JP2716930B2 - セラミックス接合体の製造方法 - Google Patents

セラミックス接合体の製造方法

Info

Publication number
JP2716930B2
JP2716930B2 JP27145193A JP27145193A JP2716930B2 JP 2716930 B2 JP2716930 B2 JP 2716930B2 JP 27145193 A JP27145193 A JP 27145193A JP 27145193 A JP27145193 A JP 27145193A JP 2716930 B2 JP2716930 B2 JP 2716930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular body
perforated plate
torch
ceramic
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27145193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07126078A (ja
Inventor
俊広 吉田
敬一郎 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP27145193A priority Critical patent/JP2716930B2/ja
Publication of JPH07126078A publication Critical patent/JPH07126078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2716930B2 publication Critical patent/JP2716930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス多孔板と
セラミックス管状体との接合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、その成分組成が酸化
物、非酸化物に拘らず、高度の耐熱・断熱性が有り、絶
縁性、導電性、磁気的・誘電的性質等の電気的・電子的
機能を有し、また、耐摩耗性等の機械的性質も優れ、各
種構造物の材料として既に使用され、研究開発されてい
る。セラミックスを機械部品材料や構造物材料として使
用する場合、種々の形状の機械部品や構造部材が要求さ
れ、また各部品や部材の組み合わせも求められることに
なり、一体成形により製造されるものは別として、あら
ゆる部分においてセラミックスを接合固定する必要が生
じる。
【0003】各種の部品・部材の中でも平板状部材と他
形状の部材とを組み合わせた接合体は、機械部品や構造
部材として多く使用され、平板に複数の孔を穿ち管状体
を貫通固定して使う例も多い。例えば、多管式熱交換器
などには、複数のセラミック管状体の両端部に、複数の
孔が形成された多孔板が接合固定された部材が使用され
ている。
【0004】このような複数の管状体の両端部に多孔板
が接合されたセラミックス接合体を製造する方法とし
て、図3に示すような複数の孔3を有するセラミックス
未焼結体である多孔板1の各々の孔に、セラミックス焼
結体である管状体の端部を挿入した状態で加熱焼成し、
両者の焼成収縮率の差を利用して一体的に接合する方法
が知られている。
【0005】そして、この場合の加熱焼成は、炉材から
のカーボン等の混入防止や雰囲気調整などを目的として
密閉構造とした匣鉢内において、図4に示すようにトチ
4を敷き、この上で管状体2が床面に対して垂直になる
ように立て、治具5aを用いることにより、管状体2の
上下両端にそれぞれ多孔板1a、1bが位置決めされた
状態にて行われるのが普通である。このように接合物を
直接匣鉢上に設置せず、匣鉢と多孔板との間にトチを介
在させるのは、匣鉢と多孔板が接触した状態で焼成を行
うと、匣鉢と多孔板との間の摩擦により、多孔板のスム
ーズな焼成収縮が妨げられて、変形が生じるからであ
る。そこで、このような変形防止の手段として、通常
は、多孔板と同等の焼成収縮率を有する材質からなるト
チ(基本的には多孔板と同材質)を匣鉢と管状体下端に
位置決めされた多孔板との間に介在させた状態で焼成を
行うのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法においては、トチと接触している管状体下端に位置決
めされた多孔板(以下、「下側多孔板」という)と、ト
チと接触していない管状体上端に位置決めされた多孔板
(以下、「上側多孔板」という)とでは、焼成条件に差
が生じることとなり、特に熱容量の大きな比較的大型の
トチを用いる場合には、この焼成条件の差は無視できな
いものとなる。すなわち、このような焼成条件の差によ
って、上端の接合部と下端の接合部とで接合のタイミン
グにズレが生じるなどした場合には、多孔板の反りや割
れ、管状体の変形、接合部気密性の劣化などの問題が発
生するのである。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題に鑑
みてなされたものであって、その目的とするところは、
下側多孔板と、上側多孔板との焼成条件の差を解消し、
多孔板の反りや割れ、管状体の変形、あるいは接合部の
気密性劣化などの無い優れたセラミックス接合体を製造
できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題解決するための手段】上記目的を達成するため、
本発明によれば、複数の孔を有するセラミックス未焼結
体である多孔板の各々の孔に、セラミックス焼結体であ
る管状体を挿入し、該管状体を床面に対して垂直に立て
該管状体の上下両端にそれぞれ多孔板が位置決めされた
状態で加熱焼成し、両者の焼成収縮率の差を利用して一
体的に接合することにより、複数の管状体の両端部に多
孔板が接合されたセラミックス接合体を製造する方法に
おいて、管状体の下端に位置決めされた多孔板の下に所
定の間隔を設けてトチを設置した状態にて加熱焼成を行
うことを特徴とするセラミックス接合体の製造方法が提
供される。なお、本発明において、「セラミックス未焼
結体」とは、セラミックスの成形体(生素地)又は仮焼
体(仮焼素地)を意味する。
【0009】
【作用】本発明の製造方法においては、下側多孔板の下
に、所定の間隔を設けてトチを設置した状態、すなわち
下側多孔板と匣鉢の間に介在させるトチを、下側多孔板
から分離した状態にて加熱焼成を行うので、下側多孔板
はトチから大きな熱的影響を受けることなく、上側多孔
板とほぼ同じ条件で焼成され管状体と接合一体化する。
したがって、上端の接合部と下端の接合部との接合のタ
イミングもほぼ合致し、多孔板の割れや反り、管状体の
変形、あるいは接合部の気密性劣化等のない優れた接合
体が得られる。
【0010】下側多孔板とトチとを分離状態とするため
の具体的な手段としては、下側多孔板とトチの間に治具
を介在させることが好ましい。図1は治具を用いて下側
多孔板とトチとを分離状態とした場合の一例を示す側面
説明図である。図1において、上側多孔板1aは、従来
と同様に上側多孔板1aと下側多孔板1bの間に介在さ
せた治具5aによって支持及び位置決めされる。そし
て、本例では更に下側多孔板1bと匣鉢上に敷かれたト
チ4との間に治具5bを介在させることで、下側多孔板
1bとトチ4との分離状態を形成している。
【0011】なお、本例では図示のように、管状体2を
予め所定の分離間隔分長めに作製しておき、管状体2の
下端が下側多孔板1bの孔を貫通してトチ4の表面に接
触した状態にて加熱焼成するのが好ましい。これによ
り、管状体2の下端部底面とトチ4の間に更に別個の治
具を介在させることなく、容易に管状体2の上端と上側
多孔板1aとの接合部の位置決めを行うことができる。
下側多孔板1bの下方に突出した管状体2の下端部分
は、加熱焼成による接合完了後、所望により切除すれば
よい。
【0012】下側多孔板とトチとの分離間隔は、10m
m以上とすることが、焼成過程におけるトチからの熱的
影響を効果的に回避する観点から好ましい。治具の素材
としては、焼成温度で軟化しないものが好ましく、ま
た、治具は軽量化のため中空状とすることが望ましい。
【0013】本発明の接合体に使用されるセラミックス
としては、酸化物及び非酸化物等のいずれのセラミック
スを用いてもよく、接合体が使用される構造部材の種
類、機械的強度等必要な使用条件に応じ適宜選択すれば
よい。例えば、エンジン、産業機械及び熱交換器等に使
用する場合は、高強度・高耐熱性の窒化珪素や炭化珪素
が用いられる。多孔板と管状体とは、通常同種のセラミ
ックスで構成される。また、多孔板の形状、厚み、大き
さ、多孔板に設けられる孔の数や配置などは特に制限さ
れず、使用目的、条件等にあわせて適宜選択すればよ
い。多孔板の孔は、多孔板の基本形状となる板状体の成
形時に同時に設けてもよいし、成形後に押し抜きや超音
波加工等の手段により穿つようにしてもよい。トチの形
状は、通常、孔が無い以外は多孔板と同形状とし、材質
も基本的には多孔板と同材質とする。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0015】(実施例1)Si34粉末1000gに、
焼結助剤としてY23 10g、MgO 10g、ZrO
2 5g、有機バインダーとしてポリビニルアルコール1
gを添加し、更に水1000gを加え、Si34玉石
(φ5mm)を用いてアトライタにより4時間粉砕・混合
を行った。得られた微粉砕混合物を、スプレードライヤ
ーによって乾燥・造粒して得た粉末を原料として、押出
成形により管状の成形体を作製し、110℃で10時間
乾燥させた。乾燥後500℃で5時間バインダー仮焼を
行い、更に1650℃で1時間焼成して、外径8mm、内
径6mm、長さ300mmの管状体を得た。
【0016】また、管状体の作製に用いたものと同じ原
料を用いて、静水圧プレス成形により、7ton/cm2の圧
力を加えて板状の成形体を作製した。これを上記管状体
の作製におけると同様の条件で乾燥及びバインダー仮焼
し、更に窒素雰囲気中1350℃で3時間仮焼を行っ
た。得られた350×170mm、厚さ20mmの仮焼体
に、超音波加工により、管状体を挿入し接合するための
孔径9.3mmの複数の孔を形成し、多孔板を得た。
【0017】次いで、図1に示すように、得られた多孔
板1a、1bの各孔に、それぞれ管状体2の端部を挿入
し、治具5a、5bを用いて接合部の位置決め、及び下
側多孔板1bとトチ4の分離状態の形成を行い、この状
態にて窒素雰囲気中1600℃で3時間加熱焼成し、多
孔板1a、1bと管状体2を接合一体化した。なお、ト
チ4は孔を形成しない以外は多孔板と同様にして作製さ
れたものであり、治具5a、5bは管状体の作製に用い
たものと同じ原料を用いて作製した管状の焼結体であ
る。また、下側多孔板1bとトチ4との分離間隔は30
mmとし、焼成接合の締め代は0.2mmとした。焼成
接合完了後、下側管板1bの下方に突出した管状体2の
下端部分を切除し、図2に示すような管状体2の上下両
端部に多孔板1a、1bが接合されたセラミックス接合
体を得た。
【0018】得られたセラミックス接合体には、多孔板
の割れは認められなかった。また、管状体の真直度は1
mm以下であり、多孔板の平面度は上下共0.5mmであ
った。更に、このセラミックス接合体から、1本の管状
体に上端部又は下端部のどちらか一方のみ多孔板が接合
されたサンプルを切り出し、図5に示す気密性試験装置
を用いて接合部の気密性を調べた。図5においてサンプ
ル11は、水槽8に設置された保持治具7により保持さ
れており、保持治具7とサンプル11との間はOリング
9により封止されている。そして、この状態で7kg/cm2
のエアを通気路10を介して負荷し接合部からのエアの
漏出の有無を調べたところ、漏出量は1ml/secと良好で
あった。
【0019】(実施例2)下側多孔板1bとトチ4との
分離間隔を5mmとした以外は上記実施例1と同様にし
てセラミックス接合体を得た。得られたセラミックス接
合体には、多孔板の割れは認められなかった。また、管
状体の真直度は2mm以下であり、多孔板の平面度は
1.5mmであった。更に、実施例1と同様にして接合部
の気密性を調べたところ接合部からのエアの漏出量は5
ml/secであった。
【0020】(比較例)図4に示すように、下側多孔板
1bとトチ4とが接触した状態で加熱焼成した以外は、
実施例1と同様にしてセラミックス接合体を作製したと
ころ、下側多孔板1bに割れが発生した。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
焼成収縮率差を利用したセラミックス多孔板とセラミッ
クス管状体との接合体の製造において、管状体の下端に
位置決めされた多孔板とトチとの間に所定の間隔を設
け、これらを分離した状態で加熱焼成を行うことによ
り、多孔板の反りや割れ、管状体の変形、あるいは接合
部の気密性劣化などの無い優れたセラミックス接合体を
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックス接合体の製造方法の
一例を示す側面説明図である。
【図2】セラミックス接合体の一例を示す側面図であ
る。
【図3】多孔板の平面図である。
【図4】従来のセラミックス接合体の製造方法を示す側
面説明図である。
【図5】気密性試験装置を示す説明図である。
【符号の説明】 1…多孔板、1a…上側多孔板、1b…下側多孔板、2
…管状体、3…孔、4…トチ、5a,5b…治具、7…
保持治具、8…水槽、9…Oリング、10…通気路、1
1…サンプル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の孔を有するセラミックス未焼結体
    である多孔板の各々の孔に、セラミックス焼結体である
    管状体を挿入し、該管状体を床面に対して垂直に立て該
    管状体の上下両端にそれぞれ多孔板が位置決めされた状
    態で加熱焼成し、両者の焼成収縮率の差を利用して一体
    的に接合することにより、複数の管状体の両端部に多孔
    板が接合されたセラミックス接合体を製造する方法にお
    いて、管状体の下端に位置決めされた多孔板の下に所定
    の間隔を設けてトチを設置した状態にて加熱焼成を行う
    ことを特徴とするセラミックス接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 管状体の下端に位置決めされた多孔板と
    トチの間隔が10mm以上である請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 管状体の下端に位置決めされた多孔板と
    トチの間に治具を介在させることによって、所定の間隔
    を設ける請求項1又は2に記載の製造方法。
JP27145193A 1993-10-29 1993-10-29 セラミックス接合体の製造方法 Expired - Fee Related JP2716930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27145193A JP2716930B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 セラミックス接合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27145193A JP2716930B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 セラミックス接合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126078A JPH07126078A (ja) 1995-05-16
JP2716930B2 true JP2716930B2 (ja) 1998-02-18

Family

ID=17500214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27145193A Expired - Fee Related JP2716930B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 セラミックス接合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2716930B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07126078A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102226887B1 (ko) 천이 액체상, 알루미늄 질화물 부품의 무가압 연결
KR100634182B1 (ko) 기판 가열 장치와 그 제조 방법
JP2713688B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP2882996B2 (ja) セラミックス接合体製造用の治具及び該治具を用いたセラミックス接合体の製造方法
EP0798532A2 (en) Ceramic shell-and-tube type heat exchanger and method for manufacturing the same
JP2716930B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP2802013B2 (ja) セラミックスの接合方法
JP2813105B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JPH0579630B2 (ja)
JP2738900B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP2883003B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP2878923B2 (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP2915780B2 (ja) セラミック製シェルアンドチューブ型熱交換器の製造方法
JP2801947B2 (ja) セラミック接合体
JPH06279130A (ja) セラミックス接合体の製造方法
JP3688156B2 (ja) セラミック接合体とその製造方法
JP3268423B2 (ja) 多層セラミック焼結体の製造装置
JP2024065891A (ja) セラミックスヒーター
JP3001450B2 (ja) セラミック焼結体の製造方法
CN211316958U (zh) 一种高稳定、低损耗陶瓷滤波器制备用高温烧结定位工装
JP2771306B2 (ja) セラミック接合体
JP2843450B2 (ja) セラミック接合方法
JP3746622B2 (ja) セラミックスヒータの製造方法
JPH10120469A (ja) セラミック基板の製造方法
KR200224664Y1 (ko) 지르코니아 샌드위치 플래이트구조

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19971028

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees