JP2726920B2 - 産業用フオトン発生装置 - Google Patents

産業用フオトン発生装置

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JP2726920B2
JP2726920B2 JP3084391A JP8439191A JP2726920B2 JP 2726920 B2 JP2726920 B2 JP 2726920B2 JP 3084391 A JP3084391 A JP 3084391A JP 8439191 A JP8439191 A JP 8439191A JP 2726920 B2 JP2726920 B2 JP 2726920B2
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多喜夫 冨増
勉 野口
清志 合澤
正之 河合
章 岩田
恵介 福永
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、自由電子を加速して
電子ビーム化し、その飛翔プロセスにおいて発生する連
続波長の光やレーザ光を選択的に取出して所定に利用す
ることが出来るフオトン発生装置のシステム技術の分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、産業の隆盛は急速に発達し
た科学技術に負うところが大であり、特に、電子工学や
量子力学等の物理学に基礎をおく産業技術に負うところ
が極めて大であり、巨大産業は勿論のこと、ミクロの世
界にまで及ぶ先端産業において光やレーザの応用,利用
はめざましいものがある。
【0003】而して、近時コンピューター利用技術はあ
らゆる産業におよび、IC部品等の集積回路等に用いる
リソグラフィー技術等においては極めて微細な回路パタ
ーンを形成するために用いる光の波長は短ければ短いほ
ど高精度のパターンが描けるために従来可視光線を使っ
ていた態様が紫外線を用いるようになり、更に近時は電
子ビームを超えてサブミクロン単位のX線を用いたX線
リソグラフィー技術等も用いられるようになってきてい
る。
【0004】一方では、金属の表面加工等の処理や医療
における外科手術にレーザメス等を用いたり、ホログラ
フィー等に用いるレーザ利用技術が盛んに開発され、超
高精度で高エネルギーを有し、しかも、経時的に長時間
使用可能な秀れた光レーザ技術が求められている。
【0005】かかる光技術において、前述の如く、可視
光線の利用からX線リソグラフィー等の短い波長の光を
用いる技術については、例えば、原子力利用や素粒子実
験物理等に用いられてきてシンクロトロン等の電子ビー
ム加速装置において、投入されてストレージリングを周
回飛翔する自由電子がその偏向部に於いて加速度を受け
て光を発生し、該偏向部にて取出されたSR光はその高
輝度故に種々の利用が検討される等本来的な自由電子に
対する加速機能とはかかわりのないはずである副次的な
利用がなされているが、当該偏向部にて発生する該SR
光は連続波長成分を有する白色光であるところから必要
とする目的の所定の波長の光(単色光)を選別するには
分光器を必要とし、ストレージリングの偏向部に於ける
ベンディングマグネットの取合い等からシステム的に設
計上の制約を受け、構造が著しく複雑となり、コスト高
になる難点があり、又、偏向部で全方向に発生する光か
ら所定の単色光を選択して取出すために方向性の点で著
しく空間的にロスがある不利点があり、又、それだけ投
入されたエネルギーにロスが生じるというデメリットが
あった。
【0006】上記分光器を利用するシステムにおいては
当該分光器の設置は勿論、その管理,制御,調整等に長
期間の高度に亘る経験と熟練を要し、しかも、特殊技能
が求められ、したがって、汎用性に欠ける欠点があり、
そのうえ、稼動に際しては当該分光器の特性上シャープ
な単色光が得られ難い難点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実の
産業上の利用に供し得る要請としては、例えば、金属産
業等における試料分析等の技術分野では異なる波長の光
を連続的にスキャンニングする等の操作が要求されるた
めに、依然としてシンクロトロン放射光の需要が存在し
てはいる。
【0008】特に、近時、最先端の医療技術やIC技術
では、例えば、800nm〜100nm等の波長の紫外
光を用いる技術がクローズアップされ、可視光線から当
該波長の紫外光線までを選択的に抽出可能にするシステ
ムの現出が強く望まれてきている。
【0009】そして、小型電子蓄積リングにおいて、そ
の直線部に所謂アンジュレータやウイグラーといった挿
入光源を設け、飛翔中の自由電子にゆらぎを与えて発光
させる態様のものはあったが、FELに比べると桁違い
に弱く、又、シンクロトロン放射光の発生とレーザ光の
発生とを併せ有しこれらを選択的に利用出来る装置は存
在していない。
【0010】但し、例えば、特開昭62−139300
号公報発明に開示されている如きものもあるが、単に、
課題の提起に過ぎず、実用的に設計し得るものではない
ネックがあるものであった。
【0011】又、従来技術にあってはFEL発振により
電子蓄積リング内の周回電子への悪影響があることが明
らかであり、放射光供給との共存が出来ない不都合さが
あるものであった。
【0012】そして、単に、在来態様のストレージリン
グをサイズ的に小型にすれば電子の蓄積は出来るもの
の、電子のエネルギーが下がり、充分な量の均一エネル
ギーのフオトンを得ることが出来ないという不具合があ
った。
【0013】FELを発振させるためには該ストレージ
リングの電子周回軌道上を飛翔する周回電子と一対の反
射ミラー等で構成される共振器(両端を対向するミラー
で囲うことで光子をその内部に蓄積する)内に保存され
る光子とを強く相互に作用させる必要があるが、そのた
めには該共振器内に該光子を高密度で蓄積させねばなら
ず、そのためには共振器内で周回電子から光子を放出さ
せるための挿入光源としての加速度付与機構の長さを充
分に確保する必要がある。
【0014】而して、周回電子と光子との相互作用によ
り、エネルギーを受け取り(ゲインを得る)FEL発振
するが、該ゲインは挿入光源としての加速度付与機構部
分の長さの3乗に比例し、又、発振波長の3/2乗に比
例することは分っている。
【0015】又、FEL発振には、上述の如く高反射率
のミラーが共振系として不可欠であるが、短波長になる
ほどミラーの反射率は低下しゲインも小さくなるので、
それだけ該加速度付与機構部分の長さを長くしてゲイン
を確保する必要がある。
【0016】そして、在来技術のレベルではこれに対処
することが出来ないネックを有するものであった。
【0017】一方、広く用いられている化学レーザは単
色、或いは、数種の単色系のみを発光するだけなので用
途に応じて別々の装置が必要となり、経年的な劣化をお
こし、又、発振波長はステップ的に限られており、産業
界からの要求に必ずしも合致してはいないというマイナ
ス点があった。
【0018】又、付帯設備として各種の専用発生装置を
設けねばならず、上記X線リソグラフィー等に用いるシ
ンクロトロン放射光等とは共用出来ないマイナス点があ
った。
【0019】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく小型産業用等の自由電子加速装置の偏向部に発生
する連続波長の光のみを取り出す問題点を解決すべき技
術的課題とし、1つの自由電子加速システムの装置であ
りながら、該連続波長のSR光とレーザ光(FEL光)
とのいづれか一方、もしくは、双方の取出しが選択的
に、又は、独立的に行え、しかも、大量のフオトンを熟
練を要することなく、煩瑣な管理,制御等も必要とされ
ずに取出し、連続波長の光、及び、レーザ光の取出しが
自在に出来るようにして各種産業分野における光エネル
ギー技術利用分野に益する優れた実用可能なフオトン発
生装置を提供せんとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、ストレージリングにお
いて自由電子の周回飛翔加速用の高真空容器をサークル
状に有しその複数対のうちの一対の偏向部の一部に連続
波長光取出し用ポートを有し、一方の偏向部間に長直線
部を介設形成し、該長直線部延長上に一対の反射ミラー
を対設し該反射ミラー間の距離が自由電子飛翔の平衡軌
道長の1/2、或いは、偶数分の1に形成し、而して、
該長直線部の長さがストレージリングの周長の0.1〜
0.3であるようにし、挿入光源としての加速度付与機
構の長さが最適の1〜7mに形成出来、自由電子飛翔プ
ロセスに加速度付与機構を挿入光源として装備し、共振
系を形成することにより自由電子レーザ光(FEL光)
の発振をも可能ならしめ、SR光とFEL光とを相互に
独立的に取り出せるようにした技術的手段を講じたもの
である。
【0021】
【発明の原理】この出願の発明はストレージリングを長
円形配列に形成して図2,図3の原理的態様に示す様
に、産業用フオトン発生装置1は所定の多角形、乃至、
円形の半分形状にした一対の偏向部2,2の間に所定長
さの長直線部3,3を形成して介設接続させ、各偏向部
2にはベンディングマグネット4,4…を在来態様同様
に設定数介設し、一方の長直線部3には高周波加速装置
6を介設し、自由電子投入機構7との交叉部分には電子
ビーム平衡軌道への自由電子投入用のセプタムマグネッ
ト8を設け、図3に示す様に、他方の長直線部3には挿
入光源としての所定数複数段の自由電子に対する加速度
付与機構9を介設し、該長直線部3の両端部延長線上の
所定部位には共振系を成す所定の反射ミラー11,11
を対設するようにすることにより在来のストレージリン
グタイプの連続波長光(SR光)発生機構に加えて所定
波長のレーザ(FEL光)光発生機構を付与するように
したものである。
【0022】そして、偏向部2の所定のポート17から
連続波長のSR光の白色光12を取出し、一方、レーザ
(FEL光)光12´については共振させて高輝度化し
て所定に取出して付与することが出来るようにするもの
である。
【0023】尚、図3は図2の原理態様の長直線部3に
於ける電子ビームからのレーザ光発生の共振系の模式機
構態様であり、13は電子ビームの平衡軌道を示すもの
である。
【0024】
【発明の背景】この出願の発明では、電子蓄積リングに
おける加速度付与機構としてのアンジュレータを採用、
350nmの波長の発振実績を基に発振波長域にもよる
が、上記部分の長さが1〜7mを実用域の最適の設計態
様としている。
【0025】したがって、産業用としての調整のし易
さ、使い易さを考慮する時、上記の長さの範囲が装置の
構成要件としては設計出来るものである。
【0026】蓋し、加速度付与機構9は電子蓄積リング
において分散が0の直線領域に設置される必要があるた
め、この部分では周回電子収束用の磁石は設置されない
のが一般的であり、そのため周回電子はその動きを補正
されることなく移動することになりこの直線部を長くと
った場合には、周回電子の塊(バンチ)が広がって電子
密度が低下し相互作用効果が弱くなる傾向があり、必ず
しも長ければ長い程良いというものではないものであ
り、又、対向するミラー11,11の設置精度,面精度
等も距離が長くなるに従って条件が厳しくなり、したが
って、その距離は電子飛翔の平衡軌道長の1/2、或い
は、偶数分の1の長さが適当であり、加速度付与機構の
精度も同様の理由から1〜7mが最適である。
【0027】そして、FELを効率良く発振させるため
に、従来技術ではダンピングリングやダンピングウィグ
ラを設けることでダンピングタイムを小さくすることが
考えられてきたが、この出願の発明の場合、偏向磁石部
の磁場強度を高くすることで偏向部2の曲率半径を小さ
くすると共に、図1に示す様に、加速度付与機構9を設
置する部分の直線部のみを延ばしたレーストラック型と
することで周長の増加を最小限に抑え、ダンピングタイ
ムを短くすることが可能となった。
【0028】而して、従来のSR装置では同程度の直線
部を有する仕様のものを想定すると、ダンピングタイム
は100msec以上となり、数サイクル以下の単発発
振しか得られず実用的とは言い難いものである。
【0029】そして、電子を蓄積し周回させるためには
ストレージリングを構成し、又、分散ゼロの直線部をそ
の中に出現させるためにはダブルもしくはトリプルベン
ドアクロマート等の磁石配列構成が必要となり、これら
は公知の事実であるが、より高い磁場の偏向磁石を用い
てこれらを満たし、加速度付与機構の直線部を最適の1
〜7mに確保するべく長直線部の長さはストレージリン
グの周長の0.1〜0.3にすることが設計上好ましい
ものである。
【0030】
【実施例】次に、この出願の発明の1実施例を図2,図
3を援用して図1,図4に基づいて説明すれば以下の通
りである。
【0031】尚、図2,図3と同一態様部分は同一符号
を用いて説明するものとする。
【0032】図1に示す全体概略模式平面図において、
1はこの出願の発明の要旨の中心を成す産業用のフオト
ン発生装置であり、当該態様は連続波長のSR光と所定
のレーザ光(FEL)とを共に、或いは、いづれか一方
を選択的に取出して所定の目的に利用することが出来る
ようにした態様であり、その全体の平面視形状は当該図
1に示す様に、一般態様の競技場等のレーストラック型
に類似する形状であり、両側部の多角形に類似する半円
形状の一対の偏向部2,2と該一対の偏向部2,2の間
に接続して介設される所定長さの長直線部3,3、及
び、その一方の長直線部3に所定角度で併設された自由
電子の投入機構7を設けている。
【0033】尚、当該フオトン発生装置1に於いては低
エミッタンスで大電流の自由電子蓄積を目標とするよう
に設計されている。
【0034】自由電子の投入機構7に於いてはサークル
状の自由電子の平衡軌道に近似して乗せるようにセプタ
ムマグネット8が設けられ、その先の各偏向部2にはベ
ンディングマグネット4,4,4が直列状に設けられ、
又、該偏向部2の一部の接線方向には連続波長のSR光
の白色光を取出すポート17が設けられている。
【0035】この際、光学レンズ等と同様に飛翔して周
回する自由電子に対し振幅を調整し収束し拡散を防止さ
せることが出来るようにされている。
【0036】一方、他の長直線部3には図4に示す様
に、飛翔プロセスにおける自由電子20に所定段数で挿
入光源としての加速度付与機構9がその交番磁界を付与
するマグネット18,19をしてS極とN極を相互に相
反してことならしめて飛翔方向に相対向して二列に所定
数併設され、当該図4に示す様に、これらの間を自由電
子20が飛翔しながら交互に交番磁界を受けて、それら
の蛇行軌道上で当該磁界に直交する方向、即ち、自由電
子20の飛翔方向に沿う面内において21に示す様に、
シンクロトロン放射光を発生するようにされ、サークル
状に周回して飛翔する自由電子20は当該加速度付与機
構9を通過する際にミラー11,11間に閉じ込められ
た光と相互に干渉し合うようにしてエネルギーを高めら
れ、しかも、同一波長にされて発振し、レーザ光12´
とされて所定に取り出される。
【0037】高周波加速装置6によりシンクロトロン放
射光の白色光の放射、及び、自由電子レーザとしてエネ
ルギー減少を補充されて自由電子が所定に周回されるよ
うにされ、したがって、この出願の発明のフオトン発生
装置1においては一対の偏向部2の一部にて連続波長の
白色光を在来態様同様にポート17を介し所定の分光器
へと取出すことが出来るのみならず、加速度付与機構9
により当該実施例においては交番磁界を介して所定の大
強度のレーザ光12´を取出すことが出来、両者につい
て同時に、或いは、選択的に所望のフオトンを得ること
が出来る。
【0038】特に、交番磁界部の長さを1m〜7mにす
ることにより加速度付与機構9の交番磁界のサイクルを
高頻度にすることでその利得の増大を図ることが出来
る。
【0039】したがって、高効率に紫外域の自由電子レ
ーザ(FEL)光を発生させることが出来る。
【0040】而して、実施例における実態様としては上
記交番磁界の加速度付与機構9の長さを1〜7mとする
に、反射ミラー11,11の間の距離をストレージリン
グの電子ビームの平衡軌道長の1/2、或いは、偶数分
の1にさせて周回電子ビームの飛翔周期と挿入光源光9
の反射ミラー11,11間の往復周期とを重ねることが
出来るようにし、又、長直線部3の長さをストレージリ
ングの全周長の0.1〜0.3倍にするようにしたもの
である。
【0041】そして、反射ミラー11,11間の距離を
ストレージリングの電子ビームの平衡軌道の長さの1/
2、或いは、偶数分の1にしたことにより、常に自由電
子20の往復周期を重ね合い、FEL光12´をより増
幅させることが出来る。
【0042】蓋し、該FEL光12´は増幅させればさ
せる程強い光が得られるからである。
【0043】そして、FEL光12´の発生する光の波
長を可視光線から紫外線の範囲の800nm〜100n
mの短波長とするようにすることが出来る。
【0044】尚、当該フオトン発生装置1には図示はし
ていないが当然の如く、真空装置や所定の電気計装設備
が付設されているものである。
【0045】上述構成において、全システムの装置をス
イッチオンの状態にし、加速された自由電子をセプタム
マグネット8部分に対し、平衡軌道にほぼ一致するよう
に沿わせて投入し、一対の偏向部2に於いてベンディン
グマグネット4,4,4により一方向に加速度を印加さ
せて飛翔プロセスにおいて平面内全方向に連続波長の白
色光を発生させ、該白色光はポート17から取出され
て、例えば、図示しない分光器により分光されて所望の
波長の単色光が使用されるようにされる。
【0046】勿論、該分光器を介しての単色光は在来態
様同様にシャープなフオトンとしては取出されないもの
であるが、連続材料試料分析のような場合には異なる波
長の光を連続的にスキャニングする場合の操作等では充
分に実用に共されるものである。
【0047】そして、自由電子20はベンディングマグ
ネット4,4…を通って周回を続け、所定長さの長直線
部3にて挿入光源としての加速度付与機構9の交番磁界
により図4に示す様なウイグラーモーションを受けて光
を発生し、これらが相重畳して強いエネルギーの光とな
って反射ミラー11,11間を反射を覆して共振され自
由電子と相互作用することによってエネルギーを付与さ
れてレーザ光12´を発生し、所定に取出されてその所
望の目的に供され、自由電子ビームはその周回における
飛翔プロセスにおいて周回を重ねるにつれ、より正確に
設計平衡軌道に一致する飛翔プロセスをたどることにな
り、偏向部2に於いて連続波長の白色光を発射すると共
に加速度付与機構9に於いては高エネルギーのレーザ光
12´を発射する。
【0048】したがって、この出願の発明のフオトン発
生装置1においては連続波長の白色光とレーザ光を共
に、又、選択的に、独立的に汎用的に取出すことが出来
る。
【0049】尚、この出願の発明の実施態様は上述実施
例に限るものでないことは勿論であり、例えば、加速度
付与機構については上述交番磁界に代えて交番電界付与
機構にしたり高強度の光を用いたりすることが可能であ
る等種々の態様が採用可能である。
【0050】又、設計変更的には前述実施例の加速度付
与機構の交番磁界の周期数を所定に選択することが可能
である。
【0051】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
にストレージリングにおける自由電子の周回飛翔に伴う
連続波長の白色光を取出して、例えば、分光器等により
所定の波長の単色光を用いて所定の用途に供するメリッ
トを充分に生かしながら、ストレージリングをレースト
ラック型に形成し、一対の偏向部の一方に所定長さの長
直線部を設けて該長直線部に交番磁界等の挿入光源とし
ての加速度付与機構を設けることにより、又、該長直線
部の両端部に一対の反射ミラーを設け該加速度付与機構
により発生した光を反射反復させる共振器を設けること
によりレーザ光化させ、したがって、連続波長の光とレ
ーザ光を同時に、或いは、選択的に取出すことが出来る
汎用性を有する優れた効果が奏される。
【0052】したがって、1つの装置により連続波長の
光とレーザ光のフオトンの取出しが可能であり、大きな
自由度を有するという効果があり、莫大な費用のかかる
装置のイニシャルコストは勿論のこと、ランニングコス
トも低減化出来るという実用上の利点がある。
【0053】而して、偏向部との間に長直線部をその長
さをしてストレージリングの1/2、或いは、偶数分の
1に形成して設けることにより電子ビームの平衡軌道に
おける飛翔を安定化させてより設計通りの周回を行わせ
ることが出来ることから軌道修正やエネルギー付与加速
が容易に行われ得るという効果もある。
【0054】而して、長直線部を介挿したことによりス
トレージリングの設計上の自由度が高くなるという効果
もあり、加速装置や波長振幅調整装置等の複雑な装置類
についても介挿し易くなるという効果がある。
【0055】そして、挿入光源の長直線部の長さをスト
レージリングの0.1〜0.3に形成して加速機構の長
さを1〜7mに介挿形成させることが出来ることにより
最も効率良く電子の蓄積を図り、周回させることが出
来、システム全体の自由度が高まり、付属施設等を設け
ることが出来るという利点もある。
【0056】このようにこの出願の発明によって、装置
は充分な繰り返し数でのFEL発振を可能とし、且つ、
SR発生装置としての安定性を素早い冷却機能によって
確保出来るという優れた効果が奏される。
【0057】又、偏向磁石の磁場強度を高くすることで
偏向曲率半径が小さくなり、産業用途向けとして必須の
コンパクト化にも寄与することとなる効果がある。
【0058】以上この出願の発明は単なるSR装置とF
EL発振器の単なる組み合わせではなく、充分に発明力
を有しているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】システムの全体概略模式平面図である。
【図2】基本的原理態様の模式平面図である。
【図3】加速度付与機構(挿入光源)の模式機構図であ
る。
【図4】加速度付与機構の交番磁界の模式斜視図であ
る。
【符号の説明】
20 自由電子 1 フオトン発生装置(ストレージリング偏向部) 12 ポート 3 長直線部 11 反射ミラー 9 加速度付与機構(交番磁界機構) 13 平衡軌道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 合澤 清志 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社明石工場内 (72)発明者 河合 正之 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社明石工場内 (72)発明者 岩田 章 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社明石工場内 (72)発明者 福永 恵介 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界 貿易センタービル 川崎重工業株式会社 東京本社内 合議体 審判長 安田 啓之 審判官 志村 博 審判官 飯野 茂 (56)参考文献 特開 昭56−94681(JP,A) 特開 昭63−224287(JP,A) 特開 昭62−139300(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自由電子の周回飛翔加速用の真空容器のス
    トレージリングにおいてその一対の偏向部の一部にシン
    クロトロン放射光(SR光)用ポートを有しており、
    該一対の偏向部間の一方に長直線部を介設形成し、該長
    直線延長部両端に一対の反射ミラーを対設し、該一対の
    反射ミラー間の距離がストレージリングの軌道長の1/
    2にされ、更に該長直線部に挿入光源としての加速度付
    与機構を装備させ上記反射ミラーと共に共振系を形成し
    自由電子レーザ(FEL)光用のポートを有し加速度付
    与機構を設置するための長直線部の長さがストレージ
    リングの周長の0.1〜0.3にされていることを特徴
    とする産業用フオトン発生装置。
  2. 【請求項2】上記加速度付与機構が交番磁界付与機構に
    されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の産業用フオトン発生装置。
  3. 【請求項3】上記加速度付与機構が交番電界付与機構に
    されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の産業用フオトン発生装置。
  4. 【請求項4】上記加速度付与機構が高強度の光付与機構
    にされていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の産業用フオトン発生装置。
  5. 【請求項5】上記加速度付与機構が1〜7mの範囲の長
    さにされていることを特徴とする特許請求の範囲第2〜
    4項いづれか記載の産業用フオトン発生装置。
  6. 【請求項6】上記一対の反射ミラー間の距離がストレー
    ジリングの自由電子飛翔の平衡軌道長を偶数で割った長
    さにされていることを特徴とする特許請求の範囲第2〜
    5項いづれか記載の産業用フオトン発生装置。
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JPS63224287A (ja) * 1987-03-13 1988-09-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 自由電子レ−ザ発振装置

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