JP2716860B2 - 同位体分離方法およびその実施に用いる熱拡散塔 - Google Patents

同位体分離方法およびその実施に用いる熱拡散塔

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、同位体等を含むガスの分離に関し、特に対
向配置された温壁と冷壁との間のガス分子の熱拡散を利
用した同位体分離方法およびその実施に用いる熱拡散塔
に関する。
[従来の技術] ガス分子(原子を含む)は、有限温度において熱運動
を行なう。運動エネルギEkはEk=(1/2)mv2と表わせ
る。ここで、mは分子の質量、vは分子の速さである。
同位体としてトリチウム(T)を含む水素ガスの場合、
水素分子H2の質量は約2であるのに対し、トリチウムと
水素からなる分子HTの質量は約4(1+3=4)であ
る。このため、同一温度におけるH2分子と、HT分子のも
つ熱運動の平均速度は大きく異なる。また、温度が変わ
ると平均速度も変化する。このため、温度勾配を形成す
ると、質量の異なるガス分子の分布は異なるものとな
る。この現象を利用して同位体を分離・濃縮することが
可能である。
以上、述べた同位体分離を行なうものとして、熱拡散
塔がある。
細長い塔を重力場の中で鉛直に立て、塔の中心に熱線
を張り、高温に加熱すると共に、塔壁は水冷して常温付
近の温度に保つ。
このような熱拡散塔を形成すると、半径方向に温度勾
配が形成される。熱拡散塔内でガス分子は熱拡散を行な
うと共に対流を生じる。半径方向の温度勾配下での熱拡
散によって、軽い分子であるH2の分布と比較して、重い
分子であるHTは高温部で欠乏し、低温部で濃縮される。
すなわち、塔中央はHTの濃度が低く、塔壁付近はHTの濃
度が高くなる。塔中央の高温ガスは上方へ、塔壁付近の
比較的低温のガスは下方へと対流を起こして移動する。
そこで、下方でガスを回収すると、HTの濃度が高いガス
が得られ、上方で回収したガスにはHTの濃度が低い。
第2図に、このような従来の技術による熱拡散塔の例
を概略的に示す。
反応容器筒体31は、金属、ガラス等で形成され、気密
なガス容器を構成する。この反応容器筒体31の上部およ
び下部にはガス流入/流出口34、35が形成されている。
また、反応容器筒体31の上端には、フランジ32が接続さ
れており、反応容器31の下端は、フランジ33が接続され
ている。これらのフランジ32、33と結合するように、蓋
体38、39が設けられている。下部蓋体39は、めくら蓋で
あり、上部蓋体38は、所望のフィードスルーが設けられ
ている。図には、熱線に対する電流を供給する電極44、
45が示されているが、その他必要なフィールドスルーを
設けることができる。電極44には、タングステン、白金
等の線で形成された熱線46が接続されている。この熱線
46は、鉛直下方に吊下がるようにその先端に錘48が取付
けられている。また、熱線46が反応容器筒体31の中心軸
近傍を通過するように、熱線46には適宜、スペーサ49が
取付けられており、反応容器筒体の内壁から所定の距離
に熱線46を配置する。他方の電極45には、熱線46の下端
に電流を供給するためのリード線47が接続されている。
リード線47は絶縁碍子によって被覆され、反応容器筒体
31および熱線46と接触しても、電気的絶縁状態を保つよ
うにされている。また、リード線47下部においては、熱
線46の熱膨脹による伸縮を許容するように、熱線46との
接触に関し、余裕を撮らせた構成となっている。
反応容器筒体31の外壁は、水冷ジャケット40によって
覆われている。水冷ジャケット40は反応容器筒体31と共
に、水容器を構成する。また、この水冷ジャケット40の
下部および上部に水出入口41、42が設けられ、冷却水を
下部の水出入口41から供給し、上部水出入口42から排出
する。
このような熱拡散塔において、反応容器内に分離すべ
き同位体を含むガスを収容し、中央の熱線46をたとえ
ば、約1000℃に加熱し、水冷ジャケット40に冷却水を供
給し、半径方向に温度勾配を形成して同位体分離を行な
う。
同位体分離の分離効率を上げるためには、冷壁と温壁
との温度差が大きいことが望まれる。このため、温壁の
温度をたとえば、1000℃のような高温に設定して熱拡散
塔を運転している。
しかしながら、温壁の温度を高温に設定すると、同位
体平衡反応が生じる。すなわち、たとえば水素H2とデュ
ウテリュウムD2との混合気体の場合、同位体平衡反応 H2+D2→2HD が生じる。このような同位体平衡反応が生じると、所望
のデュウテリュウムD2の分離効率は著しく低下してしま
う。
本出願人は、先に温壁の温度を同位体平衡反応が生じ
る温度以下に制限し、冷壁の温度を冷媒によって冷却
し、ガスが凝縮・液化を始める温度以上、常温以下の温
度に冷却する熱拡散塔を提案した(特願平2−42049
号)。
冷媒を用い、冷壁の温度を冷却することにより、温壁
の温度が低くても分離効率を向上させることが可能とな
る。
[発明が解決しようとする課題] トリチウム等の放射性物質の分離の場合には、透過・
リーク等により、冷却水や冷媒が汚染される可能性があ
る。しかしながら、放射能が基準値以下であれば、冷却
水はそのまま捨てられたり、液体窒素のような冷媒の場
合には、大気にそのまま放出されていた。安全性の面か
らは、たとえ基準値以下であっても、放射能を含む物質
をそのまま排出することは望ましくはない。
本発明の目的は、放射性物質の分離の場合にも安全性
の高い同位体分離方法およびその実施のための熱拡散塔
を提供することである。
本出願人は、先の提案に基づき、冷壁を液体窒素で冷
却した熱拡散塔による実験を行なっている。冷壁を液体
窒素で冷却することにより、優れた分離効率を上げてい
るが、他の温度において分離実験は行なわれていない。
しかしながら、分離すべきガスの種類に応じては冷壁の
温度が最適であるとは限らない。ガスの種類に応じ、最
適の冷壁温度を実現するためには、任意の温度に冷壁を
制御することのできるシステムが望まれる。
また、液体窒素を冷媒とし、安全性の点からクローズ
ドループで使用しようとすると、高圧ガスの規制を受け
ることになる。装置の保守運転上、高圧ガスの規制を受
けない装置で同等の機能を発揮できることが望ましい。
[課題を解決するための手段] 本発明の同位体分離方法は、冷壁と温壁間に同位体を
含むガスを供給し、同位体を分離する方法であって、温
壁に熱を与えて加熱すると共に、冷壁をHe冷凍機で常温
以下に冷却し、使用したHe冷媒を再び冷凍機に戻してク
ローズドサイクルで使用する。
また、本発明の熱拡散塔は、冷壁と温壁との間にガス
収容容器を形成し、熱拡散により、同位体を分離する熱
拡散塔であって、温壁を加熱するヒータと、冷壁に結合
された冷媒通路と冷媒通路に接続されたHe冷凍機とを含
み、冷媒をクローズドサイクルで使用して冷壁を冷却す
る冷却手段とを有する。
[作用] He冷凍機を使用することとにより、冷壁の温度を十分
低い温度に設定することができる。このため、温壁の温
度として比較的低い温度を選択しても、高い分離効率を
得ることができる。
Heをクローズドサイクルで使用することにより、放射
能のリークが生じたとしても外部に拡散することが防止
される。
また、冷却効率を制御することにより、任意の温度に
冷壁を設定することが可能となる。
[実施例] 第1図に、本発明の実施例による熱拡散塔の概略断面
図を示す。
反応容器1は、細長い筒型形状を有し、底部および頂
部にガス流入/流出口4、5を有する。また、反応容器
1の中心軸に沿って発熱体6が配置されている。反応容
器1は、たとえばステンレス等の金属、あるいは耐熱ガ
ラス等によって構成される。また、発熱体6はタングス
テン、白金等の抵抗金属線ないしは、ヒータを内蔵した
シースヒータで構成できる。この発熱体6の外周が温壁
を構成する。同位体平衡反応が実質的に進行しないよう
にするには、たとえば温壁の温度を約200℃以下とす
る。反応容器1の外周は、冷媒ジャケット11によって取
囲まれている。冷媒ジャケット11は、その底部および頂
部に冷媒流入/流出口12、13を有し、冷媒通路14を介し
て冷凍機15に接続される。冷凍機15はHeを用い、流体ヘ
リウム温度近傍までの冷却を可能とする冷凍機である。
また、冷媒ジャケット11の反応容器1外周との接続部分
には、冷却制御手段17が設けられている。冷壁の温度は
分離効率を上げるためには、低く設定するのがよい。た
だし、結露、液化温度以上とする。たとえば数十度Kの
オーダとする。冷却制御手段17は、たとえば熱伝導率を
制御することのできる部材、もしくは発熱体によって構
成される。冷却制御手段17の熱伝導率が可変制御される
と、同一の冷媒を供給しても反応容器1外壁上で取去ら
れる熱量に差が生じ、異なる温度となる。また、冷却制
御手段としてヒータを用いた場合は、冷媒によって取去
る熱と、ヒータが供給する熱との差が実質的に取去られ
る熱量となり、反応容器1外壁上の温度が制御される。
冷媒は、冷凍機15から冷媒流入口12を介して冷媒ジャ
ケット11内に供給され、昇温されて冷媒流出口13から冷
媒通路14を通って再び冷凍機15に回収される。冷媒は繰
返しクローズドループで使用されるため、反応容器から
の放射能漏れが生じたとしても、その放射能が外部に拡
散することは防止される。
また、分離すべきガスの種類に応じて、冷却制御手段
17を調整し、最適の冷壁温度を選択することにより、最
適条件でガス分離を行なうことが可能となる。
最適条件で同位体分離を行なうと、分離効率が上昇す
るため、同位体分離システム全体としての構成を簡単に
することが可能となる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこ
れらに制限されるものではない。たとえば、熱拡散塔の
外壁を冷却する構成を説明したが、熱拡散塔外壁を加熱
し、熱拡散塔中央部に冷却壁を設けるような構成として
もよい。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可
能なことは当業者に自明であろう。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、熱拡散塔に冷
壁を冷媒によって冷却し、冷媒を冷凍機を介してクロー
ズドシステムで繰返し使用することにより、高い安全性
と高い分離効率とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例による熱拡散塔を概略的に示
す断面図、 第2図は、従来の技術による熱拡散塔を概略的に示す断
面図である。 図において、 1……反応容器 4、5……ガス流入/流出口 6……発熱体 11……冷媒ジャケット 12、13……冷媒流入/流出口 14……冷媒通路 15……冷凍機 17……冷却制御手段 40……水冷ジャケット 41、42……水出入口

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷壁と温壁間に同位体を含むガスを供給
    し、同位体を分離する方法であって、 温壁に熱を与えて加熱すると共に、冷壁をHe冷凍機で常
    温以下に冷却し、使用したHe冷媒を再び冷凍機に戻して
    クローズドサイクルで使用する 同位体分離方法。
  2. 【請求項2】冷壁と温壁との間にガス収容容器を形成
    し、熱拡散により、同位体を分離する熱拡散塔であっ
    て、 温壁を加熱するヒータと、 冷壁に結合された冷媒通路と冷媒通路に接続されたHe冷
    凍機とを含み、冷媒をクローズドサイクルで使用して冷
    壁を冷却する冷却手段とを有する熱拡散塔。
JP25812390A 1990-09-27 1990-09-27 同位体分離方法およびその実施に用いる熱拡散塔 Expired - Lifetime JP2716860B2 (ja)

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