層上
に、カーボン層、銀ペースト層を順次形成し、最外層に
陰極部を有するコンデンサ素子を形成する。そして、こ
の素子に植立された陽極リードに陽極外部リードを溶接
等の手段により接続し、素子の陰極部に陰極外部リード
を導電性接着剤等で接続した後、保護被覆を施して製品
を完成する。
ンサ陽極体の製造方法では、弁作用金属粉末の造粒体を
その凝集力が100g/cm2 未満、通常は50g/c
m2 程度になるように形成し、これを用いて、加圧成型
体を形成していた。このような造粒体を用いて形成した
加圧成型体では、弁作用金属粉末の造粒体の凝集力が弱
いために、加圧成型時に、この成型体と加圧成型機金型
とのこすれにより成型体の表面につぶれが生じるという
問題点があった。
の不都合が生じる。まず、焼成後の陽極体の表面におい
てポア(空孔)が著しく減少し、そのため陽極酸化後の
陰極層形成段階において、固体電解質の陽極体内部への
含浸性が悪くなり、固体電解コンデンサとしたときの静
電容量変化率が大きくなったり、インピーダンス特性値
の低下という問題が起こる。また、陽極体表面に凹凸が
なくなるので、陽極酸化膜層の固体電解質層に対するア
ンカー効果がなくなり、固体電解質層のはがれが生じや
すく、これも固体電解コンデンサの電気特性に悪影響を
及ぼしていた。
ものであって、その目的は、加圧成型時に弁作用金属粉
末の凝集体につぶれが生じることがないようにして、陽
極体の表面に十分にポアを確保することができるように
するとともに陽極酸化膜のアンカー効果により二酸化マ
ンガンの剥離が生じることがないようにすることであ
る。
め、本発明によれば、(1)弁作用金属の粉末を造粒し
て該金属粉末の造粒体を形成する工程と、(2)陽極リ
ードを植立した状態で前記造粒体を加圧成型して弁作用
金属粉末の加圧成型体を形成する工程と、(3)前記加
圧成型体を焼成する工程と、を備え、前記造粒体の凝集
力が100〜200g/cm2 である固体電解コンデン
サ陽極体の製造方法、が提供される。
を参照して説明する。本発明実施例の効果を確認するた
め、タンタル粉末に熱処理を加えて、比較のための従来
例のものを含めて表1に示すように、凝集力の異なるタ
ンタル粉末造粒体を作製した(水準1、水準2が実施
例、水準3が従来例)。凝集力の増大は、熱処理温度を
上昇させることにより行った。次に、表1に示す全ての
タンタル粉末凝集体を用いて以下の通り、電解コンデン
サを作製し、その電気特性の比較を行った。
させた幅2.2mm、厚み1.2mm、高さ1.6m
m、そして成型体密度が6.0g/cm3 となるように
加圧成型体を作製し、高温・高真空中で焼成して、タン
タルの陽極体を得た。得られた陽極体表面のポアサイズ
とポア面積の累計との関係を図1に示す。従来例のもの
では10μmを越えるポアはほとんど存在せず、0.1
μm以下の微細なポアも20%程度存在しているが、実
施例のものでは、1μm以上のポアがほとんどを占め、
0.1μm以上ではほぼ100%となっている。
液中で化成して酸化皮膜を形成し、その上に二酸化マン
ガン層、カーボン層、銀ペースト層を順次形成し、最外
層に陰極部を有するコンデンサ素子を形成する。さら
に、この素子に植立された陽極リードに陽極外部リード
を溶接等の手段により接続する。次に素子の陰極部に陰
極外部リードを導電性接着剤等で接続した後、エポキシ
等の外装樹脂で絶縁外装し、タンタル電解コンデンサを
作製した。得られた電解コンデンサの比容量CV(単位
重量当たりの容量×定格電圧)は、表1に示すように、
いずれの水準のものも40,000であった。
ンサについて以下の電気特性比較を行った。 テスト1.電解コンデンサの静電容量変化率比較 テスト2.電解コンデンサのインピーダンス−周波数特
性比較 テスト3.電解コンデンサの耐電圧比較 これらテスト1〜テスト3の測定により得られた結果を
図2〜図4に示す。
試料に対し、初期値、温度:85℃、湿度:90〜95
%の雰囲気中に24時間放置後の値(評価A)、およ
び、温度:125℃の雰囲気中に24時間放置後の値
(評価B)を測定した。図2に示されるように、水準3
の場合に比較して、水準1、水準2のものでは、静電容
量の変化が小さくなっている。これは、陽極体表面での
ポア面積の増大したことにより、電解コンデンサ製作時
に二酸化マンガンの被覆性が向上したためであるともの
と推定される。
料について、周波数−インピーダンス特性の測定を行
い、平均値を図3に示した。同図に示されるように、タ
ンタル粉末造粒体の凝集力が大きくなるにつれて、周波
数−インピーダンス特性が改善される。これは、凝集力
の増大に伴って、造粒体のつぶれが少なくなり、二酸化
マンガンに対するアンカー効果が大きくなることによっ
てその剥離が抑制されること、および、前述の二酸化マ
ンガンの被覆性の向上により、得られる結果であるもの
と考えられる。
いて、破壊電圧の測定を行った。図4に示されるよう
に、造粒体の凝集力を大きくすることによりコンデンサ
の耐電圧も改善される。水準3の試料では、加圧成型時
につぶれ、こすれることにより成型体表面に金型のFe
などの不純物が付着する。この不純物により陽極酸化膜
の形成が阻害されるため、従来例では耐電圧が低下する
が、実施例の試料では造粒体の凝集力が大きいため、不
純物の付着が抑制され、耐電圧も向上する。
を100〜200g/cm2 の範囲に特定している。凝
集力を100g/cm2 以上としているのは、これ以下
では、上述の静電容量変化率、周波数−インピーダンス
特性および耐電圧の等の電気的諸特性の改善が果たせな
くなるからである。一方、凝集力が200g/cm2を
越えると、タンタル粉末の比表面積の減少により電解コ
ンデンサとして形成したときに静電容量の低下を招くた
め、これ以下の凝集力に限定することが望ましい。
コンデンサ陽極体は、凝集力が100〜200g/cm
2 の弁作用金属粉末の造粒体を用いて作製されているの
で、陽極体表面のポアの減少を抑え、電解コンデンサの
静電容量変化率、インピーダンス特性および耐圧特性を
向上させることができることができるとともに比表面積
の減少を抑制してコンデンサ容量の低下を抑制すること
ができる。
ンデンサ陽極体についてのポアサイズと累積ポア面積と
の関係を示すグラフ。
ンデンサについての静電容量変化率を示すグラフ。
ンデンサについての周波数−インピーダンス特性を示す
グラフ。
ンデンサについての耐電圧範囲を示すグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 (1)弁作用金属の粉末を造粒して該金
属粉末の造粒体を形成する工程と、 (2)陽極リードを植立した状態で前記造粒体を加圧成
型して弁作用金属粉末の加圧成型体を形成する工程と、 (3)前記加圧成型体を焼成する工程と、を備える固体
電解コンデンサ陽極体の製造方法において、前記造粒体
の凝集力が100〜200g/cm2 であることを特徴
とする固体電解コンデンサ陽極体の製造方法。 - 【請求項2】 前記第(1)の工程の造粒が、熱処理に
よって行われることを特徴とする請求項1記載の固体電
解コンデンサ陽極体の製造方法。 - 【請求項3】 前記弁作用金属がタンタルであることを
特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ陽極体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5828495A JP2730512B2 (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5828495A JP2730512B2 (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08236405A JPH08236405A (ja) | 1996-09-13 |
JP2730512B2 true JP2730512B2 (ja) | 1998-03-25 |
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ID=13079902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5828495A Expired - Fee Related JP2730512B2 (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2730512B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-23 JP JP5828495A patent/JP2730512B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08236405A (ja) | 1996-09-13 |
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