JP2716047B2 - 医療用頭蓋固定枠 - Google Patents
医療用頭蓋固定枠Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、リング状の枠本体とこ
の枠本体に設けられた頭蓋固定用ピンとを備えて患者の
頭蓋を固定する医療用頭蓋固定枠に関する。
の枠本体に設けられた頭蓋固定用ピンとを備えて患者の
頭蓋を固定する医療用頭蓋固定枠に関する。
【０００２】
【従来の技術】従前より、ＣＴ（Computed tomograrhy
）誘導定位脳手術は、脳内血種吸引、脳腫瘍生検など
の多くの疾患で、有効な治療法として広く用いられてい
る。そしてこのような定位脳手術においては、頭部撮像
を必要とする。撮像方式としてはＭＲＩ（Magnetic res
onance imaging）が導入されてきている。このＭＲＩ
は、強磁場で水素の核磁気共鳴により得られる微弱な信
号を処理して画像を作成する方式である。
）誘導定位脳手術は、脳内血種吸引、脳腫瘍生検など
の多くの疾患で、有効な治療法として広く用いられてい
る。そしてこのような定位脳手術においては、頭部撮像
を必要とする。撮像方式としてはＭＲＩ（Magnetic res
onance imaging）が導入されてきている。このＭＲＩ
は、強磁場で水素の核磁気共鳴により得られる微弱な信
号を処理して画像を作成する方式である。
【０００３】このような撮像に際しては、周知のように
患者の頭蓋を固定枠にて固定するようにしている。従来
の固定枠を図５に示している。固定枠本体１は、例えば
カーボン繊維によりリング状に形成された枠主部２と、
これの複数箇所に一体的に取付けられたカーボン繊維か
ら成る取付片部３とから構成されている。そして、各取
付片部３には、チタン合金から成る頭蓋固定用ピン４が
螺挿されている。この場合、ピン４には雄ねじ４ａが形
成され、取付片部３側には、雌ねじ（図示せず）を形成
したチタン合金から成るねじ筒５が装着され、このねじ
筒５にピン４が螺挿されている。
患者の頭蓋を固定枠にて固定するようにしている。従来
の固定枠を図５に示している。固定枠本体１は、例えば
カーボン繊維によりリング状に形成された枠主部２と、
これの複数箇所に一体的に取付けられたカーボン繊維か
ら成る取付片部３とから構成されている。そして、各取
付片部３には、チタン合金から成る頭蓋固定用ピン４が
螺挿されている。この場合、ピン４には雄ねじ４ａが形
成され、取付片部３側には、雌ねじ（図示せず）を形成
したチタン合金から成るねじ筒５が装着され、このねじ
筒５にピン４が螺挿されている。
【０００４】しかして、このような固定枠は、図示しな
い支持フレームに取付けられて患者の頭蓋を固定する。
そしてこの固定状態で頭部撮像が行われる。
い支持フレームに取付けられて患者の頭蓋を固定する。
そしてこの固定状態で頭部撮像が行われる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ＭＲＩ撮像
の場合、画像歪み対策が今後の課題として残されてい
る。画像歪みの原因の一つとして、次のことが考察され
る。すなわち、ＭＲＩ撮像の場合、強磁場が形成される
ので、固定枠本体１がいわゆる無端コイルとして作用
し、この固定枠本体１に図５の符号ｉで示すような電流
が発生し、これが信号にも影響し画像歪みの一つの原因
となる。また、各ピン４間と固定枠本体１との間に弱電
流ｉｓが発生することも無視できない。
の場合、画像歪み対策が今後の課題として残されてい
る。画像歪みの原因の一つとして、次のことが考察され
る。すなわち、ＭＲＩ撮像の場合、強磁場が形成される
ので、固定枠本体１がいわゆる無端コイルとして作用
し、この固定枠本体１に図５の符号ｉで示すような電流
が発生し、これが信号にも影響し画像歪みの一つの原因
となる。また、各ピン４間と固定枠本体１との間に弱電
流ｉｓが発生することも無視できない。
【０００６】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
のであり、その目的は、頭部撮像に際して画像歪みを少
なくできる医療用頭蓋固定枠を提供するにある。
のであり、その目的は、頭部撮像に際して画像歪みを少
なくできる医療用頭蓋固定枠を提供するにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の医療用頭蓋固定
枠は、患者の頭蓋を固定するものであって、カーボン繊
維からなるリング状の枠本体と、この枠本体に設けられ
た頭蓋固定用ピンとを備えたものにおいて、前記枠本体
の周方向の一部分を電気絶縁材により構成し、且つ、こ
の枠本体と前記ピンとの間に電気絶縁材からなるブッシ
ュを介在させて成るところに特徴を有する。
枠は、患者の頭蓋を固定するものであって、カーボン繊
維からなるリング状の枠本体と、この枠本体に設けられ
た頭蓋固定用ピンとを備えたものにおいて、前記枠本体
の周方向の一部分を電気絶縁材により構成し、且つ、こ
の枠本体と前記ピンとの間に電気絶縁材からなるブッシ
ュを介在させて成るところに特徴を有する。
【０００８】
【作用】上記手段によれば、枠本体の周方向の一部分が
電気絶縁材により構成されていることから、この枠本体
が無端コイルのような導体として作用することはなく、
従っていわゆるコイル電流が発生することもない。ま
た、枠本体とピンとの間に電気絶縁材からなるブッシュ
を介在させているから、各ピンおよび枠本体間において
は電路が形成されることがなくて電流の発生はない。
電気絶縁材により構成されていることから、この枠本体
が無端コイルのような導体として作用することはなく、
従っていわゆるコイル電流が発生することもない。ま
た、枠本体とピンとの間に電気絶縁材からなるブッシュ
を介在させているから、各ピンおよび枠本体間において
は電路が形成されることがなくて電流の発生はない。
【０００９】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図１ないし図
４を参照して説明する。図１および図２には、固定枠１
１の全体構成を示している。枠本体１２は、リング状に
形成された枠主部１３と、これの複数箇所に一体的に取
付けられたカーボン繊維から成る取付片部１４とから構
成されている。
４を参照して説明する。図１および図２には、固定枠１
１の全体構成を示している。枠本体１２は、リング状に
形成された枠主部１３と、これの複数箇所に一体的に取
付けられたカーボン繊維から成る取付片部１４とから構
成されている。
【００１０】枠主部１３は、有端リング状をなすカーボ
ン繊維からなるリング主体１５と、電気絶縁材例えばガ
ラス繊維入り樹脂からなる絶縁体１６とを接合して構成
されている。すなわち、リング主体１５の対向する両端
部は、図３に示すように、段付形状を成しており、絶縁
体１６はその両側端が、リング主体１５の各段部１５
ａ，１５ｂと合致する形状に形成されている。そして、
この絶縁体１６とリング主体１５とは、接着剤による接
合とピン１５ｃによる接合とで接合されている。この結
果、枠本体１２における周方向の一部分は電気絶縁材に
より構成されている。
ン繊維からなるリング主体１５と、電気絶縁材例えばガ
ラス繊維入り樹脂からなる絶縁体１６とを接合して構成
されている。すなわち、リング主体１５の対向する両端
部は、図３に示すように、段付形状を成しており、絶縁
体１６はその両側端が、リング主体１５の各段部１５
ａ，１５ｂと合致する形状に形成されている。そして、
この絶縁体１６とリング主体１５とは、接着剤による接
合とピン１５ｃによる接合とで接合されている。この結
果、枠本体１２における周方向の一部分は電気絶縁材に
より構成されている。
【００１１】前記各取付片部１４には、患者頭部を固定
するためのチタン合金からなるピン１７が螺挿されてい
る。その構成について述べる。図４は、取付片部１４に
おけるピン１７の螺挿構成を示している。取付片部１４
には取付孔１８が形成されており、この取付孔１８には
電気絶縁材例えばガラス繊維入り樹脂からなるブッシュ
１９が嵌合固着されている。そして、このブッシュ１９
には、チタン合金からなるねじ筒２０が嵌合固着されて
いる。このねじ筒２０の内面には雌ねじ２０ａが形成さ
れている。
するためのチタン合金からなるピン１７が螺挿されてい
る。その構成について述べる。図４は、取付片部１４に
おけるピン１７の螺挿構成を示している。取付片部１４
には取付孔１８が形成されており、この取付孔１８には
電気絶縁材例えばガラス繊維入り樹脂からなるブッシュ
１９が嵌合固着されている。そして、このブッシュ１９
には、チタン合金からなるねじ筒２０が嵌合固着されて
いる。このねじ筒２０の内面には雌ねじ２０ａが形成さ
れている。
【００１２】前記ピン１７の先端は尖角状をなし、外周
面には雄ねじ１７ａが形成されている。このピン１７は
前記ねじ筒２０に螺挿されている。しかして、この図４
から判るように、枠本体１２の取付片部１４とピン１７
との間は、電気絶縁材製のブッシュ１９が介在されてい
る。
面には雄ねじ１７ａが形成されている。このピン１７は
前記ねじ筒２０に螺挿されている。しかして、この図４
から判るように、枠本体１２の取付片部１４とピン１７
との間は、電気絶縁材製のブッシュ１９が介在されてい
る。
【００１３】このように構成された固定枠１１は、図示
しない支持フレームに取付けられて患者の頭蓋を固定す
る。そしてこの固定状態でＭＲＩ撮像による頭部撮像が
行われる。この際、強磁場が形成されるが、しかし本実
施例によれば、枠本体１２の周方向の一部分が絶縁体１
６（電気絶縁材）により構成されていることから、この
枠本体１２が無端コイルのような導体として作用するこ
とはなく、従っていわゆるコイル電流が発生することも
ない。また、枠本体１２とピン１７との間に電気絶縁材
からなるブッシュ１９を介在させているから、各ピン１
７および枠本体１２間においては電路が形成されること
がなくて電流の発生はない。この結果、ＭＲＩ撮像によ
る画像の歪みを少なくできる。
しない支持フレームに取付けられて患者の頭蓋を固定す
る。そしてこの固定状態でＭＲＩ撮像による頭部撮像が
行われる。この際、強磁場が形成されるが、しかし本実
施例によれば、枠本体１２の周方向の一部分が絶縁体１
６（電気絶縁材）により構成されていることから、この
枠本体１２が無端コイルのような導体として作用するこ
とはなく、従っていわゆるコイル電流が発生することも
ない。また、枠本体１２とピン１７との間に電気絶縁材
からなるブッシュ１９を介在させているから、各ピン１
７および枠本体１２間においては電路が形成されること
がなくて電流の発生はない。この結果、ＭＲＩ撮像によ
る画像の歪みを少なくできる。
【００１４】なお、上記実施例では、枠本体１２をリン
グ状の枠主部１３と取付片部１４とから構成したが、例
えばピン１７を枠主部１３に螺挿する構成とすれば、取
付片部１４は無くても良い。その他、本発明は要旨を逸
脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
グ状の枠主部１３と取付片部１４とから構成したが、例
えばピン１７を枠主部１３に螺挿する構成とすれば、取
付片部１４は無くても良い。その他、本発明は要旨を逸
脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【００１５】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、患者の頭蓋を固定するものであって、カーボン繊維
からなるリング状の枠本体と、この枠本体に設けられた
頭蓋固定用ピンとを備えたものにおいて、前記枠本体の
周方向の一部分を電気絶縁材により構成し、且つ、この
枠本体と前記ピンとの間に電気絶縁材からなるブッシュ
を介在させる構成としたから、頭部撮像に際して固定枠
自体に電流が発生することをなくし得、もって画像歪み
を少なくできるという優れた効果を奏する。
に、患者の頭蓋を固定するものであって、カーボン繊維
からなるリング状の枠本体と、この枠本体に設けられた
頭蓋固定用ピンとを備えたものにおいて、前記枠本体の
周方向の一部分を電気絶縁材により構成し、且つ、この
枠本体と前記ピンとの間に電気絶縁材からなるブッシュ
を介在させる構成としたから、頭部撮像に際して固定枠
自体に電流が発生することをなくし得、もって画像歪み
を少なくできるという優れた効果を奏する。
【図１】本発明の一実施例を示す全体の正面図
【図２】全体の側面図
【図３】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図
【図４】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図
【図５】従来例を示す図１相当図
【符号の説明】 １１は固定枠、１２は枠本体、１３は枠主部、１４は取
付片部、１５はリング主体、１６は絶縁体、１７はピ
ン、１９はブッシュ、２０はねじ筒である。
付片部、１５はリング主体、１６は絶縁体、１７はピ
ン、１９はブッシュ、２０はねじ筒である。
Claims (1)
- 【請求項１】 患者の頭蓋を固定するものであって、カ
ーボン繊維からなるリング状の枠本体と、この枠本体に
設けられた頭蓋固定用ピンとを備えたものにおいて、前
記枠本体の周方向の一部分を電気絶縁材により構成し、
且つ、この枠本体と前記ピンとの間に電気絶縁材からな
るブッシュを介在させて成ることを特徴とする医療用頭
蓋固定枠。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3299747A JP2716047B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 医療用頭蓋固定枠 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3299747A JP2716047B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 医療用頭蓋固定枠 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05111472A JPH05111472A (ja) | 1993-05-07 |
| JP2716047B2 true JP2716047B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=17876487
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3299747A Expired - Lifetime JP2716047B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 医療用頭蓋固定枠 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2716047B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5380336A (en) * | 1993-04-16 | 1995-01-10 | John Misko | Method and apparatus for stereotactic radiosurgery and fractionated radiation therapy |
| WO2018137123A1 (zh) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 深圳市奥沃医学新技术发展有限公司 | 一种用于放射性治疗的定位头钉和一种立体定位装置 |
| KR101953153B1 (ko) * | 2017-06-22 | 2019-02-28 | 주식회사 고영테크놀러지 | 환자의 머리의 고정을 위한 고정 핀 및 이를 포함하는 고정 장치 |
| WO2020211058A1 (zh) * | 2019-04-18 | 2020-10-22 | 西安大医集团股份有限公司 | 一种立杆、定位头架和医疗设备 |
| JP2023091663A (ja) * | 2021-12-20 | 2023-06-30 | 株式会社スパインテック | ヘッドピン |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0360642A (ja) * | 1989-07-31 | 1991-03-15 | Toshiba Corp | 定位脳手術装置 |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP3299747A patent/JP2716047B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05111472A (ja) | 1993-05-07 |
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