JP2713767B2 - ジャンパクランプ装置 - Google Patents

ジャンパクランプ装置

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JP2713767B2
JP2713767B2 JP1143988A JP14398889A JP2713767B2 JP 2713767 B2 JP2713767 B2 JP 2713767B2 JP 1143988 A JP1143988 A JP 1143988A JP 14398889 A JP14398889 A JP 14398889A JP 2713767 B2 JP2713767 B2 JP 2713767B2
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正夫 山内
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、OPGW(光ファイバ入り地線)などの架空地
線を鉄塔の頂部において固定する場合に使用するもの
で、特に鉄塔に対して架空地線が水平角とカテナリ角と
を有する場合に適するジャンパクランプ装置に関するも
のである。
(従来の技術) 第7図に示すように、送電線1は、一般に山間部など
に設けられることが多い。図中2は山間部に設けた鉄塔
であるが、この場合鉄塔2の建設地の標高差から送電線
1にはカテナリ角α12が発生することが多くな
る。
また山間部における架線は、平面的に見ても第8図に
示すように一直線上に配置しがたいために、送電線1に
は水平角β1が生ずることが多い。
またOPGW(光ファイバ入り地線)などの架空地線3
は、第9図に示すように鉄塔2の頂部に従来のクランプ
装置4を介して一旦固定されるが、その先の、OPGWは情
報伝達機能を有する関係で、鉄塔2に添わせて地上の設
備(図示せず)に導かれる。したがってクランプ装置4
から下方へ向かう架空地線は、第9図に示すAの部分の
屈曲度が強くなる傾向がある。なお図中5は耐張クラン
プである。
(発明が解決しようとする課題) 上述のように従来は、OPGWの架空地線3を鉄塔2に添
わせて地上の設備に接続する場合に、地線3の曲がりが
ヘアピンカーブ状などのように急なカーブとなることが
しばしばあった。
特に、架空地線3がOPGW(光ファイバ入り地線)であ
る場合、OPGWは、光ファイバケーブルを内部に有してい
るので、極端に曲げられず、緩やかなカーブを描いて曲
げるか、あるいは地線の屈曲部を外側へ大きく張り出さ
せて曲率半径を大きくしなければならなかった。
しかしながら地線3を鉄塔2に近い位置で緩やかに曲
げるには、鉄塔2の頂部に設けるクランプの線条把持方
向を調整する必要があるが、従来のクランプ装置4に
は、そのような調整機能はなく、また地線3を外側に大
きく張り出させた場合は、風圧などによって線条に揺れ
や振動が発生するという問題点があった。
(課題を解決するための手段) 上述の問題点を解決するため本発明においては、鉄塔
の上部に取り付ける固定基板と、その固定基板に立設し
た縦板とよりなる架台と、その縦板に添設されているカ
テナリ調整具と、このカテナリ調整具と対向する線条押
えとを有し、カテナリ調整具と線条押さえとの間で架空
地線を把持するジャンパクランプ装置であって、前記固
定基板には、水平角を調整するための長孔を設け、前記
カテナリ調整具に設けた長孔と前記縦板に設けた長孔と
前記線条押えに設けた長孔とを連結し、これらカテナリ
調整用の長孔による連結位置を調整することにより、架
空地線のカテナリを調整できるようにしてジャンパクラ
ンプ装置を構成する。
また、前記縦板にカテナリ調整具の高さを調整する上
下に長い長孔を設けてジャンパクランプ装置を構成して
もよい。
(作 用) 本発明装置は上述のように構成したから、水平角を調
整するには、固定基板の長孔によって固定基板の鉄塔に
対する固定位置を調整する。
またカテナリ角を調整するには、カテナリ調整用の長
孔によって、クランプ用線条溝の傾斜度を変化させて行
い、さらにカテナリ調整具の高さを調整するには、縦板
に設けた長孔によって行う。
上述の調整を行うことで、OPGWなどの地線を鉄塔に添
わせると共に、しかも緩やかなカーブを描いて曲げるこ
とができる。
(実施例) 以下、第1図〜第6図について本発明の実施例を説明
する。図中前記符号と同一の符号は同等のものを示す。
第2図に詳細に示すように、方形板をジャンパクラン
プ装置の固定基板6とし、この固定基板6の中央部の左
右両側に、それぞれ円弧状の長孔6a,6aを設け、これら
2個の長孔6a,6aの中間に固定基板6と直交する縦板7
を溶接等によって立設する。
本実施例の縦板7は、第2図(a)に示すように、上
端部を半円形に形成すると共に、第2図(b)に示すよ
うに、下部に2個所の屈折部7a,7bを設けてある。また7
cは固定基板6との接合部の中間に設けた切欠部で、ナ
ットの操作を容易にするためのものである。
そして縦板7の上部には、ボルト挿通用の4個の長孔
7d,7e,7f,7gを設ける。これらの長孔7d〜7gは、カテナ
リ調整具(後述する)の高さを調整するために上下い長
い長孔とし、またその配列は長孔7dを縦板7の中心線上
の最上位にすると共に、長孔7gを中心線上の最下位と
し、長孔7eは第2図(a)において、長孔7dの右側のや
や下位に設け、長孔7fは長孔7gの左側のやや上位に設け
るのがよい。
上述した固定基板6と縦板7とによって、ジャンパク
ランプ装置の架台8を構成する。
また第3図に詳細に示すように、円板の上下左右にそ
れぞれ円弧状の長孔9a,9b,9c,9dを設けると共に、長孔9
a,9dと長孔9b,9cとの間に線溝9eを設けて、クランプ本
体を兼用するカテナリ調整具9を形成する。
また第4図に詳細に示すように、円板の上下左右にそ
れぞれ円弧状の長孔10a,10b,10c,10dを設けると共に、
前記カテナリ調整具9との対向面において、長孔10a,10
dと長孔10b,10cとの間に線溝10eを設けて線条押え10を
形成する。
そして第1図に示すように、例えば縦板7の長孔7d
と、カテナリ調整具9の長孔9aと、線条押え10の長孔10
aにボルト11を挿通してナット12により締結できるよう
にすると共に、長孔7g,9c,10cにもボルト11を挿通して
ナット12により締結できるようにする。なお13,14はワ
ッシャである。
上述のようにして本実施例のジャンパクランプ装置は
組み立てられるが、これを鉄塔2に取り付けるには、第
5図に示すように、架台8の固定基板6を鉄塔2の頂面
に載せ、長孔6aを介してボルト11およびナット12により
鉄塔2上に固定する。
そして耐張クランプ5により引き留めた架空地線3
を、本発明のジャンパクランプ装置のカテナリ調整具9
の線溝9eと、線条押え10の線溝10eとの間に挟むと共
に、適当な傾斜角度で締結して後、架空地線3を鉄塔2
に添わせて下方へ導く。
この場合、第8図について説明したように、送電線1
の架設状態に水平角がある際は、固定基板6の長孔6aに
よって、鉄塔2に対する本発明ジャンパクランプの線溝
の取り付け角度を、例えば各水平角の約1/2だけ振った
状態にセットしてやれば、架空地線の屈曲度を、その地
点における水平角の約1/2に緩和することできる。
また第7図について説明したように、送電線1の架設
状態にカテナリ角がある場合には、第5図に示すよう
に、本発明のジャンパクランプ装置による架空地線3の
把持を、適当に傾けると共に、その把持部の高さを調節
することによって、鉄塔2に対する前後の架空地線3の
屈曲度を従来のクランプ装置によるものより小さくし
て、OPGWに対する悪影響を減少させることができる。
すなわち架空地線3の把持部の高さを調節するには、
ボルト11のナット12をゆるめて縦板7の長孔7d,7e,7f,7
gのいずれかに対して上下に摺動させて、適当な位置で
ボルト11とナット12で締めつければよい。
また架空地線3の把持部の傾斜度を調整するには、ボ
ルト11のナット12をゆるめて、カテナリ調整具9および
線条押え10をそれぞれに設けた長孔(例えば、長孔9a,9
c,10a,10c)を介して所望の方向へ回動させて、各線溝9
e,10eの傾斜度を変えればよい。
そして上述の操作で、なお調整が不十分である場合
は、例えば第6図に示すようにボルト11を長孔7f,9bの
重合部、および長孔7e,9dの重合部に移し変えれば、第
1図の場合の調整範囲を越えて調整することが可能にな
る。
なお上述の実施例では、各調整用のボルト挿通孔を長
孔にした場合を示したが、これらの長孔の代わりに複数
個の孔を並設してもよい。
(発明の効果) 本発明装置は上述のように構成したから、水平角を調
整するには、固定基板6の長孔6aによって固定基板6の
鉄塔2に対する固定位置を調整することができる。
またカテナリ角を調整するには、カテナリ調整用の長
孔7d〜7g,9a〜9d,10a〜10dによって、クランプ用線条溝
9e,10eの傾斜度を変化させて行うことができる。さらに
カテナリ調整具9の高さを調整するには、縦板7に設け
た長孔7d〜7gによって行うことができる。そして上述の
各調整を行うことで、OPGWなどの地線3を鉄塔2に添わ
せると共に、しかも緩やかなカーブを描いて曲げること
ができるから、本発明によれば、OPGWの架空地線を悪影
響をうけることなく配線することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明のジャンパクランプ装置の正面
図、 同図(b)はその側面図、 同図(c)は同下面図、 第2図(a)はその架台の正面図、 同図(b)はその側面図、 同図(c)は同下面図、 第3図(a)はカテナリ調整具の正面図、 同図(b)はその側面図、 第4図(a)は線条押えの正面図、 同図(b)はその側面図、 第5図は本発明装置を鉄塔の頂部に取り付けた使用状態
を示す立面図、 第6図は架台とカテナリ調整具との関係を示す作用説明
図、 第7図は山間部における架線状態を示す立面図、 第8図は山間部における架線状態を示す平面図、 第9図は従来のクランプ装置の使用状態を示す鉄塔上部
の立面図である。 1……送電線、2……鉄塔 3……架空地線、6……固定基板 6a……長孔、7……縦板 7d〜7g……長孔、8……架台 9……カテナリ調整具、9a〜9d……長孔 9e……線溝、10……線条押え 10a〜10d……長孔、10e……線溝 11……ボルト、12……ナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄塔の上部に取り付ける固定基板と、その
    固定基板に立設した縦板とよりなる架台と、その縦板に
    添設されているカテナリ調整具と、このカテナリ調整具
    と対向する線条押えとを有し、カテナリ調整具と線条押
    さえとの間で架空地線を把持するジャンパクランプ装置
    であって、前記固定基板には、水平角を調整するための
    長孔を設け、前記カテナリ調整具に設けた長孔と前記縦
    板に設けた長孔と前記線条押えに設けた長孔とを連結
    し、これらカテナリ調整用の長孔による連結位置を調整
    することにより、架空地線のカテナリを調整できるよう
    にしたジャンパクランプ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の縦板にカテナリ調整具の高
    さを調整する上下に長い長孔を設けたジャンパクランプ
    装置。
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