JP2728204C - - Google Patents

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JP2728204C
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epoxy resin
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高温雰囲気中においても優れた信頼性を保持する半導体装置に関
するものである。 〔従来の技術〕 トランジスタ,IC,LSI等の半導体素子は、一般にエポキシ樹脂組成物を
用いて封止され半導体装置化されている。上記エポキシ樹脂は、その電気特性,
耐湿性,接着性等が良好であることから、半導体装置の封止に用いられており良
好な成績を収めている。しかしながら、近年、自動車等の、多くの屋外使用機器
においても半導体装置が大量に使用されるにしたがつて、今まで以上の耐熱性、
特に従来では問題にならなかつた高温での保存信頼性が、多くの半導体装置に要
求されるようになつてきた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような耐熱性の向上のためには、従来から、封止に用いるエポキシ樹脂の
難燃性を高めることによつて行つている。すなわち、臭素化エポキシ樹脂と酸化
アンチモンとを組み合わせてエポキシ樹脂組成物中に配合することにより、エポ
キシ樹脂組成物硬化体の難燃性を高め、それによつて封止樹脂の耐熱性の向上を
図つている。上記臭素化エポキシ樹脂と酸化アンチモンとの組み合わせは、難燃
性の点では良好な結果を示す。ところが、高温における保存安定性の点では問題
が生じる。すなわち、高温状態においては、臭素化エポキシ樹脂の熱分解により
臭化水素が発生し、この臭化水素が半導体素子の金線とアルミパツドの接合部と
に反応して合金の生成を促し、これによつて電気抵抗値の増加を招き、導通不良
をもたらす。このように、従来の半導体装置では、難燃性の点においては問題は
ないが、高温状態における放置、特に長期間の放置では信頼性の点に問題がある 。 この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、高温雰囲気中に長期間放
置しても優れた信頼性を保持する半導体装置の提供をその目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明の半導体装置は、下記の(A)〜(E)
成分を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止するという構成を
とる。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フエノール樹脂。 (C)臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂。 (D)有機リン化合物。 (E)下記の一般式で示される原子価3〜5の金属の含水酸化物。 MxOy・nH2O (Mは原子価3〜5の金属、x,,nは正の整数) すなわち、本発明者らは、上記の目的を達成するため、一連の研究を重ねた結
果、難燃剤としての臭素化エポキシ樹脂の熱分解が、通常エポキシ樹脂組成物に
硬化促進剤として含有されているアミン化合物によつて促進されることを突き止
めた。この知見にもとづき、本発明者らは、各種の硬化促進剤等について検討を
重ねた結果、有機リン化合物からなる硬化促進剤に、原子価3〜5の金属、好ま
しくは遷移金属の含水酸化物を組み合わせ、さらに臭素化エポキシ樹脂をビスフ
エノール型にすると、樹脂に難燃性を付与させうると同時に、ハロゲン化水素ガ
スの発生を抑制して高温放置における優れた信頼性が得られるようになることを
見いだしこの発明に到達した。 この発明の半導体装置は、エポキシ樹脂(A成分)と、フエノール樹脂(B成
分)と、臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂(C成分)と、有機リン化合物(
D成分)と、原子価3〜5の金属の含水酸化物(E成分)とを用いて得られるも
のであつて、通常、粉末状もしくはそれを打錠したタブレツト状になつている。 上記エポキシ樹脂組成物のA成分となるエポキシ樹脂は、特に制限するもので
はなく、フエノールノボラツク型エポキシ樹脂,クレゾールノボラツク型エポキ シ樹脂,ビスフエノールA型エポキシ樹脂等、従来より用いられている各種のエ
ポキシ樹脂があげられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし併用し
てもよい。 上記エポキシ樹脂の中でも好適なエポキシ樹脂としては、エポキシ当量170
〜300のノボラツク型エポキシ樹脂であり、例えばフエノールノボラツク型エ
ポキシ樹脂,クレゾールノボラツク型エポキシ樹脂等があげられる。これらのエ
ポキシ樹脂における塩素イオンの含有量は10ppm以下、加水分解性塩素の含
有量は0.1重量%(以下「%」と略す)以下に設定することが好ましい。塩素
等の含有量が上記の範囲を外れると、腐食による素子の不良が発生しやすくなる
傾向がみられるからである。 上記B成分のフエノール樹脂は、上記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するも
のであり、フエノールノボラツク樹脂,クレゾールノボラツク樹脂等が好適に用
いられる。これらのフエノール樹脂は、軟化点が50〜110℃,水酸基当量が
70〜150であることが好ましい。 上記フエノール樹脂とエポキシ樹脂との相互の使用割合は、エポキシ樹脂のエ
ポキシ当量との関係から適宜に選択されるが、エポキシ基に対するフエノール性
水酸基の当量比が0.5〜1.5の範囲内になるよう設定することが好ましい。当
量比が上記の範囲を外れると、得られるエポキシ樹脂組成物硬化体の耐熱性が低
下する傾向がみられるからである。 上記C成分の臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が
420以上のもの、好適には420〜550のものを使用することが望ましい。
エポキシ当量が420未満の場合は、樹脂の耐熱性に劣る傾向がみられるばかり
でなく、ハロゲン化水素ガスも発生しやすくなるためである。このような臭素化
ビスフエノール型エポキシ樹脂の使用量は、エポキシ樹脂組成物の樹脂成分(A
+B+C成分)中、1〜10%の範囲内に設定することが好ましい。すなわち、
臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂の使用量が1%未満では難燃性の向上効果
が不充分となり、逆に10%を超えるとハロゲン化水素ガスの発生が多くなり半
導体素子に悪影響を及ぼす傾向がみられるからである。 上記D成分の有機リン化合物も特に制限するものではなく、市販されている有 機ホスフイン類,有機ホスフインオキサイド類または第四ホスホニウム塩を単独
でもしくは併せて使用することができる。例えば、トリフエニルホスフイン,ト
リブチルホスフイン,メチルジフエニルホスフイン,トリフエニルホスフインオ
キサイド,テトラフエニルホスホニウムテトラフエニルボレート等があげられる
。これらは、先に述べたように、単独で使用してもよいし併用しても差し支えは
ない。このような有機リン化合物の配合量は、エポキシ樹脂組成物の樹脂成分に
対して0.5〜5%の割合になるように設定することが好ましい。配合量が5%
を超えると樹脂組成物硬化体の耐湿性が劣るようになり、0.5%未満になると
樹脂組成物硬化体の難燃性が劣るという傾向がみられる。 また、上記A〜D成分とともに用いられるE成分は、原子価3〜5の金属(M
)の含水酸化物であつて、下記の一般式 MxOy・nH2O で表されるものであり、好ましくは遷移金属の含水酸化物である。原子価3〜5
の金属としては、Sb,Bi,Zr等があげられる。そして、このような遷移金属
の含水酸化物の代表例としては、含水五酸化アンチモン(Sb2O5・4H2O等),含
水酸化ジルコン(ZrO2・nH2O),含水酸化ビスマス(Bi2O3・nH2O),含水酸化
チタン(TiO2・nH2O)があげられる。これらの酸化物は、単独で用いてもよいし
併用しても差し支えはない。このようなD成分の配合量は、エポキシ樹脂組成物
の樹脂成分に対して、D成分が1〜10%の割合になるように設定することが好
ましい。すなわち、配合量が1%を下回る場合には、エポキシ樹脂組成物の難燃
性が低下する傾向がみられ、逆に10%を上回ると、耐湿性の低下現象がみられ
るからである。 この発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、上記A〜E成分以外にも、必
要に応じて従来より用いられているその他の添加剤が含有される。 上記その他の添加剤としては、例えば離型剤,着色剤,充填剤,シランカツプ
リング剤等があげられる。 上記離型剤としては、従来公知のステアリン酸,パルミチン酸等の長鎖のカル
ボン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム等の長鎖カルボン酸の金属
塩,カルナバワツクス,モンタンワツクス等のワツクス類を用いることができる 。なお、アミド系ワツクス類は、アミドの脱臭素促進性のため好ましくない。 上記充填剤としては、特に制限するものではなく、一般に用いられている石英
ガラス粉末,タルク,シリカ粉末,アルミナ粉末等が適宜に使用される。充填剤
の配合量は樹脂成分の総量に対し重量比で1.5〜4倍程度が好ましい。4倍以
上のときは樹脂の流動性が、悪く1.5倍以下のときは樹脂の成形性が悪くなる
からである。 この発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、例えばつぎのようにして製造するこ
とができる。すなわち、上記A〜E成分ならびに上記他の添加剤を適宜配合し、
この混合物をミキシングロール機等の混練機に掛け加熱状態で溶融混合し、これ
を室温に冷却したのち公知の手段により粉砕し、必要に応じて打錠するという一
連の工程により、目的とするエポキシ樹脂組成物を得ることができる。このエポ
キシ樹脂組成物は、高温放置時においてハロゲン化水素ガスの発生量が極めて少
なく、半導体素子に与える影響が少ない。 このようなエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は、特に制限する
ものではなく、通常のトランスフアー成形等の公知のモールド方法により行うこ
とができる。 このようにして得られる半導体装置は、難燃性に富み、しかも上記エポキシ樹
脂組成物の熱分解により発生するハロゲン化水素ガスが従来品に比べて極めて少
ないため、高温放置時における耐熱信頼性が高い。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明の半導体装置は、臭素化ビスフエノール型エポキシ樹
脂(C成分)と、有機リン化合物(D成分)と、原子価3〜5の金属の含水酸化
物(E成分)とを含む特殊なエポキシ樹脂組成物を用いて封止されており、その
封止樹脂が上記C〜E成分の作用によつて難燃性に富んでいるだけでなく、高温
雰囲気中に長期間放置してもハロゲン化水素ガスを殆ど発生しないため、高温放
置時における優れた信頼性を有している。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。 〔実施例1〜11、比較例1〜4〕 後記の第1表に示すような原料を準備し、これらの原料を第1表に示す割合で 配合し、ミキシングロール機で混練して冷却後粉砕し、目的とする粉末状のエポ
キシ樹脂組成物を得た。 上記のようにして得られた粉末状エポキシ樹脂組成物の硬化物特性を調べ第2
表に示した。 なお、上記2表において、スパイラルフローはEMMI−66、ゲルタイムは
JIS−K−5966に準拠して測定した。熱膨張係数,ガラス転移温度はTM
A(理学電機社製)にて測定した。曲げ弾性率,曲げ強度はテンシロン万能試験
機(東洋ボールドウイン社製)で測定した。体積抵抗値はJIS−K−6911
に準拠して測定した。また、高温状態における素子不良の測定は、半導体素子を
樹脂封止して半導体装置を組み立て、全量20個を高温にさらし、導通不良にな
る個数を求めて評価した。さらに、樹脂組成物より発生するハロゲン化水素の量
の測定は、サンプル1gを高温状態にて保存し発生した気体をガスクロマトグラ
フイーにて測定することにより行つた。難燃性は、UL−94に準拠して測定し
、1/8インチ(1/20cm)および1/16インチ(1/40cm)の試料につ
いて評価した。 第2表の結果から、実施例品はハロゲン化水素の発生が殆どなく、このため高
温状態に放置したときの素子の信頼性が高い。そのうえ、難燃性においても問題
がなく、耐湿性,成形性にも問題はない。したがつて、これを封止樹脂に用いた
半導体装置は、極めて信頼性の高いものとなる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 下記の(A)〜(E)成分を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて半導体
    素子を封止してなる半導体装置。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フエノール樹脂。 (C)臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂。 (D)有機リン化合物。 (E)下記の一般式で示される原子価3〜5の金属の含水酸化物。 MxOy・nH2O (Mは原子価3〜5の金属、x,,nは正の整数) (2) 上記(A)成分であるエポキシ樹脂における塩素イオンの含有量が10p
    pm以下であり、加水分解性塩素の含有量が0.1重量%以下である特許請求の
    範囲第1項記載の半導体装置。 (3) 上記(B)成分であるフエノール樹脂として、軟化点が50〜110℃、
    水酸基当量が70〜150のフエノール樹脂を用いる特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の半導体装置。 (4) 原子価3〜5の金属が、Sb,Bi,ZrまたはAlである特許請求の範
    囲第1項〜第3項のいずれか一項に記載の半導体装置。 (5) 上記(E)成分が、含水五酸化アンチモンおよび含水酸化ジルコンの少な
    くとも一方である特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一項に記載の半導体
    装置。 (6) 上記(C)成分である臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂として、エポ
    キシ当量が420以上のものを用いる特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか
    一項に記載の半導体装置。 (7) 上記(C)成分である臭素化ビスフエノール型エポキシ樹脂の使用量が、
    上記エポキシ樹脂(A),フエノール樹脂(B),臭素化ビスフエノール型エポ キシ樹脂(C)の合計量(A+B+C成分)中、1〜10重量%である特許請求
    の範囲第1項〜第6項のいずれか一項に記載の半導体装置。 (8) 有機リン化合物が、有機ホスフイン類,有機ホスフインオキサイド類およ
    び第四ホスホニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも一つの有機リン化合物
    である特許請求の範囲第1項〜第7項記載のいずれか一項に記載の半導体装置。

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