JP2719928B2 - メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法 - Google Patents
メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はメチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタ
ル酸の立体異性化方法に関し、さらに詳しくは、メチル
−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸を、第IVB族
金属化合物の存在下に、加熱処理して立体異性化する方
法に関する。
ル酸の立体異性化方法に関し、さらに詳しくは、メチル
−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸を、第IVB族
金属化合物の存在下に、加熱処理して立体異性化する方
法に関する。
従来の技術 メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸(以
下、Me-Δ4‐THPAと略す。)は、エポキシ樹脂の硬化
剤や不飽和ポリエステル樹脂の成分などとして使用され
る有用な化合物である。
下、Me-Δ4‐THPAと略す。)は、エポキシ樹脂の硬化
剤や不飽和ポリエステル樹脂の成分などとして使用され
る有用な化合物である。
しかしながら、トランスピペリレンと無水マレイン酸
をデイールス・アルダー反応させることにより得られる
シス−3−メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタ
ル酸(以下、シス−3Me-Δ4‐THPAと略す。)またはイ
ソプレンと無水マレイン酸をデイールス・アルダー反応
させることにより得られる4−メチル−デルタ−4−テ
トラヒドロ無水フタル酸(以下、4Me-Δ4‐THPAと略
す。)は融点がそれぞれ61℃および64℃であり室温にて
固体である。したがつて、取扱い上室温にて液体である
ことが要求されるエポキシ樹脂硬化剤としては不適であ
る。それゆえ、これらのシスー3Me-Δ4‐THPAおよび/
または4Me-Δ4‐THPAを構造異性化および/または立体
異性化して異性体混合物とすることにより、室温にて液
状化する異性化方法が種々開発されている。
をデイールス・アルダー反応させることにより得られる
シス−3−メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタ
ル酸(以下、シス−3Me-Δ4‐THPAと略す。)またはイ
ソプレンと無水マレイン酸をデイールス・アルダー反応
させることにより得られる4−メチル−デルタ−4−テ
トラヒドロ無水フタル酸(以下、4Me-Δ4‐THPAと略
す。)は融点がそれぞれ61℃および64℃であり室温にて
固体である。したがつて、取扱い上室温にて液体である
ことが要求されるエポキシ樹脂硬化剤としては不適であ
る。それゆえ、これらのシスー3Me-Δ4‐THPAおよび/
または4Me-Δ4‐THPAを構造異性化および/または立体
異性化して異性体混合物とすることにより、室温にて液
状化する異性化方法が種々開発されている。
ところで、従来、Me-Δ4‐THPAを立体異性化する方
法として以下のようなものが開示されている。
法として以下のようなものが開示されている。
(イ)トランスピペリレンの無水マレイン酸へのディー
ルス・アルダー付加体であるシス−3Me-Δ4‐THPAをジ
ブチルアニリンの存在下に加熱することにより、対応す
るトランス3Me-Δ4‐THPAへ立体異性化する方法(ジヤ
ーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサイアテイー 1
950年、第72巻1678〜1681頁)。
ルス・アルダー付加体であるシス−3Me-Δ4‐THPAをジ
ブチルアニリンの存在下に加熱することにより、対応す
るトランス3Me-Δ4‐THPAへ立体異性化する方法(ジヤ
ーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサイアテイー 1
950年、第72巻1678〜1681頁)。
(ロ)シス−3Me-Δ4‐THPAをアルカリ金属化合物の存
在下に加熱して、対応するトランス体へ立体異性化する
方法(特公昭57-34834号公報)。
在下に加熱して、対応するトランス体へ立体異性化する
方法(特公昭57-34834号公報)。
(ハ)Me-Δ4‐THPAをアルカリ土類金属酸化物の存在
下に加熱する立体異性化方法(特公昭58-54146号公報)
などである。
下に加熱する立体異性化方法(特公昭58-54146号公報)
などである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記に開示された立体異性化方法では、
以下のような問題点を有する。すなわち、ジブチルアニ
リン等の三級アミンまたはアルカリ金属化合物の存在下
での立体異性化方法では、重質物の副生により生成物の
精留時に蒸留残渣が多くしたがつて収率が低下するとい
う問題点を有する。さらに、この方法では触媒が生成物
中に溶解してしまうため、触媒の分離が困難であり、し
たがつて触媒の再使用が困難であるという工業的に実施
するうえでの問題点も有する。
以下のような問題点を有する。すなわち、ジブチルアニ
リン等の三級アミンまたはアルカリ金属化合物の存在下
での立体異性化方法では、重質物の副生により生成物の
精留時に蒸留残渣が多くしたがつて収率が低下するとい
う問題点を有する。さらに、この方法では触媒が生成物
中に溶解してしまうため、触媒の分離が困難であり、し
たがつて触媒の再使用が困難であるという工業的に実施
するうえでの問題点も有する。
また、アルカリ土類金属酸化物の存在下での立体異性
化方法は、本発明者らが再試験を行つたところ、立体異
性化速度が遅く、反応に、高温かつ長時間が必要である
ことが判明した。
化方法は、本発明者らが再試験を行つたところ、立体異
性化速度が遅く、反応に、高温かつ長時間が必要である
ことが判明した。
本発明は、Me-Δ4‐THPAを立体異性化するに際し、
重質物の副生が多い、触媒の再使用が困難である、反応
速度が遅いという従来技術に伴う問題点を解決しようと
するものであり、Me-Δ4‐THPAの安価で効率のよい立
体異性化方法を提供することを目的としている。
重質物の副生が多い、触媒の再使用が困難である、反応
速度が遅いという従来技術に伴う問題点を解決しようと
するものであり、Me-Δ4‐THPAの安価で効率のよい立
体異性化方法を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段 発明の要旨 本発明者らは、Me-Δ4‐THPAの立体異性化方法を種
々検討する中で、第IVB族金属化合物の存在下に、加熱
処理を行うことにより、安価で効率のよい立体異性化方
法を見出し、本発明を完成するに至つた。すなわち、本
発明は、Me-Δ4‐THPAを周期律表第IVB金属化合物の存
在下に、加熱処理することを特徴とするMe-Δ4‐THPA
の立体異性化方法に関するものである。
々検討する中で、第IVB族金属化合物の存在下に、加熱
処理を行うことにより、安価で効率のよい立体異性化方
法を見出し、本発明を完成するに至つた。すなわち、本
発明は、Me-Δ4‐THPAを周期律表第IVB金属化合物の存
在下に、加熱処理することを特徴とするMe-Δ4‐THPA
の立体異性化方法に関するものである。
Me-Δ4‐THPA 本発明で用いられるMe-Δ4‐THPAはトランスピペリ
レンと無水マレイン酸とをデイールス・アルダー反応さ
せることにより得られるシス−3Me-Δ4‐THPAまたはト
ランスピペリレンとイソプレンの混合物を無水マレイン
酸とデイールス・アルダー反応させることにより得られ
るシス−3Me-Δ4‐THPAと4Me-Δ4‐THPAとの混合物な
どである。
レンと無水マレイン酸とをデイールス・アルダー反応さ
せることにより得られるシス−3Me-Δ4‐THPAまたはト
ランスピペリレンとイソプレンの混合物を無水マレイン
酸とデイールス・アルダー反応させることにより得られ
るシス−3Me-Δ4‐THPAと4Me-Δ4‐THPAとの混合物な
どである。
本発明のMe-Δ4‐THPAの異性化方法では、二重結合
の位置移動に基づく所謂、構成異性化は起きず、立体異
性化のみ生ずる。
の位置移動に基づく所謂、構成異性化は起きず、立体異
性化のみ生ずる。
すなわち、シス−3Me-Δ4‐THPAは異性化により対応
するトランス−3Me-Δ4‐THPAに立体異性化し、低凝固
点物質である、シス体とトランス体の混合物を与える。
また、シス−3Me-Δ4‐THPAと4Me-Δ4‐THPAの混合物
を用いた場合には、上記よりさらに低凝固点物質を与え
るが、これはシス−3Me-Δ4‐THPA、トランス−3Me-Δ
4‐THPAおよび4Me-Δ4‐THPAの3者の混合による凝固
点降下作用に基づくものと考えられる。
するトランス−3Me-Δ4‐THPAに立体異性化し、低凝固
点物質である、シス体とトランス体の混合物を与える。
また、シス−3Me-Δ4‐THPAと4Me-Δ4‐THPAの混合物
を用いた場合には、上記よりさらに低凝固点物質を与え
るが、これはシス−3Me-Δ4‐THPA、トランス−3Me-Δ
4‐THPAおよび4Me-Δ4‐THPAの3者の混合による凝固
点降下作用に基づくものと考えられる。
触媒 本発明で用いられる触媒は周期律表第IVB族金属化合
物である。このような触媒として、たとえば、酸化チタ
ン(II)、同(III)、同(IVアナターゼ型)、同(IV
ルチル型)、同(IVブルカイト型)、酸化ジルコニウ
ム、酸化ハフニウムなどの第IVB族金属の酸化物または
チタニルメタホスフエート(TiO(PO3)2)、ピロリン酸
ジルコニウム(ZrP2O7)などの第IVB族金属のリン酸塩
などを挙げることができる。これらのほか、酸化硫酸チ
タン(TiOSO4)、水酸化チタン(Ti(OH)4)、チタン酸
エチル(Ti(OC2H5)4)、チタン酸n−プロピル(Ti(OC3
H7)4)、チタン酸n−ブチル(Ti(OC4H9)4)、硫化チタ
ン(TiS2)、アセチルアセトンチタン塩〔TiO(CH2COCH2
COCH3)2〕、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、酸化塩化
ジルコニウム(ZrOCl2)、硝酸ジルコニウム〔Zr(N
O3)4〕、水酸化ジルコニウム〔Zr(OH)4〕、水素化ジル
コニウム(ZrH2)、硝酸ハフニウム〔Hf(NO3)4〕、炭化
ハフニウム(HfC)等の化合物も用いることができる。
物である。このような触媒として、たとえば、酸化チタ
ン(II)、同(III)、同(IVアナターゼ型)、同(IV
ルチル型)、同(IVブルカイト型)、酸化ジルコニウ
ム、酸化ハフニウムなどの第IVB族金属の酸化物または
チタニルメタホスフエート(TiO(PO3)2)、ピロリン酸
ジルコニウム(ZrP2O7)などの第IVB族金属のリン酸塩
などを挙げることができる。これらのほか、酸化硫酸チ
タン(TiOSO4)、水酸化チタン(Ti(OH)4)、チタン酸
エチル(Ti(OC2H5)4)、チタン酸n−プロピル(Ti(OC3
H7)4)、チタン酸n−ブチル(Ti(OC4H9)4)、硫化チタ
ン(TiS2)、アセチルアセトンチタン塩〔TiO(CH2COCH2
COCH3)2〕、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、酸化塩化
ジルコニウム(ZrOCl2)、硝酸ジルコニウム〔Zr(N
O3)4〕、水酸化ジルコニウム〔Zr(OH)4〕、水素化ジル
コニウム(ZrH2)、硝酸ハフニウム〔Hf(NO3)4〕、炭化
ハフニウム(HfC)等の化合物も用いることができる。
これらのうち触媒としては、酸化チタン(IVアナター
ゼ型)、同(IVルチル型)、酸化ジルコニウム、酸化ハ
フニウム、チタニルメタホスフエートの使用が好まし
い。
ゼ型)、同(IVルチル型)、酸化ジルコニウム、酸化ハ
フニウム、チタニルメタホスフエートの使用が好まし
い。
上記触媒はいずれも常法にしたがつて調製することが
できるが、例えばチタニルメタホスフエートは300mlの
水にリン酸水素アンモニウム(NH4)2HPO434.7gを溶解
し、それを10%塩酸水溶液にTiCl450gを溶解した溶液を
加え、一夜熟成してTiO(PO3)2の白色沈殿を得、その沈
殿を純水で洗浄し、100℃で乾燥して得たものを用いる
〔工化66(1963),1136〕。
できるが、例えばチタニルメタホスフエートは300mlの
水にリン酸水素アンモニウム(NH4)2HPO434.7gを溶解
し、それを10%塩酸水溶液にTiCl450gを溶解した溶液を
加え、一夜熟成してTiO(PO3)2の白色沈殿を得、その沈
殿を純水で洗浄し、100℃で乾燥して得たものを用いる
〔工化66(1963),1136〕。
触媒の使用量はMe-Δ4‐THPA 100重量部当り0.1重量
部以上、好ましくは1〜20重量部である。生成液状異性
体混合物と本発明の触媒は、過または遠心分離等の公
知の手段で容易に分離可能であり、またこのようにして
分離した触媒を再使用に供することも可能である。
部以上、好ましくは1〜20重量部である。生成液状異性
体混合物と本発明の触媒は、過または遠心分離等の公
知の手段で容易に分離可能であり、またこのようにして
分離した触媒を再使用に供することも可能である。
立体異性化条件 本発明の立体異性化反応の反応形式は、回分式または
連続式のいずれでもよく、連続式の場合には、固定床方
式、移動床方式または流動床方式の従来から知られてい
る方式から適宜選択できる。反応温度は100〜300℃であ
り、好ましくは150〜250℃である。
連続式のいずれでもよく、連続式の場合には、固定床方
式、移動床方式または流動床方式の従来から知られてい
る方式から適宜選択できる。反応温度は100〜300℃であ
り、好ましくは150〜250℃である。
また、反応時間は回分式の場合で0.1〜20時間、好ま
しくは1〜10時間程度である。反応圧力は常圧でも加圧
下でもよい。溶媒は用いても用いなくてもよいが用いる
とすれば、キシレン、キユメン、テトラリンまたはデカ
リンなどが使用できる。
しくは1〜10時間程度である。反応圧力は常圧でも加圧
下でもよい。溶媒は用いても用いなくてもよいが用いる
とすれば、キシレン、キユメン、テトラリンまたはデカ
リンなどが使用できる。
発明の効果 本発明の方法によれば、高沸点副生物の生成が低減で
き、したがつて高収率でMe-Δ4‐THPAの立体異性体混
合物が得られる。また、触媒の分離が容易であるため触
媒の再使用が可能であり工業的利用価値に優れる。さら
に本発明の方法では立体異性化反応速度が早いため高温
かつ長時間の反応が必要なく、かつ得られる液状生成物
の着色が少ない(低ダードナー色数)という効果が得ら
れる。
き、したがつて高収率でMe-Δ4‐THPAの立体異性体混
合物が得られる。また、触媒の分離が容易であるため触
媒の再使用が可能であり工業的利用価値に優れる。さら
に本発明の方法では立体異性化反応速度が早いため高温
かつ長時間の反応が必要なく、かつ得られる液状生成物
の着色が少ない(低ダードナー色数)という効果が得ら
れる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
の部および%はとくに断わりがない限り重量基準であ
る。
れら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
の部および%はとくに断わりがない限り重量基準であ
る。
実施例1 攪拌機付き300mlの四つ口フラスコにシス−3Me-Δ4
‐THPA(融点61℃)100部と酸化チタン(IV、アナター
ゼ型、和光純薬社製)5部を仕込み、窒素雰囲気にて攪
拌下、200℃で5時間、異性化反応を行つた。反応後、
過することにより液状生成物と触媒を分離した。得ら
れた生成物を減圧下で蒸留することにより淡黄色の液状
(ガードナー色数<1)96.5部が得られた。
‐THPA(融点61℃)100部と酸化チタン(IV、アナター
ゼ型、和光純薬社製)5部を仕込み、窒素雰囲気にて攪
拌下、200℃で5時間、異性化反応を行つた。反応後、
過することにより液状生成物と触媒を分離した。得ら
れた生成物を減圧下で蒸留することにより淡黄色の液状
(ガードナー色数<1)96.5部が得られた。
液状生成物の凝固点は3℃であり、ガスクロマトグラ
フィーにより分析した結果シス−3Me-Δ4‐THPA 32%
およびトランス−3Me-Δ4‐THPA 68%の混合物であつ
た。さらに該磁気共鳴スペクトル分析の結果、シクロヘ
キセン環の二重結合の移動が生じていないことが確認さ
れた。
フィーにより分析した結果シス−3Me-Δ4‐THPA 32%
およびトランス−3Me-Δ4‐THPA 68%の混合物であつ
た。さらに該磁気共鳴スペクトル分析の結果、シクロヘ
キセン環の二重結合の移動が生じていないことが確認さ
れた。
実施例2 実施例1で分離した触媒を再使用したこと以外は実施
例1と同様にして異性化反応、触媒の分離および減圧蒸
留を行つた。蒸留留出物は淡黄色の液体(ガードナー色
数<1)であり、97.1部が回収された。
例1と同様にして異性化反応、触媒の分離および減圧蒸
留を行つた。蒸留留出物は淡黄色の液体(ガードナー色
数<1)であり、97.1部が回収された。
液状生成物の凝固点は5℃であり、ガスクロマトグラ
フィー分析の結果、シス体34%およびトランス体66%の
混合物であつた。
フィー分析の結果、シス体34%およびトランス体66%の
混合物であつた。
このことより触媒の繰り返し使用が可能であることが
判明した。
判明した。
比較例1 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えてジブチルアニリン(東京化成社
製)2部を用いたこと以外は実施例1と同様にして異性
化反応を行つた。触媒を含んだ生成物を減圧にて蒸留し
たところ、赤色の液体(ガードナー色数4)88.7部が得
られた。蒸留後、釜残となつた重質物は13.3部であつ
た。
薬社製)5部に代えてジブチルアニリン(東京化成社
製)2部を用いたこと以外は実施例1と同様にして異性
化反応を行つた。触媒を含んだ生成物を減圧にて蒸留し
たところ、赤色の液体(ガードナー色数4)88.7部が得
られた。蒸留後、釜残となつた重質物は13.3部であつ
た。
なお、留出物の凝固点は10℃であり、ガスクロマトグ
ラフィー分析の結果、シス体40%およびトランス体60%
の混合物であつた。
ラフィー分析の結果、シス体40%およびトランス体60%
の混合物であつた。
実施例3 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて酸化ジルコニウム(和光純薬社
製)10部を用いたことおよび反応条件を200℃、8時間
としたこと以外は実施例1と同様にして異性化反応およ
び触媒の分離を行つた。
薬社製)5部に代えて酸化ジルコニウム(和光純薬社
製)10部を用いたことおよび反応条件を200℃、8時間
としたこと以外は実施例1と同様にして異性化反応およ
び触媒の分離を行つた。
得られた生成物を減圧にて蒸留したところ、淡黄色の
液体(ガードナー色数<1)95.3部が得られた。
液体(ガードナー色数<1)95.3部が得られた。
留出物の凝固点は5℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体35%およびトランス体65%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体35%およびトランス体65%の混合
物であつた。
実施例4 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて酸化ハフニウム(和光純薬社製)
10部を用いたことおよび反応条件を200℃、10時間とし
たこと以外は実施例1と同様にして異性化反応および触
媒の分離を行つた。得られた生成物を減圧にて蒸留した
ところ、淡黄色の液体(ガードナー色数<1)97.7部が
得られた。
薬社製)5部に代えて酸化ハフニウム(和光純薬社製)
10部を用いたことおよび反応条件を200℃、10時間とし
たこと以外は実施例1と同様にして異性化反応および触
媒の分離を行つた。得られた生成物を減圧にて蒸留した
ところ、淡黄色の液体(ガードナー色数<1)97.7部が
得られた。
留出物の凝固点は10℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体42%およびトランス体58%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体42%およびトランス体58%の混合
物であつた。
実施例5〜8 シス−3Me-Δ4‐THPAおよび4Me-Δ4‐THPA計100部
を第1表に示す割合で用いたこと以外は実施例1と同様
にして異性化反応、触媒の分離および減圧蒸留を行つ
た。
を第1表に示す割合で用いたこと以外は実施例1と同様
にして異性化反応、触媒の分離および減圧蒸留を行つ
た。
蒸留留出量、留出物の凝固点およびガードナー色数を
第1表に示す。
第1表に示す。
これらの結果より、本発明の方法は重質物の生成が、
いずれも少ないことがわかる。さらに、シス−3Me-Δ4
‐THPAと4Me-Δ4‐THPAを混合して用いる場合には、シ
ス−3Me-Δ4‐THPAを単独に用いる場合よりも凝固点の
低い液状生成物が得られる。
いずれも少ないことがわかる。さらに、シス−3Me-Δ4
‐THPAと4Me-Δ4‐THPAを混合して用いる場合には、シ
ス−3Me-Δ4‐THPAを単独に用いる場合よりも凝固点の
低い液状生成物が得られる。
なお上記の場合の生成物中のシス体/トランス体の割
合は次の通りであつた。
合は次の通りであつた。
実施例9 触媒として酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純薬
社製)5部に代えて酸化チタン(IV、ルチル型、和光純
薬社製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様にして
異性化反応および触媒の分離を行つた。得られた生成物
を減圧にて蒸留したところ、淡黄色の液体(ガードナー
色数<1)96.8部が得られた。
社製)5部に代えて酸化チタン(IV、ルチル型、和光純
薬社製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様にして
異性化反応および触媒の分離を行つた。得られた生成物
を減圧にて蒸留したところ、淡黄色の液体(ガードナー
色数<1)96.8部が得られた。
留出物の凝固点は5℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体33%およびトランス体67%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体33%およびトランス体67%の混合
物であつた。
実施例10 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えてチタニルメタホスフエート10部を
用いたことおよび反応条件を200℃、8時間としたこと
以外は実施例1と同様にして異性化反応および触媒の分
離を行つた。
薬社製)5部に代えてチタニルメタホスフエート10部を
用いたことおよび反応条件を200℃、8時間としたこと
以外は実施例1と同様にして異性化反応および触媒の分
離を行つた。
得られた生成物を減圧にて蒸留したところ、淡黄色の
液体(ガードナー色数<1)95.7部が得られた。
液体(ガードナー色数<1)95.7部が得られた。
留出物の凝固点は5℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体36%およびトランス体64%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体36%およびトランス体64%の混合
物であつた。
比較例2 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて酸化カルシウム5部を用いたこと
以外は実施例1と同様にして異性化反応を行つた。反応
終了後、室温まで冷却したところ生成物は固化し、その
融点は42℃であつた。
薬社製)5部に代えて酸化カルシウム5部を用いたこと
以外は実施例1と同様にして異性化反応を行つた。反応
終了後、室温まで冷却したところ生成物は固化し、その
融点は42℃であつた。
生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シ
ス体80%およびトランス体20%の混合物であり、この触
媒の存在下での立体異性化はその反応速度が遅いことが
判明した。
ス体80%およびトランス体20%の混合物であり、この触
媒の存在下での立体異性化はその反応速度が遅いことが
判明した。
実施例11 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて酸化チタン(II、TiO、高純度化
学研究所製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して異性化反応および触媒の分離を行つた。
薬社製)5部に代えて酸化チタン(II、TiO、高純度化
学研究所製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して異性化反応および触媒の分離を行つた。
得られた生成物を減圧にて蒸留したところ淡黄色の液
体(ガードナー色数<1)95.5部が得られた。
体(ガードナー色数<1)95.5部が得られた。
留出物の凝固点は7℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体37%およびトランス体63%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体37%およびトランス体63%の混合
物であつた。
実施例12 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて酸化チタン(III、Ti2O3、高純度
化学研究所製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様
にして異性化反応および触媒の分離を行つた。
薬社製)5部に代えて酸化チタン(III、Ti2O3、高純度
化学研究所製)5部を用いたこと以外は実施例1と同様
にして異性化反応および触媒の分離を行つた。
得られた生成物を減圧にて蒸留したところ淡黄色の液
体(ガードナー色数<1)95.2部が得られた。
体(ガードナー色数<1)95.2部が得られた。
留出物の凝固点は10℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体41%およびトランス体59%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体41%およびトランス体59%の混合
物であつた。
比較例3 触媒として、酸化チタン(IV、アナターゼ型、和光純
薬社製)5部に代えて水酸化ナトリウム1部を用いたこ
とおよび反応条件を200℃、3時間としたこと以外は実
施例1と同様にして異性化反応および触媒の分離を行つ
た。
薬社製)5部に代えて水酸化ナトリウム1部を用いたこ
とおよび反応条件を200℃、3時間としたこと以外は実
施例1と同様にして異性化反応および触媒の分離を行つ
た。
得られた生成物を減圧にて蒸留したところ、淡黄色の
液体(ガードナー色数<1)87.6部が得られた。
液体(ガードナー色数<1)87.6部が得られた。
留出物の凝固点は3℃であり、ガスクロマトグラフィ
ー分析の結果、シス体31%およびトランス体69%の混合
物であつた。
ー分析の結果、シス体31%およびトランス体69%の混合
物であつた。
フロントページの続き (72)発明者 石井 正治 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東亜燃料工業株式会社総合研究所 内 (72)発明者 上野 廣 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東亜燃料工業株式会社総合研究所 内
Claims (3)
- 【請求項1】メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フ
タル酸を周期律表第IVB族金属化合物の存在下に、加熱
処理することを特徴とするメチル−デルタ−4−テトラ
ヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法。 - 【請求項2】メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フ
タル酸が、シス−3−メチル−デルタ−4−テトラヒド
ロ無水フタル酸である特許請求の範囲第(1)項に記載
の方法。 - 【請求項3】メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フ
タル酸が、シス−3−メチル−デルタ−4−テトラヒド
ロ無水フタル酸および4−メチル−デルタ−4−テトラ
ヒドロ無水フタル酸の混合物である特許請求の範囲第
(1)項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18178788A JP2719928B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18178788A JP2719928B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0232072A JPH0232072A (ja) | 1990-02-01 |
JP2719928B2 true JP2719928B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=16106866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18178788A Expired - Lifetime JP2719928B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | メチル−デルタ−4−テトラヒドロ無水フタル酸の立体異性化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2719928B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05154691A (ja) * | 1991-12-04 | 1993-06-22 | Kanto Yakin Kogyo Kk | アルミニウムろう接用フッ化物フラックス |
CN115043805B (zh) * | 2022-06-07 | 2023-07-28 | 嘉兴学院 | 一种异构化催化制备液态甲基四氢苯酐的方法 |
-
1988
- 1988-07-22 JP JP18178788A patent/JP2719928B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0232072A (ja) | 1990-02-01 |
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