JP2727277B2 - サイリスタ変換装置の保護方法及びその装置 - Google Patents
サイリスタ変換装置の保護方法及びその装置Info
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Description
するサイリスタ変換装置の保護方法及びその装置に関す
る。
直流大電流を供給するため、サイリスタ変換装置が多く
用いられている。特に、近時においては超電導コイルが
実用化され、強力な磁場が長時間発生できるようになっ
た。このような大容量の誘導性負荷においては、負荷時
定数が大きいため、直流電流の減衰時間が長くなり、特
に超電導コイルでは、減衰時間が数時間にも達する場合
がある。
サイリスタ変換装置の保護には特別な方法が用いられて
いる。これを例示する図5によって説明すると、1は交
流電源、2は上記交流電源1に接続された交流遮断器、
3は上記交流遮断器2に、星形結線の1次側をそれぞれ
接続した変圧器である。4は、上記変圧器3の星形結線
の2次側に、6個のサイリスタThu,Thv,Th
w,Thx,Thy,Thzをブリッジ結線してその交
流入力端を、それぞれ接続したサイリスタ変換器であ
る。5は上記サイリスタ変換器4の直流出力端に直流遮
断器6を介して接続された超電導コイル等からなる大容
量の誘導性負荷(以下単に負荷という)である。そし
て、交流電源1を交流遮断器2及び変圧器3を介して受
電したサイリスタ変換器4は整流した直流電力を負荷5
に供給するようになっている。7は上記直流遮断器6と
並列に接続されて、直流遮断器6が開極したとき、負荷
5のエネルギーを消費するための抵抗である。
流電力が供給されている状態で、交流側または直流側に
事故が発生すると、図示しない制御装置によりサイリス
タ変換器4のサイリスタアームをバイパス運転に移行さ
せて直流電流idcを、図6に示すように、上下ペア
(本例ではThwとThz)のサイリスタアームに移し
てから交流遮断器2をトリップさせて交流を遮断し、そ
の後、直流遮断器6により直流電流を遮断してサイリス
タ変換器4を保護する方法が用いられている。
は、例えばゲートブロック運転にして(サイリスタTh
u〜Thzに対する点弧指令を停止して)から交流を遮
断しようとした場合、図7に示すように、直流電流id
cは5→4のThz→3のw→3のu→4のThu→5
の経路で変圧器3の2次巻線に流れつづける(負荷5の
負荷時定数が大きいため、直流電流の減衰時間が長いの
で)。この時、変圧器3の1次巻線にも図示矢印のよう
に電流が流れ続ける(交流電圧が反転しても電流は一定
方向)。このため、交流遮断器2は接点が開極しても電
流の零点が生じないので遮断不能となり、交流遮断器2
の接点間にはアークが持続してついには破壊に至ってし
まうからである。
定数が小さい場合には、ゲートシフト運転(インバータ
運転)を行い、出力電圧を反転させることにより負荷電
流を短時間に零にして、その後交流遮断器2で交流側を
遮断する方法も用いられている。しかし、この方法も負
荷時定数が大きい場合には適用できない。なぜなら、電
流idcが零にならない限り変圧器3の2次巻線のいず
れかの相に電流idcが流れるため、上記バイパスペア
運転に移行して変圧器3の2次電流を零にした後でなけ
れば交流遮断はできない。
転への移行が失敗する可能性が高いことから、これを改
善するため、サイリスタ変換器よりも交流側の回路に短
絡用投入器を挿入して、交流側事故時の保護動作中バイ
パスペア運転への移行が失敗したとき、上記短絡用投入
器を投入し、その後交流遮断器を開放してサイリスタ変
換器を保護する方法も提案されている(特公昭63−3
6206号)。
パスペア運転へ移行させて交流遮断器を開放してサイリ
スタ変換器を保護する方法にあっては、サイリスタ変換
器のバイパスペアとなった1組のアームに電流が流れつ
づけることになり、インバータ運転する場合にあっては
整流方式によって定まる期間(例えば電気角120゜)
のみしか電流が流れないので、上記バイパスペアとなっ
たアームは過電流状態(3倍の電流(平均値))にな
る。特に超電導コイル負荷で、かつ、直流遮断しない場
合は長時間に亘って電流が流れつづける。このため、バ
イパスペア運転するサイリスタ変換器においては、全て
のサイリスタの電流定格を大きくしたり、特定相のサイ
リスタのみ電流定格を大きくしてバイパスペア運転は必
ずその相で運転するよう制御したりすることが必要とな
って、高価となり不経済である。しかも、特定相による
バイパスペア運転を行うものにあっては、バイパスペア
運転への移行失敗の可能性が高くなり、移行が失敗する
と他のアームに電流が流れつづけてサイリスタの過熱破
壊を惹起するという問題を有している。
運転の移行の確認が必要でもし誤動作により移行の確認
前に交流遮断器が開極すると、その接点間に直流電流i
dc分が加算されたアーク電流が流れ続け、やがて接点
が破壊されることが起きる。そのため、確認を確実にす
るには複雑な制御装置が必要となって、保護動作に大幅
な時間遅れが生じ、確実な保護ができなくなるという問
題を有している。
の移行が失敗したとき、短絡用投入器を投入した後、交
流遮断器を開放して交流を遮断し、サイリスタ変換器を
保護する方法にあっては、保護動作中とは云え、交流遮
断器の開放前に短絡用投入器を投入させるため、電源短
絡事故を惹起するおそれを有するという安全性の問題を
内在しており、かつ、上記投入器も高速度投入が要求さ
れるため、高精度な構造・制御が必要となって装置を高
価なものにするという問題を有している。
たもので、その目的とするところは、サイリスタの電流
定格を大きくしたり、バイパスペア運転への移行に際
し、特定の相を選択制御する必要もなく、バイパスペア
運転への移行を確認することなく、かつ特別な短絡手段
を設けて移行失敗に対処することなく、短時間、かつ的
確にサイリスタ変換装置を保護することができる方法及
びその装置を提供することにある。
するため、保護装置が、事故時バイパスペア運転への移
行指令と交流遮断器へのトリップ指令とを同時に送出す
る制御手段と、交流遮断器の開極後すべてのサイリスタ
に連続の点弧指令を送出する制御手段とを具備してバイ
パスペア運転の成功・失敗の如何にかかわらず直流側の
電流をすべてのサイリスタに分流させた後、安全に交流
側を遮断してサイリスタ変換器を保護することを特徴と
する。
換器にバイパスペア運転への移行指令を送出すると同時
に交流遮断器にもトリップ指令を送出する。上記移行指
令によってバイパスペアとなるサイリスタがサイリスタ
変換器の出力電圧の反転によって導通してバイパスペア
運転に移行する。この時、上記移行指令と同時に、交流
遮断器に対してもトリップ指令が送出され交流遮断器が
開極されるが、その時期は、交流遮断器の開極が機械的
のため開極までに時間を要するので、通常バイパスペア
運転移行後となる。そのため、開極時の交流電流は零に
なっているので、接点間のアークを持続させることな
く、交流遮断器を遮断することができる。次いで、サイ
リスタ変換器のすべてのサイリスタは、さらに連続した
点弧指令をうけて全数が点弧され、直流側の電流をすべ
てのサイリスタに分流させる。この分流によって直流側
の電流は、各サイリスタアームに負担されサイリスタ変
換器を熱的破壊から保護することができる。
る。なお、図5と同一部材は同一符号を付して説明する
こととする。図1において、故障検出回路8は交流側あ
るいは直流側の事故の検出信号が入力されると、サイリ
スタ変換器4にバイパスペア運転への移行指令を送出す
ると同時に、交流遮断器2にもトリップ指令を送出する
ようにした回路である。これは例えば交流側回路に設け
た図示しない不足電圧検出手段により検出した交流側事
故の検出信号、または直流側回路に設けた図示しない過
電圧検出手段により検出した直流側の事故検出信号が入
力されたとき、交流遮断器2の図示しないトリップコイ
ルの励磁回路を閉成すると共に、サイリスタ変換器4に
対しバイパスペア運転への移行指令を送出する。 この移
行指令は、故障検出回路8から“H”レベルの出力信号
が点弧制御回路9に送出されると、点弧制御回路9から
サイリスタ変換器4の各サイリスタThu〜Thzがバ
イパスペアになるべくパルス信号を点弧指令として送出
するようにした指令である。 点弧制御回路9は、サイリ
スタ変換器4のサイリスタに対し指令に応じた点呼指令
を送出する回路である。例えばこの回路に故障検出回路
8からバイパスペア運転移行指令として“H”レベルの
信号が送出されると、この信号とサイリスタ変換により
送出している点弧指令との論理積によりこの回路の判別
回路によってペアが可能なバイパスペアを判別するとと
もに、この判別回路の出力信号によりバイパスペアアー
ムを選択しやはり、この回路が有するペア選択回路の出
力信号により、バイパスペアアームを形成するサイリス
タ(例えばThw)に対してゲート駆動回路を介してバ
イパスペア運転への点弧指令が送出される。 また、例え
ばこの回路に後述のアンド回路11から全数点弧指令が
送出されると、この指令により上記サイリスタThu〜
Yhzに対応して設けた上記ゲート駆動回路のゲートシ
フト制御が解除されるとともに該ゲート駆動回路がすべ
て応動され、上記すべてのサイリスタThu〜Yhzの
ゲートに連続した点弧信号が送出される。
の一方で上記故障検出回路8の移行指令を受け取り、入
力端の他方で、上記交流遮断器の主接点と連動して開閉
する補助接点により、主接点の開極を検出して“H”レ
ベルの出力信号を開極検出信号として受け取るようにし
た、遮断器開極検出回路10の出力端が接続されてい
る。そして入力端に両信号が入力したとき、該アンド回
路11の出力端から点弧制御回路9に全数点弧指令を送
出する回路である。遅延回路12は、上記故障検出回路
8に接続されて、“H”レベルの入力信号により応動し
て所定時限後に“H”レベルの出力信号をDCトリップ
指令として直流遮断器6に送出するようにした回路であ
る。
する。今、交流遮断器2、直流遮断器6が閉路されて、
交流電源1を、交流遮断器2、変圧器3を介して、サイ
リスタ変換器4で受電し、これを整流した直流電力を、
直流遮断器6を介して、負荷5に供給して、正常運転を
行われている。
事故が発生し、交流電源1の電圧が大幅に低下したとす
ると、この事故を不足電圧継電器等により検出し、この
検出信号が故障検出回路8に出力される。これをうけた
故障検出回路8は“H”レベルの出力信号を点弧制御回
路9にバイパスペア運転への移行指令として送出すると
共に、アンド回路11及び遅延回路12にも送出し、か
つ、交流遮断器2にはトリップ指令を送出する。この
際、上記交流遮断器2は接点の開極が機械的に開極され
るためその動作完了時間はトリップ指令を受けてから一
般に50〜100ms程度要するので、事故発生時、バ
イパスペア運転への移行指令とトリップ指令を同時に送
出しても、バイパスペア運転への移行の方が早いので、
バイパスペア移行後に交流遮断器2が開極することにな
って、問題を生ずることなく交流の遮断が行われること
になる。
例えば上記事故発生時におけるサイリスタ変換器4の通
電アームが図7に示すようにサイリスタThuとThz
であったとすると、バイパスペアアームは、サイリスタ
Thu−ThxまたはThw−Thzが可能となる。そ
こで上記移行指令をうけた点弧制御回路9は判別回路で
上記2組のバイパスペア(即ち、Thu−ThxとTh
w−Thz)を判別し、この判別信号をうけたペア選択
回路より例えばサイリスタThw−Thzを選択した出
力信号をゲート駆動回路を介して点弧指令としてサイリ
スタThwのゲートに送出すると共に、他のサイリスタ
Thu,Thv,Thx,Thyへの点弧指令を停止す
る(即ち、ゲートブロック運転に入る。)上記点弧指令
をうけた サイリスタThwはサイリスタ変換器4の出力
電圧が負に反転した時点で導通する。その時点で出力電
圧が負であったから交流の電圧極性は、変圧器3の2次
巻線のu相が負、w相が正である。このため、サイリス
タThuの電流は減少し、サイリスタThwの電流は増
大して(Thu−Thw間の転流)、サイリスタThu
はターンオフし、負荷電流idcは図6に示すように、
サイリスタThw,Thzのバイパスペアアームのみに
流れる(即ち、バイパスペア運転に入る。)このバイパ
スペア運転によって交流側電流は零になるので、交流遮
断器2はアークを生ずることなく開極し、交流を遮断し
てサイリスタ変換器4を保護する。
荷電流idcが特定アーム(本例ではThw−Thz)
に流れつづけることなり、通常のインバータ運転では1
/3周期(120゜)しか流れないという条件でサイリ
スタが選定されているため、過熱破壊される恐れがあ
る。
同時に、サイリスタ変換器4のすべてのサイリスタTh
u〜Thzのゲートに連続の点弧指令を送出する。図6
に示すバイパスペア運転時には、出力電圧V0 としてサ
イリスタの降下電圧や図示しない、ヒューズ、リアクト
ルや配線の電圧降下が現れ、数V〜10数Vの負電圧が
発生する。この電圧は他のアーム(サイリスタThu,
Thv,Thx,Thy)を点弧するに十分な電圧であ
るため、他のサイリスタに対しても点弧指令が与えれば
同様に導通状態になり、各回路間の電位差、配線等のイ
ンダクタンス等によって決まる電流立上り率(di/d
t=V/L)により、負荷電流idcは各サイリスタア
ームに順次分流し最終的に各サイリスタアームには1/
3づつの電流が流れることになって、このままの状態が
長時間続いてもサイリスタThu〜Thzは過熱するこ
となく上記負荷電流idcを減衰させることができる。
が失敗した場合について説明する。例えば図7に示す通
電状態において、出力電圧V0が正の時に、サイリスタ
Thwに点弧指令が送出されると、サイリスタThwの
印加電圧が逆であるため、サイリスタThwは導通しな
い。このようなときにはバイパスペア運転への移行が失
敗することになる。従って、バイパスペア運転への移行
を成功させるためには、実際の通電アームのサイリスタ
(本例ではThu,Thz)の検知と、バイパスペアと
なるアームのサイリスタ(本例ではThu−Thxある
いはThw−Thz)の印加電圧の検出が必要となる。
しかし、事故時には交流側の電圧及びその波形も正常で
ない場合が多く、相当みだれた波形となり、バイパスペ
ア運転への移行条件の的確な検出が困難となって、いき
おい、バイパスペア運転への移行の失敗する可能性が高
くなる。
例えば図7で示すサイリスタThu,Thzが通電状態
を続けるため、変圧器3の2次側のU−W相は励磁状態
となり交流遮断器2が開極してもアークは継続している
ので変圧器3の1次巻線のU−W相は遮断不能となる。
即ち、V相は電流が零なのでアークを生じることなく遮
断できるが、図2に示すようにU−W相の2相通電とな
り、交流電圧Vinが反転しても整流された電流idc
分がU−W相に流れるため電流iacは反転せず電流の
零点を生じない。このためこの状態が長時間続けば、交
流遮断器2のU,W相の接点はアークの持続によって破
壊されることになる。そのため、本発明は上述したよう
に、交流遮断器2の開極後、バイパスペア運転の成功・
失敗にかかわらずサイリスタ変換器4のすべてのサイリ
スタThu〜Thzに連続の点弧指令を送出する。即
ち、バイパスペア運転失敗→2相通電→全サイリスタの
点弧となる。
連続した点弧指令が送出されることによって、サイリス
タ変換器4はダイオード変換器と等価になり、交流電圧
が反転した時点から、サイリスタThwが導通しはじめ
る。
イリスタThwに対するバイパスペア運転への移行が失
敗すると、U相とW相の交流遮断器2は開極してもアー
クが持続しているので、図3の破線で示すように転流が
行われることになるが、上述したように交流遮断器2の
開極後、すべてのサイリスタThu〜Thzに連続した
点弧指令が点弧制御回路9から送出されている。そのた
め、交流電圧Vinが反転した時点(図3t1時点)
で、その電圧によりサイリスタThwが導通して電流が
増加しはじめ、サイリスタThuの電流が減少しはじめ
る。そして交流電流(図3変圧器の2次電流)がt2時
点で零になるので、この時交流遮断器2の接点間に生じ
たアークが消滅し、交流側が遮断される。その結果、変
圧器3は電圧がなくなり、転流は、サイリスタThuと
Thw及びThxとThzがそれぞれ負荷電流idcの
1/2を分担した点で終了する(図3サイリスタ電
流)。この際、交流側は交流電流の零点で遮断されるの
で、変圧器3の巻線にはエネルギー(1/2LI2)が
残っておらず、特に遮断による過電圧は発生しない。
て、サイリスタThuとThx及びThwとThzの降
下電圧等により数V〜10数Vの負電圧を発生するので
(図3出力電圧V0)、残りのアーム、サイリスタTh
v,Thyが導通して電流が流れ、すべてのアームで1
/3づつ負荷電流idcを分担する(図3サイリスタ電
流)。
様に行われるので説明を省略し、ここでは、さらに出力
電圧V0の全体の波形を示す図4によって前述の動作の
補足説明を行う。交流側または直流側で事故が発生する
とT1時点でサイリスタ変換器4のサイリスタ(例えば
Thw)にバイパスペア運転への移行指令が送出される
と共に、交流遮断器2にトリップ指令が送出される。上
記移行指令により、バイパスペア運転が成功した場合、
出力電圧V0は瞬時に零になって図4のAで示すように
サイリスタの降下電圧等による負電圧のみとなり、交流
電流も零となる。そのためT2時点で交流遮断器2が開
極したとき交流をアークなしで遮断できる。そして交流
遮断器2の開極後の全数点弧指令によりすべてのサイリ
スタThu〜Thzが導通し、負荷電流が各サイリスタ
に分流される。また、上記移行指令によりバイパスペア
運転が失敗した場合、出力電圧V0は変圧器3の2次側
の交流電圧がそのまま出力されることによりBで示す波
形となる。一方、上述同様、交流遮断器2の開極(図4
T2時点)後にはすべてのサイリスタに対し連続した点
弧指令がT3時点で送出される。この全数点弧指令送出
後、出力電圧V0 が零電圧となった時点で交流が遮断さ
れる(図4T4時点)。この交流の遮断後、上述したよ
うに、サイリスタ変換器4は2相通電(即ち、2つのバ
イパスペア運転)に移行し、この後、出力電圧V0が負
電圧になって(図4C)残りのアームのサイリスタも導
通して、すべてのアームで負荷電流idcを1/3づつ
分担してサイリスタ変換器4を保護することになる。
れるまで、図4に示すように交流電圧がそのまま出力さ
れることになるが、負荷時定数が大きいので出力電流は
増加しない。また、点弧制御回路9からすべてのサイリ
スタThu〜Thzに送出する連続した点弧指令は交流
遮断器2の開極を該遮断器2の主接点と連動して開閉す
る補助接点の開路の検出信号によりアンド回路11を介
して送出するようになっているから、交流遮断器2の開
極後直ちに送出することができ、バイパスペア運転が失
敗しても交流遮断器2のアーク時間を半サイクル以下に
抑制することができ、交流遮断器のアーク時間(例えば
1〜3サイクル)に比してきわめて短時間となって接点
を破壊に至らせるようなことは全くなく、交流を遮断す
ることができる。
て応動する遅延回路12が所望時限後に遮断指令を送出
し、これをうけた直流遮断器6が負荷電流idcを遮断
する。なお、運転状況や故障の重・軽の程度により、負
荷電流idcを直流遮断器6で遮断することなく、その
まま保持させることがあっても、負荷電流idcはすべ
てのサイリスタThu〜Thzに分流しているので、過
熱破壊等の問題は全く生じない。
生時、バイパスペア運転の成功・失敗にかかわらず、サ
イリスタ変換装置を的確に保護することができる。
で、図1、図5と対応する部材は同一符号を付して重複
する説明を省略して説明する。図8において、変圧器3
は2次側が2重星形結線となっており、その中性点相互
にリアクトル13が挿入されている。そして、一方の2
次巻線u,v,w相の各端子にはサイリスタThu,T
hv,Thwのアノードを、また他方を2次巻線x,
y,z相の各端子にはサイリスタThx,Thy,Th
zのアノードをそれぞれ接続すると共に、これらサイリ
スタThu〜Thzのカソードを共通接続してサイリス
タ変換器4を形成し、上記共通接続端子とリアクトル1
3の出力端との間に負荷5を挿入されている。また、上
記2次巻線は、鉄心の各同一脚にwとz相、vとy相、
uとx相が位相が同じで極性が互いに逆極性となるよう
それぞれ巻装されている。
において、交流側または直流側に事故が発生し、バイパ
ス運転を行う場合は、図5におけるブリッジ結線と同
様、例えばサイリスタThwとThzを導通させれば、
(即ち、点弧制御回路9から上記ペアとするサイリスタ
ThwとThzに点弧信号を送出して導通させれば)変
圧器3の2次巻線wとz相に電流が流れることになる。
ところが上記2次巻線wとz相は鉄心の同一脚に位相が
同じで逆極性となるよう巻装されておるので、w相に流
れる電流idとz相に流れる電流idは互いに磁束を打
ち消し合って変圧器3の1次側電流は零になる。従っ
て、2次巻線に電流が流れ続けても変圧器3の1次側で
交流遮断が可能になる。
ブリッジ結線の場合と同様動作し、各2次巻線が2相通
電、たとえば、変圧器2次巻線のu,w相に電流が1/
2づつ流れれば、x,z相にも1/2づつ流れて互いに
磁束を打ち消すため、変圧器3の1次電流が零となって
交流遮断が可能となる。また残りのアームにも順方向の
電圧が印加されるため、連続した点弧指令がすべてのサ
イリスタThu〜Thzに送出されれば、すべてのサイ
リスタが導通して、上述同様、負荷電流を1/3づつ分
担してサイリスタ変換器4を保護することになる。
消し合うように電流が増加するため、残りのアーム電流
増加に対しては変圧器3の励磁インダクタンスは打消さ
れ、他アームの電位差とリーケージインダクタンスによ
って立上り率が決まり、短時間に分流が完了する。例え
ば、出力30kA(=2id)の装置で、インダクタン
ス10μH,電位差が2Vとすれば、転流完了時間tは
1/3id=5kAから t=LI/V=10×10−6×5×103/2=25ms という時間になる。負荷5が超電導コイル等では数10
分から数時間負荷電流が流れつづけるため、この時間は
ほんの一瞬と考えられ、サイリスタを過熱することなく
短時間で負荷電流をすべてのアームで分担してサイリス
タ変換装置を保護することができる。
事故発生時には、一時的にバイパスペア運転にしてから
交流遮断器を開極し、それと同時に、サイリスタ変換器
のすべてのサイリスタに連続した点弧指令を送出して、
すべてのサイリスタを導通せしめて大容量の誘導性負荷
の負荷電流をすべてのアームのサイリスタで分担せしめ
て保護するようにしてあるから、過渡的なバイパスペア
運転を行うために、サイリスタの電流定格を上げたり、
特定バイパスペアアームのサイリスタにのみ特別電流な
定格の素子を設けたりする必要は全くなく、サイリスタ
を過電流破壊させることなくサイリスタ変換器を構成す
ることができる。しかもバイパスペア運転が失敗した場
合でもサイリスタを全数点弧してから、負荷電流をすべ
てのアームで分担するため、交流側を短絡するに短絡投
入器を設けたり、この短絡投入器を開閉する複雑な制御
手段を設けたりする必要は全くなく、交流遮訴器のアー
ク時間を短時間に抑制して交流遮断を行うことができ
る。また、交流側に短絡用投入器を設けることなく構成
できるので、バイパスペア運転の成否に関係なく、単純
なシーケンス制御による保護を行うことができ、保護装
置を簡略化し、安価で、かつ安全性、信頼性を一段と向
上せしめることができる。
作説明図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 交流電源を交流遮断器及び変圧器を介し
て受電し、複数のサイリスタで整流して誘導性負荷に直
流電力を供給すると共に、交流側または直流側の事故時
には、上記複数のサイリスタをバイパスペア運転させて
から交流遮断器を開極する保護装置を備えたサイリスタ
変換装置において、交流側または直流側事故にともなう
保護動作としてのバイパスペア運転への移行時、移行の
正否にかかわらず同時に上記交流遮断器に開極指令を送
出するとともに、上記交流遮断器の開極を確認後、上記
複数のサイリスタを全数点弧する点弧指令を送出するこ
とを特徴とするサイリスタ変換装置の保護方法。 - 【請求項2】 交流電源に、交流遮断器及び変圧器を介
して、接続された複数のサイリスタからなるサイリスタ
変換器と、このサイリスタ変換器に接続されて直流電力
が供給される誘導性負荷と、交流側または直流側の事故
時、上記サイリスタ変換器にバイパスペア運転指令を送
出するようにした保護装置とを備えたサイリスタ変換装
置において、上記保護装置は、交流側または直流側の事
故を検出する事故検出手段と、上記事故検出手段が事故
を検出したとき、その検出信号に基づいて、サイリスタ
変換器に対するバイパスペア運転指令および上記交流遮
断器に対する開極指令を同時に送出する指令手段と、バ
イパスペア運転指令および上記交流遮断器の開極を検出
するトリップ検出手段の出力信号とに基づいて、上記サ
イリスタ変換器を全数点弧する点弧手段とを具備してい
ることを特徴とするサイリスタ変換装置の保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4148375A JP2727277B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | サイリスタ変換装置の保護方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4148375A JP2727277B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | サイリスタ変換装置の保護方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05328594A JPH05328594A (ja) | 1993-12-10 |
JP2727277B2 true JP2727277B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=15451357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4148375A Expired - Lifetime JP2727277B2 (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | サイリスタ変換装置の保護方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2727277B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9654023B2 (en) | 2014-01-27 | 2017-05-16 | Qatar Foundationfor Education, Science And Communicty Development | DC side fault isolator for high voltage DC convertors |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS564099A (en) * | 1979-06-25 | 1981-01-16 | Tokyo Shibaura Electric Co | Device for removing radioactive nuclide |
US4702547A (en) * | 1986-07-28 | 1987-10-27 | Tektronix, Inc. | Method for attaching an optical fiber to a substrate to form an optical fiber package |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP4148375A patent/JP2727277B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05328594A (ja) | 1993-12-10 |
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