JP2718771B2 - 三次元物体再構成処理方式 - Google Patents

三次元物体再構成処理方式

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は,画像から三次元物体を再構成する三次元物
体再構成処理方式に関するものである。
(従来の技術) 従来,三面図あるいは透視図を用いて三次元再構成を
行う方法があるが,各図面間での対応点を見つけること
が困難であることから,再構成可能な形状としては,幾
何学的な形状に限られていた。また,複雑な物体を再構
成する手段として,あらかじめ三次元モデルを用意し,
その三次元モデルと画像構造物とをマッチングさせるこ
とにより再構成を行う方法がある。
(発明が解決しようとする課題) しかし,この場合も,対応点の検出の困難さは残され
ており,また,画像構造物として存在する物体全ての三
次元モデルを用意する必要があるため,用意するべきモ
デルの数が膨大になるといった欠点をもっている。さら
に,入力される図面としては,正確な図面,つまり図面
間で各部品の対応が正しく取れる図面が必要とされ,不
完全な図面,例えば,再構成される部品形状の一部が不
明瞭であったり,欠けていたり,図面に描かれている部
品の形状がモデルの持っている形状と一部異なっている
場合や,あるいはスケッチ画像のような粗雑な形状で記
述されている画像に関しては,対応点を取ることが難し
くなり,三次元再構成を行うことが困難になるといった
問題点があった。
従って,本発明の目的は三次元物体再構成に当たっ
て,不完全な図面であっても,その図面に最も近似した
三次元形状を再構成することであり,複雑な構造を持つ
物体に対しても,三次元モデルを必要とせずして三次元
再構成を可能とすることである。
(課題を解決するための手段) 本発明においては,三次元物体の各部品を垂直方向及
び水平方向から見た断面図を,両断面図において同じ順
番に部品の形状を描いていき,各構成部品の断面形状を
超二次関数により近似することにより,三次元再構成を
行うようにしている。即ち,三次元物体を構成する各部
品を透視した垂直方向及び水平方向での断面図を入力す
る第1の手段と,第1の手段により入力された図面から
ユーザの指定により各部品を分割する第2の手段と,第
2の手段により分割された各部品の輪郭データに関して
関数近似を行う第3の手段とをそなえ,第3の手段で用
いる関数として超二次関数を用い,得られた関数に対し
て,入力された2枚の平面図間で各関数パラメータの値
の比を合わせ,各部品の2枚の断面図での重心位置関係
をもとに三次元空間内において組み合わせることを特徴
としている。超二次関数は2つの断面形状を決定する2
つの関数パラメータを変化させることにより,連続的に
多様な形状を作成することが可能であるため,各種形状
を持つ部品に対して,それぞれ一種類の超二次関数によ
り表現することが可能であり,これらの部品を組み合わ
せることにより,複雑な物体であっても三次元再構成が
可能である。従来のような三次元モデルをあらかじめ用
意する必要がない点が従来とは異なる。また,連続関数
による近似を行っていることから,不完全な部分やあい
まいな部分は,補間あるいは補正が行われ最適な形状に
近似(収束)するため,従来再構成が困難であった不完
全な図面に対しても物体を再構成することが可能な点が
従来とは異なる。また,入力形状データとして,手書き
スケッチ画像を用いることにより,従来のような正確な
図面や再構成される物体が簡単な幾何学的構造である必
要がなく,また,関数による近似を行うため,スケッチ
の画像が歪んでいても,整形された形状を再現すること
が可能である点が異なる。
(実施例) 以下,本発明を実施例について詳細に説明する。第2
図は超二次関数を球座標で表現した場合の説説明図であ
る。ベクトルは大きさ,方向を示し,1は超二次関数の
表面である。またこの場合の超二次関数は下式で示され
る。
ここで,η及びωは,それぞれ緯度及び経度を示して
おり,それぞれ下記の範囲を持つ。
また係数のa1,a2,a3は各軸方向のスケールパラメータ
でありスカラーである。ε1,ε2は形状パラメータで,
実数のべき乗である。そして,ε1によりz軸に関する
形状変化が行われ,ε2によりxy平面に関する形状を変
化させることができる。これは,三次元の超二次関数で
あるが,二次元の場合は と表現される。a4,a5はスケールパラメータであり,
εは形状パラメータである。
第1図に本発明の実施例ブロック図を示す。2は2つ
ボタンのマウス,3はスケッチ画像入力装置,4はディスプ
レイ,5は部品分割装置,6は関数近似装置,7は断面照合装
置,8は三次元座標系表示装置,a〜eは装置間のインタフ
ェースをそれぞれ示している。
まず利用者はマウス2を介して,マウス2の左ボタン
を押しながら,三次元物体の垂直方向から見た断面図と
して,各構成部品の断面形状の輪郭データをスケッチ画
像入力装置3に入力する。マウス2により描かれている
スケッチは,ディスプレイ4に表示されているキャンバ
ス上に描かれる。マウス2の動きと同様にキャンバス内
にスケッチが描かれていく。このとき,利用者は物体を
構成する一つの部品を描き終えた時点でマウス2の右ボ
タンを押す。これにより,入力される座標データに対し
て,三次元物体を構成する各部品ごとの区別を行うため
の印が付けられる。そして,利用者は,物体を構成する
全ての部品の断面形状をスケッチする。第3図(A)は
垂直方向の断面図のスケッチ画像9の例を示す。同様に
して,水平方向から見た断面図のスケッチを描く。この
とき,垂直方向の断面図のスケッチ画像9を描いたのと
同じ順番に各部品の断面を描いていく。第3図(B)は
水平方向の断面図のスケッチ画像10の例を示す。スケッ
チ画像9,10として入力された断面形状データは,インタ
フェースbを介して,部品分割装置5に送られる。該装
置5では断面形状データからユーザがマウス2の右ボタ
ンにより印を付けた座標データ列毎に,断面形状データ
を分割する。そして各部品ごとの重心座標が計算され
る。検出された各部品の座標データは,インタフェース
cを介して,関数近似装置6に送られ,座標データをも
とに二次元の超二次関数(2)式により近似が行われ,
各部品ごとの関数パラメータ(a4,a5,ε)が抽出され
る。2枚のスケッチ画像9,10から得られた各構成部品の
重心(Xgtop,Ygtop)と(Xgside,Ygside)及び,関数パ
ラメータ(εtop,a4top,a5top),(εside,a4side,a5s
ide)は,インタフェースdを介して断面照合装置7に
送られる。該装置7では,2枚の断面図スケッチから得ら
れる各部品のパラメータを三次元空間に投影することに
より各部品の空間的な位置を算出する。まず,物体のY
軸方向に関するパラメータは2枚のスケッチから求めら
れるため(Ygtop,Ygside及びa5top,a4side),両者のパ
ラメータの比を同じにする。即ち,垂直方向の断面図を
基準として水平方向の断面図から得られる関数パラメー
タを(a5top/a5side)倍にする。
a4side′=(a5top/a5side)・a4side Ygside′=(a5top/a5side)・Ygside そして,再構成される物体の各部品の重心(Xg,Yg,Z
g)はそれぞれ, Xg=Xgtop Yg=Ygtop Zg=Ygside′ として求められる。また,関数パラメータ ε2=εtop a1=a4top ε1=εside 及びa3=a4side′ とすることにより,スケッチに描かれた物体は三次元
の超二次関数(1)式として表現され,空間的に求めら
れた各部品の重心位置に配置される。三次元表現された
関数は,インタフェースeを介して三次元座標系表示位
置8に三次元形状として表示される。第4図はスケッチ
画像から再構成された三次元形状の例を示す。
本実施例では,スケッチの入力方法としてマウスを用
いているが,デジタイザ等を用いてスケッチすることも
可能であり,垂直方向及び水平方向の断面図の二枚のス
ケッチを入力することが可能な手段はすべて,同様に実
施例に含まれ,特定はされない。
(発明の効果) 本発明によれば,再構成しようとする物体の断面形状
を簡単なスケッチとして描くことにより,概略形状の三
次元物体を再構成し,これを修正することにより想像し
ている形状を具体的に三次元化することが可能である。
また,スケッチ等により描かれた形状が歪んでいても,
関数による近似を行うことで,整形された三次元形状を
作成することができ,スケッチの粗さに関わらず三次元
再構成を行うことが可能である。さらに,入力図面とし
て自然画像を用いる場合でも,まず再構成しようとする
構成部品の領域を2図面間で対応を取りながら指定し,
その領域を画像処理して得られた線画の中から,細かに
途切れたエッジに対して関数近似を行うことで,その物
体の概略形状を求めることが可能である。また,三次元
モデルとのマッチングを行う場合,三次元空間での対応
付けを行うことができるため,従来のような二次元空間
でのマッチングに比べ,複雑な形状であってもマッチン
グを行うことができる。
本発明の場合には,自分の意図した形状をコンピュー
タに容易に伝えることが可能であり,コンピュータとの
対話を容易にする手段として有益なものであり,画像情
報を三次元として再現するという用途を初め,画像を三
次元として理解・表現しようとする画像理解・創成の分
野において広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例ブロック図,第2図は超二次関
数を球座標で表現した場合の説明図,第3図は断面図の
スケッチ画像の例,第4図はスケッチ画像から再構成さ
れた三次元形状の例を示す。 1:超二次関数表面,2:2つのボタンのマウス,3:スケッチ
画像入力装置,4:ディスプレイ,5:部品分割装置,6:関数
近似装置,7:断面照合装置,8:三次元座標系表示装置,9:
垂直方向から見た断面図のスケッチ画像,10:水平方向か
ら見た断面図のスケッチ画像,a〜eは装置間のインタフ
ェース。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元物体を構成する各部品を透視した垂
    直方向及び水平方向での断面図で入力する第1の手段
    と、第1の手段により入力された図面からユーザの指定
    により各部品を分割する第2の手段と,第2の手段によ
    り分割された各部品の輪郭データに関して関数近似を行
    う第3の手段とをそなえ,第3の手段で用いる関数とし
    て超二次関数を用い,得られた関数に対して,入力され
    た2枚の平面図間で各関数パラメータの値の比を合わ
    せ,各部品の2枚の断面図での重心位置関係をもとに三
    次元空間内において組み合わせることを特徴とした三次
    元物体再構成処理方式。
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