JP2717418B2 - 自動変速機の変速シヨツク低減装置 - Google Patents

自動変速機の変速シヨツク低減装置

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JP2717418B2 JP63253069A JP25306988A JP2717418B2 JP 2717418 B2 JP2717418 B2 JP 2717418B2 JP 63253069 A JP63253069 A JP 63253069A JP 25306988 A JP25306988 A JP 25306988A JP 2717418 B2 JP2717418 B2 JP 2717418B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両などに備えられたエンジンに対する自
動変速機の変色ショック低減装置に関するものである。
(従来の技術) 自動車等に備えられる自動変速機として、ポンプイン
ペラー、タービンランナおよびステータ等からなるトル
クコンバータと、このトルクコンバータのタービンラン
ナに接続される多段歯車式の変速機構とを組合せて構成
されたものが汎用されている。このような自動変速機に
おいては、通常、油圧回路部を主構成部とする油圧制御
装置が付設され、この油圧制御装置により変速機構にお
けるクラッチ、ブレーキ等の油圧作動式の摩擦係合要素
の係合状態が切り換えられ、それによって変速動作が行
われる。
そして、自動変速機における変速動作が行われるとき
には、車両の慣性により車速は殆ど変化しないにもかか
わらず、自動変速機における変速比の変化に応じてエン
ジン回転数が変化し、それに伴って自動変速機の出力軸
にトルク変動が生じ、その出力軸のトルク変動により車
体の加速度が変化して、いわゆる変速ショックが発生す
る。このような変速ショックを低減するための対策とし
ては、例えば、変速機構における摩擦係合要素の解放お
よび締結が滑らかに行われるように、摩擦係合要素に供
給される作動油圧を制御することが考えられるが、その
ようにされた場合には、摩擦係合要素が滑り状態に置か
れる期間が長くなり、摩擦係合要素が焼き付いたり、摩
耗が激しくなるなどの恐れがある。
そこで、例えば、特開昭62−131831号公報にも示され
るように、自動変速機における変速動作が行われるとき
に、エンジンの点火時期を遅角させて一時的にエンジン
出力を低下させることによって変速ショックを低減する
ようにした技術が公知である。
(発明が解決しようとする課題) しかして、前記のような点火時期の遅角制御によって
変速ショックを低減するようにした場合に、この変速シ
ョックを低減するための遅角制御を特定の運転状態にお
いて行うと、この遅角制御によってエンジンの燃焼状態
もしくは運転状態が許容限度を越えて低下し、遅角制御
を行うことが不都合な状態すなわち、例えば、エンジン
回転数が1200rpm以下のような低回転状態における自動
変速機の変速のときには、この変速に対応して点火時期
を遅角制御すると、エンジンの燃焼状態が悪化して失火
の発生、エンジン振動の増大を招く状態が発生し、この
ようなエンジンの運転状態では変速ショック低減のため
の遅角制御を一律に禁止することが考えられる。
上記のような変速ショック低減のための遅角制御の実
行がエンジン側の特性から好ましくない状態において、
自動変速機の変速時に対応した遅角制御の開始を回避す
るようにした場合に、この変速時における変速ショック
の低減は何ら行われずに発生することになり、より変速
ショックの低減を図る際の障害となる問題を有する。
ところで、上記遅角制御は、車速とスロットル開度と
の関係などの運転状態の変化に応じて求めたシフト条件
が独立し自動変速機を所定の変速段に変速するように変
速信号が出力された後実際に変速が開始される時から所
定期間断続的に実行されるのであるが、この変速開始時
においてエンジンの運転状態が遅角禁止状態で遅角制御
の開始を中止した場合にも、その後の運転状態の変化に
よって早期に遅角禁止条件が解消される場合がある。こ
の場合、遅角制御による変速ショックの低減効果発揮程
度や変速終了後における該遅角制御に伴なう出力不足の
影響度等を考慮して遅角制御を開始することで有効に変
速ショックの低減が得られる場合があるものである。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、遅角制御が禁止さ
れるような状態での変速時においても、運転状態の変化
に対し可及的に変速ショックの低減が可能な領域におけ
る遅角制御を行うようにした自動変速機の変速ショック
低減装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成すため本発明の自動変速機の変速ショ
ック低減装置は、第1図にその基本構成を示すように、
エンジンAの駆動出力で入力される自動変速機Bは、変
速信号に対応して所定変速段に変速動作を行うものであ
り、この自動変速機Bの変速時に、エンジンAの点火時
期を遅角して変速動作に伴う変速ショックを緩和する遅
角制御手段Cを設ける。また、前記自動変速機Aの変速
信号が出力された後に変速ショックのトルク増大が生じ
る最適動作時期に、前記遅角制御手段Cによる遅角制御
を開始する第1開始手段Dを設けると共に、エンジンの
運転状態から遅角禁止状態を判定し、前記遅角制御手段
Cによる遅角制御の開始を禁止する遅角禁止手段Eと、
上記最適動作時期を経過した後においても前記遅角制御
手段Cの作動開始による遅角制御が有効な遅延期間を設
定する遅延期間設定手段Fとを設け、上記遅延期間設定
手段Fと遅角禁止手段Eの信号を受け、遅延期間内に運
転状態の変化に伴って遅角禁止状態が解消したときに前
記遅角制御手段Cにより遅角制御を開始する第2開始手
段Gとを備えるように構成したものである。
(作用) 上記のような変速ショック低減装置では、自動変速機
の変速時にエンジンの点火時期遅角制御を変速ショック
の生じるトルク増大時の最適時期に開始するについて、
エンジンの運転状態から遅角制御が不適当な場合には遅
角制御を禁止する一方、最適時期の後においても遅角制
御が有効となる遅延期間を設定し、この期間内に運転状
態の変化に伴い遅角禁止状態が解消すると遅角制御を開
始して、遅角制御による失火、振動の発生、加速性能の
低下などを回避しつつ、可及的に変速ショックを低減す
るようにしている。
(実施例) 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。第2
図はFF式の車両の例における自動変速機の変速ショック
低減装置の概略構成を示す。
エンジン1(4気筒)の各シリンダ2には、スロット
ル弁3が配設された吸気通路4を通じて吸気が供給され
る。シリンダ2内に供給された混合気は、点火プラグ
5、ディストリビュータ6、点火コイル7、点火制御部
8などで構成される点火系の作動により、各シリンダ2
内で所定の順序で点火燃焼され、排気ガスが排気通路9
に排出される。そして、混合気の燃焼によってエンジン
1の出力軸としてのクランク軸1a(第3図)が回転し、
そのクランク軸1aから得られるエンジントルクが、自動
変速機10、ディフファレンシャルギヤユニット11、車軸
12などで形成される動力伝達回路を介して前輪13(駆動
輪)に伝達される。
自動変速機10は第3図に示すように、トルクコンバー
タ14および多段歯車式の変速機構20を含み、更に、それ
らの動作制御に用いられる作動油圧を形成する油圧回路
部30(第2図参照)が付設されている。
上記トルクコンバータ14は、ポンプインペラー14a、
タービンランナ14b、ステータ14cおよびケース21からな
り、ポンプインペラー14aが連結されるエンジン1のク
ランク軸1aには、ポンプ駆動軸16を介してオイルポンプ
15が連結されている。タービンランナ14bは、中空のタ
ービン軸17を介して変速機構20に連結されると共に、ロ
ックアップクラッチ22を介してクランク軸1aに連結さ
れ、また、ステータ14cとケース21との間にはワンウェ
イクラッチ19が介装され、ステータ14cがポンプインペ
ラー14aおよびタービンランナ14bと同方向に回転するよ
うに構成されている。
変速機構20は、前進4段後進1段の変速段を得るため
のプラネタリギヤユニット24を備えている。このプラネ
タリギヤユニット24は、小径サンギヤ25、大型サンギヤ
26、ロングピニオンギヤ27、ショートピニオンギヤ28お
よびリングギヤ29を有する。小径サンギヤ25とタービン
軸17との間には、前進走行用のフォワードクラッチ31と
コースティングクラッチ33とが並設され、小径サンギヤ
25とフォワードクラッチ31との間にはワンウェイクラッ
チ32が介装されている。大型サンギヤ26とタービン軸17
との間には後進走行用のリバースクラッチ35が設けられ
ると共に、2−4ブレーキ36が配設され、また、ロング
ピニオンギヤ27とタービン軸17との間には、3−4クラ
ッチ38が設けられている。ロングピニオンギヤ27はキャ
リア39およびワンウェイクラッチ41を介して変速機ケー
ス42に対し、ローリバースブレーキ44により係脱される
ようになされている。そして、リングギヤ29は出力軸45
を介してアウトプットギヤ47に連結され、出力軸45のト
ルクが図示しないアイドラー等を介してディフファレン
シャルギヤユニット11に伝達される。
上記構造の多段歯車式の変速機構20においてはフォワ
ードクラッチ31、コースティングクラッチ33、リバース
クラッチ35、2−4ブレーキ36、3−4クラッチ38およ
びローリバースブレーキ44をそれぞれ適宜選択作動させ
ることにより、Pレンジ(パーキングレンジ)、Rレン
ジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレン
ジ)、Fレンジ(フォワードレンジ)を構成するDレン
ジ(ドライブレンジ)、2レンジおよび1レンジの各レ
ンジとFレンジにおける1〜4速の各変速段とを得るこ
とができる。それら各レンジおよび変速段を得るための
各クラッチ31,33,38,35およびブレーキ36,44の作動関係
と、各レンジおよび変速段が得られるときにおけるワン
ウェイクラッチ32,41の作動状態を表1に示す。
表1のような作動関係をもって各クラッチ31,33,38,3
5およびブレーキ36,44を作動させる作動油圧は、油圧回
路部30において形成される。
また、上記のようなエンジン1および自動変速機10の
動作制御を行うべく、エンジン制御ユニット100および
変速制御ユニット200が備えられている。
エンジン制御ユニット100には、ディストリビュータ
6に設けられた回転数センサ51およびクランク角センサ
52から得られるエンジン回転数およびクランク角をあら
わす検出信号SnおよびSc、エンジンブロック1bに設けら
れた水温センサ53およびノッキングセンサ54から得られ
るエンジン1の冷却水温Twおよびノッキング強度をあら
わす検出信号SwおよびSk、スロットル弁3に関連して配
されたスロットル開度センサ55から得られる検出信号S
t、吸気通路4におけるスロットル弁3より下流側部分
に配された吸気負圧センサ56から得られる検出信号Sbが
供給されると共に、エンジン1の制御に必要とされる他
の検出信号Sxも供給される。
エンジン制御ユニット100は、これらの各種の検出信
号および変速機制御ユニット200から供給される変速遅
角パルス信号Pjに基づき、点火時期を定める実効点火進
角値θを設定して、その実効点火進角値θに対応する時
期をもって点火時期制御信号Cqを形成し、それを点火制
御部8に供給する。それにより、点火コイル部7から点
火時期制御信号Cqに対応する時期に二次側高圧パルスが
得られ、それがディストリビュータ6を介して点火プラ
グ5に供給される。
変速機制御ユニット200には、水温センサ53およびス
ロットル回路センサ55から得られる検出信号SwおよびS
t、タービン回転数センサ57から得られる検出信号Su、
車速センサ58から得られる検出信号Sv、シフトポジショ
ンセンサ59から得られるシフトレバーのレンジ位置に応
じた検出信号Ssが供給されると共に、自動変速機10の制
御に必要な他の検出信号Syも供給される。変速機制御ユ
ニット200は、これら各種の検出信号に基づいて駆動パ
ルス信号Ca,Cb,Cc,Cd(変速信号)を形成し、それらを
変速機構20に内蔵され各種のクラッチ31,33,38,35およ
びブレーキ36,44に供給される作動油圧を調圧するソレ
ノイド弁61〜64にそれぞれ選択的に供給することによ
り、自動変速機10における変速制御を行うと共に、駆動
パルス信号Ceに形成し、それを油圧回路部30に内蔵され
たロックアップクラッチ22に対する作動油圧の供給、排
出の切換えを行うソレノイド弁65に選択的に供給するこ
とにより自動変速機10におけるロックアップ制御を行
う。これにより、前記表1のように各種クラッチ、ブレ
ーキが選択的に締結状態もしくは解放状態とされ、所望
の変速レンジおよび変速段が得られると共に、ロックア
ップクラッチ22が選択的に締結状態もしくは解放状態と
される。
上記変速制御を行う際には、変速機制御ユニット200
により、内蔵メモリにマップ化されて記憶されているス
ロットル開度Thと車速Vに対応して設定されているシフ
トパターン(第4図参照)における変速線a,b,c,d,e,f
と、検出信号Stがあらわすスロットル開度Thおよび検出
信号Svがあらわす車速Vとが照合され、シフトアップも
しくはシフトダウンのシフト条件が成立したか否かが判
断される。
上記変速機制御ユニット200による変速制御において
は、自動変速機10におけるシフトアップもしくはシフト
ダウンの変速動作を行う際に、自動変速機10における出
力軸45のトルク変動が、変速比の変化に伴うトルク変動
とエンジン1の出力の変化に伴うトルク変動とによって
変速ショックが生じるものであり、この変速ショックを
エンジン出力を低下して低減するべく、変速時に点火時
期を遅角制御するものである。
この遅角制御は前記シフト条件が成立すると、エンジ
ン1が遅角禁止状態にある場合、例えば、検出信号Suが
あらわすタービン回転数Treが、1200rpmのエンジン回転
数に相当する値TR1以下で、遅角制御によって失火、振
動、加速のもたつきなどを生起するとき(以下、遅角禁
止条件と称す)、また、検出信号Stがあらわすスロット
ル開度Thが、スロットル弁3が1/8程度開かれている状
態に相当する値TH1以下の軽負荷のとき、および、検出
信号Swがあらわすエンジン1の冷却水温Twが70℃に相当
する値TW1以下の緩機状態で燃焼が不安定なときなどを
除いて遅角制御を開始する。しかして、実際の遅角制御
の開始時期は、シフト条件が成立し変速機制御ユニット
200から油圧回路部30に変速信号が出力された時点か
ら、変速機構20における摩擦係合要素に対する作動油圧
の供給遅れが生じることを勘案して定められた期間Ta
(例えば100msec)が経過した最適動作時期に、変速遅
角パルス信号Pjがエンジン制御ユニット100に送出され
て行われるものである。なお、この期間Taはシフト条件
に応じて各変速段で異なる値に設定してもよい。
また、シフト条件が成立し変速信号が出力され、期間
Taの経過時において前記遅角禁止条件となっている場合
には、最適動作時期における遅角制御の開始を禁止す
る。この場合には、上記最適動作時期を経過した後にお
いても遅角制御の開始による遅角制御が有効に作用して
変速ショックを低減する遅延期間Tbを設定し、前記期間
Ta経過後の遅延期間Tbが経過するまでの間に、運転状態
の変化に伴って遅角禁止条件が解消したときに、変速遅
角パルス信号Pjが出力されて遅角制御を開始する。
一方、エンジン制御ユニット100による点火時期の制
御においては、エンジン回転数と吸気負圧とに基づいて
基本点火進角値θBが設定されると共に、変速機制御ユ
ニット200から変速遅角パルス信号Pjが供給されたとき
には、自動変速機10における変速動作に伴う変速ショッ
クを低減すべく、点火時期を基本点火進角値θBに対応
する基準点火時期より遅れ側に補正するための変速補正
値θAが設定され、さらに、検出信号Skによってあらわ
されるノッキング強度が所定以上であるときには、ノッ
キングを抑制すべく点火時期を基本点火進角値θBに対
応する基準点火時期より遅れ側に補正するためのノッキ
ング補正値θKが設定される。
上記のような変速制御および点火時期制御の基本制御
のタイムチャートを第5図に示す。まずAのようにt0
でアクセルペダルが踏み込まれてスロットル開度Thが増
大し、t1点でシフトダウン条件が成立した場合には、t1
から期間Taが経過したt2点において、変速機制御ユニッ
ト200からエンジン制御ユニット100に変速遅角パルス信
号Pjが送出され、Cのようにエンジン制御ユニット100
において変速補正値θAが初期値θaに設定される。そ
して、t2点から変速機構20における摩擦係合要素が半係
合状態におかれる期間に相当する期間Trが経過するt3
までは、変速補正値θAが初期値θaに設定され、t3
以後は初期値θaからの段階的に値Δθずつ減少し、零
となるt4まで変速補正値θAが設定され、基本点火進角
値θBを変速補正値θAで遅角補正して実効点火進角値
θが設定され、これにより点火時期制御が行われる。
それにより、自動変速機10における出力軸のトルクR
は第5図Dの実線のように、t1点の直後に若干増大した
後減少し、さらに、その後のt2点以後で次第に上昇して
いく。この場合、上記変速に対応した遅角補正を行わな
いと、破線で示すように、t2点以後にトルクRが急激に
増大して変速ショックが発生するが、上記変速補正値θ
Aの設定による遅角制御によって、t2点以後におけるト
ルクRの増大率が低減され、自動変速機10における変速
動作が円滑に行われて、変速ショックが緩和されること
になる。
一方、上記のような基本制御に対し、第6図には遅角
禁止状態における制御タイムチャートを示す。まず、第
5図と同様に、Aのようにt0点でアクセルペダルが踏み
込まれてスロットル開度Thが増大し、t1点でシフトダウ
ン条件が成立して変速信号が出力され、t1点から期間Ta
が経過したt2点において、前記基本制御では変速機制御
ユニット200からエンジン制御ユニット100に変速遅角パ
ルス信号Pjが送出されることになるが、Eに示すように
t2点の最適動作時期においてはタービン回転数Treが設
定値TR1以下で、遅角禁止条件となっている場合には、
このt2点での変速遅角パルス信号Pjの送出を禁止し、遅
角制御は行わない。
そして、運転状態が変化し遅延期間Tb内のt2′点でタ
ービン回転数Treが設定値TR1に達し遅角禁止条件が解除
されると、Cのようにエンジン制御ユニット100におい
て変速補正値θAが初期値θaに設定される。そして、
t2′点から変速機構20における摩擦係合要素が半係合状
態におかれる期間に相当する期間Trが経過するt3′点ま
では、変速補正値θAが初期値θaに設定され、t3′点
以後は初期値θaから段階的に値Δθずつ減少し、t4
で零となるまで遅角補正を行うものである。
それにより、自動変速機10における出力軸のトルクR
は第6図Dの実線のように、遅角補正をまったく行わな
い破線で示す特性では、t2′点以後にトルクRが急激に
増大して変速ショックが発生するが、上記変速補正値θ
Aの設定による遅角制御によって、t2点の最適状態での
変速ショック低減作用(第5図D)よりは低減作用が少
なくなっているが、t2′以後におけるトルクRの増大率
が低減され、自動変速機10における変速動作が円滑に行
われて、変速ショックが緩和されることになる。
また、ノッキング補正を伴う場合の点火時期制御のタ
イムチャートを第7図に示す。シフト条件が成立してA
のように、ta点において変速遅角パルス信号Pjが送出さ
れ、Bのように変速補正値θAが初期値θaに設定され
て変速ショック低減制御が開始された直後のtb点におい
て、エンジンに所定以上の強度のノッキングが発生した
場合には、Cのようにtb点以後においてノッキング補正
値θKがノッキング強度に応じて設定されるが、実際の
補正値はDに実線で示すように設定される。すなわち、
最終補正値θRは、ta点からtb点までは変速補正値θA
に設定され、tb点以後においては、変速補正値θAとノ
ッキング補正値θKとの値のうち大なる方の値に設定さ
れる。
これにより、変速補正値θAとノッキング補正値θK
とが同時に設定されることでも、第7図Dに破線で示す
ように遅角量が両者の和によって過度に大とされること
がなく、エンジン1の出力が過度に低下されてしまう事
態が回避される。しかも、最終補正値θRは、実質的に
変速ショック低減制御に必要とされる変速補正値θA
と、ノッキング回避制御に必要とされるノッキング補正
値θKとの両者に相当するものとされる。上記のように
制御を行うエンジン制御ユニット100および変速機制御
ユニット200は、それぞれマイクロコンピュータが用い
られて構成されるが、このマイクロコンピュータが実行
するプログラムの一例を第8図〜第10図のフローチャー
トを参照して説明する。
第8図のフローチャートは、変速機制御ユニット200
が変速制御に際して実行するプログラムを示す。制御ス
タート後、ステップS1において各種検出信号取り込み、
ステップS2において内蔵メモリに記憶されている第4図
に示すようなシフトパターンをあらわす変速マップにス
ロットル開度Thおよび車速Vを照合し、続く、ステップ
S3においてシフトアップもしくはシフトダウンのシフト
条件が成立したか否かを判定する。シフト条件が成立し
たYES判定時には、ステップS4でカウント数Cを零に設
定し、ステップS5において変速制御用プログラムを実行
して変速信号を出力しステップS7に進む。ステップS7は
スロットル開度Thが設定値TH1以上の負荷状態であるか
否かを判定するもので、この判定がYESで低負荷状態で
ない場合には、ステップS8において冷却水温Twが値TW1
以上の緩機完了状態であるか否かを判定し、この判定が
YESで緩機が完了している場合には、ステップS9でカウ
ント数Cの加算を行ってステップS10に進む。
ステップS10は上記カウント数Cが期間Taに対応する
値Aより小さい否かを判定するものであり、カウント数
Cが値A以上であるとNO判定された場合には、ステップ
S11でカウント数がCが値Aと等しいか否かを判定し、
等しくなった時すなわち最適動作時期となると、ステッ
プS12でタービン回転数Treがエンジン回転数の1200rpm
に相当する設定値TR1以上か否かを判定する。このステ
ップS12の判定がYESの場合が、シフト条件が成立して所
定期間Taが経過すると共に遅角禁止条件が成立していな
い状態であり、ステップS15に進んで変速遅角パルス信
号Pjをエンジン制御ユニット100に送出し、ステップS16
でカウント数Cを0にリセットし、点火時期の遅角制御
を実行して変速ショックを低減する。
上記ステップS10の判定がYESでカウント数Cが値A未
満の場合には元に戻り、ステップS3のNOの判定およびス
テップS6のYESの判定により、ステップS9でのカウント
数Cの加算を継続し、ステップS10の判定がNOとなるの
を待つ。
また、前記ステップS12の判定がNOでタービン回転数T
reが所定値TR1未満の場合には、期間Taの終了時には変
速遅角パルス信号Pjの送出は行わずに元に戻り、次にス
テップS11のNO判定によってステップS13に進んでカウン
ト数Cが値B未満か否かを判定する。このステップS13
の判定がYESの場合は、期間Ta経過後で期間Tbが終了す
るまでの遅延期間内であり、ステップS12でタービン回
転数Treが値TR1以上に増大した遅角可能か否かを判定
し、遅角可能条件となるとその時点で変速遅角パルス信
号Pjの送出を行う(S15)。
また、カウント数Cが値Bに達してステップS13の判
定がNOとなると、ステップS14でカウント数Cが値Bに
一致したか否かを判定し、一致したYES判定時にステッ
プS15に進んで変速遅角パルス信号Pjの送出を行う。こ
の場合、上記変速制御プログラムでは、遅角禁止条件を
入力信号の簡素化からエンジン回転数を直接判断せず、
これと相関関係であるタービン回転数によって判定して
いるので、ステップS14においてC=Bとなる最終時期
に変速遅角パルス信号Pjを送出して、後述のエンジン制
御プログラム(第9図)でエンジン回転数が1200rpmに
達しているか否かを判定し少しでも遅角状態を広くする
ようにしている。
第9図のフローチャートは、エンジン制御ユニット10
0が点火時期制御に際して実行するプログラムを示し、
制御スタート後、ステップS21において各種検出信号を
取り込み、ステップS22で吸気負圧とエンジン回転数と
に基づいて基本点火進角値θBを設定し、ステップS23
でスロットル開度Thが設定値TH1以上の負荷状態である
か否かを判定し、この判定がYESで低負荷状態でない場
合には、ステップS24において冷却水温Twが値TW1以上の
暖機完了状態であるか否かを判定し、この判定がYESで
暖機が完了している場合には、ステップS25で変速遅角
パルス信号Pjが供給されたか否かを判定する。この判定
がYESで変速遅角パルス信号Pjが供給された場合には、
ステップS26で検出信号Snがあらわすエンジン回転数N
が値N1(1200rpm)以上か否かを判定して、前記タービ
ン回転数の判定による変速遅角パルス信号Pjの供給にお
ける遅角禁止条件を確認し、誤作動を防止する。この判
定がYESの場合にはステップS27において、変速補正値θ
Aを初期値θaに設定し、ステップS28で遅角フラグFr
を1に設定してステップS29に進み、カウント数Uを零
にリセットしてから、ステップS31に進む。
ステップS31においては、後述のノッキング補正値設
定用プログラム(第10図)において設定されるノッキン
グ補正値θKを取り込み、続くステップS32において変
速補正値θAとノッキング補正値θKとを比較し、変速
補正値θAがノッキング補正値θKより大であると判断
された場合には、ステップS33で最終補正値θRを変速
補正値θAに設定してステップS35に進み、また、ステ
ップS32でノッキング補正値θKが変速補正値θA以上
であると判定された場合には、ステップS34において最
終補正値θRをノッキング補正値θKに設定してステッ
プS35に進む。
ステップS35においては、基本点火進角値θBから最
終補正値θRを減じて実効点火進角値θを設定し、続く
ステップS36で検出信号Scがあらわすクランク角に基づ
き、実効点火進角値θに対応した時期をもって点火時期
制御信号Cqを点火制御部8に送出して元に戻る。
また、前記ステップS23の判定がNOでスロットル開度T
hが値TH1未満の場合、および、ステップS24の判定がNO
で冷却水温Twが値TW1未満であると判定された場合に
は、ステップS37において変速補正値θAを零に設定
し、ステップS38で遅角フラグFrをリセットした後、ス
テップS31以降のノッキング補正を同様に実行して元に
戻る。
一方、ステップS25の判定がNOで変速遅角パルス信号P
jが供給されていないと判定された場合、およびステッ
プS26の判定がNOでエンジン回転数が1200rpm未満の場合
には、ステップS40において遅角フラグFrが1であるか
否かを判定し、遅角フラグFrが1でないときは、ステッ
プS37に進み変速補正値θAを零にする。また、ステッ
プS40がYES判定で遅角フラグが1にセットされている場
合には、ステップS41でカウント数Uを加算してから、
ステップS42でカウント数Uが期間Trに対応する値E以
上であるか否かによって復帰時期を判定し、NO判定でカ
ウント数Uが値E未満のときには復帰処理を行わずにス
テップS32に進む。一方、ステップS42の判定がYESとな
って期間Trが経過すると、ステップS43において変速補
正値θAから値Δθを減じて新たな変速補正値θAを設
定し、続くステップS44で減算した変速補正値θAが零
未満か否かをは判定し、零以上の場合にはそのまま、ま
た、負値となった場合にはステップS45で変速補正値θ
Aを零に設定してからステップS46に進み、遅角フラグF
rを零にリセットして前記ステップS32に進むものであ
る。
次に、第10図のフローチャートは、エンジン制御ユニ
ット100がノッキング補正値を設定する際に実行するプ
ログラムを示す。制御スタート後、ステップS51におい
て検出信号Skを取り込み、ステップS52で検出信号Skが
あらわすノッキング強度が所定以上であるか否かを判定
し、ノッキング強度が所定以上であると判定された場合
には、ステップS53においてノッキング強度に応じたノ
ッキング補正値θKを設定して元に戻る。一方、ノッキ
ング強度が所定以上でないNO判定時には、ステップS54
でノッキング補正値θKから値Δθを減じて新たなノッ
キング補正値θKを設定して進角処理し、ステップS55
でこのノッキング補正値θKが零未満であるか否かを判
定し、零以上の場合にはそのまま、また、負値となった
場合にはステップS56でノッキング補正値θKを零に設
定して元に戻る。
上記のような実施例によれば、変速ショックを低減す
るための点火時期の遅角制御を行う最適時期にエンジン
回転数が1200rpm未満の場合には遅角制御は行わず、遅
延期間内にエンジン回転数が1200rpmに達すると遅角制
御を開始し、その後の変速ショックを緩和することがで
きるものである。
なお、上記実施例においては、遅角禁止条件としてエ
ンジン回転数(タービン回転数)が所定値以下の低回転
状態に設定しているが、スロットル開度および冷却水温
の判定もこの遅角禁止条件として遅延期間内で遅角開始
可能としてもよく、また、その他のエンジン運転性能上
などから点火時期の遅角が好ましくない場合において変
速ショックを低減するための遅角制御を禁止するように
してもよい。
また、上記実施例では、シフトアップ実施例およびシ
フトダウン時のいずれかのシフト条件の場合にも変速シ
ョックを低減するべく点火時期の遅角制御を行っている
が、特に変速ショックの大きいシフトダウン時のみに行
うようにしてもよい。
(発明の効果) 上記のような本発明によれば、自動変速機の変速時に
変速ショック緩和のためのエンジンの点火時期遅角制御
を変速ショックのトルク増大時の最適時期に開始するに
ついて、エンジンの運転状態から遅角制御が不適当な場
合には遅角制御を禁止する一方、最適時期の後において
も遅角制御が有効な遅延期間を設定し、この遅延期間内
に運転状態の変化に伴い遅角禁止状態が解消すると遅角
制御を開始するようにしたことにより、遅角制御による
失火、振動の発生、加速性能の低下などを回避しつつ、
最適なタイミング後でも遅角制御によって可及的に変速
ショックを低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を明示するための機能ブロック
図、 第2図は一実施例における自動変速機の変速ショック低
減装置の概略構成図、 第3図は自動変速機の内部機構を示す概略図、 第4図は変速線図を示す特性図、 第5図〜第7図は各制御例におけるタイムチャート、 第8図〜第10図は制御ユニットの処理を説明するための
フローチャート図である。 A,1……エンジン、B,10……自動変速機、C……遅角制
御手段、D……第1開始手段、E……遅角禁止手段、F
……遅延期間設定手段、G……第2開始手段、5……点
火プラグ、20……変速機構、30……油圧回路部、100…
…エンジン制御ユニット、200……変速機制御ユニッ
ト。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速信号に対応して所定変速段に変速動作
    を行う自動変速機に対し、その変速時にエンジンの点火
    時期を遅角して変速動作に伴う変速ショックを緩和する
    遅角制御手段を備えた自動変速機の変速ショック低減装
    置であって、前記自動変速機の変速信号が出力されてか
    ら後の最適動作時期に、前記遅角制御手段による遅角制
    御を開始する第1開始手段と、エンジンの運転状態から
    遅角禁止状態を判定し、前記遅角制御手段による遅角制
    御の開始を禁止する遅角禁止手段と、上記最適動作時期
    を経過した後においても前記遅角制御手段の作動開始に
    よる遅角制御が有効な遅延期間を設定する遅延期間設定
    手段と、上記遅延期間設定手段と遅角禁止手段の信号を
    受け、遅延期間内に運転状態の変化に伴って遅角禁止状
    態が解消したときに前記遅角制御手段による遅角制御を
    開始する第2開始手段とを備えたことを特徴とする自動
    変速機の変速ショック低減装置。
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