JP2719220B2 - Mn―Znフェライト単結晶育成るつぼ - Google Patents
Mn―Znフェライト単結晶育成るつぼInfo
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- JP2719220B2 JP2719220B2 JP2167335A JP16733590A JP2719220B2 JP 2719220 B2 JP2719220 B2 JP 2719220B2 JP 2167335 A JP2167335 A JP 2167335A JP 16733590 A JP16733590 A JP 16733590A JP 2719220 B2 JP2719220 B2 JP 2719220B2
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- crucible
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 単結晶中に混入する白金もしくはロジュウム粒子の混
入量を大幅に低減することを可能としたMn−Znフェライ
ト単結晶育成るつぼに関するものである。
入量を大幅に低減することを可能としたMn−Znフェライ
ト単結晶育成るつぼに関するものである。
(従来の技術) Mn−Znフェライト単結晶をブリッジマン法で育成する
ためには1,640〜1,700℃という高温かつ酸化雰囲気中で
溶解し固化させるのが一般的な育成方法で、るつぼ材質
としては白金もしくは白金−ロジウム合金が用いられて
いた。
ためには1,640〜1,700℃という高温かつ酸化雰囲気中で
溶解し固化させるのが一般的な育成方法で、るつぼ材質
としては白金もしくは白金−ロジウム合金が用いられて
いた。
(発明が解決しようとする課題) これらのるつぼを用いた場合、熔融物とるつぼの界面
から白金もしくはロジウムが熔融物中に拡散すること、
および白金、ロジウムの蒸気を熔融物表面から吸収する
ことによって、育成された単結晶中にこれらの粒子が数
μmから100μm程度の粒径で析出するという現象があ
り品質上問題となっている。
から白金もしくはロジウムが熔融物中に拡散すること、
および白金、ロジウムの蒸気を熔融物表面から吸収する
ことによって、育成された単結晶中にこれらの粒子が数
μmから100μm程度の粒径で析出するという現象があ
り品質上問題となっている。
本発明の目的は、このような欠点を解決した高純度Mn
−Znフェライト単結晶の育成方法を提供しようとするも
のである。
−Znフェライト単結晶の育成方法を提供しようとするも
のである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記課題を解決するために、白金、ロジ
ウムの混入経路を積極的に解明し、その結果、熔融物接
触部からの拡散、混入を抑えることは極めて困難であ
り、むしろ熔融物表面からの蒸気吸収を防止することの
方が確実で実用的であるとの結論に達し、このためには
るつぼと熔融物との非接触面である熔融物上部のるつぼ
空間を狭小化することと、この空間部のるつぼ内壁を被
覆することでるつぼからの蒸気の発生を抑制すれば良い
ことが解り、諸条件を検討して本発明に到達した。
ウムの混入経路を積極的に解明し、その結果、熔融物接
触部からの拡散、混入を抑えることは極めて困難であ
り、むしろ熔融物表面からの蒸気吸収を防止することの
方が確実で実用的であるとの結論に達し、このためには
るつぼと熔融物との非接触面である熔融物上部のるつぼ
空間を狭小化することと、この空間部のるつぼ内壁を被
覆することでるつぼからの蒸気の発生を抑制すれば良い
ことが解り、諸条件を検討して本発明に到達した。
本発明の要旨とするところは、 内壁を金属鉄もしくは酸化鉄の被膜で被覆した白金も
しくは白金−ロジウム合金から成るMn−Znフェライト単
結晶育成るつぼにあり、金属鉄もしくは酸化鉄の被膜の
厚さが3〜500μmがよい。
しくは白金−ロジウム合金から成るMn−Znフェライト単
結晶育成るつぼにあり、金属鉄もしくは酸化鉄の被膜の
厚さが3〜500μmがよい。
以下、本発明を詳細に説明する。
白金又は白金−ロジウム製るつぼの被覆材としては熔
融物の主成分と同一成分であること、および融点が1,50
0℃以上であることが必要である。Mn−Znフェライトの
場合構成成分元素がFe、Mn、Zn、Oであるが、特にFeと
すれば高温酸化雰囲気中で酸化鉄Fe3O4となり、安定な
酸化被膜が形成することで白金、ロジウムの蒸気発生を
抑制する効果が大きい。
融物の主成分と同一成分であること、および融点が1,50
0℃以上であることが必要である。Mn−Znフェライトの
場合構成成分元素がFe、Mn、Zn、Oであるが、特にFeと
すれば高温酸化雰囲気中で酸化鉄Fe3O4となり、安定な
酸化被膜が形成することで白金、ロジウムの蒸気発生を
抑制する効果が大きい。
これら被覆材をるつぼ内壁に被覆するには、真空蒸着
法によれば良く、その厚さが1〜500μm、好ましくは
3〜300μmが良い。1μm未満では白金、ロジウム蒸
気の発生を抑制する効果がなく、500μmを越えるとFe2
O3成分が目的とするフェライト組成より2モル%以上増
加し、組成制御が困難となる。
法によれば良く、その厚さが1〜500μm、好ましくは
3〜300μmが良い。1μm未満では白金、ロジウム蒸
気の発生を抑制する効果がなく、500μmを越えるとFe2
O3成分が目的とするフェライト組成より2モル%以上増
加し、組成制御が困難となる。
真空蒸着法の条件としては、Feの場合、真空蒸着装置
のチャンバー内につるぼを水平に設置して水平軸で回転
出来るようにし、ダンクステンボートをるつぼ開口部か
らるつぼ内に水平に挿入出来るようにする。るつぼを回
転させながらボートに載せた金属Feを抵抗加熱により蒸
発させ、るつぼ内壁にFeを蒸着させる。膜の厚さは蒸発
させるFeの量で制御する。被覆する場所は、るつぼ内壁
の熔融物表面との境界線から幾分下に入った熔融物と接
触する線からるつぼ開口縁部までとするのが良い。
のチャンバー内につるぼを水平に設置して水平軸で回転
出来るようにし、ダンクステンボートをるつぼ開口部か
らるつぼ内に水平に挿入出来るようにする。るつぼを回
転させながらボートに載せた金属Feを抵抗加熱により蒸
発させ、るつぼ内壁にFeを蒸着させる。膜の厚さは蒸発
させるFeの量で制御する。被覆する場所は、るつぼ内壁
の熔融物表面との境界線から幾分下に入った熔融物と接
触する線からるつぼ開口縁部までとするのが良い。
以下、本発明の具体的実施態様を実施例と比較例を挙
げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
(実施例1〜6) 外径70mm、全長200mm、厚さ0.4mmのPt−100%るつぼ
の内壁に、真空蒸着法により金属鉄の被膜を形成した。
厚さは第1表に示したように5μm〜500μmの範囲で
各種製作した。このるつぼを用いて、Mn−Znフェライト
単結晶(MnO29、ZnO18、Fe2O3 53各モル%)の育成を行
なった結果、第1表に示したように白金混入量の極めて
少ない高純度Mn−Znフェライト単結晶を得た。
の内壁に、真空蒸着法により金属鉄の被膜を形成した。
厚さは第1表に示したように5μm〜500μmの範囲で
各種製作した。このるつぼを用いて、Mn−Znフェライト
単結晶(MnO29、ZnO18、Fe2O3 53各モル%)の育成を行
なった結果、第1表に示したように白金混入量の極めて
少ない高純度Mn−Znフェライト単結晶を得た。
ただし、実施例6は白金混入量は目的を達成したが、
Mn−Znフェライト単結晶の組成に原料配合比と比較して
Fe2O3で2モル%増加した。
Mn−Znフェライト単結晶の組成に原料配合比と比較して
Fe2O3で2モル%増加した。
(実施例7) るつぼ材質をPt−10%Rhとした以外は実施例3と同様
に処理し、白金混入量を求め、その結果を第1表に示し
た。
に処理し、白金混入量を求め、その結果を第1表に示し
た。
(実施例8) 実施例4の100μmのFe被膜るつぼを大気中1,400℃で
1時間熱処理し、酸化鉄Fe3O4の被膜として単結晶の育
成を行なった。
1時間熱処理し、酸化鉄Fe3O4の被膜として単結晶の育
成を行なった。
(比較例1、2) るつぼ材質を白金(比較例1)、白金−ロジウム(比
較例2)とし、被膜処理を施さなかった以外は実施例1
と同様に処理し、白金混入量を求め、第1表に併記し
た。
較例2)とし、被膜処理を施さなかった以外は実施例1
と同様に処理し、白金混入量を求め、第1表に併記し
た。
(比較例3) 金属Fe被膜を1μmとした以外は実施例1と同様に処
理し、白金混入量を求め、第1表に併記した。
理し、白金混入量を求め、第1表に併記した。
単結晶育成条件(各例共通) 溶解育成温度:1,650℃ るつぼ移動速度:5mm/h 雰囲気:育成中は1atm O2、降温中は1atm N2とした。
(発明の効果) 内壁を金属鉄もしくは酸化鉄被膜で被覆した白金もし
くは白金−ロジウムるつぼを用いてMn−Znフェライト単
結晶を育成すれば白金、ロジウム粒子の混入を大幅に低
減することが出来、品質上の改善効果が大きく、実用上
その利用価値は極めて高い。
くは白金−ロジウムるつぼを用いてMn−Znフェライト単
結晶を育成すれば白金、ロジウム粒子の混入を大幅に低
減することが出来、品質上の改善効果が大きく、実用上
その利用価値は極めて高い。
Claims (2)
- 【請求項1】内壁を金属鉄もしくは酸化鉄の被膜で被覆
した白金もしくは白金−ロジウム合金から成るMn−Znフ
ェライト単結晶育成るつぼ。 - 【請求項2】金属鉄もしくは酸化鉄の被膜の厚さが3〜
500μmである請求項1に記載のMn−Znフェライト単結
晶育成るつぼ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2167335A JP2719220B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | Mn―Znフェライト単結晶育成るつぼ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2167335A JP2719220B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | Mn―Znフェライト単結晶育成るつぼ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0459687A JPH0459687A (ja) | 1992-02-26 |
JP2719220B2 true JP2719220B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=15847829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2167335A Expired - Fee Related JP2719220B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-06-26 | Mn―Znフェライト単結晶育成るつぼ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2719220B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62246895A (ja) * | 1986-04-18 | 1987-10-28 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 結晶作製用るつぼ |
JPH0442885A (ja) * | 1990-06-07 | 1992-02-13 | Ishifuku Kinzoku Kogyo Kk | フェライト単結晶作製用るつぼ |
JPH0445390A (ja) * | 1990-06-13 | 1992-02-14 | Ishifuku Kinzoku Kogyo Kk | 酸化物分散強化材被覆るつぼ |
-
1990
- 1990-06-26 JP JP2167335A patent/JP2719220B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0459687A (ja) | 1992-02-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |