JP2726077B2 - 駆動制御装置 - Google Patents

駆動制御装置

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JP2726077B2
JP2726077B2 JP1015717A JP1571789A JP2726077B2 JP 2726077 B2 JP2726077 B2 JP 2726077B2 JP 1015717 A JP1015717 A JP 1015717A JP 1571789 A JP1571789 A JP 1571789A JP 2726077 B2 JP2726077 B2 JP 2726077B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、たとえば移動体を移動させるモータなどの
駆動装置を制御する駆動制御装置に関し、特に詳しく
は、不所望な位置への移動体の移動を回避することがで
きる駆動制御装置に関する。
従来の技術 たとえば、ディスク再生装置においては、ターンテー
ブル上で回転するディスクの半径方向へディスクの読取
手段であるピックアップが予め定められる速度でスライ
ドして移動し、再生動作などが行われる。前記ピックア
ップは、ディスクの半径方向の予め定められる範囲を移
動する移動体であり、ディスク再生装置内に備わる駆動
制御装置によって移動が制御される。
第5図は従来のディスク再生装置における駆動制御装
置1の簡略化した電気的構成を示すブロック図である。
操作スイッチなどによって構成されるキー入力装置2か
らの入力操作などに基づいて、制御回路3からサーボ回
路4へ駆動を示す制御信号が送出されると、サーボ回路
4はモータ駆動回路5へ駆動信号をラインs1を介し
て出力する。なお、モータ駆動回路5の基準電圧端子に
はラインsl2を介してサーボ回路4から電圧Vcc/2(Vcc
は電源電圧)が入力される。この電圧Vcc/2は疑似的な
接地電位で、モータ駆動回路5内の信号レベルは、前記
疑似電圧に対して比較される。
モータ駆動回路5はバッファ6とパワーアンプ7との
組合わせが2組構成されており、前記各組のパワーアン
プ7a,7bの出力端子間において、ピックアップ8をスラ
イドして移動するためのスライドモータ9がBTL(balan
ced transformerless)接続されている。本件明細書
中、参照符の添え字a,bを省略して総括的に数字のみで
示すことがある。前記モータ駆動回路5からの出力に基
づいてスライドモータ9が駆動することによって、ピッ
クアップ8が移動し、ディスクの記録面からの読取動作
などが行われる。ピックアップ8によって読取られた信
号は、制御回路3に入力され、再生動作が行われる。前
記各動作は表示装置10によって表示される。
前記ピックアップ8には、たとえばねじ穴が形成され
ており、前記ねじ穴はねじ棒と螺合している。すなわち
このねじ棒を前記スライドモータ9の駆動によって回転
することで、前記ピックアップ8はねじ棒の長手方向
(ディスクの半径方向)に沿って移動する。
前記ピックアップ8の移動範囲は予め定められてお
り、前記範囲においてたとえばディスクの最内周端部
に、ピックアップ8が前記端部へ到達したことを検出す
る移動検出スイッチ11が設置されている。ピックアップ
8が前記端部へ到達し、移動検出スイッチ11がオン状態
に切換わると、切換信号がラインsl3を介して制御回路
3へ入力され、制御回路3からサーボ回路4を経て停止
信号がモータ駆動回路5へラインs1を介して送出さ
れ、スライドモータ9の駆動が停止する。
発明が解決しようとする課題 上述のような構成では、ピックアップ8が最内周側へ
向けて移動している際に、制御回路3が外来ノイズなど
の影響によって暴走状態下にある場合、前記移動検出ス
イッチ11がオン状態に切換わっても、制御回路3は前記
スイッチの切換状態を判断することができず、サーボ回
路4からモータ駆動回路5への停止信号が送出されな
い。すなわち、ピックアップ8が移動範囲端部に到達し
たにもかかわらず、スライドモータ9が駆動を継続し、
ピックアップ8の移動を継続しようとする。
ピックアップを移動させるための前記ねじ穴とねじ棒
との構造において、前述の継続状態に陥ると、前記ねじ
棒の端部のねじが切られていない部分において強制的に
螺合しようとするので、前記ねじ穴とねじ棒とが固着し
てしまい、最終的にピックアップを移動させるための機
械的構造が損傷してしまうことになる。したがって、た
とえ制御回路が暴走状態であっても、ピックアップは移
動範囲外での移動を行わず、確実に前記範囲端部におい
て移動を停止するように構成しなければならない。
本発明の目的は、上述の問題点を解決するためのもの
であり、制御手段が、暴走状態になっても、移動体が予
め定められる位置に達すると確実に停止させることがで
き、性能を向上することができる駆動制御装置を提供す
ることにある。
課題を解決するための手段 本発明は、(a)移動体と、 (b)2つの端子間の電圧の極性を変化することによっ
て正逆転して移動体を一方向および逆方向に駆動するモ
ータと、 (c)検出スイッチであって、 移動体の前記一方向の移動端に設けられ、 移動体が前記移動端にいないとき、第1のスイッチング
状態になり、 移動体が前記移動端にいるとき、第2のスイッチング状
態になる検出スイッチと、 (d)制御手段であって、 検出スイッチの出力に応答し、 検出スイッチが第1スイッチング状態であるとき、 2つのラインsl4,sl5のうち、一方ラインsl4に、 基準電圧(Vcc/2)から予め定める電位差Viだけ高い第
1電圧(Vcc/2−Vi)を導出し、または 基準電圧(Vcc/2)から前記予め定める電位差Viだけ低
い第2電圧(Vcc/2−Vi)を導出し、 他方ラインsl5に基準電圧(Vcc/2)を導出し、 検出スイッチが第2スイッチング状態であるとき、前記
一方ラインsl4および前記他方ラインsl5に基準電圧(Vc
c/2)を導出する制御手段と、 (e)モータ駆動回路であって、 前記2つのラインsl4,sl5に接続され、 前記一方ラインsl4から第1電圧(Vcc/2+Vi)か与えら
れたとき、移動体を一方向駆動するためにモータが正転
する極性でモータの端子間に電圧を与え、 前記一方ラインsl4から第2電圧(Vcc/2−Vi)が与えら
れたとき、移動体を他方向駆動するためにモータが逆転
する極性でモータの端子間に電圧を与え、 前記一方ラインsl4および前記他方ラインsl5が同一電圧
であるとき、モータを停止するモータ駆動回路と、 (f)強制手段であって、 前記一方ラインsl4と前記他方ラインsl5とに接続され、 スイッチング素子QとダイオードDとが直列接続されて
構成され、 スイッチング素子Qは、検出スイッチの出力に応答し、
検出スイッチが第1スイッチング状態であるとき、遮断
し、第2スイッチング状態であるとき導通し、 ダイオードDは、前記一方ラインsl4から前記他方ライ
ンsl5に順方向となるように方向性結合され、 ダイオードDの順方向立上がり電圧Vfは、前記予め定め
る電位差Viよりも低く選ばれる強制手段とを含むことを
特徴とする駆動制御装置である。
作用 本発明に従えば、移動体が移動の一方向の移動端には
存在せず、この一方向に移動体を駆動するにあたって
は、制御手段は、検出スイッチ23が第1スイッチング状
態(後述の実施例ではたとえばオフ状態)であるので、
制御手段24は、一方および他方の各ラインsl4,sl5に、
第1電圧(Vcc/2+Vi)および基準電圧(Vcc/2)をそれ
ぞれ導出する。このとき強制手段25のスイッチング素子
Qは、検出スイッチ23が上述のように第1スイッチング
状態であるので遮断している。したがってモータ駆動回
路31は、これらの一方および他方のラインsl4の第1電
圧および基準電圧が与えられてモータ30を正転させる。
これによって移動体は、前記一方向に駆動される。
移動体が前記一方向の移動端に到達すると、検出スイ
ッチ23は第2のスイッチング状態(たとえば後述の実施
例ではオン状態)になる。したがって制御手段24は、一
方および他方の各ラインsl4,sl5を同一電圧にし、モー
タ駆動回路31はモータを停止させる。
制御手段24がたとえば暴走状態になることによって、
検出スイッチ23が第2スイッチング状態になったにもか
かわらず、一方および他方の各ラインsl4,sl5に第1電
圧(Vcc/2+Vi)および基準電圧(Vcc/2)をそれぞれ導
出したままであるときには、移動体が一方向に駆動され
たままになってしまうおそれがある。この問題を解決す
るために本発明では、強制手段25が設けられる。スイッ
チング素子Qは、上述のように検出スイッチ23の第2ス
イッチング状態によって導通し、しかもそのダイオード
Dの順方向立上がり電圧Vfは前記予め定める電位差Viよ
りも低く選ばれるているので、ダイオードDが導通す
る。これによって前記一方ラインsl4は前記他方ラインs
l5の基準電圧(Vcc/2)に強制されて同一電圧になる。
したがってモータ駆動回路31は、モータ30を停止させ
る。こうして制御手段24が暴走しても、移動体を移動端
で停止させることができる。
移動体が移動端にいる状態で、逆方向に駆動するにあ
たっては、制御手段24は、一方および他方の各ラインsl
4,sl5に、第2電圧(Vcc/2−Vi)および基準電圧(Vcc/
2)をそれぞれ導出する。これによってダイオードDは
遮断される。したがってモータ駆動回路31には、各ライ
ンsl4,sl5の各電圧が上述のように与えられ、したがっ
てモータ30が逆転され、移動体を逆方向に駆動すること
ができる。
実施例 第1図は本発明の一実施例であるディスク再生装置に
おける駆動制御装置20の簡略化した電気的構成を示すブ
ロック図である。駆動制御装置20は、移動体であるピッ
クアップ21と、前記ピックアップ21を駆動する駆動手段
22と、ターンテーブル上に載置されたディスクの最内周
端部まで前記ピックアップ21が移動してきたことを検出
する移動検出スイッチ23と、前記移動検出スイッチ23の
出力に応答して前記駆動手段22へ駆動/停止を示す制御
信号を出力する制御手段24と、さらに予め定められる移
動検出スイッチ23の出力に応答して前記制御手段24から
駆動手段22へ出力される制御信号を停止信号に強制する
強制手段25とを含んで構成する。
制御手段24は、ワンチップマイクロコンピュータなど
から成る制御回路26と、前記制御回路26と接続され駆動
手段22への制御信号を一定に制御するサーボ回路27とを
含み、さらにたとえば操作スイッチ群などからなり制御
回路26への入力装置となるキー入力装置28およびディス
ク再生装置の操作状態を表示する表示回路29を含む。
駆動手段22はピックアップ21をスライドして移動する
ために駆動するスライドモータ30と、前記スライドモー
タ30を駆動するためのモータ駆動回路31とを含んで構成
する。前記サーボ回路27によってサーボ制御された制御
信号は、ラインsl4を介して前記モータ駆動回路31へ与
えられる。モータ駆動回路31には電源電圧Vccが供給さ
れており、またサーボ回路27からラインsl5を介して基
準電圧Vcc/2が与えられる。前記電源電圧Vcc/2は疑似的
な接地電位であり、モータ駆動回路31内の信号レベルは
全て前記基準電圧に対して比較される。
ラインsl4を介してモータ駆動回路31へ入力された制
御信号は、第1バッファ32aと第2バッファ32bとへそれ
ぞれ与えられ、各バッファ出力はパワーアンプ33a,33b
を介して逆位相で増幅される。スライドモータ30は前記
パワーアンプ33a,33bの出力端子に対してBTL接続されて
おり、前記パワーアンプからの出力に応じて、正逆回転
駆動される。
前記スライドモータ30の駆動によってピックアップ21
は移動する。第2図はピックアップ21周辺の要所を示す
分解斜視図である。ピックアップ21を載置するピックア
ップ載置部34には、たとえば挿通孔が形成されており、
前記挿通孔には基台35に平行に固定される摺動棒36,37
がそれぞれ挿通される。したがってピックアップ載置部
34は摺動棒36,37の長手方向に摺動自在である。なお、
前記摺動棒36,37の長手方向は、モータ38の上部に構成
される図示しないターンテーブル上に載置されるディス
クの半径方向と一致する。
前記ピックアップ載置部34には、ねじ穴39が連結され
ており、前記ねじ穴39はねじ棒40と螺合している。前記
ねじ棒40は、前記摺動棒36,37と平行に、かつ回転自在
に基台35上に支持されている。前記ねじ棒40は、スライ
ドモータ30の回転力がベルト41によって伝達されて回転
する。したがって、スライドモータ30が回転すると、ね
じ棒40が回転し、ねじ穴39がねじ棒40の長手方向にスラ
イドして移動し、したがってピックアップ21をディスク
の半径方向に移動することができる。たとえばディスク
再生時においてピックアップ21によって読取られた信号
は制御回路26へ入力され、再生動作などが行われる。
第2図に示されるように、ピックアップ21が移動すべ
き範囲は予め定められている。したがって、ピックアッ
プ21が前記範囲の端部へ到達したことを検出するために
移動検出スイッチが取付けられる。本実施例において
は、ディスクの最内周端部に移動検出スイッチ23が設け
られており、前記スイッチ23の切換信号である接地電位
は、ラインsl6を介して制御回路26へ与えられる。
第2図において前記移動検出スイッチ23は、基台35上
に固定されており、たとえば押圧操作される突起42を有
する押釦スイッチの構造を有する。前記ピックアップ載
置部34には連結片43が固定されており、前記突起42はピ
ックアップの移動に伴って移動する連結片43の操作面に
向けて形成される。したがって、ピックアップが前記デ
ィスクの最内周端部に到達すると、前記連結片43の押圧
面が前記移動検出スイッチ23の突起42を押圧し、スイッ
チ23がオン状態に切換わる。
強制手段25は、第1図に示されるように、たとえば抵
抗Rと、pnp形トランジスタQと、さらにダイオードD
とを含んで構成する。電源電圧Vccのラインは抵抗Rを
介して前記ラインsl6に接続され、さらに前記ラインsl6
は前記トランジスタQのベースに接続される。前記トラ
ンジスタQのエミッタはサーボ回路27からの制御信号の
経路となるラインsl4に接続され、コレクタはダイオー
ドDのアノードに接続される。また前記ダイオードDの
カソードは、基準電圧ラインであるラインsl5に接続さ
れる。
上述の構成から成る駆動制御装置20の動作を説明す
る。キー入力装置28からの信号によって、制御回路26が
ピックアップ21をディスクの内周側へ移動すべきことを
判断すると、サーボ回路27からラインsl4を介して駆動
信号Vcc/2+Viがモータ駆動回路31へ与えられる。前記
駆動信号によって、パワーアンプ33aの出力端子からは
電圧Vo1が、またパワーアンプ33bの出力端子からは電圧
Vo2が出力される。なお前記電圧Vo1,Vo2は第1式および
第2式の関係を満たす。
(Voは負帰還抵抗Ra,Rbなどによって定められる増幅度
で増幅された電圧値。) スライドモータ30の両端には、Vo1−Vo2=2Voの電位
差が加わり、ピックアップ21をディスクの内周側へ移動
する方向にスライドモータ30は駆動する。前記ピックア
ップ21がディスクの最内周端部に到達し、移動検出スイ
ッチ23がオン状態に切換わると、前記状態を示す信号が
制御回路26に与えられ、サーボ回路27からは停止信号Vc
c/2がラインsl4を介してモータ駆動回路31へ与えられ
る。したがって、各パワーアンプ33a,33bからは同一レ
ベルの電圧Vcc/2が出力され、スライドモータ30は停止
する。
本実施例の駆動制御装置20には前記強制手段25が装備
されている。前記スイッチ23がオン状態に切換わると、
トランジスタQのベースが接地電位となり、前記トラン
ジスタQは導通状態となる。
たとえば制御回路26が外来ノイズなどの影響によって
暴走状態になり、ラインsl4から、ディスクの内周側へ
の移動のための駆動信号Vcc/2+Viが出力されたままで
ある状態で、検出スイッチ23がオン状態になった場合を
想定する。これによってトランジスタQは導通する。
ダイオードDの順方向立上がり電位Vfは、 Vi>Vf…(3) となるように選ばれる。したがってトランジスタQの導
通によってダイオードDは導通し、各ラインsl4,sl5は
短絡される。したがってモータ駆動回路31へ与えられる
ラインsl4の駆動信号は、ラインsl5の基準電圧Vcc/2に
強制される。したがって制御回路26が暴走状態であって
も、検出スイッチ23のオン状態によって、ラインsl4,sl
5が短絡されて、スライドモータ30は停止する。こうし
て前記ピックアップ21がディスクの最内周端部に到達
し、前記スイッチ23がオン状態に切換わると、スライド
モータ30は確実に停止させることができる。すなわち、
ピックアップを移動させるためのねじ穴とねじ棒との螺
合を、ねじの切られていないねじ棒端部においてむりや
り行わせるようなことは確実に防止することができ、機
械的損傷は確実に防止することができる。
次に、ピックアップ21をディスクの外周側へ移動させ
る場合には、前記サーボ回路27から駆動信号Vcc/2−Vi
がラインsl4を介してモータ駆動回路31へ与えられる。
一方のパワーアンプ33aの出力端子からは前記電圧レベ
ルVo2が、また他方のパワーアンプ33bの出力端子からは
前記電圧レベルVo1が出力される。したがって、スライ
ドモータ30の両端には前述と逆極性の電圧が加わり、ス
ライドモータ30は逆転駆動され、ピックアップ21はディ
スクの外周側へ向けて移動する。前記逆回転駆動のため
の駆動信号がラインsl4を介して与えられている際に
は、たとえ前記移動検出スイッチ23がオン状態に切換わ
っていたとしても、ダイオードDが逆流防止用として存
在するので、ダイオードDは遮断し、したがってライン
sl4の前記駆動信号が停止信号Vcc/2に強制されるように
なことはない。
第3図はサーボ回路27からの駆動信号を示すタイミン
グチャートである。時刻t0において、制御回路26にピッ
クアップ21をディスクの内周側へ移動する信号が入力さ
れると、サーボ回路27からはラインsl4を介して第3図
(1)に示されるように駆動信号Vcc/2+Viが出力さ
れ、スライドモータ30の駆動が開始する。前記ピックア
ップ21が移動後、時刻t1において前記ピックアップ21が
ディスクの最内周端部に到達した状態を前記移動検出ス
イッチ23の出力より制御回路26が判断すると、強制手段
25が作動し、制御回路26の制御の正常/暴走状態にかか
わらずモータ駆動回路31に入力される制御信号は強制的
に停止信号となる。したがって、ピックアップ21はディ
スクの最内周端部において確実に停止する。
上述の実施例の移動検出スイッチ23はディスクの最内
周端部にピックアップが到達したことを検出している場
合について記載している。しかし前記スイッチは操作者
が停止させようと希望する他の位置に設定することもで
きる。たとえば、ディスクの最外周端部に前記スイッチ
23と同様の構成を有するスイッチを設定する。さらに前
記トランジスタQのエミッタを前記ダイオードDのカソ
ードとを互いに接続されるラインsl4,sl6へ交替して接
続することによって、ピックアップをディスクの最外周
端部において確実に停止させることもできる。
第3図(2)は上述の最外周端部にスイッチが設定さ
れた場合のサーボ回路27からの駆動信号を示している。
時刻t0において、サーボ回路27からラインsl4を介して
駆動信号Vcc/2−Viが出力されると、ピックアップ21の
ディスクの外周側へ向けての移動が開始する。ピックア
ップ21が移動後、時刻t1においてディスクの最外周端部
に到達すると、前記スイッチがオン状態に切換わり、強
制手段25によってモータ駆動回路31へ入力される制御信
号は停止信号Vcc/2に強制され、スライドモータ30は停
止する。したがって、ピックアップ21は確実にディスク
の最外周端部において停止させることができる。
第4図は駆動制御装置20の制御動作を説明するための
フローチャートである。前記移動検出スイッチはピック
アップがディスクの最内周端部に到達したことを検出
し、またピックアップをディスクの内周側へ移動させる
場合について想定する。プログラムは制御回路26がピッ
クアップをディスクの内周側へ移動させるべき信号を判
断した際に開始する。
ステップs1では制御回路26からサーボ回路27へスライ
ドモータ30を移動させるべき信号が送出され、処理はス
テップs2へ進む。ステップs2では、ラインsl4を介して
駆動信号がモータ駆動回路31へ与えられ、スライドモー
タ30が駆動し、ピックアップ21の移動が行われ、処理は
ステップs3へ進む。
ステップs3では、移動検出スイッチ23がオン状態に切
換わったか否かが判断される。ステップが切換わってい
なければ、処理はステップs2へ再度戻り、前述のステッ
プs2,ステップs3の処理が繰返される。一方、前記スイ
ッチ23がオン状態に切換わると、ステップs4において強
制手段25が作動し、前記制御回路26の正常/異常状態に
かかわらず、確実にラインsl4を介してモータ駆動回路3
1へ入力される制御信号を停止信号へ強制し、スライド
モータ30は停止し、ピックアップ21は確実に停止する。
以後は他の処理へ進む。
上述のように本実施例によれば、ディスク再生装置に
おけるピックアップの移動を制御する駆動制御装置につ
いて記載している。しかしディスク再生装置であること
は制限されることではなく、制御系によって移動体を移
動させるモータなどの駆動回路が制御される構成であれ
ば有利に実施することができる。
また本実施例においては移動体の予め定められる範囲
の端部において前記強制手段が作動するように想定して
いる。しかし他の実施例においては、移動体の移動可能
な範囲内で予め定められる位置において前記強制手段を
作動させ、移動体を停止させるような構成であってもよ
い。
さらに本実施例においては、トランジスタやダイオー
ドなどの半導体整流素子によって構成している。しかし
強制手段は本実施例の構成に制限されるものではない。
上述のように本実施例に従えば、たとえ処理回路が暴
走状態に陥っても、確実に停止させるべき位置において
移動体を停止させることができる。したがって移動体を
移動させる機械的構造を損傷するようなこともなく、前
記移動体の移動を制御する駆動制御装置としての性能が
格段と向上する。
発明の効果 本発明に従えば、制御手段の制御状態にかかわらず、
予め定められる位置において確実に移動体を停止させる
ことができる。したがって、前記移動体の移動を制御す
る駆動制御装置としての性能が格段と向上する。
特に本発明によれは、制御手段24の暴走状態などによ
って、一方および他方の各ラインsl4,sl5に第1電圧(V
cc/2+Vi)および基準電圧(Vcc/2)を導出した状態に
保たれたとしても、移動体が移動の一方向の移動端に到
達すると、検出スイッチ23が第1のスイッチング状態に
なって強制手段25のスイッチング素子Qが導通し、した
がってダイオードDが導通し、これによって一方および
他方の各ラインsl4,sl5が短絡して同一電圧になるの
で、モータ駆動回路は、モータを確実に停止させること
ができるようになる。
しかも本発明によれば、移動体が移動の前記一方向の
移動端に到達して停止している状態で、次に、移動体を
逆方向に駆動するにあたっては、検出スイッチ23が第2
スイッチング状態であって強制手段のスイッチング素子
Qは導通しているけれども、制御手段は、移動体の逆方
向駆動のために、一方および他方の各ラインsl4,sl5に
第2電圧(Vcc/2−Vi)および基準電圧(Vcc/2)をそれ
ぞれ導出することによって、ダイオードDは遮断し、こ
れによってモータ駆動回路31はモータ30を逆転させるこ
とができる。
このようにして制御手段24のたとえば暴走などが生じ
ても、移動体を移動の一方向の移動端に到達して停止さ
せることが確実に可能であるとともに、それだけでなく
本発明によれば、その移動端に移動体が到達している状
態から、移動体を逆方向に駆動することが可能である。
こうして移動体を円滑に一方向および逆方向に駆動する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるディスク再生装置にお
ける駆動制御装置20の簡略化した電気的構成を示すブロ
ック図、第2図はピックアップ21周辺の要所を示す分解
斜視図、第3図はサーボ回路27からの制御信号を説明す
るタイムチャート、第4図は駆動制御装置20の制御動作
を説明するためのフローチャート、第5図は従来のディ
スク再生装置における駆動制御装置1の簡略化した電気
的構成を示すブロック図である。 20…駆動制御装置、21…ピックアップ、22…駆動手段、
23…移動検出スイッチ、24…制御手段、25…強制手段、
26…制御回路、27…サーボ回路、30…スライドモータ、
31…モータ駆動回路、33…パワーアンプ、39…ねじ穴、
40…ねじ棒、43…連結片、D…ダイオード、Q…pnp形
トランジスタ、R…抵抗、sl4,sl5,sl6…ライン、Vcc…
電源電圧、Vcc/2…基準電圧

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)移動体と、 (b)2つの端子間の電圧の極性を変化することによっ
    て正逆転して移動体を一方向および逆方向に駆動するモ
    ータと、 (c)検出スイッチであって、 移動体の前記一方向の移動端に設けられ、 移動体が前記移動端にいないとき、第1のスイッチング
    状態になり、 移動体が前記移動端にいるとき、第2のスイッチング状
    態になる検出スイッチと、 (d)制御手段であって、 検出スイッチの出力に応答し、 検出スイッチが第1スイッチング状態であるとき、 2つのラインsl4,sl5のうち、一方ラインsl4に、 基準電圧(Vcc/2)から予め定める電位差Viだけ高い第
    1電圧(Vcc/2+Vi)を導出し、または 基準電圧(Vcc/2)から前記予め定める電位差Viだけ低
    い第2電圧(Vcc/2−Vi)を導出し、 他方ラインsl5に基準電圧(Vcc/2)を導出し、 検出スイッチが第2スイッチング状態であるとき、前記
    一方ラインsl4および前記他方ラインsl5に基準電圧(Vc
    c/2)を導出する制御手段と、 (e)モータ駆動回路であって、 前記2つのラインsl4,sl5に接続され、 前記一方ラインsl4から第1電圧(Vcc/2+Vi)が与えら
    れたとき、移動体を一方向駆動するためにモータが正転
    する極性でモータの端子間に電圧を与え、 前記一方ラインsl4から第2電圧(Vcc/2−Vi)が与えら
    れたとき、移動体を他方向駆動するためにモータが逆転
    する極性でモータの端子間に電圧を与え、 前記一方ラインsl4および前記他方ラインsl5が同一電圧
    であるとき、モータを停止するモータ駆動回路と、 (f)強制手段であって、 前記一方ラインsl4と前記他方ラインsl5とに接続され、 スイッチング素子QとダイオードDとが直列接続されて
    構成され、 スイッチング素子Qは、検出スイッチの出力に応答し、
    検出スイッチが第1スイッチング状態であるとき、遮断
    し、第2スイッチング状態であるとき導通し、 ダイオードDは、前記一方ラインsl4から前記他方ライ
    ンsl5に順方向となるように方向性結合され、 ダイオードDの順方向立上がり電圧Vfは、前記予め定め
    る電位差Viよりも低く選ばれる強制手段とを含むことを
    特徴とする駆動制御装置。
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