JP2719337B2 - Y‐染色体特異的ポリヌクレオチドを用いた反芻動物の性別判定 - Google Patents

Y‐染色体特異的ポリヌクレオチドを用いた反芻動物の性別判定

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JP2719337B2 JP62504757A JP50475787A JP2719337B2 JP 2719337 B2 JP2719337 B2 JP 2719337B2 JP 62504757 A JP62504757 A JP 62504757A JP 50475787 A JP50475787 A JP 50475787A JP 2719337 B2 JP2719337 B2 JP 2719337B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は性別判定、特に、Y−染色体特異的ポリヌク
レオチドを用いた反芻動物の性別判定に関する。 (本明細書に引用した文献は、本明細書の終りにまと
めて示してある。) 胎児または胚の性別判定は、益々重要となりつつあ
り、特に、胎児移植などの生殖生物学分野で重要となり
つつある。乳牛及び食肉業の分野だけでも、1985年には
凡そ50,000例の胎児移植が報告されている。胎児を母体
に移植する前に簡単にその性別を判定できれば、乳牛業
において雌の子孫を多くすることが可能となり極めて有
利である。また、胎児の性別が判定できれば、乳牛業者
は、乳を多く出すことができるあるいは子供を多く産む
ことができるなどの望ましい特質を持つた胎児から、乳
牛業のストツクのため子孫を選択することが可能とな
る。同様に、ヒツジやヤギの場合でも性別の判定ができ
れば、業者は望ましい特質を持つた子孫を選択すること
が可能となる。 in vitroでの胎児または胚の性別判定もまた重要であ
る。胎児移植ではなく人工受精または自然受胎の通常の
妊婦の場合に、もし胎児または胚の早期の性別判定が可
能となれば、胎児または胚が望む性別を有していない時
には妊婦を止めることができるようになる。 哺乳動物の性別は、全Y−染色体もしくはその機能的
部分の存在あるいは不存在によつて根本的に決定され
る。Y−染色体上に存在する遺伝子が、睾丸の形成及び
雄としての特徴形成の原因となる。従つて、個々の哺乳
動物の性別は、ある特定のDNA配列をそのゲノムが含ん
でいるか否か、具体的には睾丸形成の原因となる遺伝子
をコードするY−染色体の部分を有する配列を含んでい
るか否かに依つている。 従つて、個々の哺乳動物の性別は、DNA中のY−染色
体特異的遺伝子を分析することによつて判定できる。あ
るいは、性別は、関係はないが遺伝子的には関係した配
列、具体的にはY−染色体と関連した配列を分析するこ
とによつても判定できる。しばしば起る遺伝子組換えに
よつて生じる判定の誤りを最小限に減らすためには、睾
丸決定遺伝子に密接に関連したDNA配列について分析を
行なうのが最も望ましい。 男性DNAと優先的にあるいは独占的にハイブリダイズ
するDNA配列が、多くの研究者によつて同定されている
(文献1及び2)。しかしながらこれらのDNA配列は、
その機能についての特性は明らかにされていない。更に
は、これらのDNA配列が、人以外の他の種のDNA配列とハ
イブリダイズするか否かについては知られていない。 オーストラリア特許出願No.59561/86には、雄性DNAと
優先的にハイブリダイズする牛DNAプローブが記載され
ている。このDNAは、胎児及び胚の性別を判定するため
のハイブリダイゼーシヨンプローブとして有用であると
言われている。 オーストラリア特許出願No.59561/86に記載されたDNA
配列の1つの欠点は、種特異的、即ち牛特異的であつ
て、ヒツジやヤギなどの他の反芻動物のDNAとはハイブ
リダイズしないという点にある。従つてこのDNA配列の
種特異性のために、反芻動物の胎児または胚の性別判定
用試薬としての用途が制限されている。 本発明は、ほとんどの反芻動物において保持されてお
り、これまでの研究で全ての反芻動物において見られた
Y−染色体特異的DNA配列の発見に基づいている。このD
NA配列は、程度の差はあるものの繰返し現われており、
血縁関係のない個々の間ではその繰返し数は相違してい
るが、安定に子孫に継承されている。 本発明の1つの局面によれば、牛、ヒツジ、ヤギ及び
他の反芻動物のY−染色体特異的DNA配列にのみハイブ
リダイズすることのできる核酸単離物が提供される。 この核酸単離物は、牛のY−染色体上に見出されるDN
A配列の全てまたはその1部に対応するものであり、以
後BRY.1と言う。BRY.1 DNA配列は第1図に示されてい
る。このDNA配列は307個のヌクレオチドからなり、その
最初の237個のヌクレオチドは、オーストラリアプロビ
ジヨナル特許出願No.PH07385/86に記載されている。本
出願はこの特許出願に基づき優先権主張がなされてい
る。 “BRY.1"なる言葉は第1図に示した特異的DNA配列を
示すものである。またこの言葉は、その変換体が第1図
の配列の全てまたは1部と特異的にハイブリダイズし、
25%以下で相違しているかぎり、ヌクレオチドが置換
し、増加しあるいは除去された変換体も包含する。 これらの変換体は、DNA配列の点変異、欠損あるいは
挿入などによつて個体群のなかで自然に生じる対立遺伝
子変換体でもよい。あるいはまた、これらの変換体は、
特定部位変異誘発、エンドヌクレアーゼもしくは制限酵
素を用いたDNA断片の除去、DNA部分を連結することによ
るDNA配列の追加などの人工的な手段によつて構築され
る変換体であつてもよい。 本発明は、12もしくはそれ以上のヌクレオチドであつ
てBRY.1の隣接部分のヌクレオチドにも関し、以後この
ヌクレオチドを“オリゴヌクレオチド”と言う。このオ
リゴヌクレオチドはBRY.1を検出するためのハイブリダ
イゼーシヨンプローブとして使用することができ、この
オリゴヌクレオチドはApplied Biosystems 380A DNAシ
ンセサイザーなどの商業的に入手可能なDNAシンセサイ
ザーを使用して標準的方法により合成的に構築すること
ができる。12より少ないヌクレオチドからなるオリゴヌ
クレオチドでは、ハイブリダイゼーシヨンプローブとし
ての効果が減少する。 本発明の他の局面によれば、BRY.1の12もしくはそれ
以上のヌクレオチドの隣接部分を含む核酸単離物が提供
される。 更に本発明は、BRY.1に対応するRNA(第1図に対応す
るRNA配列は第2図に示されている)及び第2図のRNA配
列の12もしくはそれ以上のヌクレオチドの隣接部分に関
する。 本発明の他の局面によれば、BRY.1の1本鎖もしくは
2本鎖に対応するRNA、あるいはBRY.1の12もしくはそれ
以上のヌクレオチドの隣接部分に対応するRNAを含む核
酸単離物が提供される。 本発明の核酸単離物はハイブリダイゼーシヨンプロー
ブとして使用することができ、また32P、14C、3H、125I
などの放射活性マーカーあるいはビオチン、ブロモデオ
キシウリジンなどの非放射活性マーカーで、公知の方法
(文献3−8)によりラベル化してもよい。 BRY.1の全てまたはその1部に対応するRNAは、例えば
SP6RNAポリメラーゼあるいはT7RNAポリメラーゼを用い
てin vitro転写システムにより製造することができる
(文献7及び8)。 本発明の核酸単離物は、Y−染色体特異的DNA配列を
検出するためのハイブリダイゼーシヨンプローブとして
使用することができ、従つて例えば胎児または胚の性別
を判定するためのハイブリダイゼーシヨンプローブとし
て使用することができる。同様に、本発明の核酸単離物
は、BRY.1の配列の全体に亘る変換体及び/又はマイナ
ー変換体の検出に使用することができる。このような分
析は父系テストに有用なものである。 分画精液を、本発明の核酸単離物を用いてテストする
こともできる。特に、本発明の核酸単離物を用いて、Y
−染色体を豊富に含む精液を評価することが出来る。 胎児、胚または個々の反芻動物の性別を判定する場合
には、分析用として細胞試料を採取し、そこからDNAを
公知の方法(文献9)により抽出する。次いで単離した
DNAをニトロセルロースあるいはZeta−ブローブ膜(ト
レードマーク、Bio−Rad Corporation)などの固相支持
体に結合せしめ、またはゲルマトリツクスで電気泳動さ
せてて固相支持体に移す。次いで、この固相支持体を、
後述する如く、検出可能なマーカーでラベル化した本発
明の核酸単離物とハイブリダイズさせる。次いで、固相
支持体上のDNAに結合したラベル化核酸単離物を、例え
ばオートラジオグラフイーにより検出する(文献10)。
ラベル化単離物が、DNA試料中のBRY.1遺伝子し結合する
場合には、その試料の性別を雄と判定することができ
る。 上記の方法では、胎児、胚などのターゲツト遺伝子、
即ちBRY.1遺伝子を、Saikiらの方法(文献11及び12)に
より増幅することができる。 本発明の核酸単離物は、in situハイブリダイゼーシ
ヨンの標準的技術(文献13)を用いて固定化細胞または
中期の染色体にハイブリダイズすることもできる。 更に本発明の他の局面によれば、組織もしくは細胞試
料の性染色体の構成を判定する方法であつて、 組織もしくは細胞試料からDNAを単離し; 単離したDNAを支持マトリツクス上に固定化し; 固定化されたDNAと、反芻動物のY−染色体特異的DNA
配列にのみ結合することのできる核酸単離物とを、該核
酸単離物が相補性DNA配列と結合可能な条件下でハイブ
リダイズし; 支持マトリツクスから非結合核酸単離物を洗浄除去
し;次いで 支持マトリツクスに結合したDNAへの該核酸単離物の
結合を検出する; 工程からなる上記方法が提供される。 本発明の他の局面によれば、固定化細胞または中期の
染色体拡散体(spreads)中のY−染色体の存在または
不存在を判定する方法であつて、 固定化細胞または中期の染色体拡散体と、反芻動物の
Y−染色体特異的DNA配列にのみハイブリダイズするこ
とのできる核酸単離物とを、該核酸単離物が相補性DNA
配列と結合可能な条件下で、ハイブリダイズし; 非結合核酸単離物を洗浄除去し;次いで 核酸単離物の結合を検出する; 工程からなる上記方法が提供される。 本発明の他の局面によれば、組織または細胞試料の性
染色体の構成を判定する方法であつて、 組織または細胞試料からDNAを単離し、コード鎖及び
非コード鎖をそれぞれ分離するために単離したDNAを変
性し; 変性DNAと、BRY.1の12もしくはそれ以上のヌクレオチ
ドに対応する合成オリゴヌクレオチドとをアニーリング
し; 組織または細胞試料中にもし存在するならば、アニー
リングしたDNAとDNAポリメラーゼとをインキユベートし
て、オリゴヌクレオチドをBRY.1配列の終りまで延ば
し; この配列を望むだけで多くの回数繰返し生ぜしめてBR
Y.1のレベルを増幅し;次いで 増幅された試料中のBRY.1 DNAを、 (a)DNAを支持マトリツクス上に固定化し;この固定
化DNAと、反芻動物のY−染色体特異的DNA配列にのみ結
合することのできる核酸単離物であつて検出可能なマー
カーでラベル化された核酸単離物とを、該ラベル化核酸
単離物が相補性DNA配列と結合可能な条件下で、ハイブ
リダイズし;支持マトリツクスから非結合核酸単離物を
洗浄除去し;次いで支持マトリツクスに結合したDNAへ
の核酸単離物の結合を検出する、あるいは (b)ラベル化ヌクレオチド前駆体が、DNAポリメラー
ゼとのインキユベーシヨン中に含まれる場合には、試料
をゲルマトリツクスで電気泳動することにより分画し、
次いでゲルマトリツクスで分画されたラベル化BRY.1配
列を検出する、 ことによつて検出する; 工程からなる上記方法が提供される。 核酸ハイブリダイゼーシヨンは、ReedとMannの方法
(文献14)及びManiatisらの方法(文献9)に従い標準
的条件下で実施することができる。 本発明の核酸単離物は、組織または細胞試料中のY−
染色体特異的DNA配列の存在または不存在を検出するた
めのキツトを構成する、あるいはその1部を構成するこ
とができる。核酸単離物は、検出可能にマーカーでラベ
ル化されていてもよい。キツトは、試薬を希釈するため
の緩衝液、ラベル化合物、分析を実施する固相支持体な
どが含まれていてもよい。 更に本発明の他の局面によれば、Y−染色体特異的DN
A配列の単離方法であつて、 (i)雄性及び雌性動物から調製された1本鎖牛ゲノミ
ツクDNAをアニーリングし; (ii)アニール化DNAを単離し、複製可能なベクター中
に挿入し; (iii)アニール化DNAを含む複製可能なベクターで宿主
細胞を形質転換し;次いで (iv)形質転換した宿主細胞と、雌の反芻動物のゲノミ
ツクDNAから調製したラベル化DNAプローブとをハイブリ
ダイズし、ラベル化プローブと結合しない牛ゲノミツク
DNAを含む宿主細胞を同定する; 工程からなる上記方法が提供される。 図面の記述 第1図はBRY.1の2本鎖DNA配列を示して、そしてCは
デオキシシチジン−5′−ホスフエート、Gはデオキシ
グアノシン−5′−ホスフエート、Aはデオキシアデノ
シン−5′−ホスフエート、Tはデオキキシチミジン−
5′−ホスフエートを表わす。 第2図はBRY.1のDNA配列に対応する2本鎖RNA配列を
示す。Cはシチジン−5′−ホスフエート、Gはグアノ
シン−5′−ホスフエート、Aはアデノシン−5′−ホ
スフエート、Uはウリジン−5′−ホスフエートを表わ
す。 略号の定義 DNA :デオキシリボ核酸 RNA :リボ核酸 cDNA:相補性DNA(mRNA配列から酵素的に合成される) mRNA:メツセンジヤーRNA A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン U :ウラシル Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Psi :1インチ平方当りのポンド数 K.MES:モルホリノエタン硫酸ナトリウムポリヌクレオチ
ド−1本鎖または2本鎖DNAもしくはRNA 実施例 実施例1 BRY.1 DNAの単離(文献14): 畜殺場で雄と雌の牛の肝臓の1部を集め、直ぐに液体
窒素中で凍結した。個々の動物から得た凍結肝臓サンプ
ル(0.8g)を、HB(0.1M NaCl,10mM Tris−HC1(pH7.
5),1mM EDTA)の8ml中でホモジナイズした。それぞれ
のホモジネートに、0.5M EDTA2.2ml及び20%(v/v)サ
ルコシル(Sarcosy1)1.22mlを、ゆつくりと混合しなが
ら加えた。得られるサスペンジヨンを、時々ゆつくりと
混合しながら65℃で15分間加熱し、それぞれのサスペン
ジヨンに固型のCsCl 11.6gを溶解し、次いでエチジウム
ブロミド(10mg/ml)1mlを加え混合した。サスペンジヨ
ンを13.5mlの遠心チユーブに移し、Beckman Ti80ロータ
ー中に置き、Beckman L8−80超遠心機で、45,000rpm,25
℃で60時間遠心した。 チユーブの中間近くの濃縮DNAのピンク色のバンドを
わきの細孔から回収し(1mlのプラスチツクシリンジに
取り付けた18gニードルを用いて)、キヤツプの付いた
チユーブに移した。ブタノール(あらかじめ飽和食塩水
で平衡化した)を用いた抽出を繰返してエチジウムブロ
ミドを除いた。得られる透明なDNA溶液を、TE(10mM Tr
is−HCl,pH8.0,1mM EDTA)の2l×3に対して4℃で透析
した。 異種ハイブリダイゼーシヨンによるクローン化可能な
雄特異的配列の富化(文献15): 雌牛の肝臓から単離したDNA1mgを、20,000psiの圧力
下でフレンチプレスに繰返し(5回)通すことによつ
て、約500bpの平均サイズの断片にランダムに切断し
た。次いで酢酸ナトリウム(pH5.0)を0.25Mまで、エタ
ノールを70%(v/v)まで加えて沈澱せしめ、−20℃で
1晩冷却した。DNAを遠心分離により回収し、得られる
ペレツトを70%(v/v)エタノールでリンスし、真空下
に乾燥した。 雄牛の肝臓から単離したDNA9μgを、標準的条件下で
制限酵素Sau3AIにより完全に消化し、次いでフエノール
とエーテルで抽出した。酢酸アンモニウムを2Mまで、エ
タノールを70%(v/v)まで加えてDNAを回収し、十分に
混合し、液体窒素中で凍結し、溶解し、次いで4℃で15
分間遠心した。消化された雄DNAのペレツトを70%(v/
v)エタノールでリンスし、次いで真空下に乾燥した。 かくして調製したDNA試料(ランダムに切断した雌牛
ゲノミツクDNA1mgと制限酵素で消化された雄牛ゲノミツ
クDNA9μg)をPE(50mMリン酸ナトリウム(pH6.8),5m
M EDTA)0.1ml中に加え、100℃で5分間加熱することに
よつて変性した。次いで直ぐに氷/水に移し、4M硫酸ア
ンモニウムのPE溶液と混合した。この溶液を68℃で24時
間インキユベートし、Cot値が1,320moles.1-1.secとな
るまでDNAの再アニーリングを行なつた。この値は、2M
硫酸アンモニウムによつて再アニーリングが50倍促進さ
れたことによる66,000moles.1-1.secに相当するCot値で
ある(Cot=時間ゼロでの1本鎖DNAのモル濃度(ヌクレ
オチド/l)×時間(sec);実際のCot値は、0.12Mリン
酸ナトリウム,pH6.8での相当する再アニーリング速度を
参照して標準化されたものである)。 混合物をヒドロキシアパタイト(HAP)カラムに通す
ことによつて、再アニール化DNAを1本鎖DNAから分離し
た。カラムマトリツクスは、ヒドロキシアパタイト(Bi
o−Rad DNA GRADE)3gをPB(0.12Mリン酸ナトリウム,pH
6.8)200mlに懸濁し、15分間ゆつくりと煮沸することに
より調製した。スラリ−を、その1/4がボイルした砂で
ある床の上に置かれた(カラムの底面に焼結ガラスデイ
スが詰まるのを防ぐため)、水で被覆したカラムに注入
し、静置した。HAPカラムを60℃にずつと維持した。HAP
カラムをカラムの25倍容のPBであらかじめ洗浄した後、
再アニール化DNA溶液をPBで5mlに希釈し、HAPカラムに
付した。次いでカラムを、カラムの5倍容のPBで溶出
し、更にカラムの5倍容の0.6Mリン酸ナトリウム,pH6.8
で溶出した。PBで溶出したフラクシヨン中に、全DNAの
約95%が回収され、これらは2本鎖(再アニール)DNA
である。このフラクシヨンをTEに対して透析し、ブタノ
ールによる抽出を繰返して濃縮し、次いでエーテルで抽
出し(水洗し)、遠心して微粒子物質を除去した。上記
したと同様にして、酢酸ナトリウム/エタノールで沈澱
せしめて、溶液からDNAを回収した。 クローニングクター(プラスミドpUC9)の調製(文献1
6): プラスミドpUC9の100μgを制限酵素BamH Iで消化
し、SDSを0.5%(w/v)までそして1M Tris−HCl,pH9.0
を1/6容量加えて、次いで牛腸アルカリホスフアターゼ
(Boehringer ELISAグレード)とともに37℃で1時間イ
ンキユベーシヨンすることによりクローニングベクター
を調製した。得られる溶液をフエノールで処理し、次い
で上記したと同様にして酢酸ナトリウム/エタノールで
沈澱させてDNAを回収した。制限酵素で処理されたDNAを
TE/0.2%(w/v)ザルコシルに溶解し、Beckman SW41超
遠心チユーブに入れた、TE/0.2%/(w/v)ザルコシル
に溶解された2−25%(w/w)シユクロースの冷却(4
℃)リニアーグラジエント上に、重層した。チユーブを
Beckman L8−80超遠心分離機で36,000rpm,4℃で20時間
遠心し、次いでグラジエントフラクシヨネーター(ISC
O)を用いて0.5mlのフラクシヨンを集めた。 それぞれのフラクシヨンの試料(10μl)を、エチジ
ウムブロミド(0.5μg/ml)を含む1.5%(w/v)アガロ
ースゲルで電気泳動し、次いで紫外線(302nm)を照射
して影像化し、線状化プラスミドを含むフラクシヨンを
視覚的に同定した。 コンピテント(competent)細胞の調製: コンピテントバクテリア細胞(E.coli株JM83)を、2Y
T培地(滅菌1.6%(w/v)バクト−トリプトン、1%(w
/v)酵母抽出物、0.5%(w/v)NaCl、pH7.4)にJM83細
胞を接種し次いで激しく振とうしながら600nmでの吸光
度が0.4になるまでインキユベートすることによつて調
製した(文献17)。培養フラスコを氷/水中で5分間冷
却し、遠心分離によつて細胞を採取した。得られるペレ
ツトを50mM CaCl250mlに再懸濁し、氷上に20分間放置し
次いで再び遠心した。得られるペレツトを冷却した50mM
CaCl25mlに再懸濁し、形質転換分析に使用する前の24
時間氷上に放置した。 上記した如き酢酸アンモニウム/エタノールを用いた
沈澱により、上記したそれぞれのグラジエントフラクシ
ヨンの試料20μlからDNAを回収した。この試料にコン
ピテントJM83 50μlを加え、得られたサスペンジヨン
を氷上に30分間放置し、次いで42℃で90秒間加熱し、2Y
T培地0.1mlと混合し、37℃で1時間インキユベートし
た。遠心分離により細胞を回収し、2YT培地0.2mlに再懸
濁し、50μg/mlアンピシリンを含む2YT寒天(1.5%(w/
v)寒天を含む2YT培地)上にプレートし、37℃で1晩イ
ンキユベートした。それぞれのプレート上のコロニー数
を計測して、環状(非切断)プラスミドを含むグラジエ
ントフラクシヨンを同定した。 ホスフアターゼ処理された線状のプラスミドを主とし
て含み、環状のプラスミド(形質転換能から評価した)
をわずかに含むグラジエントフラクシヨン#13−16(ト
ツプのグラジエントから番号を付した)を集め、上記し
た酢酸ナトリウム/エタノールを用いた沈澱によりDNA
を回収した。 雄特異的DNA配列を豊富に含む部分ライブラリーの調
製 再アニール化ゲノミツクDNAの試料(200μg)とグラ
ジエント精製法により精製した線状ベクターDNAの試料
(10μg)とを、リゲーシヨンバツフアー(66mM Tris
−HCl,pH7.5,6.6mM MgCl2,1mM ATP,100μg/ml BSA(牛
血清アルブミン,Boehringer社製、ヌクレアーゼフリ
ー)、10mMジチオスレイトール及びT4DNAリガーゼ(New
England Bio Labs))中で混合し、14℃で1晩インキ
ユベートした。 細胞試料をLM寒天(滅菌1%(w/v)バクト−トリプ
トン、0.5%(w/v)酵母抽出物、10mM NaCl,10mM MgS
O4,1.5%(w/v)寒天)上に希釈塗付し37℃で1晩イン
キユベートすることによつて、JM83細胞のストツクを調
製した。単離したわずかのコロニーを、あらかじめ加温
したSOB培地(滅菌2%(w/v)バクト−トリプトン、0.
5%(w/v)酵母抽出物、10mM NaCl,2.5mM KCl,20mM MgS
O4)20mlに接種し、激しく通気しながら、550nmでの吸
光度が0.5になるまで生育せしめ、次いで滅菌SOB:グリ
セロール(60:40、容量比)20mlで希釈した。試料(0.1
μm)を1.5mlの密封できるチユーブに移し、氷上で10
分間冷却し次いでドライアイス/エタノールで凍結し、
70℃で保存した。 最初に凍結したストツク細胞のサスペンジヨンをLM寒
天上にこすり付け、次いで希釈塗付し、37℃で1晩イン
キユベートした。2.5mm(直径)のコロニー10個を、あ
らかじめ温めたSOB培地1ml中にボルテツクスミキサーに
よつて懸濁し、37℃で激しく通気しながら、550nmでの
吸光度が0.5になるまでインキユベートした。培養物を5
0ml遠心チユーブ(×2)に移し、氷/水上で15分間冷
却し、次いで4℃で遠心すること(2,500rpm,12分間)
により細胞を採取した。細胞ペレツトを氷で冷却したTE
B(滅菌10mM K−MES(Sigma),pH6.3,100mM RbCl,45mM
MgCl2,10mM CaCl2,3mMヘキサミンコバルトトリクロライ
ド(Fluka))33ml中に再懸濁し、氷上に15分間放置し
た。サスペンジヨンを4℃で遠心し(2,500rpm,10分
間)、得られるペレツトを氷で冷却したTFB8mlに再懸濁
した。サスペンジヨンにDMSO(ジメチルスルホキシド、
Merck社製、分光分析グレード)0.28mlを加え、得られ
る混合物を渦動せしめ、氷上ら5分間放置し、次いで2.
25Mジチオスレイトール(Calbiochem;40mM酢酸カリウム
の滅菌溶液、pH6)0.28mlを加え、再び細胞を渦動せし
め、氷上に更に10分間放置した。最後にDMSO0.28mlを加
え、ゆつくりと混合し、細胞を再び氷上に5分間放置し
た。 形質転換: 連結したDNA10μlとともに細胞試料(210μl)を、
24個の冷却したポリプロピレンチユーブに移し、チユー
ブをゆつくりと混合し、氷上に30分間放置した。チユー
ブを42℃の水浴中に30分間置き、次いで氷/水に2分間
移し、SOC培地(20mMグルコースを含む滅菌SOB培地)0.
8mlを加え、サスペンジヨンをゆつくりと振とうしなが
ら37℃で1時間インキユベートした。4個のチユーブ中
のサスペンジヨンを集め、改良ブフナーロートの真空濾
過により、細胞を直径82mmのニトロセルロースフイルタ
ーデイスク(SchleicherとSchull)上に均一に分散し
た。デイスクを、アンピシリン(50μg/ml)を含む2YT
寒天上に置き、37℃で1晩インキユベートした。この操
作を全ての試料について実施し、6個のプレーテイング
フイルターを得た。 1晩インキユベート後、それぞれのフイルター上に形
質転換細胞の1,500個のコロニーが存在していることが
明らかとなり、形質転換に用いたアニール化ゲノミツク
DNA240μlについて約9,000個の形質転換体を含む混合
ライブラリーが得られた(これは、リゲーシヨン混合物
5mlについて187,500個の形質転換体を含む全混合ライブ
ラリーに相当する)。6個のフイルター上の細胞を、ア
ンピシリン(50μg/ml)を含むSOB培地10mlに懸濁し、
次いでサスペンジヨンを20%(v/v)含むグリセロール
溶液を得、その1mlアリコートをシールしたチユーブに
分散し、液体窒素中で凍結し、増幅された部分ライブラ
リーとして−70℃で保存した。 雄特異的配列を豊富に含む部分ライブラリーのスクリー
ニング(文献19): 約2,000個の形質転換細胞をそれぞれ含む増幅された
部分ライブラリーの4個の試料を、37℃で2YT寒天/ア
ンピシリン4mlで希釈した。次いで、フイルター(“マ
スター”)を用いて、それをフイルターペーパー(Schl
eicherとSchull 3MM)の2つのシートのパツド上に、そ
のコロニー表面を上にして置き、新たなニトロセルロー
スデイスク(2YT寒天/アンピシリン上に置くことによ
つてあらかじめぬらしてある)次いで3MMフイルターペ
ーパーの2つのシートで覆うことによつて、レプリカス
クリーニングフイルターを調製した。得られる“サンド
イツチ”を、なめらかなベルベツトでカバーしたアルミ
ニウムブロツクでプレスし、次いで3MMフイルターペー
パーの上の2つのシートを取り除いた。2つのニトロセ
ルロースデイスクのサンドイツチ(マスターとレプリ
カ)を、防水性の黒インクを含むシリジンに取り付けら
れた22gニードルで何回も刺すことによつてざらざらに
した。次いでフイルターを注意深くはぎとり、マスター
フイルターを2YT寒天/アンピシリンプレートにもど
し、4℃で保存した。レプリカフイルターをコロニー表
面を上にして、2YT寒天/アンピシリン上に置き、37℃
で約4−7時間(コロニーの直径が約0.5mmになるま
で)インキユベートし、次いでクロラムフエニコール
(200μg/ml)を含む2YT寒天に移し、プラスミド複製
(プラスミドコピー数のクロラムフエニコール増幅)を
抑制することなく細胞の生育を阻止するため、37℃で1
晩インキユベートした。 次いで、あらかじめ0.5M NaOH,1.5M NaClで均一にぬ
らした3MMフイルターペーパーの4つのシートのバツド
上に、レプリカフイルターを5分間置いた。フイルター
を乾燥した3MMフイルターペーパーに移して、過剰の液
体をフイルターから除き(アルカリ処理でコロニーから
遊離したプラスミドDNAが分散するのを最小限に抑える
ため、常にフイルターを水平に保つように注意した)、
次いでアルカリ処理を繰返した。フイルターを、上記と
同様にして5分間0.5M Tris−HCl(pH7.5)、及び1.5M
NaClで2回処理した。過剰の液体を簡単に除いた後、フ
イルターを3MMフイルターペーパー上に30分間置いた。
コロニーから遊離したDNAを、真空オーブン中で80℃で
2時間加熱することによつて、中和したフイルターに固
定した。ゆつくりと振とうしながら50℃で1時間、5×
SSC(1×SSCは0.15M NaCl,15mMクエン酸3ナトリウ
ム)、0.5%SDSでフイルターを洗浄して、フイルターか
ら細胞の破片を除いた。 洗浄したフイルターを、ゆつくりと撹拌しながら42℃
でハイブリダイゼーシヨン溶液(50%(v/v)ホルムア
ミド,5×SSPE(1×SSPEは0.18M NaCl,10mMリン酸ナト
リウム(pH7.7),1mM EDTA)、1%(w/v)SDS、0.5mg/
mlの、加熱して変性し切断されたサケ精液DNA(Sigma
社、蒸留水に10mg/mlの割合いで溶解しオートクレーブ
したもの)、0.5%(w/v)スキムミルクパウダー)中で
プレハイブリダイゼーシヨンした。次いでプレハイブリ
ダイズしたフイルターを、放射活性プローブDNAを10ng/
mlの濃度で含む新たなハイブリダイゼーシヨン溶液に移
し、ゆつくりと撹拌しながら42℃で1晩インキユベート
した。 プローブの調製 6匹の関係のない牛の肝臓からDNAを単離して等量のD
NAを集め、ニツクトランスレーシヨンによつて1部をラ
ベル化することにより、放射活性プローブDNAを調製し
た。50mM Tris−HCl(pH7.5),7.5mM MgCl2,5mMジチオ
スレイトール,0.1mg/ml BSA,20μM dATP,20μM dGTP,20
μM dTTP及び100μ Ci〔α−32P〕dCTP(Amersham社;
約3,000Ci/mmol)を含むトータル量40μl中の25pg/ml
DNアーゼI(E.coliデオキシリボヌクレアーゼI)と、
混合DNA試料(0.2μg)とを15℃で20分間プレインキユ
ベートした。この間、わずかの試料(約0.2μl)を取
り、PEI−セルロース薄層クロマトグラフイー用材料(M
erck社)の少さなシート(約4×8cm)上にオリジンマ
ークした。プレインキユベーシヨン後、DNAポリメラー
ゼI(Boehringer社;約5単位)を加え、15℃で20分間
インキユベートした。SDSを1%(w/v)まで、EDTAを20
mMまで加えてニツクトランスレーシヨンを止め、次いで
第2のわずかな試料を取り、これをPEIセルロースシー
ト上の最初の試料のスポツトの隣りにオリジンマークし
た。薄層クロマトグラフイーを0.75Mリン酸ナトリウ
ム、pH3.5で展開し、DNAからdCTPを分離した。クロマト
グラムをX線フイルム(Fuji RX)のシートに15分間さ
らした。X線フイルムを現像し、〔α−32P〕dCTPのDNA
への取り込みを視覚的に評価できるようにした。次いで
クロマトグラムの適当な領域をシンチレーシヨンカウン
ターで計測して〔α−32P〕dCTPの取り込みを定量した
所、95%以上が取り込まれており比活性約109dpm
32P〕/μgでラベル化された混合雌牛ゲノミツクDNA
が得られた。ラベル化DNAをハイブリダイゼーシヨン溶
液を加える前に、上記した如く酢酸アンモニウム/エタ
ノールによる沈澱でラベル化DNAを回収し、次いで蒸留
水に溶解し、100℃で5分間加熱して変性した。ハイブ
リダイゼーシヨン後、ニトロセルロースフイルターを室
温で2×SSCで簡単にリンスし、適度に撹拌しながら室
温で15分間2×SSC,0.1%(w/v)SDSで洗浄し、更に適
度に撹拌しながら68℃で15分間0.5×SSC,1%SDSで洗浄
した。フイルターを室温で0.5×SSCで最後にリンスし、
乾燥させてグラツドラツプ(Gladwrap)で包み、デユポ
ンクロネツクス“ライトニングプラス”(トレードマー
ク)増度スクリーンで−70℃で3日間X線フイルムにさ
らした。 現像されたX線フイルム上のオートラジグラフイーシ
グナルは、ニツクトランスレーシヨンを受けた雌ゲノミ
ツクDNAを有するそれぞれのコロニー中の組換えプラス
ミドのハイブリダイゼーシヨンに対応している。プロー
ブの比活性は約1dpm/(ゲノミツクDNAの106bp)に相当
するので、このようなコロニーは、雌(従つて雄)ゲノ
ミツクDNA中に多くのコピー数で存在するDNA配列を保持
している。オートラジオグラムをもとのマスターフイル
ターと比較することにより、ハイブリダイゼーシヨンを
与えないコロニーの同定が可能となる。このようなコロ
ニー中の細胞は、(i)バツクグランド(非組換え)プ
ラスミド;(iii)雄牛及び雌牛の両者のゲノム中に比
較的低いコピー数で存在する配列を含む組換えプラスミ
ド;(iii)雄牛のゲノム中に独占的に存在する配列を
含む組換えプラスミド;を保持しているものと考えられ
る。更に分析を進める前に(最後に述べたものが興味の
あるコロニーである)、ネガテイブ形質転換体を精製し
た。 ハイブリダイゼーシヨンシグナルを与えないコロニー
(約80個、全体の1%)を2YT寒天/アンピシリン上に
希釈添付し、37℃で1晩インキユベートした。滅菌トウ
ースピツクを用いて、それぞれのプレートから単離した
8個のコロニー試料を、2YT寒天/アンピシリンのレプ
リカグリツドパターン上に(第2のマスター)及び2YT
寒天/アンピシリンのニトロセルロースデイスク上に
(第2のレプリカ)移した。マスタープレートを37℃で
1晩インキユベートし、保存用に4℃とした。レプリカ
を37℃で約6時間インキユベートし、次いでフイルター
デイスクを2YT寒天/クロラムフエニコールに移して37
℃で1晩インキユベートした。次いでフイルターを、上
記と同様にして処理し、ハイブリダイズし、水洗し次い
でオートラジオグラテイーに付した。 最初のスクリーニングでネガテイブであつたコロニー
の1つから誘導した8個の精製形質転換体のうち2個ま
たはそれ以上が、第2のスクリーニングにおいてもネガ
テイブであつた場合に、そのネガテイブなコロニーの1
つについてプラスミドを分析した。滅菌したトウースピ
ツクで、そのようなコロニーの1部をリシスバツフアー
(NaOH、EDTA、SDS、グリセロール、ブロモクレゾール
グリーン)20μlに移した。得られる混合物を65℃で30
分間加熱し、次いで公知のサイズのインタクト環状プラ
スミドとともに1%アガロースゲルで電気泳動させた。
ゲルをエチジウムブロミドで発色せしめ、紫外線を照射
して特定の形質転換体中のプラスミドの大きさを視覚的
に評価した。次いでゲルを2倍量の0.25M HClに15分間
浸し、0.4M NaOHを含むキヤピラリーに移し、ゲル中のD
NAを切断し、変性して、次いで移し、アルカリサザンブ
ロツテイング(文献14)により改良されたナイロン膜
(Bio−Rad Zeta−Probe)に固定した。次いでこの膜を
2×SSC中で簡単にリンスし、ハイブリダイゼーシヨン
溶液(2×SSPE,1%(w/v)SDS,0.5%(w/v)スキムミ
ルクパウダー,10%(w/v)デキストランスルフエート,
0.5mg/mlの、切断し変性したサケ精液DNA)中で68℃で
4時間プレハイブリダイゼーシヨンを行なつた。次い
で、放射活性プローブ(上記の如くして調製した混合雌
ゲノミツクDNA)を含む新たなハイブリダイゼーシヨン
溶液にこの膜を移し、68℃で1晩ハイブリダイズさせ、
その後、洗浄し、上記した如くにしてオートラジオグラ
フイーに付した。オートラジオグラムにより、多くのネ
ガテイブなコロニーが次ぎの分析対象から除かれた。 このように感度が上昇した条件下においても依然とし
てハイブリダイゼーシヨンを示さなかつた組換えコロニ
ー(そこに含まれているプラスミドの大きさから明らか
である)を用いて、2YT培地/アンピシリン2mlに接種
し、37℃で1晩培養した。遠心分離によつて細胞を回収
し、アルカリ/SDSリシス法(文献9)によりプラスミド
を単離した。 それぞれのプラスミド調製物の試料を、ニツクトラン
スレーシヨンによりラベル化し、制限酵素処理した雄牛
及び雌牛ゲノミツクDNAのアルカリサザンブロツトのプ
ローブに用いた。2匹の血縁関係のない雌牛と2匹の雄
牛のそれぞれの肝臓から単離したゲノミツクDNA4μg/
を、制限酵素BamHIで完全に消化し、1%(w/v)アガロ
ースミニゲル(Pharmacia社GNA−100)で電気泳動し
た。発色して写真化した後、ゲルを酸で処理し、DNAを
移してZeta−Probe膜に固定し、プレハイブリダイズさ
せた(これらすべての方法は上記したと同様である)。
これらの膜(それぞれのプラスミド調製物について2匹
の雄牛と2匹の雌牛のDNAを、1つの膜が含んでいる)
を、10%デキストランスルフエート及び放射ラベル化プ
ラスミドDNA(20ng/ml)をそれぞれ含む新たなハイブリ
ダイゼーシヨン溶液に移した。プラスミド調製物の試料
(約0.2μg)をニツクトランスレーシヨンによりラベ
ル化して比活性が約2×108dpm〔32P〕/μg(プラス
ミドDNA)となるようにした。次いで膜を洗浄し、乾燥
してオートラジオグラフイーに付した。 2匹の雄牛の両者のDNAとハイブリダイズし雌牛とは
いずれもハイブリダイズしないバンドを与える1つのプ
ラスミドが現われた。このプラスミド(pBRY.1)は約30
0bpの挿入配列(プラスミド調製物の制限酵素による消
化物を電気泳動により分析して測定した)を含んでい
た。 実施例2 プラスミドpBRY.1の雄特異性の確認 pBRY.1調製物試料(0.2μg)をニツクトランスレー
シヨンによりラベル化し、血縁関係のある多くの雄牛及
び雌牛の末梢血リンパ球から単離しBamHIで消化したゲ
ノミツクDNAのアルカリサザンブロツトにハイブリダイ
ズさせた。この実験のために、父親の牛と、それと交尾
した6匹の母親の牛及びこれらの交尾で生まれた子供の
牛のそれぞれから、末梢血50mlを採取した(抗凝固剤と
してEDTAを用いた)。Ficoll−Paque(Pharmacia社)で
遠心し、急激な浸透圧シヨツクを与え(残存している赤
血球の大部分を溶解するため)、次いで遠心してリンバ
球をペレツト状とすることによつて、リンパ球を豊富に
含む細胞フラクシヨンを血液試料から得た。肝臓から単
離する上記したと同様の方法により、リンパ球調製物か
らDNAを単離した。DNA試料(4μg)を制限酵素BamHI
で完全に消化し、次いで上記したと同様にして、電気泳
動に付し、ニツクトランスレーシヨン化pBRY.1とのアル
カリサザンブロツトハイブリダイゼーシヨン、次いでオ
ートラジオグラフイーに付した。父親の牛及びその子供
の雄牛から単離したDNAは全て同じハイブリダイゼーシ
ヨンバンドを示した。これに対して、母親の牛及びその
子供の雌牛から単離したDNAは全てpBRY.1とのハイブリ
ダイゼーシヨンを示さなかつた。 肝臓及び腎臓DNAのドツトブロツトハイブリダイゼーシ
ヨン 血縁関係のない多くの雄牛及び雌牛の肝臓及び腎臓か
ら単離したDNA試料を用いて、アルカリドツトブロツト
を調製した。この実験のため、それぞれの動物から得た
ゲノミツクDNA8μgを、0.4M NaOH,20mM EDTA1mlに希釈
し、100℃で10分間加熱した。この試料の半分(0.5ml)
を0.4M NaOH,20mM EDTA0.5mlに移し、この希釈液0.5ml
を混合後、再び0.4M NaOH,20mM EDTA0.5mlに移し、この
希釈法を繰り返してそれぞれのサンプルについて7個の
希釈液を調製した。第1,第3,第5及び第7試料(それぞ
れ0.5mlであり、それぞれ4、1、0.25、0.0625μgのD
NAを含む)を、ドツト・ブロツト・マイクロ・フイルト
レーシヨン・マニホルド(Bio−Rad社)を用いてZeta−
probe膜のシートに付した。真空濾過後、試料ウエルを
0.4M NaOH0.4mlでリンスし、膜を中和し、上記と同様に
してニツクトランスレーシヨン化pBRY.1とハイブリダイ
ズさせた。オートラジオグラフイーにより、雌牛から得
たDNA試料のいずれもプローブとハイブリダイズせず、
他方雄牛から得たDNA試料は全てハイブリダイズするこ
とが示された。オートラジオグラム上のドツトの強さ
は、雄牛の間で変動しており、これはゲノミツクDNAで
のBRY.1のコピー数が雄牛の間で変動していることを示
している(約20倍の強度変化が観察され、このことは、
ゲノミツクDNAでのBRY.1のコピー数が血縁関係のない雄
牛との間で20倍変動することを示唆している)。 子牛DNAとの盲検テスト: 盲検テストに用いるため、多くの子牛(上記の牛とは
血縁関係がない)から血液試料を採取した。それぞれの
血液試料20μlを0.4M NaOH,20mM EDTAに希釈し、100℃
で10分間加熱し、順次2倍希釈を実施した。3個の希釈
液(それぞれ0.5mlであり、それぞれ10、5、2.5μlの
血液を含む)を用いて、上記と同様にしてドツトブロツ
トハイブリダイゼーシヨンを行なつた。オートラジオグ
ラフイーにより、前回のpBRY.1とのハイブリダイゼーシ
ヨンに基づき雄牛と雌牛とを明確に識別することができ
た。 ヒツジDNA: 2匹の雄のヒツジと1匹の雌のヒツジの肝臓から単離
したDNA試料を、同様にして、アルカリドツトブロツト
及びサザンブロツトハイブリダイゼーシヨン分析に付し
た。プラスミドBRY.1は雄ヒツジのDNAとはハイブリダイ
ズし、雌ヒツジのDNAとはハイブリダイズしないことが
判つた。 これらのデータから、プラスミドpBRY.1にクローン化
された配列が牛及びヒツジの雄に特異的なものであり、
従つてこれらの種におけるY(雄性決定)−染色体の成
分であることが判る。 実施例3 BRY.1の配列分析: プラスミドpBRY.1の挿入配列を、制限酵素BamHI及びH
indIIIによる消化によつて切り出した。消化物を低融点
(LMT)アガロース(Marine Colloids“Sea−Plaque")
で電気泳動し、上記と同様にしてエチジウムブロミドで
発色させて紫外線照射により視覚化し、挿入配列DNAの
バンドを含むアガローススライスを切り出して、挿入配
列(約300bp)を精製した。アガロースを65℃で10分間
溶解し、再蒸留フエノールで2回抽出し、この溶液をブ
タノールで繰返し抽出することによつて濃縮し、次いで
酢酸アンモニウム/エタノールにより沈澱させて(上記
と同様)、ゲルスライスよりDNAを単離した。 制限酵素BamHI及びHindIIIで消化し、次いでアルカリ
ホスフアターゼで処理(上記と同様)して調製したプラ
スミドベクターpTZ18u及びpTZ19u(Bio−Rad)に、回収
した上記挿入配列を連結した。連結反応によつて得られ
る試料を用いて、E.coli株JPA101(上記と同様にしてCa
Cl2処理によりコンピテント細胞とした)を形質転換
し、得られる細胞を2YT寒天/アンピシリン上にプレー
トし、37℃で1晩インキユベートした。制限酵素分析、
電気泳動、アルカリサザンブロツテイング及びハイブリ
ダイゼーシヨンによつて(上記と同様)、目的とする組
換えプラスミドを保持するコロニーを同定した。 2つのタイプの組換えプラスミドを保持するそれぞれ
のコロニーから1つのコロニーを取り、これを用いて2Y
T培地/アンピシリン(50μg/ml)のカルチヤー5mlに接
種した。バクテリオフアージM13株K07(108pfu(プラー
ク・フオーシング・ユニツト)を含むフアージストツク
25μl)でバクテリアを感染し、37℃で1時間インキユ
ベートした。カナマイシンを加え(70μg/ml)、激しく
通気しながら37℃でインキユベーシヨンを続けた。次い
でカルチヤーを遠心分離し、上清みを除き、リボヌクレ
アーゼA(5μg/ml)で37℃で30分間処理した。ポリエ
チレングリコール(PEG)6,000(Kock−Light)の2.5M
NaCl溶液を加えて、パツケージされた1本鎖プラスミド
DNAを沈澱させた。十分に混合し、室温で15分間放置
後、遠心分離により沈澱物を回収し、上清みを完全に除
いた。得られるペレツトをTE0.1mlに再懸濁し、簡単に
遠心して微粒子を除き、次いでフエノールで抽出し、上
記と同様にして酢酸ナトリウム/エタノールによる沈澱
によりDNAを回収した。ペレツトをリンスし次いで乾燥
してこれを、サンガージデオキシ配列決定反応(文献2
0)の鋳型として用いた。 配列決定された挿入配列から得た、両者の配位におけ
るBRY・1の相補性配列(pTZ18u及びpTZ19uでの相補性
組換え体から得た)は完全に一致し、第1図に示す配列
を与えた。 第1図のヌクレオチド配列は、スタンダート法により
1文字コードで示されており、Cはデオキシシチジン−
5′−ホスフエート、Gはデオキシグアノシン−5′−
ホスフエート、Tはデオキシチミジン−5′−ホスフエ
ート、Aはデオキシグアノシン−5′−ホスフエートを
示している。 第2図は、第1図のDNA配列に対応する2本鎖mRNA配
列を示している。 引用文献 1.Kunkelら、Science 191、1189−1190(1976) 2.Bishopら、Nature 303、831(1983) 3.Barone,A.D.,Tang,J.−Y.及びCaruthers,M.H.(198
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8. 18.Hanahan,D.(1983)J.Mol.Biol.166,557−580. 19.Hanahan,D.及びMeselson,M.(1980)Gene 10,63−6
7. 20.Sanger,F.,Nicklen,S,及びCoulson,R.(1977)Proc.
Natl.Acad Sci.USA 74,5463−5467
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョーンズ,マイクル アレクサンダー サザーランド オーストラリア国 ニュー サウス ウ ェールズ,クーラ 2843,“マンダロン グ” (番地なし) (56)参考文献 特開 昭61−234798(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.以下に示すBRY.1配列の1本鎖もしくは2本鎖の12
    もしくはそれ以上のヌクレオチドの連続した部分に対応
    する核酸配列を含む核酸分子であって反芻動物のY−染
    色体特異的DNAにのみハイブリダイズする核酸分子、あ
    るいはストリンジエントな条件下で該核酸分子とハイブ
    リダイズしかつ反芻動物のY−染色体特異的DNAにのみ
    ハイブリダイズすることのできる核酸分子:2.BRY.1配列の1本鎖もしくは2本鎖の12もしくはそ
    れ以上のヌクレオチドの連続した部分に対応するRNAを
    含む請求の範囲第1項記載の核酸分子。 3.検出可能なマーカーでラベル化されている、請求の
    範囲第1項または第2項記載の核酸分子。 4.検出可能なマーカーが、32P、14C、3H、125I、ビオ
    チン及びブロモデオキシウリジンから選ばれる請求の範
    囲第3項記載の核酸分子。 5.以下に示すBRY.1配列の1本鎖もしくは2本鎖の12
    もしくはそれ以上のヌクレオチドの連続した部分に対応
    する核酸配列を含む核酸分子であって反芻動物のY−染
    色体特異的DNAにのみハイブリダイズする核酸分子、あ
    るいはストリンジエントな条件下で該核酸分子とハイブ
    リダイズしかつ反芻動物のY−染色体特異的DNAにのみ
    ハイブリダイズすることのできる核酸分子を含む、複製
    可能なベクター:6.以下に示すBRY.1配列の1本鎖もしくは2本鎖の12
    もしくはそれ以上のヌクレオチドの連続した部分に対応
    する核酸配列を含む核酸分子であって反芻動物のY−染
    色体特異的DNAにのみハイブリダイズする核酸分子、あ
    るいはストリンジエントな条件下で該核酸分子とハイブ
    リダイズしかつ反芻動物のY−染色体特異的DNAにのみ
    ハイブリダイズすることのできる核酸分子を用いた、組
    織もしくは細胞試料の性染色体の構成、従って該試料の
    性別を判定する方法であって、 組織もしくは細胞試料からのDNAが、上記核酸分子と結
    合するか否かを検出することによってY−染色体特異的
    DNA配列の存在または不存在を検出することからなる上
    記方法:7.組織もしくは細胞試料からDNAを単離し; 単離したDNAを支持マトリックス上に固定化し; 固定化されたDNAと、上記核酸分子とを、該核酸分子が
    2つの相補性配列と結合可能な条件下で、ハイブリダイ
    ズし; 支持マトリックスから非結合核酸分子を洗浄除去し;次
    いで 支持マトリックスに結合したDNAに更に結合している該
    核酸分子を検出する; 工程からなる請求の範囲第6項記載の方法。 8.組織または細胞試料からの固定化細胞または中期の
    染色体と、上記核酸分子とを、該核酸分子が相補性DNA
    配列と結合可能な条件下で、ハイブリダイズし; 非結合核酸分子を洗浄除去し;次いで 固定化細胞または中期の染色体への該核酸分子の結合を
    検出する; ことからなる請求の範囲第6項記載の方法。 9.組織または細胞試料からDNAを単離し、コード鎖及
    び非コード鎖をそれぞれ分離するために単離したDNAを
    変性し; 変性DNAと、BRY.1の12もしくはそれ以上のヌクレオチド
    に対応する合成オリゴヌクレオチドとをアニーリング
    し; 組織または細胞試料中にもし存在するならば、アニーリ
    ングしたDNAとDNAポリメラーゼとをインキュベートし
    て、ポリヌクレオチドをBRY.1 DNA配列の終りまで延ば
    し; この配列を望むだけ多くの回数繰返し生ぜしめてBRY.1
    のレベルを増幅し;次いで 増幅された試料中のBRY.1 DNAを、 (a)DNAを支持マトリックス上に固定化し;この固定
    化DNAと、上記核酸分子とを、該核酸分子が相補性DNA配
    列と結合可能な条件下で、ハイブリダイズし;支持マト
    リックスから非結合核酸分子を洗浄除去し;次いで支持
    マトリックスに結合したDNAへの核酸分子の結合を検出
    する、あるいは (b)ラベル化ヌクレオチド前駆体が、DNAポリメラー
    ゼとのインキュベーション中に含まれる場合には、試料
    をゲルマトリックスで電気泳動することにより分画し、
    次いでラベル化BRY.1 DNA配列を検出する、 ことによって検出する; 工程からなる請求の範囲第6項記載の方法。 10.組織または細胞試料が、胎児、胚、精液あるいは
    精液のフラクションから得られるものである、請求の範
    囲第6項から第9項のいずれか1項に記載の方法。 11.核酸分子が検出可能なマーカーでラベル化されて
    いる、請求の範囲第6項から第10項のいずれか1項に記
    載の方法。 12.検出可能なマーカーが、32P、14C、3H、125I、ビ
    オチン及びブロモデオキシウリジンから選ばれる請求の
    範囲第11項記載の方法。 13.以下に示すBRY.1配列の1本鎖もしくは2本鎖の1
    2もしくはそれ以上の連続したヌクレオチドに対応する
    核酸配列を含む核酸分子であって反芻動物のY−染色体
    特異的DNAにのみハイブリダイズする核酸分子、あるい
    はストリンジエントな条件下で該核酸分子とハイブリダ
    イズしかつ反芻動物のY−染色体特異的DNAにのみハイ
    ブリダイズすることのできる核酸分子を含む、組織また
    は細胞試料中のY−染色体特異的DNA配列の存在または
    不存在を検出するためのキット: 14.更に、試薬希釈のためのバッファーを含む、請求
    の範囲第13項記載のキット。 15.Y−染色体特異的DNA配列の単離方法であって、 (i)雄性及び雌性動物から調製された1本鎖牛ゲノミ
    ックDNAをアニーリングし; (ii)アニール化DNAを単離し、複製可能なベクター中
    に挿入し; (iii)アニール化DNAを含む複製可能なベクターで宿主
    細胞を形質転換し;次いで (iv)形質転換した宿主細胞と、雌の反芻動物のゲノミ
    ックDNAから調製したラベル化DNAプローブとをハイブリ
    ダイズし、ラベル化プローブと結合しない牛のゲノミッ
    クDNAを含む宿主細胞を同定する; 工程からなる上記方法。
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