JP2718419B2 - 傾斜方位感知能力を有する放射ピックアップスタイラス - Google Patents

傾斜方位感知能力を有する放射ピックアップスタイラス

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JP2718419B2
JP2718419B2 JP5629794A JP5629794A JP2718419B2 JP 2718419 B2 JP2718419 B2 JP 2718419B2 JP 5629794 A JP5629794 A JP 5629794A JP 5629794 A JP5629794 A JP 5629794A JP 2718419 B2 JP2718419 B2 JP 2718419B2
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    • G06F3/0354Pointing devices displaced or positioned by the user, e.g. mice, trackballs, pens or joysticks; Accessories therefor with detection of 2D relative movements between the device, or an operating part thereof, and a plane or surface, e.g. 2D mice, trackballs, pens or pucks
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペン入力式コンピュータ
システム用の入出力装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】関連アメリカ特許のリスト(いずれもIBM
社に譲渡されたもの) 1. USP 4686332、Combined Finger Touch and Stylus
DetectionSystem for Use on the Viewing Surface on
a Visual Display Device 2. USP 5007085、Remotely Sensed Personal Stylus 3. USP 5117071、Stylus Sensing System 4. USP 5386219、Touch Overlay for Improved Touch
Sensitivity 5. USP 5349139、Architecture for Communication of
Remote Devices to aDigitizing Display
【0003】ペン入力式のコンピュータシステムは従来
技術において例えば上記のUSP 4686332に記載されてい
る。該システムでは、タッチオーバレイ膜がピックアッ
プスタイラスと対話するためにコンピュータモニタ等の
ディスプレイ装置の表示面上に位置される。該特許に記
載されているピックアップスタイラスは配線によってペ
ン入力式コンピュータシステムに接続される。ペン入力
式コンピュータシステムはタッチオーバレイに放射信号
を生成する。放射信号はスタイラスによってピックアッ
プされて配線を介してペン入力式コンピュータに送り戻
される。コンピュータはさらに、オーバレイに対するス
タイラスの相対的X-Y位置を計算する。スタイラスのオ
ーバレイに対する相対的距離Zはオーバレイから放射さ
れた電磁エネルギーからのスタイラスによってピックア
ップされる信号の振幅によって決められる。スタイラス
ピックアップアンテナの改良装置は上記のUSP 5117071
に記載されている。該特許では、スタイラスの端部のア
ンテナ形状は小さな球体であり、その形状によってオー
バレイの平面に対するスタイラスの相対方位を考慮する
ことなく均一の信号強度をピックアップすることが可能
である。USP 5007085に示されるように、スタイラスと
ペン入力式コンピュータシステムとのケーブル接続を除
去することによってスタイラスに対してさらなる改良が
なされている。USP 5007085では、オーバレイによって
発せられる無線周波放射からピックアップされたスタイ
ラスアンテナによって感知される信号は赤外線、マイク
ロ波放射又は異なる周波数の無線周波放射の何れかによ
ってスタイラスからペン入力式コンピュータシステムに
結合される電磁感知器に送り戻される第2の信号に変換
される。ペン入力式コンピュータシステムに対する別の
従来の改良システムでは、フラットタッチスクリーンワ
ークパッドがコンピュータディスプレイモニタとタッチ
オーバレイ膜との組み合わせに代用される。また、放射
ピックアップスタイラスはオーバレイ膜から放射される
電磁信号を受信するべく配線によってフラットなスクリ
ーンワークパッドに接続されており、この配線はピック
アップスタイラスからの感知信号をフラットタッチスク
リーンワークパッドに含まれる電子回路装置(エレクト
ロニクス)に送り返す。
【0004】ここに含まれている本発明の記載におい
て、「ディジタル化ディスプレイ」という言葉は一般
に、前記USP 5007085に記載されているコンピュータデ
ィスプレイモニタとタッチオーバレイ膜の組み合わせを
示すために使われる。
【0005】上記のUSP 5007085には、遠隔感知パーソ
ナルスタイラスによってピックアップされる電磁信号を
放射するディジタル化ディスプレイを有するペン入力式
コンピュータシステムが記載されている。スタイラスの
端部のアンテナはディスプレイオーバレイから放射され
た電磁信号をピックアップし、これらの信号をペン入力
式コンピュータシステムに返送するための適切な形式に
変換する。スタイラスによってピックアップされる信号
の相対信号強度はスタイラスの端部のオーバレイに対す
る相対離間距離Zを推論するために使用される。変換さ
れた信号はスタイラス内の送信回路と送信アンテナによ
ってペン入力式コンピュータシステムに送り戻される。
スタイラス端部とオーバレイの表面との接点を決定する
ための技術はスタイラスの端部によってピックアップさ
れる電磁信号の相対信号強度を測定することによるもの
である。
【0006】この従来技術の問題はワークパッド表面へ
のスタイラスの実際のタッチダウンの感知がそれほど敏
感ではないことである。通常の手書き(ハンドライティ
ング)では、書き手(ライター)の筆圧がシグニチャー(署
名)を書く過程の間にどのように変化するかを考慮す
る。ペンによって紙に加えられる圧力は紙にシグニチャ
ーを書く過程にわたって変化し、時には紙の表面からの
ペンのわずかな持ち上がりも含む。放射ピックアップス
タイラスによってディジタル化ディスプレイ上にシグニ
チャーを書くプロセスはディスプレイスクリーン上に所
期の形状を正確に再生するものではない。スタイラスが
ディジタル化ディスプレイの表面からわずかに持ち上げ
られる場合、スタイラス端部の表面からの離隔は従来技
術のシステムでは感知されない。その結果がユーザのシ
グニチャーの描画に残る疑似トレース及びアーチファク
トになることはスタイラスがディジタル化ディスプレイ
の表面から事実上わずかに離れていることをシステムが
感知できないという理由によるものである。この問題は
上記のUSP 5349139によって解消されている。
【0007】従来技術のスタイラス構成は端部とディジ
タル化ディスプレイ面との線形(リニア)変位を決定する
ために適しているが、シグニチャー検証等の応用、漢字
文字を書くためのカリグラフィ及びスタイラスの角度が
重要になるその他応用に対して従来技術のスタイラス構
造は必要な角度情報を提供するのに適切ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はペン入
力式コンピュータシステムにおいて手書きの文字及びス
クリプトの表示の正確度を向上させることである。
【0009】本発明の別の目的はペン入力式コンピュー
タシステムにおいてワークパッドの表面に対してスタイ
ラスの傾斜方位をより正確に感知することである。
【0010】本発明のさらに別の目的はスタイラスとペ
ン入力式コンピュータシステムとの間でディジタル情報
を転送するためのデータ処理アーキテクチュアを提供す
ることである。
【0011】本発明のさらにまた別の目的はスタイラス
とペン入力式コンピュータシステムとの間で接触及び角
度情報を通信するためのデータ処理システムを提供する
ことである。
【0012】本発明のなおまた別の目的はディジタル化
ディスプレイの平面に対するスタイラスの傾斜方位を決
定するための改良技術を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの及びその他の目
的、特徴及び利点は遠隔ディジタル化ディスプレイとの
通信のためのスタイラス傾き感知装置によって達成され
る。傾斜方位感知能力を有するディジタル化ディスプレ
イ用放射ピックアップスタイラスが開示される。アセン
ブリは同軸導体アセンブリを機械的に支持するための中
空端部部分を有するスタイラスハウジングを備えてい
る。同軸導体アセンブリは外部円筒表面を備えた絶縁ス
リーブによって包囲された中央導体を有するハウジング
の端部に取り付けられる。中央導体はスリーブの終端面
を越えて軸方向に延出する端部を有する。同軸導体アセ
ンブリは絶縁スリーブの外部表面に支持され且つ基準電
位に電気的に接続された第1の中空円筒形導体部分を有
する。同軸導体アセンブリは絶縁スリーブの外部表面に
支持され且つ第1の中空円筒形導体と離間関係にある第2
の中空円筒形導体をさらに有する。第2の中空円筒形導
体は第1の中空円筒形導体よりもスリーブの終端面によ
り近接している。同軸導体アセンブリは中央導体の端部
に取り付けられ且つ第2の中空円筒形導体と離間関係に
ある球形電極をさらに有する。
【0014】第1の感知状態では、第2の中空円筒形導体
は選択的に基準電位に接続され、球形電極はこれに応じ
て放射フィールド感知器に接続されて球形電極のディジ
タル化ディスプレイの面からの第1の距離を測定する一
方、電磁信号を放射する。第2の感知状態では、第2の中
空円筒形導体は放射フィールド感知器に接続され、球形
電極は基準電位に接続されてディジタル化ディスプレイ
の面に対する同軸導体アセンブリの傾斜方位を測定す
る。このように、放射ピックアップスタイラスの傾斜方
位は改良された方法で測定することができる。
【0015】さらに本発明によって、同軸導体アセンブ
リはスタイラスとディジタル化ディスプレイとの明確な
接触を感知するために圧力変換器を使用する接触感知機
構内に取り付けられる。機械的接触が接触感知機構によ
って感知される場合に球形電極と第2の中空円筒形導体
によって感知される相対信号強度の較正調整によってデ
ィジタル化ディスプレイの面に対する他の位置でのスタ
イラスの端部位置と傾斜方位の測定が正確に実行でき
る。
【0016】
【実施例】図1は遠隔装置のディジタル化ディスプレイ
への通信のための構成の全体構成図である。ここに説明
されているディジタル化ディスプレイは前記従来技術の
USP 5007085、USP 4764885及びUSP 4686332において詳
細に説明されている。
【0017】図2には、ペン入力式パーソナルコンピュ
ータ74、ディジタル化ディスプレイ又はワークパッドタ
ブレット22及びスタイラス20を有するペン入力式コンピ
ュータシステムが示されている。ペン入力式パーソナル
コンピュータ74はシステムバスによって中央処理装置(C
PU)、キーボード、ディスプレイモニタ、ディスクドラ
イブバルク記憶装置、ローカルエリアネットワーク(LA
N)アダプタ及びタブレット22に接続されるメモリを有す
る。ペン入力式パーソナルコンピュータ74のメモリはオ
ペレーティングシステムプログラム、デバイスドライバ
プログラム及びアプリケーションプログラムを記憶し、
これらプログラムはCPUで実行される実行可能な指示の
シーケンスである。ペン入力式パーソナルコンピュータ
74のLANアダプタはペン入力式パーソナルコンピュータ7
4を他のコンピュータ及び他のネットワークに接続する
ことのできるローカルエリアネットワーク(LAN)に接続
している。スタイラス20は周波数変調無線信号、振幅変
調無線信号、変調光学信号又は赤外線信号であり得る電
磁リンクによってタブレット22と通信する。
【0018】図1に示される構造は2つの主要部分に分割
される。第1の部分はスタイラス20であり、第2の部分は
タブレット又はディジタル化ディスプレイ22である。ス
タイラス20は例えば機械的接触感知のための接触感知部
分24を含む。第2の部分は例えば位置感知のための位置
感知部分26であり得る。
【0019】接触感知部分24は圧力感知部38を有し、こ
れは図3と図4に詳細に示されている。圧力感知部38に
は、圧力検出器42に接続される出力を有する信号増幅器
40が接続されている。圧力検出器42の出力はアナログ・
ディジタル変換器44に進み、アナログ・ディジタル変換
器44は圧力感知部38によって図1の静電タブレット54の
前面に加えられる圧力を表すディジタル数を出力する。
アナログ・ディジタル変換器44の出力はさらにマルチプ
レクサ36の第1の入力に与えられる。
【0020】図3と図4には、スタイラス20が示されてお
り、特に圧力感知部38の詳細が示されている。圧力変換
器10は例えばInterlink Electronics (米国カリフォル
ニア州、サンタバーバラ)によって製造されているよう
な圧力感知抵抗(FSR)変換器材料から成る層を有する。
このような材料はその表面に力が加えられることによっ
て圧縮されると、その抵抗を変化させる。プリント回路
板11上の電導電極はFSR圧力変換器10によってプリント
回路板11上の各導体間に回路が形成されるように、FSR
圧力変換器10の表面の別の部分に接触する。プリント回
路板11上の電極は変換器10に押圧されて電気回路が完成
される。
【0021】図1に示される信号増幅器40がオンにな
り、但しスタイラス20がまだ使用状態にならない場合、
電圧はスタイラス端子とプリント回路板11の導電電極を
介してFSR圧力変換器10を横切って印加されることにな
る。次に、スタイラス20の端部4がタブレット面54に対
し押圧されると、FSR圧力変換器10は2つの対向部品の各
表面間で圧縮される。第1の部品はスタイラス端部4とし
て変位可能であり、これは圧力がスタイラス端部4上に
加えられるとわずかに変位される。圧縮機構の他の部品
は固定であり、図3と図4に示されるハウジング2によっ
て所定位置に保持されるプリント回路板11も固定であ
る。FSR圧力変換器10が圧縮されると、その電気抵抗は
電流及び電圧の少なくとも一方の変化が信号増幅器40に
接続される出力において生じられるように変化する。こ
の変化を用いて圧力検出器42をトリガすることによって
圧力感知データを獲得する。さらに図3と図4のスタイラ
ス20の中空端部4内には、図1に示されるピックアップア
ンテナとしての球形電極29が含まれ、この球形電極29は
タブレット54の放射電極56と58に放射により接続されて
いる。
【0022】上記で引用されているUSP 5117071に記載
されるアンテナデバイスとしての球形電極29は位置感知
部分26にあって、静電タブレット54の導体56と58から放
射される電磁信号をピックアップする。球形電極29の出
力は増幅器30を介して信号強度検出器32に接続されてい
る。信号強度検出器32の出力は次にアナログ・ディジタ
ル変換器34に入力される。アナログ・ディジタル変換器
34への出力は静電タブレット54の導体56と58から放射さ
れた信号に対して球形電極29によって感知される信号強
度のディジタル表示である。静電タブレット54から放射
された信号は先の関連技術としてのUSP 4686332に説明
されているように球形電極29によって感知されると位置
情報を表現する。
【0023】信号強度検出器32の出力はアナログ・ディ
ジタル変換器34に入力され、アナログ・ディジタル変換
器34はさらに、マルチプレクサ36への第2の入力に対す
る数として静電タブレット54上のスタイラス20の相対位
置のディジタル表現を出力する。
【0024】マルチプレクサ36は図5に示される概略図
ではマルチプレクサ36'として示されている。そこで
は、マルチプレクサ36又は36'は図6に示されるようなデ
ータフレームに多数の時分割シーケンスを生成し、それ
らが送信器46に入力されていることが理解できる。マル
チプレクサはデータストリームのオーダ及び内容を変更
するように制御可能である。図1に戻って、圧力感知器A
/D変換器44と位置感知A/D変換器34から交互に出力され
る多数の多重化データストリームは周波数シフトキー(F
SK)送信器46に入力される。送信器46の出力はさらにス
タイラス20内のアンテナ48に入力される。スタイラス20
は次に圧力感知部38上の印加圧力を含む情報と球形電極
装置29からのX-Y位置情報を放射する。このデータスト
リームはアンテナ48から放射され、本発明に従ってタブ
レット又はディジタル化ディスプレイ22の埋設アンテナ
62によって感知される。
【0025】図3と図4にはさらに、端部ハウジング4内
の球形電極29に対し離間した関係で示されている中空の
円筒形導体86が示されている。円筒形導体86は端部スイ
ッチ88に電気接続され、端部スイッチ88はさらに球形電
極29から電気接続される。端部スイッチ88の出力はさら
に増幅器30の入力に接続されている。本発明によると、
球形電極29と円筒形導体86による放射感知の選択された
組み合わせによって、端部スイッチ88を介して切り換え
られるように、ディジタル化ディスプレイ54の面に対し
てスタイラス20に対するリニア変位測定及び相対傾斜方
位の測定がともに実行される。
【0026】図5には、図1のマルチプレクサ36と置換可
能なマルチプレクサ36'が示されている。図5に示される
マルチプレクサ36'はそこに接続される4つの入力装置、
即ち圧力検出器42、信号強度検出器32、個人識別番号記
憶装置104及びRAM106を有する。圧力検出器42はスタイ
ラス20の端部4から入力された印加圧力信号をアナログ
・ディジタル変換器44に転送し、アナログ・ディジタル
変換器44は入力A上で印加圧力のディジタル表示をマル
チプレクサ36'へ出力する。信号強度検出器32はX-Y関連
位置情報とZ離間情報を球形電極29から受信し、それを
アナログ・ディジタル変換器34に入力する。変換器34は
X-Y位置情報とZ離間情報のディジタル表示を入力Bを介
してマルチプレクサ36'に出力する。信号強度検出器32
はその信号を増幅器30から受信し、増幅器30はさらに端
部スイッチ88の出力からその信号を受信する。端部スイ
ッチ88は図10に示されるように、球形電極29と円筒形導
体86の両者に接続されている。図5の信号強度検出器はX
-Y関連位置情報とZ離間情報を円筒形導体86から受信
し、それをアナログ・ディジタル変換器34に入力する。
変換器34はマルチプレクサ36'へ入力Bを介してディジタ
ル化ディスプレイ54の面に対する円筒形導体86のX-Y位
置及びZ離間のディジタル表示を出力する。円筒形導体8
6と球形電極29の何れが増幅器30に接続されるかはスイ
ッチ88によって決定される感知状態の機能である。マル
チプレクサ36'から端部スイッチ88への出力Jは球形電極
29もしくは円筒形導体86を増幅器30に接続することの選
択的スイッチングを行なう。個人識別番号記憶装置104
は読み出し専用記憶装置又は識別ディジタル番号を入力
C上でマルチプレクサ36'に対し出力する書き込み可能EP
ROMでもよい。RAM106はディジタル情報として入力D上で
マルチプレクサ36'へ出力される情報を記憶することが
できる。
【0027】図6は図5のマルチプレクサ36'からスタイ
ラス20のアンテナ48で送信用の送信器46に対し出力され
る多重化データストリームの波形図を示す。図6の波形
図には、第1の時間フレーム中の多重化出力A1、B1、C1
及びD1が示され、これらは図5のマルチプレクサ36'に対
してラインA、B、C及びDにわたってそれぞれ出力され
る。図6の波形図はさらにデータワードA2、B2、C2及びD
2の同様なシーケンスが図5の入力A、B、C及びD上にそれ
ぞれ出力される際の第2の時間フレームを示す。
【0028】ディジタル化ディスプレイ22は例えばペン
入力式コンピュータシステムに接続される従来のディス
プレイモニタ又はワークパッド上に重畳される透明なオ
ーバレイであってもよい。オーバレイには、例えば埋設
アンテナ62が設けられていることもある。あるいはアン
テナ62は透明なオーバレイに近似したものであってもよ
いが、但しスタイラス20のアンテナ48から転送される多
重化データストリームの感知を可能にするために十分に
近く設けられる。
【0029】スタイラス20はアンテナ48によって圧力検
出器42とX-Y位置感知器としての球形電極29からディジ
タル化ディスプレイ22のアンテナ62に情報を伝送する。
ディジタル化ディスプレイ22のアンテナ62は増幅器64を
介してFSK受信器66に接続されている。受信器66の出力
は次にマイクロプロセッサ68に入力される。マイクロプ
ロセッサ68は例えばスタイラス20の検出器42によって感
知される接触圧力を表す個々の数と、これとは別に静電
タブレット54に対するスタイラスのX-Y位置を表す数を
取り出すことができる。これら数値はさらにマイクロプ
ロセッサ68によってペン入力式コンピュータシステム74
に転送される。
【0030】さらに、スタイラス20は送信/受信スイッ
チ50を有し、該スイッチ50はアンテナ48をFSK送信器46
又はスタイラス20のFSK受信器52に接続する。受信器52
がアンテナ48に接続されていると、スタイラス20はディ
ジタル化ディスプレイ22のアンテナ62から放射される電
磁信号の形式の情報を受信することができる。この動作
モードにおいて、FSK送信器70はマイクロプロセッサ68
から増幅器72にディジタル情報を転送し、増幅器72はデ
ィジタル化ディスプレイ22のアンテナ62にそのディジタ
ル情報を入力する。マイクロプロセッサ68からのディジ
タル情報を含むアンテナ62からの放射電磁信号はスタイ
ラス20のアンテナ48に放射される。アンテナ48はさらに
送信/受信スイッチ50を介してFSK受信器52に接続され、
受信器52は受信されたディジタル情報をディジタル化デ
ィスプレイ22からマルチプレクサ36に入力する。マルチ
プレクサ36はさらにそのディジタル情報を例えばスタイ
ラス20の記憶装置76又は図5のRAM106に入力する。この
ようにして、ディジタル情報はタブレット又はディジタ
ル化ディスプレイ22から転送されて、スタイラス20に受
信され且つそこに記憶することができる。
【0031】図3と図4に示されるスタイラス20の側部断
面図には、圧力感知部38の機械部品が詳細に示されてい
る。スタイラス20は端部4が静電タブレット54と機械的
に接触状態である場合、及びそうでない場合を正確に判
断するように設計されている。しかしながら、圧力感知
部38はさらに幾つかの圧力の中間状態を出力することが
できる。例えば、スタイラス20の圧力検出器42は圧力の
4個のバイナリビットによって表現される16種のレベル
を出力することができる。16種の圧力レベルを描画のシ
ェーディング(陰影付け)、カーソルの移動を早くしたり
遅くしたりすること、太線及び細線を描画すること及び
その他の描画応用に対して使用することができる。図3
と図4に示されるスタイラス20の構成によって、30グラ
ム乃至300グラムの力の範囲を感知するためにハウジン
グ2内でプローブ端部4を長手方向に非常にわずかに変位
することができる。スタイラス20は前記Interlink 社製
造による圧力感知抵抗としての変換材料を使用すること
ができる。
【0032】図3に示される圧力感知部38の設計によっ
て、低圧の感知を妨げることになる摩擦が除去される。
これによってまた、スタイラスはその非接触状態に戻っ
てリラックスすることができ、端部4がディスプレイ54
の表面からちょうど離れるのを感知する際の読み取りの
混同を避けることができる。図3に示される設計による
と、また圧力変換器10の動的範囲(ダイナミックレンジ)
が最大化されるように圧力変換器10には非常に低いプレ
ロード(予荷重)圧力が印加される。さらに、図3に示さ
れる圧力感知部38の設計は軸方向又は長手方向よりはむ
しろ横方向の力の感知を最小限にする。
【0033】図3の端部4は上記関連技術のUSP 5117071
に記載されているように、静電センサである球形電極29
のボールを保持するブラス(黄銅)シャフトとコーン3と
の間に自在に浮動する。ブッシュ8は摩擦を最小限にす
るテトラフルオロエチレンから形成される。
【0034】ガスケット6は最小量のプレロード圧力を
設定するように非常に低いジュロメーター(硬度)ゴムか
ら作られている。少しのプレロード圧力もないと、端部
4はコーン3内部で周辺を移動し、スタイラス20が移動さ
れ、回転され、振動され且つ傾斜されると、誤った読み
取りを生成する。しかしながら、ガスケット6が硬すぎ
ると、結果として弱い力を感知するスタイラスの感度を
低減させてスタイラスの動的範囲を縮小することにな
る。
【0035】端部4はハウジング2の軸線に沿って軸方向
の力を感知する。ペン端部4は前記USP 5117071と図4に
示されているように、X-Y位置決定に使用される静電感
知素子である球形電極29を含む。圧力変換器10は膜スイ
ッチ装置に使用される種類のものである。圧力変換器10
は圧力変換器10に適度に接触するのに使用される小円形
プリント回路板11に近接する。
【0036】圧力変換器10は端部によってそこに加えら
れる圧力によって決まる種々の抵抗値を生成する。圧力
変換器10は例えば1.4ボルトの基準電圧源によってバイ
アスされ得るので、そのため装置を横切る差動電圧は信
号増幅器40によって増幅することができる。出力電圧を
調整して、球形電極29に対する増幅器30のX-Y位置決め
の範囲に対して出力電圧を整合することができる。この
ように、共通のアナログ・ディジタル変換回路は圧力検
出器42によって出力される圧力と、図1の信号強度検出
器32によって出力された信号強度をともにディジタル化
するために使用することもできる。このような代替実施
例では、1個のアナログ・ディジタル変換器を備えた圧
力検出器42と信号検出器32との適切な切り換えは共通の
アナログ・ディジタル変換器へ入力されるアナログ信号
のアナログ多重化を実行するために行なわれることがあ
る。図3の符号8はスタイラス20のチュービング(管材)2
に取り付けられるコーン3と同心円的配列状態に端部4を
維持するためのブッシュである。図3と図4に示されるス
タイラス20の端部4とは反対側の端部7は光学文字認識の
ための光学入力又はバーコード感知のための光学入力を
光学的に保持することができる。あるいは、端部7は視
覚出力をユーザに提示する液晶ディスプレイを保持する
ことができる。
【0037】本発明の別の実施例では、記憶装置76は図
5の104などの読み出し専用記憶装置でもよく、これは個
人識別番号、パスワードその他のセキュリティ情報を記
憶し、これらはペン入力式コンピュータ74における処理
のためにスタイラス20からディジタル化ディスプレイ22
に転送することができ、スタイラス又はスタイラスのユ
ーザを検査することになる。
【0038】図7はタブレット22と対応付けられるピッ
クアップスタイラス20のワークパッド実施例の詳細図で
ある。図8はタブレット22の側面図である。図7と図8は
タブレット22のハウジング内の埋設アンテナ62の相対配
置を示している。横方向及び縦方向の導体56と58を備え
た静電タブレット54がアンテナ62に対してどのように位
置されるかが理解できる。配線はタブレット22をペン入
力式コンピュータシステムに接続する。
【0039】図9はスタイラスに対する圧力感知部38の
側部断面図であり、特に同軸導体アセンブリの構成を示
している。図10は同軸導体アセンブリの側面図を示し、
端部スイッチ88に対する電気接続を示している。ディジ
タル化ディスプレイ54に対する放射ピックアップスタイ
ラス20には、本発明による傾斜方位感知能力が備えられ
ている。スタイラスハウジング20は図9に示される同軸
導体アセンブリ75を機械的に支持するための中空の端部
部分を有する。
【0040】ハウジング20の圧力感知部38に取り付けら
れる同軸導体アセンブリ75は外部円筒形表面を備えた絶
縁スリーブ82によって包囲される中央導体80を有する。
中央導体80はスリーブ82の終端面85を越えて軸方向に延
出する端部を有する。同軸導体アセンブリ75は絶縁スリ
ーブ82の外部表面に支持され、且つ図10に示されるよう
にアース電位としての基準電圧に電気接続される第1の
中空円筒形導体84を有する。同軸導体アセンブリ75は第
1の中空円筒形導体84に対する離間関係において、図9に
示されるような絶縁スリーブ82の外部表面に支持される
第2の中空円筒形導体86をさらに有する。2つの導体間の
スペースは図9のGとして示され、例えば0.127mmの値を
有することになる。円筒形絶縁スリーブの直径は例えば
1.5728mmであり、同軸導体84と円筒形導体86の壁厚は例
えば0.1524mmである。
【0041】第2の中空円筒形導体86は第1の中空円筒形
導体84よりもスリーブ82の終端面85により近接して位置
される。同軸導体アセンブリ75は中央導体80の端部に取
り付けられ且つ第2の中空円筒形導体86に対して離間し
た関係の球形電極29を有する。第2の導体86の端部近位
から電極29の球形面の最近接部分までの距離Lは例えば
1.143mmである。第2の中空円筒形導体86の軸方向の長さ
は例えば1.27mmである。球形電極29の球部の半径は例え
ば0.7874mmである。タブレット又はディジタル化ディス
プレイの隣接する電極56間の離間距離Wは本実施例では
3.175mmである。
【0042】本発明に従って、2つの測定状態を同軸導
体アセンブリ75に対して提供することができる。第1の
測定状態は球形電極がディジタル化ディスプレイ54から
の放射された電磁信号を感知することを可能にすること
によって、圧力感知部38の第1の位置を設定する。第2の
状態では、第2の中空円筒形導体86を用いてディジタル
化ディスプレイ54の面からの相対距離を測定してスタイ
ラス20の傾斜方位の測定を行なう。
【0043】本発明によると、第1の感知状態では、図1
0に示される端部スイッチ88について円筒形導体86のス
イッチ電極90はアース電位94に接続され、一方、球形電
極29はスイッチ素子92を介して感知増幅器30端子96に接
続される。球形電極29はこのように、タブレット又はデ
ィジタル化ディスプレイ54から放射される電磁信号のピ
ックアップアンテナとしての働きをする。この第1の感
知状態では、第2の中空円筒形導体86は基準アース電位
に接続され球形電極29は放射フィールド感知器30に接続
されていることによって、電磁信号を放射するディジタ
ル化ディスプレイ54の面からの球形電極の第1の距離Hを
測定する。
【0044】さらに本発明によると、第2の感知状態で
は、球形電極29は図10に示されるようにスイッチ素子92
から端子98を介してアース電位に接続され、これに対応
して円筒形導体86はスイッチ素子90を介して端子96に接
続され、端子96は感知増幅器30に接続される。このよう
にして、円筒形導体86の重心はディジタル化ディスプレ
イ54から放射されている電磁信号に対して、円筒形導体
86を原因とする位置の電荷中心としての働きをする。こ
の第2の感知状態では、第2の中空円筒形導体86は放射フ
ィールド感知器30に接続され、球形電極29は基準アース
電位に接続されて、ディジタル化ディスプレイ54の面に
対する同軸導体アセンブリの傾斜方位を測定する。この
ようにして、ディジタル化ディスプレイ54の面に対する
スタイラス20の傾斜方位を測定するための改良技術が提
供される。
【0045】圧力検出器42によって提供される機械的接
触情報で同軸導体アセンブリを較正することによって、
正確な位置座標と傾斜方位がディジタル化ディスプレイ
54の面に対する他の位置と他の方位でのスタイラスに対
して測定可能である。
【0046】図3はスタイラス20の断面図を示し、特に
ディジタル化ディスプレイ54に近接して位置される圧力
感知部38を示している。図4は図3のアセンブリをさらに
詳細に示した図であり、特にスイッチ88に接続される球
形電極29とさらにスイッチ88に接続される円筒形導体86
の組み合わせを示している。スイッチ88の出力が増幅器
30の入力に接続されていることは理解できる。
【0047】図6は時間T1前の第1の時間フレームの際に
転送される情報パケットA1、B1、C1及びD1の多重化シー
ケンスを示すタイミング図である。パケットBは端部ス
イッチ88の事前設定によって球形電極29から生じる。時
間T1では、信号Jは受信器52で受信されてマルチプレク
サ36'を介して端部スイッチ88に送られ、円筒形導体86
が接続されるようにその状態を切り換える。図6の時間T
2の後にディジタルパケットの第2のフレームは送信器46
によってA2、B2、C2及びD2のシーケンスで転送される。
B*は端部スイッチ88を介して円筒形導体86から受信さ
れる測定情報である。
【0048】図9はディジタル化ディスプレイ54を断面
図によって示し、ディジタル化ディスプレイ54に埋設さ
れた5本の放射ライン56即ちラインL1、L2、L3、L4及びL
5があることが理解できる。例えば、隣接するラインL4
とL5との間の相互離間距離は距離Wである。ここに示さ
れる本実施例のライン56では、距離Wは3.175mmであり、
それら放射の周波数は40キロヘルツである。
【0049】最適な結果を得るべく、球形電極29の直径
は距離Wよりも小さい。円筒形導体86の直径はさらに最
適結果を得るべく距離Wよりも小さくされる。
【0050】図11はある傾斜角度での通常使用の際のス
タイラス20の方位を示す。その傾斜角度はディジタル化
ディスプレイ54の面に垂直であり且つ円筒形ハウジング
20の軸線を通る面上における円筒形ハウジング20の軸と
ディジタル化ディスプレイ54の面との間の角度として定
義される。図11はさらに、図14に関連して述べられるよ
うに第1の較正段階の間のスタイラス20の一般的な方位
を示している。
【0051】図12はディジタル化ディスプレイ54の表面
にその側面を下側に置いたスタイラス20の側部断面図で
あり、これによってスタイラス20の円筒形軸はディジタ
ル化ディスプレイ54の面に対して実質的に平行である。
この方位は図14に関連して後述されるように第2の較正
段階に対応する。
【0052】図13はスタイラスの較正値を設定するため
の別の配置を示し、特にディジタル化ディスプレイ54の
面に垂直に取り付けられる垂直ピラー55に対し圧力感知
部38の端部4を押し当てた状態を示している。
【0053】図14は図1のマイクロプロセッサ68又はマ
イクロプロセッサ68に接続される図2のペン入力式パー
ソナルコンピュータ74で実行するコンピュータプログラ
ムにおいて実行可能な演算ステップのシーケンスのフロ
ーダイアグラムである。図14はスタイラス20の較正方法
を示し、位置座標X0、Y0、Z0及びディジタル化ディスプ
レイ54の面に対する傾斜角度Tの較正をともに可能にす
る。
【0054】図14のフローダイアグラムにある較正方法
はステップ200から始まり球形電極29の較正を開始す
る。ステップ202では、おそらくペン入力式パーソナル
コンピュータ74のキーボードから警告信号をユーザに入
力させ、較正段階1を開始する。さらにステップ204で
は、図11に示されるように、座標X0、Y0、Z0を有するデ
ィジタル化ディスプレイ上の所定の位置において、ユー
ザに端部4をディジタル化ディスプレイ54上に接触させ
る。
【0055】端部4はディジタル化ディスプレイ54と機
械的に接触状態にあるので、圧力検出器42とアナログ・
ディジタル変換器44は信号Aをマルチプレクサ36'に出力
し、マルチプレクサ36'はそれを送信器46とアンテナ48
を介して静電タブレット22のアンテナ62に転送する。ス
テップ206では、圧力変換器10からA出力を受信する。さ
らに、応答してステップ207はアンテナ62とタブレット2
2から、スタイラス20のアンテナ48と受信器52への転送
によってJ信号をスイッチ88に送信する。J信号はマルチ
プレクサ36'を通過して端部スイッチ88に進み、球形電
極29を増幅器30に接続するように設定する。
【0056】さらに図14のステップ208では、図11に示
されるような球形電極29の重心に対する測定位置X1、Y
1、Z1である球形電極29からのB出力を記録する。この情
報はアンテナ48を介してタブレット22のアンテナに転送
され、マイクロプロセッサ68に受信され、さらにペン入
力式コンピュータシステム74に送ることができる。さら
に、ステップ210では、球形電極29に対する位置修正の
計算が実行される。delta X1の値はX座標に沿った位置
でのエラーであり、デルタY1の値はY座標に沿った位置
のエラーであり、またデルタZ1の値は所定位置X0、Y0、
Z0に対する球形電極29に対するZ座標に沿った位置での
エラーである。
【0057】 Delta X1=X1−X0 Delta Y1=Y1−Y0 Delta Z1=Z1−Z0
【0058】さらにステップ212では、図12に示される
ように、ユーザはディスプレイ54の上面にスタイラス20
をその側面が下側になるように置く。これはスタイラス
20の円筒形ハウジングの円筒形軸をディジタル化ディス
プレイ54の面に対し平行に置くことになる。さらにステ
ップ214では、ユーザは例えばペン入力式パーソナルコ
ンピュータ74のキーボードを介して第2の警告信号を入
力し、これは較正段階2を意味する。さらに図14のステ
ップ215では、ステップ214でユーザが警告信号を入力し
た後、J信号がタブレット22のアンテナ62からスタイラ
ス20に転送されて、マルチプレクサ36'を通過して端部
スイッチ88に進み、球形電極29を増幅器30に接続する第
1の状態に端部スイッチを切り換える。このステップは
球形電極29から増幅器30への適切な接続が較正段階2の
シーケンスの最初に維持されることを保証するために実
行される。さらに、ステップ216では、球形電極29から
出力されたB信号が球形電極29の重心の測定位置X2、Y
2、Z2に対して記録される。
【0059】さらにステップ218では、タブレット22の
アンテナ62はJ信号を端部スイッチ88に転送し、スイッ
チ88の状態を第2の状態に変更することによって、円筒
形導体86を増幅器30に接続する。さらにステップ220で
は、データパケットB*は円筒形導体86から出力され
て、増幅器30とアナログ・ディジタル変換器34及びマル
チプレクサ36'と送信器46を介してタブレット22のアン
テナ62に転送される。出力B*は円筒形導体86の重心の
測定位置X3、Y3、Z3で円筒形導体86に対して記録され
る。
【0060】さらに、ステップ222では、マイクロプロ
セッサ68又はそれに接続されるペン入力式パーソナルコ
ンピュータ74は円筒形導体86の電荷中心、一般にはその
重心から球形電極29の電荷中心、一般にはその重心まで
の距離デルタDを計算する。この距離デルタDは以下のよ
うに計算される。
【0061】 delta D = √{(X3 − X2)2 + (Y3 − Y2)2
【0062】さらに、図14の較正プログラムはステップ
224に進み、マイクロプロセッサ68又はそれに接続され
るペン入力式パーソナルコンピュータ74の何れかにおい
て実行するメインプログラムに戻る。
【0063】ディジタル化ディスプレイ54に関連したス
タイラス20の通常動作の際に、端部4の位置とディジタ
ル化ディスプレイ54の面に対するスタイラス20の相対傾
斜方位をともに測定することが望ましいとされる場合、
図15に示される演算ステップのシーケンスが実行され
る。これらのステップはマイクロプロセッサ68又はそれ
に接続されるペン入力式パーソナルコンピュータ74の何
れかに存在するコンピュータプログラムの指示のシーケ
ンスにおいて具体化される。
【0064】図15のフローダイアグラムはステップ230
から始まり、傾斜機能を備えた通常のスタイラスの使用
を開始する。ステップ232では、図11に示されるように
ユーザはディスプレイ54の表面に端部4をタッチダウン
させる。ステップ234では、A信号は圧力変換器10の圧力
検出器42から受信される。さらにステップ234では、端
部4のタッチダウンからのA信号の受信に応答してJ信号
はタブレット22からスタイラス20に送られてスイッチ88
の状態を切り換えることによって、端部位置測定のため
に増幅器30に球形電極29を接続させるようにする。また
ステップ236では、Bデータパケットは球形電極29から出
力されて座標X4、Y4、Z4は球形電極29の重心の測定位置
に対して記録される。
【0065】これに応答して、ステップ238はタブレッ
ト22からスタイラス20に対しJ信号を送信して端部スイ
ッチ88の状態を切り換えることによって、円筒形導体86
を増幅器30に接続させることができる。さらにステップ
240では、円筒形導体86から出力されたB*はタブレット
22によってスタイラス20から受信され、X5、Y5、Z5の円
筒形導体86の重心の位置に対する座標は記録される。
【0066】さらに、図15のフローダイアグラムのステ
ップ242は端部4の端部位置の計算を演算する。端部位置
座標はX6、Y6、Z6である。
【0067】 X6=X4−Delta X1 Y6=Y4−Delta Y1 Z6=Z4−Delta Z1
【0068】スタイラス20の端部4の位置の演算は図14
のフローダイアグラムで実行される較正ステップによっ
て決定されるように、端部の接触点に対して球形電極29
の重心のオフセットに対して修正されている。
【0069】さらに図15のステップ244では、傾斜角度T
はディジタル化ディスプレイ54の面に対するスタイラス
20の円筒軸の方向に対して計算される。傾斜角度Tはデ
ィジタル化ディスプレイ54の面上にスタイラスの円筒軸
の水平投射から演算される。水平投射はデルタHの絶対
値を有する。
【0070】 delta H=√{(X5−X4)2 + (Y5−Y4)2
【0071】さらに傾斜角度Tはディジタル化ディスプ
レイの面に円筒軸の投射のアークコサインとして計算さ
れ、図14の較正フローダイアグラムで計算されたような
シリンダの重心と球形電極の重心との間の演算距離の値
デルタDに対して選択される。傾斜角度Tの演算は以下の
通りである。
【0072】 T=ARCCOS(deltaH / deltaD)
【0073】ディジタル化ディスプレイ54の面上の端部
4のタッチダウン地点の及びX6、Y6、Z6の座標に対する
これらの演算と、ディジタル化ディスプレイの面に対す
るスタイラスの円筒軸の傾斜角度Tの演算はその所期目
的のためにペン入力式コンピュータ74のアプリケーショ
ンプログラムによって利用される。実例のアプリケーシ
ョンはシグニチャー検証、漢字塗装文字等のカリグラフ
ィの推論及びスタイラスの傾斜方位が特定のアプリケー
ションに対して有意義である他のアプリケーションに対
して適用される。
【0074】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、ペン入力式コンピュータシステムにおいてタブレッ
トの表面に対しスタイラスの傾斜方位をより正確に感知
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成図である。
【図2】ペン入力式コンピュータシステムを示す図であ
る。
【図3】スタイラスによってディジタル化ディスプレイ
の表面に入力される圧力をピックアップするための圧力
感知器をスタイラスの端部に有するスタイラスの一例を
示す機械上の側面図である。
【図4】図3のスタイラスの詳細な機械上の側面図であ
る。
【図5】多重化されてスタイラスから対応付けられるデ
ィジタル化ディスプレイに埋設されたアンテナに転送さ
れ得るディジタル情報の複数のソースの一例を示す概略
ブロック図である。
【図6】図5のマルチプレクサ36'から送信器46への出力
の波形図である。
【図7】タブレット22の上面図である。
【図8】タブレット22の側面図である。
【図9】傾斜方位感知能力を提供するための同軸導体ア
センブリの機能を示すスタイラス用の圧力感知部38の詳
細断面図である。
【図10】スイッチ88を示す電気概略図を含む同軸導体
アセンブリの側面図である。
【図11】通常使用の際のある傾斜角度におけるスタイ
ラス20の方位を示す図である。
【図12】ディジタル化ディスプレイ54の表面に側面を
下側に置いたスタイラス20の側部断面図である。
【図13】ディジタル化ディスプレイ54の平面に垂直に
取り付けられる垂直ピラー55に対して圧力感知部38の先
端4を押し当てた状態を示す図である。
【図14】図1のマイクロプロセッサ68又はマイクロプ
ロセッサ68に接続される図2のペン入力式パーソナルコ
ンピュータ74で実行するコンピュータプログラムにおい
て実行可能な演算ステップのシーケンスのフローダイア
グラムである。
【図15】傾斜機能を備えた通常のスタイラスの使用を
開始するステップから始まる演算ステップのシーケンス
を示すフローダイアグラムである。
【符号の説明】
4 端部 20 スタイラスハウジング 29 球形電極 54 ディジタル化ディスプレイ 75 同軸導体アセンブリ 80 中央導体 82 絶縁スリーブ 84 第1の中空円筒形導体 86 第2の中空円筒形導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガイ エフ. ヴェリエ アメリカ合衆国33486、フロリダ州ボカ ラトン、サウスウエスト サーティー ンス アヴェニュー 54 (72)発明者 マイケル グレイ アメリカ合衆国21403、メリーランド州 アナポリス、タイマン ドライヴ 503

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル化ディスプレイ用の傾斜方位
    感知能力を有する放射ピックアップスタイラスであっ
    て、 前記放射ピックアップスタイラスは同軸導体アセンブリ
    を機械的に支持するための中空部分を有するスタイラス
    ハウジングを有し、 前記同軸導体アセンブリは円筒形外面を持つ絶縁スリー
    ブにより包囲された中央導体を有し、 前記中央導体は前記スリーブの終端面を越えて軸方向に
    延出する端部を有し、 前記同軸導体アセンブリは前記絶縁スリーブの前記外面
    に支持され且つ基準電位に電気的に接続された第1の中
    空円筒形導体、前記第1の中空円筒形導体と離間した関
    係にある前記絶縁スリーブの前記外面に支持され且つ前
    記第1の中空円筒形導体よりも前記スリーブの前記終端
    面に近接した第2の中空円筒形導体及び前記中央導体の
    前記端部に取り付けられた且つ前記第2の中空円筒形導
    体と離間した関係にある球形電極を有し、 第1の測定状態では前記第2の中空円筒形導体は前記基準
    電位に接続され且つ前記球形電極は信号強度感知器に接
    続されて電磁信号を放射するディジタル化ディスプレイ
    の面からの前記球形電極の第1の距離を測定し、 第2の測定状態では前記第2の中空円筒形導体は前記信号
    強度感知器に接続され且つ前記球形電極は前記基準電位
    に接続されて前記ディジタル化ディスプレイの面に対す
    る前記同軸導体アセンブリの傾斜方位を測定することを
    特徴とするディジタル化ディスプレイ用放射ピックアッ
    プスタイラス。
  2. 【請求項2】 前記ディジタル化ディスプレイには前記
    電磁信号を放射するための複数の放射電極が埋設されて
    おり、 前記放射電極は周期的離間距離Wを有し、 前記球形電極は前記距離Wよりも大きくない直径を有
    し、 前記第2の中空円筒形導体は前記距離Wより大きくない直
    径を有する、 ことを特徴とする請求項1記載の傾斜方位感知能力を有
    するディジタル化ディスプレイ用放射ピックアップスタ
    イラス。
  3. 【請求項3】 前記スタイラスハウジングの前記中空部
    分は前記ディジタル化ディスプレイに機械的に接触する
    ために前記同軸導体アセンブリを収容するエンベロープ
    部分を持つ機械的接触センサをさらに有し、 前記放射ピックアップスタイラスは前記第1の測定状態
    と前記第2の測定状態を較正するために前記機械的接触
    センサ、前記球形電極及び前記第2の中空円筒形導体に
    結合された較正手段を有することを特徴とする請求項1
    記載の傾斜方位感知能力を有するディジタル化ディスプ
    レイ用放射ピックアップスタイラス。
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