JP2717713B2 - 木材等の改質処理法 - Google Patents

木材等の改質処理法

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JP2717713B2 JP1268410A JP26841089A JP2717713B2 JP 2717713 B2 JP2717713 B2 JP 2717713B2 JP 1268410 A JP1268410 A JP 1268410A JP 26841089 A JP26841089 A JP 26841089A JP 2717713 B2 JP2717713 B2 JP 2717713B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、丸太、加工材料、竹材等の各種の植物性加
工材(以下「木材等」という)について、それら木材等
が自然に持っている特性を生かしながら、高温加熱処理
して種々の特性を附加した植物性加工材を製造するに際
し、加熱処理中の木材等の割れを防止するとともに、加
熱により劣化する傾向にある木材等の加工性を改良して
従来より高品質で汎用性のある植物性加工材に改質処理
する方法に関する。
「従来技術」 従来、木材等を高温加熱処理して新しい特性を持った
植物性加工材にする技術が発表されている。木材や竹材
等を不燃性ガス雰囲気中で高温にて加熱処理をして木材
を埋木状に加工する方法(特開昭56−135004号)、煤竹
の製造方法(特開昭57−212007号)、木材、竹材等の植
物性加工材の品質改良法(特開昭57−212003号)などが
それである。本発明者らは、これらの木材等を加熱処理
する技術を用いた新しい植物性加工材を人工埋木や人工
煤竹または高温加熱処理材として実用化を進めている。
この新素材ともいうべき高温加熱処理材は、単に不足し
ている天然埋木材の代用品として利用されるだけではな
く、天然埋木材にはない接着性や機械加工性と温度差に
より色合に濃淡を出せる性質とを利用して、濃淡の出た
素材を互いに張り合せて美しい寄せ木細工を作り出した
り、家具や外装材として利用されている。また最近で
は、この新素材が熱処理をしているため腐りにくいとい
う特性を生かし、浴槽、洗面、キッチンユニットなどの
水回りの外装材など多方面にわたり利用価値がでてきて
いる。
しかし、当該木材等の高温加熱処理は製造中に熱処理
割れを起こすことが多く、歩留まりを悪くしたり、高温
加熱処理によって製品の加工性が熱処理をしない木材等
に比較して劣化するといった欠点が生じ、これを改善し
たいという技術課題が生じた。
この熱処理中における木材等の『割れ』についてその
原因を探究し、これを防止する方法を研究しているう
ち、乾燥や熱による割れは、固体破壊の一種であるから
アコースティックエミッションが出ているはずであると
考え、このAEを観測することにより『割れ』を検知した
り、乾燥や熱による『割れ』を予知する技術について研
究を始めた。同時に木材の『割れ』とAEとの関係につい
ての技術文献を調査したところ、「木材の乾燥割れ予知
および防止装置」(特公昭63−7317号)という公知技術
のあることに気が付いた。
また、最近木材を簡単な化学反応で、プラスチックと
同様な可塑性をもった材料に変えることができるとの知
見を得た。
本発明者らは、これらをヒントとして乾燥処理より条
件の厳しい木材等の高温加熱処理における割れ防止と材
質の加工性改善を目的に研究を行い、本願発明を完成し
たものである。
「解決すべき問題点」 木材等を高温加熱処理すると木材等に割れが生ずる原
因は、大きく分けて加熱乾燥過程での水分移動と、組織
の収縮と、高熱によるセルローズの分解とにあると思わ
れる。
先ず最初に、加熱乾燥過程での水分移動と組織の収縮
に伴なう木材等の割れについて、次のようなことが解っ
た。木材中に含まれる水分には普通自由水と結合水があ
るが、乾燥中には、表面層ではまず自由水のみが消去除
去され、ついで乾燥がすすむにつれて結合水も除去され
てくるようになる。前者の自由水の移動は毛管現象が支
配的で、後者の結合水の移動は拡散によるものである。
このようにして木材の表面層の自由水および結合水が移
動して乾燥するが、内層はなお高い含水率を有する状態
になる。すると乾燥部分は、収縮しようとし、含水部分
は収縮に抵抗する。この結果、乾燥前半では表面層は引
張応力、内層は圧縮応力が作用する。更に乾燥が進むに
したがってこれらの応力は大となり、また収縮も内部に
広がってくるが、表面層は常に大きな引っ張り応力を受
けているため、世紀の収縮をしないまま永久変形が生じ
る。その後、内部が乾燥するにつれて、表面層は正規の
収縮を起こそうとする結果、正負の応力は逆転し、後半
では表層は圧縮応力、内層は引張応力をうけることにな
る。このため、引張応力が木質部の引張強さ以上となる
と、乾燥前半では木□割れ或は表面繊維に沿った表面割
れを起こし、乾燥後半では内部割れが発生する。その
他、乾燥にともなって表面硬化、落込みといわれる欠陥
も生ずるが、これらは、いずれも木材内部の含水率分布
の勾配の大小に直接関連するものであることも解った。
加熱乾燥においては、上記のような各種の割れ等の欠陥
が発生しないで、しかもできるだけ木材内部の含水率分
布の勾配を大にして乾燥時間を短縮することが要請され
るが、このためには木材の内部の時々刻々の含水率分布
を把握することが重要であり、この乾燥中の木材の含水
率に応じて温度や湿度を調整しながら乾燥する必要があ
る。しかし、木材組織が複雑であるうえ、熱的諸性質も
湿度含水率に影響を受けるほか、木材の樹種によっても
異なるので、理論的に木材の内部の時々刻々の含水率分
布を把握することは困難である。その他、乾燥にともな
って発生する割れの発生には材質の機械的強度や厚さも
関与するので、異方性の大きい複雑な木材組織ではいか
なる条件のもとで欠陥が発生するかを解明するのは極め
て難しい。従って、従来の乾燥処理においては乾燥途中
で室内に入り、目視によって割れを確認し、室内の雰囲
気を再調整するのが現状である。しかし、この方法は、
割れが発生する前に予知することはできないし、内部に
発生する割れを見つけることができないだけなく、本願
発明のように高温加熱処理で、特に不燃性ガスの充満し
ているような条件の場合には、実施不可能である。
さらに、高温加熱処理の場合には高熱にすると、木材
のセルロースが分解を始め、材質の機械的強度を弱める
ので、割れやすくなる。従って、高温加熱処理の場合に
は、高温による熱の収縮率の激しさと、材質の機械的強
度の弱化により、木材を単に乾燥するのに比較して、割
れを防止するのは技術的にみて非常に困難な状態とな
る。
ところが、先に開発された木材を埋木状に加工する方
法(特開昭56−135004号)、煤竹の製造方法(特開昭57
−212007号)、木材、竹材等の植物性加工材の品質改良
法(特開昭57−212003号)においては、加熱処理中の割
れに関する対策はほとんど考慮されていない。このた
め、これらを工業規模で採用した場合には、製品が割れ
のない高品質なものになること、使用可能な製品を歩留
まり良く製造することが、最も重要な技術的課題となっ
ており、採算性の面からも重要な課題となっている。
そこで、本発明者らは、木材の乾燥割れの予知をAEの
検知技術によって行い、木材の周囲の温度と湿度とを制
御して割れを防止するという公知技術(特公昭63−7317
号)に着目した。しかし、当該公知文献には、乾燥処理
における初期割れをAE累積数とAE発生率に基づき予知す
ることが記載されているだけである。つまり、当該乾燥
処理の場合でも30〜80℃までの温度帯における乾燥の初
期割れの予知であって、乾燥処理後期の割れや100℃以
上に高温加熱する処理における割れについては想起され
ていない。また初期割れの予知方法も木材の割れる直前
のAE累積数とAE発生率を知り、AE発生率が限界値に達し
たら制御機器を差動させて乾燥条件を緩和させて割れを
防ぐというだけである。本発明においては、AE累積数や
AE発生率と割れとの相関関係は乾燥初期割れには通用す
るが、乾燥後期、または高温加熱には必ずしも相関関係
を示さない。
また、処理対象木材の個別状況によってAEの発生特性
は異なるし樹種よってもその特性は異なるので、それに
合った判断基準が必要であることが解った。発明者は、
木材の割れとAE信号の発生状況を観察し、分析するうち
木材の割れは当該AE信号の振幅と密接な相関関係を有し
ていることに気が付き、当該電気信号の振幅に注目し
て、割れに直接結び付く有効な信号を弁別して検知し、
一個のAE信号でも振幅が大きい場合は、割れに対する危
険信号と考え、これに総イベント数(累積)とAE発生率
をオンラインでモニタリングして乾燥や加熱処理段階を
識別しながら総合的に判断して処理過程中の割れを予知
する。この予知情報に基づき温度と湿度とを操作して木
材等に割れが生じないように雰囲気を制御するようにし
たものである。これを乾燥処理工程および高温加熱処理
工程の全過程を通して応用し、処理中に木材の割れを防
止するようにし、これによって、使用可能な木材等の改
質製品を歩留まり良く生産できるようにした。つまり、
工業的に高品質の高温加熱処理材を効率良く生産できる
新技術を提供することが第一の目的である。
また、木材への含浸技術は広く採用されているが、乾
燥や加熱処理に際して割れを防止する目的のために、事
前に含浸剤を使用する例は知られていない。発明者は、
種々の含浸剤の中から特定の有機溶剤を木材等に含浸さ
せたうえ熱処理すると、内部で化学反応を起こして内部
可塑化が生じ、材質に熱流動性が与えられるとの知見を
得、この知見を応用すれば熱処理に際して木材内部の熱
流動化が割れを防止することが出来るのではないかと考
え、本願発明を開発した。すなわち、特定の有機溶剤を
含浸させ、水熱化学反応させる含浸処理をすることによ
って、木材内部を可塑化させる。これによって、熱処理
による割れを防止すると共に、高温加熱処理によって起
こる木質の脆性を大幅に改善し、加工性を改良するよう
にしたのが第二の目的である。
「問題点を解決すべき手段」 本願発明は、叙上のように先に発明された不燃性ガス
雰囲気中で高温加熱処理する木材の改質処理法の欠点で
ある熱処理中の割れ防止と熱処理により脆くなって加工
性が低下するのを防止するという技術課題を、次の技術
手段を組み合わせることにより解消するものである。
発明者は木材等の加熱乾燥処理をした場合の割れにつ
いて研究した結果、水分移動と、組織の収縮と、高熱に
よるセルローズの分解とによって発生することが解っ
た。木材の加熱処理割れは固体の破壊形態の一つであ
り、乾燥割れと同様にアコースティックエミッション
(AE)が発生されるはずであると考え、これを検出して
その周波数と信号強度を知ることが出来れば、これらの
情報を処理して割れを事前に予知できると考えた。研究
の結果、木材の割れはAE信号の発生率とともに、振幅と
密接な相関関係を有していることに気が付き、当該電気
信号の振幅に注目して、割れに直接結び付く有効な信号
を弁別して検知するようにした。その結果、一個のAE信
号でも振幅が大きい場合は、割れに対する危険信号と理
解できるようになった。これにAE累積イベント数とAE発
生率をオンラインでモニタリングして乾燥や加熱処理の
段階を識別し、経験的にあらかじめ定めた基準値とを比
較しながら検知したAE信号の意味を分析、検討して処理
過程中の割れを予知判断し、この予知情報に基づき温度
と湿度とを操作して木材等に割れが生じないように雰囲
気条件を緩和して制御するようにしたものである。木材
等の割れは、乾燥処理、加熱処理にともなう水分の移動
と熱による材質の変性に原因があるところから温度と湿
度を操作因子として調整してやれば、充分に割れを防止
できることが解った。
更に、有機含浸剤を含浸させたうえ、これを100℃以
上の高温水中に入れ水熱化学反応(加水分解)で溶解す
れば、木質部が熱可塑性(熱流動性)を有する状態に化
学変化し、加熱乾燥処理においても高温加熱処理におい
ても、加熱によって起こる表面層と内層との引張応力と
圧縮応力の差異に対応変形するので、割れは発生しない
こと、および有機含浸剤の含浸により木質部が熱可塑性
(熱流動性)を有する状態に化学変化することが、高温
加熱処理によって起こる材質の脆さを緩和し加工性を改
良することが解った。
そこで、これら三つの着想、すなわち、 第一に、有機含浸剤の含浸処理による割れ防止と化
学修飾木材化による加工性改善する。
第二に、AE信号を検知し、その情報処理により木材
等の割れを予知し、この予知情報に基づく温度と湿度を
操作因子とする雰囲気制御による割れ防止する。
第三に、雰囲気制御しながらの常圧ないし高圧での
加熱乾燥処理と高温加熱処理をすることによって、木質
特性、機能特性を改良する。
以上を適宜組み合わせることにより、木材等を効率良
くかつ高品質に改質処理した新規な植物性加工材を提供
しようとするものである。
以下、特許を受けようとする発明について詳細に説明
する。
特許を受けようとする第一発明は、先ず最初に、丸
太、加工木材、竹材などの各種植物性加工材等(木材
等)にポリエチレングリコールやメチルセロソルブ等の
オキシエーテル類、多価アルコール類、天然ゴムもしく
は合成ゴムまたはこれらを組み合わせにかかる有機含浸
剤を含浸させたうえ、木材等を水熱化学反応させる。
当該発明の処理対象範囲は、木材等であるが、これは
丸太、加工木材、竹材などの各種植物性加工材であれば
植物の種類を問わず全てを含んでいる。
また、含浸させる特定の有機含浸剤というのは、ポリ
エチレングリコールやメチルセロソルブなどのオキシエ
ーテル類、1,4−ブタンジオールなどの多価アルコール
類、天然ゴムもしくは合成ゴムまたはこれらの組み合わ
せにかかるものであればよい。次に当該含浸処理によっ
て起こる木質の変化について説明する。
化学的には、木材は、40〜50%量のセルロース、15〜
25%のヘミセルロース、20〜30%のリグニンおよびその
他の副成分から成り立つ。しかも、木材を構成する細胞
壁中ではセルロース分子鎖の集合体の束がスポンジ状に
存在する網目をかいくぐって通り、両者の間隙をヘミセ
ルロースが充填する形で成分の複合化が行われている。
更に、当該セルロース分子鎖の集合体の束は、規則正し
く並んで結晶を作っている。これは規則性のある立体配
置をもつ線状高分子で、水酸基(−OH)を数多く持って
いるため、隣接する分子間で水酸基どうしの規則正しい
水素結合が生じやすい状態にある。しかもこれはセルロ
ース全体の70%にも達している。このセルロースは結晶
の溶融温度が高く、加熱しても流動を起こす前に熱分解
を起こすので、結局は熱流動を起こさない。このような
木材等の性状が、水分移動と組織収縮とセルロースの熱
分解とによって割れを起こしやすくしていると考えられ
る。ところが、セルロースの水酸基(−OH)をアセチル
基(−COCH3)やニトロ基、ベンジル基、ラウロイル基
等に置換する化学修飾を起こさせれば、木材に内部可塑
化が起こり、熱流動性が与えられる。すなわち、セルロ
ースを誘導体に変え、水素結合の度合いを弱めてやれば
材木中で熱流動性を備えたものになると考えた。このよ
うに、当該セルロースの結晶に流動を起こさせる状態に
すれば、これを高温加熱処理しても収縮割れや水分移動
割れを起こさないと考えた。
その具体的方法として、水熱化学反応により木材が熱
流動性(熱可塑性)を有する状態となることを利用する
ことを想起した。すなわち、前処理工程として、原料木
材に特定の有機含浸剤を含浸させ、これを100℃以上の
高温水中に入れて水熱化学反応を起こさせ、木質中のセ
ルロースやリグニン等の一部を溶解していくつかの化学
結合を部分的に開裂したり、樹脂類中のエステルをアル
コール化する等して、木質部が熱流動性(熱可塑性)を
有する状態としたのである。尚、100℃以上の高温加熱
処理を行なう場合は、前処理(水熱化学反応)として必
ずしも必要とせず、後から高温加熱処理と兼ねて行なっ
てもよいこと勿論である。
次に、乾燥処理をした後の含浸処理した木材等を90%
以上の不燃性ガス雰囲気中におき、木材等にはAEセンサ
ーを取り付ける。
ここで、「不燃性ガス」というのは、アルゴン、クリ
プトン、ヘリウム等の不活性ガス、またはアンモニア、
亜硫酸ガス、炭酸ガス或は窒素のうち1種または2種以
上の混合ガスのことを言う。
AEセンサーの取付けは、温度と湿度を考慮してウエー
ブ・ガイドを介して行なった。ウエーブ・ガイドの取り
付け位置は試験片木口とした。それから、木材等がその
木材構造の変化に伴ない発生するAEを電気信号として検
知し、その情報を分析して木材等の割れを予知する技術
について説明する。
例えば、第1図に示すような高温加熱処理(例1)の
温度(160〜170℃)と圧力(2.0〜2.4kg/cm2)で処理し
た場合、センサーから送られたAE信号を振幅クラス毎に
より分別してみると、第2図のように各クラス毎のAEイ
ベント数となって表すことができる。これを、プリアン
プで増幅された後、クラッキングモニターで設定(80dB
において1V以上)し、増幅後にAEイベント数が検出され
る。このAEイベントデータを記録したのが第3図で、こ
の累積AEエネルギーを記録したのが第4図である。
この場合は、処理前の含水率が10〜12%であることも
あって、第5図に示すように実験後の試験片には、全く
『割れ』が生じなかった実験例である(参考写真1)。
これに対し、例えば、第6図に示す高温加熱処理(例
2)の温度(160〜170℃)と圧力(2.0〜2.4kg/cm2)で
処理した場合、センサーから送られたAE信号を振幅クラ
ス毎に分別してみると、第7図のように各クラス毎のAE
イベント数となって表すことができる。これを、プリア
ンプで増幅された後、クラッキングモニターで設定値以
上のにAEイベント数を検出する。このIV以上のAEイベン
トデータを記録したのが第8図であり、その累積AEエネ
ルギーを記録したのが、第9図である。この場合は初期
含水率が28〜33%であることもあって、第10図に示すよ
うに実験後の試験片の中央部に『割れ』が生じている
(参考写真2)。
上記実験例1(割れなし例)と、実験例2(割あり
例)とのAE信号データから、当該木材等が処理中の割れ
た時点と、そのときの条件を明確に特定できる。このよ
うに試験データを数多く集め、分析すると、AEデータか
ら割れを予知することができるようになった。すなわ
ち、全体のAE信号をみていても騒音信号が多すぎて、割
れを明確に認識できないが、経験的に定めた一定振幅以
上のAE信号(実験例の場合には、80dBにおいて1V以上の
AE信号)を記録してみると、割れとの相対関係が誰の目
にも明確になる(第8図)。そこでこの特定振幅以上の
AE信号に注目し、この信号が発生したら『割れの警告』
と考えるようにする。次にこの特定振幅(本実験例にお
いては1V以上)の発生率(第8図,第11図ハ)をグラフ
化すると共に、累積AEイベント数をグラフ化(第9図,
第11図ロ)する。このようなグラフ化した事例を集めて
樹種、初期含水率、加熱温度、板厚等の条件を因子とし
て、統計処理をすると、所定の条件下における一定振幅
以上のAE信号は割れ警戒限界値(第8図,第11図ハ)で
あることが解るし、どのような累積AEエネルギーのパタ
ーンであれば、割れないかその割れ警戒限界モデルパタ
ーンを特定できる。そこで、この特定された標準的な割
れ警戒限界AE発生率と割れ警戒限界累積AEイベント数の
モデルパターンとを、実際に測定し記録したAE発生状況
と比較し、その時点におけるAE信号の意味を分析して木
材等の割れを予知判断する。
次に、本発明は、当該予知情報に基づき温度と湿度と
を操作因子として木材等に割れが生じないように雰囲気
制御しながら急勾配とならないように次第に加温にし
て、所定の高温加熱処理を行なうようにする木材等の改
質諸処理法である。
即ち、前記のようにAEデータから割れを予知判断した
場合、短時間に多量の蒸気を噴射して湿度を高めたり、
加熱部を止めて温度を低下させる。そうすると木材等に
割れが生じない雰囲気となり、AEの発生が止まるか、経
験的に定めた割れの警戒基準以下の発生状態となる。つ
まり、温度と湿度を操作因子として、雰囲気制御するこ
とができる。この温度と湿度とAE発生の模式図を示した
のが、第12図である。
また、高温加熱処理において割れが発生する主な原因
は、水分の移動ではなく、急激な温度変化による収縮
や、膨張によるものであることが経験的に解っている。
したがって、割れの発生する加温時や低下時の温度勾配
を緩やかに設定すれば良いが、割れの発生する温度勾配
の限界値は、初期含水率、樹種、板厚、装置などによっ
て変わるので、あらかじめ所定の条件でなAEを計測して
おき、累積AEエネルギー増加率を常にその限界の数値
(警戒限界基準)以下に設定する必要がある。
つぎに、高温加熱処理による木質変化について述べ
る。
ところで本発明における木材等の高温加熱処理は、リ
グニンを増加させることにより衝撃や圧縮や曲げに対し
て強度を強くし、セルロースを減少させることにより引
っ張り強さを弱めるが、セルロースの結晶は溶融温度が
高く、熱流動を起こすまえに熱分解を起こすから、結局
のところ熱流動は得られない(第13図)。このような木
材が熱流動化しない性質を利用し、更に不燃性ガス雰囲
気中という、燃えない条件下において高温加熱処理をお
こない、規則性のある立体配置をしている組織をそのま
ま保存しながら水分を完全に除去するとともに、蛋白質
やその他の成分の熱変性によって、全体を硬化させる処
理である。この処理によって木質を硬化し、耐候性、耐
水性に優れたものになるが、半面、脆くなって、加工性
を低下させる欠点がある。
本発明は、この際セルロースの水酸基を、アセチル基
やニトロ基などにより置換し、セルロースを誘導体に変
え水素結合の度合いを弱めて、木質部を熱流動性(熱可
塑性)を有する状態とするのである。本発明は、これに
よって木質硬化を緩和し、脆さを改善するとともに、木
材本来の靭性をよみがえらせて、切削性などの加工性を
改善した。
特許を受けようとする第二発明は、先ず、丸太、加工
材料、竹材などの各種植物性加工材に、ポリエチレング
リコールやメチルセロソルブ等のオキシエーテル類、多
価アルコール類、フェノール類、天然ゴムもしくは合成
ゴム類またはこれらを組み合わせにかかる有機含浸剤を
含浸させ水熱化学反応(加水分解)させる含浸処理をな
す。この前処理は、第1請求項の発明と同様である。次
に、この含浸処理した木材等にAEセンサーを取り付け、
木材等がその木材構造の変化に伴ない発生するAEを信号
として検知し、その信号を情報処理して木材等の割れを
予知し、予知情報に基づき温度と湿度とを操作因子とし
て木材等に割れが生じないように雰囲気制御しながら常
圧にて80℃以下の加熱処理を行なって乾燥処理をなす。
このように乾燥処理工程においても、AE信号を観測す
ることによって、木材等の乾燥途中の進行状況を常に把
握することができることになった。
木材等に取り付けたセンサーから送られた信号は、プ
リアンプで増幅された後、クラッキングモニターで設定
以下の信号はカットされ、増幅後に特定振幅のAEイベン
トが検出され、この特定振幅AEイベントデータが記録さ
れる(第14図)。また、これを累積AEエネルギーに図示
すると第15図となる。ここまでの手順は、高温加熱処理
のAE場合と同じである。このような事例を多数集めて、
統計処理すると、第16図のような木材乾燥処理工程にお
ける標準的AEパターンを得ることができる。
この乾燥処理における標準的AEパターンから木材等の
割れを予知するために、次のような経験則を得ることが
できた。
経験的に定めた一定振幅以上のAE信号が 表れた場
合に、割れの前兆と考える。
乾燥工程には、3段階があり、段階ごとに 判断基
準を変えることが大切である。
第一段階(I)は、木材等の中心部まで蒸気が浸透
し、温度と含水率とが均一化して、徐々に乾燥が進行す
る段階と考えられる。第一段階と第二段階の区分時の含
水率は25%で、繊維飽和点(約30〜25%)に対応してい
る。繊維飽和点以上では、木材の中に液体の状態の水分
が存在する。この段階では、割れが容易に発生するの
で、十分に注意する必要がある。
第二段階(II)は、繊維中に結合水の形で、吸収され
た、水分が、結合を断ち切り、蒸発を始める段階と考え
られる。従って、第一段階より、含水率を下げるために
要するエネルギーは大きくなる。この段階では、木材の
引っ張り強度は急増し、第一段階より、厳しい乾燥条件
に絶えられると考えられる。したがって、第一段階よ
り、厳しい乾燥条件を与えることができる。第二段階
は、この実験より厳しい乾燥条件を適用することがで
き、それによって乾燥時間の短縮が可能である。第二段
階と第三段階との境界は、含水率約15%に対応してい
る。この含水率約15%というのは、平衡含水率に対応し
ていると考えられ、気乾状態に対応している。
第三段階では小振幅のAEが多いことから、細胞内部の
結晶水が、細胞から剥離する減少が起こっていると考え
られる。しかしながら、この小振幅のAEは、乾燥割れに
は全く関係がないので、AEイベント数とは無関係に乾燥
条件を設定して良い。したがって、第三段階では第二段
階よりさらに厳しい乾燥条件設定が、可能である。この
実験より乾燥時間の短縮が可能である。
このようにして、乾燥状態が進み、含水率が10%以下
になると、)小振幅のAEも減少してくる。そうしたら一
段と加熱条件を厳しくして、高温加熱状態に移行する。
従って、乾燥工程での『割れ』の予知方法は、AE発生
率と累積累積イベント数とをオンラインでモニタリング
しながら、現在どの乾燥段階にあるかを識別するととも
に、経験的に定めた標準的なAE発生状況(AE発生率とAE
累積イベント数)、および割れ警戒基準値と比較して、
処理過程中の割れを予知判断する。
次に、この割れ予知情報に基づき経験的に定めたその
段階における最適制御パターンを基準として温度条件と
湿度条件とを操作して木材等に割れが生じないように雰
囲気条件を緩和して制御したり、処理効率のロスがない
ように温度条件と湿度条件を厳しくしたりする。このよ
うに割れをAE信号の解析によって予知し、温度と湿度と
を操作因子として、雰囲気制御しながら乾燥処理を行
い、木材等の含水率が10%以下になるまで、乾燥させ
る。次の工程である高温加熱処理は、原料が乾燥してい
るほど割れにくく、温度上昇勾配が比較的急でも割れな
いので、木材等の含水率が10%以下になるまで乾燥した
後、高温加熱処理するようにすることが望ましい。
続いて、この含浸処理した乾燥木材等を90%以上の不
燃性ガス雰囲気中におき、100℃以上の高温加熱処理を
行う。このような高温中に木材等を置くと、炭化するこ
とになるので、不燃性ガス雰囲気中の中に置くのが好ま
しい。
この際も、木材等にはAEセンサーを取り付け、木材等
がその木材構造の変化に伴い発生するAEを信号として検
知し、その信号を情報処理して木材等の割れを予知し、
予知情報に基づき温度と湿度とを操作因子として木材等
に割れが生じないように雰囲気制御しながら高圧または
常圧下にて100℃以上の高温加熱処理を行なうようにし
たことを特徴とする木材等の改質処理法である。この高
温加熱処理における木材等の割れの予知法は、第1請求
項の発明と同じである。すなわち、所定以上の振幅をも
ったAE信号の発生と、割れの発生する温度勾配の限界値
は、初期含水率、樹種、板厚、装置などによって変わる
ので、あらかじめ所定の条件でのAEを計測しておき、AE
発生率と累積AEエネルギー増加率から割れの限界をAE信
号による警戒限界基準値として特定して置き、これと具
体的に測定しているAE発生状況とを比較して、常にその
限界以下に維持しながら高温加熱処理を完了させるよう
にする。
すなわち本願発明は、まず含浸処理し、AEを信号に基
づき木材等の割れを予知し、予知情報に基づき温度と湿
度とを操作因子として木材等に割れが生じないように雰
囲気制御しながら乾燥し、引き続き高温加熱処理を一貫
して行うようにしたものである。
なお、第17図は、このような乾燥処理と高温加熱処理
とを一貫して行う、木材等の改質処理法の標準的なAE発
生パターンを模式図化したものである。
特許を受けようとする第三発明は、第一発明、第二発
明に記載する「AEを信号として検知し、その信号を情報
処理して木材等の割れを予知し、温度と湿度とを操作因
子として木材等に割れが生じないように雰囲気制御し」
とは、AEを信号として検知し、その総AEカウント数のな
かから信号の振幅を弁別して所定以上の振幅をもったAE
信号をもって割れに対する危険信号として認識し、更に
累積AEイベント数とAE発生率をオンラインでモニタリン
グして乾燥段階の初期、中期、後期のいずれの段階であ
るのか、また高温加熱段階であるのかを識別し、当該識
別された処理段階に置ける基準値と比較しながら割れを
予知し、予知情報に基づき温度と湿度とを操作して木材
等に割れが生じないように雰囲気制御するようにしたこ
とを特徴とする木材の改質処理法である。高温加熱処理
時の標準化された加熱温度・含水率、その際の累積AEエ
ネルギー、AE発生率のモデルパターンは第11図に示した
通りであり、木材乾燥処理時の標準化された温度・含水
率、その際の累積AEエネルギー、AE発生率のモデルパタ
ーンは第16図に示した通りであり、乾燥処理と高温加熱
処理とを一貫して行う場合の標準化された温度・含水
率、その際の累積AEエネルギー、AE発生率のモデルパタ
ーンは第17図に示した通りである。測定したAE信号から
振幅による危険信号の認識の仕方、処理段階の識別の仕
方、割れの予知の仕方、雰囲気制御の仕方については、
第一発明、第二発明で詳述したので、ここでは説明を省
略する。
「実施例」 <実施例1> かえでの天然生木丸太材料(長さ200mm×径80¢)を
自然乾燥(含水率30%)させたものを用意し、これを室
温でまず減圧して木材中の脱気をし、その後樹脂液ポリ
エチレングリコールを加圧ポンプで3〜5気圧で加圧注
入した。その後、当該含浸木材を100℃以上の高温水中
に入れて、水熱化学反応を起こさせる。尚、100℃以上
の高温加熱処理を行なう場合は、前処理(水熱化学反
応)として必ずしも必要とせず、後からの高温加熱処理
と兼ねて行なってもよいこと勿論である。このように前
処理した丸太材料と、前処理しなかった同じ丸太材料と
を熱処理室中に入れ、これら材料にウエーブガイドを介
してAEセンサーを取り付けた。具体的には、ウエーブガ
イドの熱処理室内部側端子を試験木口に木ネジで固定
し、熱処理室に設けた測定孔を通してウエーブガイドを
外部に延出させ、そのウエーブガイドの延出外部にAEセ
ンサーを取り付け、近くに設置したプリアンプとクラッ
キングモニターおよびパソコンと接続した。次に、熱処
理室内から空気を脱気するとともに不燃性ガス注入部よ
り窒素ガスを注入して97%の不燃性ガス雰囲気とする。
そうしておいて、加熱部の熱電対を作動させて、熱処理
室内の温度を高めていくとともに、蒸気注入部より蒸気
を注入して内部の湿度を調整する。第18図に示すよう
に、一気に150℃に上昇させ、22時間ほぼ150〜160℃の
高温で加熱し、それから約2時間で温度を常温まで降下
させ約24時間で処理を完了した。その間のAEの発生状況
を観測してみた。第19図はその際の未処理材の各振幅ク
ラス毎のAEイベント状況を表したものである。これに対
し、含浸処理材の各振幅ごとのAEイベント発生状況を表
した記録である。いずれも割れと関係のないAE信号量が
多く、どの時点で割れが生じたのか特定できない。そこ
で、1分間内に増幅率80dBとして振幅1V以上のAEを特定
して記録したところ、未処理材のAEイベント発生状況は
第21図、含浸処理材のAEイベント発生状況は22図とな
り、割れと関係のあるAE信号がかなり明確に認識できる
ようになった。これを読むと、未処理材も含浸処理材も
共に、熱処理室内の温度が高まっていく初期の段階で、
大量にAEが発生し、中間段階はAE発生がほとんどなくな
り、温度降下しはじめると再びAEイベントが発生する傾
向が見られる。しかし、その発生状況は、未処理材と含
浸処理材とではまるで異なっており、含浸処理材の方は
ほとんどAEが発生しないといった状況となっている。す
なわち、未処理材の方は、加熱初期の段階で割れが生じ
たが、含浸材の方は割れを起こしていないことを明確に
物語っている。このことは、累積AEエネルギーを表した
第23図(未処理材)と第24図(含浸処理材)とを比較す
ると、更に明確に認識できる。
そこで、次に未処理材のように割れ安い状態の木材を
割れないように高温加熱する場合は、割れを予知し雰囲
気制御する必要がある。その制御モデルをつくってみる
と、第25図のようになる。すなわち、AEを電気信号とし
て検知し、このデータをパソコンで記録し分析するなど
の情報処理を行い、あらかじめ経験則的に設定されてい
た基準値と比較して木材等の割れを予知する。例えば、
1分間内に増幅率80dBとして振幅IV以上のAEを記録し、
その累積イベント数が基準値を越えるか、振幅が基準を
越えた場合、割れの警戒域になったと判断して、蒸気注
入部を作動させて熱処理室内に蒸気を短時間に多量に注
入し、熱処理室内の湿度を調整すると共に、加熱部の作
動を制御して熱処理室(熱処理室)内の温度を調整し
て、木材等からAEが発生しない状態かあるいはAE信号が
所定の基準以下の発生状態に維持するように雰囲気を制
御し、このような雰囲気制御をしながら加熱部を作動さ
せて熱処理室内の温度を次第に高めて160〜180℃で4時
間木材等に割れが生じないように高温加熱処理を行なっ
た。
その結果、含浸処理材は、良好な埋木状に改質木材製
品ができ上がった。参考写真3がそれである。含浸高温
加熱処理した改質木材は全く割れの出ないものであるの
に対し、未含浸高温加熱処理した改質木材は多数の放射
状割れが確認された。次に、こうしてできた埋木状に改
質木材の木口面における切削性を比較検討した。参考写
真4のA1、A2とB1,B2がそれである。含浸高温加熱処理
材と未含浸高温加熱処理材とを施盤のカップバイトを使
用し、毎分1580回転で木口面の切削をしたところ前者含
浸高温加熱処理材は、刃物の切れが向上し切粉も帯状に
連なっている(参考写真4のA1)。切削面にも滑らかさ
があり木材本来の靭性、加工性、強度が甦った。これに
対し、後者の未含浸高温加熱処理材は切粉が粉末状であ
り(参考写真4のB1)、切削面にも荒さがある(参考写
真4のB2)。このように、含浸高温加熱処理材は、従来
欠点とされている脆性も大幅に改善され鑿・鉋加工・木
工旋盤加工、一般木工機械プレナー、木ねじ・クギ締め
付け加工が充分にできるようになったので、美術工芸材
だけでなく家具材、建築材、屋根材、船舶用外板材など
にも利用できるようになった。
「効 果」 本願第一発明は、木材等に特定の有機含浸材を含浸さ
せ、水熱化学学反応(加水分解)させたうえで、この含
浸処理した木材等を不燃性ガス雰囲気中で高温加熱処理
を行なうものであり、その高温加熱処理に際して木材等
がその木材構造の変化に伴ない発生するアコースティッ
クエミッションを信号として検知して木材等の割れを予
知し、温度と湿度とを操作因子として木材等に割れが生
じないように雰囲気制御しながら高温加熱処理を行なう
木材等の改質処理法である。有機含浸剤の含浸によっ
て、木質に熱可塑性を与えられ、不燃性ガス雰囲気中で
の高温加熱処理によって埋木状の性状を与えられるう
え、処理中はAEを信号とし温度と湿度とを操作因子とし
た雰囲気制御を行うので、これらが組み合わさると処理
中の割れが全く無くなり、独特の木質となって加工性が
大幅に改良され、従来より用途が広がることになった。
本願第二発明は、先ず、木材等に特定の有機含浸材を含
浸させ、水熱化学学反応(加水分解)させたうえで、加
熱乾燥工程をおこなう。この乾燥処理中はAEを信号とし
て検知して木材等の割れを予知し、温度と湿度とを操作
因子として雰囲気制御を行うので、処理中の割れが殆ど
無くなる。こうして10%以下まで乾燥度が進行したら、
当該含浸処理した木材等を木材等を不燃性ガス雰囲気中
で高温加熱処理し埋木状の性状を与える。この際も、処
理中はAEを信号として検知して木材等の割れを予知し、
温度と湿度とを操作因子として雰囲気制御を行う。この
ようにすることによって、含水率の多い生木からの処理
であっても、AE信号の観測、分析、処理によって、処理
中の割れが殆んどなしに乾燥と高温加熱処理とを一貫し
て行なうことができる。その結果、従来の高温加熱処理
における歩留まりの低下防止と、高温加熱処理材の高品
質化を計ることが出来ることとなった。
本願第三発明は、第一発明、第二発明において、AEを
信号として検知し、分析し、割れを予知し、雰囲気制御
をして割れを防止しながら、高温加熱処理を行なう。特
にAEの分析により木材の割れを事前予知できるようにし
た点に特徴がある。これによって、歩留り良く、割れの
ない高品質の木材等を工業的に、且つ効率良く大量生産
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、高温加熱処理(例1)の温度と圧力を記録し
たグラフ、第2図は、高温加熱処理(例1)の各振幅ク
ラス毎のAEイベント数(発生率)を記録したグラフ、第
3図は、高温加熱処理(例1)の振幅1V以上のAE発生率
を記録したグラフ、第4図は、高温加熱処理(例1)の
振幅1V以上の累積AEエネルギーを記録したグラフ、第5
図は、高温加熱処理(例1)の実験後の試験片の状態を
示す説明図である。 第6図は、高温加熱処理(例2)の温度と圧力を記録し
たグラフ、第7図は、高温加熱処理(例2)の各振幅ク
ラス毎のAEイベント数(発生率)を記録したグラフ、第
8図は、高温加熱処理(例2)の振幅1V以上のAE発生率
を記録したグラフ、第9図は、高温加熱処理(例2)の
振幅1V以上の累積AEエネルギーを記録したグラフ、第10
図は、高温加熱処理(例2)の実験後の試験片の状態を
示す説明図である。 第11図は、高温加熱処理時のAE発生モデルパターン、第
12図は、温度、湿度制御とAE発生の模式図、第13図は、
高温加熱処理時の木質変化を示すグラフである。 第14図は、乾燥処理(例3)の温度と振幅1V以上のAE発
生率を記録したグラフ、第15図は、乾燥処理(例3)の
振幅1V以上の累積AEエネルギーを記録したグラフ、第16
図は、高温加熱処理時のAE発生モデルパターン、第17図
は、乾燥・高温加熱処理のAE発生モデルパターン、第18
図は、実施例1における高温加熱処理の温度変化を記録
したグラ、第19図は、実施例1の未処理材の各振幅クラ
ス毎のAEイベント数(発生率)を記録したグラフ、第20
図は、実施例1の含浸処理材の各振幅クラス毎のAEイベ
ント数(発生率)を記録したグラフ、第21図は、実施例
1の未処理材の振幅1V以上のAE発生率を記録したグラ
フ、第22図は、実施例1の含浸処理材の振幅1V以上のAE
発生率を記録したグラフ、第23図は、実施例1の未処理
材の振幅1V以上の累積AEエネルギーを記録したグラフ、
第24図は、実施例1の含浸処理材の振幅1V以上の累積AE
エネルギーを記録したグラフ、第25図は、実施例1の高
温加熱処理時のAE発生モデルパターンと累積AEによる割
れ限界制御基準を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 清 宮城県仙台市太白区緑が丘1丁目28―4 (72)発明者 鈴木 功 宮城県仙台市青葉区子平町18―18 (72)発明者 湯目 智 宮城県仙台市泉区南光台3丁目27―22 (72)発明者 本間 克己 宮城県仙台市若林区一本杉町3―22 (72)発明者 鈴木 康夫 宮城県宮城郡松島町高城字前田沢68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】丸太、加工木材、竹材などの各種植物性加
    工材(以下「木材等」という)に、ポリエチレングリコ
    ールやメチルセロソルブ等のオキシエーテル類、多価ア
    ルコール類、天然ゴムもしくは合成ゴム類またはこれら
    を組み合わせにかかる有機含浸剤を含浸させる含浸処理
    をしたうえ、当該木材等を水熱化学反応させた後、 この含浸処理した木材等を90%以上の不燃性ガス雰囲気
    中におき、木材等にはアコースティックエミッションセ
    ンサー(以下「AEセンサー」という)を取り付け、木材
    等がその木材構造の変化に伴い発生するアコースティッ
    クエミッション(以下「AE」という)を信号として検知
    し、その信号を情報処理して木材等の割れを予知し、予
    知情報の基づき温度と湿度とを操作因子として木材等に
    割れが生じないように雰囲気制御しながら高圧または常
    圧下にて100℃以上の高温加熱処理を行なうようにした
    ことを特徴とする木材等の改質処理法。
  2. 【請求項2】木材等に、ポリエチレングリコールやメチ
    ルセロソルブ等のオキシエーテル類、多価アルコール
    類、天然ゴムもしくは合成ゴム類またはこれらの組み合
    わせにかかる有機含浸剤を含浸する含浸処理をしたう
    え、当該木材等を水熱化学反応させた後、 この含浸処理した木材等にAEセンサーを取り付け、木材
    等がその木材構造の変化に伴い発生するAEを信号として
    検知し、その信号を情報処理して木材等の割れを予知
    し、予知情報に基づき温度と湿度とを操作因子として木
    材等に割れが生じないように雰囲気制御しながら常圧に
    て80℃以下の加熱処理を行なって乾燥処理し、 続いて、この含浸処理した乾燥木材等を90%以上の不燃
    性ガス雰囲気中におき、木材等にはAEセンサーを取り付
    け、木材等がその木材構造の変化に伴い発生するAEを信
    号として検知し、その信号を情報処理して木材等の割れ
    を予知し、予知情報に基づき温度と湿度とを操作因子と
    して木材等に割れが生じないように雰囲気制御しながら
    高圧または常圧下にて100℃以上の高温加熱処理を行な
    うようにしたことを特徴とする木材等の改質処理法。
  3. 【請求項3】第1請求項、第2請求項に記載する「AEを
    信号として検知し、その信号を情報処理して木材等の割
    れを予知し、温度と湿度とを操作因子として木材等に割
    れが生じないように雰囲気制御し」とは、AEを信号とし
    て検知し、その信号の振幅を弁別して所定以上の振幅を
    もったAE信号をもって割れに対する危険信号とし、更に
    AEの累積イベント数とAE発生率をオンラインでモニタリ
    ングして乾燥段階または高温加熱段階を識別し、識別さ
    れた各処理段階における基準値と比較しながら割れを予
    知し、当該予知情報に基づき温度と湿度とを操作因子と
    して操作して木材等に割れが生じないように雰囲気制御
    するようにしたことを特徴とする第1請求項又は第2請
    求項記載の木材等の改質処理法。
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