JP2730512B2 - 固体電解コンデンサ陽極体の製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ陽極体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサ陽極
体の製造方法に関し、特に優れた電気特性を有する固体
電解コンデンサを形成することのできる固体電解コンデ
ンサ陽極体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解コンデンサは次のように作製さ
れる。まず、タンタル等の弁作用金属の粉末に、熱処理
を施したりバインダーを添加したりして造粒を行う。こ
の造粒は、流動性をよくして、加圧成型のための金型内
への導入が円滑に行えるようにするための処理である。
この造粒体を陽極リードを植立した状態で金型により加
圧成型して所定の形状の成型体を形成する。
【0003】次に、高真空雰囲気中で高温にて焼成して
陽極リード付き多孔質金属体を形成する。そして、陽極
化成を行って弁作用金属の表面に誘電体となる金属酸化
膜を形成し、続いて、固体電解質である二酸化マンガン
(MnO2 )層を形成する。その二酸化マンガン層上
に、カーボン層、銀ペースト層を順次形成し、最外層に
陰極部を有するコンデンサ素子を形成する。そして、こ
の素子に植立された陽極リードに陽極外部リードを溶接
等の手段により接続し、素子の陰極部に陰極外部リード
を導電性接着剤等で接続した後、保護被覆を施して製品
を完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体電解コンデ
ンサ陽極体の製造方法では、弁作用金属粉末の造粒体を
その凝集力が100g/cm2 未満、通常は50g/c
2 程度になるように形成し、これを用いて、加圧成型
体を形成していた。このような造粒体を用いて形成した
加圧成型体では、弁作用金属粉末の造粒体の凝集力が弱
いために、加圧成型時に、この成型体と加圧成型機金型
とのこすれにより成型体の表面につぶれが生じるという
問題点があった。
【0005】加圧成型体につぶれが発生した場合、以下
の不都合が生じる。まず、焼成後の陽極体の表面におい
てポア(空孔)が著しく減少し、そのため陽極酸化後の
陰極層形成段階において、固体電解質の陽極体内部への
含浸性が悪くなり、固体電解コンデンサとしたときの静
電容量変化率が大きくなったり、インピーダンス特性値
の低下という問題が起こる。また、陽極体表面に凹凸が
なくなるので、陽極酸化膜層の固体電解質層に対するア
ンカー効果がなくなり、固体電解質層のはがれが生じや
すく、これも固体電解コンデンサの電気特性に悪影響を
及ぼしていた。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、加圧成型時に弁作用金属粉
末の凝集体につぶれが生じることがないようにして、陽
極体の表面に十分にポアを確保することができるように
するとともに陽極酸化膜のアンカー効果により二酸化マ
ンガンの剥離が生じることがないようにすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、(1)弁作用金属の粉末を造粒し
て該金属粉末の造粒体を形成する工程と、(2)陽極リ
ードを植立した状態で前記造粒体を加圧成型して弁作用
金属粉末の加圧成型体を形成する工程と、(3)前記加
圧成型体を焼成する工程と、を備え、前記造粒体の凝集
力が100〜200g/cm2 である固体電解コンデン
サ陽極体の製造方法、が提供される。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について、表および図
を参照して説明する。本発明実施例の効果を確認するた
め、タンタル粉末に熱処理を加えて、比較のための従来
例のものを含めて表1に示すように、凝集力の異なるタ
ンタル粉末造粒体を作製した(水準1、水準2が実施
例、水準3が従来例)。凝集力の増大は、熱処理温度を
上昇させることにより行った。次に、表1に示す全ての
タンタル粉末凝集体を用いて以下の通り、電解コンデン
サを作製し、その電気特性の比較を行った。
【0009】まず、0.25mmφのタンタル線を植立
させた幅2.2mm、厚み1.2mm、高さ1.6m
m、そして成型体密度が6.0g/cm3 となるように
加圧成型体を作製し、高温・高真空中で焼成して、タン
タルの陽極体を得た。得られた陽極体表面のポアサイズ
とポア面積の累計との関係を図1に示す。従来例のもの
では10μmを越えるポアはほとんど存在せず、0.1
μm以下の微細なポアも20%程度存在しているが、実
施例のものでは、1μm以上のポアがほとんどを占め、
0.1μm以上ではほぼ100%となっている。
【0010】
【表1】 注)凝集力の測定には市販の圧力変位量測定器を用い、造粒体の破壊強度を 凝集力とした。
【0011】次に、前述の如く得られた陽極体をリン酸
液中で化成して酸化皮膜を形成し、その上に二酸化マン
ガン層、カーボン層、銀ペースト層を順次形成し、最外
層に陰極部を有するコンデンサ素子を形成する。さら
に、この素子に植立された陽極リードに陽極外部リード
を溶接等の手段により接続する。次に素子の陰極部に陰
極外部リードを導電性接着剤等で接続した後、エポキシ
等の外装樹脂で絶縁外装し、タンタル電解コンデンサを
作製した。得られた電解コンデンサの比容量CV(単位
重量当たりの容量×定格電圧)は、表1に示すように、
いずれの水準のものも40,000であった。
【0012】このようにして作製された固体電解コンデ
ンサについて以下の電気特性比較を行った。 テスト1.電解コンデンサの静電容量変化率比較 テスト2.電解コンデンサのインピーダンス−周波数特
性比較 テスト3.電解コンデンサの耐電圧比較 これらテスト1〜テスト3の測定により得られた結果を
図2〜図4に示す。
【0013】テスト1では、各水準について、20個の
試料に対し、初期値、温度:85℃、湿度:90〜95
%の雰囲気中に24時間放置後の値(評価A)、およ
び、温度:125℃の雰囲気中に24時間放置後の値
(評価B)を測定した。図2に示されるように、水準3
の場合に比較して、水準1、水準2のものでは、静電容
量の変化が小さくなっている。これは、陽極体表面での
ポア面積の増大したことにより、電解コンデンサ製作時
に二酸化マンガンの被覆性が向上したためであるともの
と推定される。
【0014】テスト2では、各水準毎に20個ずつの試
料について、周波数−インピーダンス特性の測定を行
い、平均値を図3に示した。同図に示されるように、タ
ンタル粉末造粒体の凝集力が大きくなるにつれて、周波
数−インピーダンス特性が改善される。これは、凝集力
の増大に伴って、造粒体のつぶれが少なくなり、二酸化
マンガンに対するアンカー効果が大きくなることによっ
てその剥離が抑制されること、および、前述の二酸化マ
ンガンの被覆性の向上により、得られる結果であるもの
と考えられる。
【0015】テスト3も、各水準毎に20試料ずつにつ
いて、破壊電圧の測定を行った。図4に示されるよう
に、造粒体の凝集力を大きくすることによりコンデンサ
の耐電圧も改善される。水準3の試料では、加圧成型時
につぶれ、こすれることにより成型体表面に金型のFe
などの不純物が付着する。この不純物により陽極酸化膜
の形成が阻害されるため、従来例では耐電圧が低下する
が、実施例の試料では造粒体の凝集力が大きいため、不
純物の付着が抑制され、耐電圧も向上する。
【0016】なお、本発明においては、造粒体の凝集力
を100〜200g/cm2 の範囲に特定している。凝
集力を100g/cm2 以上としているのは、これ以下
では、上述の静電容量変化率、周波数−インピーダンス
特性および耐電圧の等の電気的諸特性の改善が果たせな
くなるからである。一方、凝集力が200g/cm2
越えると、タンタル粉末の比表面積の減少により電解コ
ンデンサとして形成したときに静電容量の低下を招くた
め、これ以下の凝集力に限定することが望ましい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体電解
コンデンサ陽極体は、凝集力が100〜200g/cm
2 の弁作用金属粉末の造粒体を用いて作製されているの
で、陽極体表面のポアの減少を抑え、電解コンデンサの
静電容量変化率、インピーダンス特性および耐圧特性を
向上させることができることができるとともに比表面積
の減少を抑制してコンデンサ容量の低下を抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各凝集力の造粒体を用いて作製した固体電解コ
ンデンサ陽極体についてのポアサイズと累積ポア面積と
の関係を示すグラフ。
【図2】各凝集力の造粒体を用いて作製した固体電解コ
ンデンサについての静電容量変化率を示すグラフ。
【図3】各凝集力の造粒体を用いて作製した固体電解コ
ンデンサについての周波数−インピーダンス特性を示す
グラフ。
【図4】各凝集力の造粒体を用いて製作した固体電解コ
ンデンサについての耐電圧範囲を示すグラフ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)弁作用金属の粉末を造粒して該金
    属粉末の造粒体を形成する工程と、 (2)陽極リードを植立した状態で前記造粒体を加圧成
    型して弁作用金属粉末の加圧成型体を形成する工程と、 (3)前記加圧成型体を焼成する工程と、を備える固体
    電解コンデンサ陽極体の製造方法において、前記造粒体
    の凝集力が100〜200g/cm2 であることを特徴
    とする固体電解コンデンサ陽極体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第(1)の工程の造粒が、熱処理に
    よって行われることを特徴とする請求項1記載の固体電
    解コンデンサ陽極体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記弁作用金属がタンタルであることを
    特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ陽極体の
    製造方法。
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