JP2718206B2 - 可変容量圧縮機の容量制御装置 - Google Patents

可変容量圧縮機の容量制御装置

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JP2718206B2 JP1248051A JP24805189A JP2718206B2 JP 2718206 B2 JP2718206 B2 JP 2718206B2 JP 1248051 A JP1248051 A JP 1248051A JP 24805189 A JP24805189 A JP 24805189A JP 2718206 B2 JP2718206 B2 JP 2718206B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可変容量式圧縮機に関し、例えば自動車用空
調装置に使用する可変容量式斜板型圧縮機の斜板傾斜角
度等を調節して容量制御を行なう容量制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
可変容量圧縮機の容量制御には、圧縮機の吐出流体や
外部から供給される圧力流体の圧力を圧力制御弁で調節
して、圧縮機の容量制御機構を駆動する作動流体として
用いる方法が使用されている。特に自動車用空調装置に
用いられる斜板式圧縮機では、圧縮機の吸入圧力を受け
る受圧面を備えた弁体と、その弁体を受圧面に働く上記
吸入圧力による力に対抗する方向に付勢するスプリング
とを備えた自動式制御弁を設けて作動流体(通常は圧縮
機の吐出流体を用いる)の圧力を調節し、圧縮機吸入圧
を設定値に保つように斜板傾斜角を変更して圧縮機容量
を調節する方式がとられている。上記吸入圧力の設定値
は車室内に設けた冷媒蒸発器が過冷状態になり、空気中
の水分が蒸発器に氷結するいわゆる着霜現象が生じない
限界圧力付近に設定し、圧縮機容量を調節する方法が一
般的である。すなわち、空調装置の熱負荷が低く、冷媒
の膨張弁の開度が小さい場合、膨張弁から蒸発器を通り
圧縮機に戻る冷媒流量が減少するため圧縮機吸入圧力が
低下し、蒸発器内圧力が低下して膨張弁を通る冷媒の膨
張比が増大する。このため蒸発器温度が低下して過冷状
態になり着霜現象が生じることになる。また、逆に圧縮
機の運転容量に較べて空調装置の熱負荷が高い場合は圧
縮機吐出容量に較べ膨張弁開度が大きくなるため、膨張
弁と蒸発器を通る冷媒流量が増加して圧縮機の吸入圧力
が上昇することになる。上記制御弁は圧縮機吸入圧を着
霜限界付近の一定値に保持するように作動流体圧力を制
御して斜板傾斜角を変更し、圧縮機吸入圧力が設定値以
下に下がった場合は圧縮機容量を低下させ吸入圧力が上
昇するようにし、又吸入圧力が設定値以上になった場合
は圧縮機容量を増大させて、常に熱負荷に応じた容量で
圧縮機を運転するようにしている。
上述のように自力式制御弁を用いて圧縮機吸入圧を一
定に保持する制御方式は構造が簡単で作動が確実な利点
があるが、その反面空調装置の熱負荷の変化が圧縮機吸
入圧の変化となって現われるまでに時間を要する問題が
あり、又圧縮機吸入圧の設定値は自力式制御弁の受圧面
の面積とスプリングの付勢力とで決定され、一旦セット
すると運転中に変更できないため、制御の自由度が低い
問題があった。例えば、熱負荷が急に減少したような場
合は圧縮機吸入圧力が着霜限界付近に至る以前に圧縮機
容量を低下させることが省エネルギ効果を高める上で望
ましく、また車両を急加速するような場合にも熱負荷に
かかわらず圧縮機容量を最小とする必要があるが、上記
方式の制御弁では対応が困難なためである。
上記の要求を満足させるための方法としては、作動流
体の圧力調節を自力式制御弁によらず、外部信号に応じ
て制御圧力を調整できる制御弁を用いて制御する方法が
考えられる。
上記の形式の圧縮機の容量制御弁としては特開昭63−
9682号公報に記載されたものがある。この制御弁は斜板
式圧縮機の吸入室とクランク室との連通路を開閉しクラ
ンク室内の圧力を変化させることにより斜板傾斜角を変
化させるのに使用され、吸入室内の圧力を受ける受圧面
を有する弁体と該弁体を駆動して上記連通路を開閉する
電磁アクチュエータとを備えている。上記電磁アクチュ
エータは弁体を駆動するソレノイドを備え、該ソレノイ
ドに一定のデューティ比で振幅が制御可能なパルス状電
流を供給し、このパルス状電流の振幅を制御してソレノ
イドに流れる電流値を変化させることにより上記弁体の
駆動力を変化させ、前記吸入室とクランク室との連通度
を制御することを特徴としている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の特開昭63−9682号公報の制御弁は外部信号によ
り制御弁を作動させて制御圧力を調整可能としたことに
より従来の形式の制御弁では達成できなかった制御を行
なうことが可能となっているが、ソレノイドに振幅制御
可能なパルス電流を供給するためにはパルス変換器やパ
ルス振幅を所望の値に設定するためのレベル変換器等の
高価な部品が必要であり回路的にも複雑となる問題があ
る。また上記以外にもソレノイドに供給する電流値を制
御して弁体の駆動力を変更して弁開度を制御する形式の
制御弁も考えられるが、いずれも電流制御用の高価なア
ンプが必要であり好ましくない。
従って本発明は、上記問題に鑑み、簡単な回路構成で
高価な電流制御用アンプ等を必要とせず、外部信号に対
し正確な作動を行ない外乱による影響を受けにくい制御
弁を用いた可動容量圧縮機の容量制御装置を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による容量制御装置は可変容量圧縮機の容量制
御用圧力制御弁に、吸入圧を受けて変位する受圧部材
と、その受圧部材の変位に応動して、可変容量機構を作
動させる作動流体圧の圧力を調整する弁体と、上記受圧
部材に押圧力を加え、受圧部材の上記変位を調節するソ
レノイドを設け、該ソレノイドを任意の組合せで励磁可
能な複数の励磁コイルで構成し、励磁するコイルの組合
せを外部から変更することにより上記受圧部材を押圧す
る力を調節可能とし、前記圧縮機の吸入圧力の設定値を
上記複数個の励磁コイルの組合せの数と同数の複数設定
値から選択することを可能としたことを特徴とする。
〔作用〕
上記のように任意の組合せで励磁可能な複数の励磁コ
イルを有するソレノイドを用いたことにより、前記受圧
部材を押圧する力を外部から複数の設定値に選択切換可
能となる。
従来技術の自力式制御弁において、制御対象圧力であ
る圧縮機吸入圧の設定値が受圧面面積と、スプリングが
弁体を付勢する付勢力とによって決まるのと同様に、本
発明においても制御対象圧力の設定値は前記受圧面面積
とソレノイドが受圧部材を押圧する押圧力とにより決定
されるためこの押圧力を変更することにより制御対象圧
力の設定値が変更可能となる。
また上記複数の励磁コイルを、それぞれの励磁コイル
の起磁力(電流×巻数)が項比が2である等比級数
(F0,F0×21,F0×22…F0×2n)をなすように構成する
ことにより、それぞれの励磁コイルを通電する組合せを
変えることで最小の励磁コイル数で最大個数の設定値を
等間隔に設定することが可能になる。
〔実施例〕
第1図に本発明の実施例として自動車用空調装置の冷
媒圧用の可変容量式斜板型圧縮機に用いた場合を示す。
図において圧縮機1のシリンダブロック2内部には複
数のシリンダ3が互いに平行になるように形成されてい
る。また、図示していない自動車用エンジン等に駆動さ
れるシャフト5はベアリング6を介してシリンダブロッ
ク2に回転自在に支持されており、シャフト5には球面
支持部7が軸方向に摺動可能に取着されている。また、
斜板8は上記球面支持部7に軸方向に揺動可能に取付け
られており、シャフト5に対する傾斜角度が変更可能で
ある。前記シリンダ3内にはそれぞれピストン9がシリ
ンダ内を滑動可能に配置されピストン9の両側のシリン
ダ部に圧縮室11,12を形成している。上記ピストン9と
斜板8の外周部とはシュー13,14を介して摺動自在に接
触しており、斜板8がシャフト5と一体に回転するとピ
ストン9は斜板8の傾斜に応じたストロークでシリンダ
3内部を往復運動するようにされている。すなわちシャ
フト5の回転は斜板8を介してピストン9に往復運動を
行なわせ、ピストン9の両側の圧縮室11,12でそれぞれ
吸入弁、吐出弁を介して交互に冷媒の吸入、圧縮、吐出
を行なうようになっている。
次に本圧縮機の容量可変機構について説明する。第1
図においてシャフト5の後端部はスライド部20に挿入さ
れまたスライド部20はベアリング21を介して作動ピスト
ン30に回転自在に軸支されており、スライド部20は前記
球面支持部7に接続され、球面支持部7と一体に回転す
ると共にシャフト5に沿って軸方向に摺動可能なように
されている。又作動ピストン30とスライド部20とはスラ
イド部のショルダー22及びスラスト軸受23とを介して対
向しており、作動ピストン30からスライド部20に加わる
図の左方向への力及びスライド部20からピストン30に加
わる図の右方向への力は上記スラスト軸受を介して相互
に伝達される。また前記斜板8の入力シャフト側端面に
はスリット24が形成されておりシャフト5の斜板8側端
面には平板部25が形成されている。上記平板部25は斜板
8のスリット24内に挿入されシャフト5の回転を、上記
平板部25とスリット24内壁との面接触を介して斜板8に
伝え、斜板8(及び球面支持部7、スライド部20)がシ
ャフト5と共に一体に回転するようにしている。上記平
板部25には長溝26が設けられており、斜板8のスリット
24にはピン通し穴が形成されており、スリット24はピン
27及びベアリング28とを介して平板部25の長溝26に係止
されている。このため、斜板8の傾斜が変化すると斜板
8のスリット24に固定されたピン27が長溝26に沿って移
動するため斜板8及び球面支持部7、スライド部20はシ
ャフト5上を軸方向に摺動する。
圧縮機運転中はピストン9には両側の圧縮室11と12内
の圧力差に基づく力が加わるため、斜板8はシャフト5
に対して直角になるような向き(図においては反時計方
向)のモーメントを受ける。このモーメントは上記長溝
26とピン27とを介してスライド部20を右方向に押す力に
変換され、前記スラスト軸受23を介して作動ピストン30
を押圧する。一方、作動ピストン30はその後端面が圧縮
機ハウジングに形成された作動室31に対向しており作動
室31内の圧力を受けている。また作動ピストン30の前面
は圧縮機の吸入室32に面しており吸入室32内の圧力を受
けている。このため、作動ピストン30には、上記作動室
31内の圧力に応じて図中左方向に働く力が作用し、スラ
スト軸受23を介してスライド部20を図中左方向へ押圧す
る。従って作動室31内の圧力を低下させた場合、作動ピ
ストン30を左方向へ押圧する力が減少し、前述の斜板8
が受けるモーメントに起因するスライド部20を右方向へ
押圧する力より小さくなると斜板8はスライド部20、球
面支持部7と共に作動ピストン30を右方向へ押動し、斜
板8の傾斜角が減少してシャフト5に対して直角面に近
づき、ピストン9のストロークが減少して圧縮機の吐出
容量が減少する。また、逆に作動室31内の圧力を増加さ
せた場合は作動ピストン30に押動されて斜板8が左方向
に移動し、前記平板部25の長溝26を介して斜板8を時計
方向に回転させるモーメントが生じるためピストン9の
ストロークが増大し、圧縮機容量が増加する。
上述の説明からわかるように、本実施例の圧縮機では
作動室31内の圧力を増減することによりピストン9のス
トロークを変え、圧縮機容量を制御することができる。
本実施例においては、前述のように圧縮機の吸入圧力を
制御対象圧力として、吸入圧力が設定値に保たれるよう
に作動室内の圧力を調節して圧縮機容量を変化させる制
御方法がとられており、この目的のため本発明の特徴で
ある圧力制御弁40が設けられ、圧縮機吐出流体を作動流
体として用い作動室30内の圧力を調節している。
第4図は上述の制御動作を説明する原理図である。圧
力制御弁40は高圧導入通路37を介して圧縮機吐出室33
と、制御圧通路35を介して前記作動ピストン30前後の作
動室31と、又低圧通路36を介して圧縮機吸入室32とそれ
ぞれ接続されている。また上記高圧導入通路37と制御圧
通路35とは制御弁40内で連通しており、弁体41により連
通部の開度が調節されるようになっている。また、弁体
41は後述のように低圧通路36により圧力制御弁40に導入
される圧縮機の吸入圧が設定圧力より低くなった場合に
は上記高圧導入通路37と制御圧通路35との間の連通開度
を減少させ、吸入圧力が設定値より高くなった場合には
高圧導入回路37と制御圧通路35との連通開度を増大させ
るように動作する。
従って、前述のように空調装置の熱負荷が増大して圧
縮機の吸入圧力が設定値より上昇した場合は第4図に示
すように高圧導入通路37と制御圧通路35との連通開度が
増大するように弁体が移動し、圧縮機の吐出室33から高
圧導入通路37と制御圧通路35とを通り作動室31に流入す
る高圧流体の流量が増加するため作動室31の圧力が上昇
し、作動ピストン30を図中左方向へ移動させる。このた
め斜板8は作動ピストン30に押動され左方向へ移動する
と共に傾斜角が増大し、ピストン9のストロークが増加
して圧縮容量を増大させる。圧縮容量の増大につれて圧
縮機吸入圧は低下し、それにつれて弁体41は高圧導入通
路37の開度を減少させ、圧縮機吸入圧が設定値に等しく
なる位置に作動ピストン30を保持するような圧力に作動
室31を保つ。このとき弁体は作動室から作動ピストン30
側面と壁面との間を通り吸入室32へ流出する流体の流量
と高圧導入通路37から制御圧通路35を通り作動室31に流
入する流量とが平衡する開度に保持される。上記の逆
に、熱負荷が減少して圧縮機吸入圧が設定値より低下し
た場合弁体41は高圧導入通路37の開度を減少させ、高圧
導入通路37から作動室31への流体の流入が減少する。こ
のため作動室31から吸入室32へ流出する流体により作動
室31の圧力が低下し、作動ピストン30は斜板8に押動さ
れて右方向へ移動する。従って圧縮容量は減少し、吸入
圧が上昇して設定値に復帰することになる。上記のよう
に圧力制御弁40により、圧縮機吸入圧が設定値と等しく
なるような位置に作動ピストン30が自動的に移動するた
め圧縮機は常に熱負荷に応じた適正な容量で運転され
る。
次に本発明による圧力制御弁40について第2図と第3
図とを用いて説明する。第2図は第1図の実施例の圧力
制御弁40の断面図を示している。圧力制御弁40はバルブ
ハウジング42とコイルハウジング43とを備え、バルブハ
ウジング42には絞り44と高圧導入通路37とを介して圧縮
機吐出室33と連通した高圧ポート45と制御圧通路35を介
して圧縮機作動室31に連通した制御圧ポート46、又低圧
通路36を介して圧縮機吸入室32と連通し、制御対象圧力
である圧縮機吸入圧に保たれる低圧室47が備えられてい
る。
また、低圧室47と前記コイルハウジング43との間は可
撓性のダイヤフラム48で気密に仕切られており、ダイヤ
フラム48上面にはスプール49が取付けられており、ダイ
ヤフラム48と共に変位して弁体41を押動して前記高圧導
入通路を開閉するようになっている。またダイヤフラム
48下面には可動鉄芯50が取付けられており、コイルハウ
ジング内に配置された励磁コイルにより駆動されダイヤ
フラム48とスプール49とを押圧するようになっている。
本実施例においては励磁コイルは同心環状に設けられた
2つのコイル51と52からなり、コイル51と52とはリード
線53,54を介して外部から別々に電圧を印加できるよう
にされている。又コイル52の起磁力(電流×巻数)はコ
イル51の起磁力の2倍に設定されている。本実施例では
2つのコイルを同心環状に配置しているがコイルの数は
2つ以上任意の数で良くコイルの配置も同心環状に配置
する以外にも軸線方向に沿って積層するように配列して
も良い。
また本実施例ではダイヤフラム48下面に図示しない大
気圧導入口から大気圧を導入し、かつ可動鉄心50をスプ
リング55で上方に付勢し、励磁コイル51,52の可動鉄芯
駆動力が下向きに働くようにしているが、ダイヤフラム
48下面に導入する圧力は大気圧以外のものとしても良
く、スプリングも必ずしも必要ではない。更に、可動鉄
芯駆動力を上向きにした構成としても良く、要はダイヤ
フラム48に加わる力が可動鉄芯駆動力を変化させること
により調節できる構成となっていれば良い。
第3図は第2図の制御弁の作動原理を示す略示図で各
部分の参照番号は第2図について用いたものと同じであ
る。
図において、ダイヤフラム48には低圧室47の圧力P1
作用していてスプール49をP1×S(Sはダイアフラム48
の有効受圧面積)の力で下向きに押圧している。一方ダ
イヤフラム48には、大気圧Paによる力Pa×S、スプリン
グ55の付勢力FKとによる上向きの力と、励磁コイル51,5
2が可動鉄芯を駆動する下向きの力FSOLとが働き、これ
らの合力でスプール49を上向きに押圧している。ここで
上記下向きの力P1×Sが上向きの力の合力(Pa×S+FK
−FSOL)より大きい場合、すなわち吸入圧P1の場合ダイアフラム48は下向きに変位し、スプール49、
弁体41は下方向に移動し、高圧ポート45の開度が大きく
なる。このため高圧ポート45から制御圧ポート46に流入
する流体の流量が増加し、前述のように圧縮機容量が増
大して吸入圧P1になるまで低下する。同様にP1が低下して となった場合ダイヤフラム48はスプール49を介して弁体
41を押し上げて高圧ポート45を閉鎖する。このため作動
室31の圧力が低下し、斜板8は作動ピストン30を押動
し、圧縮機容量は、吸入圧P1に上昇するまで低下する。
上記の説明から明らかなように制御弁40は、圧縮機吸
入圧P1なる設定値Psetに保持するように圧縮機容量制御を行な
っていることになる。
本発明による圧力制御弁は複数の励磁コイル51,52を
任意の組合せで励磁することにより可動鉄芯50を駆動す
る力FSOLを変え、吸入圧P1の設定値Psetを外部から切換
え可能としたことを特徴としている。設定値Psetは等間
隔で設定可能とすることが望ましく、そのためには、上
記複数の励磁コイルを、それぞれの起磁力(電流×巻
数)が項比が2の等比数例をなすように選択すればn個
の励磁コイルを用いて2n個の等間隔設定値を得ることが
できる。本実施例においては起磁力F0と2F0の2つの励
磁コイル51,52を用いることにより前記FSOLの値をFSOL
=0,F0,2F0,3F0の4種類(及び必要なら励磁コイル51
と52を直列に接続して電圧を印加した場合を含めて5種
類)に設定可能である。実際には車両用空調装置ではP
setの値は、蒸発器温度が着霜温度から20℃程度になる
圧力範囲に対応してPset=1.5〜4.5kg/cm2程度をカバー
するように設定される。従って本実施例ではPsetはPset
=1.5kg/cm2,2.5kg/cm2,3.5kg/cm2,4.5kg/cm2の4種類
になるようにF0及びFK,Sが設定されている。第5図は制
御弁40の制御システムの1実施例のブロック図である。
この実施例では圧縮機吸入圧、自動車エンジン回転数、
車室内温度等のパラメータを制御回路に入力し、車室内
温度を一定に保つようにスイッチ回路により制御弁40の
各々の励磁コイルと電源との接続を断続すると共に車両
の急加速等の運転条件に応じてスイッチ回路の切換えを
行なうことができる。なお、第5図のような制御回路を
設けず、車室内に設置した調節つまみの操作により直接
スイッチ回路の切換えを行なって圧縮機吸入圧の設定値
を変更することにより空調器吹き出し温度を設定するこ
とも可能であり、この場合は制御回路は第6図に示すよ
うに調節つまみ62により直接切換可能なスイッチ回路61
と電源だけの極めて簡単な構成となる。
上記の実施例は斜板型圧縮機について説明したが、本
発明の容量制御装置は、斜板型圧縮機に限らず流体圧に
駆動されて圧縮機容量を変化させる可変容量機構を備え
た圧縮機であれば使用可能である。また実施例では制御
対象圧力として圧縮機吸入圧力をとった場合について説
明したが、制御対象圧力として他の適当な圧力をとるこ
とも可能である。
〔発明の効果〕
上述のように本発明は任意の組合せで外部から通電可
能な複数の励磁コイルを有するソレノイドにより圧力制
御弁の受圧面を押圧する構造としたことで外部スイッチ
の切換により、通電する励磁コイルの組合せを変えるこ
とにより圧縮機吸入圧力の設定値を簡単にかつ確実に変
更することが可能となる。また従来のように電流値制御
用アンプを使用しないため容量制御回路が非常に簡単に
なり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例を示す断面図、第2図は第1
図の実施例の圧力制御弁の構造を示す断面図、第3図は
第2図の圧力制御弁の作動原理を示す略示図、第4図は
第1図の実施例の容量制御の原理を示す略示図、第5
図、第6図は容量制御回路の構成例のブロック図であ
る。 1…圧縮機、8…斜板、9…ピストン、30…作動ピスト
ン、31…作動室、40…圧力制御弁、41…弁体、48…ダイ
アフラム、49…スプール、51,52…励磁コイル、55…ス
プリング、61…スイッチ回路、62…調節つまみ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田渕 泰生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 竹本 剛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力制御弁を備え、該圧力制御弁により可
    変容量圧縮機の容量可変機構を駆動する作動流体圧力を
    調節し、可変容量圧縮機吐出容量を制御する容量制御装
    置において、 前記圧力制御弁は、前記可変容量圧縮機の吸入圧力を受
    けて変位する受圧部材と、該受圧部材の変位に応動して
    容量可変機構を駆動する作動流体圧力を変化させる弁体
    と、前記受圧部材を押圧し、該受圧部材の変位を調節す
    るソレノイドとを備えると共に、該ソレノイドは任意の
    組合せで励磁可能な複数の励磁コイルを有し、励磁する
    コイルの組合せを外部から切換えることにより前記受圧
    部材を押圧する力を調節することが可能であることを特
    徴とする容量制御装置。
  2. 【請求項2】前記ソレノイドの複数の励磁コイルは、そ
    れぞれの励磁コイルの発生する起磁力が、項比が2の等
    比数列をなす、一連の励磁コイルである特許請求の範囲
    第1項に記載の容量制御装置。
JP1248051A 1989-09-26 1989-09-26 可変容量圧縮機の容量制御装置 Expired - Lifetime JP2718206B2 (ja)

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JPH1037863A (ja) * 1996-07-22 1998-02-13 Toyota Autom Loom Works Ltd 可変容量型圧縮機
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