JP2713786B2 - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JP2713786B2 JP32728889A JP32728889A JP2713786B2 JP 2713786 B2 JP2713786 B2 JP 2713786B2 JP 32728889 A JP32728889 A JP 32728889A JP 32728889 A JP32728889 A JP 32728889A JP 2713786 B2 JP2713786 B2 JP 2713786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクジェット記録方式により記録液滴を
発生させて記録を行う液体噴射記録ヘッドの製造方法に
関する。
[従来の技術] インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用
される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細な記録液吐出
口(以下、オリフィスと呼ぶ)や液路および液路の一部
に設けられる液体吐出エネルギー発生部を備えている。
従来、このような液体噴射記録ヘッドを作成する方法と
しては、例えば、ガラスや金属等の板に切削やエッチン
グ等の加工手段によって微細な溝を形成し、その板を他
の適当な板と接合して液路を形成する方法が知られてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、斯かる従来の方法によって作成される
液体噴射記録ヘッドでは、切削加工された液路内壁面の
流れが大きすぎたり、エッチング率の差から液路に歪が
生じたりして、液路における流体抵抗が一定し難く、製
作後の液体噴射記録ヘッドの記録液吐出特性にバラツキ
が出易いと言った問題があった。また、切削加工の際に
板の欠けや割れが生じ易く、製造歩留りが悪い。更にま
た、エッチング加工を行なう場合には、製造工程が多
く、コストの上昇を招くと言う不利もあった。また、上
記従来法に共通する欠点として、液路が形成された溝付
板と、記録液滴を吐出させるための吐出エネルギーを発
生する圧電素子や電気熱変換体等の駆動素子が設けられ
た蓋板とを貼り合せる際に、これら板の位置合わせが困
難であり、量産性に欠けると言った問題もあった。
また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使用環境下に
あっては、記録液(一般には、水を主体とし多くの場合
中性ではないインク液、あるいは有機溶剤を主体とする
インク液等)と常時接触しているため、液体噴射記録ヘ
ッドを構成するヘッド構造材料は、記録液からの影響を
受けて強度低下を起こすことがなく、また逆に記録液中
に、記録液適性を低下させるような有害な成分を与える
ことのないものであることが望まれるが、上記従来法に
おいては、加工方法等の制約もあって、必ずしもこれら
目的にかなった材料を選択することができなかった。
そこで、上述のような欠点に鑑みなされた液体噴射記
録ヘッドの製造方法の一つとして特開昭58−136478号公
報に開示されている方法がある。この方法は、上述の欠
点がない優れた液体噴射記録ヘッドの製造方法といえる
が、この方法においても吐出口を形成する際に、液路形
成部材と基板とが同時に加工されるため特に基板側に傷
が入りやすく、製造の歩留りを低下させるという問題が
あった。また吐出口が異種材料で構成されるために、印
字品位の点で必ずしも充分ではなかった。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に着目し、そ
の解決を図るべく、廉価,精密であり、また信頼性の高
い新規な液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供すること
にある。
また、本発明の他の目的は精度良く正確に且つ歩留り
良く微細加工された構成の液路を有する液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法を提供することにある。
更にまた、本発明の他の目的は記録液との相互影響が
少なく、機械的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘ
ッドが得られる新規な液体噴射記録ヘッドの製造方法を
提供することにある。
また、印字品位にも優れた液体噴射記録ヘッドの製造
方法を提供することも目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明による第1の形態は、複数の記録液吐出エネル
ギー発生素子が形成された基板上に、これら複数の記録
液吐出エネルギー発生素子と対応する液路および液室の
パターンに従った固体層を形成する工程と、前記複数の
記録液吐出エネルギー発生素子の間の前記基板上に、前
記固体層の前記液路のパターン部分を分断するように、
前記液路とは直角の方向の鉛直溝を形成する工程と、前
記鉛直溝および前記固体層を覆う液路・液室形成のため
の部材を前記基板上に設ける工程と、前記液路・液室形
成のための部材および前記基板を前記鉛直溝と平行に前
記鉛直溝の部分で裁断して記録液吐出面を形成する工程
と、前記記録液吐出面から前記固体層に向けて前記液路
・液室形成のための部材に記録液吐出口を穿設する工程
と、前記固体層を溶解除去して前記液路および前記液室
を形成する工程とを具えたことを特徴とする液体噴射記
録ヘッドの製造方法にある。
また、本発明による第2の形態は、基板上に液路およ
び液室のパターンに従った固体層を形成する工程と、前
記基板上に、前記固体層の前記液路のパターン部分を分
断するように、前記液路とは直角方向の鉛直溝を形成す
る工程と、前記固体層の前記液路のパターン部分に記録
液吐出エネルギー発生素子を形成する工程と、前記鉛直
溝および前記固体層を覆う液路・液室形成のための部材
を前記基板上に設ける工程と、前記液路・液室形成のた
めの部材および前記基板を前記鉛直溝と平行に前記鉛直
溝の部分で裁断して記録液吐出面を形成する工程と、前
記記録液吐出面から前記固体層に向けて前記液路・液室
形成のための部材に記録液吐出口を穿設する工程と、前
記固体層を溶解除去して前記液路および前記液室を形成
する工程とを具えたことを特徴とする液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法にある。
ここで、記録液吐出エネルギー発生素子は、電気熱変
換体であってもよいし、圧電素子であってもよい。ま
た、液室に連通する記録液供給口を形成する工程をさら
に有するものであってもよい。さらに、液路および液室
形成のための部材は、硬化性樹脂であることが望まし
い。
〔作 用〕
本発明の第1の形態によると、複数の記録液吐出エネ
ルギー発生素子が形成された基板上に、これら複数の記
録液吐出エネルギー発生素子と対応する液路および液室
のパターンに従った固体層を形成する。次に、複数の記
録液吐出エネルギー発生素子の間の基板上に、固体層の
液路のパターン部分を分断するように、液路とは直角の
方向の鉛直溝を形成した後、鉛直溝および固体層を覆う
液路・液室形成のための部材を基板上に設ける。そし
て、液路・液室形成のための部材および基板を鉛直溝と
平行に鉛直溝の部分で裁断することにより、それぞれ液
体噴射記録ヘッドとなる2つの部品に分断される。
これら2つの部品に対して以下の処理をそれぞれ施す
ことにより、2つの液体噴射記録ヘッドが製造される。
すなわち、裁断によって形成された面から固体層に向け
て液路・液室形成のための部材に記録液吐出口を穿設す
る。つまり、この裁断面が記録液の吐出口面となる。し
かる後、固体層を溶解除去して液路および液室を形成す
る。
本発明の第2の形態によると、基板上に液路および液
室のパターンに従った固体層を形成する。次に、基板上
に、固体層の液路のパターン部分を分断するように、液
路とは直角方向の鉛直溝を形成し、さらに固体層の液路
のパターン部分に記録液吐出エネルギー発生素子を形成
する。そして、鉛直溝および固体層を覆う液路・液室形
成のための部材を基板上に設け、液路・液室形成のため
の部材および基板を鉛直溝と平行に鉛直溝の部分で裁断
することにより、それぞれ液体噴射記録ヘッドとなる2
つの部品に分断される。
以下、第1の形態と同様の処理を施して2つの液体噴
射記録ヘッドが製造される。
[実施例] 以下に、図面に基づいて、本発明を詳細かつ具体的に
説明する。
第1図乃至第8図は、本発明の基本的な過程の態様を
説明するための模式図であり、第1図乃至第8図のそれ
ぞれには、本発明の方法に係る液体噴射記録ヘッドの構
成とその製作手順の一例が示されている。なお、本例で
は、2つのオリフィスを有する液体噴射記録ヘッドが示
されるが、もちろんこれ以上のオリフィスを有する高密
度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドの場合あるいは1つ
のオリフィスを有する液体噴射記録ヘッドの場合でも同
様であることは言うまでもない。
本態様においては、まず例えば第1図に示すような、
ガラス,セラミックス,プラスチックあるいは金属等か
ら成る基板101が用いられる。なおここでの基板101は固
体層形成前の状態が示されている。
このような基板101は、液路形成部材の一部として機
能し、また後述の固体層および液路形成部材積層時に支
持体として機能し得るものであれば、この形状,材質等
は特に限定されるものではない。なお、本実施例ではシ
リコン基板を用いた。そして、かかる基板101上にまず
電気熱変換体あるいは圧電素子等の液体吐出エネルギー
発生素子が所望の個数配設される。第1図の実施例では
吐出口を互いに対向させた形態で、2ヘッド分を形成す
るもので1ヘッド当り2個、計4個の発熱素子102が配
設してある。
しかしこれらの発熱素子102によって記録液小滴を吐
出させるために熱エネルギーがインク液に与えられ、記
録が行なわれる。
すなわち、これらの発熱素子102は、近傍の記録液を
加熱することにより、吐出エネルギーを発生させること
ができるもので、例えば、圧電素子が用いられるとき
は、圧電素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが
発生される。
また、発熱素子102には、これらの素子を動作させる
ための制御信号入力用電極(不図示)が接続されるが、
一般にはこれらのような吐出エネルギー発生素子の耐用
性の向上等をはかるために、保護層等の各種の機能層が
設けられる。そこで、本例においてもこのような機能層
を設けることは一向に差しつかえない。また、本例にお
いては、吐出エネルギー発生素子として発熱素子102を
液路形成前に基板101上に配設したが、その配設時期は
所望とし得る。
まず、第1の工程として、第1図に示したように発熱
素子102が形成された基板101に対してその液路形成部分
上に、第2A図および第2B図に示すように固体層103を積
層する。なお本実施例においては、固体層103として「O
ZATEC R225」(商品名、ヘキストジャパン(株)製)を
用い、通常のプリント回路基板製造工程で行なわれるフ
ォトリソグラフィ法でパターニングを行ない形成した。
また、露光にあたっては周知の方法でマスクと基板との
位置合せを行ない、発熱素子102上に液路形成部分が重
ね合されるようにした。
このような固体層103を形成する具体的な処理方法の
例を以下に示す。
(1)感光性ドライフィルムを用い、所謂ドライフィル
ムの画像形成プロセスに従って固体層103を形成する。
(2)基板101上に所望の厚さの溶剤可溶性ポリマーお
よびフォトレジスタ層を順次積層し、フォトレジスト層
のパターン形成後、溶剤可溶性ポリマー層を選択的に除
去する。
(3)硬化性、または非硬化性の樹脂を印刷する。
次に第2の工程として、第3A図および第3B図に示すよ
うな溝104を形成する。ここで、C−CおよびD−Dは
吐出口を形成する位置であり、本実施例では2つのヘッ
ドを対向させた形態で作成するもので、そのために基板
101の中央部に図示のような溝104を形成した。第3B図は
第3A図のB−B線断面図である。なお溝104を形成する
方法としては、半導体製造のシリコンウエハー分離に通
常行なわれるダイシング法や、レーザ光による加工法,
超音波加工法等を用いることができる。本実施例ではレ
ジノイドボンドのダイヤモンドブレードを使用し、ダイ
シング法により溝入れを行った。
続いて第3の工程として、固体層103および溝104の全
体を覆うようにして液路形成部材105を積層する。
このような液路形成部材105としては、上記固体層103
を被包し得るものであれば好適に使用することができる
が、該部材は、液路を形成して液体噴射記録ヘッドとし
ての構造材料と成るものなので、基板101との接着性,
機械的強度,寸法安定性および耐蝕性の面で優れたもの
を選択することが望ましい。そのような材料を具体的に
示すと、液状で熱硬化,紫外線硬化および電子ビーム硬
化などが可能な硬化性材料が好ましく、中でもエポキシ
樹脂,アクリル樹脂,ジグリコールジアルキルカーボネ
ート樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹
脂,ポリイミド樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,
尿素樹脂等が好ましく使用される。また、電解メッキ,
蒸着,スパッタリング等で積層できる金属も好適に用い
ることができ、これらの金属の例としては、Cu,Ag,Au,N
i,Cr,Sn,Pb,Zn,Al,Ti等をあげることができる。また蒸
着スパッタリングによる場合は、金属の酸化物や硫化物
等の化合物をも用いることができる。本実施例では、リ
ポキシH−610(商品名、昭和高分子(株)製)にメチ
ルエチルケトンパーオキサイド2部を混合したものを用
いた。
上述したような液状の硬化性材料を液路形成部材105
として用いる場合には、例えばカーテンコート,ロール
コート,スプレーコート等の公知の手段によって上述の
材料を塗布すればよく、以て基板101上に所望の厚さで
上述の材料を積層することができる。なお、塗布に際し
ては、該材料の脱気を行なった後、気泡の混入を避けな
がら行なうのが好ましい。
またここで、例えば第4図のように液路形成部材105
を積層するのに、上記のような液状の硬化性材料を用い
る場合には、硬化性材料を、例えば液体の流出,流動を
抑制した状態に保ち、更に必要ならば上部に抑え板を重
ね、所定の条件で硬化させればよい。なお、硬化条件が
常温または加熱硬化であれば、30分〜2時間放置すれば
良く、紫外線硬化などの場合は、通常10分以内の短時間
の照射によって硬化が可能である。
次に、第4の工程として吐出口を開口するために、ま
ずダイシング法により吐出面に対応する線C−Cおよび
D−Dで切断した。なお、このときの切断用ブレードの
厚さをC−C線からD−D線までの間隔に一致させるよ
うにしたので、1回の切断で2つの部材に分離できた。
その後、打ち抜き法により吐出口108を開口させて、第
5図に示すようなヘッド構成部材109を得た。
次に第5の工程として固体層103を除去するために3
%苛性ソーダを溶液に浸漬し、5分間超音波をかけた。
これにより固体層103を完全に除去し、次いで、純水で2
0分間洗浄した後乾燥して、第6図に示すような記録ヘ
ッドの形態とすることができた。なお、ここで用いる除
去液および方法については用いる固体層103の材質を配
慮した上で選択されるべきである。
なお、第5の工程で固体層103の溶解,膨潤あるいは
剥離可能な液体中にヘッド構成部材109を浸漬して除去
する方法を好ましいものとして挙げたが、この際、必要
に応じて超音波処理,スプレー,加熱,撹拌,その他の
除去促進手段を用いることも可能である。
また、上記除去手段に用いられる液体としては、例え
ば含ハロゲン炭化水素,ケトン,エステル,芳香族炭化
水素,エーテル,アルコール,N−メチルピロリドン,ジ
メチルホルムアミド,フェノール,水,強アルカリを含
む水等が挙げられる。さらにこれら液体には、必要に応
じて界面活性剤を加えられてもよい。
第7図は本実施例により作成した液体噴射記録ヘッド
111を示し、ここでの液路110および液室112は第5図で
固体層103が設けられていた部分にあたる。また、113は
インク供給口である。
このようにして作成した液体噴射記録ヘッド111の液
路110中には、いずれの場合にも固体層の残渣が全く存
在しなかった。更に、これら液体噴射記録ヘッド111を
記録装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレクトブラ
ック154(水溶性黒色染料)=65/30/5から成るインクジ
ェットインクを用いて記録を行なった結果、安定した良
好な記録が得られた。
ついで、本発明の第2の実施例について第8図〜第10
図を参照しながら説明する。
まず、ガラス基板201上に、アルカリ水溶液に可溶な
樹脂であるスチレン/マレイン酸共重合体(共重合比50
/50、重量平均分子量56000)のMEK溶液を塗布し、乾燥
後25ミクロン厚さの層を形成させた。この層の上に弱ア
ルカリ水溶液で現像可能な感光性ドライフィルム「RIST
ON」(商品名、デュ・ポン・ド・ネモアース・Go)をラ
ミネートした後、マスクを重ね、60mJ/cm2の紫外線照射
を行なった。
照射部分を重合させた後、2%の炭酸ナトリウム水溶
液を用いて、フォトレジストの現像およびスチレン/マ
レイン酸共重合体層のエッチングを行ない、合計50ミク
ロンの膜厚で120ミクロンピッチのレリーフの固体層202
を形成した。
次に第8図に示すようにダイシング法により第1の溝
203を形成した。なお、ここで、E−E線およびF−F
線は吐出面形成位置を示す。次いで、振動板204を貼り
合せた圧電素子205を液路形成予定位置の上部にあたる
固体層202上に配設した後、第1の実施例で用いたのと
同じ材質の樹脂を被覆硬化させて第9図に示すような液
路形成部材206を得た。
かくして実施例1と同様に吐出面形成位置のE−E線
およびF−F線に沿ってダイシング法により切断を行っ
た後、打ち抜き法で吐出口208を開口させ、さらに2%
苛性ソーダ水溶液中で超音波処理を5分間行い、固体層
202を完全に溶解除去した。溶解除去した後、さらに全
体を、純水で20分間洗浄し乾燥させて、第10図に示すよ
うに、液路210および液室212、インク供給口213を具え
た液体噴射記録ヘッドを構成することができた。
この液体噴射記録ヘッドを記録装置に取り付けて3ヶ
月間記録試験を行なったが、インク中への折出物の発生
や目詰りによる吐出不安定は起こらず、安定な印字が可
能であった。また、オリフィスの変形や剥離等も全く発
生していなかった。
第11図は本発明の実施例によって得られた記録ヘッド
と比較するために示した従来の記録ヘッドの比較例であ
る。比較例では第1実施例においての第2の工程を行な
わず、他の工程,材料および方法については全く同様に
して液体噴射記録ヘッド311を作成した。なお第11図
で、301はシリコン基板、302は発熱素子、305は液路形
成部材、308はインク吐出口、310は液路、313はインク
供給口である。この比較例の実施例との構成の相違は吐
出口308が異種の材料、すなわちシリコン基板301と液路
形成部材305とによって形成されている点で、比較例の
記録ヘッドは本発明によって得られた記録ヘッドに比べ
て後述するように種々の点で劣っている。
[発明の効果] 以上に説明してきたように、本発明によれば、もたら
される効果として、下記に列挙するようなものが挙げら
れる。
(1)吐出口が均一の材料で囲まれているため、吐出方
向が一定一様であり高品位の印字が得られる。
(2)吐出口形成時の加工対象が均一の材料なので、歩
留りよく加工でき、廉価で液体噴射記録ヘッドを提供す
ることができる。
(3)ヘッド製作のための主要工程が、いわゆる印刷技
術、すなわちフォトレジストや感光性ドライフィルム等
を用いた微細加工技術に因るため、ヘッドの細密部を、
所望のパターンで、しかも極めて容易に形成することが
できるばかりか、同構成の多数のヘッドを同時に加工す
ることが可能である。
(4)中性でない水溶液、あるいは有機溶剤を媒体とす
る記録液に対して相互に影響し合うことがなく、且つ接
着性あるいは機械的強度等にも優れた材料を、ヘッド構
成材料として用いるので、記録装置としての耐久性ある
いは信頼性を高めることができる。
(5)主要構成部位の位置合わせを容易、かつ確実に為
すことができ、寸法精度の高いヘッドが歩留り良く得ら
れる。
(6)高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドが簡易な
方法で得られる。
(7)液路を構成する溝壁の厚さの調整が極めて容易で
あり、固体層の厚さに応じて所望の寸法(例えば、溝深
さ)の液流路を構成することができる。
(8)連続、且つ大量生産が可能である。
(9)エッチング液(フッ化水素酸等の強酸類)を特に
使用する必要がないので、安全衛生の面でも優れてい
る。
(10)接着剤を特に使用する必要がないので、接着剤が
流動して溝が塞がれたり、液体吐出エネルギー発生素子
に付着して、機能低下を引き起こすことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明の各過程の構成を模式的に示す
説明図であり、第1図は基板の状態図、 第2A図は第1の工程による構成図、 第2B図は第2A図のA−A線断面図、 第3A図は第2の工程の前段による構成図、 第3B図は第3A図のB−B線断面図、 第4図は第3工程による構成の断面図、 第5図は第4の工程後の吐出口形成状態を示す断面図、 第6図は第5の工程による構成の断面図、 第7図は本発明によって得られた記録ヘッドの斜視図、 第8図〜第9図は本発明の第2の実施例による各過程の
構成を模式的に示す説明図、 第10図は本発明の第2実施例によって得られた記録ヘッ
ドの斜視図、 第11図は比較例として示す従来の記録ヘッドの斜視図で
ある。 101,201……基板、 102……発熱素子、 103,202……固体層、 104,203……溝、 105,206……液路形成部材、 108,208……インク吐出口、 109……ヘッド構成部材、 110,210……液路、 111……記録ヘッド、 112,212……液室、 113,213……インク供給口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真塩 英明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−102948(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の記録液吐出エネルギー発生素子が形
    成された基板上に、これら複数の記録液吐出エネルギー
    発生素子と対応する液路および液室のパターンに従った
    固体層を形成する工程と、 前記複数の記録液吐出エネルギー発生素子の間の前記基
    板上に、前記固体層の前記液路のパターン部分を分断す
    るように、前記液路とは直角の方向の鉛直溝を形成する
    工程と、 前記鉛直溝および前記固体層を覆う液路・液室形成のた
    めの部材を前記基板上に設ける工程と、 前記液路・液室形成のための部材および前記基板を前記
    鉛直溝と平行に前記鉛直溝の部分で裁断して記録液吐出
    面を形成する工程と、 前記記録液吐出面から前記固体層に向けて前記液路・液
    室形成のための部材に記録液吐出口を穿設する工程と、 前記固体層を溶解除去して前記液路および前記液室を形
    成する工程と を具えたことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】基板上に液路および液室のパターンに従っ
    た固体層を形成する工程と、 前記基板上に、前記固体層の前記液路のパターン部分を
    分断するように、前記液路とは直角方向の鉛直溝を形成
    する工程と、 前記固体層の前記液路のパターン部分に記録液吐出エネ
    ルギー発生素子を形成する工程と、 前記鉛直溝および前記固体層を覆う液路・液室形成のた
    めの部材を前記基板上に設ける工程と、 前記液路・液室形成のための部材および前記基板を前記
    鉛直溝と平行に前記鉛直溝の部分で裁断して記録液吐出
    面を形成する工程と、 前記記録液吐出面から前記固体層に向けて前記液路・液
    室形成のための部材に記録液吐出口を穿設する工程と、 前記固体層を溶解除去して前記液路および前記液室を形
    成する工程と を具えたことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記記録液吐出エネルギー発生素子は、電
    気熱変換体であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】前記記録液吐出エネルギー発生素子は、圧
    電素子であることを特徴とする請求項2に記載の液体噴
    射記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記液室に連通する記録液供給口を形成す
    る工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載
    の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記液路および液室形成のための部材は、
    硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
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